JP2008196977A - 角速度センサ素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】音叉振動の振動漏れが少なくて振幅レベルを一定にし、検出感度を均一にする。
【解決手段】音叉基部1から延出した一対の音叉腕2(ab)には音叉振動用の駆動電極D±と、コリオリの力に基づいた互いに反対方向となる垂直振動による電荷検出用のセンサ電極S±とを有する音叉状水晶片3を備え、音叉基部1の底面の中央部から音叉基部1の幅より狭くて括れを形成する幅狭部9cが延出し、音叉基部1の外周底面及び外周側面を囲うコ字状枠9を有する角速度センサ素子であって、音叉振動と垂直振動との振動変位が両者ともに小さくて共通する領域であって、幅狭部9cを含むコ字状枠9における水平部9aの幅方向の中央領域(例えばS領域)を固定端とし、コ字状枠9の両側の垂直部9bを自由端とし、かつ、コ字状枠9の垂直部9bの一方及び他方は音叉腕の一方及び他方に対して互いに反対方向に垂直振動した構成とする。
【選択図】図1
【解決手段】音叉基部1から延出した一対の音叉腕2(ab)には音叉振動用の駆動電極D±と、コリオリの力に基づいた互いに反対方向となる垂直振動による電荷検出用のセンサ電極S±とを有する音叉状水晶片3を備え、音叉基部1の底面の中央部から音叉基部1の幅より狭くて括れを形成する幅狭部9cが延出し、音叉基部1の外周底面及び外周側面を囲うコ字状枠9を有する角速度センサ素子であって、音叉振動と垂直振動との振動変位が両者ともに小さくて共通する領域であって、幅狭部9cを含むコ字状枠9における水平部9aの幅方向の中央領域(例えばS領域)を固定端とし、コ字状枠9の両側の垂直部9bを自由端とし、かつ、コ字状枠9の垂直部9bの一方及び他方は音叉腕の一方及び他方に対して互いに反対方向に垂直振動した構成とする。
【選択図】図1
Description
本発明はコ字状枠を音叉基部に有する角速度センサ素子を技術分野とし、特に、小型化しても角速度の検出感度を良好に維持した角速度センサ素子に関する。
(発明の背景)
角速度センサ素子は車の誘導装置(カーナビ)やカメラの手振れ防止等に適用され、需要も拡大の方向にある。このようなものの一つに、例えば本出願人による二枚の音叉状水晶片3を直接接合によって貼り合わせたものがある(特許文献1)。
角速度センサ素子は車の誘導装置(カーナビ)やカメラの手振れ防止等に適用され、需要も拡大の方向にある。このようなものの一つに、例えば本出願人による二枚の音叉状水晶片3を直接接合によって貼り合わせたものがある(特許文献1)。
(従来技術の一例)
第3図は一従来例の角速度センサ素子を説明する図で、同図(a)は角速度センサの平面図、同図(b)はA−A断面図である。
第3図は一従来例の角速度センサ素子を説明する図で、同図(a)は角速度センサの平面図、同図(b)はA−A断面図である。
角速度センサ素子は、音叉基部1とこれから延出した一対の音叉腕2(ab)とを有し、Zカットとした音叉状水晶片3を備える。音叉状水晶片3は、結晶軸(XYZ)におけるX軸の±方向を逆向きとした二枚の水晶片3(ab)を直接接合してなる。音叉基部1はこの例では第1及び第2基部1(ab)とこれを連結する幅狭部1cからなる。そして、音叉基部1の幅狭部1cを除く幅は、音叉溝を含む一対の音叉腕2(ab)の全幅よりも大きく、各音叉腕2(ab)の外側面から突出する。
音叉状水晶片3の音叉腕2(ab)には、第4図の結線図(上面図)に示したように駆動電極(D±)、センサ電極(S±)及びモニタ電極(M)を有する。駆動電極(D±)のうちの(D−)は一方の音叉腕2aの両主面及び他方の音叉腕2bの他主面に形成されて共通接続され、(D+)は一方の音叉腕2aの他主面に形成される。そして、駆動電極(D±)には図示しない発振回路からの互いに逆相の交番電圧V1、V2が印加される。
