JP2008196945A - 不飽和炭化水素ガスの検知素子及び測定方法並びに測定装置 - Google Patents

不飽和炭化水素ガスの検知素子及び測定方法並びに測定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】より簡便に精度良く不飽和炭化水素ガスが検出できるようにする。
【解決手段】フクシンより作製されたシッフ試薬5.0mlとリン酸1mlとを水5.0mlに溶解した検知剤溶液101に、平均孔径4nmの多孔質ガラスである多孔体103を浸漬して多孔体103の孔内に検知剤溶液を含浸させた後で乾燥し、シッフ試薬及び酸(リン酸)よりなる検知剤が導入されて孔内に担持された検知素子103aとする。検知素子103aを、1,3−ブタジエンなどの不飽和炭化水素ガスが含まれている空気にさらすと、検知素子103aの光学特性が変化する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、エチレン結合などを備える不飽和炭化水素ガスを検出する不飽和炭化水素の検知素子及び測定方法並びに測定装置に関する。
現在、光化学オキシダントによる大気汚染は、大都市のみならず、大都市の周辺の地域にまで拡大しており、環境に対する影響が問題とされている。光化学オキシダントは、オゾンなどの強い酸化性を持った物質を主成分とし、工場や事業所や自動車から排出されるNOxやVOC(揮発性有機化合物)などの汚染物質が太陽光線の照射を受けて光化学反応により生成されたものであり、光化学スモッグの原因となっている。
上述した光化学スモッグの原因物質であるVOCには数百種類が存在しているが、この中で最近注目が高まっている物質に1,3−ブタジエンが挙げられる。従来、VOCは上述したように光化学スモッグの原因物質として注目を集めてきたが、近年、VOCによる発がんリスクが定量的に評価されており、VOC自体の危険性が注目されている。1,3−ブタジエンは、米カリフォルニア州EPAの評価によれば、10-5発がんユニットリスク値が0.06μg/m3と非常に低い値である。なお、発がんユニットリスク値とは、例えば、10-5発がんユニットリスク値の場合、70年間晒されていた場合に発がん確率が10-5上昇する濃度のことを示しており、欧米では環境リスクの限界許容濃度の指標として用いられることが多い。
1,3−ブタジエンは、自動車など内燃機関を原動力として用いる移動体からの排出が多く、環境基準が設定されているベンゼンなどよりも総合的なリスクが高いという報告がある(非特許文献1参照)。日本では石油化学コンビナート周辺の測定(千葉県市原市岩崎西)において測定期間中の濃度範囲が0.02〜290μg/m3、平均2.0μg/m3という報告例がある(非特許文献2参照)。上述した値は、前述の10-5発がんユニットリスク値の30倍以上の濃度であり、周辺住人が非常に高い発がんリスクに曝されていることを示している。このため、発がんリスク管理・回避のために、できるだけ多地点で、1,3−ブタジエンのリアルタイム連続モニタリングを行うことが望まれている。
現在、1,3−ブタジエンは、各都道府県の測定局において月1回24時間の平均値が測定されている。この測定は、ガスクロマトグラフにより行われており、1,3−ブタジエン濃度測定では、サブppbレベルの微量なガスの測定が可能である。しかしながら、ガスクロマトグラフは、高価な装置であり、かつ精度維持のための整備が常に必要であり、簡便に用いることができる装置ではない。また、現在の測定は、月に1回24時間の平均値が測定されているのみであり、測定期間外に高濃度の1,3−ブタジエンに暴露された状態は把握できない。
また、上述の測定はリアルタイムモニタリングではないので、高濃度になった場合に警報を発するなどなどの対策をとることも不可能である。ガスクロマトグラフによる連続測定は不可能ではないが、機器の大きさや経費などの点から、研究調査用途に限られ、多地点での常時連続モニタリングには適してしていない。1,3−ブタジエン検知・測定が可能なものとして、他には検知管が挙げられるが、毎回人が測定する必要がある上に、1回の測定で使い捨てるため、多地点での連続測定は現実的ではない。
また近年、エチレンガスが、未熟な青果物を追熟させるためのホルモンとして使用されている。しかし、エチレンは多くの種類の青果物自体からも自然に発生することが知られており、青果物の保存時にはその作用により保存可能期間を著しく短縮させてしまう。このため、青果物を保管する倉庫にはエチレン除去剤などを配置し、保存可能期間の短縮を防ぐことがしばしばある。しかし、実際に倉庫内のエチレン濃度は不明なことが多く、エチレン濃度の把握に熱心な事業者でも、一定期間毎にガスクロマトグラフで分析する程度であり、エチレンの濃度はリアルタイムには把握されていない。
