JP2008183895A - 直液式筆記具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】直液式筆記具1は、ペン先2と、ペン先2の後端に接続されるインキ吸蔵体3と、インキ吸蔵体3の後方に配置され、インキ8を直に貯溜するインキタンク7と、インキタンク7とインキ吸蔵体3との間を接続する連通管6とからなる。インキ吸蔵体3とインキタンク7との間に隔壁52を設ける。隔壁52前面より前方に複数の連通管6を突出させ、連通管6の各々の前端をインキ吸蔵体3内部に位置させる。少なくとも1本の連通管6bの後端を隔壁52後面より後方に突出させインキタンク7内部に位置させる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ペン先2と、前記ペン先2の後端に接続されるインキ吸蔵体3と、前記インキ吸蔵体3の後方に配置され、インキを直に貯溜するインキタンク7と、前記インキタンク7と前記インキ吸蔵体3との間を接続する連通管6とからなる直液式筆記具であって、前記連通管6を複数備え、インキ吸蔵体3とインキタンク7との間に隔壁52を設け、前記隔壁52前面より前方に前記連通管6の各々を突出させ、前記連通管6の各々の前端をインキ吸蔵体3内部に位置させ、少なくとも1本の連通管6bを前記隔壁52後面より後方に突出させ、その連通管6bの後端をインキタンク7内部に位置させたこと(構成1)を要件とする。
本発明は、前記構成1の直液式筆記具1において、前記連通管6の各々の前端の軸方向の位置が互いに等しく設定されてなること(構成2)を要件とする。
本発明は、前記構成1または2の直液式筆記具1において、前記連通管6の各々の前端がインキ吸蔵体3内部のペン先2後端近傍に位置されてなること(構成3)を要件とする。が好ましい。
本発明は、前記構成1乃至3のいずれかの直液式筆記具1において、前記連通管6の各々の前端が前記インキ吸蔵体3の内部前方に位置し、前記ペン先2の後端が前記インキ吸蔵体3の内部前方に位置してなること(構成4)を要件とする。
本発明は、前記構成1乃至4のいずれかの直液式筆記具1において、前記ペン先2の後端と前記連通管6の各々の前端との間は、前記インキ吸蔵体3を介してインキ流通可能に接続されること(構成5)を要件とする。
本発明は、前記構成1乃至5のいずれかの直液式筆記具1において、前記連通管6の各々の前端をインキ吸蔵体3の後端から前方に挿入し、インキ吸蔵体3の内部を前方に押圧圧縮することによって、前記連通管6の各々の前端近傍のインキ吸蔵体3の密度を、前記連通管6の各々の前端近傍以外の部分のインキ吸蔵体3の密度よりも高く設定したこと(構成6)を要件とする。
本発明は、前記構成1乃至6の直液式筆記具1において、開栓前のインキタンク7の前端開口部を栓体71によって閉鎖し、前記隔壁52後面より後方に接続管54を突出させ、前記接続管54を前記インキタンク7の前端開口部内に挿着し、前記接続管54が前記栓体71を押圧することによって前記インキタンク7を開栓してなり、前記隔壁52後面より後方に突出された連通管6bが前記接続管54の内側に位置し、前記隔壁52後面より後方に突出された連通管6bの後端が前記接続管54の後端より前方に位置するかまたは前記隔壁52後面より後方に突出された連通管6bの後端と前記接続管54の後端との軸方向の位置が略一致してなること(構成7)を要件とする。
本発明は、前記構成7の直液式筆記具1において、インキタンク7の開栓時に前記栓体71の片側を押圧する突片54aを前記接続管54後端の片側に設け、前記隔壁52後面より後方に突出された連通管6bの外面と前記突片54aの内面とを近接させてなること(構成8)を要件とする。
本発明は、前記構成1乃至8のいずれかの直液式筆記具1において、前記インキ吸蔵体3の容積V2を、前記インキタンク7と前記各々の連通管6とからなる空間の容積V1の40%以上(好ましくは50%以上)に設定したこと(構成9)を要件とする。
