JP2008184558A - エステル基及びオキサゾール構造を有するポリイミド前駆体、ポリイミド及びその製造方法 - Google Patents

エステル基及びオキサゾール構造を有するポリイミド前駆体、ポリイミド及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2008184558A
JP2008184558A JP2007020068A JP2007020068A JP2008184558A JP 2008184558 A JP2008184558 A JP 2008184558A JP 2007020068 A JP2007020068 A JP 2007020068A JP 2007020068 A JP2007020068 A JP 2007020068A JP 2008184558 A JP2008184558 A JP 2008184558A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyimide
formula
group
polyimide precursor
ester group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007020068A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4846609B2 (ja
Inventor
Akihiro Kato
明宏 加藤
Toru Koizumi
徹 小泉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Corp filed Critical Asahi Kasei Corp
Priority to JP2007020068A priority Critical patent/JP4846609B2/ja
Publication of JP2008184558A publication Critical patent/JP2008184558A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4846609B2 publication Critical patent/JP4846609B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Manufacturing Of Printed Circuit Boards (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Abstract

【課題】高ガラス転移温度、銅に近い低線熱膨張係数、低吸湿膨張率、金属、特に銅との十分な接着性及び十分な靭性を併せ持つポリイミド、ポリイミド前駆体及びポリイミドの製造方法を提供する。
【解決手段】一般式(1)と一般式(2)で表される構造を有するポリイミドであって、XとYの比が60/40〜99/1である、エステル基及びオキサゾール構造を有するポリイミド。
【化1】
Figure 2008184558

