JP2008196992A - 表面プラズモンの電場増強構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】深さ方向に先細りの窪み空間が形成された金属体の先端近傍の表面において、励起光の進行方向に表面プラズモンの電場増強を適切かつ充分に行える表面プラズモンの電場増強構造を提供する。
【解決手段】表面プラズモンの電場増強構造100は、金属体11により区画された深さ方向に先細りの窪み空間14内の誘電体12に、その深さ方向に向けて入射され、かつラジアル偏光の光15が、金属体11で局在化された表面プラズモンSPと光カップリング可能なように構成されている光カップリング手段17を備え、表面プラズモンSPは、ラジアル偏光の光15との間の光カップリングにより励起され、誘電体14の先端近傍に対応する金属体13の表面において、光15の進行方向に電場増強されるように、構成されている。
【選択図】図1
【解決手段】表面プラズモンの電場増強構造100は、金属体11により区画された深さ方向に先細りの窪み空間14内の誘電体12に、その深さ方向に向けて入射され、かつラジアル偏光の光15が、金属体11で局在化された表面プラズモンSPと光カップリング可能なように構成されている光カップリング手段17を備え、表面プラズモンSPは、ラジアル偏光の光15との間の光カップリングにより励起され、誘電体14の先端近傍に対応する金属体13の表面において、光15の進行方向に電場増強されるように、構成されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、表面プラズモンの電場増強構造に関する。
表面プラズモンポラリトン波(以下、「表面プラズモン」と略す)とは、金属の表面に局在化された自由電子の集団振動であり、金属に光が照射された際に、電気分極を伴う波が光の電場と結合して形成された連成波である。空間を伝搬する光は、通常、位相速度が一致せず表面プラズモンとは相互作用(カップリング)しないのに対し、物質の境界面近傍に存在する伝搬しない光である近接場光とはカップリングする。
金属表面での特殊な条件により表面プラズモンと電磁波(光)とのカップリングに基づいて表面プラズモン共鳴励起が起こると、表面近傍での電場強度が増強されるため、従来から、これを利用した表面増強ラマン散乱(SERS)現象が研究されている。例えば、金属表面の微小構造(例えば金属表面の凹凸構造)により局所的な表面プラズモンが励起され、このことが、表面増強ラマン散乱を引き起こす原因の一つと考えられている。
しかしながら、この場合、表面プラズモンによる電場増強がどの場所に起こるかは、偶然に任され、このような偶発的に起こる表面プラズモンによる電場増強は、光カプラや光集積回路などの光デバイスのような、表面プラズモンの電場増強が空間的に制御されることを前提とする技術の応用には適していない。
そこで、深さ方向に先細り(例えばテーパ状)の窪み空間が形成された金属体(以下、「テーパ金属構造」と略す)により、この窪み空間の先端近傍に対応する金属体の表面(金属面)において表面プラズモンの電場増強が起こると理論的に予測されていることから、表面プラズモンの電場増強を空間的に制御する試みの一環として、このようなテーパ金属構造による表面プラズモンの電場増強に向けた取り組みがなされている。
例えば、このようなテーパ金属構造の一例としての、円錐形状の光プリズム(以下、「円錐プリズム」と略す)の側面に、AuやAg等の金属薄膜が蒸着された従来構造がある(特許文献1参照)。言い換えれば、この従来構造は、深さ方向に先細りの円錐形状の窪み空間が形成された金属体(金属薄膜)と、この窪み空間に配設された円錐プリズムと、を備えている。
また、この従来構造の表面プラズモンの光励起(レーザ光と表面プラズモンとの間のカップリング)には、円錐プリズムと金属薄膜との境界で光を全反射させ、その境界面にある金属薄膜内にエバネッセント波を形成するというクレッチマン光学配置が用いられている。よって、この従来構造によれば、レーザ光を円錐プリズムの底面から円錐プリズム内(窪み空間内)に入射させることにより、円錐プリズムの頂点で表面プラズモンが局在化され、これにより、円錐プリズムの頂点で、表面プラズモンの電場増強が得られるとされている。
特開2002−116149号公報(図2)
ところで、上述の特許文献1記載によれば、円錐プリズムにより表面プラズモンを励起させる目的で、Arレーザから直線偏光のレーザ光(励起光)が円錐プリズムの底面から円錐プリズム内に入射されている(例えば、特許文献1の段落〔0014〕参照)。なお、直線偏光の光とは、光波の電場の振動方向が一方向である光を指す。
これに対し、本件発明者等は、テーパ金属構造(例えば、上述の円錐プリズムの側面に金属薄膜を蒸着した構造)の先端近傍の金属薄膜の表面において、光の進行方向に電場増強を適切かつ充分に起こすには、ラジアル偏光の光を用いることが必須要件であると考えている。この理由については、後述する。なお、ラジアル偏光の光とは、電場の振動方向が放射状分布である光を指す。
よって、端的に言えば、特許文献1に記載された従来構造は、表面プラズモンによる巨大な電場増強を図る観点から見て最適な設計とは言い難く、中途半端な技術であり、未だ改善の余地がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、深さ方向に先細りの窪み空間が形成された金属体の先端近傍の表面において、光の進行方向に表面プラズモンの電場増強を適切かつ充分に行える表面プラズモンの電場増強構造を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、金属体により区画された深さ方向に先細りの窪み空間内の誘電体に、その深さ方向に向けて入射されたラジアル偏光の光が、前記金属体で局在化された表面プラズモンと光カップリング可能なように構成されている光カップリング手段を備え、
