JP2008193890A - アクチュエータ、光スキャナおよび画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アクチュエータ1は、可動板21と、支持部22と、可動板21と支持部22とを連結する1対の連結部23、24と、可動板21を回動駆動させるための圧電素子51〜54とを有し、連結部23は、可動板21から延出する軸部材231と、軸部材231と支持部22とを連結し、可動板21側へ折り返すように形成された折り返し部232とを有している。
【選択図】図1
Description
特許文献1には、反射ミラーと、反射ミラーを支持するための固定枠部と、反射ミラーをその両側で固定枠部に連結する1対のバネ部とを備えるアクチュエータが開示されている。そして、このような各バネ部は、反射ミラーと間隔を隔てて設けられた連結体と、反射ミラーと連結体とを連結する第1のバネ部と、第1のバネ部とは反対側で連結体と固定枠部とを連結する第2のバネ部を有している。
このようなアクチュエータは、例えば、雰囲気温度や、反射ミラーへ照出される光などによって昇温し、第1のバネ部が熱膨張してしまう。すなわち、1対の第1のバネ部は、熱膨張によりその長手方向(回動中心軸に平行でかつ反射ミラーから離間する方向)へ伸張する。
また、特許文献1のアクチュエータを光スキャナとして用いた場合などには、反射ミラーの回動中心軸がずれることにより、光源から反射ミラーまでの光路長が変化してしまい、反射ミラーで反射した反射光を対象物の所望の位置に走査させることができない。すなわち、所望の走査特性を発揮することが難しい。
本発明のアクチュエータは、可動板と、
前記可動板を支持するための支持部と、
前記可動板を前記支持部に対して回動可能とするように、前記可動板と前記支持部とを連結する1対の連結部と、
前記可動板を回動駆動させる圧電素子とを有し、
通電により前記圧電素子を伸縮させることで、前記1対の連結部を捩れ変形させて前記可動板を回動させるように構成されたアクチュエータであって、
前記各連結部は、前記可動板から延出する軸部材と、該軸部材と前記支持部とを連結し、前記可動板側へ折り返すように形成された折り返し部とを有していることを特徴とする。
これにより、環境温度に対する影響を緩和または防止し、所望の振動特性を発揮することができるアクチュエータを提供することができる。
これにより、熱膨張が生じた場合であっても、可動板の回動中心軸を一定に保つことが容易となる。
本発明のアクチュエータでは、前記各折り返し部は、前記軸部材と前記各弾性部材とを連結する駆動部材を有し、前記各弾性部材は、前記駆動部材よりも前記可動板側に設けられていることが好ましい。
これにより、可動板をより大きく回動させることができる。
本発明のアクチュエータでは、前記各弾性部材の長手方向は、前記可動板の回動中心軸に対して平行であることが好ましい。
これにより、熱膨張が生じた場合、駆動部材を円滑に変位させることができる。
これにより、小型化を図りつつ、可動板を大きく回動させることができる。
本発明のアクチュエータでは、前記各連結部における、前記1対の弾性部材間の離間距離は、前記可動板側から前記駆動部材側へ向けて漸増していることが好ましい。
これにより、小型化を図りつつ、可動板を大きく回動させることができる。また、アクチュエータの応答性を向上させることができる。
これにより、各弾性部材をその長手方向全域にわたって均一に曲げ変形させることができる。その結果、各弾性部材へのストレスを軽減しつつ、各弾性部材をより効率的に曲げ変形させることができる。
これにより、弾性部材を大きく曲げ変形させることができる。また、アクチュエータの製造の簡易化を図ることができる。
前記各圧電素子は、伸縮方向の一端部が対応する前記弾性部材に接触しており、前記可動板の厚さ方向へ伸縮することにより、前記弾性部材を曲げ変形させるよう構成されていることが好ましい。
これにより、圧電素子の伸縮により大きい駆動力を各弾性部材に伝達することができる。
本発明のアクチュエータでは、前記各圧電素子は、その圧電素子に対応する前記弾性部材の長手方向における前記駆動部材と反対側の端部と接合し、前記支持部を兼ねていることが好ましい。
これにより、アクチュエータの小型化を図ることができる。
