(1) 1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な可変表示装置(リール2L、2C、2R)に表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置の表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシン(スロットマシン1)であって、
賭数の設定に使用可能な遊技価値の大きさを記憶するための遊技価値記憶手段(クレジットカウンタ)と、
賭数を記憶するための賭数記憶手段(BETカウンタ)と、
前記遊技価値記憶手段に記憶された遊技価値を用いた賭け操作又は遊技媒体の投入に応じて、前記賭数記憶手段に賭数を設定する賭数設定手段(Sd12)と、
遊技者の操作に応じて、前記遊技価値記憶手段に記憶されている遊技価値の大きさに対応する数の遊技媒体の排出を指示する精算操作手段(精算スイッチ10)と、
前記賭数記憶手段に賭数が設定されている状態で前記精算操作手段の操作が検出されたときに、前記賭数記憶手段に設定されている賭数相当の遊技価値に対応する数の遊技媒体を排出するとともに当該賭数記憶手段を賭数未設定の記憶状態にする制御を行ない、前記賭数記憶手段に賭数が再度設定される前に前記精算操作手段の操作が再度検出されたときに、前記遊技価値記憶手段に記憶されている遊技価値に対応する数の遊技媒体を排出するとともに当該遊技価値記憶手段を遊技価値無の記憶状態にする制御を行なう精算制御手段(Sd19、図16(a))と、
遊技者の操作に応じて前記可変表示装置に表示結果を導出させることを指示する導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)と、
前記図柄の変動表示が開始されてから、遊技者により前記導出操作手段が操作されるまで、前記可変表示装置の変動表示を継続させる(ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたことのみを条件にリールを停止させて表示結果を導出させる)変動制御手段と、
前記導出操作手段が遊技者により操作されたときに、前記可変表示装置に表示結果を導出させる(ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに対応するリールを停止させて表示結果を導出させる)制御を行なう導出制御手段と、
前記ゲームが開始されたことに基づいて計時を開始する(リール回転コマンドを受信したときにタイマカウンタに第1の値を設定する)開始時計時開始手段と、
前記開始時計時開始手段が計時を開始してから、遊技者により前記導出操作手段が操作されないまま経過した時間が所定の待ち時間に到達したときに、前記導出操作手段の操作を促す促進報知を実行する(タイマカウンタの値が0となったときに促進報知を開始する)促進報知実行手段とを備える。
このような構成によれば、ゲームが開始したときから遊技者により導出操作手段が操作されない状態が所定の待ち時間続いたときに促進報知が実行されることで、スロットマシンの稼働率の低下を極力回避するとともに、該促進報知が実行されているか否かにより遊技者の不在状態を判別しやすくなる。
また、精算操作手段の操作により、一旦、設定した賭数をキャンセル可能となる。特に、1回目の操作で賭数の設定をキャンセルして遊技媒体として返却でき、さらに2回目の操作でスロットマシンが記憶している遊技価値を遊技媒体として返却できるため、遊技者にとっての利便性が向上される。
なお、所定数の賭数とは、少なくとも1以上の賭数であって、2以上の賭数が設定されることや最大賭数が設定されることでゲームが開始可能となるようにしてもよい。また、複数の遊技状態に応じて定められた賭数が設定されることでゲームが開始可能となるようにしてもよい。
また、前記変動制御手段は、遊技者により前記導出操作手段が操作されるまで、前記可変表示装置の変動表示を継続させるものであれば、たとえば変動表示中に何らかの要因でエラー等が発生しての変動表示が一時的に停止するものであってもよく、その後変動表示が再開した際に導出操作手段が操作されるまで可変表示装置の変動表示を継続させるものであればよい。
また、前記開始時計時開始手段が、前記ゲームが開始されたことに基づいて計時を開始するとは、たとえばゲームの開始を指示する操作がなされた時や、変動表示が開始した時、導出操作手段の操作が有効な状態とされた時等、ゲームの開始に起因したタイミングで計時を開始するものが含まれる。
また、遊技の制御を行なうメイン制御手段と、演出の制御を行なうサブ制御手段と、を別個に有し、サブ制御手段がメイン制御手段から送信された制御情報に基づいて演出の制御を行なう構成とし、前記メイン制御手段が、前記変動制御手段、前記導出制御手段を含み、前記サブ制御手段が前記開始時計時開始手段を含む場合には、前記開始時計時開始手段が、ゲームの開始を指示する操作がなされた旨を示す制御情報を受信したときや、変動表示が開始した旨を示す制御情報を受信したとき、導出操作手段の操作が有効な状態とされた旨を示す制御情報を受信したとき等、ゲームの開始に起因した制御情報を受信したタイミングで計時を開始すればよい。
(2) 前記賭数記憶手段に賭数が設定されている状態で前記精算操作手段の操作が検出されたときに、前記遊技価値記憶手段に記憶されている遊技価値に対応する数の遊技媒体を排出するとともに当該遊技価値記憶手段を遊技価値無の記憶状態にする制御を行ない、前記遊技価値記憶手段に遊技価値が再度記憶される前に前記精算操作手段の操作が再度検出されたときに、前記賭数記憶手段に設定されている賭数相当の遊技価値に対応する数の遊技媒体を排出するとともに当該賭数記憶手段を賭数未設定の記憶状態にする制御を行なう精算制御手段(Sd19、図16(b))を備える。
このような構成によれば、精算操作手段の操作により、一旦、設定した賭数をキャンセル可能となる。特に、1回目の操作でスロットマシンが記憶している遊技価値を遊技媒体として返却でき、さらに2回目の操作で賭数の設定をキャンセルして遊技媒体として返却できるため、遊技者にとっての利便性が向上される。
(3) 前記賭数記憶手段に賭数が設定されている状態で前記精算操作手段の操作が検出されたときに、前記賭数記憶手段に設定されている賭数相当の遊技価値を前記遊技価値記憶手段の記憶値に加算するとともに当該賭数記憶手段を賭数未設定の記憶状態にする制御を行ない、前記賭数記憶手段に賭数が再度設定される前に前記精算操作手段の操作が再度検出されたときに、前記遊技価値記憶手段に記憶されている遊技価値に対応する数の遊技媒体を排出するとともに当該遊技価値記憶手段を遊技価値無の記憶状態にする制御を行なう精算制御手段(Sd19、図16(c))を備える。
このような構成によれば、精算操作手段の操作により、一旦、設定した賭数をキャンセル可能となる。特に、1回目の操作で賭数の設定をキャンセルしてキャンセル分をスロットマシンに遊技価値として記憶させることができ、さらに2回目の操作でスロットマシンが記憶している遊技価値を遊技媒体として返却できるため、遊技者にとっての利便性が向上される。
(4) 前記賭数記憶手段に賭数が設定されている状態で前記精算操作手段の操作が検出されたときに、前記賭数記憶手段に設定されている賭数相当の遊技価値に対応する数の遊技媒体を排出するとともに当該賭数記憶手段を賭数未設定の記憶状態にする制御を行なった後、前記遊技価値記憶手段に記憶されている遊技価値に対応する数の遊技媒体を排出するとともに当該遊技価値記憶手段を遊技価値無の記憶状態にする制御を行なう精算制御手段(Sd19、図16(d))を備える。
このような構成によれば、精算操作手段の操作により、一旦、設定した賭数をキャンセル可能となる。特に、精算操作手段の1回の操作のみで賭数の設定をキャンセルして遊技媒体として返却し、続いてスロットマシンが記憶している遊技価値を遊技媒体として返却できるため、遊技者にとっての利便性が向上される。
(5) 前記賭数記憶手段に賭数が設定されている状態で前記精算操作手段の操作が検出されたときに、前記遊技価値記憶手段に記憶されている遊技価値に対応する数の遊技媒体を排出するとともに当該遊技価値記憶手段を遊技価値無の記憶状態にする制御を行なった後、前記賭数記憶手段に設定されている賭数相当の遊技価値に対応する数の遊技媒体を排出するとともに当該賭数記憶手段を賭数未設定の記憶状態にする制御を行なう精算制御手段(Sd19、図16(e))を備える。
このような構成によれば、精算操作手段の操作により、一旦、設定した賭数をキャンセル可能となる。特に、精算操作手段の1回の操作のみでスロットマシンが記憶している遊技価値を遊技媒体として返却し、続いて賭数の設定をキャンセルして遊技媒体として返却できるため、遊技者にとっての利便性が向上される。
(6) 前記賭数記憶手段に賭数が設定されている状態で前記精算操作手段の操作が検出されたときに、前記賭数記憶手段に設定されている賭数相当の遊技価値を前記遊技価値記憶手段の記憶値に加算するとともに当該賭数記憶手段を賭数未設定の記憶状態にする制御を行なった後、前記遊技価値記憶手段に記憶されている遊技価値に対応する数の遊技媒体を排出するとともに当該遊技価値記憶手段を遊技価値無の記憶状態にする制御を行なう精算制御手段(Sd19、図16(f))を備える。
このような構成によれば、精算操作手段の操作により、一旦、設定した賭数をキャンセル可能となる。特に、精算操作手段の1回の操作のみで賭数の設定をキャンセルしてキャンセル分をスロットマシンに遊技価値として記憶させ、続いてスロットマシンが記憶している遊技価値を遊技媒体として返却できるため、遊技者にとっての利便性が向上される。
(7) 画面領域(表示領域51a)が遊技者から見て前記可変表示装置(リール2L、2C、2R)の手前側に配置され、少なくとも前記可変表示装置の表示領域(透視窓3)において図柄を変動表示している間(リールの変動中)は前記画面領域(表示領域51a)における前記可変表示装置の表示領域(透視窓3)に対応する領域(透過領域51b)を非表示領域とすることで、該非表示領域(透過領域51b)を介して前記可変表示装置の表示領域における図柄の変動表示(リールの変動態様)を視認可能とした画像表示装置(液晶表示器51)と、
遊技の進行に応じて前記画像表示装置への画像の表示による画像表示演出の実行を制御する画像演出制御手段(CPU191a、グラフィックコントローラ200)と、
前記画像表示装置に駆動信号を出力することで該画像表示装置を駆動する表示駆動回路(液晶駆動回路215)とをさらに備え、
前記画像演出制御手段は、
遊技の進行に応じて前記画像表示装置への画像の表示による画像表示演出の種類を選択し、該選択した種類の画像表示演出に応じた画像を表示対象画像として設定する表示対象画像設定手段(CPU191aは、グラフィックコントローラ200に対してキャラクタの描画を命令する)と、
