以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについては詳細な説明は繰り返さない。
[実施の形態1]
図1は、実施の形態1に係る再生装置1を含むAVシステム100を示した図である。
図1を参照して、AVシステム100について説明する。
AVシステム100は、再生装置1と、再生装置1と接続されたAVアンプ21とから構成される。また、AVアンプ21は、スピーカ22と接続される。
再生装置1の出力端子10は、S/PDIF出力端子10aと、HDMI出力端子10bと、アナログ出力端子10cとを含む。また、AVアンプ21の入力端子20は、S/PDIF入力端子20aと、HDMI入力端子20bと、アナログ入力端子20cとを含む。図1に示すように、出力端子と入力端子とは、それぞれ対応する端子と接続される。
実施の形態1では、再生装置1(プレーヤ)とAVアンプ21とが多数のラインでオーディオ接続可能なとき、コンテンツの提供者が意図した通りにコンテンツが再生されないような、適切でない接続がされた状態にあることを簡易な方法で警告する方法と、該方法を実装したプレーヤとを示す。
簡易な方法とは具体的には、適切でない接続状態にあるラインにのみ警告音を出して、正しい接続をするようユーザに注意を促す。このため、図1のAVシステム100では、特にオーディオの接続系統のみを図示し、モニタなど映像出力のための機器や映像信号、コントロール信号に関するライン接続系統は図示していない。無論、実際のAVシステムでは、図示されたオーディオライン接続以外にもビデオライン接続、コントロールライン接続がなされてかまわない。また、図1のAVシステム100では簡便のため、1つの接続が1つの結線によってなされるように図示しているが、たとえばL/Rの2線を結線することで1つの接続がなされるように、1つの接続が複数の結線で構成されてもよい。また、図1のAVシステム100では、信号の種類毎に1つの接続(入力端子・出力端子の組)があるように図示しているが、たとえば、HDMIを2系統備えるなど、1つの種類に対して複数のライン接続系統が備えられてもよい。
AVアンプ21は通常、ライン接続されているいずれか1つの信号を選択してスピーカ22へ出力する。この選択操作は手入力で行なわれるとしてもよいし、各入力信号の有無を判断してAVアンプ21が最も優先される1つを選択して自動的に切替えるようにしてもよい。
実施の形態1では以下、再生装置1をBDおよびDVD(Digital Versatile Disc)が再生可能なディスクプレーヤと仮定し、記録されたコンテンツ毎に、あるいはメディア毎に、異なる最適なオーディオ出力ラインがあるものとして説明する。
次世代光ディスク規格であるBDの特徴機能の1つとして、拡張メニュー機能やJava(登録商標)言語を利用したゲーム機能がある。これらの機能を利用して、BDでは、たとえば、マルチチャンネルオーディオを含むAVコンテンツに重畳されるポップアップメニューやインタラクティブゲーム、マルチチャンネルオーディオデータをBGMとして用いるメニュー画面などが記録可能である。更に、個々のメニュー項目やゲームの操作に対応する効果音(クリックサウンドなど)が割り当てられているとき、上記コンテンツを再生するBDプレーヤは、メニュー項目の選択やゲームの操作入力に伴い、対応する効果音をコンテンツオーディオやBGMと合成して出力する機能を有する。
ただし、上記BDプレーヤがS/PDIF出力を持つ場合、BD規格では、S/PDIFに上記合成を行なわないでコンテンツオーディオやBGMのみを出力することが許されている。S/PDIFは、2チャンネルまでのLPCM(Linear PCM)オーディオデータを転送する帯域幅しか持たず、3チャンネル以上のマルチチャンネルオーディオを転送するためには圧縮して転送する必要がある。このため、S/PDIFは、実際にはディスクから読み出されたAC−3(R)などの圧縮フォーマットの直接転送に利用され、クリックサウンドなど別のオーディオを合成することは実質的に困難となる(なお、プレーヤに再圧縮する能力が備わっていれば、ディスクから読み出されたAC−3オーディオ信号を一旦復号し、マルチチャンネルのLPCM信号上でクリックサウンドを合成した上で再圧縮し、AC−3データとしてS/PDIFに載せることは可能である)。コンテンツオーディオやBGMに合成されたクリックサウンドなど付加オーディオを聞くためには、別の、アナログ出力やHDMI出力を通して聞けばよい。