前記表面プラズモンは、前記ラジアル偏光の光との間の前記光カップリングにより励起され、前記誘電体の先端近傍に対応する前記金属体の表面において、前記光の進行方向に電場増強される、表面プラズモンの電場増強構造を、提供する。
前記表面プラズモンは、前記ラジアル偏光の光との間の前記光カップリングにより励起され、前記誘電体の先端近傍に対応する前記金属体の表面において、前記光の進行方向に電場増強される、表面プラズモンの電場増強構造を、提供する。
つまり、本発明の表面プラズモンの電場増強構造では、ラジアル偏光の光の進行方向の電場の振動成分が重なり合い、この方向に大きな電場の振動成分をもつ光の場が形成される。
よって、この表面プラズモンは、このようなラジアル偏光の光との間の光カップリングにより励起された場合には、誘電体の先端近傍に対応する金属体の表面において、光の進行方向に適切かつ充分に電場増強できる。
なお、ここで、前記誘電体の相対する部分が、前記誘電体の頂点を通り、かつ前記誘電体の底面に垂直に引いた仮想直線に対して対称的に直線状に傾斜してもよい。
これにより、表面プラズモンの共鳴励起が起こった際の優れたエネルギー効率が発揮され好適である。
また、前記誘電体の相対する部分が、前記誘電体の頂点を通り、かつ前記誘電体の底面に垂直に引いた仮想直線に対して対称的に弓状に傾斜してもよい。
これにより、表面プラズモンの共鳴励起が起こるラジアル偏光の光の入射方向の角度依存性が緩和され、この光の入射方向の調整作業を効率化できるという利点がある。よって、上述の表面プラズモンの電場増強構造は、簡易的に表面プラズモンの共鳴励起を図りたいという場合に有益である。
また、前記光は、光強度のピークがドーナツ状に分布しているラゲールガウシアンビームであることが好ましい。そして、この場合、前記誘電体が円錐形状であり、前記誘電体の底面の円周に沿うよう、前記ラゲールガウシアンビームの光強度が円環状に分布していることが好ましい。
このようにして、ラジアル偏光のラゲールガウシアンビームが、その円環状の光強度ピークの分布を誘電体の底面の円周に沿うように集光されると、このビームの光エネルギーを、表面プラズモンの集束効果により集中させて、効率良く利用でき好適ある。
ここで、クレッチマン光学配置を用いる前記光カップリング手段は、前記誘電体としての光プリズムと、前記光プリズムの側面に直接に接触してなる前記金属体としての金属薄膜と、を備えており、
前記光プリズムと前記金属薄膜との間の境界で前記ラジアル偏光の光が全反射されることにより、前記表面プラズモンは、前記ラジアル偏光の光との間で光カップリングしてもよい。
前記光プリズムと前記金属薄膜との間の境界で前記ラジアル偏光の光が全反射されることにより、前記表面プラズモンは、前記ラジアル偏光の光との間で光カップリングしてもよい。
これにより、後述のオット光学配置を用いる光カップリング手段よりも構成が簡単な光カップリング手段を実現でき好適である。
一方、オット光学配置を用いる前記光カップリング手段は、前記金属体との間に隙間を挟んで対向され、前記窪み空間内の前記誘電体としての光プリズムと、前記隙間に存在する、前記誘電体よりも屈折率が低い誘電層と、を備え、
前記光プリズムと前記誘電層との間の境界で前記ラジアル偏光の光が全反射されることにより、前記表面プラズモンは、前記ラジアル偏光の光との間で光カップリングしてもよい。
前記光プリズムと前記誘電層との間の境界で前記ラジアル偏光の光が全反射されることにより、前記表面プラズモンは、前記ラジアル偏光の光との間で光カップリングしてもよい。
これにより、薄膜金属に限らず、バルク状の金属体であっても表面プラズモンを励起でき有益な場合がある。
前記誘電層は空気から構成される層であってもよい。
これにより、誘電層を簡便に形成できる。
また、本発明の表面プラズモンの電場増強構造は、金属体により区画された深さ方向に先細りの窪み空間に、その深さ方向に向けて入射され、かつラジアル偏光の光が、前記金属体で局在化された表面プラズモンと光カップリング可能なように構成されている光カップリング手段を備えるものであって、
前記光カップリング手段は、前記金属体に形成された回折格子を更に備え、
前記表面プラズモンは、前記ラジアル偏光の光の波長の前記回折格子による選択に基づく前記ラジアル偏光の光との間の光カップリングより励起され、前記誘電体の先端近傍に対応する前記金属体の表面において、前記光の進行方向に電場増強されるように、構成されてもよい。
前記光カップリング手段は、前記金属体に形成された回折格子を更に備え、
前記表面プラズモンは、前記ラジアル偏光の光の波長の前記回折格子による選択に基づく前記ラジアル偏光の光との間の光カップリングより励起され、前記誘電体の先端近傍に対応する前記金属体の表面において、前記光の進行方向に電場増強されるように、構成されてもよい。
このような回折格子を採用することにより、薄膜金属に限らず、バルク状の金属体であっても表面プラズモンを励起できるとともに、光学プリズムを必要とせず、有益な場合がある。
また、この場合も、上述のとおり、前記光は、光強度のピークがドーナツ状に分布しているラゲールガウシアンビームであることが好ましい。
また、前記窪み空間が円錐に区画されており、前記窪み空間の裾の円周に沿うよう、前記ラゲールガウシアンビームの光強度が円環状に分布していることが好ましい。