前記表示対象画像設定手段により設定された表示対象画像に対応した画像データ(キャラクタ)を、予め定められたフレーム期間(Vブランク)毎にフレームメモリ(描画領域)に描画する(グラフィックコントローラ200は、Vブランク毎に描画を行なう)とともに、該フレームメモリに描画された画像データに対応した画像信号(ビデオ信号)を、前記フレーム期間(Vブランク)毎に前記表示駆動回路(液晶駆動回路215)に出力し、前記画像表示装置の画面領域(表示領域51a)に画像を表示させる表示制御手段(グラフィックコントローラ200は、Vブランク毎にビデオ信号の出力を更新する)とを含み、
前記画像演出制御手段は、少なくとも前記可変表示装置の表示領域において図柄を変動表示している間において、前記非表示領域に対応する領域に所定の透明用色彩の画像を最優先で表示させる透過表示処理を実行する(CPU191aは、リールの変動中において必ず透過領域用オブジェクトを最優先で描画する旨を命令し、グラフィックコントローラ200は、この命令に基づいて透過領域用オブジェクトを最前面に描画し、表示させる)。
このような構成によれば、少なくとも可変表示装置の表示領域において図柄を変動表示している間において、画像表示装置の画面領域のうち可変表示装置の表示領域に対応する非表示領域に透明用色彩の画像が最優先で表示されるので、可変表示装置の表示領域に対応する領域に画像が表示されて可変表示装置による図柄の変動表示の視認性が妨げられてしまうことを防止できる。
これにより、たとえば遊技者の操作によって図柄の変動が停止するもの(いわゆる目押しを要するもの)であっても、図柄の停止操作を行なう際に、画像表示装置に表示された画像によって停止操作が困難となってしまうことがない。また、図柄の変動態様によって演出を行なうもの(たとえば、停止時にバウンドさせたり、逆回転させるものなど)であっても、画像表示装置に表示された画像によって図柄の変動態様による演出効果が妨げられてしまうこともない。
また、可変表示装置による図柄の変動表示の視認性を妨げないようにするために、予め可変表示装置の表示領域に画像が表示されないように、非表示領域に画像が重ならないように画像データを作成せずとも、可変表示装置の表示領域に対応する非表示領域に透明用色彩が表示されるので、非表示領域を意識せずに画像データを設計することができる。
また、前記画像表示装置は、画面領域を介して可変表示装置の表示領域を視認可能な透明表示器であり、たとえば、透明液晶表示器や自発光式の透明無機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)表示器、有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)表示器などが該当する。
また、前記画像演出制御手段が、少なくとも前記可変表示装置の表示領域において図柄を変動表示している間において、前記非表示領域に対応する領域に所定の透明用色彩の画像を最優先で表示させるとは、非表示領域に他の色彩の描画よりも優先して透明用色彩の描画を行なう処理を実行したり、非表示領域について透明用色彩以外の色彩の描画が指定されている場合でも、最終的に透明用色彩に更新する処理を実行することである。
(8) 前記画像演出制御手段は、前記透明用色彩の画像以外の画像を表示させる処理よりも優先して前記透過表示処理を実行する(透過領域用オブジェクトの描画を他のオブジェクトの描画よりも先に行なう)。
このような構成によれば、透明用色彩の画像以外の画像を表示させる処理によって、非表示領域を透明用色彩で表示させる処理が抜けてしまうことにより、可変表示装置の図柄の変動表示の視認性が妨げられてしまうことを防止できる。
(9) 前記画像演出制御手段は、前記透過表示処理を遊技状態に関わらず常に実行する(遊技状態に関わらず、リールの変動中においては常に透過領域用オブジェクトを最優先で描画する)。
このような構成によれば、スロットマシンの遊技状態に関わらず、少なくとも可変表示装置の表示領域において図柄を変動表示している間においては非表示領域を透明用色彩で表示させる処理が常に行なわれるので、どのような遊技状態であっても可変表示装置の図柄の変動表示の視認性が妨げられてしまうことを防止できる。
このような構成によれば、可変表示装置の表示領域が背後から照射されるため、視認性が向上するとともに、照射手段に電源を供給する配線、もしくは表示駆動回路に電源を供給する配線のいずれか一方が断線した場合でも、照射手段及び表示駆動回路がともに停止してしまうことがないので、このような場合でも可変表示装置の図柄の変動表示の視認性を確保することができる。
このような構成によれば、遊技の制御を行なうメイン制御手段の制御負荷を効果的に軽減できるとともに、遊技状態に応じた演出の決定を行なう第1のサブ制御手段の制御負荷を効果的に軽減できる。
また、ゲームが開始したときから導出操作がなされない状態が第1の待ち時間続いたときに促進報知が実行されるばかりか、いずれかの可変表示領域に対応する導出操作がなされたときから、変動表示中の可変表示領域に対応する導出操作がなされない状態が第2の待ち時間続いたときにも促進報知が実行されることで、稼働率の低下を極力回避するとともに、該促進報知が実行されているか否かにより遊技者の不在状態が一層判別しやすくなる。また、促進報知の実行中に導出操作がなされたときには実行中の促進報知が終了するため、導出操作が行なわれた、すなわち遊技者が遊技を行なう意思があるにも関わらず促進報知が延々と実行され、遊技者に不快感を与えてしまうことを回避できる。
(12) 前記促進報知として前記画像表示装置に促進画像を表示させる促進画像演出(促進報知)を含む複数種類の前記画像表示演出にそれぞれ対応する複数種類の画像要素データ(キャラクタ)を予め格納した画像要素データ記憶手段(CGROM205)と、
データを読み書き可能に記憶する手段であって、前記複数種類の画像要素データ(キャラクタ)のうちで実行中の画像表示演出に対応する画像要素データ(キャラクタ)が一時的に書き込まれる一時記憶領域(VRAM上の専用キャラクタ用バッファL1、汎用キャラクタ用バッファL2、エラー用キャラクタ用バッファL3)と、該一時記憶領域に書き込まれた画像要素データ(キャラクタ)に基づいて画像データが描画されるフレーム領域(VRAM上の描画領域(表示領域))を含む画像データ記憶手段(SDRAM210)とを含み、
前記表示制御手段は、
前記画像要素データ記憶手段(CGROM205)から前記表示対象画像設定手段により設定された表示対象画像の画像要素データ(キャラクタ)を読み出し、該読み出した画像要素データ(キャラクタ)を前記一時記憶領域(VRAM上の専用キャラクタ用バッファL1、汎用キャラクタ用バッファL2、エラー用キャラクタ用バッファL3)に書き込む画像要素データ書込手段と、
前記一時記憶領域(VRAM上の専用キャラクタ用バッファL1、汎用キャラクタ用バッファL2、エラー用キャラクタ用バッファL3)に書き込まれた画像要素データ(キャラクタ)を読み出し、該読み出した画像要素データ(キャラクタ)に基づいて画像データを前記フレームメモリとしての前記フレーム領域(VRAM上の描画領域(表示領域))に描画する画像データ描画手段とを含み、
前記画像要素データ書込手段は、前記促進画像演出(促進報知)の画像要素データ(キャラクタ)を、前記一時記憶領域のうち遊技の進行に応じて実行する通常画像演出(エラー報知以外の演出)の画像要素データ(キャラクタ)が書き込まれる汎用領域(汎用キャラクタ用バッファL2)とは別個に割り当てられた専用領域(エラー用キャラクタ用バッファL3)に書き込む。
このような構成によれば、促進画像演出の画像要素データが、一時記憶領域のうち通常画像演出の画像要素データが書き込まれる汎用領域とは別個に割り当てられた専用領域に書き込まれるので、促進画像演出の画像要素データの書き込みによって通常画像演出の画像要素データが一時記憶領域から消去されてしまうことがない。このため、遊技の進行状況とは直接は関係しない促進画像演出のために、実行中の通常画像演出の画像要素データを画像要素データ記憶手段から読み出して画像データ記憶手段の一時記憶領域に書き込むというオーバーヘッドが重複して生じることをなくすことができる。
本発明の実施の形態を以下に説明する。
本発明が適用されたスロットマシンの実施の形態を図面を用いて説明すると、本実施の形態のスロットマシン1は、前面が開口する筐体(図示略)と、この筺体の側端に回動自在に枢支された前面扉と、から構成されている。
本実施の形態のスロットマシン1の筐体内部には、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リールともいう)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉に設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L、2C、2Rの外周部には、図2に示すように、それぞれ「赤7(図中黒7)」、「青7(図中網掛7)」、「BAR」、「リプレイ」、「スイカ」、「チェリー」、「ベル」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、透視窓3において各々上中下三段に表示される。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(図3参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
また、前面扉の各リール2L、2C、2Rの手前側(遊技者側)の位置には、液晶表示器51(図3参照)の表示領域51aが配置されている。液晶表示器51は、液晶素子に対して電圧が印加されていない状態で、透過性を有するノーマリーホワイトタイプの液晶パネルを有しており、表示領域51aの透視窓3に対応する透過領域51b及び透視窓3を介して遊技者側から各リール2L、2C、2Rが視認できるようになっている。また、液晶表示器には、液晶パネルの表面にノングレア加工を施したノングレアタイプの液晶表示器と、グレア加工(光沢加工)を施したグレアタイプの液晶表示器と、があるが、本実施の形態では、表示領域51aの表面にグレア加工が施されたグレアタイプの液晶表示器を用いている。また、表示領域51aの透過領域51bを除く領域の裏面には、背後から表示領域51aを照射するバックライト(図示略)が設けられているとともに、さらにその裏面には、内部を隠蔽する隠蔽部材(図示略)が設けられている。
また、前面扉には、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いてメダル1枚分の賭数を設定する際に操作される1枚BETスイッチ5、クレジットを用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数(本実施の形態では後述の通常遊技状態及びRT(リプレイタイム)においては3、後述のレギュラーボーナスにおいては1)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダル及び賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジット及び賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、既に行なわれた遊技に関する遊技履歴データの閲覧や初期化、演出モードを選択する際に操作される選択スイッチ56及び決定スイッチ57、が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