本発明は、前記構成1乃至9のいずれかの直液式筆記具1において、前記連通管6の各々の前端近傍以外のインキ吸蔵体3の空隙率が70%〜95%であり、前記連通管6の各々の前端近傍以外のインキ吸蔵体3の空隙率と、前記連通管6の各々の前端近傍のインキ吸蔵体3の空隙率との差が7%以上(好ましくは10%以上)であること(構成10)を要件とする。
本発明は、前記構成1乃至10のいずれかの直液式筆記具1において、前記インキ吸蔵体3の前端から前記連通管6の各々の前端までの軸方向の距離S1,S2が、前記インキ吸蔵体3全体の軸方向の長さの3%以上50%以下(好ましくは3%以上30%以下)に設定されること(構成11)を要件とする。
本発明は、前記構成1乃至11のいずれかの直液式筆記具1において、前記インキ吸蔵体3の前端から前記連通管6の各々の前端までの軸方向の距離S1,S2が等しく設定されること(構成12)を要件とする。
本発明は、前記構成1乃至12のいずれかの直液式筆記具1において、前記連通管6の各々の前端と前記ペン先2の後端との軸方向の距離T1,T2が10mm(ミリメートル)以内に設定されること(構成13)を要件とする。
本発明は、前記構成1乃至13のいずれかの直液式筆記具1において、前記連通管6の各々の前端と前記ペン先2の後端との間の間隔が等しく設定されること(構成14)を要件とする。
本発明は、前記構成1乃至14のいずれかの直液式筆記具1において、前記インキ吸蔵体3の前端面及びインキ吸蔵体3の後端面が外気と連通されること(構成15)を要件とする。
本発明は、前記構成1乃至15のいずれかの直液式筆記具1において、前記連通管6の各々の内部に、毛細間隙を備えたインキ吸収体63を配置したこと(構成16)を要件とする。
本発明は、前記構成1乃至16のいずれかの直液式筆記具1において、前記連通管6の各々の側壁を互いに連結したこと(構成17)を要件とする。
尚、本発明で、前記連通管6は、一定の剛性を備える点で、合成樹脂製または金属製であることが好ましい。また、前記連通管6の外周面及び内周面の横断面形状は、例えば、円形、楕円、または3角形、4角形等の多角形等、いずれであってもよい。また、前記連通管6の本数は、複数本(即ち2本以上)であればよく、例えば、2本、3本、4本、5本または6本等が挙げられる。
尚、本発明で、前記インキ吸蔵体3は、インキを含浸可能な連続気孔を有する部材(即ち多孔質材料)からなるものであればよく、例えば、繊維束の熱融着加工体、繊維束の樹脂加工体、フェルトの樹脂加工体、フェルトのニードルパンチ加工体、合成樹脂の連続気泡体等が挙げられる。また、前記インキ吸蔵体3は、その外周面に合成樹脂フィルム等よりなる外皮を備える構成でもよい。また、前記インキ吸蔵体3の内部前方とは、インキ吸蔵体3の前半部の内部のことである。前記インキ吸蔵体3は、単一の部材であってもよいし、毛細管力の異なる複数の部材であってもよい。
本発明で、前記インキ吸蔵体3の密度とは、繊維密度等の多孔質組織の密度である。インキ吸蔵体3の高密度部31では、毛細間隙の間隙幅が小さくなり、インキ吸蔵体3の低密度部32では、毛細間隙の間隙幅が大きくなる。それにより、前記高密度部31の毛細管力は、前記低密度部32の毛細管力よりも大きくなる。
尚、本発明で、前記ペン先2は、例えば、繊維束の樹脂加工体、繊維束の熱融着加工体、フェルト加工体、パイプ状ペン体、先端にスリットを有する万年筆型板状ペン体、毛筆ペン体、合成樹脂の多孔質気泡体、ボールペンチップ、軸方向のインキ誘導路を有する合成樹脂の押出成形体等が挙げられる。また、前記ペン先2の後端を構成する材料は、少なくとも、インキ吸蔵体3との適正な接続を可能にするために毛細間隙を備えた部材であればよく、例えば、繊維束の樹脂加工体、繊維束の熱融着加工体、フェルト加工体、合成樹脂の多孔質気泡体等の多孔質材料、または軸方向のインキ誘導路を有する合成樹脂の押出成形体が挙げられる。尚、本発明で、前記ペン先2はインキ誘導部材を含む。