このためエチレン除去剤の効果がきれて倉庫内のエチレン濃度が高くなったことの把握、及び、青果物が出荷までに受けた総濃度の把握などは不可能である。エチレンの検知・測定が可能なものとして、検知管があるが、前述したように毎回人が測定する必要がある上に、1回の測定で使い捨てるため、多地点での連続測定は現実的ではない。また、エチレン暴露の蓄積量を表示し、青果物の成熟度を表示できる品質表示ラベルが存在するが、使用開始〜観察時の蓄積量がわかるのみであり、特定時点での濃度が不明であるため、リアルタイムモニタリング用途には適していない。
国立環境研究所編集委員会、2002,環境儀No.5,http://www.nies.go.jp/kanko/kankyogi/05/5.pdf. 中西基晴、水上雅義、「石油化学コンビナート周辺における大気中の揮発性有機化合物(VOCs)の連続測定(II)、千葉県環境研究センター年報、pp.57−60,2003年発行。
以上をまとめると、従来では、ppbオーダで精度良くエチレン結合やアセチレン結合を備える不飽和炭化水素ガスを検出しようとすると、高価で大掛かりな装置構成が必要となり、また手間がかかって容易に不飽和炭化水素ガスが検出できないという問題があった
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、より簡便に精度良く不飽和炭化水素ガスが検出できるようにすることを目的とする。
本発明に係る不飽和炭化水素ガスの検知素子は、透明な多孔体と、多孔体の孔内に配置されたシッフ試薬と、多孔体の孔内にシッフ試薬とともに配置された酸とを備えるようにしたものである。ガス検知素子の孔内に不飽和炭化水素ガスが浸入すると、孔内に配置されたシッフ試薬と反応し、シッフ試薬の色が変化する。
上記不飽和炭化水素ガスの検知素子において、シッフ試薬は、フクシンより作製されたものであればよい。また、酸は、リン酸であればよい。
また、本発明に係る不飽和炭化水素ガスの測定方法は、シッフ試薬及び酸との混合物を透明な多孔体の孔中に配置した検知素子を用意する第1の工程と、検知素子の光透過率を測定して第1の透過率を求める第2の工程と、検知素子を測定対象の気体中に所定時間晒す第3の工程と、第3の工程の後、検知素子の光透過率を測定して第2の透過率を求める第4の工程と、第1の透過率と第2の透過率の差により測定対象の気体中の不飽和炭化水素ガスを検出するようにしたものである。
上記不飽和炭化水素ガスの測定方法において、シッフ試薬は、フクシンより作製されたものであればよい。また、酸は、リン酸であればよい。
また、本発明に係る不飽和炭化水素ガスの測定装置は、光を放出する発光部と、発光部の光放出面に受光面を対向して配置されて受光面が受光した光量に応じた電気信号を出力する光検出部と、発光部と光検出部との間に配置された検知素子と、光検出部が出力した電気信号の状態を測る電気計器とを少なくとも備え、検知素子は、透明な多孔体と、多孔体の孔内に配置されたシッフ試薬及び酸との混合物とから構成されものである。
上記不飽和炭化水素ガスの測定装置において、シッフ試薬は、フクシンより作製されたものであればよい。また、酸は、リン酸であればよい。
以上説明したように、本発明によれば、透明な多孔体の孔内に酸とともにシッフ試薬を配置した検知素子を用いて不飽和炭化水素ガスを測定するようにしたので、より簡便に精度良く不飽和炭化水素ガスが検出できるようになるという優れた効果が得られる。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。本発明では、透明な多孔体の孔内に酸とともにシッフ試薬を配置した検知素子を用いて不飽和炭化水素ガスを測定するようにしたものである。
はじめに、本発明の実施の形態における不飽和炭化水素ガスの検出方法について、検知素子の作製方法とともに説明する。まず、不飽和炭化水素ガスの検知素子の作製方法について説明すると、図1(a)に示すように、フクシンより作製されたシッフ試薬5.0mlとリン酸1mlとを水5.0mlに溶解した検知剤溶液101を、容器102の中に作製する。ここで、シッフ試薬について説明する。まず、塩基性フクシン0.2gを120mlの熱水(熱湯)に溶解させ、これらを冷却した後、無水亜硫酸ナトリウム2.0g及び濃塩酸(12N)2mlを加えて水で200mlに希釈して上記シッフ試薬とする。
