JP2008191619A - 光走査装置及び網膜走査型画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】揺動軸をなす支持部を介して内部揺動部に安定して電力を供給することができるとともに、内部揺動部が破損した場合にも揺動部を容易に交換可能な構造にした。
【解決手段】振動ミラー部10を備える第1揺動部と、第1揺動部を保持する保持部5と、該保持部5を軸支し該保持部5の揺動軸をなす支持部4a、4bと、該支持部4a、4bを支持する枠部3a、3bと、を備える第2揺動部からなる光走査装置1であって、該
保持部5と該支持部4a、4bとは別体に構成され、該支持部4a、4bは導電性材料からなり、該第1揺動部は該支持部4a、4bを介して供給される電力により駆動される。
【選択図】図1
【解決手段】振動ミラー部10を備える第1揺動部と、第1揺動部を保持する保持部5と、該保持部5を軸支し該保持部5の揺動軸をなす支持部4a、4bと、該支持部4a、4bを支持する枠部3a、3bと、を備える第2揺動部からなる光走査装置1であって、該
保持部5と該支持部4a、4bとは別体に構成され、該支持部4a、4bは導電性材料からなり、該第1揺動部は該支持部4a、4bを介して供給される電力により駆動される。
【選択図】図1
Description
本発明は、レーザープリンタや投影型表示装置に用いられる光スキャナー用の光走査装置に関する。特に、振動体に設けた反射ミラーを揺動させることにより反射光を走査する光走査装置に関する。
従来から、投影型表示装置等においては画像信号により変調されたレーザー光を走査して投映像を形成するための光走査装置が知られている。この種の光走査装置の光走査部として、例えば回転多面鏡(ポリゴンミラー)や振動駆動型反射鏡(ガルバノミラー)が用いられている。回転多面鏡を使用する場合は、高速回転する回転多面鏡に画像信号により変調されたレーザー光を照射して、その反射光を走査し、記録媒体が形成された回転ドラムに走査されたレーザー光を照射して潜像を書き込み、これを紙等に転写する。また、振動駆動型反射鏡を使用する画像表示装置においては、振動ミラーを圧電体や静電気力等により高速振動を行い、画像信号により変調されたレーザー光をこの振動ミラーに照射し、反射光をスクリーンや網膜に照射して、画像表示装置とする。振動駆動型反射鏡は回転多面鏡と比較して駆動部を小型化することができ、軽量小型の光走査装置に適する。
図7は、2軸プレーナ型ガルバノミラーの振動板100を示す斜視図である(例えば特許文献1を参照)。シリコン基板101の内側には、外側可動板102Aと内側可動板102Bが形成されている。外側可動板102Aは外側トーションバー103Aにより軸支され、シリコン基板101により保持されている。内側可動板102Bは内側トーションバー103Bにより軸支され、外側可動板102Aにより保持されている。外側可動板102A、内側可動板102B、外側トーションバー103A及び内側トーションバー103Bはシリコン基板101と共に一体的に形成されている。これらの各構造要素は、シリコン基板のフォトリソグラフィ工程及びエッチング工程により同時に形成される。
シリコン基板101には外側電極端子105Aと内側電極端子105Bが形成されている。外側可動板102Aの表面には銅薄膜からなる外側配線106Aが形成され、外側トーションバー103Aを介して接続されている。内側可動板102Bには、入射光を反射して走査するために反射面104が形成されている。内側可動板102Bの外延部には銅薄膜からなる内側配線106Bが形成され、内側トーションバー103B、外側可動板102A及び外側トーションバー103Aを介して内側電極端子105Bに接続されている。更に、シリコン基板101の側方には図示しない永久磁石が設置されており、静磁界を発生させている。
内側電極端子105Bに交番電流を流すことにより、磁気力により内側可動板はXX’軸を中心として特定の共振周波数において揺動を行う。また、外側電極端子105Aに交番電流を流すことにより、電磁気力により外側可動板はYY’軸を中心として上記内側可動板102Bと異なる周期の特定の共振周波数において、揺動を行う。内側可動板は外側可動板と比較して慣性モーメントが小さいために、揺動の共振周波数が高くなる。このガルバノミラーを投影表示装置に適用する場合は、XX’軸を中心とした揺動により反射される反射光束を水平走査用に、YY’軸を中心とした揺動により反射される反射光束を垂直走査用に利用することができる。
特開平8−186975号公報