このようにして、ラジアル偏光のラゲールガウシアンビームが、その円環状の光強度ピークの分布を窪み空間の裾の円周に沿うように集光されると、このビームの光エネルギーを、表面プラズモンの集束効果により集中させて、効率良く利用でき好適ある。
本発明によれば、深さ方向に先細りの窪み空間が形成された金属体の先端近傍の表面において、光の進行方向に表面プラズモンの電場増強を適切かつ充分に行える表面プラズモンの電場増強構造が得られる。
以下、本発明を実施するための実施形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1実施形態)
まず、本発明の第1実施形態による表面プラズモンの電場増強構造の構成について述べる。
まず、本発明の第1実施形態による表面プラズモンの電場増強構造の構成について述べる。
図1は、本実施形態による表面プラズモンの電場増強構造の一構成例を模式的に示した断面図である。なお、以下の説明の便宜上、図1(後述の図4も同じ)において、表面プラズモンSPを励起させる目的のラジアル偏光のドーナツ状(円環状)のラゲールガウシアンビーム15(Laguerre-Gaussian Beam;以下「ラジアル偏光LGビーム15」と略す)の進行方向を「Z方向」とし、この「Z方向」に垂直かつ紙面に沿った方向を「X方向」としている。なお、ラジアル偏光LGビーム15の詳細な内容については後述する。
表面プラズモンSPの電場増強構造100は、図1に示したように、光カップリング手段17と、ラジアル偏光LGビーム15を、この光カップリング手段17に向けて入射させる公知のラジアル偏光LGビーム形成用の光学系16と、を備える。
光カップリング手段17は、表面プラズモンSPの電場増強構造100の主要な構成をなしており、これは、図1に示すように、深さ方向(Z方向)に先細り(例えばテーパ状)の窪み空間14が形成された金属薄膜からなる金属体11と、金属体11の傾斜内面11a(金属面)により区画された窪み空間14の全域を占めるよう、かつ上述の金属体11の傾斜内面11aに接触するように設けられた高屈折率ガラスからなる誘電体12とを備える。
なお、金属体11より外側の外部領域13は、通常は、大気空間(空気層)であるが、この外部領域13を、誘電体12よりも屈折率が低い誘電部材で構成してもよい。
このように、光カップリング手段17は、傾斜内面11aにより区画された深さ方向に先細りの窪み空間14を占める誘電体12内に、その深さ方向(Z方向)に向けて入射され、かつラジアル偏光LGビーム15が、金属体11で局在化された表面プラズモンSPと光カップリング可能なように構成されている。
なお、表面プラズモンSPを、光学プリズム(ここでは誘電体12)を用いて励起する方法には、誘電体と金属薄膜とをわずかな隙間に存在する誘電層(例えば、空気層)を挟んで対向させたオット(Otto)光学配置を採用することもあるが、本実施形態では、上述のとおり、誘電体12の側面12aに金属薄膜を直接付けたクレッチマン(Kretschmann)光学配置が用いられている。これにより、オット光学配置を用いる光カップリング手段よりも構成が簡単な光カップリング手段を実現でき好適である。
なお、オット光学配置を用いた表面プラズモンの電場増強構造については、後述の第2実施形態において述べる。
上述の金属体11は、表面プラズモンSPを形成できる薄膜化可能な材料を用いて製作され、金属体11の材料例としては、金、銀、アルミニウム、銅およびプラチナがある。その中でも、金は、空気中で酸化され難く好適である。
誘電体12は、例えば、公知の光学ガラス材料から構成された光学プリズムであり、その3次元形状は、深さ方向に向かって先鋭化(角度θ)する形であれば如何なる形状であってもよいが、ここでは、図1に示すように、誘電体12の相対する側面12aの部分が、誘電体12の頂点Pを通り、かつ誘電体12の底面に垂直に引いた仮想直線Lに対して対称的に傾斜するテーパ状になっている。このような3次元形状を例示すると、円錐形状や正四角錐形状がある。しかし、これに限らず、誘電体12は、三角錐形状や正四角錐形状以外の四角錐形状であってもよく、更には、5角以上の多角錐形状であってもよい。但し、本実施形態のように、ドーナツ状(円環状)のラゲールガウシアンビームを、金属体11の表面の表面プラズモンSPを励起させる励起光として用いる場合には、金属体11の傾斜内面11a(誘電体12の底面の周囲)が、ラゲールガウシアンビームのドーナツ状の光強度ピークに沿うように、誘電体12の形状は円錐であることが好ましい。そして、この場合には、表面プラズモンSPの電場増強構造100は、エッチングによる上述の円錐形状の誘電体12の形成と、この誘電体12の側面12a(円錐面)の略全域についての、適宜の真空プロセス(真空蒸着やスパッタリング)に基づく金属薄膜からなる金属体11のコーティング形成と、によって、極めて簡便に製作することができる。
よって、以下の説明では、窪み空間14が円錐状に区画されるものとし、これを必要に応じて円錐空間14と呼び、誘電体12が円錐状の窪み空間14にぴったり嵌まった円錐状であるものとし、これを必要に応じて円錐プリズム12(円錐頂角θ)と呼ぶ。
次に、本実施形態の特徴部である表面プラズモンSPを励起されるラジアル偏光LGビーム15の内容について説明する。
図2は、ラジアル偏光LGビームの光強度分布および偏光について模式的に示した図である。