次に、図1(b)に示すように、検知剤溶液101に、平均孔径4nmの多孔質ガラスである多孔体103を浸漬する。多孔体103は、例えば、コーニング社製のバイコール#7930である。バイコール#7930は平均孔径4nmである。また、多孔体103は、例えば、8(mm)×8(mm)で厚さ1(mm)のチップサイズである。なお、多孔体103は、平均孔径が20nm以下であるとよい。
多孔体103をガラス(硼珪酸ガラス)から構成した場合、この平均孔径を20nm以下とすることで、可視UV波長領域(波長200〜2000nm)での透過スペクトルの測定において、可視光領域(350〜800nm)では光が透過する。しかし、平均孔径が20nm以上となると、可視領域で急激な透過率の減少が観測されることが判明している(特許第3639123号公報)。このことにより、多孔体は、平均孔径が20nm以下とした方がよい。本実施の形態における多孔体103の比表面積は1g当たり100m2以上である。なお、多孔体103は、多孔質ガラスに限らず、シッフ試薬など担持する検知剤(検知溶液)と反応しない材料から構成されていればよい。
次に、多孔体103を検知剤溶液101に2時間浸漬し、多孔体103の孔内に検知剤溶液を含浸させた後、検知剤が含浸した多孔体103を風乾し、図1(c)に示すように、窒素ガス気流中に半日間放置して乾燥し、検知素子(不飽和炭化水素ガスの検知素子)103aを作製する。従って、検知素子103aには、シッフ試薬及び酸(リン酸)よりなる検知剤が導入され、検知素子103aの多孔質の孔内に上記検知剤が担持されているものとなる。なお、ここでは検知素子103aを板状としたが、これに限るものではなく、ファイバ状に形成するようにしても良い。
次に、検知素子103aを用いた不飽和炭化水素ガスの検出方法について説明すると、まず、検知素子103aの厚さ方向の吸光度を測定する。例えば、図1(d)に示すように、光強度I0の入射光を透過させた透過光の強度Iを測定し、これらより吸光度(=log10(I0/I))を求める。
次に、図1(e)に示すように、例えば、1ppmの濃度の1,3−ブタジエンが存在する検出対象の空気104中に、検知素子103aを1時間暴露する。この後、検知素子103aを検出対象の空気104中より取り出し、図1(f)に示すように、検知素子103aの厚さ方向の吸光度を再び測定する。
上述した2回の吸光度の測定(吸光光度分析)結果を図2に示す。なお透過光測定波長350nm以下の吸収は、検知素子を構成する多孔質ガラス(バイコール#7930)自体の吸収である。図2では、検出対象の空気に暴露する(晒す)前の吸光度の測定結果を破線で示し、暴露した後の吸光度の測定結果を実線で示す。図2に示すように、波長350〜600nmの範囲、特に波長430nm及び波長570nm付近において、実線と破線との間に大きな違いが見られる。
1,3−ブタジエンが含まれる空気に検知素子103aを暴露した後の吸光度の測定(実線)では、波長430nm付近の吸収が減少し、波長570nm付近の吸収が増加している。これは、検知素子103aに導入されている検知剤(シッフ試薬)が、1,3−ブタジエンと反応して色を変化させたことを示し、検知剤を構成している色素が別の色素に変化したものと考えられる。言い換えると、検知素子103aを構成している多孔体の孔内において、1,3−ブタジエンと反応することで、検知剤を構成している色素分子の構造と電子状態が変化して可視〜近赤外領域の吸収スペクトルが変化したものと考えられる。従って、検知素子103aにおける色の変化をみることで、不飽和炭化水素ガスの検出及び定量などの測定が可能となる。
次に、1,3−ブタジエンの代わりに、5ppmの濃度のエチレンが存在する検出対象の空気中に、検知素子103aを1時間暴露した場合について説明する。この場合、前述した2回の吸光度の測定により、図3に示すような透過光測定結果が得られた。図3においても、検出対象の空気に暴露する前の吸光度の測定結果を破線で示し、暴露した後の吸光度の測定結果を実線で示す。
図3においても、波長350〜600nmの範囲、特に波長430nm及び波長570nm付近において、実線と破線との間に大きな違いが見られる。エチレンが含まれる空気に検知素子103aを暴露した後の吸光度の測定(実線)でも、波長430nm付近の吸収が減少し、波長570nm付近の吸収が増加している。これも、検知素子103aに導入されている検知剤が、エチレンと反応して自身の色を変化させたことを示しており、前述同様に、検知剤を構成している色素が、別の色素に変化したものと考えられる。
