JP2008198457A - 発光装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の発光単位層が積層されたタンデム型発光装置の製造コストを低減する。
【解決手段】ベースフィルム11に剥離層12と発光単位層Uとが積層されたドナーフィルム10を用意する。ドナーフィルム10を基板20の電極30に接触させた状態でレーザ光Lを照射し、発光単位層Uを剥離することにより、第1発光単位層U1を電極30の表面に転写する。続いて、第1発光単位層U1の表面にドナーフィルム10を接触させた状態でレーザ光Lを照射して転写することにより、第2発光単位層U2を第1発光単位層U1の上に積層する。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機EL(Electroluminescence)素子などの発光素子を有する発光単位層が複数積層された発光装置の製造方法に関する。
発光装置として、例えば、特許文献1には、複数の発光単位(発光単位層)を積層した発光装置が記載されている(以下、「タンデム型発光装置」という)。一般的に、発光単位層は、有機EL材料などの発光材料から成る発光層と、この発光層を挟む電極とを含む。タンデム型発光装置においては複数の発光単位層が電気的に直列に接続されるため、同じ電流に対する単位時間あたりの発光量が積層数倍になり、発光効率が飛躍的に向上する。発光素子の寿命は素子を流れる電流密度に応じて短くなるから、タンデム型発光装置では、発光素子の寿命を短縮することなく、発光装置全体としての発光輝度を高めることが可能である。
特開2005−285401号公報
しかしながら、タンデム型発光装置の製造においては、発光単位層の各電極層と発光層を繰り返し積層する必要があるので、製造コストが高い。
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、複数の発光単位層を低コストで積層することが可能なタンデム型発光装置の製造方法を提供することを解決課題とする。
上記課題を解決するため、本発明に係るタンデム型発光装置の製造方法は、少なくとも第1および第2の発光単位層が積層され、前記各発光単位層が第1電極と第2電極と両者に挟まれた発光層を有し、前記第1電極、前記第2電極および前記発光層の各々が光透過型の材料で形成されたタンデム型発光装置の製造方法であって、ベースフィルムと剥離層と前記発光単位層とが順に積層されたドナーフィルムを用意し、発光単位層が転写される基板上の被転写領域の表面にドナーフィルムの発光単位層側の面を接触させ、前記ドナーフィルムと前記被転写領域とが接触した状態において、前記ドナーフィルムにレーザ光を照射し、剥離層を境に前記ベースフィルムから発光単位層を剥離することにより前記第1発光単位層を前記被転写領域の上に転写する第1層転写工程と、ドナーフィルムの発光単位層側の面を前記第1発光単位層の表面に接触させ、前記ドナーフィルムと前記第1発光単位層とが接触した状態において、前記ドナーフィルムにレーザ光を照射し、剥離層を境に前記ベースフィルムから発光単位層を剥離することにより前記第2発光単位層を前記第1発光単位層の上に転写する第2層転写工程とを備える。
上記製造方法においては、発光単位層を含むドナーフィルムを用意し、このドナーフィルムの発光単位層を基板側に繰り返し転写することにより発光単位層を複数積層して、タンデム型発光装置を製造する。よって、例えば蒸着法を用いて発光単位層の各層を一層ずつ形成する場合と比較して、製造時間が大幅に短縮される上、製造も簡易となる。したがって、製造コストが低減する。
本発明の好適な態様において、前記第1層転写工程においては、複数の照射領域に選択的にレーザ光を照射し、前記照射領域内の発光単位層を前記ベースフィルムから剥離することにより、前記第1発光単位層を転写し、前記第2層転写工程においては、前記第1層転写工程で用いた前記ドナーフィルムのうち発光単位層が残存する残存領域を前記第1発光単位層の表面に接触させ、前記複数の照射領域に選択的にレーザ光を照射し、前記第2発光単位層を前記第1発光単位層の上に転写する。
この態様においては、ドナーフィルムから発光単位層を転写して第1発光単位層を形成した後に、同じドナーフィルムの発光単位層が残存している残存領域を用いて、残存する発光単位層を転写して第2発光単位層を形成する。よって、例えば、第1発光単位層としてドナーフィルムの50%を転写し、残りの50%を第2発光単位層として転写すると、一枚のドナーフィルムで2積層のタンデム素子を製造できる。同様にして、同じドナーフィルムを3回繰り返して用いれば3積層のタンデム素子を製造することができる。よって、材料が無駄にならない。このように、本態様によれば、ドナーフィルムを用いた転写法によりタンデム型発光装置を形成するので、材料を有効に活用することができ、製造コストが低減される。
本発明の別の好適な態様において、前記第1層転写工程において用いる前記ドナーフィルムは、第1色で発光する第1色発光層を含み、前記第2層転写工程において用いる前記ドナーフィルムは、第2色で発光し、前記第1色との混色が白色となる第2色発光層を含む。上記第1色は例えば青色であり、第2色は例えば橙色である。これら各色で発光する発光層を含む発光単位層が積層されたドナーフィルムをそれぞれ用意しておき、基板に対して順に転写することにより、青色発光層と橙色発光層がタンデムに配置された発光装置を製造することができる。青色と橙色を混色すると白色になるから、白色光を出力する発光装置を簡単に製造することが可能となる。
本発明の別の好適な態様において、前記基板として、カラーフィルタが形成されたカラーフィルタ用基板を用いる。本態様によれば、素子基板を設ける必要がないので、製造コストがさらに削減される。
