JP2008189311A - 車両用荷重受け物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】全体重量に対するエネルギー吸収量を増加させることができる車両用荷重受け物品を提供すること。
【解決手段】車両用荷重受け物品であって細長い形状となっているドアのインパクトビーム1の幅方向中央又は略中央には、***した***部2が形成され、この***部2の幅方向両側は底部3であって、これらの底部3の幅方向外側の端部は***部2と同じ側へ立ち上ったフランジ部4となっており、***部2の幅方向中央又は略中央には、***部2の***方向とは反対側へ窪んだ谷部5が設けられ、***部2と底部3とフランジ部4と谷部5は、インパクトビーム1の長さ方向の一端から他端まで連続して形成され、***部2の幅方向両側の起立部6は、荷重の作用方向Aと平行又は略平行となっている
【選択図】図3

Description

本発明は、荷重を受けるために車両に設けられる車両用荷重受け物品、及びその車両用荷重受け物品を製造するための方法、並びにその車両用荷重受け物品を製造するための装置に関し、例えば、ドアのインパクトビームや、バンパービーム等の車両用荷重受け物品に利用できるものである。
四輪車両の側面に設けられるドアには、従来より、側面衝突による荷重を受けるためのインパクトビームが配置され、車両用荷重受け物品となっていて、長さ方向が車両前後方向となって配置されるこのインパクトビームにより、側面衝突に対するドア全体の耐力を向上させることが行われている。
このようなインパクトビームの従来例として、長さ方向と直交する断面の形状が、ハット形状のように、一方の端部と他方の端部とが接続されていないために開いているオープン形状になっているもの(例えば、下記の特許文献1)と、長さ方向と直交する断面の形状が、パイプのように、一方の端部と他方の端部とが接続されているために閉じているクローズ形状になっているもの(例えば、特許文献2)と、がある。
これらのインパクトビームは、側面衝突による荷重の作用方向と平行する成分を有して他の部分から起立している起立部を備え、この起立部は、荷重の作用方向と直角をなす成分を有する方向となっている車両前後方向への長さを有しており、また、長さ方向における起立部の任意な一部と、この一部と長さ方向の同じ箇所における上記他の部分とは、同じ厚さになっている。
特開平10−166860(図1及び図2) 特開平11−129756(図1、図3及び図5)
近年、車両の燃費を向上させるために、車両を構成する部材の重量を軽くし、これにより車両全体を軽量化することが求められるようになっている。このような要望に応えるためには、インパクトビーム等の車両用荷重受け物品の重量も軽量化しなければならないが、この軽量化は、衝突荷重等の荷重を受けたときに吸収できるエネルギー吸収量を低減することなく実現できるものでなければならず、車両用荷重受け物品の全体重量に対するエネルギー吸収量を増加させることが求められる。従来技術の車両用荷重受け物品は、このように全体重量に対するエネルギー吸収量を増加させるという観点で設計、製造されていなかった。
本発明の目的は、全体重量に対するエネルギー吸収量を増加させることができる車両用荷重受け物品、及びその製造方法、並びにその製造装置を提供するところにある。
本発明に係る車両用荷重受け物品は、荷重の作用方向と平行する成分を有して他の部分から起立している起立部を備え、この起立部が前記荷重の作用方向と直角をなす成分を有する方向への長さを有している車両用荷重受け物品において、前記起立部の長さ方向における少なくとも一部が、この少なくとも一部と前記長さ方向の同じ箇所における前記他の部分よりも厚さが大きい厚肉部となっていることを特徴とするものである。
この車両用荷重受け物品によると、起立部は、荷重の作用方向と平行する成分を有して他の部分から起立しているとともに、この起立部の長さ方向における少なくとも一部が、この少なくとも一部と前記長さ方向の同じ箇所における前記他の部分よりも厚さが大きい厚肉部となっているため、車両用荷重受け物品が荷重を受けたときにおける変形に対する起立部の耐力が、起立部が厚肉部となっていない場合と比較して大きくなっている。
このため、荷重を受けることにより車両用荷重受け物品に撓みが生じた場合において、起立部が大きく変形して座屈状態になるまでの撓み量を大きくでき、これにより、衝突荷重等の荷重を受けたときに吸収できるエネルギー吸収量を大きくできる。
言い換えると、本発明では、エネルギー吸収量に貢献する起立部の厚さが車両用荷重受け物品の他の部分よりも大きくなっており、荷重を受けたために車両用荷重受け物品が撓み始めたとき、この撓み量が大きくなるまで、起立部は大きく変形して座屈状態になることはない。このため、起立部と他の部分とが同じ厚さになっていて、本発明に係る車両用荷重受け物品と同じ重量となっている車両用荷重受け物品と比較した場合には、エネルギー吸収量を大きくできる。あるいは、起立部と他の部分とが同じ厚さになっていて、本発明に係る車両用荷重受け物品よりも大きい重量を有している車両用荷重受け物品と比較した場合には、エネルギー吸収量を同じ又は大きくできる。
したがって、本発明によると、従来よりも車両用荷重受け物品の全体重量に対するエネルギー吸収量を増加させることができ、車両用荷重受け物品の軽量化とエネルギー吸収量の増大という互いに相反する2つの課題を解決することもできる。