図2のハッチング部分は、ラジアル偏光LGビーム15の光強度の強い部分を示している。また、図2の矢印は、ラジアル偏光LGビーム15の偏光方向(電場の振動方向)を示している。なお、図2では、電場ベクトルが外側に最も大きくなったラジアル偏光LGビーム15の様子と、電場ベクトルが内側に最も大きくなったラジアル偏光LGビーム15の様子と、を、代表的に図示している。
図2のハッチング部分に示したように、ラジアル偏光LGビーム15の光強度のピークは、円環状(ドーナツ状)に分布している。このため、円錐プリズム12に向けて入射されるラジアル偏光LGビーム15の光強度のピークが、円錐プリズム12の底面の外周に沿うように、ラジアル偏光LGビーム15の光強度分布を調整すれば、ラジアル偏光LGビーム15の光エネルギーを効率的に表面プラズモンSPに与えることができ好適である。
また、図2の矢印に示したように、ラジアル偏光LGビーム15の電場の振動方向は、この円環の動径方向であり、各々の電場ベクトルの大きさは同じである。つまり、ラジアル偏光LGビーム15は、端的には、方位角(アジミュサル)対称の動径方向(ラジアル)偏光ビームである。
このようなラジアル偏光のビームは、これを上述の光カップリング手段17と組み合わせた場合には、従来構造(特許文献1)で用いられた直線偏光のビームと比べて、以下に述べる特別の効果を発揮する。
なお、このラジアル偏光のビームの好適な一例が、上述のラジアル偏光LGビーム15であるが、以下に述べる効果については、ラゲールガウシアンビーム(ドーナツ状ビーム)には限定されず、他のラジアル偏光のビーム、例えば、ガウシアン分布のラジアル偏光ビームであっても奏する。
図3は、表面プラズモンを励起させる光のフォーカシング時の電場ベクトルの様子を模式的に描いた図である。図3(a)は、本実施形態で使用されるラジアル偏光のビームの電場ベクトルを示した図であり、図3(b)は、従来構造(特許文献1)で使用される直線偏光のビームの電場ベクトルを示した図である。
図3(a)に示したように、ラジアル偏光のビームの電場ベクトルの合成により、ラジアル偏光ビームのZ方向(光の進行方向)の電場の振動成分が重なり合い(X方向の電場の振動成分は打ち消し合う)、Z方向に大きな電場の振動成分をもつ光の場が作られる。このため、ラジアル偏光のビームにより励起される表面プラズモンSPは、円錐プリズム12の先端近傍の金属体11の表面(傾斜外面11b)においてZ方向に電場増強される。
図7は、円錐形状の誘電体の先端近傍の金属体の表面における表面プラズモンの電場増強の様子を電気力線で表した図である。なお、図中のスケールは、波長寸法により規格化されている。
図7に示した電気力線は、誘電体の物性条件(誘電率)として空気の誘電率を採用して、金属体の物性条件(誘電率)として金の誘電率を採用した際の、誘電体12の円錐頂角を10°に設定した場合について、準変数分離法というテーパ状の表面プラズモンの現象を解析的に理解するために開発された偏微分方程式の手法により、磁場のMaxwell方程式を数値計算で解いて得られた結果である。なお、ここでは、上述の解析手法の詳細な説明は省略する。
図7によれば、円錐形状の誘電体の先端に行くほど、電気力線が密になることが分かり、これにより、誘電体の先端において電場増強がなされることが裏付けられている。また、誘電体の先端の電気力線の様子から、ここでの電場が、Z方向の成分だけになっていることも理解できる。
一方、図3(b)に示したように、直線偏光のビームの電場ベクトルの合成により、直線偏光ビームのX方向(励起光の進行方向に垂直な方向)の電場の振動成分が重なり合い(Z方向の電場の振動成分は打ち消し合う)、X方向に大きな電場の振動成分をもつ光の場が作られる。このため、直線偏光のビームにより励起される表面プラズモンSPは、円錐プリズム12の先端近傍の金属体11の表面(傾斜外面11b)においてX方向に電場増強される。
ところで、ラジアル偏光のビームによる電場が重なり合う方向(Z方向)は、光の進行方向であることから、このようなラジアル偏光のビームにより増強される表面プラズモンSPの電場の振動は縦波であり、横波の光と再びカップリングし難いのに対し、直線偏光のビームによる電場が重なり合う方向(X方向)は、光の進行方向に垂直な方向であることから、このような直線偏光のビームにより増強される表面プラズモンSPの電場の振動は横波であり、横波の光と再びカップリングし易い。
そうすると、上述の従来構成のような直線偏光のビームに基づいて増強された表面プラズモンSPの電場の振動エネルギーは、光放射モードとして外部に放出され易く、直線偏光のビームにより励起される表面プラズモンSPは、適切かつ充分に電場を増強できないと危惧される。
これに対し、本実施形態のラジアル偏光のビームに基づいて増強された表面プラズモンSPの電場の振動エネルギーは、光放射モードとして外部に放出され難く、ラジアル偏光のビームにより励起される表面プラズモンSPは、適切かつ充分に電場を増強できると期待される。
更に、ラジアル偏光のビームを用いる場合には、円錐プリズム12の先端近傍の金属体11の表面からZ方向に隙間を開けて適宜の金属部材(図示せず)を配置すると、Z方向に電場増強された表面プラズモンSPが、当該金属部材との間の相互作用で更に増強(ギャップモード励起)され、これにより、表面プラズモンSPの電場増強がより積極的に図れて好適である。
次に、本実施形態の表面プラズモンSPの電場増強構造100の動作の一例を、図1を参照しながら説明する。
まず、光学系16から出射されたラジアル偏光LGビーム15(図2参照)が、その円環状の光強度ピークの分布を円錐プリズム12の底面の円周に沿うように集光され、所定の入射角で光カップリング手段17の円錐プリズム12内に入射する。これにより、ラジアル偏光LGビーム15の光エネルギーを、表面プラズモンSPの集束効果により集中させて、効率良く利用できる。