本発明は、上記製造方法によって製造されたタンデム型発光装置のいずれかを備える照明装置、画像形成装置(印刷装置)、電子機器としても把握される。本発明によれば、上述した各態様に係る製造方法に係る効果の何れかと同様の効果が達成される。
以下、添付の図面を参照しながら本発明に係る実施の形態を説明する。なお、図面においては、各部の寸法の比率は実際のものとは適宜に異ならせてある。
<A−1:第1実施形態>
図1〜図3は、本発明の第1実施形態に係るタンデム型発光装置100(以下、単に「発光装置100」という)の製造過程を示す断面図である。図3の(G)に示されるように、本実施形態の発光装置100においては、基板20の上に、RGB各3色の発光単位層RU,GU,BUが2層ずつ積層される。具体的には、領域RAには赤色発光単位層RU1,RU2が積層され、領域GAには緑色発光単位層GU1,GU2が積層され、領域BAには青色発光単位層BU1,BU2が積層される。一層目の第1発光単位層U1(RU1,GU1,BU1)と基板20との間には、高電位VELが印加される電極30が形成される。また、二層目の第2発光単位層U2(RU2,GU2,BU2)の上層には、低電位VGDが印加される取出し配線40が形成される。なお、これらの図では、説明の簡略化のため3つの領域のみ示すが、多数の発光領域があってもよい。他の図においても同様である。
本実施形態では、各電極30は図中Y方向を長手とするストライプ状の形状を有する。一方、取出し配線40は電極30と直交交差するように、X方向を長手とするストライプ状に形成される。各電極30および取出し配線40は時系列的に選択され(電圧が印加され)、ある時刻で選択された電極30と取出し配線40とが交差する部分の発光単位層Uにのみ電流が流れ、交差部分に挟まれた発光層のみが発光する。よって、本実施形態の発光装置100は、単純マトリクス方式で駆動される発光装置である。
図1の(A)に示されるように、発光装置100の製造方法においては、まず、発光単位層U(図示の例では緑色発光単位層GU)を含むドナーフィルム10(図示の例では10G)と、複数の電極30が表面に形成された基板20とが用意される。
ドナーフィルム10は、ベースフィルム11と、剥離層12と、発光単位層Uとが順に積層されたものである。ベースフィルム11は、例えば、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタート(PET)、ポリエステル、ポリアクリル、エポキシ樹脂、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエーテルスルフォンなどの透明高分子フィルムからなる。ベースフィルム11の膜厚としては、10〜600μmが好ましく、50〜200μmが特に好ましい。
剥離層12は、ベースフィルム11と接し、光を吸収し効率よく熱を発生させるための光熱変換層と、この光熱変換層よりも発光単位層U側に形成され、転写を効率よく行うために熱を伝播させる熱伝播層を含む。光熱変換層は、例えば、アルミニウム、その酸化物および/またはその硫化物からなる金属膜、カーボンブラック、黒鉛、または赤外線染料などを高分子材料に分散させた有機膜である。熱伝播層としては、例えば、ポリαメチルスチレンなどの高分子材料がある。
発光単位層Uは、陰極13と、電子注入層14と、発光層15と、正孔輸送層16と、正孔注入層17と、陽極18とを有する。但し、陰極13と陽極18との間には少なくとも発光層15が配置されるとよい。発光層15の発光材料としては、有機EL用の公知の発光材料が用いられる。なお、電子注入層14と発光層15の間に、電子輸送層(図示略)を設けてもよい。また、正孔または電子が発光層15から漏出することを防止する正孔ブロック層または電子ブロック層を設けてもよい。陽極18としては、例えば、ITO(Indium Tin Oxide:インジウム・スズ酸化物)、IZO(登録商標)(Indium Zinc Oxide:インジウム・亜鉛酸化物)、IGO(Indium Germanium Oxide:インジウム・ゲルマニウム酸化物)などの透明導電材料を用いることができる。陰極13は、図示しないが2つの層を有する。第1層は仕事関数が低い材料、例えばカルシウムから極めて薄い厚さで形成され、第2層は、例えば、ITO、IZO、またはIGOのような透明材料から形成されている。第1層は電子注入層14に接しており、第2層は第1層を挟んで電子注入層14の反対側に配置される。これらの第1層および第2層は、ともに例えば蒸着のような堆積法によって形成することができる。第1層をカルシウムから形成する場合には、カルシウム薄膜(第1層)に引き続き第2層を形成することにより、第2層の含む酸素により、カルシウムが酸化されて、陰極13は透明でかつ電子注入性に優れた陰極となる。
発光単位層Uの各層および剥離層12は、光透過性の材料で形成されることが望ましい。これにより、複数組が積層されて発光するタンデム型の構成において、各発光層15からの出射光を透過する。
本実施形態では、R色で発光する発光層15Rを含む赤色発光単位層RU、G色で発光する発光層15Gを含む緑色発光単位層GU、B色で発光する発光層15Bを含む青色発光単位層BUのいずれかを含む3種類のドナーフィルム10R,10G,10Bが用意される。図1の(A)に示されるように、本実施形態では、ドナーフィルム10Gが最初に用意される。
上述したように、電極30は、基板20の表面にストライプ状に形成される。図1〜図3の各図においては3本の電極30が図示されている。これら3本の電極30は、R色で発光する発光層15Rを含む赤色発光単位層RUが積層されるストライプ状の領域RAと、G色で発光する発光層15Gを含む緑色発光単位層GUが積層されるストライプ状の領域GAと、B色で発光する発光層15Bを含む青色発光単位層BUが積層されるストライプ状の領域BAに、各々形成される。各電極30の端部には、高電位電源VELが入力される端子が接続される。