以上の本発明に係る車両用荷重受け物品において、厚肉部の個数は、1個でもよく、厚肉部の厚さ方向に離れた複数個でもよい。すなわち、後者の場合には、前記起立部は、この起立部の厚さ方向に離れた複数個設けられ、これらの起立部の全部又はこれらの起立部のうちの複数個について、厚肉部が設けられる。
厚肉部の個数が、この厚肉部の厚さ方向に離れた複数個になっていると、それだけ起立部の変形に対する耐力が向上するため、エネルギー吸収量を一層増大させることができる。
また、車両用荷重受け物品が長さ方向に離れた複数箇所で車体又は車体構成部材に取り付けられる場合には、互いに隣接する2つの取付箇所の間の中央部分又は略中央部分を厚肉部とすることが好ましい。これによると、車両用荷重受け物品が荷重を受けたときの曲げモーメントが最大となる部分を厚肉部とすることができる。また、厚肉部は起立部の長さ方向の一部だけとなるため、それだけ車両用荷重受け物品の全体重量を軽量化できる。
このように、互いに隣接する2つの取付箇所の間の中央部分又は略中央部分を厚肉部とする場合であって、取付箇所が3個以上ある場合には、それぞれの中央部分又は略中央部分を厚肉部としてもよく、特定の中央部分又は略中央部分だけを厚肉部としてもよい。
また、厚肉部が、この厚肉部の厚さ方向に離れた複数個設けられ、かつ、車両用荷重受け物品が長さ方向に離れた複数箇所で車体又は車体構成部材に取り付けられ、互いに隣接する2つの取付箇所の間の中央部分又は略中央部分が厚肉部となっている場合には、複数個の厚肉部のうち、少なくとも互いに隣接している2個の厚肉部をこれらの厚肉部の起立方向の端部において連結し、これらの厚肉部が設けられている前記長さ方向の部分についての厚肉部の厚さ方向の寸法を、厚肉部となっていない前記長さ方向の部分についての前記厚肉部の厚さ方向の寸法よりも大きくすることが好ましい。
これによると、車両用荷重受け物品が荷重を受けたときの曲げモーメントが最大となる部分での断面係数を大きくでき、曲げモーメントに有効に対処できることになる。
なお、車両用荷重受け物品における車体又は車体構成部材に取り付けられる部分は、ブラケット部材のように、車両用荷重受け物品とは別に生産され、車両用荷重受け物品とスポット溶接やボルト、ナット等の結合具で結合される部材となっていてもよく、あるいは、車両用荷重受け物品の一部となっていて、車両用荷重受け物品の本体と一体に形成されるものとなっていてもよい。
本発明に係る車両用荷重受け物品の製造方法は、荷重の作用方向と平行する成分を有して他の部分から起立している起立部を備え、この起立部が前記荷重の作用方向と直角をなす成分を有する方向への長さを有しており、前記起立部の長さ方向における少なくとも一部が、この少なくとも一部と前記長さ方向の同じ箇所における前記他の部分よりも厚さが大きい厚肉部となっている車両用荷重受け物品を製造するための方法であって、板材における前記厚肉部となるべき部分をこの厚肉部の厚さ方向に湾曲突出した湾曲部に形成するための湾曲部形成工程と、この湾曲部形成工程の後に実施され、前記湾曲部の湾曲突出側の面を湾曲突出側とは反対側へ加圧することにより、この湾曲部を、直線的又は略直線的な形状となっていて増肉された厚さとなっている厚肉部へと変形させるための増肉工程と、を有することを特徴するものである。
この製造方法によると、湾曲部を直線的又は略直線的な形状に変形させるときに寸法が短縮されるため、この短縮した寸法分だけ厚さが増加することになり、これにより、増肉された厚肉部を得ることができる。
このように、湾曲部を直線的又は略直線的な形状に変形させることによって増肉された厚肉部を得るための増肉工程は、1回だけ実施してもよく、複数回実施してもよい。
増肉工程を複数回実施する車両用荷重受け物品の製造方法は、第1回目増肉工程となっている上記増肉工程の後に実施され、この第1回目増肉工程で得られた前記厚肉部を、前記増肉された厚さと同じ又は略同じ厚さを維持しながら起立部となるべき部分の起立方向の寸法を小さくすることにより、湾曲させるための湾曲工程と、この湾曲工程の後に実施され、湾曲された前記厚肉部の湾曲突出側の面を湾曲突出側とは反対側へ加圧することにより、この厚肉部を直線的又は略直線的な形状にしてさらに増肉させるための第2回目増肉工程と、を有するものとなる。
増肉工程を複数回行うと、厚肉部の厚さをその回数に応じた分だけ増加させることができる。
以上の製造方法において、前記湾曲突出側の面を湾曲突出側とは反対側へ加圧することは、プレス型によるプレス力により行ってもよく、袋内に封入された液体による液圧力により行ってもよく、弾性変形自在な弾性部材による弾性力により行ってもよい。
また、本発明に係る車両用荷重受け物品の製造方法は、荷重の作用方向と平行する成分を有して他の部分から起立している起立部を備え、この起立部が前記荷重の作用方向と直角をなす成分を有する方向への長さを有しており、前記起立部の長さ方向における少なくとも一部が、この少なくとも一部と前記長さ方向の同じ箇所における前記他の部分よりも厚さが大きい厚肉部となっている車両用荷重受け物品を製造するための方法であって、板材における前記厚肉部となるべき部分に他の板材を接合することにより、この部分の厚さを前記他の部分となるべき部分の厚さよりも大きくするための増厚工程と、この増厚工程の後に実施され、前記他の板材を含めて前記板材をプレス成形することにより、厚さの大きい前記部分を前記厚肉部とするためのプレス成形工程と、を有することを特徴するものである。
