JP2008199525A - 車両用撮影装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】自車を照らす光の影響を考慮しながら二値化処理やエッジ検出処理等の画像処理に適した画像を取得して各種画像処理装置に出力する車両用撮影装置を提供すること。
【解決手段】車両用撮影装置100は、自車V周辺の路面を撮影する撮影手段2と、自車Vの位置から見た光源LSの方向を推定する光源方向推定手段10と、光源方向推定手段10が推定した光源LSの方向に基づいて撮影手段2が撮影した画像を補正する画像補正手段12と、を備える。また、車両用撮影装置100は、光源方向推定手段10が推定した光源LSの方向に基づいて光源LSからの光により形成される自車Vの影の範囲Sを認識する影範囲認識手段11を更に備え、画像補正手段12は、影範囲認識手段11が認識した影の範囲Sに基づいて撮影手段2が撮影した路面画像を補正してもよい。
【選択図】図1
【解決手段】車両用撮影装置100は、自車V周辺の路面を撮影する撮影手段2と、自車Vの位置から見た光源LSの方向を推定する光源方向推定手段10と、光源方向推定手段10が推定した光源LSの方向に基づいて撮影手段2が撮影した画像を補正する画像補正手段12と、を備える。また、車両用撮影装置100は、光源方向推定手段10が推定した光源LSの方向に基づいて光源LSからの光により形成される自車Vの影の範囲Sを認識する影範囲認識手段11を更に備え、画像補正手段12は、影範囲認識手段11が認識した影の範囲Sに基づいて撮影手段2が撮影した路面画像を補正してもよい。
【選択図】図1
Description
本発明は、自車周辺の路面を撮影する車両用撮影装置に関し、特に、自車を照らす光の影響を考慮しながら二値化処理やエッジ検出処理等の画像処理に適した路面画像を取得して各種画像処理装置に出力する車両用撮影装置に関する。
従来、ブルーミングやスミアを発生させることなく、自車後方の路面を含めた景色を撮影する車載カメラ用オプトエレクトロニックフィルタ装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
この装置は、太陽光等の明るい光源が入り込む撮影範囲上部領域の光透過率を低下させるための液晶フィルタと、路面が含まれる撮影範囲下部領域の明るさを一定に保つためのオートアイリスとを後方監視用車載カメラのレンズ前方に配置する。
これにより、この装置は、車載カメラが撮影する画像の輝度を適正に保ち、運転者が自車後方の下部領域を容易に視認できるようにする。
特開平6−105194号公報
しかしながら、特許文献1に記載の車載カメラ用オプトエレクトロニックフィルタ装置は、撮影範囲の上部領域と下部領域との間に明暗の差が生じても、上部領域でブルーミングやスミアを発生させるのを防止しながら下部領域を適正露出で撮影することができるが、液晶フィルタ及びオートアイリスの配置が固定されているため、撮影範囲の下部領域内に明暗の差が生じた場合には下部領域を適正露出で撮影することができない。
そのため、路面標示の種類を識別するための二値化処理やエッジ検出処理等の画像処理を施すに足る画像を取得することができない場合がある。
上述の点に鑑み、本発明は、自車を照らす光の影響を考慮しながら画像処理に適した路面画像を取得して各種画像処理装置に出力する車両用撮影装置を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、第一の発明に係る車両用撮影装置は、自車周辺の路面を撮影する撮影手段と、自車位置から見た光源の方向を推定する光源方向推定手段と、前記光源方向推定手段が推定した光源の方向に基づいて前記撮影手段が撮影した路面画像を補正する画像補正手段とを備えることを特徴とする。
また、第二の発明は、第一の発明に係る車両用撮影装置であって、前記光源方向推定手段が推定した光源の方向に基づいて該光源からの光により形成される自車の影の範囲を認識する影範囲認識手段を更に備え、前記画像補正手段は、前記影範囲認識手段が認識した影の範囲に基づいて前記撮影手段が撮影した路面画像を補正することを特徴とする。
また、第三の発明に係る車両用撮影装置は、自車周辺の路面を撮影する撮影手段と、自車位置から見た光源の方向を推定する光源方向推定手段と、前記光源方向推定手段が推定した光源の方向に基づいて前記撮影手段の撮影条件を制御する撮影条件制御手段と、を備えることを特徴とする。