センサ電極(S±)は各音叉腕2(ab)の両側面に形成され、一対の内側面同士を(S+)、外側面同士を(S−)として共通接続する。そして、図示しない電荷検出回路に接続して、基準電圧Eo(直流)に設定される。モニタ電極(M)は他方の音叉腕2bの一主面に形成される。これらの駆動電極(D±)、センサ電極S(±)及びモニタ電極(M)は、音叉基部1のうちの底端側の第2基部1bの一主面の引出端子4に図示しない配線路によって接続する。
そして、音叉基部1の他主面が台座5に固着され、斜め振動を抑制する図示しない切欠部を一方の音叉腕3aの稜線部に設ける。その後、ICチップ6がフリップチップボンディング等によって予め固着された積層セラミックからなる容器本体7に収容される。音叉基部1の引出端子4はワイヤーボンディングによる金線7aによって導出され、容器本体7の内壁段部の回路端子8に接続する。これにより、所謂、角速度センサを形成する。但し、ICチップ6を収容することなく、音叉状水晶片3のみを収容して角速度センサ素子とすることもある。
このようなものでは、駆動電極(D±)は基準電位Eoとしてのセンサ電極S(±)との間で生ずる実線で示す電界によって、音叉腕2(ab)の幅方向となる音叉振動(水平振動)を励起する。センサ電極S(±)は、コリオリの力に伴う、音叉腕2(ab)の厚み方向となる垂直振動(板面に対する垂直方向への変位)によって生じる点線で示す電界に基づく電荷を検出する。
なお、直接接合による2枚の水晶片3(ab)はX軸の±方向が逆向きなので、各音叉腕2(ab)の内側面及び外側面には同符号の電荷が発生する。また、音叉振動及び垂直振動はそれぞれ一対の音叉腕2(ab)間では互いに逆方向となる。モニタ電極(M)は音叉振動による電荷を検出し、図示しないAGC回路等に接続して音叉振動の振幅を一定にする。これにより、コリオリの力に基づく角速度の検出感度を一定にする。
そして、音叉基部1は幅狭部1cによって、一対の音叉腕2(ab)による音叉振動のが第1基部1aから第2基部1bに伝播することを防止する。したがって、第2基部1bを固定端として台座5に固着しても振動漏れを少なくして、クリスタルインピーダンス(CI)を良好にする。
特開2004−343541号公報「第7図(b)」
(従来技術の問題点)
しかしながら、上記構成の角速度センサ素子では、小型化に伴っての音叉状水晶片3の長さが短くなるほど、音叉基部1に幅狭部1cを設けて第2基部を保持しても、接着剤による固定端から音叉振動の振動漏れを生じる。これらの振動漏れは常に一定ではなく、外部衝撃(振動)や容器本体の熱変形等を含む外力の大きさに依存する。そして、振動漏れが多くなるほど、必然的に音叉振動の振幅も小さくなる。
しかしながら、上記構成の角速度センサ素子では、小型化に伴っての音叉状水晶片3の長さが短くなるほど、音叉基部1に幅狭部1cを設けて第2基部を保持しても、接着剤による固定端から音叉振動の振動漏れを生じる。これらの振動漏れは常に一定ではなく、外部衝撃(振動)や容器本体の熱変形等を含む外力の大きさに依存する。そして、振動漏れが多くなるほど、必然的に音叉振動の振幅も小さくなる。
この場合、角速度センサ素子では、前述のように、検出感度との兼ね合いからモニタ電極Mによって音叉振動による振幅レベルを検出する。そして、通常では、AGC回路の作用によって音叉振動の駆動電圧を上昇又は降下させて振幅レベルを一定に制御する。しかし、音叉状水晶片3の保持状態によって振動漏れの変化が大きい場合は、振幅レベルを一定に制御することが困難になる。さらに、振動漏れが極度に多くなった場合には、駆動電圧を電源電圧の限度まで上昇しても振幅レベルは規定値にならない。
このため、音叉振動の振幅に応じてコリオリの力によって生ずる電荷量も変化したり、極端には少なくなって、角速度の検出感度を不均一にする問題があった。また、振動漏れが多くなるほど、音叉振動のCIも増加し、発振を不安定にする。この場合、発振回路(駆動回路)の電力条件を満足せず、発振が停止する場合もある。
(発明の目的)