ラジアル偏光LGビーム15の入射角は、円錐プリズム12の円錐頂角θとの関係から、表面プラズモンSPの共鳴励起が起こる共鳴角に設定されている。共鳴角は、ラジアル偏光LGビーム15が、円錐プリズム12の側面12aと金属体11の傾斜内面11aとの間の境界で全反射できる角度の範囲内に存在しているが、このような共鳴角は、公知であり、ここでは、詳細な説明は省く。
ラジアル偏光LGビーム15が、上述の境界で全反射すると、これにより生じたエバネッセント波(図示せず)が、金属体11にしみ出し、その結果、表面プラズモンSPが共鳴励起される。
なお、表面プラズモンSPは、金属体11の表面(傾斜外面11b)近傍の外部領域13において、この表面に垂直な方向に電場振動主成分をもつ波であり、当該方向に電場振動する光(P偏光の光)が、表面プラズモンSPの励起光として機能するが、以上に述べた如く、ラジアル偏光LGビーム15は、この条件を満足している。
このようにして、表面プラズモンSPとの間で位相整合条件を満たす局在化されたエバネッセント波を用いて、表面プラズモンSPはラジアル偏光ビームLGと光カップリングできる。その結果、ラジアル偏光LGビーム15により励起される表面プラズモンSPが、円錐プリズム12の先端近傍の金属体11の表面(傾斜外面11b)において光の進行方向(Z方向)に適切かつ充分に電場増強される。
以上に述べた如く、本実施形態の表面プラズモンの電場増強構造100は、金属体11の傾斜内面11aにより区画された先細りの円錐空間14を占める誘電体12内に、その深さ方向に向けて入射されたラジアル偏光LGビーム15が、金属体11で局在化された表面プラズモンSPと光カップリング可能なように構成されている光カップリング手段17を備える。このため、ラジアル偏光LGビーム15のZ方向(光の進行方向)の電場の振動成分が重なり合い、Z方向に大きな電場の振動成分をもつ光の場が形成される。よって、この表面プラズモンSPは、このようなラジアル偏光LGビーム15との間の光カップリングにより励起された場合には、誘電体12の先端近傍に対応する金属体11の表面(傾斜外面11b)において、光の進行方向(Z方向)に適切かつ充分に電場増強できる。
また、本実施形態の表面プラズモンの電場増強構造100では、ドーナツ状(円環状)のラゲールガウシアンビームを、金属体11の表面の表面プラズモンSPを励起させる励起光として用いている。このため、ラジアル偏光LGビーム15が、その円環状の光強度ピークの分布を円錐プリズム12の底面の円周に沿うように集光されると、ラジアル偏光LGビーム15の光エネルギーを、表面プラズモンSPの集束効果により集中させて、効率良く利用できる。
〔変形例〕
ここまで、カップリング手段17の円錐形状の誘電体12では、図1に示すように、誘電体12の相対する側面12aの部分が、誘電体12の頂点Pを通り、かつ誘電体12の底面に垂直に引いた仮想直線Lに対して対称的に直線状に傾斜している例を述べたが、テーパ状の誘電体の構成は、これには限定されない。
ここまで、カップリング手段17の円錐形状の誘電体12では、図1に示すように、誘電体12の相対する側面12aの部分が、誘電体12の頂点Pを通り、かつ誘電体12の底面に垂直に引いた仮想直線Lに対して対称的に直線状に傾斜している例を述べたが、テーパ状の誘電体の構成は、これには限定されない。
図4は、第1実施形態の変形例による表面プラズモンの電場増強構造の一構成例を模式的に示した断面図である。
つまり、図4に示すように、テーパ状の誘電体の一変形例として、誘電体112の相対する側面112aの部分を、誘電体112の頂点Pを通り、かつ誘電体112の底面に垂直に引いた仮想直線Lに対して、その頂角θ’がθ’<θとなるように、窪み空間114の方向にゆるく弓状に湾曲するように対称的に傾斜させてもよい。この場合、この誘電体112の側面を覆っている金属体111も、当該側面112aと同程度の曲率、例えば同じ曲率、で湾曲する。このような誘電体112の構成により、本変形例の表面プラズモンSPの電場増強構造110は、以下のような効果を奏する。
本実施形態(図1)で述べた円錐プリズム12の円錐頂角θは、上述の共鳴角を支配する角度であり、表面プラズモンSPの共鳴励起が逸れないよう、この円錐頂角θとの関係で、ラジアル偏光LGビーム15の入射方向を適切に調整する必要がある。しなしながら、この調整作業に不慣れな場合には、調整作業に手間取り、ラジアル偏光LGビーム15の最適な入射方向の調整が困難な場合もある。
そこで、本変形例の表面プラズモンSPの電場増強構造110では、図4に示したように、誘電体112の側面112aを窪み空間114側に向かってゆるく弓状に湾曲させることにより、ラジアル偏光LGビーム15(入射光)と金属体111との間の交差角を、窪み空間114の深さ方向に沿って連続的に変化させることができる。よって、本変形例の表面プラズモンSPの電場増強構造110には、表面プラズモンSPの共鳴励起が起こるラジアル偏光LGビーム15の入射方向の角度依存性が緩和され、ラジアル偏光LGビーム15の入射方向の調整作業を効率化できるという利点がある。反面、この場合、本実施形態(図1)で述べた円錐プリズム12に比べて、表面プラズモンSPの共鳴励起が起こった際のエネルギー効率は若干劣ることにもなる。
つまり、本変形例の表面プラズモンSPの電場増強構造110は、表面プラズモンSPの共鳴励起のエネルギー効率を若干犠牲にしても、簡易的に表面プラズモンSPの共鳴励起を図りたいという場合に有益である。
(第2実施形態)