この製造方法によると、板材における厚肉部となるべき部分に他の板材を接合するという簡単な作業によって実質的に厚肉部と同じ厚さとなった部分を設けることができ、この後は、前記他の板材を含めて前記板材をプレス成形すればよいため、製造作業の容易化と製造作業効率の向上を達成できる。
さらに、本発明に係る車両用荷重受け物品の製造方法は、荷重の作用方向と平行する成分を有して他の部分から起立している起立部を備え、この起立部が前記荷重の作用方向と直角をなす成分を有する方向への長さを有しており、前記起立部の長さ方向の全部が、前記他の部分よりも厚さが大きい厚肉部となっている車両用荷重受け物品を製造する方法であって、板材をロールフォーミング成形することにより、この板材の幅方向の一部に前記厚肉部となるべき厚さの大きい部分を形成するためのロールフォーミング成形工程と、このロールフォーミング成形工程の後に実施され、前記板材をプレス成形することにより厚さの大きい前記部分を前記厚肉部とするためのプレス成形工程と、を有することを特徴するものである。
この製造方法では、板材をロールフォーミング成形することによってこの板材の幅方向の一部に厚肉部となるべき厚さの大きい部分を形成するため、この製造方法は、厚肉部が起立部の長さ方向全長に亘って設けられる場合に好適である。そして、車両用荷重受け物品の材料となる板材は、連続的にロールフォーミング成形されるコイル材であるため、ロールフォーミング成形後のコイル材を所定長さ寸法に切断することにより、多数の車両用荷重受け物品をプレス成形で生産するための多数の材料を容易に得られる。
本発明に係る車両用荷重受け物品の製造装置は、荷重の作用方向と平行する成分を有して他の部分から起立している起立部を備え、この起立部が前記荷重の作用方向と直角をなす成分を有する方向への長さを有しており、前記起立部の長さ方向における少なくとも一部が、この少なくとも一部と前記長さ方向の同じ箇所における前記他の部分よりも厚さが大きい厚肉部となっている車両用荷重受け物品を製造するための装置であって、前記他の部分となるべき部分を挟着する挟着部材と、前記厚肉部となるべき部分であって前記厚肉部の厚さ方向に湾曲突出している湾曲部を、この湾曲部の湾曲突出側の面を湾曲突出側とは反対側へ加圧することにより、直線的又は略直線的な形状となっていて増肉された厚さとなっている前記厚肉部へと変形させるための加圧部材と、を備えていることを特徴とするものである。
この製造装置によると、増肉されない前記他の部分となるべき部分は挟着部材で挟着されて不動となっており、増肉されて厚肉部となるべき湾曲部は、加圧部材によって湾曲突出側の面を湾曲突出側とは反対側へ加圧されるため、この湾曲部は圧縮されながら直線的又は略直線的な形状へ変形し、この圧縮によって増肉された厚肉部を形成できることになる。
この製造装置における加圧部材は、プレス型でもよく、袋内に封入された液体でもよく、弾性変形自在な弾性部材でもよい。
また、以上説明した本発明は、任意な車両用荷重受け物品に適用でき、その代表的な例はドアのインパクトビームであり、他の例は、バンパービームである。これに以外に、本発明は、センターピラーや、フロアパネルに配置されるサイドシル等にも適用できる。本発明がバンパービームに適用される場合には、このバンパービームは、フロントバンパービームでもよく、リヤバンパービームでもよい。
さらに、本発明は、長さ方向と直交する断面の形状が、一方の端部と他方の端部とが接続されていないために開いているオープン形状になっている車両用荷重受け物品と、一方の端部と他方の端部とが接続されているために閉じているクローズ形状になっている車両用荷重受け物品との両方に適用できる。クローズ形状は、四角形等の多角形状でもよく、円形でもよく、長円形でもよく、楕円形でもよく、任意である。
また、本発明に係る車両用荷重受け物品の材料は、高張力鋼の鋼板でもよく、高張力鋼よりも引っ張り強さが小さい鋼板でもよい。
また、所定値以上の硬度が一部又は全体に必要な車両用荷重受け物品については、高周波誘導電流、ガス火炎、レーザー等によって高温に加熱した後に急冷することにより、焼入れ処理を行ってもよい。さらに、焼入れ処理は、材料から所定形状となった車両用荷重受け物品が形成された後に行ってもよく、所定形状の車両用荷重受け物品が形成される前の材料のときに行ってもよい。また、プレス成形される車両用荷重受け物品については、高温に加熱された材料をプレス成形するときに急冷してもよく、高温への加熱と急冷とをプレス成形するときに行ってもよい。すなわち、ホットプレスによる焼入れ処理を行ってもよい。
本発明によると、車両用荷重受け物品の全体重量に対するエネルギー吸収量を増加させることができるという効果を得られる。
以下に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。本実施形態に係る車両用荷重受け物品は、四輪車両の側面のドアに配置されるインパクトビームである。
図1には、このインパクトビーム1が示されている。インパクトビーム1は、車両内側のインナーパネル10と、スキンパネルとも称される車両外側のアウターパネルとを含んで形成されるドアにおけるこれらのインナーパネル10とアウターパネルとの間に配置され、図1には、インパクトビーム1とインナーパネル10が示されている。鋼板を材料として形成されているインパクトビーム1は、インナーパネル10に車両前後方向となっている長さ方向の両端の2箇所、又は一方の端部と他方の端部の近傍との2箇所で取り付けられ、この取り付けは、インパクトビーム1に結合されたブラケット部材11,12をインナーパネル10にスポット溶接で接合することよりなされる。