尚、前記インキ吸収体63は、毛細間隙を備えるものであればよく、例えば、繊維束の樹脂加工体、繊維束の熱融着加工体、フェルト加工体、合成樹脂の多孔質気泡体等の多孔質材料、または軸方向のインキ誘導路を有する合成樹脂の押出成形体等が挙げられる。前記インキ吸収体63の毛細管力は、インキ吸蔵体3内部の連通管6の各々の前端近傍部分(高密度部31)の毛細管力よりも、小さく設定されることが好ましい。
前記隔壁52は、インキ吸蔵体3とインキタンク7とを区画するものであり、実際には、インキタンクと、インキ吸蔵体3を収容する吸蔵体収容部とを区画するものである。前記隔壁52の後面は、インキタンク7内に面する。
前記インキタンク7は、例えば、筆記具本体に直接形成する構成(即ち、図1のようにインキタンク7が筆記具本体の一部を構成するもの)、または、筆記具本体内に収容する構成(図13、図16参照)が挙げられる。尚、本発明で、インキタンク7内に貯溜されるインキ8は、具体的には、筆記具用インキ(例えば、水性インキ、油性インキ)または塗布液(例えば、化粧液、修正液、接着剤、塗料、液体医薬品等)が挙げられる。
本発明の第1の実施の形態の直液式筆記具1を図1乃至図2に示す。
本実施の形態の直液式筆記具1は、ペン先2と、前記ペン先2後端に接続されるインキ吸蔵体3と、前記ペン先2を前端部で保持し且つ前記インキ吸蔵体3を内部に収容する吸蔵体収容部と、前記吸蔵体収容部の後方に取り付けられ且つ内部にインキ8を直に貯溜するインキタンク7と、前記吸蔵体収容部と前記インキタンク7とを区画する隔壁52と、前記隔壁52の前面より前方に突出され、インキ吸蔵体3の内部に突き刺し接続される複数本(具体的には2本)の連通管6とからなる。前記吸蔵体収容部は、前記ペン先2を保持する先部材4と、前記先部材4と前記インキタンク7とを接続する中間部材5とからなる。
前記ペン先2は、合成樹脂製繊維(例えば、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ナイロン繊維等)の樹脂加工により得られる棒状体である。前記ペン先2の先端は、砲弾状に研削される。前記ペン先2の後端部外周面は、テーパ状に面取りされる。前記ペン先2の中間部は、環状溝21が形成される。
前記インキ吸蔵体3は、円柱状の合成樹脂製繊維(例えば、ポリエステル繊維)の加工体よりなる。前記インキ吸蔵体3の外周面には、円筒状の外皮が被覆されている。前記外皮は、合成樹脂製フィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレート製フィルム)よりなる。前記インキ吸蔵体3の前端面の軸心にペン先2の後端が突き刺し挿入され、前記ペン先2の後端が前記インキ吸蔵体3の内部前方に位置される。
前記先部材4は、合成樹脂(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等)の射出成形により得られる筒状体である。前記先部材4は、ペン先2外周面を保持する小径部41と、該小径部41より後方に連設され、インキ吸蔵体3の前部外周面を保持する大径部42とからなる。
前記中間部材5は、合成樹脂(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等)の射出成形より得られる筒状体である。前記中間部材5は、前方に開口する前方筒部51と、該前方筒部51の底部に形成される隔壁52と、該隔壁52から後方に延設され且つ後方に開口する後方筒部53と、前記隔壁52前面から軸方向前方に突出される複数(具体的には2本)の連通管6とが一体に連設されてなる。本実施の形態では、隔壁52と連通管6とが一体に連設されているが、これ以外にも、別部材よりなる隔壁52と連通管6とを固着させる構成でもよい。