図7に示した光走査装置では、内側可動板102Bと外側可動板102Aとは一体的に形成される。そして、外側可動板102A及び内部可動板102Bの駆動用の電力を外側トーションバー103A上の配線を通して供給する必要があった。しかしながら、トーションバーは捻じれ振動を行うために配線の切断による故障が発生する場合があった。また、内側可動板102Bに電力を供給するために、内側トーションバー103B上の配線を経由して電力を供給しているが、内側トーションバー103B上の配線が切断等により故障した場合には、振動板を半導体基板に一体的に構成しているために、故障の部分のみを交換することができず、光走査装置全体を交換する必要があった。
本発明は上記課題を解決するために以下の手段を講じた。
請求項1に係る発明においては、振動ミラー部を備える第1揺動部と、前記第1揺動部を保持する保持部と、前記保持部を軸支し前記保持部の揺動軸をなす支持部と、前記支持部を支持する枠部と、を備える第2揺動部からなる光走査装置であって、前記保持部と前記支持部とは別体に構成され、前記支持部は導電性材料からなり、前記第1揺動部は前記支持部を介して供給される電力により駆動されることを特徴とする光走査装置とした。
請求項2に係る発明においては、前記第1揺動部と前記第2揺動部とは別体に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の光走査装置とした。
請求項3に係る発明においては、前記支持部は弾性を有するトーションバーにより構成されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光走査装置とした。
請求項4に係る発明においては、前記枠部は前記支持部の内部応力を調節するための内部応力調節部を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光走査装置とした。
請求項5に係る発明においては、前記支持部は前記枠部に回転自在に支持されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光走査装置とした。
請求項6に係る発明においては、前記第1揺動部の揺動軸と前記第2揺動部の揺動軸とは互いに直交することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の光走査装置とした。
請求項7に係る発明においては、前記支持部は前記保持部に嵌合して連結されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の光走査装置とした。
請求項8に係る発明においては、前記枠部はベース基板に固定され、前記ベース基板は前記保持部の揺動を検出するための検出手段を備えていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の光走査装置とした。
請求項9に係る発明においては、請求項1〜8のいずれか1項に記載の光走査装置を備え、画像信号に応じて変調された光束を前記光走査装置により走査して網膜上に投影表示する網膜走査型画像表示装置とした。
請求項1の光走査装置によれば、振動ミラー部を備える第1揺動部と、第1揺動部を保持する保持部と、その保持部を軸支し当該保持部の揺動軸をなす支持部と、この支持部を支持する枠部とを備える第2揺動軸からなる光走査装置であり、保持部と支持部とは別体に構成されており、さらに支持部は導電性材料からなり、かつ、第1揺動部は支持部を介して供給される電力により駆動されるようにした。これにより、支持部において捻じれ振動による断線故障が発生し難いこと、及び、第1揺動部が故障した場合でも、支持部から保持部を取り外して交換して修理を行うことができるので、装置全体を交換する必要がない、という利点を有する。
請求項2の光走査装置によれば、第1揺動部と第2揺動部とは別体に構成した。これにより、第1揺動部が故障した場合でも、保持部から第1揺動部を取り外して修理や交換を容易に行うことができる、という利点を有する。
請求項3の光走査装置によれば、支持部は弾性を有するトーションバーにより構成されている。支持部をトーションバーとすることにより、保持部の初期位置を最初に設定しておけば、外力により変位が起きた場合でも、外力の印加が停止すればトーションバーの持つ弾性力により初期位置へ自動的に保持部位地が戻る。このため後に当該保持部の初期の位置を調整する必要がない、という利点を有する。
請求項4の光走査装置によれば、枠部は支持部の内部応力を調節するための内部応力調節部を備えている。これにより、支持部のネジレ弾性定数を調整することができるので、主に保持部および支持部により構成される構造体の共振周波数を調節することが可能となり、制御における共振現象の影響を回避するための調節が容易となる、という利点を有する。
請求項5の光走査装置によれば、支持部は回転自在に枠部に支持されている。これにより、第2揺動部をある周波数で、所望の角度変化パターンに沿って揺動を行う場合に、制御における共振現象による揺動のむらを防止することができる、という利点を有する。