また、上述した検知素子103aの吸光度の変化と、暴露した空気中の不飽和炭化水素ガス濃度(量)との関係について検量線を作製することで、不飽和炭化水素ガスの濃度測定(定量)を行うことが可能である。例えば、分光光度計(吸光光度計)により検知素子の透過光の吸収スペクトルを測定し、また、最も大きな吸光度変化が得られる波長域の高原を利用して透過光をフォトダイオードなどの光検出部で検出すればよい。
以上に説明したように、検知素子103aは、1,3−ブタジエンやエチレンなどのエチレン結合(C=C2重結合)やアセチレン結合(C≡C3重結合)を備える炭化水素ガス(不飽和炭化水素ガス)が含まれる空気にさらされることで、光学特性が変化する。したがって、本実施の形態におけるガス検知素子を用いたガス測定方法によれば、上述したような不飽和炭化水素ガスの測定が可能である。この測定では、図2,図3に示すように、ガス検知素子の波長430nm付近の吸光度の変化が、0.35〜0.4程度である。吸光度の変化が0.05程度を検出下限とすると、測定対象空気1時間の暴露により検出できる濃度は、1,3−ブタジエンは14ppm、エチレンは63ppmが検出下限となるものと考えられる。また、このように、1,3−ブタジエンの方が高い感度を示していることより、本実施の形態におけるガス検知素子は、特に共役二重結合を備える不飽和炭化水素ガスの検出に好適である。
なお上述では、塩基性フクシンに無水亜硫酸ナトリウム及び濃塩酸を加えてシッフ試薬を作製したがこれに限るものではない。シッフ試薬は、よく知られている方法により、フクシンより作製されていればよい。例えば、塩基性フクシン(フクシン塩素塩)が溶解している水溶液に亜硫酸を加え、これに二酸化硫黄が飽和している水溶液を加えることで脱色して作製してもよい。ここで、シッフ試薬ともに酸(リン酸など)を同時に配置したが、これは、酸が存在しないとフクシンが再生して亜硫酸を加える以前のフクシンの色に戻るためである。ただし、酸として硫酸を用いると、空気中の有機物を取り込んで黒色化するため、好ましくない。また、塩酸は、蒸気圧が高いために揮発しやすく、長期の保存に向かない。
次に、本発明の実施の形態における不飽和炭化水素ガスの測定装置について説明する。本測定装置は、図4に示すように、例えば、所定の波長(例えば430nm)の光を発するLED(例えば青色LED)からなる発光部401からの発光光を、検知素子103aに照射し、このことにより検知素子103aを透過した透過光を受光部403で受光する。受光部403では、受光光を光電変換して信号電流を出力する。また、変換増幅部404では、受光部403より出力された信号電流を増幅して電流−電圧変換する。また、A/D変換部405では、変換増幅部404で変換された電圧信号をデジタル信号に変換する。このようにしてA/D変換部405で変換されたデジタル信号が、出力検出部406より検出結果として出力される。
ここで、発光部401は、不飽和炭化水素ガスの測定を行う検知素子103aにおける吸収スペクトルの変化の大きい波長に対応させればよく、570nm付近の発光波長を備える緑色LEDを用いるようにしてもよい。また、受光部403は、例えば、フォトトランジスタである。このフォトトランジスタとしては、例えば、190〜1000nmの波長に感度のあるものを用いればよい。また、発光部401と受光部403は、発光部分と受光部分とが対向して配置されている。なお、フォトトランジスタに限らず、フォトダイオードを用いるようにしてもよいことは、いうまでもない。
検知素子103aを用いた本測定装置により、前述した方法で1,3−ブタジエン1ppmの濃度の空気及びエチレン5ppmの濃度の空気を測定すると、前述したように、測定対象空気への暴露前と後とで前述したような検知素子103aの吸光度変化に対応する出力が、出力検出部406より得られる。このように、検知素子103aを用いることで、不飽和炭化水素ガスの濃度を測定する測定装置が、容易に構成できる。
次に、本発明の実施の形態における不飽和炭化水素ガスの測定装置についてより詳細に説明する。本測定装置は、図5に示すように、例えば12cm×6cm程度の基板501の上に、波長430nmの光を発するLED502と、LED502の発光面に対向して受光面が配置されるように、フォトトランジスタ503を配置する。フォトトランジスタ503は、400〜1100nmの波長域に光感度を持っている。これらLED502とフォトトランジスタ503には、端子板504を介して直列に接続配置した2つの単3の電池(乾電池)505から電源が供給される構成となっている。