基板20としては、例えば、ガラスなどの光透過性の材料が用いられる。電極30としては、例えば、ITO、IZO、IGOなどの透明導電材料が用いられる。よって、本実施形態の発光装置100は、ボトムエミッション型の発光装置である。
なお、図1〜図3においては、3本の電極30と発光単位層Uのみが示されているが、実際には、解像度(より正確には、X方向における画素数)に応じた本数の電極と発光単位層Uが形成される。
次に、図1の(B)に示されるように、ドナーフィルム10Gの緑色発光単位層GUを電極30の表面に接触させる。そして、両者が接触した状態で、基板20の電極形成面の反対側の面、あるいはドナーフィルム10Gのベースフィルム11側の面を押圧しながら、ストライプ状の領域GAに対してレーザ光Lを照射する。本実施形態においては、YAG(Yttrium Aluminum Garnet;イットリウム・アルミニウム・ガーネット)レーザ光を使用したレーザ転写(LITI:Light Induced Thermal Imaging)法が用いられる。このLITI法においては、レーザ光Lが剥離層12に含まれる光熱変換層で熱に変換され、この熱により加熱された緑色発光単位層GUが剥離して基板20側に転写される。レーザ光Lは、14WのYAGレーザ光を回折格子で分岐させて照射するのが好ましい。
その結果、図1の(C)に示されるように、ドナーフィルム10Gを基板20から引き離す(矢印A方向に移動させる)と、緑色発光単位層GUのうち、領域GAに相当する領域だけが電極30に圧着された状態で留まる。ここで、緑色発光単位層GUの陽極18と電極30の接合面は清浄かつ平滑に形成されている。よって、陽極18と電極30とは導電性接着剤を用いずとも圧着され、この圧着のみで十分な導通が得られる。なお、剥離層12は、転写層(発光単位層U)と被転写層の各接合面間の抵抗を少なくする観点から、後述のレーザ光Lが照射されて発光単位層Uが剥離された後は残存しない材料によって形成されるのが望ましい。しかしながら、仮に残存したとしても、カーボンブラックなどの導電性材料を含むので、層間の電流への抵抗は少なく、発光性能に支障を生じさせる恐れは少ない。
このようにして、第1緑色発光単位層GU1が形成される。
一方、緑色発光単位層GUのうち、領域GAに相当する領域を除く残存領域はドナーフィルム10Gと一緒に基板20から引き離される。次に、図2の(D)に示されるように、残存領域を有するドナーフィルム10Gを矢印B方向に移動し、残存領域を、第1層(緑色発光単位層GU1)の表面(剥離層12が残存している場合は剥離層12の表面)に接触させる。続いて、残存領域と第1層とが接触した状態において、基板20の電極形成面とは反対側、あるいはドナーフィルム10Gのベースフィルム11側の面を押圧しながら、領域GAに対してLITI法を用いてレーザ光Lを照射する。続いて、ドナーフィルム10Gを基板20から引き離す(矢印A方向に移動させる)と、緑色発光単位層GUのうち、領域GAに相当する領域だけが第1緑色発光単位層GU1または剥離層12に圧着された状態で留まり、第2緑色発光単位層GU2が形成される。
タンデム型の発光装置の製造に際しては、上述した製造方法(転写法)の他に、例えば蒸着法を用いて電極層(陽極と陰極)および発光層の各層を一層ずつ形成する方法が考えられる。しかしながら、実施の形態の製造方法においては、発光単位層Uを含むドナーフィルム10を用意し、このドナーフィルム10の発光単位層Uを基板20上に繰り返し転写することにより発光単位層Uを積層するため、一層ずつ発光単位層Uの各層を形成する場合と比較して、製造時間が大幅に短縮される上、製造も簡易となる。したがって、製造コストが低減する。
また、例えば、マスキングを用いた蒸着方法においては、マスクに付着する材料が無駄になってしまう。しかしながら、上述した製造方法においては、ドナーフィルム10から発光単位層Uを転写して第1発光単位層U1を形成した後に、同じドナーフィルム10の発光単位層Uが残存している残存領域を用いて、残存する発光単位層Uを転写して第2発光単位層U2を形成する。よって、例えば、第1発光単位層としてドナーフィルムの50%を転写し、残りの50%を第2発光単位層として転写すると、一枚のドナーフィルムで2積層のタンデム素子を製造できるので、材料が無駄にならない。このように、本実施形態の製造方法によれば、ドナーフィルム10を用いた転写法によりタンデム型発光装置を形成するので、材料を有効に活用することができ、製造コストが低減される。
次に、赤色発光単位層RUを含むドナーフィルム10Rを用いて、図1の(A)〜(C)、図2の(D)に示す工程と同様の工程を繰り返す。その結果、図2の(E)に示されるように、領域RAには、電極30の上に、第1赤色発光単位層RU1および第2赤色発光単位層RU2が順に積層される。同様にして、B色に対応する青色発光単位層BUを含むドナーフィルム10Bを用いて、図1の(A)〜(C)、図2の(D)に示す工程と同様の工程を繰り返す。その結果、図3の(F)に示されるように、領域BAには、電極30の上に、第1青色発光単位層BU1および第2青色発光単位層BU2が順に積層される。
続いて、図3の(G)に示されるように、第2発光単位層U2の表面に、取出し配線40が形成される。図4は、取出し配線40が配設された様子を示す拡大断面図である。図4に示されるように、基板20の端部には、低電位電源VGDが印加される入力端子40aが形成されている。上述したように、取出し配線40は発光単位層Uと直交交差するように形成され、その端部は入力端子40aと接続される。本実施形態の発光装置100はボトムエミッション型であるので、取出し配線40としては、アルミニウムなどの導電性金属材料が用いられる。