請求項6の光走査装置によれば、第1揺動部の揺動軸方向と第2揺動部の揺動軸方向は直交するようにした。これにより、互いに直交する方向の2次元光走査が可能となり、2次元の画像表示を行うことができる、という利点を有する。
請求項7の光走査装置によれば、支持部は保持部に嵌合するように連結されている。これにより、保持部及び第1揺動部の交換を容易に行うことができる、という利点を有する。
請求項8の光走査装置によれば、枠部はベース基板に固定されており、このベース基板は保持部の揺動を検出するための検出手段を備えている。これにより得られる揺動状態をフィードバックして制御を行うことで、保持部の揺動、即ち第2揺動部の揺動を高精度で制御することができる、という利点を有する。
請求項9の網膜走査型画像表示装置によれば、上記請求項1〜7のいずれかに記載の光走査装置を使用することにより、支持部において捻じれ振動による断線故障が発生し難いこと、及び、第1揺動部が故障した場合でも、支持部から保持部を取り外して交換して修理を行うことができるので、光装置全体を交換する必要がなく製造コストを低減することができるとともに、製品寿命を長くできる、という利点を有する。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る光走査装置1を表す外観図であり、図2は、中心線YY’を含む縦断面図である。
図1及び図2において、反射面が形成された振動ミラー部10と、この振動ミラー部10を保持する内側支持部9と、内側支持部9が固定されている内側枠部8と、この内側枠部8を固定して揺動空間を構成する台座部7により第1揺動部が構成されている。この第1揺動部には、図示しない圧電振動体が内側枠部8に固定されている。振動ミラー部10は、前記圧電振動体を駆動エネルギー源として、内側支持部9を揺動軸として、即ち中心線XX’を中心として揺動を行う。
また、第1揺動部を保持する保持部5と、保持部5を軸支する2つの支持部4a、4bと、これらの支持部4a、4bを支持する2つの枠部3a、3bと、保持部5の底部に設置されたマグネット6により第2揺動部が構成されている。更に、枠部3a、3bは絶縁体からなるベース基板2の上に離間して固定されている。ベース基板2の上であり、マグネット6の直下には、マグネット6に磁界に伴う力を作用させるための、電磁石として働く平面コイル11a、11bが形成されている。第2揺動部は、支持部4a、4bを揺動軸として、即ち中心線XX’と直交する中心線YY’を揺動軸として揺動を行う。従って、振動ミラー部10に入射して反射される反射光束は、振動ミラー部10により反射されて互いに直交する中心線YY’方向と中心線XX’方向に走査される。
支持部4a、4bは、金属からなり、弾性を有する棒状部材により構成されている。支持部4aの一端12aが接続される保持部5の側壁部には、6角形の凹部が形成されている。支持部4aの一端12aは、軸方向に対する断面がT字状であり、軸方向に対して直角方向の断面が6角形を有している。この一端12aに6角形状の支持部4aを保持部5の内側から外側に向けて挿入することにより、支持部4aの一端12aの6画形状と保持部5の側壁部の6角形の凹部とが嵌合して、支持部4a、4bと保持部5とが連結されている。従って、支持部4a、4bと保持部5とは取り外し可能に連結され、かつ保持部5と支持部4a、4bが実質一体的に回転する。
更に、前記弾性棒状部材からなる支持部4a、4bの他端19は枠部3a、3bの側壁に沿ってベース基板2を貫通している。従って、支持部4a、4bは保持部と枠部上端までの領域において、前記揺動軸周りのねじり運動に対し弾性を持つトーションバーとして働く。支持部4a、4bの他端19にはネジ溝が切ってあり、ナット20により固定されている。支持部4a、4bはナット20により支持部4a、4bの内部応力を調節することができる。従って、支持部4a、4bの他端19とナット20はトーションバーを構成する支持部4a、4bの内部応力調節部として機能する。また、光走査装置1を作成後に保持部5が水平となるようにセットする必要があるが、一度水平出しを行うことにより、使用時に都度水平出しを行う必要がなくなる。
ベース基板2及び保持部2は絶縁体からなる。そして、支持部4a、4bの他端19が貫通する貫通口及びその周辺には電極端子13a、13bが形成され、支持部4a、4bと電気的に導通している。ベース基板2上の電極13aは配線を介して電極端子15aに、電極13bは配線を介して電極端子15bにそれぞれ接続している。支持部4a、4bの一端12a、12bが嵌合する保持部5の側壁にはそれぞれ電極端子21a、21bが形成され、支持部4a、4bと導通している。更に、電極端子21a、21bは第1揺動部の振動ミラー部10を駆動するための図示しない駆動源に電気的に接続されている。従って、2つの電極端子15a、15bに第1揺動部を駆動するための電力を供給することにより、2つのトーションバーを構成する支持部4a、4bを介して振動ミラー部10を揺動させるための電力を供給することができる。