前記連通管6の各々の内部には、軸方向に流通路62が設けられ、前記流通路62が、前記連通管6の各々の両端にて開口される。前記連通管6の各々の前端は、インキ吸蔵体3の内部前方に開口され、前記連通管6の各々の後端は、インキ吸蔵体3後方のインキタンク7内に開口される。前記連通管6の各々の前端は軸線に対して垂直面である。前記複数本の連通管6において、1本の連通管6bが隔壁52後面より後方に突出され且つその連通管6bの後端がインキタンク7内に位置され、一方、他の連通管6aが隔壁52後面より後方に突出されていない(即ち他の連通管6aの後端が隔壁52後面と一致している)。前記複数本の連通管6は、インキ吸蔵体3とインキタンク7との間に並列に配置されるため、インキ吸蔵体3と、その後方のインキタンク7との間に、独立した複数本の流通路62が並列に設けられる。
尚、本実施の形態において、前記インキ吸蔵体3全体の軸方向の長さLは、30mmに設定される。また、本実施の形態において、前記インキ吸蔵体3の前端から前記連通管6の各々の前端までの軸方向の距離S1,S2は、両者とも4mmに設定される。よって、前記インキ吸蔵体3の前端から前記連通管6の各々の前端までの軸方向の距離S1,S2は、前記インキ吸蔵体3全体の軸方向の長さLの13.3%(即ち3%〜50%の範囲内)である。また、本実施の形態において、前記連通管6の各々の前端と前記ペン先2の後端との軸方向の距離T1,T2は、両者とも1mm(即ち10mm以内)に設定される。
前記インキタンク7は、前端が開口し後端が閉鎖された有底筒状体であり、合成樹脂の射出成形またはブロー成形により得られる。前記インキタンク7内には、直にインキ8が貯溜される。前記インキタンク7内に貯溜されるインキ8は、水性インキ、油性インキのいずれであってもよい。
図3に本発明の第2の実施の形態を示す。
本実施の形態は、第1の実施の形態の変形例であり、第1の実施の形態と異なる点はペン先2の前端がチゼル形状を有する点、及び連通管6と隔壁52とが別部材によりなる点である。
図4に本発明の第3の実施の形態を示す。
本実施の形態は、第1の実施の形態の変形例であり、ペン先2がボールペンチップよりなる。前記ペン先2は、先端に回転可能にボール22を抱持するホルダー23と、該ホルダー23内に挿着されるインキ誘導部材24とからなる。前記インキ誘導部材24は、棒状の合成樹脂製繊維の樹脂加工体からなり、その後端が、インキ吸蔵体3の前端より突き刺し挿入され、インキ吸蔵体3の内部前方に位置されている。また、先部材4の小径部41側壁には、空気孔44が穿設される。前記空気孔44により、外気と先部材4内の空気通路10とが連通される。
図5に本発明の第4の実施の形態を示す。
本実施の形態は、第1の実施の形態の変形例であり、第1の実施の形態と異なる点は、繊維加工体よりなるインキ吸収体63を各々の連通管6の流通路62内に収容した点である。前記インキ吸収体63の繊維密度(毛細管力)は、インキ吸蔵体3の高密度部31の繊維密度(毛細管力)よりも小さく設定される。前記インキ吸収体63を連通管6に収容したことによって、連通管6の外径及び内径を比較的大きく設定しても、連通管6の前端開口部を適正に液シールすることができる。その結果、連通管6の外径及び内径を太く設定でき、連通管6の折れ曲がり防止に有利となる。尚、前記以外の構成は、第1の実施の形態と同様の構成であるため説明を省略する。
図6及び図7に本発明の第5の実施の形態を示す。
本実施の形態は、第1の実施の形態の変形例であり、第1の実施の形態と異なる点は、連通管6の各々の前端が傾斜カット面61からなる点(第3の実施の形態と同様の構成)と、各々の連通管6の側壁を軸方向に延びる板状リブ64により互いに一体に連結した点である。前記各々の連通管6の側壁を軸方向に延びる板状リブ64により互いに一体に連結した構成により、各々の連通管6の屈曲強度が向上し、インキ吸蔵体3への安定した突き刺し挿入が得られる。尚、前記以外の構成は、第1の実施の形態と同様の構成であるため説明を省略する。
これは、連通管6の各々の側壁を互いに連結した別の例である。即ち、この例では、1本の筒状体の内部を長手方向に延びる仕切壁により区画した構成、あるいは、別の言い方をすれば、横断面半月状の2本の連通管6a,6bを横断面円形状になるように一体に連結した構成である。それにより、筒状体の内部に横断面半月状の2本の流通路62が独立して並列に設けられる。