本発明は、音叉振動の振動漏れが少なくて振幅レベルを一定にし、垂直振動による検出感度を均一にする角速度センサ素子を提供することを目的とする。
本発明は、音叉振動の振動漏れが少なくて振幅レベルを一定にし、垂直振動による検出感度を均一にする角速度センサ素子を提供することを目的とする。
(着目点及びその問題点と新たな発見・適用)
(着目点)
本発明は、例えば第5図(特許文献1参照)に示したように、音叉基部1(前述の第1基部1aに相当)の底面の中央部に設けられて括れを形成する幅狭部9c(同1cに相当)を有し、音叉基部の底面及び外側面を取り囲むコ字状枠9に着目した。要するに、コ字状枠9の水平部9a(前第2基部1bに相当)の両側となる垂直部を保持して固定端とすれば、音叉振動による振動変位も小さくて振動漏れも少なくなる構造に着目した。なお、特許文献1では、コ字状枠9の水平部9aを導電性接着剤によって固着する構造なので、本発明による着目点とは基本的に異なる。
(着目点)
本発明は、例えば第5図(特許文献1参照)に示したように、音叉基部1(前述の第1基部1aに相当)の底面の中央部に設けられて括れを形成する幅狭部9c(同1cに相当)を有し、音叉基部の底面及び外側面を取り囲むコ字状枠9に着目した。要するに、コ字状枠9の水平部9a(前第2基部1bに相当)の両側となる垂直部を保持して固定端とすれば、音叉振動による振動変位も小さくて振動漏れも少なくなる構造に着目した。なお、特許文献1では、コ字状枠9の水平部9aを導電性接着剤によって固着する構造なので、本発明による着目点とは基本的に異なる。
(着目点の問題点)
しかし、コ字上枠9を有する音叉状水晶片3を自由空間に置いたときの有限要素法による解析によれば、コ字状枠9の垂直部9bでの音叉振動による振動変位は無視できる程度に小さくなっても、垂直部9bでのコリオリの力に基づいた垂直振動による振動変位は小さくなく、音叉振動の変位より格段に大きくなることが判明した。
しかし、コ字上枠9を有する音叉状水晶片3を自由空間に置いたときの有限要素法による解析によれば、コ字状枠9の垂直部9bでの音叉振動による振動変位は無視できる程度に小さくなっても、垂直部9bでのコリオリの力に基づいた垂直振動による振動変位は小さくなく、音叉振動の変位より格段に大きくなることが判明した。
したがって、単なる音叉型振動子として適用する場合には、コ字状枠9の垂直部9bを固定端とすることは有用であったとしても、角速度センサ素子には適用できない問題があった。すなわち、角速度センサ素子の場合では、コ字状枠9の垂直部9bを固定端とすると、振動漏れによって垂直振動よる電荷量を少なくして検出感度を悪化させることから適用できない問題があった。
但し、ここでの有限要素法での解析対象としたコ字状枠9を有する音叉状水晶片3の外形形状は後述する第1図に示す通りである。すなわち、従来例で示した音叉状水晶片3の第2基部1bの両側に、先端側が内方に突出した概ねL字状及び逆L字状の張り出し部を設けたもので、ここでもコ字状枠9は水平部9aと垂直部9bとからなる。
(新たな発見)
そこで、さらに、自由空間内における垂直振動の変位を検討したところ、コ字状枠9あるいはコ字状枠9の垂直部9bがない従来例の場合(但し、幅狭部1cのない場合も含む)は、垂直振動による振動変位の最も少なくなる音叉基部1での最小領域(ノーダル領域)は、第6図に示したように、概ね、音叉状水晶片3を二等分する中心線(A−A線)上の部分となる。
そこで、さらに、自由空間内における垂直振動の変位を検討したところ、コ字状枠9あるいはコ字状枠9の垂直部9bがない従来例の場合(但し、幅狭部1cのない場合も含む)は、垂直振動による振動変位の最も少なくなる音叉基部1での最小領域(ノーダル領域)は、第6図に示したように、概ね、音叉状水晶片3を二等分する中心線(A−A線)上の部分となる。