また、ベース基板2の上には平面コイル11a、11bが形成され、これらの平面コイル11a、11bに電力を供給するための電極端子16a、16b及び電極端子16c、16dが形成されている。電極端子16a、16b及び電極端子16c、16dに交番電流を与えることにより平面コイル11a、11bから誘導磁界が発生し、マグネット6にローレンツ力が働いて、保持部5は支持部4a、4b(YY’)を揺動軸として揺動を行う。
更に、一方の支持部4aの保持部5側には放射状にスリットが切られたスリット板17が設置され、ベース基板2にはこのスリット板17を挟むようにして発光ダイオード及び受光ダイオードから成る光検出部18が設置され、保持部5の揺動を検出するための検出手段を構成している。保持部5が支持部4a、4bを揺動軸として揺動を行うことにより、スリット板17の図示しないスリット部が発光ダイオードにより発光された光を遮断又は通過させ、この遮断又は通過した光を受光ダイオードにより検出して揺動の角速度及び角度情報を得る。第2揺動部の揺動を制御する制御回路はこの角速度及び角度データに基づき、第2揺動部の揺動をフィードバック制御する。
なお、上記実施の形態においては、トーションバーを構成する支持部4a、4bと保持部5の側壁部との連結を6角形の一端12aとこれに嵌合する凹部により行っているが、この形状に限定されず、例えば四角形や他の形状をすることができる。また、枠部3a、3bから成る板をベース基板2に立設して構成したが、これを保持部5を取り囲む形状としてもよい。また、保持部5の揺動を検出する検出手段としてスリット板17と光検出部18からなるエンコーダとしたが、これに代えて、ベース基板2の表面に平面コイルを形成し、保持部5の下部に設けたマグネット6の磁場変動を検出して揺動の角速度及び角度情報を得るようにしてもよい。また、支持部4a、4bとしてL字型部材に代えて一直線の棒状部材とすることができる。枠部3a、3bに貫通口を設け、棒状トーションバーの他端を貫通させて枠部3a、3bの側面から突出させ、突出した他端を枠部3a、3bに固定するようにしてもよい。この場合にも、固定部には棒状トーションバーの内部応力を調節する内部応力調節部を設ける。また、枠部3a、3bの貫通口及び貫通口近傍には電極を設けて棒状トーションバーと導通させ、棒状トーションバーを介して第1揺動部に揺動を発生させるための電力を供給することができるようにする。
また、上記実施の形態においては第1揺動部の揺動軸と第2揺動部の揺動軸が直交する場合であるが、これらは必ずしも直交する必要がない。第1揺動部と第2揺動部の揺動軸は、例えば平行であってもよいし、任意の角度に設定することができる。また、上記実施の形態において、保持部5に側壁を設けて第1揺動部を囲うように形成したが、側壁を設けない板状の保持部であってもよい。
図3は、本発明の光走査装置の他の実施の形態を表す断面図である。同一の部分又は同一の機能を有する部分は同一の符号を付した。図1及び図2と異なる部分は、支持部4a、4bが枠部3a、3bに設置したベアリング22a、22bにより回転自在に支持されている点である。また、ベアリング22a、22bがはめ込まれた枠部3a、3bのベアリング22a、22b近傍の枠部3a、3bの表面には電極端子13a、13bが形成され、金属からなる支持部4a、4bに導通する。これにより、支持部4a、4bを介して第1揺動部を駆動するための電力を供給することができる。支持部4a、4bを枠部3a、3bに対して回転自在に設置することにより、支持部4a、4bの他端20a、20bを固定して設置する場合と比較して、第2揺動部に基本的に共振振動が発生しない。従って、例えば保持部5を一定の角速度で揺動を行う場合などにおいて、駆動信号の共振周波数近傍の周波数成分を含むことにより発生する角速度の異常を防止することができる。なお、支持部4a、4bは図示しないeリングによって、揺動軸方向の運動が制限されている。
図4は、本発明の光走査装置1に使用される第1揺動部30の実施の形態を表す斜視図である。同一の部分及び同一の機能の部分には同一の部号を付した。