なお、基板20の表面の面内において電極30と入力端子40aとに挟まれる領域Mには、絶縁材料が充填されると好ましい。絶縁材料としては、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、窒化珪素などを用いることができる。
次に、図3の(G)および図4に示されるように、封止缶60を用いて、RGB各色について形成された2層の発光単位層U全体を封止する。このとき、封止缶60の内側には、乾燥剤50が配置される。
このようにして、タンデム型発光装置100が製造される。
以上説明したように、本実施形態のタンデム型発光装置の製造方法においては、転写法を用いて、ドナーフィルム10から発光単位層Uを基板10上に転写する。よって、陽極や陰極などの電極層や発光層を一層ずつ形成する場合と比較して、製造工程が簡易となる。また、発光単位層Uの残存領域を利用して第2層を転写するため、材料を有効に活用することが可能となる。したがって、製造コストが低減される。
<A−2:第1実施形態の変形例>
上記第1実施形態では、ボトムエミッション型の発光装置100について説明したが、トップエミッション型の発光装置としてもよい。図5は、第1実施形態の変形例としての発光装置100Aの断面図である。
図5に示されるように、本変形例の発光装置100Aには、基板20の表面に、電極30の代わりに、光反射性導電材料である反射電極30aが形成されたものが用いられる。この反射電極30aとしては、例えば、アルミニウムがある。また、基板20としては、例えば、ガラスなどの透明基板、セラミック、アルミニウムや鉄などの金属性基板に絶縁物をコートした不透明基板を用いてもよい。
反射電極30aが形成された基板20上には、上述した転写法を用いて、2層の発光単位層U1,U2が転写され、第2発光単位層U2の上に取り出し配線40が形成される。取出し配線40としては、ITOなどの光透過性の導電材料が用いられる。続いて、基板20の表面および2層の発光単位層の表面全体を、薄膜封止層80で覆うように形成する。薄膜封止層80としては、透明度が高く防湿性が良好な酸窒化珪素(SiON)などが用いられる。次いで、薄膜封止層80を覆うように接着剤としての樹脂層90が配置され、その上部に透明封止基板が接合される。本変形例によれば、上記第1実施形態と同様の効果が達成される。
<B−1:第2実施形態>
図6〜図8は、本発明の第2実施形態に係るタンデム発光装置の製造工程を示す断面図である。
図8の(F)に示されるように、この第2実施形態に係るタンデム型発光装置200は、第1実施形態における基板20の代わりに、カラーフィルタ70が形成されたカラーフィルタ用基板70aを用いる。また、第1実施形態においては、領域RA、GA、BAごとに、同じ発光単位層RU、GU、BUを各々2層重ねることによりタンデム素子を形成していたが、本実施形態の発光装置200においては、第1発光単位層U1として青色発光単位層BUを用い、その上に、第2発光単位層U2として橙色発光単位層RgUを積層することにより、青色発光単位層BUと橙色発光単位層RgUとの混色により白色光を得る。白色光はカラーフィルタ70を透過して出射される。
発光装置200は、上述した点を除いて、第1実施形態の発光装置100と同様の構成を有する。よって、図6〜図8において、共通する要素には同一の参照番号を用い、その説明は適宜省略する。
まず、図6の(A)に示されるように、カラーフィルタ70が形成されたカラーフィルタ用基板70aと、青色ドナーフィルム10Bを用意する。カラーフィルタ用基板70aとしては、例えば、ガラスなどの光透過性の材料が用いられる。カラーフィルタ用基板70aの表面には格子状にブラックマトリクスBMが形成されており、ブラックマトリクスBMの格子の各窓には、R色カラーフィルタ70R、G色カラーフィルタ70G、B色カラーフィルタ70Bのいずれかが形成されている。R色カラーフィルタ70R、G色カラーフィルタ70G、B色カラーフィルタ70Bの上層には、電極30が形成されている。
青色ドナーフィルム10Bは、ベースフィルム11と、剥離層12と、青色発光単位層BUを含み、青色で発光する青色発光単位層BUは、陰極13と、電子注入層14と、青色発光層15Bと、正孔輸送層16と、正孔注入層17と、陽極18とを含む。
次に、図6の(B)に示されるように、ドナーフィルム10Bの青色発光単位層BUを電極30の表面に接触させる。そして、両者が接触した状態で、カラーフィルタ用基板70aの反対側の面、あるいはドナーフィルム10Bのベースフィルム11側の面を押圧しながら、領域RA、GA、BAの総てを照射領域としてレーザ光Lを照射する。
その結果、図7の(C)に示されるように、ドナーフィルム10Bをカラーフィルタ用基板70aから引き離す(矢印A方向に移動させる)と、青色発光単位層BUのうち、領域RA、GA、BAに相当する領域だけが電極30に圧着された状態で留まる。このようにして、第1発光単位層U1として青色発光単位層BUが形成される。
次に、橙色ドナーフィルム10Rgを用意する。橙色ドナーフィルム10Rgの橙色発光単位層RgUは、青色発光層15Bの代わりに、橙色で発光する橙色発光層15Rgを含む。
次に、図7の(D)に示されるように、橙色ドナーフィルム10Rgの陽極18を青色発光単位層BUまたは剥離層12の表面に突き当てる。そして、両者が接触した状態で、カラーフィルタ用基板70aの反対側の面、あるいはドナーフィルム10Rgのベースフィルム11側の面を押圧しながら、領域RA、GA、BAの総てに対してレーザ光Lを照射する。その結果、図8の(E)に示されるように、ドナーフィルム10Rgを青色発光単位層BUから引き離す(矢印A方向に移動させる)と、橙色発光単位層RgUのうち、領域RA、GA、BAに相当する領域だけが青色発光単位層BUに圧着された状態で留まる。このようにして、第2発光単位層U2として橙色発光単位層RgUが形成される。