【化2】
Figure 2008184558

【選択図】なし

Description

本発明は、高いガラス転移温度、低い線熱膨張係数、金属箔との十分な接着性、低い吸湿膨張率、十分な靭性を併せ持つポリイミド、ポリイミド前駆体及びポリイミドの製造方法に関し、フレキシブルプリント配線(FPC)基板、テープオートメーションボンディング(TAB)用基材、各種電子デバイスにおける電気絶縁膜及び液晶ディスプレー用基板、有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレー用基板、電子ペーパー用基板、太陽電池用基板、特にFPC基板材料として有用である。
ポリイミドは、優れた耐熱性のみならず、耐薬品性、耐放射線性、電気絶縁性、優れた機械的性質などの特性を併せ持つことから、FPC基板、TAB用基材、半導体素子の保護膜、集積回路の層間絶縁膜など、様々な電子デバイスに現在広く利用されている。また、ポリイミドはこれらの特性以外にも、製造方法の簡便さ、極めて高い膜純度といったことから、近年、益々その重要性が高まっている。
電子機器の軽薄短小化が進むにつれて、ポリイミドへの要求特性も年々厳しさを増し、ハンダ耐熱性だけに留まらず、熱サイクルや吸湿に対するポリイミドフィルムの寸法安定性、透明性、金属基板との接着性、成型加工性、スルーホールなどの微細加工性など、複数の特性を同時に満足する多機能性ポリイミド材料が求められるようになってきている。
近年、FPC基板としてのポリイミドの需要が飛躍的に増加している。FPC基板の原反(銅張積層板、FCCL)の構成は主に3つの様式に分類される。即ち、1)ポリイミドフィルムと銅箔とをエポキシ系接着剤などを用いて貼り付ける3層タイプ、2)銅箔にポリイミドワニスを塗付後、乾燥又は、ポリイミド前駆体(ポリアミド酸)ワニスを塗布後、乾燥、イミド化するか、あるいは蒸着・スパッタなどによりポリイミドフィルム上に銅層を形成する無接着剤2層タイプ、3)接着層として熱可塑性ポリイミドを用いる擬似2層タイプ、が知られている。ポリイミドフィルムに高度な寸法安定性が要求される用途では、接着剤を使用しない2層FCCLが有利である。
FPC基板としてのポリイミドは、実装工程における様々な熱サイクルに曝されて寸法変化が起こる。これをできるだけ抑えるためには、ポリイミドのガラス転移温度(Tg)が工程温度よりも高いことに加えて、ガラス転移温度以下での線熱膨張係数ができるだけ低く、金属箔の線熱膨張係数と整合していることが望ましい。後述するように、ポリイミド層の線熱膨張係数の制御は、2層FCCL製造工程中に発生する残留応力の低減の観点からも、極めて重要である。
多くのポリイミドは、有機溶媒に不溶で、ガラス転移温度以上でも溶融しないため、ポリイミドそのものを成型加工することは通常容易ではない。そのため、ポリイミドは一般に、無水ピロメリット酸(PMDA)などの芳香族テトラカルボン酸二無水物と4,4’−オキシジアニリン(ODA)などの芳香族ジアミンとを、ジメチルアセトアミド(DMAc)などの非プロトン性極性有機溶媒中で等モル反応させて、先ず高重合度のポリイミド前駆体(ポリアミド酸)を重合し、このワニスを銅箔上に塗付し、250〜400℃で加熱し、脱水閉環(イミド化)して製膜される。
残留応力は、高温でのイミド化反応後に、ポリイミド/金属基板積層体を室温へ冷却する過程で発生し、FCCLのカーリング、剥離、膜の割れなど、深刻な問題がしばしば起こる。
熱応力低減の方策として、絶縁膜であるポリイミド自身を低熱膨張化することが有効である。殆どのポリイミドでは、線熱膨張係数が40〜100ppm/Kの範囲にあり、金属基板、例えば、銅の線熱膨張係数17ppm/Kよりもはるかに大きいため、銅の値に近い、およそ20ppm/K以下の線熱膨張係数を示す、低熱膨張性ポリイミドの研究開発が行われている。
現在、実用的な低熱膨張性ポリイミド材料としては、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とp−フェニレンジアミンから形成されるポリイミドが最もよく知られている。このポリイミドフィルムは、膜厚や作製条件にもよるが、5〜10ppm/Kと非常に低い線熱膨張係数を示す(例えば、非特許文献1参照)が、低吸湿膨張率は示さない。
ポリイミドの寸法安定性は、熱サイクルだけでなく吸湿に対しても要求される。従来のポリイミドでは2〜3wt%も吸湿する。絶縁層の吸湿による寸法変化に伴う回路の位置ずれは、高密度配線や多層配線にとって深刻な問題である。ポリイミド/導体界面でのコロージョン、イオンマイグレーション、絶縁破壊など、電気特性の低下によって更に深刻な問題を引き起こす恐れがある。そのため絶縁膜としてのポリイミド層はできるだけ吸湿膨張率が低いことが求められている。
低吸湿膨張率を実現するため、例えば、下式(33)で表される繰り返し単位を分子中に含むポリイミドフィルムが提案されている(特許文献1参照)。
Figure 2008184558
しかしながら、得られるポリイミドフィルムは、銅箔との接着性の悪化が懸念され、2層FCCLの基材として用いることは難しく、擬似2層FCCLや3層FCCLの基材として用いるために、銅箔との接着性向上のための前処理や接着層の塗布などが必要となる。
また、銅箔と基材との接着性の向上のために、ベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミンを利用したポリイミドフィルムが報告されている(特許文献2参照)。ベンゾオキサゾール構造は、剛直構造、高耐熱性であり、接着性の向上が期待できる。しかしながら、得られるポリイミドフィルムはオキサゾール構造の含有率によっては、膜厚や作製条件にもよるが、線熱膨張係数が5〜9ppm/Kと非常に低く、銅箔と同等の熱膨張係数へ制御することが難しい。さらに、オキサゾール構造の環構造中の酸素原子や窒素原子の存在により、吸湿膨張率の悪化が懸念される。
重合反応性や製膜加工性を保持したまま、銅に近い低線熱膨張係数、低吸湿膨張率(8ppm/%RH以下、10−80%RH)、高靭性、ハンダ耐熱性、且つ銅箔との接着性を満足するポリイミドを得ることは分子設計上容易ではなく、このような要求特性を満足する実用的な材料は今のところ殆ど知られていないのが現状である。
Macromolecules,29,7897(1996) 特開2006−328407号公報 特開2005−131918号公報
本発明は、従来のポリイミドでは困難であった、高ガラス転移温度、銅に近い低線熱膨張係数、低吸湿膨張率、金属、特に銅との十分な接着性、及び十分な靭性を併せ持つ、ポリイミド、ポリイミド前駆体及びポリイミドの製造方法を提供することを目的とする。
以上の問題を鑑み、鋭意研究を積み重ねた結果、下記一般式(1)及び一般式(2)で表される構造を有するポリイミド前駆体ワニスを銅箔などの導体基板上に塗付・乾燥してフィルムとし、これを熱的に又は脱水試薬などを用いてイミド化して、形成された下記一般式(14)及び一般式(15)で表される構造を有するポリイミドフィルムが、上記産業分野において極めて有益な材料となることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下に示すものである。
1.下記一般式(1)と下記一般式(2)で表される構造を有するポリイミド前駆体であって、XとYの比が60/40〜99/1である、エステル基及びオキサゾール構造を有するポリイミド前駆体。
Figure 2008184558
Figure 2008184558
ここで、A、Aは式(3)〜式(6)より選択される4価の芳香族基であり、同じであっても異なっていてもよい。A、Aに結合する2つのカルボキシル基はシス配置に限定されず、シス配置とトランス配置が混在していてもよい。Rは、炭素数1〜4のアルキル基、メトキシ基、水素を表す。
Figure 2008184558
ここで、Bは式(7)〜式(10)で表される2価の芳香族基より選択され、R〜Rは炭素数1〜4のアルキル基、メトキシ基、水素を表し、R〜Rは同じであっても異なっていてもよい。なお、A、A、Bにおいて、エステル基を有する式(3)、式(4)、式(7)、式(8)、式(9)より少なくとも1種が選択される。
Figure 2008184558
ここで、Dは式(11)〜式(13)で表される2価の芳香族基より選択され、Arはフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基を表し、Ar2はフェニル基又はビフェニル基を表す。
Figure 2008184558
2.下記一般式(14)と下記一般式(15)で表される構造を有するポリイミドであって、XとYの比が60/40〜99/1の割合である、エステル基及びオキサゾール構造を有するポリイミド。
Figure 2008184558
Figure 2008184558
ここで、A、Aは式(3)〜式(6)より選択される4価の芳香族基であり、同じであっても異なっていてもよい。A、Aに結合する2つのカルボキシル基はシス配置に限定されず、シス配置とトランス配置が混在していてもよい。Rは、炭素数1〜4のアルキル基、メトキシ基、水素を表す。
Figure 2008184558