図2には、インナーパネル10に取り付けられる前であって、ブラケット部材11,12を除いたインパクトビーム1の全体が斜視図として示されている。図3には、図2のS3−S3断面図が、図4には、図2のS4−S4断面図が、図5には、図2のS5−S5断面図が、それぞれ示されている。これらの図で示されているように、車両前後方向に延びる細長い形状となっているインパクトビーム1の幅方向中央又は略中央には、***した***部2が形成され、この***部2の幅方向両側は底部3となっており、これらの底部3の幅方向外側の端部は、***部2と同じ側へ立ち上ったフランジ部4となっている。また、***部2の幅方向中央又は略中央には、***部2の***方向とは反対側へ窪んだ谷部5が設けられている。
これらの***部2、底部3、フランジ部4及び谷部5は、図2で示されているとおり、インパクトビーム1の長さ方向の一端から他端まで連続して形成されている。また、長さ方向と直交するインパクトビーム1の断面を示している図3〜図5のとおり、インパクトビーム1は、幅方向の一方の端部と他方の端部とが接続されていないために開いているオープン断面の形状を有している。
図1に示すとおり、ブラケット部材11,12を介したインパクトビーム1のインナーパネル10への取り付けは、***部2を車両外側に向けて行われる。このため、ドアに側面衝突の荷重が作用したときにおけるこの荷重の作用方向は、図3で示すA方向である。したがって、***部2の幅方向両側の面は、荷重の作用方向Aと平行する成分を有して底部3から起立した起立部6となっており、図面で示された実施形態では、これらの起立部6は、底部3から直線的又は略直線的に起立していて、荷重の作用方向Aと平行又は略平行となっている。
図3で示すように、インパクトビーム1の長さ方向の中央又は略中央におけるインパクトビーム1の幅寸法はW1であり、図4で示すように、インパクトビーム1の長さ方向の中央又は略中央から長さ方向の一方の端部に少し寄った箇所におけるインパクトビーム1の幅寸法はW2であり、図5で示すように、インパクトビーム1の長さ方向の中央又は略中央からさらに長さ方向の一方の端部に寄った箇所におけるインパクトビーム1の幅寸法はW3である。W3よりもW2は大きく、W2よりもW1は大きい。このように、インパクトビーム1の幅寸法は、このインパクトビーム1の長さ方向の中央又は略中央において最も大きくなっており、そして中央又は略中央から長さ方向の両端に向かって幅寸法は次第に小さくなり、中央又は略中央から所定距離離れた箇所からは、最小の幅寸法が長さ方向の両端まで連続している。
このため、インパクトビーム1の幅方向両側に2個ある底部3の間隔、2個あるフランジ部4の間隔、2個ある起立部6の間隔は、インパクトビーム1の長さ方向中央又は略中央で最大となっているとともに、これらの間隔は、インパクトビーム1の長さ方向中央又は略中央からインパクトビーム1の両端に向かって次第に小さくなり、このように間隔が次第に小さくなることは、長さ方向の両端から中央又は略中央に向かって一定距離にある箇所まで続いている。
また、2個の起立部6が互いに連結されている部分である谷部5の幅寸法も、インパクトビーム1の幅寸法と同様に、インパクトビーム1の長さ方向に変化しており、谷部5の深さも、インパクトビーム1の長さ方向の中央又は略中央で最大であり、この深さは、インパクトビーム1の長さ方向中央又は略中央からインパクトビーム1の両端に向かって次第に小さくなり、このように深さが次第に小さくなることは、長さ方向の両端から中央又は略中央に向かって一定距離にある箇所まで続いている。
そして、前述したように、インパクトビーム1はドアに車両前後方向を長さ方向として配置されるため、インパクトビーム1の幅方向に2個ある起立部6は、ドアに直角又は角度をなして作用する側面衝突荷重の作用方向Aと直角をなす成分を有する方向への長さを有しており、側面衝突荷重がドアに直角に作用したとには、それぞれの起立部6は、インパクトビーム1の長さ方向の中央部分又は略中央部分の湾曲した部分を有しながらも、この荷重の作用方向Aと直角又は略直角をなす方向に延びる長さを有していることになる。
また、インパクトビーム1の全長に亘って延びているそれぞれの起立部6には、起立部6が起立している底部3よりも厚さが大きくなっている厚肉部6Aが、インパクトビーム1の長さ方向の中央又は略中央を含む起立部の長さ方向の一部に設けられている。この厚肉部6Aの範囲は、図2の2点鎖線Bで示された範囲である。この厚肉部6Aの厚さは、フランジ部4及び谷部5の厚さよりも大きく、また、フランジ部4及び谷部5の厚さは、厚肉部6Aを除くインパクトビーム1の各部分の厚さと同じである。言い換えると、底部3の厚さと、フランジ部4の厚さと、谷部5の厚さと、厚肉部6Aとなってない起立部6の各部分の厚さは、同じであり、厚肉部6Aの厚さと、この厚肉部6Aとインパクトビーム1の長さ方向の同じ箇所における底部3、フランジ部4、谷部5の厚さとを比較した場合、厚肉部6Aの厚さが大きい。
厚肉部6Aを備えたインパクトビーム1を図6で示された板材20から形成するための各作業工程は、図7、図9、図10、図11の順序で実施され、図8には、図9の作業工程で用いられるプレスダイセットが示されている。