また、前面扉には、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、後述するビッグボーナス中のメダルの獲得枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される遊技補助表示器12、入賞の発生により払い出されたメダル枚数が表示されるペイアウト表示器13が設けられている。
また、前面扉には、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられている。
また、MAXBETスイッチ6の内部には、1枚BETスイッチ5及びMAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図3参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図3参照)がそれぞれ設けられている。
また、前面扉の内側には、所定のキー操作により後述するRAM異常エラーを除くエラー状態及び後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体内部に設けられた後述のホッパータンク(図示略)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31が設けられている。
筐体内部には、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33からなるリールユニット(図示略)、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク(図示略)、ホッパータンクに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34、ホッパーモータ34の駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ35、電源ボックス(図示略)が設けられている。
電源ボックスの前面には、後述のビッグボーナス終了時に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36、後述のビッグボーナス終了時に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ29、起動時に設定変更モードに切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはRAM異常エラーを除くエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更モードにおいては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をON/OFFする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
本実施の形態のスロットマシン1においてゲームを行なう場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するには1枚BETスイッチ5、またはMAXBETスイッチ6を操作すればよい。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1〜L5(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。なお、本実施の形態では、規定数の賭数として後述する通常遊技状態及びRTにおいては3枚が定められており、後述するレギュラーボーナス中においては、1枚が定められている。なお、遊技状態に対応する規定数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効化されたいずれかの入賞ラインL1〜L5上に予め定められた図柄の組み合わせ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施の形態では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。なお、有効化された複数の入賞ライン上にメダルの払出を伴う図柄の組み合わせが揃った場合には、有効化された入賞ラインに揃った図柄の組み合わせそれぞれに対して定められた払出枚数を合計し、合計した枚数のメダルが遊技者に対して付与されることとなる。ただし、1ゲームで付与されるメダルの払出枚数には、上限(本実施の形態では、15枚)が定められており、合計した払出枚数が上限を超える場合には、上限枚数のメダルが付与されることとなる。また、有効化されたいずれかの入賞ラインL1〜L5上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組み合わせが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組み合わせに応じた遊技状態に移行するようになっている。
図3は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図3に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、表示制御基板190、電源基板100が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、表示制御基板190によって液晶表示器51の表示制御が行なわれ、電源基板100によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板100には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40及び遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給され、さらに演出制御基板90を介して接続された表示制御基板190にも供給されるようになっている。
特に、本実施の形態のスロットマシンにおいては、電源基板100で生成された電圧を各部に供給する電源ラインのうち、少なくとも後述するサブ制御部91(CPU91a)及び後述する表示制御回路192に電圧を供給する電源ラインと、液晶表示器51に搭載された後述する液晶駆動回路215に電圧を供給する電源ラインと、後述するLED駆動回路93に電圧を供給する電源ラインと、後述するリールLED55に電圧を供給する電源ラインと、がそれぞれ電気的に独立して配線されている。
なお、電気的に独立して配線するとは、同一ケーブルもしくは同一基板上に配線されている場合でも、これらの配線ラインが電気的に非接触状態で設けられていることである。
また、電源基板100には、前述したホッパーモータ34、払出センサ35、打止スイッチ36、自動精算スイッチ29、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、前述した1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、投入メダルセンサ31、リールセンサ33が接続されているとともに、電源基板100を介して前述した払出センサ35、打止スイッチ36、自動精算スイッチ29、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、ペイアウト表示器13、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED10、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板100を介して前述したホッパーモータ34が接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、CPU41a、ROM41b、RAM41c、I/Oポート41dを備えたマイクロコンピュータからなり、遊技の制御を行なうメイン制御部41、所定範囲(本実施の形態では0〜16383)の乱数を発生させる乱数発生回路42、乱数発生回路から乱数を取得するサンプリング回路43、遊技制御基板40に直接または電源基板100を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路44、リールモータ32L、32C、32Rの駆動制御を行なうモータ駆動回路45、流路切替ソレノイド30の駆動制御を行なうソレノイド駆動回路46、遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDの駆動制御を行なうLED駆動回路47、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する電断検出回路48、電源投入時またはCPU41aからの初期化命令が入力されないときにCPU41aにリセット信号を与えるリセット回路49、その他各種デバイス、回路が搭載されている。
CPU41aには、処理を実行するのに必要なデータの読み出し及び書き込みが行なわれる複数のレジスタ(記憶領域)が設けられている。詳しくは、主に演算用データが格納されるA、Fレジスタ(フラグレジスタ)、汎用データが格納されるB、C、D、E、H、Lレジスタ、実行中のプログラムの位置を示すデータが格納されるPCレジスタ、スタックポインタ(後述するスタック領域の現在の位置を示すアドレス)が格納されるSPレジスタ、後述するリフレッシュ動作を行なうRAM41cのメモリブロックを示すデータが格納されるRレジスタ、RAM41cの格納領域を参照する際の基準となる位置を示すデータが格納されるIX、IYレジスタ、割込発生時に参照する割込テーブルの位置を示すデータが格納されるIレジスタが設けられている。
CPU41aは、計時機能、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備え、ROM41bに記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行なうととともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。ROM41bは、CPU41aが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶する。RAM41cは、CPU41aがプログラムを実行する際のワーク領域等として使用される。I/Oポート41dは、メイン制御部41が備える信号入出力端子を介して接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