また、第四の発明は、第三の発明に係る車両用撮影装置であって、前記光源方向推定手段が推定した光源の方向に基づいて該光源からの光により形成される自車の影の範囲を認識する影範囲認識手段を更に備え、前記撮影条件補正手段は、前記影範囲認識手段が認識した影の範囲に基づいて前記撮影手段の撮影条件を制御する、ことを特徴とする。
また、第五の発明は、第一乃至第四の何れかの発明に係る車両用撮影装置であって、自車を照らす光の明るさを検出する明るさ検出手段を更に備え、前記光源方向推定手段は、前記明るさ検出手段が自車の複数位置で検出した明るさに基づいて自車位置から見た光源の方向を推定する、ことを特徴とする。
また、第六の発明は、第一乃至第五の何れかの発明に係る車両用撮影装置であって、前記光源は太陽であり、前記光源方向推定手段は、日時と自車位置とに基づいて自車位置から見た太陽の方向を推定する、ことを特徴とする。
上述の手段により、本発明は、自車を照らす光の影響を考慮しながら画像処理に適した路面画像を取得して各種画像処理装置に出力する車両用撮影装置を提供することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。
図1は、本発明に係る車両用撮影装置の構成例を示すブロック図であり、車両用撮影装置100は、制御部1を有し、CAN(Controller Area Network)やLIN(Local Interconnect Network)等の車載ネットワークを介して、カメラ2、測位装置3、明るさセンサ4、記憶装置5及び路面標示識別装置6に接続される。
車両用撮影装置100は、駐車支援装置、車線逸脱防止装置といった路面標示(規制標示、指示標示、区画線等を含む。)を含む画像(以下、「路面画像」とする。)を利用する車載装置に、二値化処理、エッジ検出処理等の各種画像処理に適した画像を供給するための装置であり、例えば、カメラ2で撮影した画像を後述の路面標示識別装置6に出力する。
制御部1は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備えたコンピュータであって、例えば、光源方向検出手段10、影範囲認識手段11、画像補正手段12、撮影条件制御手段13のそれぞれに対応するプログラムをROMに記憶しながら、各手段に対応する処理をCPUに実行させる。
また、制御部1は、カメラ2、測位装置3、明るさセンサ4又は記憶装置5から入力される各種情報に基づいて上述の手段による演算を行い、演算結果を路面標示識別装置6に出力する。
カメラ2は、車両周辺を撮影するための撮影手段であり、例えば、CCD(Charge-Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)等の撮像素子を備えたカメラであって、自車後方のナンバープレート上部等に取り付けられ、路面にペイントされた路面標示を撮影する。
測位装置3は、車両の現在位置(緯度、経度、高度)を測定するための装置であり、例えば、カーナビゲーションシステムのGPS(Global Positioning System)受信機によりGPSアンテナを介してGPS衛星が出力するGPS信号を受信し、受信したGPS信号に基づいて車両位置を測定する。
測位装置3による測位は、単独測位や相対測位(干渉測位を含む。)等の如何なる方法であってもよいが、好ましくは精度の高い相対測位が用いられる。この際、自車位置は、舵角センサ、車速センサ、ジャイロセンサ等の各種センサの出力や、ビーコン受信機またはFM多重受信機を介して受信される各種情報に基づいて補正されてもよい。
明るさセンサ4は、車両周辺の明るさを検出するためのセンサであり、例えば、受ける光によって内部電気抵抗が変化するCdS(硫化カドニウム)を用いたセンサがある。
また、明るさセンサ4は、例えば、車体上の一カ所に配置されてもよいが、建築物等の影による局所的な影響を避けるため、車体上の複数の位置に配置され、各センサによる測定値の平均値、最大値、最小値、中間値等を車両周辺の明るさとして検出するようにしてもよい。
記憶装置5は、車両用撮影装置100が必要とする各種情報を記憶するための手段であり、例えば、ハードディスク、DVD(Digital Versatile Disc.)等の記憶媒体であって、太陽情報データベース50(以下、「太陽情報DB」とする。)、地図情報データベース51(以下、「地図情報DB」とする。)等を格納する。