先ず、図7で示されているように、プレス装置に装着された上型30と下型31により板材20をプレス成形する。この板材20は、厚肉部6Aを除くインパクトビーム1の各部分と同じ厚さ又はこれよりも若干大きい厚さを有しており、プレス成形は板材20の厚さを維持又は若干小さくしながら行われる。このプレス成形により、板材20は、おおむね前記***部2と類似した部分を有する形状に形成されるとともに、厚肉部6Aとなるべき部分は、厚肉部6Aの厚さ方向外向きに湾曲突出した湾曲部21とされる。したがって、図7で示された作業工程は、板材20に湾曲部21を形成するための湾曲部形成工程である。
次いで、板材20は図8で示すプレスダイセット40を用いてプレスされる。このプレスダイセット40は、上下動する上型41と、下型42と、下型42側に配置され、ばね等の弾性部材43A,44Aで上向きに弾性付勢されているブランクホルダー43,44とを備えている。また、上型41と下型42における湾曲部21と対応する部分は、直線的又は略直線な成形部41A,42Aとなっている。上型41と下型42が型合せされたときにこれらの成形部41Aと42Aとの間にできる隙間の容量は、湾曲部21の体積と同じに設定されている。
図9は、上型41が下降して上型41と下型42で板材20がプレスされたときを示している。上型41が下降する途中において、図8で示されたブランクホルダー43と上型41とによって板材20における谷部5となるべき部分22が挟着され、ブランクホルダー44と上型41とによって板材20における底部3とフランジ部4とになるべき部分23が挟着される。このように、ブランクホルダー43,44が、上型41と共に板材20の所定部分22,23を挟着してこれらの部分22,23を不動とする挟着部材となりながら、図9で示すように、板材20の湾曲部21が成形部41A,42Aで成形される。
この成形により、上型41の成形部41Aは、湾曲部21の湾曲突出側の面を下型42の成形部42A側へ加圧し、これらの成形部41Aと42Aにより、湾曲部21は直線的又は略直線的な形状の部分24へと変形する。この変形により、部分24は湾曲部21よりも寸法が短くなる分だけ圧縮されるため、この圧縮された後の部分24は、板材20の本来の厚さよりも増肉されて厚さが大きくなった厚肉部となる。
このため、図9で示された作業工程は、厚肉部24を増肉によって得るための増肉工程となっている。
この後、図10の作業工程が実施される。この作業工程では、上型51と、下型52と、ブランクホルダー53,54とを備えるプレスダイセット50が用いられる。上側51の成形部51Aと下型52の成形部52Aは湾曲しているとともに、これらの成形部51A,52Aの上下寸法は厚肉部24の上下寸法よりも小さい。上型51の下降により、板材20における谷部5となるべき部分22が上型51とブランクホルダー53とで挟着され、底部3とフランジ部4とになるべき部分23が上型51とブランクホルダー54とで挟着された後、上型51で板材20は下型52側へ加圧され、これにより、前記起立部6となるべき部分である厚肉部24の起立方向の寸法が小さくなる。この寸法短縮作業は、上側51の成形部51Aと下型52の成形部52Aとにより、厚肉部24の厚さを同じ又は略同じに維持しながら、厚肉部24を、この厚肉部24の厚さ方向外向きに湾曲突出した湾曲部25に変形させて行われる。
このため、図10の作業工程は、湾曲部25を得るための湾曲工程になっている。
次いで、図11の作業工程が実施される。この作業工程では、上型61と、下型62と、ブランクホルダー63,64を備えるプレスダイセット60が用いられる。上型61の成形部61Aと下型62の成形部62Aは、直線的又は略直線的な形状となっている。上型61の下降により、板材20における谷部5となるべき部分22が上型61とブランクホルダー63とで挟着され、底部3とフランジ部4とになるべき部分23が上型61とブランクホルダー64とで挟着された後、湾曲部25は、上型61の成形部61Aと下型62の成形部62Aとより直線又は略直線な形状に成形される。
すなわち、この作業工程でも、湾曲部25は、湾曲突出側の面が上型61の成形部61Aで下型62の成形部62A側に加圧され、この結果、湾曲部25は直線的又は略直線的な形状の部分26へと変形し、この変形により、部分26は湾曲部25よりも寸法が短くなる分だけ圧縮される。この圧縮により、部分26はさらに増肉された厚肉部となる。
このため、図11示された作業工程は、さらに増肉された厚肉部26を得るための第2回目増肉工程となっている。
この後、以上のように成形された板材20について、2個の厚肉部26における部分23側の端部の間隔を小さくするプレス成形や、部分23を折り曲げ加工することによって部分23を底部3とフランジ部4とにするプレス成形、さらには、板材20の全体をトリミング加工する等の所要の作業を行うことにより、板材20から図2で示したインパクトビーム1が製造される。このインパクトビーム1は、硬度が必要とされる全体又は一部について高周波誘導電流等による高温加熱と急冷によって焼入れ処理される。
以上述べたようにプレス成形によって板材20からインパクトビーム1を製造する作業は、それぞれのプレス成形作業ごとに用意されたプレス装置で行ってもよく、トランスファプレス装置によって一連の作業として行ってもよい。