続いて、図8の(F)に示されるように、橙色発光単位層RgUの上面部に、取出し配線40を形成した後に、封止缶60を用いて、RGB各色について形成された2層の発光単位層U全体を封止する。このとき、封止缶60の内側には、乾燥剤50が配置される。
このようにして、タンデム型発光装置200が製造される。
以上説明したように、本実施形態におけるタンデム型発光装置の製造方法においては、上述した第1実施形態と同様の効果を得ることが可能である。また、本実施形態では、青色ドナーフィルム10Bと橙色ドナーフィルム10Rgを用意しておき、カラーフィルタ70に対して順に転写することにより、青色発光層と橙色発光層がタンデムに配置された発光装置を製造することができる。青色と橙色を混色すると白色になるから、白色光を出力する発光装置を簡単に製造することが可能となる。
加えて、素子基板(例えば、第1実施形態の基板20)上に各電極層と発光層を形成して、発光層を挟んで素子基板とは反対側にカラーフィルタを形成する場合には、素子基板とカラーフィルタ用基板70aの両方を用いる必要があった。しかしながら、本実施形態においては、素子基板の代わりに、カラーフィルタが形成されたカラーフィルタ用基板70aを用いるので、素子基板を設ける必要がなく、製造コストがさらに削減される。
<B−2:第2実施形態の変形例>
上記第2実施形態では、ボトムエミッション型の発光装置200について説明したが、トップエミッション型の発光装置としてもよい。図9は、第2実施形態の変形例としての発光装置200Aの断面図である。
図9に示されるように、本変形例の発光装置200Aには、基板20の表面に、電極30の代わりに、光反射性導電材料である反射電極30aが形成されたものが用いられる。反射電極30aが形成された基板20上には、上述した転写法を用いて、2層の発光単位層BU,RgUが転写され、橙色発光単位層RgUの上に取り出し配線40が形成される。続いて、基板20の表面および2層の発光単位層の表面全体を覆うように、薄膜封止層80を形成する。次いで、薄膜封止層80を覆うように樹脂層90が形成され、その上部には、ブラックマトリクスBMとカラーフィルタ70R、70G、70Bとが形成されたカラーフィルタ用基板70aが接着される。本変形例によれば、上記実施形態と同様の効果が達成される。
<C:変形例>
(1)上記第1および第2実施形態では、基板20またはカラーフィルタ用基板70a上に、発光輝度が個別に制御される複数の発光素子(例えば、画素)を形成する態様について説明したが、発光素子を基板全体に一様に形成する態様としてもよい。
図10に、本変形例に係るタンデム型発光装置300の断面図を示す。図10に示されるように、発光装置300は、電極30が表面に形成された基板20と、第1発光単位層U1および第2発光単位層U2と、取出し配線40とを有し、乾燥剤50が封入された封止缶60によって封止されている。
発光装置300の製造に際しては、第1発光単位層U1を含むドナーフィルム10を用意し、ドナーフィルム10の第1発光単位層U1を電極30に押し付けた状態で、領域RWに対してレーザ光Lを照射することにより、第1発光単位層U1を転写する。次に、第2発光単位層U2を含むドナーフィルム10を用意し、ドナーフィルム10の第2発光単位層U2を第1発光単位層U1の上面に押し付けた状態で、領域RWに対してレーザ光Lを照射することにより、第2発光単位層U2を転写する。
第1発光単位層U1として、例えば、青色発光単位層BUを用い、第2発光単位層U2として、例えば、橙色発光単位層RgUを用いると、両者が混色して白色の光が生成されるので、この発光装置300を照明装置として利用することが可能である。
本実施形態によれば、上述した実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
(2)上記第1および第2実施形態では、RGB3色の各光を出力する発光装置100,100A、200、200Aについて説明したが、単色の光を出力する発光装置でもよい。また、上記第2実施形態では、青色発光単位層BUと橙色発光単位層RgUとを積層することにより白色光を得ていたが、橙色発光単位層RgUの代わりに、青色発光層15Bの発光との混色により白色が得られる他の材料、例えば、黄色発光材料を用いてもよい。あるいは、赤色発光単位層RUと緑色発光単位層GUと青色発光単位層BUとを3層積層することにより白色の出射光を得る構成としてもよい。また、上述の実施形態では、発光装置100,100A、200、200Aが単純マトリクス駆動方式で駆動される態様について説明したが、それに限られず、アクティブマトリクス駆動方式でもよい。その場合、基板20には、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor;TFT)などのアクティブ素子が形成されていてもよい。
(3)上述した第1および第2実施形態では、2層の発光単位層Uを積層するタンデム型発光装置の製造方法について説明したが、2層に限られず、3層以上の発光単位層を有する発光装置であってもよい。
<D:画像形成装置>
上述した実施形態における発光装置100、100A、200、200Aは、電子写真方式を利用した画像形成装置における像担持体に潜像を書き込むためのライン型の光ヘッドとして利用され得る。画像形成装置の例としては、プリンタ、複写機の印刷部分およびファクシミリの印刷部分がある。図11は、光ヘッド1Aをライン型の光ヘッドとして用いた画像形成装置の一例を示す縦断面図である。この画像形成装置は、ベルト中間転写体方式を利用したタンデム型のフルカラー画像形成装置である。