前記圧電素子は、前記各連結部の前記第1弾性部材に接合され、前記各圧電素子は、対応する前記弾性部材の長手方向に伸縮し、当該伸縮により前記第1弾性部材を曲げ変形させることにより、前記第2弾性部材が捩れ変形しながら前記駆動部材を変位させるように構成されていることが好ましい。
これにより、圧電素子の数が少なくて済み、アクチュエータの低コスト化を図ることができる。
これにより、1対の軸部材の形状を簡単なものとしつつ、可動板の回動中心軸のブレを抑えることができる。
本発明のアクチュエータでは、前記可動板の板面には、光反射性を有する光反射部が設けられていることが好ましい。
これにより、アクチュエータを光学デバイスに用いることができる。
前記可動板を支持するための支持部と、
前記可動板を前記支持部に対して回動可能とするように、前記可動板と前記支持部とを連結する1対の連結部と、
前記可動板を回動駆動させる圧電素子とを有し、
通電により前記圧電素子を伸縮させることで、前記1対の連結部を捩れ変形させて前記可動板を回動させ、前記光反射部で反射した光を走査するように構成された光スキャナであって、
前記各連結部は、前記可動板から延出する軸部材と、該軸部材と前記支持部とを連結し、前記可動板側へ折り返すように形成された折り返し部とを有していることを特徴とする。
これにより、環境温度に対する影響を緩和または防止し、所望の振動特性を発揮することができる光スキャナを提供することができる。
前記可動板を支持するための支持部と、
前記可動板を前記支持部に対して回動可能とするように、前記可動板と前記支持部とを連結する1対の連結部と、
前記可動板を回動駆動させる圧電素子とを有し、
通電により前記圧電素子を伸縮させることで、前記1対の連結部を捩れ変形させて前記可動板を回動させ、前記光反射部で反射した光を走査するように構成された光スキャナを備えた画像形成装置であって、
前記各連結部は、前記可動板から延出する軸部材と、該軸部材と前記支持部とを連結し、前記可動板側へ折り返すように形成された折り返し部とを有していることを特徴とする。
これにより、環境温度に対する影響を緩和または防止し、所望の振動特性を発揮することができる画像形成装置を提供することができる。
<第1実施形態>
まず、本発明のアクチュエータの第1実施形態を説明する。
図1は、本発明のアクチュエータの第1実施形態を示す斜視図、図2は、図1中のA−A線断面図、図3は、図1に示すアクチュエータが備える圧電素子に印加する電圧の波形の一例を示す図である。なお、以下では、説明の便宜上、図1中の紙面手前側を「上」、紙面奥側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言い、図2中の上側を「上」、下側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
基体2は、図1に示すように、可動板21と、可動板21を支持するための支持部22と、可動板21と支持部22とを連結する1対の連結部23、24とを備えている。
連結部23は、可動板21から延出する軸部材231と、軸部材231と支持部22とを連結し、可動板21側へ折り返すように形成された折り返し部232とを有してしる。そして、このような折り返し部232は、軸部材231の長手方向での一端(可動板21と反対側の端)に接続された駆動部材233と、駆動部材233と支持部22とを連結する1対の弾性部材234、235とで構成されている。
すなわち、基体2は、可動板21と、支持部22と、軸部材231、241と、駆動部材233、243と、弾性部材234、235、244、245とを有している。以下、これらについて順次説明する。
1対の駆動部材233、243は、それぞれ板状をなしている。また、1対の駆動部材233、243は、図1にて、可動板21を中心に左右対称となるように設けられている。このような駆動部材233、243は、互いに同一形状、同一寸法をなしている。ただし、1対の駆動部材233、243の形状は、特に限定されない。また、互いに同一形状、同一寸法をなしていなくてもよい。
このような駆動部材233は、軸部材231を介して可動板21に連結され、駆動部材243は、軸部材241を介して可動板21に連結されている。
このような1対の軸部材231、241は、互いに同軸的(同一直線状)に設けられている。そして、この軸(回動中心軸X)まわりに可動板21が回動する。