図12は、インパクトビームの長さ方向の両端を支持し、インパクトビームの長さ方向の中央部に荷重を作用させることによってその中央部に撓み量を生じさせたときのグラフであり、縦軸は荷重の大きさで、横軸は撓み量の大きさである。シミュレーションによって得たこのグラフにおいて、実線Cと破線Dは、同じ材料により厚さを除いて同じ寸法及び形状に形成された2個のインパクトビームについて示している。実線Cは、図2〜図5で示したように起立部6の一部が厚肉部6Aとなっていて、全体重量が1365.15グラムとなっているインパクトビームの場合であり、破線Dは、全体が同じ厚さとなっていて、全体重量が1429.30グラムとなっているインパクトビームの場合である。実線Cのインパクトビームの重量は、破線Dのインパクトビームよりも4.5%軽量である。
なお、実線Cのインパクトビームの厚肉部6Aの厚さは1.65mmであって、他の部分の厚さは1.5mmである。また、破線Dのインパクトビームの厚さは1.6mmである。
図12のグラフから分かるように、両方のインパクトビームが支持できる最大荷重は殆ど同じであるが、この最大荷重に達するまでの撓み量は、実線Cのインパクトビームの方が破線Dのインパクトビームよりも大きい。このことは、荷重によってインパクトビームが撓み変形しているときにおいて、荷重の増大のために起立部6が大きく変形して図13で示す座屈状態になるまでの撓み量を、破線Dのインパクトビームよりも実線Cのインパクトビームについて大きくできることを意味している。このように最大荷重時における実線Cのインパクトビームの撓み量が大きくなっている理由は、破線Dのインパクトビームの起立部の厚さよりも実線Cのインパクトビームの起立部の厚さが大きくなっているからである。
また、図12のグラフにおいて、実線Cと横軸とで囲まれた面積は、実線Cのインパクトビームが撓むことによってこのインパクトビームが吸収するエネルギー量を表し、また、破線Dと横軸とで囲まれた面積は、破線Dのインパクトビームが撓むことによってこのインパクトビームが吸収するエネルギー量を表している。実線Cのインパクトビームの方が破線Dのインパクトビームよりもエネルギー吸収量が大きくなっている。
以上のように、本実施形態のインパクトビーム1では、エネルギー吸収量に貢献する起立部6に厚肉部6Aが設けられているため、荷重を受けたインパクトビーム1が撓んだ場合において、この撓み量が大きくなるまで、起立部6は大きく変形して座屈状態になることはない。このため、本実施形態のインパクトビーム1よりも全体重量が4.5%も重くなっていて起立部と他の部分とが同じ厚さになっているインパクトビームと比較した場合に、エネルギー吸収量を大きくできる。
したがって、本実施形態によると、インパクトビーム1の軽量化を図りながらも、側面衝突時における大きなエネルギー吸収量を確保でき、インパクトビームの全体重量に対するエネルギー吸収量を増加させることができる。
また、厚肉部6Aは、インパクトビーム1の長さ方向の一部である中央部分又は略中央部分だけに設けられているため、この点でもインパクトビーム1を軽量化できる。また、この中央部分又は略中央部分は、図1で示したブラケット部材11,12でドアのインナーパネル10に取り付けられるインパクトビーム1が受ける側面衝突荷重によって起立部6を座屈させようとする大きな曲げモーメントによる圧縮応力が生ずる箇所であるため、インパクトビーム1の軽量化を図りつつ、エネルギー吸収量の増大を有効に達成できる。
また、この実施形態によると、厚肉部6Aの個数は、厚肉部6Aの厚さ方向に離れた2個となっているため、この点でもエネルギー吸収量の増大が図られている。
さらに、2個の厚肉部6A同士は、厚肉部6Aの起立方向の端部において谷部5で連結され、しかも、これらの厚肉部6Aが設けられているインパクトビーム1の長さ方向の中央又は略中央についての厚肉部6Aの厚さ方向の寸法は、言い換えると、図3で示した幅寸法W1は、インパクトビーム1の長さ方向の他の部分についての幅寸法よりも大きいため、インパクトビーム1が荷重を受けたときの曲げモーメントが最大となる部分での断面係数を大きくできる。これにより、起立部6が座屈する撓み量までインパクトビーム1が撓むときの最大荷重を増大させることができる。
図9と図11の作業工程において、湾曲部21,25の湾曲突出側の面をこの湾曲突出側とは反対側へ加圧することにより湾曲部21,25を厚肉部24,26とする加圧部材は、湾曲部21,25にプレス力を作用させるプレス型となっている上型41,61であったが、図14及び図15は、加圧部材を別の部材とした実施形態を示す。
図14の加圧部材は、袋70の内部に封入された水、油等の液体71である。シリンダ等の駆動手段で下方へ移動する駆動カム72により、スライドカム73はスライドして液体71を加圧し、この液体71の液圧力が袋70を介して湾曲部21,25に作用する。これにより、湾曲部21,25は、型74に直線的又は略直線的に形成されている成形部74Aに押し付けられて厚肉部24,26となる。このときの液体71は、湾曲部21,25が直線的又は略直線的な厚肉部24,26へ変形するに伴い、自由に倣い変形する。
図15の加圧部材は、シリコンゴム等で形成された弾性変形自在な弾性部材75である。駆動カム72が下方へ移動すると、スライドするスライドカム73によって弾性部材75が加圧され、この弾性部材75の弾性力で湾曲部21,25が型74の成形部74Aに押し付けられることにより、湾曲部21,25は厚肉部24,26となる。このときの弾性部材75は、倣い弾性変形する、