ここで、Bは式(7)〜式(10)で表される2価の芳香族基より選択され、R〜Rは炭素数1〜4のアルキル基、メトキシ基、水素を表し、R〜Rは同じであっても異なっていてもよい。なお、A、A、Bにおいて、エステル基を有する式(3)、式(4)、式(7)、式(8)、式(9)より少なくとも1種が選択される。
Figure 2008184558
ここで、Dは式(11)〜式(13)で表される2価の芳香族基より選択され、Arはフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基を表し、Ar2はフェニル基又はビフェニル基を表す。
Figure 2008184558
3.1に記載のエステル基及びオキサゾール構造を有するポリイミド前駆体を加熱によりあるいは脱水試薬を用いて環化反応(イミド化)させることを特徴とする、2に記載のポリイミドの製造方法。
4.1に記載のエステル基及びオキサゾール構造を有するポリイミド前駆体を主成分として含有するワニスを金属箔上に塗付、乾燥後、加熱によりあるいは脱水試薬を用いてイミド化させることを特徴とする、金属層と2に記載のポリイミドから構成される樹脂層との積層板の製造方法。
5.4に記載の積層板の金属層をエッチングすることを特徴とする、フレキシブルプリント配線基板の製造方法。
本発明によれば、高ガラス転移温度、銅に近い低線熱膨張係数、低吸湿膨張率、金属との十分な接着性及び十分な靭性を併せ持つ、エステル基及びオキサゾール構造を有するポリイミド、ポリイミド前駆体及びポリイミドの製造方法を提供することができる。このような特性を併せ持つポリイミドは、フレキシブルプリント配線(FPC)基板、テープオートメーションボンディング(TAB)用基材、各種電子デバイスにおける電気絶縁膜及び液晶ディスプレー用基板、有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレー用基板、電子ペーパー用基板、太陽電池用基板、特にFPC基板材料として有用である。
ポリイミドを低熱膨張化するための分子設計として、主鎖骨格をできるだけ直線状で剛直に(内部回転により多様なコンホメーションをとりにくく)する必要がある。しかし一方で、これによりポリマー鎖の絡み合いが減少し、フィルムが脆弱化する恐れがある。また、ポリイミド骨格へのエーテル構造などの屈曲性単位の過大な導入は、膜靭性の向上や金属との接着性の向上には大きく寄与するが、低熱膨張特性の発現を妨げる恐れがある。
本発明において着目したエステル基及びオキサゾール構造は、エーテル構造に比べて内部回転障壁が高く、コンホメーション変化が比較的妨げられているため、剛直構造単位として振舞い、且つ、ポリイミド主鎖にある程度の柔軟さも付与し、可撓性のフィルムを与えることが期待される。
また、エステル基はアミド構造やイミド構造よりも単位体積当たりの分極率が低いため、ポリイミドへエステル基を導入することにより低吸湿膨張率化が期待される。しかしながら、ポリイミド中の芳香族エステル基の含有率を増加させるだけでは、ポリイミド最大の特長である耐熱性の低下だけでなく、前駆体の溶解性(溶液キャスト製膜性)、重合反応性(重合時に沈殿しないこと)、銅箔との接着性などの悪化が懸念される。
一方、オキサゾール構造は、環構造中の酸素原子や窒素原子の存在により、金属との相互作用を高め、接着性向上にも有利であることが期待される。
本発明に係るポリイミド前駆体は、エステル基含有酸二無水物及び/又はエステル基含有ジアミンからエステル基を有するモノマーを選択し、オキサゾール構造含有ジアミンを共に用いることにより製造される。
本発明に係るポリイミド前駆体を重合する際、エステル基を有するモノマーとして、下記式(16)、式(17)で表されるエステル基含有テトラカルボン酸二無水物及び/又は式(18)〜式(20)で表されるエステル基含有ジアミンが用いられる。なお、テトラカルボン酸二無水物成分A、Aは、1種を用いても2種以上を用いてもよい。また、ジアミン成分B、Dは、それぞれ1種を用いても2種以上を用いてもよい。
Figure 2008184558
(Rは、炭素数1〜4のアルキル基、メトキシ基、水素を表す。)
Figure 2008184558
(R〜Rは炭素数1〜4のアルキル基、メトキシ基、水素を表し、R〜Rは同じであっても異なっていてもよい。)
式(16)、式(17)で表されるエステル基含有テトラカルボン酸二無水物が用いられる場合、B成分のモノマーは、式(18)〜式(20)のエステル基含有ジアミンに限定されず、式(21)で表される芳香族ジアミンを選択してもよい。
Figure 2008184558
また、同様にして式(18)〜式(20)で表されるエステル基含有ジアミンが用いられる場合、A、A成分のモノマーは、式(16)、式(17)のエステル基含有テトラカルボン酸二無水物に限定されず、式(22)、式(23)で表されるテトラカルボン酸二無水物を選択してもよい。
Figure 2008184558
本発明に係るポリイミド前駆体を重合する際、オキサゾール構造を有するモノマーとして下記式(24)〜式(26)で表されるオキサゾール構造含有ジアミンが用いられる。
Figure 2008184558
式(24)においてArはフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基を表し、式(26)においてAr2はフェニル基又はビフェニル基を表す。
本発明に係るポリイミドは、式(14)と式(15)で表される構造を有するポリイミドであって、XとYの比が60/40〜99/1であるエステル基及びオキサゾール構造を有することに特徴を有している。XとYのモル比は60/40〜99/1の割合であり、80/20〜95/5の割合であることが好ましい。このように、本発明に係るポリイミドはエステル基とオキサゾール構造を有する単位の構成比により、高ガラス転移温度、高耐熱性、低吸湿膨張率、銅箔同等の低熱膨張係数、銅などの金属との十分な接着性、を同時に実現する。式(14)、式(15)で表される構造を有するポリイミドにおいて、吸湿膨張率の観点から、オキサゾール構造を有する構成成分のモル比は40%より少ないことが好ましく、金属との接着性の観点より、1%より多いことが好ましい。
また、本発明に係るポリイミドは、エステル基を含有するモノマーとオキサゾール構造を含有するモノマーから製造するので、高価なモノマーを使用することなく、上記のような特性を併せ持つポリイミドを低コストで製造することができる。
以下に本発明の実施の形態について詳細に説明するが、これらは本発明の実施形態の一例であり、これらの内容に限定されない。
本発明においては、式(16)、式(17)で表されるエステル基含有酸二無水物又は、式(18)〜式(20)で表されるエステル基含有ジアミンから、少なくとも1種のエステル基含有モノマーを選択し、式(24)〜式(26)で表されるオキサゾール構造含有ジアミンから少なくとも1種を選択し、酸二無水物とジアミンとを組み合わせて重合反応させることにより、産業上極めて有用な、エステル基及びオキサゾール構造を有するポリイミドを提供することができる。エステル基及びオキサゾール構造を有するモノマーの剛直性、疎水性、置換基の立体的嵩高さという構造上の特徴と、エステル基とオキサゾール構造を有する単位の構成比により、樹脂とした際に、銅箔同等の低線熱膨張係数、低吸湿膨張率、金属箔への十分な接着性、高ガラス転移温度、高膜靭性を併せ持つ、従来の材料では得ることのできなかった物性を有する材料とすることを達成した。
<ポリイミド前駆体の製造方法>
本発明に係るポリイミド前駆体を製造する方法は特に限定されず、公知の方法を適用することができる。より具体的には、以下の方法により得られる。
まず、ジアミンを重合溶媒に溶解し、これにテトラカルボン酸二無水物粉末を徐々に添加し、0〜100℃、好ましくは20〜60℃で、メカニカルスターラーを用い0.5〜100時間、好ましくは1〜24時間攪拌する。この際、モノマー濃度は、重合度の観点や、モノマーや生成するポリマーの溶解性の観点から、5〜50wt%が好ましく、10〜40wt%がより好ましい。ポリイミドフィルムの靭性の観点から、ポリイミド前駆体の重合度はできるだけ高いことが望ましく、上記のモノマー濃度範囲で重合を行うことにより、均一で高重合度のポリイミド前駆体溶液(ワニス)を得ることができる。ポリイミドフィルムの靭性及びワニスのハンドリングの観点から、ポリイミド前駆体の固有粘度は0.1〜15.0dL/gの範囲が好ましく、0.5〜5.0dL/gの範囲であることがより好ましい。また、重合様式は任意であり、ランダム共重合様式やブロック共重合様式などが挙げられる。
本発明に係るポリイミドフィルムの要求特性及びポリイミド前駆体の重合反応性を損なわない範囲で、式(1)及び式(2)で表される構造を有するポリイミド前駆体重合の際に、式(22)で表される3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物及び式(23)で表される2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物以外で使用可能な芳香族テトラカルボン酸二無水物として、特に限定されないが、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン酸二無水物、2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物などが例として挙げられる。また、これらを2種類以上用いてもよい。