「太陽情報DB」は、太陽に関する情報(以下、「太陽情報」とする。)を検索可能に体系的に構成したデータベースである。また、「太陽情報」は、地球上の地点(経度、緯度、高度を含む。)と日時(年、月、日、時、分、秒を含む。)と太陽の方向(方位、仰角、俯角を含む。)とを対応付ける情報であり、所定日時において所定地点から見える太陽の方向を導き出すための計算式を有していてもよい。
路面標示識別装置6は、路面にペイントされた路面標示を識別するための装置であり、例えば、制御部1が出力する画像に二値化処理やエッジ検出処理等の画像処理を施した上で路面標示の輪郭から特徴点(例えば、路面標示の長さ、幅、又は、路面標示における鋭角部や鈍角部の位置、角度若しくはそれらの組み合わせ等である。)を抽出し、抽出した特徴点と記憶装置5に予め登録された特徴点とを照合することにより路面標示の種類を識別する。
次に、制御部1が有する各種手段について説明する。
光源方向推定手段10は、自車位置から見た光源の方向を推定するための手段であり、例えば、記憶装置5の太陽情報DB50を参照して測位装置3が出力する自車位置と現在時刻とに合致する太陽の方向を推定する。
また、光源方向推定手段10は、測位装置3の出力に基づいて取得した自車の走行軌跡から自車の進行方向を判定し、自車の進行方向から見た太陽の水平角(水平面上で自車の進行方向と太陽の方向とが形成する角度である。)及び仰角又は俯角を推定するようにしてもよい。
なお、光源方向推定手段10は、測位装置3の出力と地図情報DB51に記憶された地図情報とに基づいて自車が走行する車線が上り車線であるか下り車線であるかを検知することで自車の進行方向を判定するようにしてもよい。
影範囲認識手段11は、光源からの光によって形成される自車の影の範囲(以下、「影範囲」とする。)を認識するための手段であり、例えば、光源方向推定手段10の推定による自車位置から見た光源の方向と記憶装置5に予め登録された自車情報(車高、車幅等を含む。)とに基づいて路面上に形成される自車の影の範囲を認識する。
また、影範囲認識手段11は、カメラ2が撮影する路面上の範囲(以下、「撮影範囲」とする。)と影範囲とが全体的に重複するか否かを判定するようにしてもよく、撮影範囲と影範囲とが部分的に重複するか否かを判定するようにしてもよい。
撮影範囲と影範囲とが部分的に重複する場合、影範囲認識手段11は、影範囲とそれ以外の範囲とを分ける境界線を導き出すようにしてもよい。
画像補正手段12は、画像を補正するための手段であり、例えば、光源方向推定手段10の推定による自車位置から見た光源の方向に基づいてカメラ2の撮影範囲が自車の影範囲に含まれるか否かを判定し、判定結果に応じてガンマ補正値を決定する。
露出を適正化し、路面標示識別装置6が二値化処理やエッジ検出処理等の画像処理により路面標示の輪郭を確実に抽出できるようにするためである。
また、画像補正手段12は、判定結果に応じて所定の制御信号を路面標示識別装置6に送信し、路面標示識別装置6が二値化処理やエッジ検出処理の際に使用する閾値を所定の値に変更させるようにしてもよい。
また、画像補正手段12は、影範囲認識手段11が認識した自車の影範囲に基づいてカメラ2の撮影範囲が自車の影範囲に含まれるか否かを判定し、判定結果に応じてガンマ補正値を決定したり、路面標示識別装置6が二値化処理やエッジ検出処理の際に使用する閾値を所定の値に変更させたりしてもよい。
さらに、画像補正手段12は、影範囲認識手段11により撮影範囲と影範囲とが部分的に重複すると判定された場合には、影範囲にだけ適用するガンマ補正値や閾値(二値化処理又はエッジ検出処理等で使用する閾値である。)を決定するようにしてもよい。
撮影条件制御手段13は、カメラ2の撮影条件を制御するための手段であり、例えば、画像補正手段12と同様、光源方向推定手段10の推定による自車位置から見た光源の方向に基づいてカメラ2の撮影範囲が自車の影範囲に含まれるか否かを判定し、判定結果に応じてカメラ2のシャッタースピードや絞り値を調節する。
露出を適正化し、路面標示識別装置6が二値化処理やエッジ検出処理等の画像処理により路面標示の輪郭を確実に抽出できるようにするためである。
また、撮影条件制御手段13は、影範囲認識手段11が認識した自車の影範囲に基づいてカメラ2の撮影範囲が自車の影範囲に含まれるか否かを判定し、判定結果に応じてカメラ2のシャッタースピードや絞り値を調節するようにしてもよい。
次に、図を参照しながら、車両用撮影装置100による画像補正処理について説明する。
図2及び図3は、カメラ2が撮影する路面画像と自車周辺の撮影環境との関係を示す図である。