回動中心軸Xと平行な方向にて、枠部221の図1中左側の部位と駆動部材233との間には、空隙が形成されており、枠部221の図1右左側の部位と駆動部材243との間には、空隙が形成されている。このような空隙は、後述するような、熱膨張による駆動部材233、243の変位を許容できるように形成されている。
弾性部材234は、駆動部材233と突出部222とを連結し、同様に、弾性部材235は、駆動部材233と突出部223とを連結し、弾性部材244は、駆動部材243と突出部224とを連結し、弾性部材245は、駆動部材243と突出部225とを連結している。
このうち、1対の弾性部材234、235のそれぞれは、駆動部材233よりも可動板21側に設けられている。さらに、1対の弾性部材234、235は、可動板21の平面視にて、回動中心軸Xを介して互いに対向するように、かつ、回動中心軸Xに対して対称的に設けられている。
このように、弾性部材234、235を駆動部材233よりも可動板21側に設け、弾性部材244、245を駆動部材243よりも可動板21側に設けることで、アクチュエータ1の小型化を図ることができる。さらに、後述するように、環境温度に対する影響を緩和または防止し、所望の振動特性を発揮、維持することができる。
このことから、基体2は、弾性部材234、235、244、245と1対の駆動部材233、243とで構成された第1の振動系と、1対の軸部材231、241と可動板21とで構成された第2の振動系を有していると言える。すなわち、アクチュエータ1は、第1の振動系と第2の振動系とからなる2自由度振動系を有している。
支持基板3は、例えば、ガラス、シリコン、またはSiO2を主材料として構成されている。また、支持基板3は、可動板21の平面視での支持部22の形状と一致するように形成された枠状をなしている。
だたし、支持基板3の形状としては、前述した振動系の駆動を阻害することなく基体2を支持することができれば、特に限定されない。例えば、支持基板3は、その下面(基体2とは反対側の面)で開放されていなくてもよい。すなわち、支持基板3の上面に凹部が形成されているものであってもよい。また、支持部22の形状などによっては、支持基板3を省略してもよい。
支持基板3と基体2との間に形成された接合層4は、例えば、ガラス、シリコン、またはSiO2を主材料として構成されている。ただし、このような接合層4は、省略してもよい。すなわち、基体2と支持基板3とが直接接合されているものであってよい。
圧電素子52は、弾性部材235の上面の全域を覆うように、かつ、弾性部材235と支持部22(突出部223)との境界部を跨ぐように、弾性部材235に接合されている。そして、圧電素子52は、図示しない電源回路に接続されており、この電源回路からの通電により、弾性部材235の長手方向へ伸縮する。
このような圧電素子52は、図2に示すように、圧電材料を主材料として構成された圧電体層521と、この圧電体層521を挟持する1対の電極522、523とを有している。
一方、電極523は、圧電体層521の上面の全域を覆うように形成されている。そして、電極523は、例えばワイヤーボンディングで形成された配線を介して、突出部223に設けられた端子524に接続している。
このような電極522、523(端子524)を構成するための材料としては、導電性を有するものであれば、特に限定されない。
ただし、圧電素子52の構成としては、弾性部材235の長手方向に伸縮することができれば、これに限定されない。例えば、端子524は、突出部223に形成されていなくてもよいし、省略してもよい。
例えば、図3(a)に示すような電圧を圧電素子51、53に印加するとともに、図3(b)に示すような電圧を圧電素子52、54に印加する。すなわち、圧電素子51、53に電圧を印加する状態(この状態を「第1の状態」という)と、圧電素子52、54に電圧を印加する状態(この状態を「第2の状態」という)とを交互に繰り返す。
なお、連結部23の捩り変形と、連結部24の捩り変形は、互いに同様であるため、連結部23の捩り変形について代表して説明し、連結部24の捩り変形については、その説明を省略する。
これにより、駆動部材233のうちの回動中心軸Xに対して弾性部材234側の部分が下側へ変位し、回動中心軸Xに対して弾性部材235側の部分が上側へ変位することとなる。すなわち、駆動部材233が回動中心軸Xまわりに傾斜することとなる。