本発明に係るポリイミドフィルムの要求特性及びポリイミド前駆体の重合反応性を損なわない範囲で、使用可能な脂肪族テトラカルボン酸二無水物として、特に限定されないが、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、5−(ジオキソテトラヒドロフリル−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、4−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−テトラリン−1,2−ジカルボン酸無水物、テトラヒドロフラン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物などが挙げられる。また、これらを2種類以上併用することもできる。
本発明に係るポリイミド前駆体の重合反応性、ポリイミドの要求特性を著しく損なわない範囲で、式(21)で表されるp−フェニレンジアミン以外に、部分的に使用可能な芳香族ジアミンとしては特に限定されないが、m−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、2,5−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノキシレン、2,4−ジアミノデュレン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−メチレンビス(2−メチルアニリン)、4,4’−メチレンビス(2−エチルアニリン)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジメチルアニリン)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジエチルアニリン)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、2,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンズアニリド、ベンジジン、3,3’−ジヒドロキシベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、o−トリジン、m−トリジン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、p−ターフェニレンジアミンなどが例として挙げられる。また、これらを2種類以上併用することもできる。
本発明に係るポリイミド前駆体の重合反応性、ポリイミドの要求特性を著しく損なわない範囲で、部分的に使用可能な脂肪族ジアミンとしては特に限定されないが、例えば、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、イソホロンジアミン、トランス−1,4−ジアミノシクロヘキサン、シス−1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,4−シクロヘキサンビス(メチルアミン)、2,5−ビス(アミノメチル)ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン、2,6−ビス(アミノメチル)ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン、3,8−ビス(アミノメチル)トリシクロ〔5.2.1.0〕デカン、1,3−ジアミノアダマンタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)ヘキサフルオロプロパン、1,3−プロパンジアミン、1,4−テトラメチレンジアミン、1,5−ペンタメチレンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,7−ヘプタメチレンジアミン、1,8−オクタメチレンジアミン、1,9−ノナメチレンジアミンなどが挙げられる。また、これらを2種類以上併用することもできる。
重合反応の際、使用される溶媒としては、原料モノマーと生成するポリイミド前駆体が溶解すれば問題はなく、特にその構造は限定されない。具体的に例示するならば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド溶媒、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン、α−メチルーγ−ブチロラクトンなどの環状エステル溶媒、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどのカーボネート溶媒、トリエチレングリコールなどのグリコール系溶媒、m−クレゾール、p−クレゾール、3−クロロフェノール、4−クロロフエノールなどのフェノール系溶媒、アセトフェノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、スルホラン、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。溶解性の観点から、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどの非プロトン性溶媒が好ましい。
また、その他の一般的な有機溶剤、即ちフェノール、o−クレゾール、酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸イソブチル、プロピレングリコールメチルアセテート、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、2−メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、ジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロへキサノン、メチルエチルケトン、アセトン、ブタノール、エタノール、キシレン、トルエン、クロルベンゼン、ターペン、ミネラルスピリット、石油ナフサ系溶媒なども添加して使用できる。
本発明に係るポリイミド前駆体は、その重合溶液を大量の水やメタノールなどの貧溶媒中に滴下・濾過・乾燥し、粉末として単離することもできる。
<ポリイミドの製造方法>
本発明に係るポリイミドは、上記の方法で得られたポリイミド前駆体を脱水閉環反応(イミド化反応)させることで製造することができる。得られたポリイミドの使用可能な形態は、フィルム、金属箔/ポリイミドフィルム積層体、粉末、成型体及び溶液である。
まず、ポリイミドフィルムを製造する方法について述べる。
ポリイミド前駆体の重合溶液(ワニス)をガラス、銅、アルミニウム、シリコンなどの基板上に流延し、オーブン中40〜180℃、好ましくは50〜150℃で乾燥する。得られたポリイミド前駆体フィルムを基板上で真空中、窒素などの不活性ガス中、あるいは空気中で、200〜430℃、好ましくは250〜400℃で加熱することで、本発明に係るポリイミドフィルムを製造することができる。イミド化の閉環反応の観点から、200℃以上であり、生成したポリイミドフィルムの熱安定性の観点から、430℃以下である。イミド化は真空中あるいは不活性ガス中で行うことが望ましいが、イミド化温度が高すぎなければ空気中で行っても、差し支えない。
また、イミド化反応は、前記の熱処理に代えて、ポリイミド前駆体の重合溶液中にピリジンやトリエチルアミンなどの3級アミンを添加して、3級アミンを含有するポリイミド前駆体フィルムを作製し、200〜300℃で加熱しながら化学イミド化することや、ポリイミド前駆体フィルムをピリジンやトリエチルアミンなどの3級アミン存在下、無水酢酸などの脱水試薬を含有する溶液に浸漬することによって行うことも可能である。
ここでは、ポリイミド前駆体ワニスからのポリイミドフィルムの製造方法について述べたが、これに限定されず、熱乾燥させたポリイミド前駆体フィルムや、単離したポリイミド前駆体を、加熱により、あるいは脱水試薬を用いて環化反応させることなどによりポリイミドを製造しても良い。ポリイミドが溶媒に不溶な場合は、結晶性のポリイミド粉末を沈殿物として得ることもできる。
また、ポリイミド前駆体溶液中にN,N−ジシクロヘキシルカルボジイミドやトリフルオロ無水酢酸などの脱水試薬を添加・撹拌して、0〜100℃、好ましくは0〜60℃で反応させることにより、ポリイミドの異性体であるポリイソイミドが生成する。ポリイソイミドワニスを上記と同様の手順で製膜した後、250〜450℃、好ましくは270〜400℃で熱処理することにより、ポリイミドへ容易に変換することができる。イソイミド化反応は、上記脱水試薬を含有する溶液中にポリイミド前駆体フィルムを浸漬することでも可能である。