これらの中でも、特に音叉基部1の上端側及び底端側が振動変位の最小領域となる。そして、中心線A−A上から音叉基部の両側に向かって互いに反対方向の振動変位が大きくなる。なお、第6図(a)は音叉状水晶片の平面(主面)図、同図(b)は音叉基部の底面図である。図中の○点は裏面から表面への振動(変位)方向を、○×は表面から裏面への振動方向を示し、矢印は変位方向を示す。但し、○及び矢印は振動に比例して大きくしてある。
これは、一対の音叉腕2(ab)の延長下となる音叉基部1の中心線から両側では、各音叉腕2(ab)による互いに反対方向の垂直振動が伝播しやすく、中心線上では両側の振動方向(変位方向)が逆向きであることから相殺されて最小領域を形成する。そして、音叉基部1の両端側では互いに反対方向の振動変位がそのまま残留して最大となる。この場合、音叉基部1の中心線から両端側では互いに反対方向で順次大きくなる垂直振動の振動変位を生ずるので、中心線を回転軸として言わば捩れ現象(ねじれ振動)を生ずる。
これに対し、垂直部9bを有するコ字状枠9を設けた場合は、垂直振動による振動変位の最小領域が中心線上部分であることは前述同様であるが、最小領域となる中心線上部分の幅が広がる。そして、概ね、音叉基部1の幅狭領域からその延長上となる下方部においては振動変位が殆どないことが新たに発見された。なお、音叉振動による変位の最小領域は、概ね、一対の音叉腕の各下方中央から幅狭部を含むコ字状枠全体となる。
(解決手段)
本発明は、上記問題点や発見等に鑑み、特許請求の範囲(請求項1)に示した構成とする。以下、第1図を参照するとともに番号を付与して本発明を説明する。なお、第1図(a)は角速度センサ素子の正面図、同図(a)は角速度センサ素子(コ字状枠)の底面図である。
本発明は、上記問題点や発見等に鑑み、特許請求の範囲(請求項1)に示した構成とする。以下、第1図を参照するとともに番号を付与して本発明を説明する。なお、第1図(a)は角速度センサ素子の正面図、同図(a)は角速度センサ素子(コ字状枠)の底面図である。
ここでは、前従来例と同一部分には同番号を付与してその説明は簡略又は省略し、第1図に示されていない部分は前第3図を参照する。図中の○点は前述のように裏面から表面への振動(変位)方向を、○×は表面から裏面への振動方向を示し、矢印は変位方向を示す。但し、○及び矢印は振動に比例して大きしてある。
すなわち、本発明(請求項1)は、音叉基部1から延出した一対の音叉腕2(ab)には音叉振動用の駆動電極D±と、コリオリの力に基づいた互いに反対方向となる垂直振動による電荷検出用のセンサ電極S±とを有する音叉状水晶片3を備え、前記音叉基部1の底面の中央部から前記音叉基部1の幅より狭くて括れを形成する幅狭部9cが延出し、前記音叉基部1の外周底面及び外周側面を囲うコ字状枠9を有する角速度センサ素子であって、前記音叉振動と前記垂直振動との振動変位が両者ともに小さくて共通する領域であって、前記幅狭部9cを含むコ字状枠9における水平部9aの幅方向の中央領域(例えば斜線で示すS領域)を固定端とし、前記コ字状枠9の両側の垂直部9bを自由端とし、かつ、前記コ字状枠9の垂直部9bの一方及び他方は前記音叉腕の一方及び他方に対して互いに反対方向に垂直振動した構成とする。
このような構成であれば、音叉振動とともに垂直振動による変位が小さいコ字状枠9の幅狭部9cを含む例えば水平部9aの斜線で示す中央部Sを固定端とするので、音叉振動及び垂直振動の振動漏れをいずれも少なくする。したがって、音叉振動の振幅レベルの変化を少なくして電源電圧の範囲内で一定に制御しやすいとともに、垂直振動時の振幅レベルの変化を少なくして垂直振動漏れに起因する不具合(センサの不要信号の変動や各速度感度の変動)を抑制できる。但し、ここでの水平部9bの中央領域部幅狭部9cの延長上の下方部のみならず、その両側をも含む。
この場合、前述のように自由空間内で一対の音叉腕2(ab)を互いに反対方向に垂直振動すると、垂直部9bの一方(他方)は音叉腕2(ab)の一方(他方)と反対方向に垂直振動即ち逆相とした垂直振動になる。また、音叉腕2(ab)は互いに反対方向の垂直振動なので、音叉腕2(ab)の一方(他方)と垂直部9bの他方(一方)とは互いに同じ方向での即ち同相での垂直振動になる。