これにより、駆動部材233のうちの回動中心軸Xに対して弾性部材235側の部分が下側へ変位し、回動中心軸Xに対して弾性部材234側の部分が上側へ変位することとなる。すなわち、駆動部材233が回動中心軸Xまわりに傾斜することとなる。
なお、本実施形態では、圧電素子51、53に電圧を印加する状態と、圧電素子52、54に電圧を交互に印加する状態とを交互に繰り返すことで可動板21を回動させるものについて説明したが、可動板21を回動させることができれば、とくに限定されない。例えば、圧電素子51、53と、圧電素子52、54とに、位相の180度ずれた(すなわち、逆位相の)交流電圧を断続的に印加するものであってもよい。
このようなアクチュエータ1は、熱を受けることで昇温し、軸部材231、241が熱膨張してしまう場合がある。このような熱膨張の原因としては、例えば、雰囲気温度の変化や、アクチュエータ1自体の発熱などが挙げられる。
特に、本発明のアクチュエータでは、通電により発熱する性質を有する圧電素子を駆動源として用いている。そのため、このような圧電素子の発熱により、アクチュエータ1が熱膨張してしまう。
また、例えば、アクチュエータ1を光スキャナとして用いた場合には、光反射部211に照射された光の一部が反射されずに熱に変換されることで、アクチュエータ1が熱膨張してしまう。
ここで、前述したように、アクチュエータ1では、1対の弾性部材234、235が駆動部材233よりも可動板21側に設けられているため(連結部24についても同様)、軸部材231、241などが熱膨張してしまった場合でも、その熱膨張による変形を許容し、回動中心軸Xを所望の位置に一定に保つことができる(すなわち、可動板21の厚さ方向への変位を防止することができる)。
一方、弾性部材234および弾性部材235のそれぞれの熱膨張により、駆動部材233が可動板21から離間する方向へ変位する。このように、駆動部材233が可動板21から離間する方向へ変位することで、熱膨張による軸部材231の変形(すなわち、長手方向への伸張)を許容することができる。
また、このようなアクチュエータ1を光スキャナに用いた場合には、可動板21の変位を防止することで、光源から光反射部211までの光路長(離間距離)および光反射部211から走査対象物までの光路長(離間距離)を所望の距離に保つことができる。その結果、アクチュエータ1は、熱膨張が起こった場合であっても、所望の走査特性を維持することができる。
また、アクチュエータ1では、1対の弾性部材234、235は、その長手方向が軸部材231の長手方向と平行となるように設けられている。そのため、軸部材231および弾性部材234、235のそれぞれが熱膨張した場合に、駆動部材233を可動板21から離間する方向へ円滑に変位させることができる。
また、本実施形態では、可動板21を回動駆動させる駆動源として圧電素子51〜54を用いている。圧電素子は、通電により発熱するものであるため、圧電素子51〜54と基体2とを組み合わせることで、上述した効果がより顕著となる。
次に、本発明のアクチュエータの第2実施形態について説明する。
図4は、本発明のアクチュエータの第2実施形態を示す上面図、図5は、図4中のB−B線断面図である。なお、説明の便宜上、図5中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
以下、第2実施形態のアクチュエータ1Aについて、前述した第1実施形態のアクチュエータ1との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
なお、圧電素子51A〜54Aは、互いに同様の形状をなしているため、圧電素子51Aについて代表して説明し、圧電素子52A〜54Aについては、その説明を省略する。
このように、弾性部材234の幅よりも大きい幅を有する圧電素子51Aを用いることにより、アクチュエータ1の製造時において、弾性部材234に対する圧電素子51Aの接合位置が設定位置に対して弾性部材234の幅方向へずれてしまった場合でも、圧電素子51Aが弾性部材234の幅方向での全域を含むように接合されていれば、圧電素子51Aの伸縮によって、所望の駆動力を弾性部材234に伝達することができる(すなわち、弾性部材234の曲げ変形量を所望のものとすることができる)。