これらの実施形態において、液体71、弾性部材75には、型74と共に板材20の前述した部分22,23を挟着するための挟着部分が設けられている。このような挟着部分は、型等による部材としてもよい。
以上の実施形態における車両用荷重受け物品はドアのインパクトビームであったが、図16の実施形態で示した車両用荷重受け物品は、フロントバンパービーム81である。このフロントバンパービーム81には、FF(フロントエンジン、フロントドライブ)やFR(フロントエンジン、リヤドライブ)の四輪車両におけるエンジンルーム等の運転席前方の車両内空間に配置される左右一対のフロントサイドフレーム82の先端が結合される。前方であるA方向からの衝突荷重を受けるフロントバンパービーム81は、鉛直方向を幅方向とするウェブ部81Aと、このウェブ81Aの上下端から後方へ延びる上下のフランジ部81B,81Cとからなるチャンネル形状となっている。フランジ部81B,81Cは、荷重の作用方向Aと平行又は略平行になっているとともに、ウェブ部81Aと同じく、A方向と直角をなす成分を有して左右方向へ延びる長さを備えている。
ウェブ部81Aから後方へ起立した起立部であるフランジ部81B,81Cは、ウェブ部81Aよりも大きい厚さの厚肉部となっている。このため、前述した実施形態のインパクトビーム1と同じく、フロントバンパービーム81は、軽量化が図られながらも、衝突荷重のエネルギー吸収量が増大されたものとなっている。
この実施形態において、フランジ部81B,81Cの長さ方向の全長を厚肉部としてもよく、2箇所あるフロントサイドフレーム82との結合箇所の間、言い換えると、2箇所ある車体との結合箇所の間の中央部分又は略中央部分のみを厚肉部としてもよい。
図17は、車両用荷重受け物品の材料である板材90の一部に厚肉部90Aを設けるための別実施形態を示す。この実施形態では、板材90の厚肉部90Aとなるべき一部に補助板材91をスポット溶接又はレーザー溶接等で接合する。これにより、板材90の一部は増厚され、この増厚作業工程の後、補助板材91を含めて板材90をプレス成形することにより、一部に厚肉部が設けられた所定形状の車両用荷重受け物品を製造する。
図18〜図20は、ロールフォーミング成形工程により、車両用荷重受け物品の材料である板材の幅方向の一部に厚肉部を設ける実施形態を示す。ロールフォーミング成形工程は、図18で示すロールフォーミング成形装置101を用いてなされ、この装置101は、車両用荷重受け物品の材料の板材であるコイル材100を繰り出すアンコイラー102と、コイル材100の送り出し方向に複数個並べられた成形ローラ装置103とを有する。それぞれの成形ローラ装置103は、上下からコイル材100を加圧する一対のローラ104,105を備えている。
図19は、成形ローラ装置103で成形される前のコイル材100の断面を示す図18のS19−S19線断面図で、図20は、それぞれの成形ローラ装置103で成形された後のコイル材100の断面を示す図18のS20−S20線断面図である。図20で示されているように、ロールフォーミング成形後のコイル材100の幅方向の一部には、増肉された厚肉部100Aが形成されている。
このコイル材100を所定の長さ寸法に切断することにより、車両用荷重受け物品となる所定長さの板材が生産され、この板材を所定形状にプレス成形することにより、一部が厚肉部となった車両用荷重受け物品を製造する。
この実施形態は、幅方向の一部に設けられる厚肉部が長さ方向の全長に亘って連続している車両用荷重受け物品を製造する場合に適している。また、車両用荷重受け物品の材料となる所定長さの板材は、ロールフォーミング成形されたコイル材100を所定の長さ寸法に切断することによって多数の生産できるため、この板材を効率的に生産できる。
以上説明したそれぞれの実施形態の車両用荷重受け物品は、長さ方向と直交する断面の形状が、一方の端部と他方の端部とが接続されていないために開いているオープン形状になっているものであったが、図21で示した車両用荷重受け物品111は、長さ方向と直交する断面の形状が、一方の端部と他方の端部とが接続されているために閉じているクローズ形状になっているものである。具体的には、この車両用荷重受け物品111は、荷重の作用方向Aと平行又は略平行になっている2つの辺112,113と、A方向と直角又は略直角になっている2つの辺114,115とにより、長さ方向と直交する断面の形状が四角形になっているものであり、一方の端部111Aと他方の端部111Bとが溶接部116で溶接されている。
4つの辺112〜115のうち、辺114,115から起立した起立部となっている辺112,113は、厚さが大きい厚肉部となっている。このため、車両用荷重受け物品111がA方向の荷重を受けて撓んだときのエネルギー吸収量が大きくなっているとともに、このエネルギー吸収量の増大は、辺114,115の厚さを辺112,113の厚さよりも小さくして実現されているため、車両用荷重受け物品111の全体重量に対するエネルギー吸収量の増加が達成されている。
辺112,113の厚さを辺114,115の厚さよりも大きくすることは、車両用荷重受け物品111の長さ方向の一部だけについて行ってもよく、車両用荷重受け物品111の全長に亘って行ってもよい。
図21の実施形態は、ドアのインパクトビームやフロントバンパービーム、リヤバンパービームを含む各種の車両用荷重受け物品に適用できる。
本発明は、例えば、ドアのインパクトビームや、バンパービーム等の車両用荷重受け物品に利用できる.