メイン制御部41は、信号入力端子DATAを備えており、遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態がこれら信号入力端子DATAを介して入力ポートに入力される。これら信号入力端子DATAの入力状態は、CPU41aにより監視されており、CPU41aは、信号入力端子DATAの入力状態、すなわち各種スイッチ類の検出状態に応じて段階的に移行する基本処理を実行する。
また、CPU41aは、前述のように割込機能を備えており、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっている。本実施の形態では、割込1〜4の4種類の割込を実行可能であり、各割込毎にカウンタモード(信号入力端子DATAとは別個に設けられたトリガー端子CLK/TRGからの信号入力に応じて外部割込を発生させる割込モード)とタイマモード(CPU41aのクロック入力数に応じて内部割込を発生させる割込モード)のいずれかを選択して設定できるようになっている。
本実施の形態では、割込1〜4のうち、割込2がカウンタモードに設定され、割込3がタイマモードに設定され、割込1、4は未使用とされている。トリガー端子CLK/TRGは、前述した電断検出回路48と接続されており、CPU41aは電断検出回路48から出力された電圧低下信号の入力に応じて割込2を発生させて後述する電断割込処理(メイン)を実行する。また、CPU41aは、クロック入力数が一定数に到達する毎、すなわち一定時間間隔(本実施の形態では、約0.56ms)毎に割込3を発生させて後述するタイマ割込処理(メイン)を実行する。また、割込1、4は、未使用に設定されているが、ノイズ等によって割込1、4が発生することがあり得る。このため、CPU41aは、割込1、4が発生した場合に、もとの処理に即時復帰させる未使用割込処理を実行するようになっている。
また、CPU41aは、割込1〜4のいずれかの割込の発生に基づく割込処理の実行中に他の割込を禁止するように設定されているとともに、複数の割込が同時に発生した場合には、割込2、3、1、4の順番で優先して実行する割込が設定されている。すなわち割込2とその他の割込が同時に発生した場合には、割込2を優先して実行し、割込3と割込1または4が同時に発生した場合には、割込3を優先して実行するようになっている。
また、CPU41aは、割込1〜4のいずれかの割込の発生に基づく割込処理の開始時に、レジスタに格納されている使用中のデータをRAM41cに設けられた後述のスタック領域に一時的に退避させるとともに、当該割込処理の終了時にスタック領域に退避させたデータをレジスタに復帰させるようになっている。
RAM41cには、DRAM(Dynamic RAM)が使用されており、記憶しているデータ内容を維持するためのリフレッシュ動作が必要となる。CPU41aには、このリフレッシュ動作を行なうための前述したR(リフレッシュ)レジスタが設けられている。Rレジスタは、8ビットからなり、そのうちの下位7ビットが、CPU41aがROM41bから命令をフェッチする度に自動的にインクリメントされるもので、その値の更新は、1命令の実行時間毎に行なわれる。
また、メイン制御部41には、停電時においてもバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、CPU41aによりリフレッシュ動作が行なわれてRAM41cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
また、CPU41aは、起動時において、打止スイッチ36、自動精算スイッチ29の状態を取得し、CPU41aの特定のレジスタに打止機能の有効/無効、自動精算機能の有効/無効を設定するようになっている。打止スイッチ36及び自動精算スイッチ29の状態は起動時においてのみ取得し、取得した状態に基づいて打止及び自動精算機能の有効/無効が設定されるため、その後に打止スイッチ36や自動精算スイッチ29が操作されても、新たに打止及び自動精算機能の有効/無効が設定されることはない。
乱数発生回路42は、後述するように所定数のパルスを発生する度にカウントアップして値を更新するカウンタによって構成され、サンプリング回路43は、乱数発生回路42がカウントしている数値を取得する。乱数発生回路42は、乱数の種類毎にカウントする数値の範囲が定められており、本実施の形態では、その範囲として0〜16383が定められている。CPU41aは、その処理に応じてサンプリング回路43に指示を送ることで、乱数発生回路42が示している数値を乱数として取得する(以下、この機能をハードウェア乱数機能という)。後述する内部抽選用の乱数は、ハードウェア乱数機能により抽出した乱数をそのまま使用するのではなく、ソフトウェアにより加工して使用するが、その詳細については詳しく説明する。また、CPU41aは、前述のタイマ割込処理(メイン)により、特定のレジスタの数値を更新し、こうして更新された数値を乱数として取得する機能も有する(以下、この機能をソフトウェア乱数機能という)。
CPU41aは、I/Oポート41dを介して演出制御基板90に、各種のコマンドを送信する。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、演出制御基板90から遊技制御基板40へ向けてコマンドが送られることはない。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドの伝送ラインは、ストローブ(INT)信号ライン、データ伝送ライン、グラウンドラインから構成されているとともに、演出中継基板80を介して接続されており、遊技制御基板40と演出制御基板90とが直接接続されない構成とされている。
演出制御基板90には、前述した選択スイッチ56、決定スイッチ57が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉に配置された演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の電気部品が接続されており、これら電気部品は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。
演出制御基板90には、メイン制御部41と同様にCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行なうサブ制御部91、演出効果LED52、リールLED55の駆動制御を行なうLED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行なう音声出力回路94、電源投入時またはCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、演出制御基板90に接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路96、日付情報及び時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブ制御部91に対して出力する電断検出回路98、その他の回路等、が搭載されており、CPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンド、演出制御基板90に接続されたスイッチ類の検出を受けて、演出を行なうための各種の制御を行なうとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
CPU91aは、メイン制御部41のCPU41aと同様に、割込機能(割込禁止機能を含む)を備える。サブ制御部91の割込端子(図示略)は、コマンド伝送ラインのうち、メイン制御部41がコマンドを送信する際に出力するストローブ(INT)信号線に接続されており、CPU91aは、ストローブ信号の入力に基づいて割込を発生させて、メイン制御部41からのコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、CPU91aは、クロック入力数が一定数に到達する毎、すなわち一定間隔毎に割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。また、CPU91aの割込端子(図示略)は、前述した電断検出回路98と接続されており、CPU91aは電断検出回路98から出力された電圧低下信号の入力に応じて割込を発生させて後述する電断割込処理(サブ)を実行する。また、CPU91aにおいても未使用の割込が発生した場合には、もとの処理に即時復帰させる未使用割込処理を実行するようになっている。
また、CPU91aは、CPU41aとは異なり、ストローブ信号(INT)の入力に基づいて割込が発生した場合には、電断割込処理(サブ)を除く他の割込に基づく割込処理の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を実行し、電断割込処理(サブ)を除く他の割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を最優先で実行するようになっている。なお、電断割込処理(サブ)を除く割込処理の実行中は、ストローブ信号(INT)の入力に基づく割込以外の割込が禁止されるようになっている。これに対して電断割込処理(サブ)においては、コマンド受信割込処理を含む他の割込処理が一切禁止されており、さらに他の割込が同時に発生しても電断割込処理(サブ)を最優先で実行するようになっている。
また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、CPU91aによりリフレッシュ動作が行なわれてRAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
CPU91aは、I/Oポート91dを介して表示制御基板190に、液晶表示器51の画像表示を指示する表示制御コマンドを送信する。演出制御基板90から表示制御基板190へ送信される表示制御コマンドの伝送ラインは、遊技制御基板40から演出制御基板90へのコマンドの伝送ラインと同様に、ストローブ(INT)信号ライン、データ伝送ライン、グラウンドラインから構成されている。
表示制御基板190には、スロットマシン1の前面扉に配置された液晶表示器51(図1参照)が接続されており、液晶表示器51は、表示制御基板190に搭載された後述の表示制御部191及び表示制御回路192の制御に基づいて駆動されるようになっている。
表示制御基板190には、メイン制御部41やサブ制御部91と同様にCPU191a、ROM191b、RAM191c、I/Oポート191dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、液晶表示器51の表示制御を行なう表示制御部191、表示制御部191からの指示に基づいて画像処理などを行なう表示制御回路192、電源投入時またはCPU191aからの初期化命令が一定時間入力されないときにCPU191aにリセット信号を与えるリセット回路195、その他の回路等、が搭載されており、CPU191aは、演出制御基板90から送信される表示制御コマンドを受けて、液晶表示器51の表示制御を行なう。