このような第2実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
次に、本発明のアクチュエータの第3実施形態について説明する。
図6は、本発明のアクチュエータの第3実施形態を示す上面図、図7は、図6中のC−C線断面図、図8は、圧電素子を説明するための図、図9は、圧電素子に印加する電圧の一例を示す図である。なお、説明の便宜上、図7中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
本発明の第3実施形態にかかるアクチュエータ1Bは、圧電素子55〜58の構成および配置、支持基板3の構成が異なる以外は、第1実施形態のアクチュエータ1とほぼ同様である。また、前述した第1実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
そして、このような基台31の上面であって、弾性部材234に対向する部位には圧電素子55が、弾性部材235に対向する部位には圧電素子56が、弾性部材244に対向する部位には圧電素子57が、弾性部材245に対向する部位には圧電素子58が、それぞれ接合されている。
圧電素子55は、可動板21の厚さ方向(すなわち、図7中の上下方向)での下端面が支持基板3の基台31と接合され、上端面が弾性部材234の下面と接合されている。そして、圧電素子55は、可動板21の厚さ方向(すなわち、図7中の矢印方向)へ伸縮する。
だたし、圧電素子55の構造は、可動板21の厚さ方向へ伸縮することができれば、特に限定されない。また、共通電極553、554は、圧電素子55の側面に設けられていなくてもよく、例えば基台31に形成されていてもよい。
例えば、図9(a)に示すような電圧を圧電素子55、57に印加するとともに、図9(b)に示すような電圧を圧電素子56、58に印加する。すなわち、互いに位相の180°ずれた電圧を圧電素子55、57と、圧電素子56、58とに印加する。すると、圧電素子55、57を伸張状態とするとともに、圧電素子56、58を収縮状態とする状態(この状態を「第1の状態」とする)と、圧電素子55、57を収縮状態とするとともに、圧電素子56、58を伸張状態とする状態(この状態を「第2の状態」とする)とを交互に繰り返す。
第1の状態では、圧電素子55を伸張状態、圧電素子56を収縮状態としているため、弾性部材234の長手方向での駆動部材233側の端部が上側へ変位し、弾性部材235の長手方向での駆動部材233側の端部が下側へ変位する。
これにより、駆動部材233の回動中心軸Xに対して弾性部材234側の部分が上側へ変位し、駆動部材233の回動中心軸Xに対して弾性部材235側の部分が下側へ変位する。すなわち、駆動部材233は、回動中心軸Xを中心として傾斜する。
これにより、駆動部材233の回動中心軸Xに対して弾性部材234側の部分が下側へ変位し、駆動部材233の回動中心軸Xに対して弾性部材235側の部分が上側へ変位する。すなわち、駆動部材233は、回動中心軸Xを中心として傾斜する。
このような第3実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
次に、本発明のアクチュエータの第4実施形態について説明する。
図10は、本発明のアクチュエータの第4実施形態を示す上面図、図11は、図10中のD−D線断面図である。
以下、第4実施形態のアクチュエータ1Cについて、前述した第3実施形態のアクチュエータ1Bとの相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
基体2Cは、可動板21Cと、圧電素子55C、56Cのそれぞれと可動板21Cとを連結する連結部23Cと、圧電素子57C、58Cのそれぞれと可動板21Cとを連結する連結部24Cとを有している。
同様に、連結部24Cは、可動板21Cと間隔を隔てて設けられた駆動部材243Cと、駆動部材243Cと可動板21Cとを連結する軸部材241Cと、駆動部材243Cと圧電素子57Cとを連結する弾性部材244Cと、駆動部材243Cと圧電素子58Cとを連結する弾性部材245Cとを有している。