以上から、BDプレーヤでは、再生するコンテンツによって(即ち、コンテンツに効果音付きのポップアップメニューやインタラクティブゲームが含まれるか否かによって)、S/PDIFで適切な再生がなされない場合が生じる。ここでいう「適切な再生」とは、コンテンツの提供者が意図した通りに再生されることを指す。たとえば、上記の場合、提供者の意図した通りにコンテンツのオーディオとクリックサウンドとが合成して再生されることを指す。「適切な接続」についても同様に、コンテンツの提供者が意図した通りに再生されるような入出力端子の接続のことを指す。また、実施の形態1において想定したBD、DVDを再生するディスクプレーヤでは、DVDでは常に適切な再生が可能だが、BDでは適切な再生がなされない場合があるように、メディアによって適切な再生がなされるか否かが変わる。
このように、実施の形態1に係る再生装置1では、コンテンツにより、あるいはメディアにより、特定の接続(上記ではS/PDIF)を介して適切な再生がなされないときに、それが適切な接続でないことをユーザに通知することを目的としている。したがって、当然ながら、本発明が適用可能なプレーヤの種別、再生されるメディアの種別は上記に限るものではなく、たとえば、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリなどの内蔵記録メディア、SD(Secure Digital)メモリカードなど着脱可能な記録メディアとそれらのプレーヤ、またそれらの組合せに対しても、コンテンツによって、あるいはメディアによって最適な接続系統が異なるといった状況があれば、本発明が適用可能であることは言うまでもない。さらに、本発明は、上記記録メディアに記録されたコンテンツを再生するためのプレーヤに限らず、ストリーミング通信によって与えられるコンテンツを再生するプレーヤに対しても適用可能である。
図2は、実施の形態1に係る再生装置1の概略構成を示す機能ブロック図である。
図2を参照して、実施の形態1に係る再生装置1の概略構成について説明する。
再生装置1は、ディスク11からデータを読み出すための読出部101と、圧縮されたデータを復号するための復号部102と、データを合成するための合成部103と、デジタルデータをアナログデータに変換するためのD/A変換部104と、管理情報30に基づいてどのデータを出力するかを判定するための判定部105と、警告音等を生成するための警告発生部106と、判定部105からの制御信号によって読出部101または警告発生部106からの信号を選択的に出力するためのスイッチ107と、信号を外部装置に出力するための出力端子10とを備える。なお、出力端子10は、S/PDIF出力端子10aと、HDMI出力端子10bと、アナログ出力端子10cとを含み、スイッチ107と出力端子10とは出力部108として機能する。
読出部101は、記録メディアであるディスク11からデータを読み出して各処理部へ与える。実施の形態1では、ディスク11からAVコンテンツのオーディオデータ(図2において、コンテンツオーディオ32)とその管理情報30、並びに、ポップアップメニューやゲームなどの付加コンテンツが存在する場合に付加コンテンツのオーディオデータ(図2において、クリックサウンド34)を読み出す。ここで、管理情報30には、ディスクの種別を示すメディア情報(たとえば、ディスクがBDであるかDVDであるかを示す情報)、コンテンツの中味を示すコンテンツ情報(たとえば、AVコンテンツに付加コンテンツ(たとえばゲーム)が付されているか否かを示す情報)が含まれる。
復号部102は、読出部101で読み出されたマルチチャンネルのコンテンツ圧縮オーディオデータ(たとえば、AC−3データ)を受けて復号し、非圧縮のマルチチャンネルオーディオデータ(たとえば、マルチチャンネルLPCMデータ)を合成部103に対し与える。
合成部103は、復号されたコンテンツオーディオデータと付加コンテンツのクリックサウンドとを合成する。そして、合成して得られたマルチチャンネルオーディオをHDMI出力端子10bを介して出力する。また、同じくマルチチャンネルオーディオデータをD/A変換部104に与える。
D/A変換部104は、合成部103で合成されたデジタルのマルチチャンネルオーディオをアナログのマルチチャンネルオーディオに変換する。そして、変換したアナログオーディオを、アナログ出力端子10cを介して出力する。なお、合成とD/A変換とはいずれを先に行なってもよい。たとえば、図2と反対に、復号されたコンテンツオーディオ並びにクリックサウンドをそれぞれD/A変換後に、デジタル信号の組、アナログ信号の組それぞれを合成してHDMI出力端子10b、アナログ出力端子10cを介して出力するようにしてもかまわない。
