JP2008194586A - 排気ガス浄化用触媒 - Google Patents

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Masaaki Akamine
真明 赤峰
Masahiko Shigetsu
雅彦 重津
Hisaya Kawabata
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Abstract

【課題】排気ガス低温時に触媒にオゾンを供給する排気ガス浄化システムにおいて、排気ガス温度が高くなる前にエンジンが停止され、その後エンジン運転が再開されたときの、PdのHC被毒による排気ガス浄化性能の低下を抑制する。
【解決手段】Ceを有する酸素吸蔵材と、HC吸着材と、触媒金属としてのPdとを含有する排気ガス浄化用触媒を採用する。上記酸素吸蔵材及びHC吸着材各々の少なくとも一部は、互いに一次粒子レベルで結合した複合二次粒子となり、且つ該複合二次粒子の少なくとも酸素吸蔵材に上記Pdが担持されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、排気ガス浄化用触媒に関する。
エンジンの冷間始動時は排気ガス温度が低いことから、触媒の活性化に時間がかかり、排気ガス浄化率が低いことが問題になっている。具体的には、ライトオフと呼ばれる50%の浄化率が得られる温度まで触媒が昇温するには、一般にはエンジンの始動から数十秒かかり、その間は未燃排気ガス成分としてのHC(炭化水素)が比較的多く排出されてしまう。この対策として、排気マニホールドに触媒を直結することにより、触媒の早期昇温を図る等の工夫がなされているが、十分な効果が得られていないのが実情である。
また、エンジンからその冷間始動時に排出されるHCを効率的に浄化すべく、HC吸着燃焼触媒を採用するという提案もある。例えば、特許文献1には、触媒担体にHC吸着材層と燃焼触媒層とを積層してなるHC吸着燃焼触媒について記載され、そのHC吸着材層には、ゼオライトにAg−Pd合金を担持させてなる成分が配置され、燃焼触媒層には、セリア及び/又はジルコニアにPd等の貴金属を担持させた成分が配置されている。また、特許文献2には、触媒担体にPtイオン交換ゼオライト層とセリア含有層とを積層して設けることが記載されている。
また、活性酸素であるオゾンを排気ガスの浄化に利用するという提案もある。特許文献3には、空気中に無声放電してオゾンを生成し、このオゾンの酸化力で排気ガス中のHCの一部をCOにさせることが記載されている。
特開2005−224704号公報 特開平11−226414号公報 特開2005−207316号公報
上記オゾンは、低温であるほど分解し難く、つまり寿命が長く、排気ガス中のHC成分との接触頻度が高まる。従って、オゾンを利用する排気ガス浄化技術は、排気ガス温度が低く、触媒が十分に活性を呈しない冷間始動時の排気ガスの浄化に有望と考えられる。
本発明者がオゾンの排気ガス浄化への利用について詳細に検討したところ、酸素吸蔵材及び触媒金属Pdを含む触媒による排気ガス浄化において、排気ガス低温時にオゾンを供給すると、排気ガス中のHC成分の燃焼促進が図れた。しかし、排気ガス温度或いは触媒温度が高くなる前にエンジンが停止されると、次回のエンジン始動時に排気ガス浄化性能が低下してしまう、という新たな課題が見つかった。
図1は、排気ガス温度が高くなる前にエンジンを停止したときの、次回のエンジン始動時の排気ガス浄化性能を調べた模擬試験の結果を示す。
触媒としては、Rh担持アルミナ100g/L、Pd担持酸素吸蔵材(CeZr系複酸化物)70g/L、及びPt担持アルミナ60g/Lの混合物(トータル貴金属量は7g/L,Pt:Pd:Rh=1:30:2(質量比))を用いた。模擬排気ガスとしてはプロピレンと窒素との混合ガスを用い、流量は10L/分とした。模擬排気ガスのプロピレン濃度は700ppmである。