圧電素子55Cは、図11に示すように、支持基板3Cの上面であって、弾性部材234Cの長手方向における駆動部材233Cと反対側の端部に対向する位置に設けられている。そして、このような圧電素子55Cは、可動板21Cの厚さ方向へ伸縮する。圧電素子55Cは、その伸縮方向での一端面(下端面)にて支持基板3Cと接合し、他端面(上端面)にて弾性部材234Cの長手方向における駆動部材233Cと反対側の端部と接合している。すなわち、圧電素子55Cは、その伸縮方向にて弾性部材234Cと支持基板3Cとを連結するように設けられている。
そして、このような圧電素子55C〜58Cのそれぞれを通電により伸縮させることで、可動板21Cを回動させるように構成されている。なお、圧電素子55C〜58Cへの電圧の印加や、それに伴う可動板21Cの回動については、前述した第3実施例と同様であるため、その説明を省略する。
以上より、駆動源である圧電素子55C〜58Cは、基体2Cを支持する支持部を兼ねていると言える。このように、圧電素子55C〜58Cが基体2Cを支持する支持部を兼ねることで、アクチュエータ1Cの小型化を図ることができる。
このような第4実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
次に、本発明のアクチュエータの第5実施形態について説明する。
図12は、本発明のアクチュエータの第5実施形態を示す上面図である。
以下、第4実施形態のアクチュエータ1Dについて、前述した第1実施形態のアクチュエータ1との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
なお、1対の弾性部材234D、235Dと、1対の弾性部材244D、245Dとは、可動板21の平面視にて、可動板21を中心として左右対称に設けられているため、1対の弾性部材234D、235Dについて代表して説明し、1対の弾性部材244D、245Dについては、その説明を省略する。
このような第5実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
次に、本発明のアクチュエータの第6実施形態について説明する。
図13は、本発明のアクチュエータの第6実施形態を示す上面図である。
以下、第6実施形態のアクチュエータ1Eについて、前述した第1実施形態のアクチュエータ1との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
なお、連結部23Eと連結部24Eとは、同様の構成であるため、連結部23Eについて代表して説明し、連結部24Eについては、その説明を省略する。
1対の弾性部材234E、235Eは、互いの離間距離L2が可動板21側から駆動部材233側へ向けて漸減するように設けられている。これにより、例えば、1対の弾性部材234E、235Eのそれぞれが、回動中心軸Xと平行な方向へ延在する場合(すなわち、第1実施形態)と比較して、弾性部材234E、235Eのそれぞれの長手方向での長さを長くすることができる。すなわち、弾性部材234E、235Eの曲げ変形量を大きくすることができる。そのため、アクチュエータ1の小型化を図りつつ、駆動部材233Eの振角(回動角)を大きくすることができる。
このような第6実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
次に、本発明のアクチュエータの第7実施形態について説明する。
図14は、本発明のアクチュエータの第7実施形態を示す上面図、図15は、図14中E−E線断面図である。なお、以下では、説明の便宜上、図14、図15中の上側を「上」、下側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
以下、第7実施形態のアクチュエータ1Fについて、前述した第1実施形態のアクチュエータ1との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図14に示すように、折り返し部232F、242Fは、可動板21を中心として左右対称に設けられている。
これと同様に、折り返し部242Fは、軸部材231の右側の端部と接続された駆動部材243Fと、駆動部材243Fと突出部225とを連結する第1弾性部材245Fと、駆動部材243Fと突出部224とを連結する第2弾性部材244Fとで構成されている。