ポリイミドが前駆体の重合に用いた溶媒に溶解する場合、ポリイミド前駆体の重合溶液をそのまま、あるいは同一の溶媒で適度に希釈した後、150〜200℃に加熱することで、本発明に係るポリイミドの溶液(ワニス)を容易に製造することができる。この際、イミド化の副生成物である水などを共沸留去するために、トルエンやキシレンなどを添加しても差し支えない。また、触媒としてγ―ピコリンなどの塩基を添加することができる。得られたポリイミドワニスを大量の水やメタノールなどの貧溶媒中に滴下、濾過し、ポリイミドを粉末として単離することもできる。また、ポリイミド粉末を上記重合溶媒に再溶解してポリイミドワニスとすることもできる。
上記のようにして得られたポリイミドワニスを基板上に塗布し、40〜400℃、好ましくは100〜300℃で乾燥することによってもポリイミドフィルムを形成することができる。
また、得られたポリイミド粉末を200〜450℃、好ましくは250〜430℃で加熱圧縮することでポリイミドの成型体を作製することができる。
<積層板の製造方法>
本発明に係るポリイミド前駆体のワニスを、金属箔、例えば銅箔上に塗付、乾燥後、上記の条件によりイミド化することで、FPC基板の原反である、金属層とポリイミド樹脂層の積層板(FCCL)を得ることができる。
FPC基板の金属層としては、種々の金属箔を使用することができるが、好ましくは、アルミニウム箔、銅箔、ステンレス箔などを挙げることができる。これらの金属箔は、マット処理、メッキ処理、クロメート処理、アルミニウムアルコラート処理、アルミニウムキレート処理、シランカップリング剤処理などの表面処理を行ってもよい。
金属箔の厚みは、特に限定されないが、好ましくは35μm以下、さらに好ましくは6〜18μmである。
FCCLは、次の様にして製造することができる。
まず、本発明に係るポリイミド前駆体ワニスを、金属箔上に、ブレードコーターや、リップコーター、グラビアコーターなどを用い塗布(塗工)した後、乾燥させて、ポリイミド前駆体層を形成する。塗工厚は、ポリイミド前駆体ワニスの固形分濃度に影響されるが、ポリイミド前駆体層を、窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性雰囲気下にて、200〜400℃にて熱イミド化させることによりポリイミド樹脂(絶縁)層を形成することができる。ポリイミド樹脂(絶縁)層の厚みは、100μm以下、好ましくは50μm以下、さらに好ましくは3〜25μmである。
更に、塩化第二鉄水溶液などのエッチング液を用いて、上記のようにして得られた積層板の金属層を、所望する回路状にエッチングすることで、無接着剤型フレキシブルプリント配線基板を製造することができる。
本発明に係るポリイミド及びその前駆体中には、必要に応じて、酸化安定剤、フィラー、接着促進剤、シランカップリング剤、感光剤、光重合開始剤及び増感剤などの添加物を加えることができる。
本発明に係るポリイミド及びその前駆体中には、必要に応じて、酸化安定剤、フィラー、接着促進剤、シランカップリング剤、感光剤、光重合開始剤及び増感剤などの添加物を加えることができる。
本発明に係るポリイミドは、金属箔、特に銅箔同等の低線熱膨張係数、特に銅箔との十分な接着性、又、低吸湿膨張率、高ガラス転移温度、及び高い膜靭性を有するため、各種電子デバイスにおける電気絶縁膜及びフレキシブルプリント配線基板、ディスプレー用基板、電子ペーパー用基板、太陽電池用基板などに利用でき、特にフレキシブルプリント配線基板材料として有用である。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、これら実施例に限定されるものではない。なお、実施例における物性値は、次の方法により測定した。
<赤外線吸収スペクトル>
フーリエ変換赤外分光光度計(Thermo Nicolet社製Avatar360 FT−IR)を用い、全反射法にてポリイミドフィルム(25μm厚)の赤外線吸収スペクトルを測定した。
<固有粘度:h>
0.5重量%のポリイミド前駆体溶液を、オストワルド粘度計を用いて30℃で測定した。
<ガラス転移温度:Tg>
島津製作所製熱機械分析装置(TMA−50)を用いて、熱機械分析により、荷重5g、昇温速度10℃/分、窒素雰囲気下(流量20ml/分)、温度50〜450℃の範囲における試験片伸びの測定を行い、得られた曲線の変曲点から、ポリイミドフィルム(25μm厚)のガラス転移温度を求めた。
<線熱膨張係数:CTE>
島津製作所製熱機械分析装置(TMA−50)を用いて、熱機械分析により、荷重5g、昇温速度10℃/分、窒素雰囲気下(流量20ml/分)、温度50〜450℃の範囲における試験片伸びの測定を行い、50〜200℃の範囲での平均値として、ポリイミドフィルム(25μm厚)の線熱膨張係数を求めた。
<吸湿膨張率:CHE>
アルバック理工株式会社製熱機械分析装置(TM−9400)及び湿度雰囲気調整装置(HC−1)を用いて、幅3mm、長さ30mm(チャック間長さ15mm)、厚み20〜25μmのフィルムを、23℃、荷重5gにて湿度10%RHから80%RHに変化させた際の試験片の伸びから、10%RH〜80%RHにおける平均値として、ポリイミドフィルムの吸湿膨張率を求めた。
<銅箔接着強度>
接着強度のサンプル作製法及び測定法については、JIS C6471規格に準じて行った。ポリイミド前駆体を銅箔上に塗布し乾燥器中でイミド化したポリイミドフィルム付き銅箔を、長さ15cm×幅1cmの大きさに切断し、1cmの中心幅3mmを残し、塩化第二鉄溶液にてエッチングした。得られたサンプルを、乾燥器中105℃にて1時間以上放置し乾燥させ、その後、厚み3mmのFR−4基板に両面粘着テープにて取り付けた。幅3mmの導体をポリイミドフィルムとの界面で引剥がしアルミ製テープに張りつけ、掴み代とした。
上記のようにして作製した試料を、島津製作所製引っ張り試験機(オートグラフAG-10KNI)に固定した。固定する際、確実に90°の方向に引き剥がすために治具をとりつけた。毎分約50mmの速度にて50mm引き剥がした際の荷重を測定し、1cmあたりの接着強度として算出した。
<ハンダ耐熱性評価>
ポリイミド前駆体を銅箔上に塗布し乾燥器中でイミド化したポリイミドフィルム付き銅箔を、長さ3cm×幅3cmの大きさに切断し、中心部2.5cm×2.5cmを残し、外周部を塩化第二鉄溶液にて銅箔をエッチングした。得られたサンプルを乾燥器に入れ105℃にて1時間以上放置し乾燥させた後、300℃に設定されたハンダ浴中に、銅箔側が接するようにハンダ浴表面に2分間静置した後、取り出した。銅箔とポリイミドフィルム中のふくれ、銅箔の皺の発生の有無など、外観の変化を目視により評価し、外観の変化が見られない場合を良好な結果(○)とした。
<煮沸ハンダ耐熱性評価>
ポリイミド前駆体を銅箔上に塗布し乾燥器中でイミド化したポリイミドフィルム付き銅箔を長さ3cm×幅3cmの大きさに切断し、中心部2.5cm×2.5cmを残し、外周部を塩化第二鉄溶液にて銅箔をエッチングした。還流冷却器付き容器に精製水を入れ、得られたサンプルを浸漬し、100℃で2時間静置した。その後、常温の精製水中にサンプルを投入し、各サンプルを1枚ずつ取り出し、両面の水分を紙タオルでふきとった。その後、280℃に設定されたハンダ浴中に、銅箔側が接するようにハンダ浴表面に2分間静置した後、取り出した。銅箔とポリイミドフィルム中のふくれ、銅箔の皺の発生の有無など、外観の変化を目視により評価し、外観の変化が見られない場合を良好な結果(○)とした。
(合成例1)オキサゾール構造含有ジアミンの合成1
2Lセパラフラスコ中に、ポリリン酸1000g、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニル200mmol(和歌山精化工業株式会社製)を入れ、窒素雰囲気下にて150℃、2時間攪拌を行った。その後p−アミノ安息香酸400mmol(和光純薬工業社製)を加え、200℃にて5時間反応させた。反応液を室温まで放令後、精製水中に滴下し、得られた黄緑色析出物をろ過により分取した後、125℃で真空乾燥させ、粗結晶を得た。その後、粗結晶をN−メチルピロリドンに100℃付近で溶解させ、室温まで放冷した溶液をろ過し、不溶成分を除去した後、得られたろ液に3wt%炭酸ナトリウム水溶液を滴下し、固体を析出させた。析出した固体を、ろ過により分取し、精製水で2〜3回洗浄した後、125℃にて真空乾燥させ、下記式(27)で表されるオキサゾール構造含有ジアミン(以下、OXAと称する)を得た。
Figure 2008184558
(合成例2)オキサゾール構造含有ジアミンの合成2
3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニルの代わりに、2,4−ジアミノフェノール二塩酸塩(和光純薬工業社製 商品名アミドール)を用い、2,4−ジアミノフェノール二塩酸塩とp−アミノ安息香酸の仕込みモル比を当量にした以外は、合成例1と同様にして、ポリリン酸中にて脱水閉環反応及び分離・精製を行い、下記式(28)で表されるオキサゾール構造含有ジアミン(以下、BOXAと称する)を得た。
Figure 2008184558
(合成例3)オキサゾール構造含有ジアミンの合成3
3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニルの代わりに、2,4−ジアミノフェノール二塩酸塩(和光純薬工業社製 商品名アミドール)、p−アミノ安息香酸の代わりに、テレフタル酸(和光純薬工業社製)を用いた以外は、合成例1と同様にして、ポリリン酸中にて脱水閉環反応及び分離・精製を行い、下記式(29)で表されるオキサゾール構造含有ジアミン(以下、PBOXAと称する)を得た。