したがって、音叉腕2(ab)の一方と垂直部9bの他方とによる振動方向(変位方向)と、音叉腕の他方と垂直部の一方とによる振動方向とが逆向きとなる。これにより、表面から裏面への垂直振動と裏面から表面への垂直振動とは、従来同様に音叉状水晶片3の中心線A−Aに対して振動量を均等にして対称となる。したがって、音叉状水晶片3の中心線上が基本的に最小変位領域となる。
さらに、コ字状枠9の両端側の垂直部9bがない場合に生ずる音叉基部1での両端側(水平部9aの中央部の両側)の振動は、これとは反対方向(逆相)となるコ字状枠9の両側での垂直部9bの振動によって相殺される。要するに、垂直部9bは先端を自由端とする平衡棒(バランサー)として機能する。したがって、一対の音叉腕3(ab)の互いに反対方向となる垂直振動によって生ずる音叉基部1の中心線から両側での振動変位は小さくなる。
この結果、音叉状水晶片3を二等分する中心線(Y軸)を回転軸とした前述の捩れ現象を抑止し、垂直振動による振動変位の最小領域は、概ね、音叉基部1の括部を形成する幅狭部9cを含み、幅狭部9cの延長上となる幅内としたコ字状枠(水平部)の下方部を中心とした水平部の中央領域となる。これは、コ字状枠9のない場合に比較し、中心線上における振動変位の最小領域の幅を広げることになる。
これらの場合、音叉振動に対しては、コ字状枠9のほぼ全領域が振動変位の最小領域となる。したがって、コ字状枠9の幅狭部9cの延長上となる下方部を含む水平部9bの中央領域は、音叉振動及び垂直振動のいずれにも対しても、振動変位の共通とした最小領域となる。
これにより、コ字状枠9の垂直部9cを自由端として水平部9aの中央領域を固定端とすることにより、音叉振動及び垂直振動の漏れを抑止する。したがって、音叉振動の振幅レベルを一定に制御しやすく、垂直振動による電荷の検出感度を高められる。そして、水平部9aの中央領域を固定端として接着剤によって固着する際、接着面積も大きくできて固着強度を高められる。
なお、コ字状枠9の垂直部9cに設けたことによる垂直振動の変位の低減領域は、2つの垂直部9cより内側の音叉基部に生じることは勿論である。よって、固着領域は、2つの垂直部9cより内側であれば本発明の効果は少なからず生じる。好ましくは、水平部9aの第1基部1a(第3図)の幅相当部分を固着領域とするのがよい。また、音叉の長手方向に関する固着領域は、幅狭部9cより下方即ち第2基部1b内に止めるのがよい(第1図のP線)
(実施態様項)
本発明の請求項2に係る発明では、請求項1において、前記コ字状枠9における水平部9aの幅方向の中央領域は、前記幅狭部9cの延長上となる幅内とする。これにより、振動変位の最小領域となる水平部9aの中央領域をさらに狭めて固定端とするので、垂直振動の振動漏れを抑止して検出感度を高められる。
本発明の請求項2に係る発明では、請求項1において、前記コ字状枠9における水平部9aの幅方向の中央領域は、前記幅狭部9cの延長上となる幅内とする。これにより、振動変位の最小領域となる水平部9aの中央領域をさらに狭めて固定端とするので、垂直振動の振動漏れを抑止して検出感度を高められる。
同請求項3に係る発明では、請求項1において、前記コ字状枠9の前記固定端における一主面を接着剤によって固着し、前記幅狭部9cを含む前記コ字状枠9の他主面には、前記水平部9aに前記駆動電極及び前記センサ電極の引出端子4が延出し、前記引出端子4はワイヤーボンディングによって電気的に導出される。
これにより、従来同様の構造とした角速度センサ素子あるいはICチップをも収容して角速度センサを得られる。但し、音叉状水晶片3におけるコ字状枠9の一主面のみならず、コ字状枠9の固定端となる底面を固着することもできる。この場合、引出端子4は固定端とする水平部9aの中央領域特に幅狭部の延長上の下方部に設けることが望ましい。