この画像形成装置では、同様な構成の4個の有機ELアレイ10K,10C,10M,10Yが、同様な構成である4個の感光体ドラム(像担持体)110K,110C,110M,110Yの露光位置にそれぞれ配置されている。有機ELアレイ10K,10C,10M,10Yは、以上に例示した態様に係る発光装置100、100A、200、200Aである。
図11に示すように、この画像形成装置には、駆動ローラ121と従動ローラ122とが設けられており、これらのローラ121,122には無端の中間転写ベルト120が巻回されて、矢印に示すようにローラ121,122の周囲を回転させられる。図示しないが、中間転写ベルト120に張力を与えるテンションローラなどの張力付与手段を設けてもよい。
この中間転写ベルト120の周囲には、外周面に感光層を有する4個の感光体ドラム110K,110C,110M,110Yが互いに所定の間隔をおいて配置される。添え字K,C,M,Yはそれぞれ黒、シアン、マゼンタ、イエローの顕像を形成するために使用されることを意味している。他の部材についても同様である。感光体ドラム110K,110C,110M,110Yは、中間転写ベルト120の駆動と同期して回転駆動される。
各感光体ドラム110(K,C,M,Y)の周囲には、コロナ帯電器111(K,C,M,Y)と、有機ELアレイ10(K,C,M,Y)と、現像器114(K,C,M,Y)が配置されている。コロナ帯電器111(K,C,M,Y)は、対応する感光体ドラム110(K,C,M,Y)の外周面を一様に帯電させる。有機ELアレイ10(K,C,M,Y)は、感光体ドラムの帯電させられた外周面に静電潜像を書き込む。各有機ELアレイ10(K,C,M,Y)は、複数の発光素子Pの配列方向が感光体ドラム110(K,C,M,Y)の母線(主走査方向)に沿うように設置される。静電潜像の書き込みは、上記の複数の発光素子Pによって感光体ドラムに光を照射することにより行う。現像器114(K,C,M,Y)は、静電潜像に現像剤としてのトナーを付着させることにより感光体ドラムに顕像すなわち可視像を形成する。
このような4色の単色顕像形成ステーションにより形成された黒、シアン、マゼンタ、イエローの各顕像は、中間転写ベルト120上に順次一次転写されることにより、中間転写ベルト120上で重ね合わされ、この結果としてフルカラーの顕像が得られる。中間転写ベルト120の内側には、4つの一次転写コロトロン(転写器)112(K,C,M,Y)が配置されている。一次転写コロトロン112(K,C,M,Y)は、感光体ドラム110(K,C,M,Y)の近傍にそれぞれ配置されており、感光体ドラム110(K,C,M,Y)から顕像を静電的に吸引することにより、感光体ドラムと一次転写コロトロンの間を通過する中間転写ベルト120に顕像を転写する。
最終的に画像を形成する対象としてのシート102は、ピックアップローラ103によって、給紙カセット101から1枚ずつ給送されて、駆動ローラ121に接した中間転写ベルト120と二次転写ローラ126の間のニップに送られる。中間転写ベルト120上のフルカラーの顕像は、二次転写ローラ126によってシート102の片面に一括して二次転写され、定着部である定着ローラ対127を通ることでシート102上に定着される。この後、シート102は、排紙ローラ対128によって、装置上部に形成された排紙カセット上へ排出される。
次に、本発明に係る画像形成装置の他の実施の形態について説明する。
図12は、発光装置100、100A、200、200Aをライン型の光ヘッドとして用いた他の画像形成装置の縦断面図である。この画像形成装置は、ベルト中間転写体方式を利用したロータリ現像式のフルカラー画像形成装置である。図12に示す画像形成装置において、感光体ドラム165の周囲には、コロナ帯電器168、ロータリ式の現像ユニット161、有機ELアレイ167、中間転写ベルト169が設けられている。
コロナ帯電器168は、感光体ドラム165の外周面を一様に帯電させる。有機ELアレイ167は、感光体ドラム165の帯電させられた外周面に静電潜像を書き込む。有機ELアレイ167は、以上に例示した態様の光ヘッド1Aであり、複数の発光素子の配列方向が感光体ドラム165の母線(主走査方向)に沿うように設置される。静電潜像の書き込みは、これらの発光素子から感光体ドラム165に光を照射することにより行う。
現像ユニット161は、4つの現像器163Y,163C,163M,163Kが90°の角間隔をおいて配置されたドラムであり、軸161aを中心にして反時計回りに回転可能である。現像器163Y,163C,163M,163Kは、それぞれイエロー、シアン、マゼンタ、黒のトナーを感光体ドラム165に供給して、静電潜像に現像剤としてのトナーを付着させることにより感光体ドラム165に顕像すなわち可視像を形成する。
無端の中間転写ベルト169は、駆動ローラ170a、従動ローラ170b、一次転写ローラ166およびテンションローラに巻回されて、これらのローラの周囲を矢印に示す向きに回転させられる。一次転写ローラ166は、感光体ドラム165から顕像を静電的に吸引することにより、感光体ドラムと一次転写ローラ166の間を通過する中間転写ベルト169に顕像を転写する。
具体的には、感光体ドラム165の最初の1回転で、有機ELアレイ167によりイエロー(Y)像のための静電潜像が書き込まれて現像器163Yにより同色の顕像が形成され、さらに中間転写ベルト169に転写される。また、次の1回転で、有機ELアレイ167によりシアン(C)像のための静電潜像が書き込まれて現像器163Cにより同色の顕像が形成され、イエローの顕像に重なり合うように中間転写ベルト169に転写される。そして、このようにして感光体ドラム165が4回転する間に、イエロー、シアン、マゼンタ、黒の顕像が中間転写ベルト169に順次重ね合わせられ、この結果フルカラーの顕像が転写ベルト169上に形成される。最終的に画像を形成する対象としてのシートの両面に画像を形成する場合には、中間転写ベルト169に表面と裏面の同色の顕像を転写し、次に中間転写ベルト169に表面と裏面の次の色の顕像を転写する形式で、フルカラーの顕像を中間転写ベルト169上で得る。