Figure 2008184558
(実施例1)
<ポリイミド前駆体の重合、イミド化及びポリイミドフィルム特性の評価>
よく乾燥した攪拌機付密閉反応容器中に式(30)で表されるエステル基含有ジアミン(以下、APABと称する)28mmol、式(27)で表されるOXA7.2mmolを入れ、N−メチル−2−ピロリドン145mLに溶解した後、この溶液に式(31)で表されるエステル基含有テトラカルボン酸二無水物(以下、TAMHQと称する)の粉末35.8mmolを徐々に加えた。30分後、溶液粘度が急激に増加した。
Figure 2008184558
Figure 2008184558
更に、80℃で4時間撹拌し、透明、均一で粘稠なエステル基とオキサゾール構造を有するポリイミド前駆体溶液を得た。このポリイミド前駆体溶液(ワニス)は、室温及び20℃で一ヶ月間放置しても沈澱、ゲル化は全く起こらず、高い溶液貯蔵安定を示した。N−メチル−2−ピロリドン中、30℃、0.5重量%の濃度で、オストワルド粘度計にて測定したポリイミド前駆体の固有粘度は0.72dL/gであった。
次いで、金属製の塗工台に、12μm厚の銅箔(日本電解株式会社 USLP箔)を、マット面側が表面になるように静置した。塗工台の表面温度を90℃に設定し、得られたポリイミド前駆体溶液を、ドクターブレード用いて、銅箔マット面に塗布した。その後、塗工台で30分間静置し、さらに乾燥器中で100℃にて30分間静置した。タック性のないポリイミド前駆体フィルム(厚み45μm)が得られた。続いて、SUS製金属板にポリイミド前駆体フィルムを貼りつけ、窒素雰囲気下、熱風乾燥器中にて、昇温速度5℃/分で、150℃で30分間、200℃で1時間、400℃で1時間静置して、イミド化を行った。カールのない銅箔付きフィルムが得られた。この銅箔付きフィルムを塩化第二鉄溶液にて銅箔をエッチングすることにより、膜厚25μmの薄茶色のポリイミドフィルムを得た。
このポリイミドフィルムは180°折曲げ試験によって破断せず、可撓性を示した。また、N−メチル−2−ピロリドンやジメチルアセトアミドなどの有機溶媒に対して溶解性を示さなかった。このポリイミドフィルムは、TMA測定により20ppm/K(50℃から200℃の間の平均値)と、銅箔同等の低い線熱膨張係数を示した。吸湿膨張率を測定したところ、4.4ppm/%RH(10%RHから80%RHの間の平均値)と、極めて低い吸湿膨張率を示した。90°銅箔接着強度を測定したところ、1.2kg/cmと極めて高い接着性を示した。また、414℃と高いガラス転移温度を示した。
表1に物性値をまとめる。得られたポリイミドフィルムの赤外線吸収スペクトルを図1に示す。
(実施例2)
実施例1と同様にして、よく乾燥した攪拌機付密閉反応容器中に、APAB26mmol、OXA1.4mmolを入れ、N−メチル−2−ピロリドン110mLに溶解した後、この溶液にTAMHQ28mmolを加え、組成比を変更した以外は、実施例1に記載した方法に従って、ポリイミド前駆体を重合し、製膜、イミド化して、ポリイミドフィルムを作製し、物性を評価した。共重合組成(モル比)はAPAB:OXA=95:5である。このポリイミドフィルムは180°折曲げ試験によっても破断せず、可撓性を示した。N−メチル−2−ピロリドンやジメチルアセトアミドなどの有機溶媒に対して溶解性を示さなかった。高いガラス転移温度、銅箔同等の低い線熱膨張係数、低吸湿膨張率、銅箔との高い接着性、良好なハンダ耐熱性を示した。物性値を表1に示す。得られたポリイミドフィルムの赤外線吸収スペクトルを図2に示す。
(実施例3)
TAMHQの代わりにエステル基含有テトラカルボン酸二無水物として式(32)で表されるエステル基含有テトラカルボン酸二無水物(以下、TAHQと称する)を用いた以外は、実施例1に記載した方法に従って、ポリイミド前駆体を重合し、製膜、イミド化して、ポリイミドフィルムを作製し、物性を評価した。共重合組成(モル比)はAPAB:OXA=80:20である。このポリイミドフィルムは、180°折曲げ試験によっても破断せず、可撓性を示した。N−メチル−2−ピロリドンやジメチルアセトアミドなどの有機溶媒に対して溶解性を示さなかった。高いガラス転移温度、銅箔同等の低い線熱膨張係数、極めて低い低吸湿膨張率、銅箔との十分な接着性、良好なハンダ耐熱性を示した。物性値を表1に示す。得られたポリイミドフィルムの赤外線吸収スペクトルを図3に示す。
Figure 2008184558
(実施例4)
オキサゾール構造含有ジアミンとしてBOXAを用いた以外は、実施例1に記載した方法に従って、ポリイミド前駆体を重合し、製膜、イミド化して、ポリイミドフィルムを作製し、同様に物性を評価した。共重合組成(モル比)はAPAB:BOXA=80:20である。このポリイミドフィルムは180°折曲げ試験によっても破断せず、可撓性を示した。N−メチル−2−ピロリドンやジメチルアセトアミドなどの有機溶媒に対して溶解性を示さなかった。高いガラス転移温度、銅箔同等の低い線熱膨張係数、極めて低い低吸湿膨張率、銅箔との十分な接着性、良好なハンダ耐熱性を示した。物性値を表1に示す。得られたポリイミドフィルムの赤外線吸収スペクトルを図4に示す。
(実施例5)
オキサゾール構造含有ジアミンとしてPBOXAを用いた以外は、実施例1に記載した方法に従って、ポリイミド前駆体を重合し、製膜、イミド化して、ポリイミドフィルムを作製し、同様に物性を評価した。共重合組成(モル比)はAPAB:PBOXA=80:20である。このポリイミドフィルムは180°折曲げ試験によっても破断せず、可撓性を示した。N−メチル−2−ピロリドンやジメチルアセトアミドなどの有機溶媒に対して溶解性を示さなかった。高いガラス転移温度、銅に近い線熱膨張係数、低吸湿膨張率、銅箔との高い接着性、良好なハンダ耐熱性、膜靭性を示した。物性値を表1に示す。得られたポリイミドフィルムの赤外線吸収スペクトルを図5に示す。
(比較例1)
実施例1と同様にして酸二無水物としてTAMHQを用い、APAB、OXAの組成比を変更した以外は、実施例1に記載した方法に従って、ポリイミド前駆体を重合し、製膜、イミド化して、ポリイミドフィルムを作製し、同様に物性を評価した。共重合組成(モル比)はAPAB:OXA=50:50である。銅に近い線熱膨張係数、銅箔との高い接着性、高いガラス転移温度、及び膜靭性を示したが、吸湿膨張率は10ppm/%RHと高い値であった。物性値を表1に示す。
(比較例2)
TAMHQやTAHQの代わりに、エステル基を有しない3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(以下、BPDAと称する)を用い、OXA及び4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(以下、ODAと称する)を用いた以外は、実施例1に記載した方法に従って、ポリイミド前駆体を重合し、製膜、イミド化して、ポリイミドフィルムを作製し、物性を評価した。共重合組成(モル比)はOXA:ODA=80:20である。銅箔同等の低い線熱膨張係数、銅箔との高い接着性、高いガラス転移温度、及び膜靭性を示したが、吸湿膨張率は10ppm/%RHと高い値であった。物性値を表1に示す。
(比較例3)
TAMHQやTAHQの代わりにBPDAを用い、OXAの代わりにBOXAを用い、ODAを用いた以外は、実施例1に記載した方法に従って、ポリイミド前駆体を重合し、製膜、イミド化して、ポリイミドフィルムを作製し、物性を評価した。銅箔同等の低い線熱膨張係数、銅箔との高い接着性、高いガラス転移温度、及び膜靭性を示したが、吸湿膨張率は12ppm/%RHと高い値であった。物性値を表1に示す。
(比較例4)
OXAの代わりにODAを用いた以外は、実施例1に記載した方法に従って、ポリイミド前駆体を重合した。N−メチル−2−ピロリドン中、30℃、0.5重量%の濃度でオストワルド粘度計にて測定したポリイミド前駆体の固有粘度は、0.82dL/gであった。実施例1に記載した方法に従って、製膜、イミド化して、ポリイミドフィルムを作製し、物性を評価した。実施例1〜5に記載のポリイミドと同様に、高いガラス転移温度、銅箔同等の低い線熱膨張係数、及び膜靭性を示したが、吸湿膨張率は8.3ppm/%RHと高く、また、銅箔との接着強度も0.3kg/cmと低い値であった。物性値を表1に示す。
Figure 2008184558
本発明のポリイミドは、フレキシブルプリント配線(FPC)基板、テープオートメーションボンディング(TAB)用基材、各種電子デバイスにおける電気絶縁膜及び液晶ディスプレー用基板、有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレー用基板、電子ペーパー用基板、太陽電池用基板、特にFPC基板材料として好適に利用できる。
図1は実施例1に記載のポリイミドフィルムの赤外線吸収スペクトルである。 図2は実施例2に記載のポリイミドフィルムの赤外線吸収スペクトルである。 図3は実施例3に記載のポリイミドフィルムの赤外線吸収スペクトルである。 図4は実施例4に記載のポリイミドフィルムの赤外線吸収スペクトルである。 図5は実施例5に記載のポリイミドフィルムの赤外線吸収スペクトルである。