これは、大径の連通管6aの内部に小径の連通管6bを配置した構成の例である。この例では、大径の連通管6aの内周面と小径の連通管6bの外周面との間に横断面環状の流通路62が形成され、小径の連通管6bの内部に横断面円形状の流通路62が形成される。前記大径の連通管6aの後端は隔壁52後面より後方に突出されず、前記小径の連通管6bの後端が隔壁52後面より後方に突出されインキタンク7内に位置される。
図10に第6の実施の形態を示す。
本実施の形態は、第1の実施の形態の変形例であり、第1の実施の形態と異なる点は、インキタンク7内に突出する連通管6bが、隔壁52と一体に形成され且つ隔壁52前面より前方に突出する第1の管状部材と、隔壁52後面より後方に突出する第2の管状部材の2部品からなる点にある。前記第2の管状部材は、隔壁52に圧入固着され、第1の管状部材と連通可能に接続される。尚、前記以外の構成は、第1の実施の形態と同様の構成であるため説明を省略する。
図11に第7の実施の形態を示す。
本実施の形態は、第1の実施の形態の変形例であり、第1の実施の形態と異なる点は、連通管6の各々の前端が、軸方向前方に開口せず、複数の窓孔65により径方向外方に開口している点にある。尚、前記以外の構成は、第1の実施の形態と同様の構成であるため説明を省略する。
図12に第8の実施の形態を示す。
本実施の形態は、第1の実施の形態の変形例であり、第1の実施の形態と異なる点は、インキ吸蔵体3の軸心の貫通孔にペン先2の後部が圧入され、ペン先2の後端がインキ吸蔵体3の内部後方(インキ吸蔵体3の後半部の内部)に位置している点にある。尚、前記以外の構成は、第1の実施の形態と同様の構成であるため説明を省略する。
本発明の第9の実施の形態の直液式筆記具1を図13乃至図15に示す。
本実施の形態の直液式筆記具1は、ペン先2と、前記ペン先2後端に接続されるインキ吸蔵体3と、前記インキ吸蔵体3の後方に配置される中間部材5と、前記中間部材5の後方に配置されるインキタンク7と、前端部で前記ペン先2を保持し且つ内部に前記インキ吸蔵体3、前記中間部材5、及び前記インキタンク7を収容する軸筒11と、前記軸筒11の後端開口部に着脱自在に螺着される尾栓12と、ペン先2側に着脱自在に設けられるキャップ13とからなる。
前記ペン先2は、合成樹脂製繊維(例えば、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ナイロン繊維等)の樹脂加工により得られる棒状体である。前記ペン先2の前端は、砲弾状に研削される。前記ペン先2の後端部外周面は、テーパ状に面取りされる。
前記インキ吸蔵体3は、円柱状の合成樹脂製繊維(例えば、ポリエステル繊維)の加工体よりなる。前記インキ吸蔵体3の外周面には、円筒状の外皮が被覆されている。前記外皮は、合成樹脂製フィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレート製フィルム)よりなる。前記インキ吸蔵体3の前端面の軸心にペン先2の後端が突き刺し挿入され、前記ペン先2の後端が前記インキ吸蔵体3の内部前方に位置される。
前記軸筒11は、合成樹脂(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等)の射出成形により得られる筒状体である。前記軸筒11は、ペン先2外周面を保持する先細部111と、該先細部111より後方に連設され、インキ吸蔵体3及び隔壁52及びインキタンク7が収容される本体部112とからなる。