図1のAは、模擬排気ガスにオゾンを30mL/分で添加しつつ、これを触媒に流し、ガス温度を70℃から500℃まで漸次上昇させた後、オゾン及びプロピレンの供給を停止してガス温度を60℃まで漸次低下させ、該60℃の温度においてプロピレンの供給を再開し、数分間経過後に、該プロピレンに加えてオゾンの供給を再開してガス温度を60℃から漸次上昇させるというパターンを採用したときの、触媒出口のプロピレン濃度の変化を示す。同図Bは、最初のガス温度を200℃までしか上昇させないようにし、他はAと同じ条件としたパターンでのプロピレン濃度の変化を示す。
最初に上昇させるガス温度を500℃としたパターンAでは、昇温再開後はプロピレン濃度が直ちに低下していき、130℃付近でその濃度が零近くまで落ちている。これに対して、最初に上昇させるガス温度を200℃としたパターンBでは、昇温再開後のプロピレン濃度の低下が緩やかであり、また、プロピレン濃度は零までは下がらず、140℃付近で250ppmC程度になった後、再び温度上昇と共にプロピレン濃度が上昇している。
上記パターンAとBとは、昇温再開の条件は同じであるから、昇温再開後のプロピレン浄化性能が相異なるのは、オゾン供給停止時のガス温度の違いに原因があると見なければならない。この場合、上記Aでは、オゾン供給停止時のガス温度が高いことから、供給されたオゾンは速やかに分解消失し、オゾンの供給停止後の触媒にオゾンが残存することは殆どない。これに対して、上記パターンBのようにオゾン供給停止時のガス温度が低くなると、オゾンが分解し難いことから、その供給を停止した時点で、プロピレンの分解に利用されなかったオゾンが触媒上に存在する。そうすると、上記Bでは、残存する酸化力の高いオゾンが触媒の活性を低下させていることになる。
すなわち、上記パターンBでは、酸化力の高いオゾンの残存により、Pd担持酸素吸蔵材が高酸化状態になって負に帯電し、余分な電子がPd上に移動してこれを金属化することが活性低下の原因であると考えられる。つまり、Pdが金属化されることによって、昇温再開に伴って供給されたプロピレンによる被毒(HC被毒)を受けやすくなり、そのために、浄化性能が低下したと考えられる。
上記結果は、排気ガス低温時にオゾンを触媒に供給し、排気ガス温度が高くなる前にエンジンが停止されると、次回のエンジン始動時に排気ガス浄化性能が低下してしまうことを意味する。そうして、このような排気ガス温度上昇前のエンジン停止は、アイドリングストップシステムを備えた車両や、エンジンと電気モータとを駆動源として併用するハイブリッド車両では比較的高い頻度で生じ得る。
そこで、本発明は、排気ガス浄化にオゾンのような活性酸素を利用する排気ガス浄化用触媒において、排気ガス温度が高くなる前にエンジンが停止されても、次回のエンジン始動時に浄化性能が低下しないようにすることを課題とする。
本発明は、このような課題を解決するために、酸素吸蔵材とHC吸着材とが互いに一次粒子レベルで結合した複合二次粒子を用いて、酸素吸蔵材上のPdのHC被毒を効果的に抑制した。
すなわち、請求項1に係る発明は、排気ガスの浄化を促進するための活性酸素供給手段を備えたエンジンの排気ガス浄化用触媒であって、
Ceを有する酸素吸蔵材と、HC吸着材と、触媒金属としてのPdとを含有し、
上記酸素吸蔵材及びHC吸着材各々の少なくとも一部は、互いに一次粒子レベルで結合した複合二次粒子となり、且つ該複合二次粒子の少なくとも酸素吸蔵材に上記Pdが担持されていることを特徴とする。
このような触媒であれば、活性酸素によって酸素吸蔵材上のPdが金属Pdとなっても、排気ガス中のHCは一次粒子レベルで酸素吸蔵材に結合したHC吸着材に効率良く吸着される。すなわち、金属PdのHC被毒がHC吸着材によって効果的に防止され、触媒活性の低下が抑制される。よって、排気ガス低温時に活性酸素を触媒に供給し、排気ガス温度が高くなる前にエンジンが停止されても、次回のエンジン始動時の排気ガス浄化性能が低下することが避けられる。
請求項2に係る発明は、請求項1において、
上記複合二次粒子の少なくとも一部は、上記酸素吸蔵材の表面に上記HC吸着材が析出して形成されていることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1において、
上記複合二次粒子の少なくとも一部は、上記酸素吸蔵材と上記HC吸着材とが混じり合って形成されていることを特徴とする。