第1実施形態の表面プラズモンSPの電場増強構造100では、光カップリング手段17としてクレッチマン光学配置が採用されている。第2実施形態では、これに代えて、オット光学配置を用いる例を述べる。
(第2実施形態)
第1実施形態の表面プラズモンSPの電場増強構造100では、光カップリング手段17としてクレッチマン光学配置が採用されている。第2実施形態では、これに代えて、オット光学配置を用いる例を述べる。
なお、光カップリング手段の構成以外の本実施形態の表面プラズモンSPの電場増強構造の構成は、第1実施形態の表面プラズモンSPの電場増強構造100の構成と同じであるので、ここでは、両者に共通する構成および動作の説明は省略する。
図5は、本実施形態の表面プラズモンの電場増強構造の光カップリング手段を模式的に示した断面図である。なお、図5では、光カップリング手段217以外の構成の図示は省略している。
光カップリング手段217は、図5に示したように、深さ方向に先細り(例えばテーパ状)の窪み空間214が形成された金属体を備える。
上述の金属体は、図5に示した如く、金属基板211であっても良く、この場合には、適宜の穴あけ法(例えばフォーカスイオンビーム法)により窪み空間214が金属基板211の表面側から形成される。そして、この窪み空間214は、断面視において、金属基板211の裏面との間の一対のなす角φが同程度(好ましくは同一)になるように傾斜するテーパ状の金属基板211の傾斜面211aにより区画されている。
また、金属体は、基材としての誘電基板(図示せず)を有しても良く、この場合には、この誘電基板に、適宜の穴あけ法(例えばフォーカスイオンビーム法)により窪み空間214と同じ類の穴(図示せず)が形成された後、表面プラズモンSPが局在化された金属として機能する金属薄膜(図示せず)が、この穴を区画する誘電基板の表面を覆うようにして真空蒸着形成または真空スパッタリング形成される。
金属基板211や金属薄膜の材料例としては、金、銀、アルミニウム、銅およびプラチナがあるが、その中でも、金は、空気中で酸化され難く好適である。
窪み空間214の3次元形状は、深さ方向に向かって先鋭化(角度θ)する形であれば如何なる形状であってもよいが、第1実施形態で述べた如く、表面プラズモンSPの励起光としてドーナツ状(円環状)のラゲールガウシアンビームを用いる場合には、円錐形状であることが好ましい。
また、光カップリング手段217は、更に、金属体211の傾斜面211aとの間にわずかな隙間に存在する誘電層213を挟んで対向され、かつ窪み空間214に埋設された誘電体212を備える。
誘電体212は、例えば、公知の光学ガラス材料から構成されており、これにより、誘電体212のうちの窪み空間214に埋設された部分は、光学プリズムとして機能する(以下、この部分を「誘電体212の光学プリズム部分」と略す)。つまり、この誘電体212の光学プリズム部分は、図5に示すように、相対する側面212aの部分が、誘電体212の光学プリズムの部分の頂点Pを通り、かつ金属板211の表面に垂直に引いた仮想直線Lに対して対称的に傾斜するテーパ状になっているが、ここでは、上述のとおり、この誘電体212の光学プリズム部分は、誘電層213を介して窪み空間214にぴったり嵌るように円錐状に形成されることが好ましい。
誘電層213は、誘電体212よりも屈折率が低い誘電材料であれば如何なる材料を用いても形成してもよいが、このような誘電材料として空気を用いることが最も簡便であり好適である。
次に、本実施形態の光カップリング手段217の光カップリング動作の一例について図5を参照しながら説明する。
まず、光学系(図示せず)からで射されたラジアル偏光LGビーム15(図2参照)が、その円環状の光強度ピークの分布を円錐状の窪み空間214の底面の円周に沿うように集光され、所定の入射角で光カップリング手段217の誘電体212の光学プリズム部分内に入射する。これにより、ラジアル偏光LGビーム15の光エネルギーを、表面プラズモンSPの集束効果により集中させて、効率良く利用できる。
ラジアル偏光LGビーム15の入射角は、窪み空間214(誘電体212の光学プリズム部分)の円錐頂角θとの関係から、表面プラズモンSPの共鳴励起が起こる共鳴角に設定されている。共鳴角は、ラジアル偏光LGビーム15が、誘電体212の光学プリズム部分と誘電層213との間の境界で全反射できる角度の範囲内に存在しているが、このような共鳴角は、公知であり、ここでは、詳細な説明は省く。
ラジアル偏光LGビーム15が、上述の境界で全反射すると、これにより生じたエバネッセント波(図示せず)が、誘電層213にしみ出し、その結果、表面プラズモンSPが共鳴励起される。なお、表面プラズモンSPは、金属体211の表面(傾斜面211a)近傍の誘電層213において、この表面に垂直な方向に電場振動主成分をもつ波であり、当該方向に電場振動する光(P偏光の光)が、表面プラズモンSPの励起光として機能するが、以上に述べた如く、ラジアル偏光LGビーム15(図2参照)は、この条件を満足している。
このようにして、表面プラズモンSPとの間で位相整合条件を満たす局在化されたエバネッセント波を用いて、表面プラズモンSPはラジアル偏光LGビームと光カップリングできる。そして、光カップリング手段217として、以上に述べたオット光学配置を採用することにより、薄膜金属に限らず、バルク状の金属基板211であっても表面プラズモンSPを励起でき有益な場合がある。
(第3実施形態)
上述の第1および第2実施形態の表面プラズモンSPの電場増強構造では、表面プラズモンSPを、光学プリズム(ここでは誘電体12、212)を用いて励起している。第3実施形態では、これに代えて、回折格子を用いて表面プラズモンSPを励起する方法について述べる。