画像形成装置には、シートが通過させられるシート搬送路174が設けられている。シートは、給紙カセット178から、ピックアップローラ179によって1枚ずつ取り出され、搬送ローラによってシート搬送路174を進行させられ、駆動ローラ170aに接した中間転写ベルト169と二次転写ローラ171の間のニップを通過する。二次転写ローラ171は、中間転写ベルト169からフルカラーの顕像を一括して静電的に吸引することにより、シートの片面に顕像を転写する。二次転写ローラ171は、図示しないクラッチにより中間転写ベルト169に接近および離間させられるようになっている。そして、シートにフルカラーの顕像を転写する時に二次転写ローラ171は中間転写ベルト169に当接させられ、中間転写ベルト169に顕像を重ねている間は二次転写ローラ171から離される。
以上のようにして画像が転写されたシートは定着器172に搬送され、定着器172の加熱ローラ172aと加圧ローラ172bの間を通過させられることにより、シート上の顕像が定着する。定着処理後のシートは、排紙ローラ対176に引き込まれて矢印Fの向きに進行する。両面印刷の場合には、シートの大部分が排紙ローラ対176を通過した後、排紙ローラ対176が逆方向に回転させられ、矢印Gで示すように両面印刷用搬送路175に導入される。そして、二次転写ローラ171により顕像がシートの他面に転写され、再び定着器172で定着処理が行われた後、排紙ローラ対176でシートが排出される。
図11および図12に例示した画像形成装置は、発光素子を露光手段として利用しているので、レーザ走査光学系を用いた場合よりも、装置の小型化を図ることができる。なお、以上に例示した以外の電子写真方式の画像形成装置にも本発明の発光装置を採用することができる。例えば、中間転写ベルトを使用せずに感光体ドラムから直接シートに顕像を転写するタイプの画像形成装置や、モノクロの画像を形成する画像形成装置にも上記態様における光ヘッドを応用することが可能である。
また、上記態様における光ヘッドが適用される画像形成装置は画像形成装置に限定されない。例えば、各種の電子機器における照明装置としても本発明の発光装置が採用される。このような電子機器としては、ファクシミリ、複写機、複合機、プリンタなどが挙げられる。これらの電子機器には、複数の発光素子を面状に配列した発光装置が好適に採用される。
<E:画像読取装置>
図13は、上記実施形態の発光装置100、100A、200、200Aをライン型の光ヘッドとして用いた画像読み取り装置の一例を示す縦断面図である。この画像読み取り装置のキャビネット201の上部には、平板状のプラテンガラス202が設けられており、プラテンガラス202には原稿203がその画像面を下方に向けて載置される。そして、図示しないプラテンカバーが原稿203をプラテンガラス202に向けて押さえる。
キャビネット201の内部には、高速キャリッジ204と低速キャリッジ205が横方向に移動可能に配置されている。高速キャリッジ204には原稿203を照射する有機ELアレイ露光ヘッド206と反射鏡207が搭載されており、低速キャリッジ205には二つの反射鏡208,209が搭載されている。これらの有機ELアレイ露光ヘッド206および反射鏡207,208,209は図17の紙面垂直方向(主走査方向)に延びている。また、有機ELアレイ露光ヘッド206は、複数のOLED素子の配列方向が主走査方向に沿うように設置される。
また、キャビネット201の内部の固定位置には、原稿読み取り器210が配置されている。この原稿読み取り器210は、結像レンズ212と、多数の感光画素(電荷結合素子)から構成されるラインセンサ(受光装置)213を備える。ラインセンサ213は図17の紙面垂直方向(主走査方向)に延びており、複数の感光画素の配列方向が主走査方向に沿うように設置される。
有機ELアレイ露光ヘッド206から発した光は、プラテンガラス202を透過して原稿203の下面で反射する。原稿203からの反射光は、プラテンガラス202を透過し、反射鏡207〜209で反射した後、結像レンズ212によりラインセンサ213で結像する。高速キャリッジ204は横方向に移動して、原稿203の全面が有機ELアレイ露光ヘッド206で照射されるようにし、低速キャリッジ205は高速キャリッジ204の半分の速度で移動して、原稿203からラインセンサ213に到る反射光路の長さを一定に維持する。
以上のように発光装置100、100A、200、200Aは、画像読み取り装置の照明装置である有機ELアレイ露光ヘッド206として使用される。
以上、発光装置100、100A、200、200Aを応用可能な画像読み取り装置を例示したが、他の画像読み取り置にも発光装置100、100A、200、200Aを応用することが可能であり、そのような画像形成装置は本発明の範囲内にある。例えば、受光装置が照明装置としての発光装置100、100A、200、200A、300と共に移動してもよいし、受光装置と発光装置100、100A、200、200A、300が共に固定されて原稿または読み取り対象が移動して読み取られるようにしてもよい。
<F:電子機器>
次に、本発明に係る発光装置を利用した電子機器について説明する。図14および図15には、以上の何れかの形態に係る発光装置を表示装置として採用した電子機器の形態が図示されている。