前記中間部材5は、合成樹脂(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等)の射出成形により得られる。前記中間部材5は、前記インキ吸蔵体3とインキタンク7とを区画する隔壁52と、前記隔壁52の前面より前方に突出され且つインキ吸蔵体3の内部に突き刺し接続される複数本(具体的には2本)の連通管6と、前記隔壁52の後面より後方に突出され且つインキタンク7の前端開口部に挿着される接続管54と、前記隔壁52の前面または後面より軸方向に突出し且つ軸筒11内面(本体部112内面)に固着される取付筒部55とを備える。軸筒11及び隔壁52によって形成される空間(即ち吸蔵体収容部)に、インキ吸蔵体3が収容される。前記取付筒部55は、隔壁52前方の各々の連通管6の基部外周または接続管54外周を包囲している。前記接続管54後端には切り欠きが形成される。前記切り欠きにより、前記接続管54後端には栓体71の片側を押圧するための突片54aが一体に形成される。前記隔壁52は円板状であり、前記各々の連通管6、前記接続管54、前記取付筒部55は、円筒状である。前記突片54aは、横断面形状が円弧状である。
図15(1)に示すように、隔壁52の前面には、板状のリブよりなる当接壁部52bが一体に形成される。前記当接壁部52bがインキ吸蔵体3の後端面と当接される。前記当接壁部52bにより、前記隔壁52と前記インキ吸蔵体3の後端面との間には、外気と連通する隙間9が形成される。前記隙間9は、前記空気通路10を介して、外気と連通される。前記当接壁部52bの一部は各々の連通管6の基部の間に形成され、各々の連通管6の基部側壁が連結される。それにより、各々の連通管6の屈曲強度が向上し、各々の連通管6の隔壁52に対する折れ曲がりを抑えることができる。前記当接壁部52bは、横断面が、枝分かれ状、放射状、または十字状に形成される。
前記連通管6の各々の内部には、軸方向に流通路62が設けられ、前記流通路62が、前記連通管6の各々の両端にて開口される。前記連通管6の各々の前端は、インキ吸蔵体3の内部に位置し且つインキ吸蔵体3の内部前方に開口される。前記連通管6の各々の後端は、インキ吸蔵体3後方のインキタンク7内に開口される。前記複数本の連通管6において、1本の連通管6bが隔壁52後面より後方に突出され、且つ、その連通管6bの後端がインキタンク7内(接続管54内)に位置され、一方、他の連通管6aが隔壁52後面より後方に突出されていない(即ち他の連通管6aの後端が隔壁52後面と一致している)。前記各々の連通管6は、インキ吸蔵体3とインキタンク7との間に並列に配置されるため、インキ吸蔵体3と、その後方のインキタンク7との間に、独立した複数本の流通路62が並列に設けられる。前記連通管6の各々の流通路62は、接続管54内に位置する隔壁52の、軸心より離れた箇所に貫通される。
尚、本実施の形態において、前記インキ吸蔵体3全体の軸方向の長さは、28mmに設定される。また、本実施の形態において、前記インキ吸蔵体3の前端から前記連通管6の各々の前端までの軸方向の距離S1,S2は、両者とも14mmに設定される。また、本実施の形態において、前記連通管6の各々の前端と前記ペン先2の後端との軸方向の距離T1,T2は、両者とも3mm(即ち10mm以内)に設定される。
前記インキタンク7は、前端が開口し後端が閉鎖された有底筒状体であり、合成樹脂の射出成形またはブロー成形により得られる。前記インキタンク7内には、直にインキ8が貯溜される。前記インキタンク7内に貯溜されるインキ8は、水性インキ、油性インキのいずれであってもよい。
前記キャップ13は、ペン先2側に着脱自在に設けられる。前記キャップ13をペン先2側に装着することにより、ペン先2及び空気通路10の前端開口部が密封され、インキタンク内と外気との連通が遮断される。
本発明の第10の実施の形態の直液式筆記具1を図16乃至図18に示す。
本実施の形態は、第9の実施の形態の変形例であり、第9の実施の形態と異なる点は、連通管6の各々の内面(具体的には軸方向前方に開口する連通管6の各々の前端開口部の内面)に、流量規制部66(具体的には環状突出部)を設けた点にある。前記流量規制部66により、ペン先下向き状態で急激な圧力変化が生じた場合、インキタンク7内のインキ8が外部に吹き出すことを一層抑えることができる。尚、前記以外の構成は、第9の実施の形態と同様の構成であるため説明を省略する。
2 ペン先
21 環状溝
22 ボール