請求項2及び請求項3各々の発明に係る複合二次粒子であれば、酸素吸蔵材上のPdにHC吸着材か近接して配置されることから、PdのHC被毒を避ける上で有利になる。特に、請求項2に係る発明では、酸素吸蔵材上のPdをHC吸着材が覆った形態になり易く、PdのHC被毒を効果的に避けることができる。
以上のように本発明によれば、排気ガス浄化にオゾンのような活性酸素を利用する排気ガス浄化用触媒において、酸素吸蔵材及びHC吸着材各々を一次粒子レベルで結合させた複合二次粒子を採用し、この複合二次粒子の酸素吸蔵材にPdが担持されているから、排気ガス温度が高くなる前に活性酸素の供給が停止されて酸素吸蔵材上のPdが金属Pdとなっても、排気ガス中のHCは一次粒子レベルで酸素吸蔵材に結合したHC吸着材に効率良く吸着され、金属PdのHC被毒による触媒活性の低下が抑制される。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
<排気ガス浄化システム>
図2は実施形態に係るエンジンの排気ガス浄化システムを示す。同図において、符号1はエンジンであり、その排気ガス通路2に排気ガス浄化用触媒(三元触媒)3が配置されている。触媒3よりも上流側の排気ガス通路2には活性酸素供給路4が接続されている。活性酸素供給路4には活性酸素生成装置5、該装置5に空気を供給するポンプ6、並びに排気ガス通路2への活性酸素の供給・停止とを行なうための開閉弁7が配設されている。排気ガス通路2には、触媒3に流入する排気ガス中の酸素濃度を検出する第1酸素センサ8、触媒3から流出する排気ガス中の酸素濃度を検出する第2酸素センサ9及び触媒3に流入する排気ガスの温度を検出する温度センサ11が配置されている。
排気ガス浄化用触媒3は、コージェライト等によるハニカム担体に一層以上の触媒層が形成されたものであり、その少なくとも一の触媒層は、Ceを有する酸素吸蔵材と、HC吸着材と、触媒金属としてのPdとを含有する。
活性酸素生成装置5は、空気に無声放電をすることによって活性酸素としてのオゾンを生成するものであり、無声放電のための電力供給装置12が活性酸素生成装置5に接続されている。上記ポンプ6、開閉弁7及び電力供給装置12はマイクロコンピュータを利用した制御手段13によってその作動が制御される。制御手段13は、触媒3の活性度合いを判定する活性判定部14、該活性判定に基づいて活性酸素の供給・停止を制御する活性酸素供給制御部15及びエンジン1の燃料噴射を制御する燃料噴射制御部16を備えている。
活性判定部14は、エンジン水温、触媒3に流入する排気ガスの温度、並びに触媒3に流入する排気ガス中の酸素濃度と触媒3から流出する排気ガス中の酸素濃度との差に基いて、触媒3の活性度合いを判定する。具体的には、エンジン水温が所定水温以下であるとき、触媒3に流入する排気ガス温度が所定ガス温度以下であるとき、或るは触媒3の上流側と下流側との排気ガスの酸素濃度差が所定値以下であるときに、触媒3は所定の活性状態にないと判定する。
活性酸素供給制御部15は、活性判定部14で触媒3が所定の活性状態にないと判定されているときは、空気供給ポンプ6及び電力供給装置12を作動させて活性酸素生成装置5でオゾンを生成させるとともに、開閉弁7を開としてオゾンを排気ガスに混入させて触媒3に供給する。そして、触媒3が所定の活性状態になると、当該制御部15は空気供給ポンプ6、開閉弁7及び電力供給装置12を制御してオゾンの供給を停止する。
燃料噴射制御部16は、触媒(三元触媒)3が効率良く働くように、触媒3に流入する排気ガスのA/Fが理論空燃比付近になるように、エンジン1の燃料噴射を制御する。すなわち、活性判定部14で触媒3が所定の活性状態にないと判定されているとき、オゾンの供給によって排気ガスのA/Fがリーンになる。これは、オゾンを空気から分離できないことから、オゾンと共に空気が排気ガス通路2に供給されるためである。そこで、燃料噴射制御部16は、エンジン1の出力を得るための圧縮行程上死点付近で燃料を噴射する主噴射後、膨張行程又は排気行程に所定タイミングで燃料を少量噴射する後噴射を実行することにより、排気ガス中の未燃燃料成分を増やし、触媒3に流入する排気ガスのA/Fが理論空燃比付近になるようにする。