以上説明したように、HDMI出力端子10bおよびアナログ出力端子10cからは、復号部102からD/A変換部104を通して得られる、クリックサウンドを含んで合成されたマルチチャンネルオーディオ信号が出力される。
一方、S/PDIF出力端子10aからは、以下で説明するように、判定部105の制御信号を受けたスイッチ107により選択されたコンテンツの圧縮オーディオデータあるいは警告信号が出力される。
判定部105は、読出部101で読み出された管理情報30に基づいて、S/PDIF出力端子10aに、コンテンツのオーディオデータ(圧縮データ)を出力するか、警告発生部106で発生させた警告音を出力するかを指示する制御信号をスイッチ107に与える。
上述したように、再生するコンテンツがBDコンテンツであり、コンテンツの視聴と同期してプレイできる効果音付ゲーム等の付加コンテンツが添付されていると仮定したとき、S/PDIFでは、上述の制限から、クリックサウンドなど他のオーディオ信号をコンテンツのオーディオと合成して出力しない場合がある。即ち、S/PDIF経由でオーディオを出力する環境では、適切な(コンテンツの提供者が望む)再生がなされない。適切に、コンテンツ音とクリック音とを一緒に出すためには、アナログ又はHDMI経由で出力する必要がある。なお、BDコンテンツで付加コンテンツ(のオーディオ信号)があるか否かはコンテンツ依存なため、正しい形態で視聴できているか否かをユーザが知る(誤って視聴していることに気付く)ことは難しい。特に、BDプレーヤを含む多数のAV機器を所有し、AVアンプとの接続を頻繁に接続しなおすような状況にある使用環境では、誤接続の問題が定常的に発生する。
そのため、判定部105は、管理情報30から、どのようなコンテンツを再生するのかを判断して、スイッチ107に対し警告音を出す/出さないの制御信号を与える。合成するクリックサウンドがあり、S/PDIFでの出力が適切でないと判断されるのは、付加コンテンツを伴うBDコンテンツの再生時である。したがって、判定部105では、管理情報に含まれるコンテンツ情報から、コンテンツにクリックサウンドを伴う付加コンテンツが添付されているかを判断してスイッチ107に制御信号を送る。また、管理情報30に含まれるメディア情報から、コンテンツが記録されたディスクがBDかDVDかを検知して切替えることもできる。BDコンテンツにおいては、コンテンツの再生順・再生箇所情報を示したプレイリスト情報中にクリックサウンドを伴う付加コンテンツがあるかを示す情報があるため、それを利用して精度よく制御することが可能である。
警告発生部106は、判定部105で警告音をS/PDIFを介して出力すると判定された場合に出す警告音(警告信号音、警告音声メッセージなど)を生成する。実施の形態1では、BD再生時に正しく再生できない可能性があることをユーザに通知するため、「アナログ出力端子かHDMI出力端子に接続しないとコンテンツは意図通りに再生されません。」との警告音声を生成する。そして、S/PDIFに出力し、ユーザに接続の変更を促す。無論、ユーザに同様の注意を促す内容であれば、どのような警告であっても構わない。たとえばビープ音など、音声以外の警告信号音であってもよい。
スイッチ107は、判定部105からの制御信号に基づいて、コンテンツのオーディオと警告音のいずれかをS/PDIFに対し選択的に出力する。上記した警告音は、ユーザが解除操作する(スイッチ107をコンテンツオーディオ側に強制的に切替える)まで出力されるか、あるいは、一定期間発せられた後に自動的に止まる(スイッチ107がコンテンツオーディオ側に自動的に切替わる)ようにしてもよい。あるいは、定期的に切替わり警告音が定期的に出力されるようにしてもよい。また、既にライン接続済で確認の必要が無い場合(S/PDIFに適切な出力がなされないことを承知の上でS/PDIFを使用する場合も含む)には、スイッチ107をコンテンツオーディオ側にロックして警告音が出ないようにすることも可能である。
あるいは、スイッチ107の代わりに、コンテンツオーディオ32(マルチチャンネルオーディオ)を復号し2チャンネルのLPCM信号にダウンコンバートして出力する図示しない変換部、並びにダウンコンバートされた2チャンネルコンテンツオーディオに警告発生部106で発生させた(2チャンネルの)警告音を合成する図示しない合成部を備えてもよい。これにより、警告音とコンテンツオーディオとが合成された2チャンネルのオーディオデータをS/PDIFに出力することも可能である(S/PDIFは2チャンネルのLPCMオーディオデータを転送する帯域幅を持っているため転送可能である)。この場合、警告音が合成された時のみ2チャンネルオーディオデータとして転送される。