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)と下記一般式(2)で表される構造を有するポリイミド前駆体であって、XとYの比が60/40〜99/1である、エステル基及びオキサゾール構造を有するポリイミド前駆体。
    Figure 2008184558
    Figure 2008184558
    ここで、A、Aは式(3)〜式(6)より選択される4価の芳香族基であり、同じであっても異なっていてもよい。A、Aに結合する2つのカルボキシル基はシス配置に限定されず、シス配置とトランス配置が混在していてもよい。Rは、炭素数1〜4のアルキル基、メトキシ基、水素を表す。
    Figure 2008184558
    ここで、Bは式(7)〜式(10)で表される2価の芳香族基より選択され、R〜Rは炭素数1〜4のアルキル基、メトキシ基、水素を表し、R〜Rは同じであっても異なっていてもよい。なお、A、A、Bにおいて、エステル基を有する式(3)、式(4)、式(7)、式(8)、式(9)より少なくとも1種が選択される。
    Figure 2008184558
    ここで、Dは式(11)〜式(13)で表される2価の芳香族基より選択され、Arはフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基を表し、Ar2はフェニル基又はビフェニル基を表す。
    Figure 2008184558
  2. 下記一般式(14)と下記一般式(15)で表される構造を有するポリイミドであって、XとYの比が60/40〜99/1の割合である、エステル基及びオキサゾール構造を有するポリイミド。
    Figure 2008184558
    Figure 2008184558
    ここで、A、Aは式(3)〜式(6)より選択される4価の芳香族基であり、同じであっても異なっていてもよい。A、Aに結合する2つのカルボキシル基はシス配置に限定されず、シス配置とトランス配置が混在していてもよい。Rは、炭素数1〜4のアルキル基、メトキシ基、水素を表す。
    Figure 2008184558
    ここで、Bは式(7)〜式(10)で表される2価の芳香族基より選択され、R〜Rは炭素数1〜4のアルキル基、メトキシ基、水素を表し、R〜Rは同じであっても異なっていてもよい。なお、A、A、Bにおいて、エステル基を有する式(3)、式(4)、式(7)、式(8)、式(9)より少なくとも1種が選択される。
    Figure 2008184558
    ここで、Dは式(11)〜式(13)で表される2価の芳香族基より選択され、Arはフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基を表し、Ar2はフェニル基又はビフェニル基を表す。
    Figure 2008184558
  3. 請求項1に記載のエステル基及びオキサゾール構造を有するポリイミド前駆体を加熱によりあるいは脱水試薬を用いて環化反応(イミド化)させることを特徴とする、請求項2に記載のポリイミドの製造方法。
  4. 請求項1に記載のエステル基及びオキサゾール構造を有するポリイミド前駆体を主成分として含有するワニスを金属箔上に塗付、乾燥後、加熱によりあるいは脱水試薬を用いてイミド化させることを特徴とする、金属層と請求項2に記載のポリイミドから構成される樹脂層との積層板の製造方法。
  5. 請求項4に記載の積層板の金属層をエッチングすることを特徴とする、フレキシブルプリント配線基板の製造方法。
JP2007020068A 2007-01-30 2007-01-30 エステル基及びオキサゾール構造を有するポリイミド前駆体、ポリイミド及びその製造方法 Active JP4846609B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007020068A JP4846609B2 (ja) 2007-01-30 2007-01-30 エステル基及びオキサゾール構造を有するポリイミド前駆体、ポリイミド及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007020068A JP4846609B2 (ja) 2007-01-30 2007-01-30 エステル基及びオキサゾール構造を有するポリイミド前駆体、ポリイミド及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008184558A true JP2008184558A (ja) 2008-08-14
JP4846609B2 JP4846609B2 (ja) 2011-12-28