23 ホルダー
24 インキ誘導部材
3 インキ吸蔵体
31 高密度部
32 低密度部
4 先部材
41 小径部
42 大径部
43 リブ
43a 規制壁部
43b 係止凸部
44 空気孔
5 中間部材
51 前方筒部
52 隔壁
52a 取付孔
52b 環状凸部(当接壁部)
53 後方筒部
54 接続管
54a 突片
55 取付筒部
6 連通管
61 傾斜カット面
62 流通路
63 インキ吸収体
64 リブ
65 窓孔
66 流量規制部
6a 連通管
6b 連通管
7 インキタンク
71 栓体
8 インキ
9 隙間
10 空気通路
11 軸筒
111 先細部
112 本体部
113 リブ
113a 規制壁部
113b 筒状壁部
12 尾栓
13 キャップ
L インキ吸蔵体全体の軸方向の長さ
S1,S2 インキ吸蔵体の前端から連通管の前端までの軸方向の距離
T1,T2 連通管の前端とペン先の後端との軸方向の距離
Claims (9)
- ペン先と、前記ペン先の後端に接続されるインキ吸蔵体と、前記インキ吸蔵体の後方に配置され、インキを直に貯溜するインキタンクと、前記インキタンクと前記インキ吸蔵体との間を接続する連通管とからなる直液式筆記具であって、前記連通管を複数備え、インキ吸蔵体とインキタンクとの間に隔壁を設け、前記隔壁前面より前方に前記連通管の各々を突出させ、前記連通管の各々の前端をインキ吸蔵体内部に位置させ、少なくとも1本の連通管を前記隔壁後面より後方に突出させ、その連通管の後端をインキタンク内部に位置させたことを特徴とする直液式筆記具。
- 前記連通管の各々の前端の軸方向の位置が互いに等しく設定されてなる請求項1記載の直液式筆記具。
- 前記連通管の各々の前端がインキ吸蔵体内部のペン先後端近傍に位置されてなる請求項1または2記載の直液式筆記具。
- 前記連通管の各々の前端が前記インキ吸蔵体の内部前方に位置し、前記ペン先の後端が前記インキ吸蔵体の内部前方に位置してなる請求項1乃至3のいずれかに記載の直液式筆記具。
- 前記ペン先の後端と前記連通管の各々の前端との間は、前記インキ吸蔵体を介してインキ流通可能に接続される請求項1乃至4のいずれかに記載の直液式筆記具。
- 前記連通管の各々の前端をインキ吸蔵体の後端から前方に挿入し、インキ吸蔵体の内部を前方に押圧圧縮することによって、前記連通管の各々の前端近傍のインキ吸蔵体の密度を、前記連通管の各々の前端近傍以外の部分のインキ吸蔵体の密度よりも高く設定した請求項1乃至5のいずれかに記載の直液式筆記具。
- 開栓前のインキタンクの前端開口部を栓体によって閉鎖し、前記隔壁後面より後方に接続管を突出させ、前記接続管を前記インキタンクの前端開口部内に挿着し、前記接続管が前記栓体を押圧することによって前記インキタンクを開栓してなり、前記隔壁後面より後方に突出された連通管が前記接続管の内側に位置し、前記隔壁後面より後方に突出された連通管の後端が前記接続管の後端より前方に位置するかまたは前記隔壁後面より後方に突出された連通管の後端と前記接続管の後端との軸方向の位置が略一致してなる請求項1乃至6のいずれかに記載の直液式筆記具。
- インキタンクの開栓時に前記栓体の片側を押圧する突片を前記接続管後端の片側に設け、前記隔壁後面より後方に突出された連通管の外面と前記突片の内面とを近接させてなる請求項7記載の直液式筆記具。
- 前記インキ吸蔵体の容積を、前記インキタンクと前記各々の連通管とからなる空間の容積の40%以上に設定した請求項1乃至8のいずれかに記載の直液式筆記具。
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-
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- 2007-03-06 JP JP2007055244A patent/JP5085960B2/ja active Active
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