図14は、発光装置を採用したモバイル型のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。パーソナルコンピュータ2000は、各種の画像を表示する表示装置Dと、電源スイッチ2001やキーボード2002が設置された本体部2010とを具備する。表示装置Dとして、上記実施形態の発光装置100、100A、200、200Aが用いられる。発光装置100、100A、200、200Aは有機発光ダイオード素子を使用しているので、視野角が広く見易い画面を表示できる。
図15は、発光装置を適用した携帯電話機の構成を示す斜視図である。携帯電話機3000は、複数の操作ボタン3001およびスクロールボタン3002と、各種の画像を表示する表示装置Dとを備える。表示装置Dとして、上記実施形態の発光装置100、100A、200、200Aが用いられる。スクロールボタン3002を操作することによって、表示装置Dに表示される画面がスクロールされる。
なお、本発明に係る発光装置が適用される電子機器としては、図14および図15に示した機器のほか、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistants)、デジタルスチルカメラ、テレビ、ビデオカメラ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電子ペーパー、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、プリンタ、スキャナ、複写機、ビデオプレーヤ、タッチパネルを備えた機器等などが挙げられる。
本発明の第1実施形態に係るタンデム型発光装置100の製造過程を示す断面図である。 発光装置100の製造過程を示す断面図である。 発光装置100の製造過程を示す断面図である。 取出し配線40が配設された様子を示す拡大断面図である。 第1実施形態の変形例としての発光装置100Aの断面図である。 本発明の第2実施形態に係るタンデム型発光装置200の製造過程を示す断面図である。 発光装置200の製造過程を示す断面図である。 発光装置200の製造過程を示す断面図である。 第2実施形態の変形例としての発光装置200Aの断面図である。 変形例としての発光装置300の断面図である。 発光装置を利用した画像形成装置の一例を示す縦断面図である。 発光装置を利用した別の画像形成装置の一例を示す縦断面図である。 発光装置を利用した画像読み取り装置の一例を示す縦断面図である。 発光装置を採用したモバイル型のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。 発光装置を適用した携帯電話機の構成を示す斜視図である。
符号の説明
10(10R,10G,10B,10Rg)…ドナーフィルム、11…ベースフィルム、11…ベースフィルム、12…剥離層、13…陰極、14…電子注入層、15(15R,15G,15B,15Rg)…発光層、16…正孔輸送層、17…正孔注入層、18…陽極、20,20a…基板、30…電極、30a…反射電極、40…取出し配線、40a…入力端子、50…乾燥剤、60…封止缶、60a…封止基板、70…カラーフィルタ(70R,70G,70B)、70a…カラーフィルタ用基板、80…薄膜封止層、90…樹脂層、100,100A,200,200A,300…発光装置、BM…ブラックマトリクス、M…領域、RA,GA,BA…領域、U,RU,GU,BU,RgU…発光単位層。

Claims (4)

  1. 少なくとも第1および第2の発光単位層が積層され、前記各発光単位層が第1電極と第2電極と両者に挟まれた発光層を有し、前記第1電極、前記第2電極および前記発光層の各々が光透過型の材料で形成されたタンデム型発光装置の製造方法であって、
    ベースフィルムと剥離層と前記発光単位層とが順に積層されたドナーフィルムを用意し、
    発光単位層が転写される基板上の被転写領域の表面にドナーフィルムの発光単位層側の面を接触させ、前記ドナーフィルムと前記被転写領域とが接触した状態において、前記ドナーフィルムにレーザ光を照射し、剥離層を境に前記ベースフィルムから発光単位層を剥離することにより前記第1発光単位層を前記被転写領域の上に転写する第1層転写工程と、
    ドナーフィルムの発光単位層側の面を前記第1発光単位層の表面に接触させ、前記ドナーフィルムと前記第1発光単位層とが接触した状態において、前記ドナーフィルムにレーザ光を照射し、剥離層を境に前記ベースフィルムから発光単位層を剥離することにより前記第2発光単位層を前記第1発光単位層の上に転写する第2層転写工程と
    を備えるタンデム型発光装置の製造方法。
  2. 前記第1層転写工程においては、複数の照射領域に選択的にレーザ光を照射し、前記照射領域内の発光単位層を前記ベースフィルムから剥離することにより、前記第1発光単位層を転写し、
    前記第2層転写工程においては、前記第1層転写工程で用いた前記ドナーフィルムのうち発光単位層が残存する残存領域を前記第1発光単位層の表面に接触させ、前記複数の照射領域に選択的にレーザ光を照射し、前記第2発光単位層を前記第1発光単位層の上に転写する
    請求項1に記載のタンデム型発光装置の製造方法。
  3. 前記第1層転写工程において用いる前記ドナーフィルムは、第1色で発光する第1色発光層を含み、
    前記第2層転写工程において用いる前記ドナーフィルムは、第2色で発光し、前記第1色との混色が白色となる第2色発光層を含む
    請求項1に記載のタンデム型発光装置の製造方法。
  4. 前記基板として、カラーフィルタが形成されたカラーフィルタ用基板を用いる
    請求項2または請求項3に記載のタンデム型発光装置の製造方法。
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