<触媒粉末の調製>
実施例1〜4及び比較例1,2の各触媒粉末を調製した。
−実施例1−
硝酸セリウム六水和物50.5g及び25.1質量%の硝酸ジルコニル溶液238.8gをイオン交換水1000mLに溶かした。この硝酸塩溶液と8倍に希釈した28%アンモニア水3000mLとをディスパーザに供給し、該ディスパーザの回転部分で中和させる(塩基性(pH9)となるようにする)ことにより、共沈物、すなわち、OSC(酸素吸蔵材のこと。以下同じ。)ゲルを得た。
また、硫酸アルミニウム1.2g、97%硫酸6.2g及びイオン交換水60mLをディスパーザに入れ、攪拌しながらこれに、水ガラス69gをイオン交換水に45mLに溶かしたI液と、塩化ナトリウム26.3g、TPAB(テトラ-n-プロピルアンモニウムブロマイド)7.5g、水酸化ナトリウム2.4g及び97%硫酸2.9gをイオン交換水208mLに溶かしたII液とを添加した(なお、溶液のpHは水酸化ナトリウムや硫酸で適宜調整することができる。)。そして、これをオートクレーヴにセットし、水熱合成(200℃×24時間)を行なうことにより、HC吸着材ゲルを得た。
上記OSCゲルとHC吸着材ゲルとを混合し、この混合ゲル溶液を十分に洗浄した後、300℃で乾燥させた。得られた乾燥粉末を粉砕した後、500℃で2時間の焼成を行なった。次いで得られた粉末80gに4.33質量%の硝酸パラジウム溶液167.8gを加え、蒸発乾固することにより、実施例1に係る触媒粉末であるPd/(OSC・HC吸着材混合)を得た。この粉末のPd量は8.3質量%になっている。また、OSC成分:HC吸着材成分=4:1(質量比)である。
この場合、上記OSCゲルは焼成により酸素吸蔵能を有するCeZr系複酸化物(Ce:Zr=1:3(質量比))となり、上記HC吸着材ゲルは焼成によりHC吸着能を有するZSM5(ゼオライト)となる。得られたPd/(OSC・HC吸着材混合)粉末は、OSCゲルとHC吸着材ゲルとを混合して乾燥・焼成を行なったものであるから、OSC成分とHC吸着材成分とが互いに一次粒子レベルで結合した複合二次粒子となっている。図3は当該複合二次粒子を模式的に示すものであり、Pdは互いに一次粒子レベルで結合したOSC成分(CeZr系複酸化物)及びHC吸着材成分(ZSM5)の両者に分散担持されている。
−実施例2−
実施例1と同じ条件・方法でOSCゲルを調製した。これに4.33質量%の硝酸パラジウム溶液209.8gを加えることにより、そのゲルにPdを担持させた。
Pdを担持したOSCゲルに、硫酸アルミニウム1.2g、97%硫酸6.2g及びイオン交換水60mLを加え、ディスパーザにて攪拌しながらこれに、実施例1と同じくI液及びII液を添加してオートクレーヴにセットし、水熱合成(200℃×24時間)行なった。次いで、得られたゲル溶液を十分に洗浄した後、300℃で乾燥させた。得られた乾燥粉末を粉砕した後、500℃で2時間の焼成を行なうことにより、実施例2に係る触媒粉末であるHC吸着材/(Pd/OSC)100gを得た。この粉末のPd量は8.3質量%であり、OSC成分:HC吸着材成分=4:1(質量比)である。
上記水熱合成ではHC吸着材ゲルが生成するが、このHC吸着材ゲルの少なくとも一部は上記OSCゲル上に析出する。従って、得られたHC吸着材/(Pd/OSC)粉末には、OSC成分とHC吸着材成分とが互いに一次粒子レベルで結合した複合二次粒子を含む。図4はこの複合二次粒子を模式的に示すものであり、OSC成分よりなるコアの表面にPdが担持され、該OSCコアがPdと共にHC吸着材層によって覆われている。
−実施例3−
OSCゲルを生成するにあたり、硝酸塩溶液側に硝酸セリウム六水和物及び硝酸ジルコニル溶液に加えて4.33質量%の硝酸パラジウム溶液209.8gを添加する他は実施例1と同じ条件・方法でOSCゲルを得た。このOSCゲルを用い、実施例2と同じ条件・方法で水熱合成(HC吸着材ゲルの生成)、ゲル溶液の洗浄、乾燥、粉砕及び焼成を行なうことにより、実施例3に係る触媒粉末であるHC吸着材/(Pd−OSC)100gを得た。この粉末のPd量は8.3質量%であり、OSC成分:HC吸着材成分=4:1(質量比)である。