第1揺動部30は、反射面が形成された振動ミラー部10と、振動ミラー部10を軸支し、揺動軸をなす内側支持部9と、この内側支持部9を保持する梁部32と、梁部32を保持する内側枠部8と、内側枠部8を固定し、揺動空間を構成する台座部7と、梁部32と内側枠部8とに跨って接着固定されている圧電体31a、31b、31c、31dとを備えている。振動ミラー部10と、内側支持部9と、梁部32と内側枠部8とは、シリコン半導体基板により一体的に形成されている。圧電体31a〜31dの表面と裏面には電極が形成されている。圧電体31a及び圧電体31cの表面と裏面の電極間に交番電流を与える。同時に、圧電体31b及び圧電体31dの表面と裏面の電極間に上記交番電流と逆極性の交番電流を与える。これにより、梁部32に振動を伝達し、内側支持部9に捻じれ応力を生じさせて、振動ミラー部10を揺動させる。これにより、振動ミラー部10に入射して反射される反射光束を内側支持部9の揺動軸と直交する方向に走査する。
図5は、本発明の光走査装置1に使用される第1揺動部35の他の実施の形態を表す斜視図である。同一の部分及び同一の機能を表す部分には同一の符号を付した。
図4に示した第1揺動部30と異なる部分は、梁部が二股形状を有する点である。第1揺動部35は、振動ミラー部10と、内側支持部9と、二股に分岐する梁部32と、梁部32を保持する内側枠部8と内側枠部8を載置し、揺動空間を構成する内側枠部8と、梁部32と内側枠部8とに跨って接着固定されている圧電体31a、31b、31c、31dとから構成されている。圧電体31a〜31dの表面及び裏面には電極が形成され、更に内側枠部8の圧電体31a〜31dの下部にも電極33a〜33dが形成されている。圧電体31a〜31dは導電接着剤により電極33a〜33dに接着固定されている。圧電体31a及び圧電体31cの上面と下面の電極に交番電流を与える。同時に圧電体31b及び圧電体31dの上面と下面の電極に上記交番電流と逆極性の交番電流を与える。これにより、内側支持部9は捻じれ応力により揺動し、振動ミラー部10は揺動を行う。
図4及び図5に示した第1揺動部30、35は、駆動源としての圧電体31a〜31dにより揺動を行うが、これに限定されない。振動ミラー部10の底部に電極を設けて、静電気力により振動ミラー部10に揺動を発生させるようにしてもよい。また、振動ミラー部10の底部にマグネットを配置し、振動ミラー部10と対抗する面に平面コイルを形成して、磁気力により振動ミラー部10に揺動を発生させるようにしてもよいし、逆に振動ミラー部10の底部にコイルパタンを形成し、対向する面にマグネット配置してもよい。これらいずれの場合にも、振動ミラー部10は、支持部4a、4bを介して供給される電力により駆動される。
図6は、本発明に係る網膜走査型画像表示装置40を表すブロック図であり、上記光走査装置1を用いている。同一の部分又は同一の機能の部分には同一の符号を付した。
図6において、網膜走査型画像表示装置40は観察者の眼球58の網膜60上に映像を直接結像する。青色の光を発光するBレーザー47、緑色の光を発光するGレーザー48及び赤色に光を発光するRレーザー49から出射した映像光はコリメート光学系50により平行光となり、ダイクロイックミラー51により合成され、結合光学系52により集光されて光ファイバー59に入射される。光ファイバー59から出射した映像光は集光レンズ55を介して光走査装置1の振動ミラー部10に照射される。振動ミラー部10は2次元走査制御回路53により駆動されて揺動を行い、反射光束の水平走査及び垂直走査を行う。振動ミラー部10により走査された映像光は第2のリレー光学系63を介して眼球58の網膜60の上に結像される。
映像信号供給回路43は映像信号を入力して青(B)色、緑(G)色及び赤(R)色に対応する画像信号をBレーザー駆動回路44、Gレーザー駆動回路45及びRレーザー駆動回路46のそれぞれに出力する。Bレーザー47はBレーザー駆動回路44からの駆動信号に基づいて光強度が変調されたB色のレーザー光を出射する。Gレーザー48及びRレーザー49も同様に各画像信号に基づいて光強度が変調された各色のレーザー光を出射する。
映像信号供給回路43は画像信号に同期した同期信号を2次元走査制御回路53に出力する。水平同期信号回路41は2次元走査制御回路53に水平同期信号を出力し、垂直同期信号回路42は2次元走査制御回路53に垂直同期信号を出力する。2次元走査制御回路53は水平同期信号により光走査装置1の第1揺動部の揺動を制御する。この揺動は振動ミラー部10の共振振動に基づいている。2次元走査制御回路53は垂直同期信号により光走査装置1の第2揺動部の揺動を制御する。この揺動は、平面コイル11a、11b及びマグネット6の磁気力により光走査装置1の保持部5を揺動させ、この揺動をスリット板17及び光検出部18からなるエンコーダにより検出し、保持部5の傾き角の角速度が略一定となるようにフィードバック制御により行う。フォトセンサー56は2次元走査制御回路53により水平走査された光の一部を受光して電気信号に変換し、BD信号検出回路57に出力する。BD信号検出回路57は水平走査のタイミングを検出して映像信号供給回路43にタイミング信号を出力し、映像信号供給回路43は入力したタイミング信号により映像信号の開始タイミングを正確に決定する。