(第3実施形態)
上述の第1および第2実施形態の表面プラズモンSPの電場増強構造では、表面プラズモンSPを、光学プリズム(ここでは誘電体12、212)を用いて励起している。第3実施形態では、これに代えて、回折格子を用いて表面プラズモンSPを励起する方法について述べる。
なお、光カップリング手段の構成以外の本実施形態の表面プラズモンSPの電場増強構造の構成は、第1実施形態の表面プラズモンSPの電場増強構造100の構成と同じであるので、ここでは、両者に共通する構成および動作の説明は省略する。
図6は、本実施形態の表面プラズモンの電場増強構造の光カップリング手段を模式的に示した断面図である。なお、図6では、光カップリング手段317以外の構成の図示は省略している。
光カップリング手段317は、図6に示したように、深さ方向に先細り(例えばテーパ状)の窪み空間314が形成された金属体を備える。
上述の金属体は、図6に示した如く、金属基板311であっても良く、この場合には、適宜の穴あけ法(例えばフォーカスイオンビーム法)により窪み空間314が金属基板311の表面側から形成される。そして、この窪み空間314は、断面視において、金属基板211の裏面との間の一対のなす角φが同程度(好ましくは同一)になるように傾斜するテーパ状の金属基板311の傾斜面311aにより区画されている。
また、金属体は、基材としての誘電基板(図示せず)を有しても良く、この場合には、この誘電基板に、適宜の穴あけ法(例えばフォーカスイオンビーム法)により窪み空間314と同じ類の穴(図示せず)が形成された後、表面プラズモンSPが局在化された金属として機能する金属薄膜(図示せず)が、この穴を区画する誘電基板の表面を覆うようにして真空蒸着形成または真空スパッタリング形成される。
金属基板311や金属薄膜の材料例としては、金、銀、アルミニウム、銅およびプラチナがあるが、その中でも、金は、空気中で酸化され難く好適である。
窪み空間314の3次元形状は、深さ方向に向かって先鋭化(角度θ)する楔形であれば如何なる形状に区画されてもよいが、第1実施形態で述べた如く、表面プラズモンSPの励起光としてドーナツ状(円環状)のラゲールガウシアンビームを用いる場合には、円錐状に区画されることが好ましい。
また、光カップリング手段317は、更に、金属体311の傾斜面311aに一体的に形成された複数の回折格子301を備える。図6に例示した回折格子301は、傾斜面311aから突出する環状の突起であるが、これは環状の溝であってもよい。なお、回折格子301の配置や形状の設計は、ラジアル偏光LGビームの光の波長を適切に選択できるようになされているが、このような設計技術は公知であり、ここでは詳細な説明は省く。
次に、本実施形態の光カップリング手段317の光カップリング動作の一例について図6を参照しながら説明する。
まず、光学系(図示せず)からで射されたラジアル偏光LGビーム15(図2参照)が、その円環状の光強度ピークの分布を円錐状に区画された窪み空間314の裾の円周に沿うように集光され、所定の入射角で光カップリング手段317の窪み空間314内の回折格子301に向けて入射する。これにより、ラジアル偏光LGビーム15の光エネルギーを、表面プラズモンSPの集束効果により集中させて、効率良く利用できる。なお、表面プラズモンSPは、金属体311の表面(傾斜面311a)近傍の外部空間において、この表面に垂直な方向に電場振動主成分をもつ波であり、当該方向に電場振動する光(P偏光の光)が、表面プラズモンSPの励起光として機能するが、以上に述べた如く、ラジアル偏光LGビーム15(図2参照)は、この条件を満足している。
このようにして、ラジアル偏光LGビーム15の波長が回折格子301により選択されることにより、表面プラズモンSPはラジアル偏光LGビーム15との間で光カップリングできる。そして、光カップリング手段317として、以上に述べた回折格子301を採用することにより、薄膜金属に限らず、バルク状の金属基板311であっても表面プラズモンSPを励起できるとともに、光学プリズムを必要とせず、有益な場合がある。
〔応用例〕
上述の各実施形態に述べた技術は、様々な用途への利用が想定されているが、ここでは、その一例として、第1実施形態の表面プラズモンSPの電場増強構造100についての光カプラへの応用例について説明する。
上述の各実施形態に述べた技術は、様々な用途への利用が想定されているが、ここでは、その一例として、第1実施形態の表面プラズモンSPの電場増強構造100についての光カプラへの応用例について説明する。
図1に示した表面プラズモンSPの電場増強構造100において電場増強される先端部(金属体11の頂点)に、ナノサイズ(例えば光の1/10波長の直径;例えば600nmの赤色の可視光であれば、約60nm)の金属ワイヤを接続させることにより、この金属ワイヤに光を伝送させることができる。これにより、光導波路のサイズが光波長よりも小さくすることが困難であるという既存の光技術の限界を打破する超小型の光デバイスが実現される可能性がある。そして、この場合、上述の表面プラズモンSPの電場増強構造100は、ナノサイズの金属ワイヤに光エネルギーを注入する光カプラとして利用される。なお、このような金属ワイヤに代えて、上述の先端部に分子を配置させ、この分子を光エネルギーで励起するという分子デバイスへの応用も想定される。