次に、AVシステム100における、再生装置1のオーディオ出力の動作例について説明する。
図3は、再生装置1とAVアンプ21との間をS/PDIF、HDMI,アナログのいずれか1つのラインのみで接続した場合のオーディオ出力の様子を示した図である。
図4は、再生装置1とAVアンプ21との間をS/PDIF、HDMI,アナログのいずれか2つのラインで接続した場合のオーディオ出力の様子を示した図である。
図5は、再生装置1とAVアンプ21との間をS/PDIF、HDMI,アナログの全てのラインで接続した場合のオーディオ出力の様子を示した図である。
図3〜5を参照して、AVシステム100において、再生装置1とAVアンプ21とで異なるオーディオライン接続を行なった場合に、オーディオ信号がどの接続を通してスピーカ22に出力されるかについて説明する。なお、再生装置1には、各接続について接続されているか否かを判断する機能は無いものとする。即ち、再生装置1は各ラインにオーディオ信号を出力するか否かを選択的に行なうことは無いものとし、AVアンプ21に接続されたラインにはそれぞれ対応するオーディオ信号が再生装置1から出力されるものとする。
従来の再生装置(プレーヤ)では、S/PDIF、HDMI、アナログ全てに同じオーディオ信号(ただし、S/PDIFにはクリックサウンドが重畳されていない)が出力される。これに対して、本発明の再生装置1では、S/PDIFのみ出力が異なる(警告音が出力される)ことがポイントとなる。そのため、図3〜5においては、S/PDIFにのみ警告音が出力され転送されていることを2重線を用いて図示している。一方、警告音が転送されないHDMI、アナログ接続については1重線を用いて図示している。また、入出力端子同士が線で結ばれていないラインは接続されていないラインを示す。
AVアンプ21では、前述のように、ユーザが選択操作をするか、自動判定をするかによって、1つの入力信号がスピーカ22に出力される。図3〜5の例では、HDMI>アナログ>S/PDIFの優先順に出力が自動選択されることを想定している。即ち、全てのラインが接続された場合、HDMIが正しい接続として優先され、HDMI端子を介して得られたオーディオ信号がスピーカ22に出力される。
図3において、図3(A)はS/PDIFを接続した場合を示す図、図3(B)はHDMIを接続した場合を示す図、図3(C)はアナログを接続した場合を示す図である。
この場合、実施の形態1に係る再生装置1では、図3(A)に示したように、S/PDIFのみが接続された場合にのみスピーカ22に警告音が出力される。即ち、HDMIあるいはアナログのみをつないだ状態では警告無しで従来と同様にコンテンツの再生が行なわれる。そして、S/PDIFを通したときのみ、警告を受けて適切な接続への切替えをユーザに促すことができる。
図4において、図4(A)はHDMI以外を接続した場合を示す図、図4(B)はアナログ以外を接続した場合を示す図、図4(C)はS/PDIF以外を接続した場合を示す図である。
図4(A)および図4(B)では、S/PDIFが接続されて、警告音が再生装置1からS/PDIFを通してAVアンプ21に入力される。しかし、AVアンプ21は、もう一方のアナログまたはHDMI入力を優先させてスピーカ22へ出力する。このため、スピーカ22からは警告音が出力されない。つまり、不要な警告をユーザが聞くことはない。仮に、AVアンプ21の選択操作をユーザが手動で行ない、S/PDIFに切替えた場合、その時点で初めてS/PDIFを通した警告音がユーザに聞こえ、選択した出力が適切でないことがユーザに通知される。再生装置1は単純にS/PDIFに警告音を出力しているのみで、どのラインが接続されているかを判断するなどの処理は一切行なっていない。即ち、実施の形態1に係る、AVシステム100における再生装置1は、非常に単純な構成でユーザの選択した接続が適切でないことを通知可能としている。このため、適切な接続でない場合に適切な接続への切替えをユーザに促すことができる。
図5において、図4の場合と同様に、AVアンプ21が最優先のHDMI入力を自動で選択する場合、スピーカ22からはS/PDIFを通した警告音は出力されない。AVアンプ21の選択操作をユーザが手動で行ない、S/PDIFに切替えた場合に、その時点で初めてS/PDIFを通した警告音がユーザに聞こえ、選択した出力が適切でないことがユーザに通知される。即ち、実施の形態1に係る、AVシステム100における再生装置1は、非常に単純な構成でユーザに選択した接続が適切でないことを通知可能としている。このため、適切な接続でない場合に適切な接続への切替えをユーザに促すことができる。