また、アクチュエータ1Fは、第1弾性部材235F、245Fにそれぞれ接合された1対の圧電素子51F、52Fを有している。
各第1弾性部材235F、245Fは、主として曲げ変形するように構成されたものであり、回動中心軸Xに略平行な方向に延在する長手形状をなしている。また、このような第1弾性部材235F、245Fは、互いに回動中心軸Xに対して図14中下側に位置している。
一方、各第2弾性部材234F、244Fは、主として捩れ変形するように構成されたものであり、回動中心軸Xに略平行な方向に延在する長手形状をなしている。各第2弾性部材234F、244Fは、捩れ変形しやすくするために、その幅が第1弾性部材235F、245Fの幅よりも小さくなっている。
そして、第2弾性部材234Fは、その右側の端が突出部222に固定され、左側の端が駆動部材233Fの上端部に連結され、弾性変形可能に構成されている。これと同様に、第2弾性部材244Fは、その左側の端が突出部224に固定され、右側の端が駆動部材243Fの上端部に連結され、弾性変形可能に構成されている。
このような各第1弾性部材235F、245Fおよび各第2弾性部材234F、244Fは、それぞれ対応する駆動部材233F、243Fに対し可動板21側(すなわち内側)に位置している。
同様に、折り返し部242Fにおいて、第1弾性部材245Fと軸部材241との離間距離は、第2弾性部材244Fと軸部材241との離間距離よりも大きくなっている。
このような圧電素子51F、52Fの構成については、第1実施形態で説明した圧電素子52と同様の構成であるため、その説明を省略する。
アクチュエータ1Fの作動にあっては、圧電素子51Fに周期的に変化する電圧が印加される。かかる電圧は、例えば、交流であってもよいし、間欠的な直流であってもよい。
このような電圧が印加された圧電素子51Fは、その長手方向(第1弾性部材235Fの長手方向)に伸縮する。すなわち、圧電素子51Fは、伸張状態と収縮状態とを前記電圧の周期で交互に繰り返す。
このように駆動部材233Fの姿勢が変化すると、その変化に伴って軸部材231の横断面での姿勢が傾くように変化して、軸部材231に捻りトルクが与えられる。
このような捻りトルクにより、軸部材231が捩れ変形しながら、可動板21が回動中心軸Xまわりに回動する。
さらに、各第2弾性部材234F、244Fが回動中心軸X近傍に設けられているため、1対の軸部材231、241の形状を簡単なものとしつつ、可動板21の回動中心軸Xのブレを抑えることができる。
以上、本発明のアクチュエータの好適な実施例について説明した。以上のようなアクチュエータは、例えば、加速度センサ、角速度センサなどのMEMS応用センサや、光スキャナ、光スイッチ、光アッテネータなどの光学デバイスに用いることができる。
プロジェクタ9は、レーザーなどの光を照出する光源装置91と、クロスダイクロイックプリズム92と、1対の本発明の光スキャナ93、94(例えば、アクチュエータ1と同様の構成の光スキャナ)と、固定ミラー95とを有している。
クロスダイクロイックプリズム92は、4つの直角プリズムを貼り合わせて構成され、赤色光源装置911、青色光源装置912、緑色光源装置913のそれぞれから照出された光を合成する光学素子である。
まず、クロスダイクロイックプリズム92で合成された光は、光スキャナ93によって横方向に走査される(主走査)。そして、この横方向に走査された光は、光スキャナ94によってさらに縦方向に走査される(副走査)。これにより、2次元カラー画像をスクリーンS上に形成することができる。このような光スキャナ93、94として本発明の光スキャナを用いることで、極めて優れた描画特性を発揮することができる。
ただし、プロジェクタ9としては、光スキャナにより光を走査し、対象物に画像を形成するように構成されていれば、これに限定されず、例えば、固定ミラー95を省略してもよい。
また、前述した実施形態では、アクチュエータは、可動板21を中心にほぼ左右対称な形状をなしている構造を説明したが、非対称であってもよい。
Claims (15)
- 可動板と、
前記可動板を支持するための支持部と、
前記可動板を前記支持部に対して回動可能とするように、前記可動板と前記支持部とを連結する1対の連結部と、
前記可動板を回動駆動させる圧電素子とを有し、
通電により前記圧電素子を伸縮させることで、前記1対の連結部を捩れ変形させて前記可動板を回動させるように構成されたアクチュエータであって、