なお、図6においては光走査装置1を網膜走査型画像表示装置40に適用した例を説明したが、第2のリレー光学系63を投射レンズ系に変更し、眼球58に変えて投影スクリーンあるいは建物の壁などとすれば、投射型の光走査型表示装置とすることができる。図6の実施の形態においてはRGBフルカラーの表示装置であるが、例えば1色又は2色のレーザー光源を走査して大画面用の光走査型表示装置を得ることができる。
1 光走査装置
2 ベース板
3a、3b 枠部
4a、4b 支持部
5 保持部
6 マグネット
7 台座部
8 内側枠部
9 内側支持部
10 振動ミラー部
11a、11b 平面コイル
14 電極
13a、13b、15a、15b、16a、16b、16c、16d 電極端子
2 ベース板
3a、3b 枠部
4a、4b 支持部
5 保持部
6 マグネット
7 台座部
8 内側枠部
9 内側支持部
10 振動ミラー部
11a、11b 平面コイル
14 電極
13a、13b、15a、15b、16a、16b、16c、16d 電極端子
Claims (9)
- 振動ミラー部を備える第1揺動部と、前記第1揺動部を保持する保持部と、前記保持部を軸支し前記保持部の揺動軸をなす支持部と、前記支持部を支持する枠部と、を備える第2揺動部からなる光走査装置であって、
前記保持部と前記支持部とは別体に構成され、
前記支持部は導電性材料からなり、前記第1揺動部は前記支持部を介して供給される電力により駆動されることを特徴とする光走査装置。 - 前記第1揺動部と前記第2揺動部とは別体に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
- 前記支持部は弾性を有するトーションバーにより構成されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光走査装置。
- 前記枠部は前記支持部の内部応力を調節するための内部応力調節部を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光走査装置。
- 前記支持部は前記枠部に回転自在に支持されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光走査装置。
- 前記第1揺動部の揺動軸と前記第2揺動部の揺動軸とは互いに直交することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の光走査装置。
- 前記支持部は前記保持部に嵌合して連結されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の光走査装置。
- 前記枠部はベース基板に固定され、前記ベース基板は前記保持部の揺動を検出するための検出手段を備えていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の光走査装置。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の光走査装置を備え、画像信号に応じて変調された光束を前記光走査装置により走査して網膜上に投影表示する網膜走査型画像表示装置。
Priority Applications (1)
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JP2007028863A JP2008191619A (ja) | 2007-02-08 | 2007-02-08 | 光走査装置及び網膜走査型画像表示装置 |
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JP2016085299A (ja) * | 2014-10-23 | 2016-05-19 | スタンレー電気株式会社 | 二軸光偏向器及びその製造方法 |
WO2021145031A1 (ja) * | 2020-01-17 | 2021-07-22 | 浜松ホトニクス株式会社 | 光学ユニット、光学装置、及び、光学ユニットの製造方法 |
-
2007
- 2007-02-08 JP JP2007028863A patent/JP2008191619A/ja active Pending
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CN114930223A (zh) * | 2020-01-17 | 2022-08-19 | 浜松光子学株式会社 | 光学单元、光学装置和光学单元的制造方法 |
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