CPU191aは、メイン制御部41のCPU41aやサブ制御部91のCPU91aと同様に、割込機能(割込禁止機能を含む)を備える。表示制御部191の割込端子(図示略)は、コマンド伝送ラインのうち、サブ制御部91がコマンドを送信する際に出力するストローブ(INT)信号線に接続されており、CPU191aは、ストローブ信号の入力に基づいて割込を発生させて、サブ制御部91からの表示制御コマンドを取得し、バッファに格納する表示制御コマンド受信割込処理を実行する。また、CPU191aは、クロック入力数が一定数に到達する毎、すなわち一定間隔毎に割込を発生させて後述するタイマ割込処理(表示)を実行する。また、CPU191aの割込端子(図示略)は、表示制御回路192の後述するグラフィックコントローラ200に接続されており、CPU191aは、グラフィックコントローラ200から定期的(本実施の形態では、33.3ms毎)に出力されるVブランク割込信号の入力に基づいて割込を発生させてVブランク割込処理を実行する。また、CPU191aは、グラフィックコントローラ200から後述する転送処理、読込処理、描画処理などの終了時にそれぞれ出力される、転送終了割込信号、読込終了割込信号、描画終了割込信号の入力に基づいて割込を発生させて転送終了割込処理、読込終了割込処理、描画終了割込処理をそれぞれ実行する。なお、転送終了割込信号は、CPU191aの割込端子に加えて通常の信号入力端子にも接続されており、割込端子以外にも入力ポートを介して転送終了割込信号をCPU191aが検出できるようになっている。また、CPU191aにおいても未使用の割込が発生した場合には、もとの処理に即時復帰させる未使用割込処理を実行するようになっている。
また、CPU191aは、CPU91aと同様に、ストローブ信号(INT)の入力に基づいて割込が発生した場合には、他の割込に基づく割込処理の実行中であっても、当該処理に割り込んで表示制御コマンド受信割込処理を実行し、他の割込が同時に発生しても表示制御コマンド受信割込処理を最優先で実行するようになっている。なお、いずれかの割込処理の実行中は、ストローブ信号(INT)の入力に基づく割込以外の割込が禁止されるようになっている。
なお、表示制御部191には、停電時においてバックアップ電源は供給されておらず、RAM191cに記憶されているデータは停電時に保持されないようになっている。
本実施の形態のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものであり、後述する内部抽選の当選確率は、設定値に応じて定まるものとなる。以下、設定値の変更操作について説明する。
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をON状態としてからスロットマシン1の電源をONする必要がある。設定キースイッチ37をON状態として電源をONすると、設定値表示器24に設定値の初期値として1が表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更モードに移行する。設定変更モードにおいて、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された設定値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると設定値が確定し、確定した設定値がメイン制御部41のRAM41cに格納される。そして、設定キースイッチ37がOFFされると、遊技の進行が可能な状態に移行する。
本実施の形態のスロットマシン1においては、メイン制御部41のCPU41aが電圧低下信号を検出した際に、電断割込処理(メイン)を実行する。電断割込処理(メイン)では、レジスタを後述するRAM41cのスタックに退避し、メイン制御部41のRAM41cにいずれかのビットが1となる破壊診断用データ(本実施の形態では、5AH)、すなわち0以外の特定のデータを格納するとともに、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM41cに格納する処理を行なうようになっている。なお、RAMパリティとはRAM41cの該当する領域(本実施の形態では、全ての領域)の各ビットに格納されている値の排他的論理和として算出される値である。このため、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0であれば、RAMパリティ調整用データは0となり、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが1であれば、RAMパリティ調整用データは1となる。
そして、CPU41aは、その起動時においてRAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算するとともに、破壊診断用データの値を確認し、RAMパリティが0であり、かつ破壊診断用データの値も正しいことを条件に、RAM41cに記憶されているデータに基づいてCPU41aの処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)や破壊診断用データの値が正しくない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。なお、RAM異常エラー状態は、他のエラー状態と異なり、リセットスイッチ23やリセット/設定スイッチ38を操作しても解除されないようになっており、前述した設定変更モードにおいて新たな設定値が設定されるまで解除されることがない。
また、CPU41aは、後述する内部抽選処理において設定された賭数が遊技状態に応じた賭数であるか否かを判定するとともに、内部抽選に用いる設定値が適正な値であるか否かを判定する。
そして、設定された賭数が遊技状態に応じた賭数ではない場合、または内部抽選に用いる設定値が適正な値でない場合にも、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。なお、前述のようにRAM異常エラー状態は、他のエラー状態と異なり、リセットスイッチ23やリセット/設定スイッチ38を操作しても解除されないようになっており、前述した設定変更モードにおいて新たな設定値が設定されるまで解除されることがない。
本実施の形態のスロットマシン1は、前述のように遊技状態に応じて設定可能な賭数の規定数が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。本実施の形態では、後に説明するが、遊技状態として、レギュラーボーナス、通常遊技状態、RT(リプレイタイム)があり、このうちレギュラーボーナスに対応する賭数の規定数として1が定められており、通常遊技状態及びRTに対応する賭数の規定数として3が定められている。このため、遊技状態がレギュラーボーナスにあるときには、賭数として1が設定されるとゲームを開始させることが可能となり、遊技状態が通常遊技状態またはRTにあるときには、賭数として3が設定されるとゲームを開始させることが可能となる。なお、本実施の形態では、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定された時点で、全ての入賞ラインL1〜L5が有効化されるようになっており、遊技状態に応じた規定数が1であれば、賭数として1が設定された時点で全ての入賞ラインL1〜L5が有効化され、遊技状態に応じた規定数が3であれば、賭数として3が設定された時点で全ての入賞ラインL1〜L5が有効化されることとなる。
本実施の形態のスロットマシン1は、全てのリール2L、2C、2Rが停止した際に、有効化された入賞ライン(本実施の形態の場合、常に全ての入賞ラインが有効化されるため、以下では、有効化された入賞ラインを単に入賞ラインと呼ぶ)上に役と呼ばれる図柄の組み合わせが揃うと入賞となる。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、遊技状態の移行を伴う特別役と、がある。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役とも呼ぶ。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、後述する内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。
なお、これら各役の当選フラグのうち、小役及び再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となるが、特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組み合わせが揃うまで有効とされ、許容された役の組み合わせが揃ったゲームにおいて無効となる。すなわち特別役の当選フラグが一度当選すると、例え、当該フラグにより許容された役の組み合わせを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグは無効とされずに、次のゲームへ持ち越されることとなる。
図4は、当選役テーブルを示す図である。当選役テーブルは、メイン制御部41のROM41bに予め格納されており、内部抽選において抽選対象となる役及び役の組み合わせに対応して、抽選が行なわれる順番に割り当てられた役番号(1〜14)が登録されている。
このスロットマシン1における役としては、特別役としてビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナスが、小役としてチェリー、1枚(1)、1枚(2)、ベルが、再遊技役としてリプレイが定められている。また、スロットマシン1における役の組み合わせとしては、ビッグボーナス(1)+チェリー、ビッグボーナス(2)+チェリー、ビッグボーナス(1)+1枚(1)、ビッグボーナス(2)+1枚(1)、ビッグボーナス(1)+1枚(2)、ビッグボーナス(2)+1枚(2)が定められている。すなわち、役及び役の組み合わせの合計は14となっている。
本実施の形態のスロットマシン1においては、図4に示すように、遊技状態が、通常遊技状態またはRTであるか、レギュラーボーナスであるか、によって抽選の対象となる役及び役の組み合わせが異なる。さらに遊技状態が通常遊技状態またはRTである場合には、いずれかの特別役の持ち越し中か否か(特別役の当選フラグにいずれかの特別役が当選した旨が既に設定されているか否か)によっても抽選の対象となる役及び役の組み合わせが異なる。本実施の形態では、遊技状態に応じた状態番号が割り当てられており、内部抽選を行なう際に、現在の遊技状態に応じた状態番号を設定し、この状態番号に応じて抽選対象となる役を特定することが可能となる。具体的には、通常遊技状態においていずれの特別役も持ち越されていない場合には、状態番号として「0」が設定され、RTにおいていずれの特別役も持ち越されていない場合には、状態番号として「1」が設定され、通常遊技状態においていずれかの特別役が持ち越されている場合には、状態番号として「2」が設定され、RTにおいていずれかの特別役が持ち越されている場合には、状態番号として「3」が設定され、レギュラーボーナスである場合には、状態番号として「4」が設定されるようになっている。