本例のHC吸着材/(Pd−OSC)粉末においても、水熱合成によりHC吸着材ゲルの少なくとも一部はOSCゲル上に析出するから、OSC成分とHC吸着材成分とが互いに一次粒子レベルで結合した複合二次粒子が含まれる。図5はこの複合二次粒子を模式的に示すものであり、Pdを含有するOSC成分のコアがHC吸着材層で覆われている。
−実施例4−
実施例1と同じ条件・方法でHC吸着材ゲルを得た。このHC吸着材ゲルに実施例1と同じ硝酸塩溶液とアンモニア水とを供給しながら、ディスパーザにて攪拌・中和させることにより、OSCゲルを共沈させた。そうして、得られたゲル溶液に実施例1と同じ条件・方法での洗浄、乾燥、粉砕及び焼成の処理、並びに硝酸パラジウム溶液の添加及び蒸発乾固を行なうことにより、実施例4に係る触媒粉末であるPd/OSC/HC吸着材を得た。この粉末のPd量は8.3質量%になっている。また、OSC成分:HC吸着材成分=4:1(質量比)である。
本例のPd/OSC/HC吸着材粉末においても、OSCゲルの少なくとも一部はHC吸着材ゲルの上に析出するから、OSC成分とHC吸着材成分とが互いに一次粒子レベルで結合した複合二次粒子が含まれる。図6はこの複合二次粒子を模式的に示すものであり、HC吸着材成分よりなるコアがOSC成分で覆われ、このOSC被覆層の表面にPdが担持されている。
−比較例1−
実施例1と同じ条件・方法でOSCゲルを生成し、得られたゲル溶液に洗浄、300℃での乾燥、粉砕及び500℃×2時間の焼成を行ない、さらに、4.33質量%の硝酸パラジウム溶液167.8gを加え、蒸発乾固することにより、Pd/OSC粉末を得た。また、実施例1と同じ条件・方法でHC吸着材ゲルを生成し、得られたゲル溶液に洗浄、300℃での乾燥、粉砕及び500℃×2時間の焼成を行ないHC吸着材粉末を得た。そうして、このPd/OSC粉末とHC吸着材粉末とを混合して比較例1に係る触媒粉末とした。このPd/OSC粉末・HC吸着材粉末混合物のPd量は8.3質量%になっている。また、OSC成分:HC吸着材成分=4:1(質量比)である。図7は比較例1に係る触媒粉末の模式図であり、この触媒粉末はPdを担持したOSC二次粒子とHC吸着材二次粒子との混合粉末である。
−比較例2−
実施例1と同じ条件・方法でOSCゲルを生成した。このOSCゲルを用い、実施例2と同じ条件・方法で水熱合成(HC吸着材ゲルの生成)、ゲル溶液の洗浄、乾燥、粉砕及び焼成を行ない、しかる後に4.33質量%の硝酸パラジウム溶液167.8gを加え、蒸発乾固することにより、比較例2に係る触媒粉末であるPd/HC吸着材/OSCを得た。この粉末のPd量は8.3質量%であり、OSC成分:HC吸着材成分=4:1(質量比)である。
このPd/HC吸着材/OSC粉末でも、HC吸着材ゲルの少なくとも一部はOSCゲルの上に析出するから、OSC成分とHC吸着材成分とが互いに一次粒子レベルで結合した複合二次粒子が含まれる。しかし、その複合二次粒子では、図8に模式的に示すように、PdはOSC成分には担持されておらず、HC吸着材成分のみに担持されている。
<排気ガス浄化用触媒の性能評価>
上記実施例1〜4及び比較例1,2の各触媒粉末を含む各供試触媒を調製し、先に図1で説明したパターンBをとったときのHC浄化に関するライトオフ温度T50を測定した。
供試触媒は、上述の調製法によって調製した各触媒粉末とRh担持アルミナとPt担持アルミナとを混合して、ハニカム担体に担持させてなるものである。各供試触媒の組成は次のとおりである。
Rh担持アルミナ=100g/L
Pt担持アルミナ=60g/L
OSC、HC吸着材及びPdよりなる触媒粉末=76.36g/L
OSC=56g/L(CeZr系複酸化物;Ce:Zr=1:3(質量比))
HC吸着材=14g/L(ZSM5)
Pd=6.36g/L
各供試触媒のトータル貴金属量は7g/L(Pt:Pd:Rh=1:30:2(質量比))である。
模擬排気ガスとしてはプロピレンと窒素との混合ガスを用い、流量は10L/分とした。活性酸素生成装置5のオゾン発生量は30mL/分(電力供給装置12の出力;150W)であり、これはトータルガス流量の0.3%に当たる。