図1は、本発明の一実施形態に係る車両用荷重受け物品となっているドアのインパクトビームを、ドアを形成するインナーパネルにブラケット部材で取り付けた状態を示す側面図である。 図2は、図1で示されたブラケット部材を除いて示すインパクトビームの全体斜視図である。 図3は、図2のS3−S3線断面図である。 図4は、図2のS4−S4線断面図である。 図5は、図2のS5−S5線断面図である。 図6は、インパクトビームの材料である板材の断面図である。 図7は、図6の板材に厚肉部を形成するための作業のうち、第1工程を示す断面図である。 図8は、図6の板材に厚肉部を形成するための作業で用いるプレスダイセットを示す断面図である。 図9は、図6の板材に厚肉部を形成するための作業のうち、図8のプレスダイセットを使用する第2工程を示す断面図である。 図10は、図6の板材に厚肉部を形成するための作業のうち、第3工程を示す断面図である。 図11は、図6の板材に厚肉部を形成するための作業のうち、第4工程を示す断面図である。 図12は、起立部の一部に厚肉部を設けたインパクトビームと、全体を同じ厚さとしたインパクトビームとに荷重を作用させたときにおいて、その荷重とインパクトビームの撓み量との関係を示すグラフである。 図13は、荷重を受けたインパクトビームが撓み変形しているときに、起立部が大きく変形して座屈状態になることを示す断面図である。 図14は、湾曲部を加圧する加圧部材が液体となっている実施形態を示す断面図である。 図15は、湾曲部を加圧する加圧部材が弾性部材となっている実施形態を示す断面図である。 図16は、車両用荷重受け物品となっているフロントバンパービームを示す斜視図である。 図17は、板材に別の板材を接合して厚肉部を設ける実施形態を示す断面図である。 図18は、車両用荷重受け物品の材料となる板材の幅方向の一部に厚肉部をロールフォーミング成形で形成するためのロールフォーミング成形装置を示す側面図である。 図19は、図18のS19−S19線断面図である。 図20は、図18のS20S−20線断面図である。 図21は、長さ方向と直交する断面の形状がクローズ形状になっている車両用荷重受け物品の実施形態を示す断面図である。
符号の説明
1 車両用荷重受け物品であるドアのインパクトビーム
3 他の部分である底部
6 起立部
6A 厚肉部
10 ドアのインナーパネル
20,90、100 車両用荷重受け物品の材料である板材
21,25 湾曲部
24,26 厚肉部
41,61 加圧部材である上型
43,44,63,64 挟着部材であるブランクホルダー
71 加圧部材である液体
75 加圧部材である弾性部材
100 コイル材
101 ロールフォーミング成形装置
111 車両用荷重受け物品
A 荷重の作用方向

Claims (5)

  1. 細長い形状となっており、
    幅方向中央又は略中央に***した***部が形成され、この***部の幅方向両側は底部となっており、これらの底部の幅方向外側の端部は、前記***部と同じ側へ立ち上ったフランジ部となっているとともに、前記***部の幅方向中央又は略中央には、この***部の***方向とは反対側へ窪んだ谷部が設けられ、
    前記***部と前記底部と前記フランジ部と前記谷部は、長さ方向の一端から他端まで連続して形成され、
    前記***部の幅方向両側の起立部は、荷重の作用方向と平行又は略平行となっていることを特徴とする車両用荷重受け物品。
  2. 請求項1に記載の車両用荷重受け物品において、幅寸法が前記長さ方向の中央又は略中央において最も大きくなっており、この中央又は略中央から前記長さ方向の両端に向かって前記幅寸法が次第に小さくなっており、前記長さ方向の中央又は略中央から離れた箇所から最小の幅寸法が前記長さ方向の両端まで連続していることを特徴とする車両用荷重受け物品。
  3. 請求項1又は2に記載の車両用荷重受け物品において、前記幅方向両側に2個ある前記底部の間隔と、前記幅方向両側に2個ある前記フランジ部の間隔と、前記幅方向に2個ある前記起立部の間隔は、前記長さ方向の中央又は略中央で最大となっているとともに、これらの間隔は、前記長さ方向の中央又は略中央からの前記長さ方向の両端に向かって次第に小さくなっており、このようにこれらの間隔が次第に小さくなることが、前記長さ方向の両端から前記長さ方向の中央又は略中央に向かって一定距離にある箇所まで続いていることを特徴とする車両用荷重受け物品。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の車両用荷重受け物品において、前記谷部の深さは、前記長さ方向の中央又は略中央で最大であって、この深さは、前記長さ方向中央又は略中央から前記長さ方向の両端に向かって次第に小さくなっており、このように前記谷部の深さが次第に小さくなることが、前記長さ方向の両端から前記長さ方向の中央又は略中央に向かって一定距離にある箇所まで続いていることを特徴とする車両用荷重受け物品。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の車両用荷重受け物品において、前記起立部の前記長さ方向における少なくとも一部が、この少なくとも一部と前記長さ方向の同じ箇所における前記他の部分よりも厚さが大きい厚肉部となっていることを特徴とする車両用荷重受け物品。車両用荷重受け物品。
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