図4に示すように、遊技状態が通常遊技状態またはRTであり、いずれの特別役も持ち越されていない状態、すなわち状態番号として「0」または「1」が設定されている場合には、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)+チェリー、ビッグボーナス(2)+チェリー、ビッグボーナス(1)+1枚(1)、ビッグボーナス(2)+1枚(1)、ビッグボーナス(1)+1枚(2)、ビッグボーナス(2)+1枚(2)、リプレイ、チェリー、1枚(1)、1枚(2)、ベル、すなわち全ての役及び役の組み合わせが内部抽選の対象となる。また、遊技状態が通常遊技状態またはRTであり、いずれかの特別役が持ち越されている状態、すなわち状態番号として「2」または「3」が設定されている場合には、リプレイ、チェリー、1枚(1)、1枚(2)、ベル、すなわち役番号10以降の役及び役の組み合わせが内部抽選の対象となる。また、遊技状態がレギュラーボーナス、すなわち状態番号として「4」が設定されている場合には、チェリー、1枚(1)、1枚(2)、ベル、すなわち役番号11以降の役及び役の組み合わせが内部抽選の対象となる。
チェリーは、いずれの遊技状態においても左リールについて入賞ラインのいずれかに「チェリー」の図柄が導出されたときに入賞となり、通常遊技状態及びRTにおいては2枚のメダルが払い出され、レギュラーボーナスにおいては15枚のメダルが払い出される。なお、「チェリー」の図柄が左リールの上段または下段に停止した場合には、入賞ラインL2、L4または入賞ラインL3、L5の2本の入賞ラインにチェリーの組み合わせが揃うこととなり、2本の入賞ライン上でチェリーに入賞したこととなるので、通常遊技状態及びRTにおいては4枚のメダルが払い出されることとなるが、レギュラーボーナスでは、2本の入賞ライン上でチェリーに入賞しても、1ゲームにおいて払い出されるメダル枚数の上限が15枚に設定されているため、15枚のみメダルが払い出されることとなる。1枚(1)は、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「青7−赤7−スイカ」の組み合わせが揃ったときに入賞となり、通常遊技状態及びRTにおいては1枚のメダルが払い出され、レギュラーボーナスにおいては15枚のメダルが払い出される。1枚(2)は、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「赤7−青7−スイカ」の組み合わせが揃ったときに入賞となり、通常遊技状態及びRTにおいては1枚のメダルが払い出され、レギュラーボーナスにおいては15枚のメダルが払い出される。ベルは、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「ベル−ベル−ベル」の組み合わせが揃ったときに入賞となり、通常遊技状態及びRTにおいては8枚のメダルが払い出され、レギュラーボーナスにおいては15枚のメダルが払い出される。
リプレイは、通常遊技状態及びRTにおいて入賞ラインのいずれかに「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。リプレイ入賞したときには、メダルの払い出しはないが次のゲームを改めて賭数を設定することなく開始できるので、次のゲームで設定不要となった賭数(レギュラーボーナスではリプレイ入賞しないので必ず3)に対応した3枚のメダルが払い出されるのと実質的には同じこととなる。
レギュラーボーナスは、通常遊技状態及びRTにおいて入賞ラインのいずれかに「赤7−赤7−BAR」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。レギュラーボーナス入賞すると、遊技状態が通常遊技状態またはRTからレギュラーボーナスに移行する。レギュラーボーナスは、12ゲームを消化したとき、または8ゲーム入賞(役の種類は、いずれでも可)したとき、のいずれか早いほうで終了する。遊技状態がレギュラーボーナスにある間は、レギュラーボーナス中フラグがRAM41cに設定される。
ビッグボーナスは、通常遊技状態及びRTにおいて入賞ラインのいずれかに「赤7−赤7−赤7」の組み合わせ、または「青7−青7−青7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。ビッグボーナス入賞すると、遊技状態がビッグボーナスに移行する。ビッグボーナスに移行すると、ビッグボーナスへの移行と同時にレギュラーボーナスに移行し、レギュラーボーナスが終了した際に、ビッグボーナスが終了していなければ、再度レギュラーボーナスに移行し、ビッグボーナスが終了するまで繰り返しレギュラーボーナスに制御される。すなわちビッグボーナス中は、常にレギュラーボーナスに制御されることとなる。そして、ビッグボーナスは、当該ビッグボーナス中において遊技者に払い出したメダルの総数が465枚を超えたときに終了する。この際、レギュラーボーナスの終了条件が成立しているか否かに関わらずレギュラーボーナスも終了する。遊技状態がビッグボーナスにある間は、ビッグボーナス中フラグがRAM41cに設定される。
なお、「赤7−赤7−赤7」によるビッグボーナス及び「青7−青7−青7」によるビッグボーナスを区別する必要がある場合には、それぞれビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)と呼ぶものとする。また、前述したレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)をまとめて、単に「ボーナス」と呼ぶ場合があるものとする。
また、本実施の形態では、通常遊技状態において左リール、中リール、右リールのそれぞれの表示結果の組み合わせが後述するチャンス目を構成する組み合わせとなったとき、及びチェリーの入賞時に、特別役(他の特別役が持ち越されていない場合のみ)及び小役の抽選確率は通常遊技状態と同一であるが、リプレイの当選確率が高確率となるリプレイタイム(RT)に移行する。遊技状態がRTにある間は、RT中フラグがRAM41cに設定される。そして、RTは、いずれのボーナスも入賞せずに規定ゲーム数(本実施の形態では、2ゲーム)に到達するか、規定ゲーム数に到達する前にいずれかのボーナスに入賞することで終了する。
以下、本実施の形態の内部抽選について説明する。内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7の検出時)決定するものである。内部抽選では、まず、後述するように内部抽選用の乱数(0〜16383の整数)が取得される。そして、遊技状態に応じて定められた各役及び役の組み合わせについて、取得した内部抽選用の乱数と、遊技状態及び設定値に応じて定められた各役及び役の組み合わせの判定値数に応じて行なわれる。本実施の形態においては、各役及び役の組み合わせの判定値数から、一般役、特別役がそれぞれ単独で当選する判定値の範囲と、一般役及び特別役が重複して当選する判定値の範囲と、が特定されるようになっており、内部抽選における当選は、排他的なものではなく、1ゲームにおいて一般役と特別役とが同時に当選することがあり得る。ただし、種類の異なる特別役については、重複して当選する判定値の範囲が特定されることがなく、種類の異なる特別役については、排他的に抽選を行なうものである。
遊技状態に応じて定められた各役及び役の組み合わせの参照は、図4に示した当選役テーブルに登録された役番号の順番で行なわれる。
遊技状態が通常遊技状態またはRTであり、いずれの特別役も持ち越されていない状態、すなわち状態番号として「0」または「1」が設定されている場合には、当選役テーブルを参照し、役番号1〜14の役及び役の組み合わせ、すなわちビッグボーナス(1)[役番号1]、ビッグボーナス(2)[役番号2]、レギュラーボーナス[役番号3]、ビッグボーナス(1)+チェリー[役番号4]、ビッグボーナス(2)+チェリー[役番号5]、ビッグボーナス(1)+1枚(1)[役番号6]、ビッグボーナス(2)+1枚(1)[役番号7]、ビッグボーナス(1)+1枚(2)[役番号8]、ビッグボーナス(2)+1枚(2)[役番号9]、リプレイ[役番号10]、チェリー[役番号11]、1枚(1)[役番号12]、1枚(2)[役番号13]、ベル[役番号14]が内部抽選の対象役として順に読み出される。
また、遊技状態が通常遊技状態またはRTであり、いずれかの特別役が持ち越されている状態、すなわち状態番号として「2」または「3」が設定されている場合には、当選役テーブルを参照し、役番号10〜14の役及び役の組み合わせ、すなわちリプレイ[役番号10]、チェリー[役番号11]、1枚(1)[役番号12]、1枚(2)[役番号13]、ベル[役番号14]が内部抽選の対象役として順に読み出される。
また、遊技状態がレギュラーボーナス、すなわち状態番号として「4」が設定されている場合には、当選役テーブルを参照し、役番号11〜14の役及び役の組み合わせ、すなわちチェリー[役番号11]、1枚(1)[役番号12]、1枚(2)[役番号13]、ベル[役番号14]が内部抽選の対象役として順に読み出される。
内部抽選では、内部抽選の対象となる役または役の組み合わせ及び現在の遊技状態を示す状態番号について定められた判定値数を、内部抽選用の乱数に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役または役の組み合わせに当選したものと判定される。
そして、いずれかの役または役の組み合わせの当選が判定された場合には、当選が判定された役または役の組み合わせに対応する当選フラグをRAM41cに割り当てられた内部当選フラグ格納ワーク(iwin_flag)に設定する。内部当選フラグ格納ワーク(iwin_flag)は、2バイトの格納領域にて構成されており、そのうちの上位バイトが、特別役の当選フラグが設定される特別役格納ワークとして割り当てられ、下位バイトが、一般役の当選フラグが設定される一般役格納ワークとして割り当てられている。詳しくは、役番号1〜3のいずれかの役(特別役)が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、一般役格納ワークに設定されている当選フラグをクリアする。また、役番号4〜9のいずれかの役(特別役+一般役)が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。また、役番号10〜14のいずれかの役(一般役)が当選した場合には、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。なお、いずれの役及び役の組み合わせにも当選しなかった場合には、一般役格納ワークのみクリアする。