以上のように、実施の形態1に係る再生装置1は、コンテンツに付随する管理情報(コンテンツ情報やメディア情報)を用いて誤接続を警告する警告音を出力するか否かを判定し、判定の結果、警告音を特定のライン(適切でない接続ライン、本実施の形態ではS/PDIF)のみに出力する。再生装置1を含むAVシステム100は、このような簡易な構成で、適切でない出力ラインが選択された場合にのみ警告音を出力可能とし、適切でない出力が選択されていることをユーザに通知することができる。ユーザは、オーディオライン接続が適切でないことを知り、正しい接続への切替えを促される。ユーザにとっては、出力された警告に従って接続を変えればよいので、接続が適切か否かを詳細に確認する必要がなく、ユーザにも余分な負担がかからない。ユーザは、出力された警告に従って接続を変えるのみで、適切な形態でのコンテンツの視聴が可能となる。
実施の形態1に係る再生装置1では、いずれのラインが接続されているかを判断しない。即ち、いずれのラインが接続されているかを判断するといった負荷の高い処理を必要とせず、簡易な構成で、上記したようなユーザへの通知並び適切な接続への切替えの誘導を実現可能である。したがって、機器では煩雑な処理が軽減され、負荷を軽くすることができる。
[実施の形態2]
図6は、実施の形態2に係る再生装置6を含むAVシステム700を示した図である。
図6を参照して、AVシステム700について説明する。
AVシステム700は、再生装置6と、再生装置6と接続されたAVアンプ71とから構成される。また、AVアンプ71は、モニタ72と接続される。
再生装置6の出力端子60は、アナログ出力端子60aと、HDMI出力端子60bとを含む。また、AVアンプ71の入力端子70は、アナログ入力端子70aと、HDMI入力端子70bとを含む。図6に示すように、出力端子と入力端子とは、それぞれ対応する端子と接続される。
実施の形態2では、再生装置6をアナログ、デジタル(HDMI)映像出力端子を持ったAVディスクプレーヤと仮定する。再生装置6は、映像出力として望ましくない端子が選択されている際に、接続が適切でないことを、映像出力を通して簡易な方法で警告する。即ち、再生装置6は、ディスク11から読み出した映像信号を復号し出力する装置である。なお、AVシステム700では映像信号に関するライン接続系統、並びに映像出力に係るモニタ72のみを構成物として図示する。無論、実施の形態1と同様、実際のプレーヤは、図示された映像ライン接続、映像出力機器(モニタ)以外にも、オーディオライン接続、コントロールライン接続、オーディオ出力機器(スピーカ)など含んでかまわない。また、R/G/Bの3線で1つの接続がなされるなど1つの接続が複数の結線で構成されてよいこと、あるいは、HDMIを2系統備えるなど1つの種類に対して複数のライン接続系統が備えられてよいことなどについても、実施の形態1と同様である。
本実施の形態では、デジタル(HDMI)、アナログ映像出力を持ったプレーヤにおいて、高解像度の映像がディスクに記録されていた際に、プレーヤの能力的な制限(あるいはAVアンプ他の接続機器の能力的な制限の場合もある)から、アナログ出力では低い解像度しか出力できない場合を考える。更には、コンテンツに付随する付加コンテンツ(メニュー画面、ゲームなど)が特に高解像度表示を意識して製作されたものであり、ダウンコンバートして出力することが制限、禁止されているといった場合を考える。このような場合に、アナログ接続で映像を視聴しているユーザは他方の(デジタル)出力で再生されるコンテンツが異なっていることに気付かないため、結果として提供者は意図通りのコンテンツ視聴体験をユーザに提供できない、といったことが起こり得る。従って、実施の形態2に係る再生装置6では、映像の解像度を示す情報、高解像度表示用付加コンテンツが付加されているか否かを示す情報(これらは実施の形態1で示したコンテンツ情報)を含む管理情報を使って、アナログ側に「デジタル出力につながないとコンテンツは意図通りに出力されません」といった主旨の警告文字(映像)を出すか否かを判断し、接続が適切でない場合にユーザに接続の変更を促す。
図7は、実施の形態2に係る再生装置6の概略構成を示す機能ブロック図である。
図7を参照して、実施の形態2に係る再生装置6の概略構成について説明する。