パターンBは、オゾンを供給しながら模擬排気ガス温度を70℃から200℃まで昇温させる(昇温速度30℃/分)→オゾン及びプロピレンの供給を停止して窒素ガスのみとして、そのガス温度を60℃まで下げる→オゾン及びプロピレンの供給を再開して模擬排気ガス温度を60℃から昇温速度30℃/分で上昇させていく、というものである。ライトオフ温度T50は、触媒出口のプロピレン濃度が触媒入口のプロピレン濃度の1/2となる浄化率が得られるときの触媒入口ガス温度である。
結果を図9に示す。いずれの供試触媒においても、模擬排気ガス温度200℃でオゾンの供給を停止して降温させているから、分解せずに残存するオゾンによってOSCが高酸化状態になって負に帯電し、余分な電子がPd上に移動してこれを金属化することになる。この金属PdのHC被毒(この場合はプロピレン被毒)を生じ易いから、このHC被毒の程度が図9の結果になって現れていると考えられる。
具体的にみると、実施例1〜4では比較例1,2に比べてライトオフ温度が低くなっている。これは、実施例1〜4では、OSCとHC吸着材とが一次粒子レベルで結合した複合二次粒子となっていることから、プロピレンがHC吸着材に効率良く吸着され、OSC上のPdのHC被毒が抑制されたためと認められる。つまり、HC吸着材がPdのHC被毒防止に効率良く働いたためと認められる。
換言すれば、比較例1の場合は、図7に示すようにOSC粒子にHC吸着材粒子が近接して配置されているものの、それは二次粒子同士の近接であることから、HC吸着材がPdの近傍でそのHC被毒を防止するという点では、実施例に比べて働きが悪くなっている。また、比較例2の場合は、図8に示すようにPdのHC被毒自体はHC吸着材によって防止されるものの、PdがOSCに担持されていないことから、このPdとOSCとの相互作用によるプロピレンの酸化分解が図れず、それがためにライトオフ温度が高くなっていると考えられる。
実施例1〜4のなかでも、実施例2及び実施例3はライトオフ温度が相当に低くなっている。実施例2,3の複合二次粒子は、図4,5に示すように、OSCに担持されたPdがHC吸着材で覆われており、HC吸着材によるPdのHC被毒防止効果が高くなっているためと考えられる。また、実施例2の方が実施例3よりもライトオフ温度が低いのは、PdがOSC成分によるコアの表面側に配置され、排気ガス(プロピレン)と接触し易いことが原因であると考えられる。
各パターンで排気ガスの昇温、降温、再昇温を行なったときの排気ガス温度とプロピレン濃度との関係を示すグラフ図である。 本発明の実施形態に係るエンジンの排気ガス浄化システムを示す図である。 本発明の実施例1に係る触媒粉末を示す模式図である。 本発明の実施例2に係る触媒粉末を示す模式図である。 本発明の実施例3に係る触媒粉末を示す模式図である。 本発明の実施例4に係る触媒粉末を示す模式図である。 比較例1に係る触媒粉末を示す模式図である。 比較例2に係る触媒粉末を示す模式図である。 実施例及び比較例のHC浄化に関するライトオフ温度を示すグラフ図である。
符号の説明
1 エンジン
2 排気ガス通路
3 排気ガス浄化用触媒
4 活性酸素供給路

Claims (3)

  1. 排気ガスの浄化を促進するための活性酸素供給手段を備えたエンジンの排気ガス浄化用触媒であって、
    Ceを有する酸素吸蔵材と、HC吸着材と、触媒金属としてのPdとを含有し、
    上記酸素吸蔵材及びHC吸着材各々の少なくとも一部は、互いに一次粒子レベルで結合した複合二次粒子となり、且つ該複合二次粒子の少なくとも酸素吸蔵材に上記Pdが担持されていることを特徴とする排気ガス浄化用触媒。
  2. 請求項1において、
    上記複合二次粒子の少なくとも一部は、上記酸素吸蔵材の表面に上記HC吸着材が析出して形成されていることを特徴とする排気ガス浄化用触媒。
  3. 請求項1において、
    上記複合二次粒子の少なくとも一部は、上記酸素吸蔵材と上記HC吸着材とが混じり合って形成されていることを特徴とする排気ガス浄化用触媒。
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