各役及び役の組み合わせの判定値数は、メイン制御部41のROM41bに予め格納された役別テーブル(図示略)に登録されている判定値数の格納アドレスに従って読み出されるものとなる。
判定値数は、その値が256以上のものとなるものもあり、1バイト分では記憶できないので、判定値数毎に2バイト分の記憶領域を用いて登録されるものとなる。また、判定値数は、前述した遊技状態を特定可能な状態番号に対応して登録されている。同一の役または同一の役の組み合わせであっても、遊技状態に応じて当選確率が異なっている場合があるからである。また、それぞれの判定値数は、設定値に関わらずに共通になっているものと、設定値に応じて異なっているものとがある。判定値数が設定値に関わらずに共通である場合には、共通フラグが設定される(値が「1」とされる)。
また、役別テーブルには、各役に入賞したときに払い出されるメダルの払出枚数も登録されている。もっとも、入賞したときにメダルの払い出し対象となる役は、小役であるチェリー、1枚(1)、1枚(2)、ベルだけである。
ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナスの入賞は、遊技状態の移行を伴うものであり、メダルの払い出し対象とはならない。リプレイでは、メダルの払い出しを伴わないが、次のゲーム(必ず通常遊技状態かRT)で賭数の設定に用いるメダルの投入が不要となるので実質的には3枚の払い出しと変わらない。
役別テーブルに登録されたアドレスに基づいて取得される判定値数の記憶領域は、メイン制御部41のROM41bに割り当てられたアドレス領域に設けられている。
図5(a)(b)、図6(a)〜(c)は、内部抽選用の乱数の値と各役及び役の組み合わせの判定値数と、当選との関係の一例を示す図である。図5(a)では通常遊技状態においていずれの特別役も持ち越されていないときの、図5(b)ではRTにおいていずれの特別役も持ち越されていないときの、図6(a)では通常遊技状態においていずれかの特別役が持ち越されているときの、図6(b)ではRTにおいていずれかの特別役が持ち越されているときの、図6(c)ではレギュラーボーナスにあるときの例をそれぞれ示している。図5(a)(b)、図6(a)〜(c)のいずれも、設定値が6の場合の例を示している。
たとえば、図5(a)に示すように、通常遊技状態においていずれの特別役も持ち越されていない場合には、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)+チェリー、ビッグボーナス(2)+チェリー、ビッグボーナス(1)+1枚(1)、ビッグボーナス(2)+1枚(1)、ビッグボーナス(1)+1枚(2)、ビッグボーナス(2)+1枚(2)、リプレイ、チェリー、1枚(1)、1枚(2)、ベルが内部抽選の対象となる。また、本実施の形態では、設定値6において、通常遊技状態においていずれの特別役も持ち越されていない場合の各役の判定値数として、20、20、31、10、10、5、5、5、5、2245、76、153、153、2082がそれぞれ登録されており、最初に内部抽選の対象となるビッグボーナス(1)は、判定値数の20を加算することで加算結果がオーバーフローすることとなる16364〜16383が内部抽選用の乱数として取得されたときに当選となる。
次に内部抽選の対象役となるビッグボーナス(2)は、ビッグボーナス(1)の判定値数20とビッグボーナス(2)の判定値数20とを合計した40を加算することで加算結果がオーバーフローすることとなる16344〜16363が内部抽選用の乱数として取得されたときに当選となる。同様に、レギュラーボーナスは、16313〜16343が内部抽選用の乱数として取得されたときに、ビッグボーナス(1)+チェリーは、16303〜16312が内部抽選用の乱数として取得されたときに、ビッグボーナス(2)+チェリーは、16293〜16302が内部抽選用の乱数として取得されたときに、ビッグボーナス(1)+1枚(1)は、16288〜16292が内部抽選用の乱数として取得されたときに、ビッグボーナス(2)+1枚(1)は、16283〜16287が内部抽選用の乱数として取得されたときに、ビッグボーナス(1)+1枚(2)は、16278〜16282が内部抽選用の乱数として取得されたときに、ビッグボーナス(2)+1枚(2)は、16273〜16277が内部抽選用の乱数として取得されたときに、リプレイは、14028〜16272が内部抽選用の乱数として取得されたときに、チェリーは、13952〜14027が内部抽選用の乱数として取得されたときに、1枚(1)は、13799〜13951が内部抽選用の乱数として取得されたときに、1枚(2)は、13646〜13798が内部抽選用の乱数として取得されたときに、ベルは、11564〜13645が内部抽選用の乱数として取得されたときに、それぞれ当選と判定される。なお、0〜11563が内部抽選用の乱数として取得されたときには、全ての役にハズレとなる。
これらの判定値数に基づいて算出される各役及び役の組み合わせのおおよその当選確率は、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)+チェリー、ビッグボーナス(2)+チェリー、ビッグボーナス(1)+1枚(1)、ビッグボーナス(2)+1枚(1)、ビッグボーナス(1)+1枚(2)、ビッグボーナス(2)+1枚(2)、リプレイ、チェリー、1枚(1)、1枚(2)、ベルのそれぞれについて、1/819.2、1/819.2、1/528.5、1/1638、1/1638、1/3277、1/3277、1/3277、1/3277、1/7.3、1/215.6、1/107.1、1/107.1、1/7.87となる。
また、図5(b)に示すように、RTにおいていずれの特別役も持ち越されていない場合には、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)+チェリー、ビッグボーナス(2)+チェリー、ビッグボーナス(1)+1枚(1)、ビッグボーナス(2)+1枚(1)、ビッグボーナス(1)+1枚(2)、ビッグボーナス(2)+1枚(2)、リプレイ、チェリー、1枚(1)、1枚(2)、ベルが内部抽選の対象となり、本実施の形態では、設定値6において、RTにおいていずれの特別役も持ち越されていない場合の各役の判定値数として、20、20、31、10、10、5、5、5、5、2245、76、153、153、2082がそれぞれ登録されており、それぞれの役のおおよその当選確率は、1/819.2、1/819.2、1/528.5、1/1638、1/1638、1/3277、1/3277、1/3277、1/3277、1/1.34、1/215.6、1/107.1、1/107.1、1/7.87となる。
また、図6(a)に示すように、通常遊技状態においていずれかの特別役が持ち越されている場合には、リプレイ、チェリー、1枚(1)、1枚(2)、ベルのみが内部抽選の対象となり、本実施の形態では、設定値6において、通常遊技状態においていずれかの特別役が持ち越されている場合の各役の判定値数として、2245、96、163、163、2082がそれぞれ登録されており、それぞれの役のおおよその当選確率は、1/7.3、1/170.7、1/100.5、1/100.5、1/7.87となる。
また、図6(b)に示すように、RTにおいていずれかの特別役が持ち越されている場合には、リプレイ、チェリー、1枚(1)、1枚(2)、ベルのみが内部抽選の対象となり、本実施の形態では、設定値6において、通常遊技状態においていずれかの特別役が持ち越されている場合の各役の判定値数として、12245、96、163、163、2082がそれぞれ登録されており、それぞれの役のおおよその当選確率は、1/1.34、1/170.7、1/100.5、1/100.5、1/7.87となる。
また、図6(c)に示すように、レギュラーボーナスでは、チェリー、1枚(1)、1枚(2)、ベルのみが内部抽選の対象となり、レギュラーボーナスでの各役の判定値数として、12245、96、163、163、2082がそれぞれ登録されており、それぞれの役のおおよその当選確率は、1/170.7、1/100.5、1/100.5、1/1.03となる。
次に、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。
CPU41aは、リールの回転が開始したとき及び、リールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM41bに格納されているテーブルインデックス及びテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの滑りコマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行なう。
テーブルインデックスには、図7に示すように、内部抽選による当選フラグの設定状態(以下、内部当選状態と呼ぶ)別に、テーブルインデックスを参照する際の基準アドレス(table_index)から、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスを示すインデックスデータが格納されているアドレスまでの差分が登録されている。これにより内部当選状態に応じた差分を取得し、基準アドレス(table_index)に対してその差分を加算することで該当するインデックスデータを取得することが可能となる。
具体的には、ハズレ、チェリー、1枚(1)、1枚(2)、ベル、リプレイ、ビッグボーナス(1)(+ハズレ)、ビッグボーナス(1)+チェリー、ビッグボーナス(1)+1枚(1)、ビッグボーナス(1)+1枚(2)、ビッグボーナス(1)+ベル、ビッグボーナス(1)+リプレイ、ビッグボーナス(2)(+ハズレ)、ビッグボーナス(2)+チェリー、ビッグボーナス(2)+1枚(1)、ビッグボーナス(2)+1枚(2)、ビッグボーナス(2)+ベル、ビッグボーナス(2)+リプレイ、レギュラーボーナス(+ハズレ)、レギュラーボーナス+チェリー、レギュラーボーナス+1枚(1)、レギュラーボーナス+1枚(2)、レギュラーボーナス+ベル、レギュラーボーナス+リプレイのそれぞれについて、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスを示すインデックスデータが格納されている。なお、役の当選状況が異なる場合でも、同一の制御が適用される場合(たとえば、ビッグボーナス(1)+リプレイ当選時と、ビッグボーナス(2)+リプレイ当選時と、レギュラーボーナス+リプレイ当選時と、で同一の制御を適用する場合など)においては、インデックスデータとして同一のアドレスが格納されており、このような場合には、同一のテーブル作成用データを参照して、停止制御テーブルが作成されることとなる。