Family

ID=39727811

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007020068A Active JP4846609B2 (ja) 2007-01-30 2007-01-30 エステル基及びオキサゾール構造を有するポリイミド前駆体、ポリイミド及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4846609B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010283262A (ja) * 2009-06-08 2010-12-16 Toyobo Co Ltd 積層体およびその製造方法
JP2011084656A (ja) * 2009-10-15 2011-04-28 Kaneka Corp ポリイミド及びそれからなるポリイミドフィルム
WO2013077365A1 (ja) * 2011-11-25 2013-05-30 日産化学工業株式会社 ディスプレイ基板用樹脂組成物
KR101749609B1 (ko) * 2011-11-25 2017-06-21 닛산 가가쿠 고교 가부시키 가이샤 디스플레이 기판용 수지 조성물
KR101921919B1 (ko) 2011-08-18 2018-11-26 도레이 카부시키가이샤 폴리아미드산 수지 조성물, 폴리이미드 수지 조성물, 폴리이미드 옥사졸 수지 조성물 및 그것들을 함유하는 플렉시블 기판

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005131918A (ja) * 2003-10-30 2005-05-26 Toyobo Co Ltd 金属化耐熱フィルム及びその製造方法
JP2005313430A (ja) * 2004-04-28 2005-11-10 Toyobo Co Ltd 銅張り積層フィルム及びその製造方法
JP2006306109A (ja) * 2006-06-16 2006-11-09 Toyobo Co Ltd ポリイミドベンゾオキサゾールフィルムの製造方法
JP2006328407A (ja) * 1998-11-05 2006-12-07 Kaneka Corp ポリイミドフィルムおよびそれを用いた電気・電子機器用基板

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006328407A (ja) * 1998-11-05 2006-12-07 Kaneka Corp ポリイミドフィルムおよびそれを用いた電気・電子機器用基板
JP2005131918A (ja) * 2003-10-30 2005-05-26 Toyobo Co Ltd 金属化耐熱フィルム及びその製造方法
JP2005313430A (ja) * 2004-04-28 2005-11-10 Toyobo Co Ltd 銅張り積層フィルム及びその製造方法
JP2006306109A (ja) * 2006-06-16 2006-11-09 Toyobo Co Ltd ポリイミドベンゾオキサゾールフィルムの製造方法

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010283262A (ja) * 2009-06-08 2010-12-16 Toyobo Co Ltd 積層体およびその製造方法
JP2011084656A (ja) * 2009-10-15 2011-04-28 Kaneka Corp ポリイミド及びそれからなるポリイミドフィルム
KR101921919B1 (ko) 2011-08-18 2018-11-26 도레이 카부시키가이샤 폴리아미드산 수지 조성물, 폴리이미드 수지 조성물, 폴리이미드 옥사졸 수지 조성물 및 그것들을 함유하는 플렉시블 기판
WO2013077365A1 (ja) * 2011-11-25 2013-05-30 日産化学工業株式会社 ディスプレイ基板用樹脂組成物
CN104066768A (zh) * 2011-11-25 2014-09-24 日产化学工业株式会社 显示器基板用树脂组合物
JPWO2013077365A1 (ja) * 2011-11-25 2015-04-27 日産化学工業株式会社 ディスプレイ基板用樹脂組成物
KR101749626B1 (ko) * 2011-11-25 2017-06-21 닛산 가가쿠 고교 가부시키 가이샤 디스플레이 기판용 수지 조성물
KR101749609B1 (ko) * 2011-11-25 2017-06-21 닛산 가가쿠 고교 가부시키 가이샤 디스플레이 기판용 수지 조성물
TWI610963B (zh) * 2011-11-25 2018-01-11 日產化學工業股份有限公司 顯示器基板用樹脂組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP4846609B2 (ja) 2011-12-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5746280B2 (ja) 新規なエステル基含有テトラカルボン酸二無水物類、それから誘導される新規なポリエステルイミド前駆体及びポリエステルイミド
JP2008001876A (ja) ポリエステルイミドおよびその製造方法
JP5727795B2 (ja) エステル基含有テトラカルボン酸二無水物、ポリエステルポリイミド前駆体、ポリエステルイミドおよびこれらの製造方法
TWI395770B (zh) Polyesterimide precursors and polyester imides
JP2009286854A (ja) ポリエステルイミド前駆体およびポリエステルイミド
JP2009286868A (ja) 線状ポリイミド前駆体、線状ポリイミド、その熱硬化物、製造方法、接着剤および銅張積層板
JP5244303B2 (ja) ポリエステルイミドおよびその製造方法
JP2008101187A (ja) ポリエステルイミドおよびその製造方法
JP5009670B2 (ja) ポリエステルイミド前駆体及びポリエステルイミド
JP4846609B2 (ja) エステル基及びオキサゾール構造を有するポリイミド前駆体、ポリイミド及びその製造方法
KR101077405B1 (ko) 배선기판용 적층체
JP5232745B2 (ja) ポリイミドフィルム及びポリイミド金属積層板
EP2145910A1 (en) Linear polyimide precursor having asymmetric structure, polyimide, and their production methods
TWI614284B (zh) 聚醯亞胺共聚物及使用其之成形體
JP2009286853A (ja) ポリエステルイミド前駆体およびポリエステルイミド
JP5547874B2 (ja) ポリイミド樹脂
JP2009091441A (ja) ポリイミド前駆体及びポリイミド
TW200930563A (en) Metal laminate
JP2011148901A (ja) リン含有ジアミンおよびこれより得られるリン含有ポリイミド
TW202319444A (zh) 聚醯胺酸、聚醯亞胺、聚醯亞胺膜、金屬包覆積層板及電路基板
JP2009286966A (ja) ポリエステルイミド前駆体、ポリエステルイミド及び金属−ポリエステルイミド複合体
JP7195848B2 (ja) ポリアミド酸、ポリイミド、樹脂フィルム、金属張積層体及びその製造方法
JP2008063517A (ja) ポリエステルイミドおよびその製造方法
JP2012012559A (ja) 非対称構造を有するエステル基含有テトラカルボン酸二無水物、これより得られるポリエステルイミド前駆体およびポリエステルイミド、金属との積層体とこれら製造方法
JP2010047674A (ja) ポリエステルイミド前駆体及びポリエステルイミド

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20090401

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100120

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110930

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111011

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111012

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141021

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4846609

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350