図2(A)は、道路を走行する自車Vの上面視であり、自車Vの後方から光源LS(太陽)の光が入射している状態を示し、図2(B)は、図2(A)に示す状態においてカメラ2が撮影した自車Vの後方の路面画像を示す。
また、図3(A)は、図2(A)と同様、道路を走行する自車Vの上面視であり、自車Vの前方から光源LSの光が入射している状態を示し、図3(B)は、図3(A)に示す状態においてカメラ2が撮影した自車Vの後方の路面画像を示す。
また、図4は、路面標示識別装置6による画像処理により抽出された路面標示の輪郭例を示す図であり、図4(A)が図2(B)の路面画像から抽出された路面標示の輪郭を示し、図4(B)が図3(B)の路面画像から抽出された路面標示の輪郭を示す。
図2(A)は、自車Vの影範囲Sが自車Vの前方に延び、カメラ2の撮影範囲R(進行方向を示す路面標示Pを撮影している。)と影範囲Sとが重複していない状態を示し、図2(B)は、自車Vの影範囲Sの影響を受けずに路面標示Pの輝度が略一定となった路面画像を示す。
一方、図3(A)は、自車Vの影範囲Sが自車Vの後方に延び、カメラ2の撮影範囲Rと影範囲Sとが一部で重複している状態を示し、図3(B)は、自車Vの影範囲Sの影響を受けて路面標示Pの先端部分の輝度が低くなった路面画像を示す。
路面標示識別装置6は、図2(A)に示す路面画像に二値化処理及びエッジ検出処理等の画像処理を施した場合、図4(A)に示すように進行方向を示す路面標示Pを抽出することができるが、図3(A)に示す路面画像に二値化処理及びエッジ検出処理等の画像処理を施した場合、図4(B)に示すように進行方向を示す路面標示Pを識別可能に抽出することができない。
そこで、車両用撮影装置100は、図3(A)に示すような状態が発生した場合に、光源方向推定手段10により自車Vの位置から見た光源LSの方向を推定し、或いは、光源方向推定手段10により自車Vの位置から見た光源LSの方向を推定した上で影範囲認識手段11により光源LSからの光によって形成される自車Vの影範囲Sを認識し、画像補正手段12により路面画像撮影後に撮影した路面画像のガンマ補正値や閾値(二値化処理又はエッジ検出処理等で使用する閾値である。)を補正したり、撮影条件制御手段13により路面画像撮影前にカメラ2のシャッタースピードや絞りを調節したりして、路面標示識別装置6による画像処理に適した路面画像を出力するようにする。
図5は、影範囲認識手段11による影範囲Sの認識方法の一例を示す図であり、図5(A)が自車Vの側面視であり、図5(B)が自車Vの上面視である。
図5(A)に示すように、影範囲認識手段11は、太陽情報DB50を参照して自車Vの位置と現在時刻とに合致する光源LS(太陽)の方向(仰角θ、水平角φ)を取得し、取得した仰角θと自車Vの車高Hとから、自車Vの後方に延びる影範囲Sの長さL1(H/tanθ)を導き出す。
さらに、影範囲認識手段11は、導き出した影範囲Sの長さL1(H/tanθ)と取得した水平角φとから、自車Vの後方端から長さL1の位置における境界線BL(撮影範囲Rにおいて影範囲Sとそれ以外の範囲とを分ける線分である。)と延長線EL(自車Vの側面に平行に伸びる線分である。)との間の車幅方向の距離L2((H/tanθ)/tanφ)を導き出し、撮影範囲Rにおける影範囲Sを認識するようにする。
なお、影範囲認識手段11は、光源方向推定手段10により自車Vの位置から見た光源LSの水平角φが所定範囲内(例えば、進行方向に対して左右90°以下とする。)にあると推定した場合に限り、影範囲Sを認識するようにしてもよい。撮影範囲Rと影範囲Sとが全く重なり合わない場合に不必要な処理を実行しないようにするためである。
同様に、影範囲認識手段11は、光源方向推定手段10により自車Vの位置から見た光源LSの仰角θが所定範囲内(例えば、80°以下とする。)にあると推定した場合に限り、影範囲Sを認識するようにしてもよい。
或いは、影範囲認識手段11は、光源方向推定手段10により自車Vの位置から見た光源LSの方向が、撮影範囲Rを完全に影範囲Sに含めてしまう範囲(例えば、水平角φが左右10°以下で、かつ、仰角θが40°以下とする。)にある場合に、影範囲Sの認識処理を省略するようにしてもよい。撮影範囲Rが影範囲Sに含まれるのが明らかだからであり、改めて影範囲Sを認識する必要がないからである。