(その他の関連事項)
また、他方の音叉腕2bにはモニタ電極(M)を設けたが、他の手段によって一定にする場合、音叉振動のレベルが安定な場合、規格が緩い場合等は必ずしも必要ではなく、この場合は駆動電極(D+)として適用してもよい。この場合は、音叉振動がさらに強勢になるので、振動効率が高まる。
また、他方の音叉腕2bにはモニタ電極(M)を設けたが、他の手段によって一定にする場合、音叉振動のレベルが安定な場合、規格が緩い場合等は必ずしも必要ではなく、この場合は駆動電極(D+)として適用してもよい。この場合は、音叉振動がさらに強勢になるので、振動効率が高まる。
また、音叉状水晶片3は直接接合による2枚の水晶片3(ab)から形成したが、単板であったとしても本発明を適用できる。この場合は、一対の音叉腕2(ab)の内外側面に設けられるセンサ電極Sのうちの、いずれか一方例えば外側面では分割され(S±)となる。
また、音叉基部1は一対の音叉腕2(ab)よりも大きな幅としたが、同一幅であっても基本的に適用できる。そして、各音叉腕2(ab)は根元部から先端側まで同一幅としたが、例えば第2図に示したようにし、先端側にそれぞれ外方に向かう重錘としての突出部10を付加してもよい。
さらに、コ字状枠9の固着される一主面とは反対面の他主面に各引出端子4を設けてワイヤーボンディングによって電極を導出したが、例えば超音波熱圧着によるフリップチップボンディングによって固着することもできる。そして、上記実施例では水晶音叉の例を挙げたが、音叉の構成材料はこれに限られない。例えば、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、圧電膜を設けたシリコン等、任意好適な材料であってもよい。
1 音叉基部、2 音叉腕、3 音叉状水晶片、4 引出端子、5 台座、6 ICチップ、7 容器本体、8 回路端子、9 コ字状枠、10 突出部。
Claims (3)
- 音叉基部から延出した一対の音叉腕には音叉振動用の駆動電極と、コリオリの力に基づいた互いに反対方向となる垂直振動による電荷検出用のセンサ電極とを有する音叉状水晶片を備え、前記音叉基部底面の中央部から前記音叉基部の幅より狭くて括れを形成する幅狭部が延出し、前記音叉基部の外周底面及び外周側面を囲うコ字状枠を有する角速度センサ素子であって、前記音叉振動と前記垂直振動との振動変位が両者ともに小さくて共通する領域であって、前記幅狭部を含むコ字状枠における水平部の幅方向の中央領域を固定端とし、前記コ字状枠の両側の垂直部を自由端とし、かつ、前記コ字状枠の垂直部の一方及び他方は前記音叉腕の一方及び他方に対して互いに反対方向に垂直振動したことを特徴とする角速度センサ素子。
- 請求項1において、前記コ字状枠における水平部の幅方向の中央領域は、前記幅狭部の延長上となる幅内とした角速度センサ素子。
- 請求項1において、前記コ字状枠の前記固定端における一主面を接着剤によって固着し、前記コ字状枠の他主面には、前記水平部に前記駆動電極及び前記センサ電極の引出端子が延出し、前記引出端子はワイヤーボンディングによって電気的に導出された角速度センサ素子。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012112748A (ja) * | 2010-11-24 | 2012-06-14 | Seiko Epson Corp | 振動片、センサーユニット、電子機器、振動片の製造方法、および、センサーユニットの製造方法 |
JP2014165669A (ja) * | 2013-02-25 | 2014-09-08 | Sii Crystal Technology Inc | 圧電振動子、発振器、電子機器及び電波時計 |
-
2007
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