再生装置6は、ディスク11からデータを読み出すための読出部601と、圧縮されたデータを復号するための復号部602と、復号データと付加コンテンツとを合成するための付加コンテンツ合成部603と、映像データをアナログ出力用に変換するための解像度変換部604と、管理情報40に基づいて、解像度変換部604からのデータに警告を合成するかどうかを判定するための判定部605と、警告文字等を生成するための警告発生部606と、解像度変換部604のデータに警告あるいは付加コンテンツを合成する警告合成部607と、デジタルデータをアナログデータに変換するためのD/A変換部608と、信号を外部装置に出力するための出力端子60とを備える。なお、出力端子60は、アナログ出力端子60aと、HDMI出力端子60bとを含み、警告合成部607、D/A変換部608および出力端子60は出力部609として機能する。
読出部601は、コンテンツの映像データ(符号化データ)、付加コンテンツ(メニュー画面、ゲームなど)データと共に、映像の解像度を示す情報、高解像度付加コンテンツの有無を示す情報を含む管理情報40(コンテンツ情報)を読み出し、映像データ(図7において、コンテンツビデオ42)は復号部602に、付加コンテンツデータ44は付加コンテンツ合成部603および警告合成部607に、管理情報40は判定部605に送られる。
復号部602は、ディスク11から読出部601を介して読み出されたコンテンツビデオ42を復号し、復号映像を得る。復号された高解像度映像信号は、付加コンテンツ合成部603および解像度変換部604に送られる。
付加コンテンツ合成部603は、復号済の高解像度映像信号に付加コンテンツを合成して出力する。この出力映像は、HDMI出力端子60bを介して外部(たとえば、図6のAVアンプ71)に出力される。
解像度変換部604は、復号部602から与えられた映像を、アナログ出力用に低解像度映像に変換(ダウンコンバート)して、警告合成部607に与える。
判定部605は、管理情報40に含まれる解像度を示す情報から、再生装置6で出力されるアナログ信号の解像度がコンテンツ本来の解像度と一致しているか、異なっているかを判定する。一致している場合には、コンテンツの本来のサイズで出力されるため、警告は特に必要でない。
また、判定部605は、管理情報40に含まれる高解像度付加コンテンツの有無を示す情報に基づいて、コンテンツ映像に警告文字(映像)を合成するか否かを判定し、警告合成部607に指示する。即ち、アナログ信号の解像度がコンテンツ本来の解像度と異なり(アナログ出力の解像度が低く)、かつ、解像度の変換が制限または禁止されている付加コンテンツがある場合に、警告合成部607に対し、コンテンツ映像に警告文字(映像)を合成するよう指示する制御信号を送る。
警告発生部606は、アナログ映像表示に対して重畳する警告文字あるいは警告映像を生成する。警告文字としては、解像度の高いデジタル出力への接続の切替えを促すため、「デジタル出力につながないとコンテンツは意図通りに出力されません」といったメッセージや、高解像度表示用の付加コンテンツがある場合に、「デジタル出力につながない場合、コンテンツの一部が正しく表示されません」といったメッセージが考えられる。無論、警告文字はこれらに限らず、ユーザに同様の注意を促す内容であれば、どのような警告であっても構わない。また、警告文字以外の、接続が適切でないことを示すことができる警告映像、警告信号パターンなどでもよい。
警告合成部607は、判定部605でアナログ接続が適切でないと判断された場合に、解像度変換部604で得られたダウンコンバート後のコンテンツ映像と、警告発生部606で生成された警告文字(映像)とを合成して(コンテンツ映像に警告文字を重畳して)、D/A変換部608に与える。また、出力解像度の制限、禁止のない付加コンテンツがあれば共に合成する。一方、警告文字(映像)の合成が指示されない(アナログ出力の解像度がコンテンツ本来の解像度に一致する、または出力解像度に制限、禁止のある高解像度付加コンテンツが無い)場合には、警告合成部607は、コンテンツ映像と、合成すべき付加コンテンツがあれば付加コンテンツとを合成し、出力映像をD/A変換部608に与える。
D/A変換部608は、警告合成部607から出力された警告文字(映像)を含む低解像度コンテンツ映像をD/A変換してアナログ映像信号を出力する。出力された映像信号は、アナログ出力端子を通して外部(たとえば、図6のAVアンプ71)に出力される。なお、D/A変換は必ずしも最後に行なう必要はなく、解像度変換の前(復号部602と解像度変換部604との間)や、警告文字の合成の前(解像度変換部604と警告合成部607との間)で実施するようにしてもよい。