図6は、画像補正手段12による画像補正処理の例を示す図であり、車両用撮影装置100は、同じ撮影範囲Rを同時に撮影する第一カメラ及び第二カメラを自車V後方のナンバープレート上部に配置し、第一カメラを適正露出(撮影範囲R全体の明るさに対する適正露出である。)で撮影させ、第二カメラを明るめ(自車Vの影範囲Sの明るさに対する適正露出を得るため第一カメラに比べ露出オーバーとした状態である。)で撮影させている。
ここで、図6(A)は、第一カメラが適正露出で撮影した路面画像を示し、図6(B)は、第二カメラが明るめで撮影した路面画像を示し、図6(C)は、車両用撮影装置100が画像補正処理により第一カメラが撮影した路面画像と第二カメラが撮影した路面画像とを組み合わせて生成した路面画像を示す。
画像補正手段12は、影範囲認識手段11により認識された影範囲Sに対応する画像領域を第二カメラが撮影した画像から抽出し、抽出した画像領域を第一カメラが撮影した画像に重ね合わせるようにする。
第一カメラが撮影した図6(A)に示す路面画像は、影範囲Sで露出アンダーのため路面標示Pの先端部分(矢印の部分をいう。)が見えにくくなっており、一方で、第二カメラが撮影した図6(B)に示す路面画像は、影範囲S以外の範囲で露出オーバーとなり路面標示Pの後端部分が見えにくくなっているが、車両用撮影装置100による画像補正処理が施された図6(C)に示す路面画像は、路面標示Pの全体が見え易くなっていることが分かる。
これにより、図6(C)に示す路面画像を取得した路面標示識別装置6は、路面標示Pを見落としたり、路面標示Pの種類を誤って識別したりしないようになる。
次に、図7を参照しながら、車両用撮影装置100による画像補正処理の流れについて説明する。なお、図7は、画像補正処理の流れを示すフローチャートであり、車両用撮影装置100は、図7に示す画像補正処理を周期的に実行するものとする。
最初に、制御部1は、明るさセンサ4の出力に基づいて自車V周辺の明るさ(照度)が閾値以上であるか否かを判定する(ステップS1)。
自車V周辺の照度が閾値未満の場合(ステップS1のNO)、制御部1は、画像補正処理を終了させる。曇天、降雨、降雪、夜間等、光源LSの光が強くない場合には影が強く現れないので、影範囲Sによる路面画像への悪影響を考慮する必要がないからである。
自車V周辺の照度が閾値以上の場合(ステップS1のYES)、制御部1は、光源方向推定手段10により自車Vの位置から見た太陽の方向を推定する(ステップS2)。
その後、制御部1は、影範囲認識手段11により自車Vの影範囲Sを認識し(ステップS3)、カメラ2の撮影範囲Rと影範囲Sとが重なり合うか否かを判定する(ステップS4)。
カメラ2の撮影範囲Rと影範囲Sとが重なり合わないと判定された場合(ステップS4のNO)、制御部1は、画像補正処理を終了させる。カメラ2が撮影した現在の路面画像がそのまま路面標示識別装置6による画像処理の用に供し得るからである。
一方、カメラ2の撮影範囲Rと影範囲Sとが重なり合うと判定された場合(ステップS4のYES)、制御部1は、画像補正手段12によりカメラ2が撮影した路面画像を補正し(ステップS5)、路面標示識別装置6による画像処理の用に供し得るようにする。
カメラ2が撮影した現在の路面画像をそのまま路面標示識別装置6に出力した場合、路面標示識別装置6が路面画像内にある路面標示Pの種類を識別できないおそれがあるからである。
以上の構成により、車両用撮影装置100は、自車Vの位置から見た光源LSの方向を推定し、自車Vの影が路面画像へ悪影響を及ぼすのを抑制するので、画像処理に適した路面画像を各種画像処理装置に出力することができる。
また、車両用撮影装置100は、画像処理に適した路面画像を路面標示識別装置6に出力するので、路面標示認識装置6が自車Vの影により路面標示Pの種類が誤って認識されたり、或いは、路面標示認識装置6が自車Vの影により路面標示Pを認識し損なったりするのを防止することができる。
図8は、光源方向推定手段10による別の光源方向推定方法を説明するための図であり、自車V1の前後左右に明るさセンサ4F、4R、4L、4Bを取り付けた状態を示す。
例えば、光源が自車V1の右斜め前方に存在する場合、明るさセンサ4F及び4Rは、明るさセンサ4L及び4Bよりも高い照度値を出力する。また、光源が自車V1の左斜め後方に存在する場合、明るさセンサ4F及び4Rは、明るさセンサ4L及び4Bよりも低い照度値を出力する。
このように、光源方向推定手段10は、明るさセンサ4F、4R、4L、4Bのそれぞれが出力する照度値に基づいて自車V1の位置から見た光源の方向を推定することができる。なお、光源方向推定手段10は、5個以上の明るさセンサ4からの出力を受けるようにしてもよい。