また、電池505からの電源の供給は、スイッチ506によりオンオフできるように構成されている。このように、奔走値では、端子板504の端子を利用して回路を組み立てている。端子番号1にフォトトランジスタ503の配線を、端子番号2にスイッチ506の配線を、端子番号3にLED502の配線を、端子番号4にスイッチ506と電池505の配線を、端子番号5に電池505とLED502とフォトトランジスタ503の配線を各々接続してある。また、奔走値では、フォトトランジスタ503からの出力電圧が、1桁(V)のオーダとなるように、抵抗507,508を設けている。
上述したように構成した本装置において、LED502とフォトトランジスタ503との間に検知素子103aを配置し、端子板504の端子番号1と端子番号2の間に電圧計を接続して電圧を測定することで、本装置で、検知素子103aに吸着した(検知素子103aが晒された)不飽和炭化水素ガスの測定を行う。このように、本実施の形態における測定装置によれば、12cm×6cm程度の面積の中に、精度の良い不飽和炭化水素ガスの測定装置を構成できる。また、一般に市販されている電池を電源として構成できるので、より簡便に不飽和炭化水素ガスの検出ができるようになる。
本発明の実施例におけるガス検知素子の作製方法及びガス測定方法について説明する説明図である。 本実施の形態におけるガス検知素子を用いたガス検出方法における、1,3−ブタジエンを測定対象とした2回の吸光度の測定結果を示す特性図である。 本実施の形態におけるガス検知素子を用いたガス検出方法における、エチレンを測定対象とした2回の吸光度の測定結果を示す特性図である。 本発明の実施例における測定装置の概略的な構成を示す構成図である。 本発明の実施例における測定装置の構成を示す平面図である。
符号の説明
101…検知剤溶液、102…容器、103…多孔体、103a…検知素子、104…検出対象の空気、401…発光部、403…受光部、404…変換増幅部、405…A/D変換部、406…出力検出部、501…基板、502…LED、503…フォトトランジスタ、504…端子板、505…電池、506…スイッチ、507,508…抵抗。

Claims (9)

  1. 透明な多孔体と、
    前記多孔体の孔内に配置されたシッフ試薬と、
    前記多孔体の孔内に前記シッフ試薬とともに配置された酸と
    を備えることを特徴とする不飽和炭化水素ガスの検知素子。
  2. 請求項1記載の不飽和炭化水素ガスの検知素子において、
    前記シッフ試薬は、フクシンより作製されたものである
    ことを特徴とする不飽和炭化水素ガスの検知素子。
  3. 請求項1又は2記載の不飽和炭化水素ガスの検知素子において、
    前記酸は、リン酸である
    ことを特徴とする不飽和炭化水素ガスの検知素子。
  4. シッフ試薬および酸との混合物を透明な多孔体の孔中に配置した検知素子を用意する第1の工程と、
    前記検知素子の光透過率を測定して第1の透過率を求める第2の工程と、
    前記検知素子を測定対象の気体中に所定時間晒す第3の工程と、
    第3の工程の後、前記検知素子の光透過率を測定して第2の透過率を求める第4の工程と、
    前記第1の透過率と前記第2の透過率の差により前記測定対象の気体中の不飽和炭化水素ガスを検出する
    ことを特徴とする不飽和炭化水素ガスの測定方法。
  5. 請求項4記載の不飽和炭化水素ガスの測定方法において、
    前記シッフ試薬は、フクシンより作製されたものである
    ことを特徴とする不飽和炭化水素ガスの測定方法。
  6. 請求項4又は6記載の不飽和炭化水素ガスの測定方法において、
    前記酸は、リン酸である
    ことを特徴とする不飽和炭化水素ガスの測定方法。
  7. 光を放出する発光部と、
    前記発光部の光放出面に受光面を対向して配置されて前記受光面が受光した光量に応じた電気信号を出力する光検出部と、
    前記発光部と前記光検出部との間に配置された検知素子と、
    前記光検出部が出力した電気信号の状態を測る電気計器と
    を少なくとも備え、
    前記検知素子は、透明な多孔体と、前記多孔体の孔内に配置されたシッフ試薬及び酸との混合物とから構成され
    たことを特徴とする不飽和炭化水素ガスの測定装置。
  8. 請求項7記載の不飽和炭化水素ガスの測定装置において、
    前記シッフ試薬は、フクシンより作製されたものである
    ことを特徴とする不飽和炭化水素ガスの測定装置。
  9. 請求項7又は8記載の不飽和炭化水素ガスの測定装置において、
    前記酸は、リン酸である
    ことを特徴とする不飽和炭化水素ガスの測定装置。
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