次に、AVシステム700における、再生装置6の映像出力の動作例について説明する。
図8は、再生装置6とAVアンプ71との間をアナログ、HDMIのいずれか1つのラインのみで接続した場合の映像出力の様子を示した図である。
図9は、再生装置6とAVアンプ71との間をアナログ、HDMI共にライン接続した場合の映像出力の様子を示した図である。
図8および図9を参照して、AVシステム700において、再生装置6とAVアンプ71とで異なる映像ライン接続を行なった場合に、映像信号がどの接続を通してモニタ72に出力されるかについて説明する。なお、再生装置6には、各接続について接続されているか否かを判断する機能は無い。また、AVアンプ71は、HDMI>アナログの優先順に出力が自動選択されることを想定して図示している。即ち、両方のラインが接続された場合、HDMIが正しい接続として優先され、HDMIを通して得られた映像信号がモニタ72に出力される。また、ユーザが選択操作をすることによって接続されているラインのいずれかを選択し切替えることが可能とする。
なお、図8および図9においては、実施の形態1と同様に、警告文字(映像)が出力され転送されていることを2重線を用いて図示している。一方、警告文字(映像)が転送されないHDMI接続については1重線を用いて図示している。また、入出力端子同士が線で結ばれていないラインは接続されていないラインを示す。
図8において、図8(A)はアナログを接続した場合を示す図、図8(B)はHDMIを接続した場合を示す図である。
この場合、実施の形態2に係る再生装置6では、図8(A)に示したように、アナログのみが接続された場合にのみ警告文字(映像)が出力される。図8(B)に示すようにHDMIのみをつないだ状態では警告無しで従来と同様にコンテンツの再生が行なわれる。これにより、アナログを介した出力の場合のみ警告を受けて適切な接続への切替えを簡単な構成でユーザに促すことができる。
図9において、AVアンプ71ではHDMIが優先されるため、モニタ72にはアナログを介した警告文字(映像)が出力されない。AVアンプ71の選択操作をユーザが手動で行ない、アナログに切替えたとき、初めてアナログを介した警告文字(映像)がユーザに見え、選択した出力が適切でないことがユーザに通知される。即ち、本発明の再生装置6及びAVシステム700は非常に単純な構成でユーザに選択した接続が適切でないことを通知可能であり、適切な接続でない場合に適切な接続への切替えをユーザに促すことを可能としている。
以上のように、実施の形態2に係る再生装置6は、コンテンツに付随する管理情報(コンテンツ情報)を利用して、接続が適切であるか否か、警告を出すか否かを判定し、判定の結果、警告を特定のライン(適切でない接続ライン、本実施の形態ではアナログ)のみに出力する。実施の形態2に係る再生装置6を含むAVシステム700は、このような簡易な構成で、適切でない出力ラインが選択された場合にのみ警告をユーザに視聴可能とし、適切でない出力が選択されていることをユーザに通知することができる。ユーザは、映像のライン接続が適切でないことを知り、正しいデジタル出力接続への切替えを促される。
また、実施の形態2に係る再生装置6では、いずれのラインが接続されているかを判断しない。即ち、いずれのラインが接続されているかを判断するといった負荷の高い処理を必要とせず、簡易な構成で、上記したようなユーザへの通知並び適切な接続への切替えの誘導を実現可能である。
また、実施の形態2に係る再生装置6は、デジタル、アナログ映像出力を両方つなぐとメニュー表示がデジタル側にしか出力されない、といった機能仕様を持ったAV機器に対して、デジタル、アナログ映像出力をいずれもつないだ際に、アナログ側のみに「メニューはデジタル出力に表示されています。」といった主旨の警告を出すことにも利用することが可能である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 再生装置、6 再生装置、10 出力端子、11 ディスク、20 入力端子、21 AVアンプ、22 スピーカ、60 出力端子、70 入力端子、72 モニタ、100 AVシステム、101 読出部、102 復号部、103 合成部、104 D/A変換部、105 判定部、106 警告変換部、107 スイッチ、108 出力部、601 読出部、602 復号部、603 付加コンテンツ合成部、604 解像度変換部、605 判定部、606 警告発生部、607 警告合成部、608 D/A変換部、609 出力部、700 AVシステム。