以上の構成により、車両用撮影装置は、自車V1の位置から見た太陽以外の光源の方向を推定し自車V1の影が路面画像へ悪影響を及ぼすのを抑制するので、光源が太陽以外の場合であっても、画像処理に適した路面画像を各種画像処理装置に出力することができる。
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなしに上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、車両用撮影装置は、傾斜による液面変化を静電容量変化として検出するセンサや圧電素子を用いたジャイロセンサ等の傾斜センサからの出力に基づいて路面の傾斜角を検出し、検出した傾斜角に応じて影範囲Sを認識するようにしてもよい。
また、車両用撮影装置は、特定の方向(例えば、自車Vの進行方向に対して水平角φが左右20°未満、仰角θが40°以上60°未満とする。)から入射する光の明るさだけを検出する明るさセンサ4を備え(明るさセンサ4の受光面を特定の方向に向けることを意味する。)、この明るさセンサ4が閾値以上の明るさを検出した場合に、カメラ2の撮影範囲Rが影範囲Sに含まれると判断して、画像補正手段12による補正、又は、撮影条件制御手段13による調節を実行させるようにしてもよい。このような簡易な方法を用いて影範囲Sによる路面画像への悪影響を抑制するためである。
1 制御部
2 カメラ
3 測位装置
4、4F、4R、4L、4B 明るさセンサ
5 記憶装置
6 路面標示識別装置
10 光源方向推定手段
11 影範囲認識手段
12 画像補正手段
13 撮影条件制御手段
50 太陽情報データベース
51 地図情報データベース
100 車両用撮影装置
H 車高
LS 光源
P 路面標示
R 撮影範囲
S 影範囲
V、V1 自車
φ 水平角
θ 仰角
2 カメラ
3 測位装置
4、4F、4R、4L、4B 明るさセンサ
5 記憶装置
6 路面標示識別装置
10 光源方向推定手段
11 影範囲認識手段
12 画像補正手段
13 撮影条件制御手段
50 太陽情報データベース
51 地図情報データベース
100 車両用撮影装置
H 車高
LS 光源
P 路面標示
R 撮影範囲
S 影範囲
V、V1 自車
φ 水平角
θ 仰角
Claims (6)
- 自車周辺の路面を撮影する撮影手段と、
自車位置から見た光源の方向を推定する光源方向推定手段と、
前記光源方向推定手段が推定した光源の方向に基づいて前記撮影手段が撮影した路面画像を補正する画像補正手段と、
を備える車両用撮影装置。 - 前記光源方向推定手段が推定した光源の方向に基づいて該光源からの光により形成される自車の影の範囲を認識する影範囲認識手段を更に備え、
前記画像補正手段は、前記影範囲認識手段が認識した影の範囲に基づいて前記撮影手段が撮影した路面画像を補正する、
請求項1に記載の車両用撮影装置。 - 自車周辺の路面を撮影する撮影手段と、
自車位置から見た光源の方向を推定する光源方向推定手段と、
前記光源方向推定手段が推定した光源の方向に基づいて前記撮影手段の撮影条件を制御する撮影条件制御手段と、
を備える車両用撮影装置。 - 前記光源方向推定手段が推定した光源の方向に基づいて該光源からの光により形成される自車の影の範囲を認識する影範囲認識手段を更に備え、
前記撮影条件補正手段は、前記影範囲認識手段が認識した影の範囲に基づいて前記撮影手段の撮影条件を制御する、
請求項3に記載の車両用撮影装置。 - 自車を照らす光の明るさを検出する明るさ検出手段を更に備え、
前記光源方向推定手段は、前記明るさ検出手段が自車の複数位置で検出した明るさに基づいて自車位置から見た光源の方向を推定する、
請求項1乃至4の何れか一項に記載の車両用撮影装置。 - 前記光源は太陽であり、
前記光源方向推定手段は、日時と自車位置とに基づいて自車位置から見た太陽の方向を推定する、
請求項1乃至5の何れか一項に記載の車両用撮影装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007035272A JP2008199525A (ja) | 2007-02-15 | 2007-02-15 | 車両用撮影装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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