また、図1に示した表面プラズモンSPの電場増強構造100の他の応用形態として、表面プラズモンSPの電場増強構造100において電場増強される先端部を、完全に尖らせずに若干丸めた後、その状態でZ方向に延在させるように改変してもよい。例えば、この金属体11の先端部を、X方向の幅寸法として見た場合において光の1/3波長程度(例えば600nmの赤色の可視光であれば、約200nmの幅)に丸めると、この先端部は、表面プラズモンSPの電場増強が起こり始める状態に至ると考えられている。
よって、金属体11の先端部を光の1/3波長程度のX方向の幅になるように丸め、金属体11をその幅で所定距離分、Z方向に延ばして、その後、この金属体をその先端で完全に尖らせてもよい。そうすると、この金属体が延在する部分については、表面プラズモンSPの電場増強の起こり始めに基づく光の伝送路として機能させることができ、金属体11の完全に尖った先端において、再び、電場増強がなされる。
このような構成により、表面プラズモンSPの電場増強構造100を基板上にデバイス化し易くなると考えられる。
本発明によれば、深さ方向に先細りの窪み空間が形成された金属体の先端近傍の表面において、光の進行方向に表面プラズモンの電場増強を適切かつ充分に行える表面プラズモンの電場増強構造が得られ、これにより、本発明の表面プラズモンの電場増強構造は、例えば、光カプラなどの光デバイスの用途に利用できる。
11 金属体
11a 傾斜内面
11b 傾斜外面
12、112、212 誘電体
12a、112a 側面
13 外部領域
14、114、214 窪み空間
15 ラジアル偏光LGビーム
16 光学系
17、217、317 光カップリング手段
100、110 表面プラズモンの電場増強構造
211、311 金属基板
211a、311a 傾斜面
301 回折格子
SP 表面プラズモン
P 頂点
L 仮想直線
θ 円錐頂角
Φ なす角
11a 傾斜内面
11b 傾斜外面
12、112、212 誘電体
12a、112a 側面
13 外部領域
14、114、214 窪み空間
15 ラジアル偏光LGビーム
16 光学系
17、217、317 光カップリング手段
100、110 表面プラズモンの電場増強構造
211、311 金属基板
211a、311a 傾斜面
301 回折格子
SP 表面プラズモン
P 頂点
L 仮想直線
θ 円錐頂角
Φ なす角
Claims (11)
- 金属体により区画された深さ方向に先細りの窪み空間内の誘電体に、その深さ方向に向けて入射されたラジアル偏光の光が、前記金属体で局在化された表面プラズモンと光カップリング可能なように構成されている光カップリング手段を備え、
前記表面プラズモンは、前記ラジアル偏光の光との間の前記光カップリングにより励起され、前記誘電体の先端近傍に対応する前記金属体の表面において、前記光の進行方向に電場増強される、表面プラズモンの電場増強構造。 - 前記誘電体の相対する部分が、前記誘電体の頂点を通り、かつ前記誘電体の底面に垂直に引いた仮想直線に対して対称的に直線状に傾斜している請求項1記載の表面プラズモンの電場増強構造。
- 前記誘電体の相対する部分が、前記誘電体の頂点を通り、かつ前記誘電体の底面に垂直に引いた仮想直線に対して対称的に弓状に傾斜している請求項1記載の表面プラズモンの電場増強構造。
- 前記光は、光強度のピークがドーナツ状に分布しているラゲールガウシアンビームである請求項1記載の表面プラズモンの電場増強構造。
- 前記誘電体が円錐形状であり、前記誘電体の底面の円周に沿うよう、前記ラゲールガウシアンビームの光強度が円環状に分布している請求項4記載の表面プラズモンの電場増強構造。
- 前記光カップリング手段は、前記誘電体としての光プリズムと、
前記光プリズムの側面に直接に接触してなる前記金属体としての金属薄膜と、
を備え、
前記光プリズムと前記金属薄膜との間の境界で前記ラジアル偏光の光が全反射されることにより、前記表面プラズモンは、前記ラジアル偏光の光との間で光カップリングする請求項1乃至5の何れかに記載の表面プラズモンの電場増強構造。 - 前記光カップリング手段は、前記金属体との間に隙間を挟んで対向され、前記窪み空間内の前記誘電体としての光プリズムと、
前記隙間に存在する、前記誘電体よりも屈折率が低い誘電層と、
を備え、
前記光プリズムと前記誘電層との間の境界で前記ラジアル偏光の光が全反射されることにより、前記表面プラズモンは、前記ラジアル偏光の光との間で光カップリングする請求項1乃至5の何れかに記載の表面プラズモンの電場増強構造。 - 前記誘電層は、空気から構成される層である請求項7記載の表面プラズモンの電場増強構造。
- 金属体により区画された深さ方向に先細りの窪み空間に、その深さ方向に向けて入射され、かつラジアル偏光の光が、前記金属体で局在化された表面プラズモンと光カップリング可能なように構成されている光カップリング手段を備えた表面プラズモンの電場増強構造であって、
前記光カップリング手段は、前記金属体に形成された回折格子を更に備え、
前記表面プラズモンは、前記ラジアル偏光の光の波長の前記回折格子による選択に基づく前記ラジアル偏光の光との間の光カップリングより励起され、前記誘電体の先端近傍に対応する前記金属体の表面において、前記光の進行方向に電場増強される、表面プラズモンの電場増強構造。 - 前記光は、光強度のピークがドーナツ状に分布しているラゲールガウシアンビームである請求項9記載の表面プラズモンの電場増強構造。
- 前記窪み空間が円錐に区画されており、前記窪み空間の裾の円周に沿うよう、前記ラゲールガウシアンビームの光強度が円環状に分布している請求項10記載の表面プラズモンの電場増強構造。
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