前記各連結部は、前記可動板から延出する軸部材と、該軸部材と前記支持部とを連結し、前記可動板側へ折り返すように形成された折り返し部とを有していることを特徴とするアクチュエータ。 - 前記各折り返し部は、前記可動板の回動中心軸を介して互いに対向するように設けられた長手形状をなす弾性変形可能な1対の弾性部材を有している請求項1に記載のアクチュエータ。
- 前記各折り返し部は、前記軸部材と前記各弾性部材とを連結する駆動部材を有し、前記各弾性部材は、前記駆動部材よりも前記可動板側に設けられている請求項2に記載のアクチュエータ。
- 前記各弾性部材の長手方向は、前記可動板の回動中心軸に対して平行である請求項2または3に記載のアクチュエータ。
- 前記各連結部における、前記1対の弾性部材間の離間距離は、前記可動板側から前記駆動部材側へ向けて漸減している請求項2または3に記載のアクチュエータ。
- 前記各連結部における、前記1対の弾性部材間の離間距離は、前記可動板側から前記駆動部材側へ向けて漸増している請求項2または3に記載のアクチュエータ。
- 前記圧電素子は、前記各連結部の前記各弾性部材に、その長手方向に沿って接合され、前記各圧電素子は、対応する前記弾性部材の長手方向へ伸縮し、当該伸縮により、前記弾性部材を曲げ変形するよう構成されている請求項2ないし6のいずれかに記載のアクチュエータ。
- 前記各圧電素子は、その圧電素子が接合された前記弾性部材の幅よりも大きい幅を有し、前記弾性部材の幅方向の全域を含むように接合されている請求項7に記載のアクチュエータ。
- 前記圧電素子は、前記各弾性部材に対応するように設けられ、
前記各圧電素子は、伸縮方向の一端部が対応する前記弾性部材に接触しており、前記可動板の厚さ方向へ伸縮することにより、前記弾性部材を曲げ変形させるよう構成されている請求項2ないし6のいずれかに記載のアクチュエータ。 - 前記各圧電素子は、その圧電素子に対応する前記弾性部材の長手方向における前記駆動部材と反対側の端部と接合し、前記支持部を兼ねている請求項9に記載のアクチュエータ。
- 前記各連結部において、前記1対の弾性部材は、第1弾性部材と、該第1弾性部材よりも前記軸部材との離間距離が小さい第2弾性部材とで構成されており、
前記圧電素子は、前記各連結部の前記第1弾性部材に接合され、前記各圧電素子は、対応する前記弾性部材の長手方向に伸縮し、当該伸縮により前記第1弾性部材を曲げ変形させることにより、前記第2弾性部材が捩れ変形しながら前記駆動部材を変位させるように構成されている請求項4に記載のアクチュエータ。 - 前記第2弾性部材は、前記回動中心軸近傍に設けられている請求項11に記載のアクチュエータ。
- 前記可動板の板面には、光反射性を有する光反射部が設けられている請求項1ないし12のいずれかに記載のアクチュエータ。
- 光反射性を有する光反射部を備える可動板と、
前記可動板を支持するための支持部と、
前記可動板を前記支持部に対して回動可能とするように、前記可動板と前記支持部とを連結する1対の連結部と、
前記可動板を回動駆動させる圧電素子とを有し、
通電により前記圧電素子を伸縮させることで、前記1対の連結部を捩れ変形させて前記可動板を回動させ、前記光反射部で反射した光を走査するように構成された光スキャナであって、
前記各連結部は、前記可動板から延出する軸部材と、該軸部材と前記支持部とを連結し、前記可動板側へ折り返すように形成された折り返し部とを有していることを特徴とする光スキャナ。 - 光反射性を有する光反射部を備える可動板と、
前記可動板を支持するための支持部と、
前記可動板を前記支持部に対して回動可能とするように、前記可動板と前記支持部とを連結する1対の連結部と、
前記可動板を回動駆動させる圧電素子とを有し、
通電により前記圧電素子を伸縮させることで、前記1対の連結部を捩れ変形させて前記可動板を回動させ、前記光反射部で反射した光を走査するように構成された光スキャナを備えた画像形成装置であって、
前記各連結部は、前記可動板から延出する軸部材と、該軸部材と前記支持部とを連結し、前記可動板側へ折り返すように形成された折り返し部とを有していることを特徴とする画像形成装置。
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