テーブル作成用データは、停止操作位置に応じた滑りコマ数を示す停止制御テーブルと、リールの停止状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスと、からなる。
リールの停止状況に応じて参照される停止制御テーブルは、全てのリールが回転しているか、左リールのみ停止しているか、中リールのみ停止しているか、右リールのみ停止しているか、左、中リールが停止しているか、左、右リールが停止しているか、中、右リールが停止しているか、によって異なる場合があり、さらに、いずれかのリールが停止している状況においては、停止済みのリールの停止位置によっても異なる場合があるので、それぞれの状況について、参照すべき停止制御テーブルのアドレスが回転中のリール別に登録されており、テーブル作成用データの先頭アドレスに基づいて、それぞれの状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスが特定可能とされ、この特定されたアドレスから、それぞれの状況に応じて必要な停止制御テーブルを特定できるようになっている。なお、リールの停止状況や停止済みのリールの停止位置が異なる場合でも、同一の停止制御テーブルが適用される場合においては、停止制御テーブルのアドレスとして同一のアドレスが登録されているものもあり、このような場合には、同一の停止制御テーブルが参照されることとなる。
停止制御テーブルは、停止操作が行なわれたタイミング別の滑りコマ数を特定可能なデータである。本実施の形態では、リールモータ32L、32C、32Rに、168ステップ(0〜167)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L、32C、32Rを168ステップ駆動させることでリール2L、2C、2Rが1周することとなる。そして、リール1周に対して8ステップ(1図柄が移動するステップ数)毎に分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から1〜21の領域番号が割り当てられている。一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から1〜21の図柄番号が割り当てられているので、1番図柄から21番図柄に対して、それぞれ1〜21の領域番号が順に割り当てられていることとなる。そして、停止制御テーブルには、領域番号別の滑りコマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、停止制御テーブルを展開することによって領域番号別の滑りコマ数を取得できるようになっている。
前述のようにテーブルインデックス及びテーブル作成用データを参照して作成される停止制御テーブルは、領域番号に対応して、各領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に位置するタイミング(リール基準位置からのステップ数が各領域番号のステップ数の範囲に含まれるタイミング)でストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合の滑りコマ数がそれぞれ設定されたテーブルである。
次に、停止制御テーブルの作成手順について説明すると、まず、リール回転開始時においては、そのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスを取得する。具体的には、まずテーブルインデックスを参照し、内部当選状態に対応するインデックスデータを取得し、そして取得したインデックスデータに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから全てのリールが回転中の状態に対応する各リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して全てのリールについて停止制御テーブルを作成する。
また、いずれか1つのリールが停止したとき、またはいずれか2つのリールが停止したときには、リール回転開始時に取得したインデックスデータ、すなわちそのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから停止済みのリール及び当該リールの停止位置の領域番号に対応する未停止リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して未停止のリールについて停止制御テーブルを作成する。
次に、CPU41aがストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明すると、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する滑りコマ数を取得する。そして、取得した滑りコマ数分リールを回転させて停止させる制御を行なう。具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した滑りコマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行なう。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域(停止操作ポイント)から滑りコマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域(停止ポイント)が停止基準位置(本実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に停止することとなる。
また、本実施の形態のテーブルインデックスには、一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するインデックスデータとして1つのアドレスのみが格納されており、さらに、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルの格納領域のアドレスとして1つのアドレスのみが格納されている。すなわち一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するテーブル作成用データ、及びリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の遊技状態における一の内部当選状態、及びリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)に対して一意となる。このため、遊技状態、内部当選状態、リールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行なわれることとなる。
また、本実施の形態では、滑りコマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
また、テーブルインデックスにおいて、いずれかの役に当選している場合に対応するアドレスには、当選役を4コマの範囲で最大限に引き込み、当選していない役が揃わないように引き込む滑りコマ数が定められたテーブル作成用データを特定するインデックスデータが格納され、ハズレに当選している場合に対応するアドレスには、いずれの役も揃わないように引き込む滑りコマ数が定められたテーブル作成用データを特定するインデックスデータが格納されている。このため、いずれかの役に当選している場合には、当選役を4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が揃わないように引き込む滑りコマ数が定められた停止制御テーブルが作成され、リールの停止制御が行なわれる一方、いずれの役にも当選していない場合には、いずれの役も揃わない滑りコマ数が定められた停止制御テーブルが作成され、リールの停止制御が行なわれる。これにより、停止操作が行なわれた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役の図柄を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行なわれ、当選していない役の図柄は、最大4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行なわれることとなる。
また、テーブルインデックスにおいて、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合(ビッグボーナス(1)+チェリー、ビッグボーナス(1)+ベルなど)に対応するアドレスには、当選した特別役を4コマの範囲で最大限に引き込むように滑りコマ数が定められているとともに、当選した特別役を最大4コマの範囲で引き込めない停止操作位置については、当選した小役を4コマの範囲で最大限に引き込むように滑りコマ数が定められたテーブル作成用データを特定するインデックスデータが格納され、リールの停止制御が行なわれる。これにより、停止操作が行なわれた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している特別役の図柄を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行なわれ、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している特別役の図柄を引き込めない場合には、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役の図柄を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行なわれ、当選していない役の図柄は、4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行なわれることとなる。すなわちこのような場合には、小役よりも特別役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、特別役を引き込めない場合にのみ、小役を入賞させることが可能となる。なお、特別役と小役を同時に引き込める場合には、特別役のみを引き込み、特別役と同時に小役が入賞ライン上に揃わないようになっている。
また、テーブルインデックスにおいて、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合(ビッグボーナス(1)+リプレイなど)に対応するアドレスには、再遊技役を4コマの範囲で最大限に引き込むように滑りコマ数が定められたテーブル作成用データを特定するインデックスデータが格納され、リールの停止制御が行なわれる。これにより、停止操作が行なわれた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御が行なわれる。なお、後に説明するように、再遊技役を構成する図柄である「リプレイ」は、リール2L、2C、2Rのいずれについても5図柄以内、すなわち4コマ以内の間隔で配置されており、4コマの引込範囲で必ず任意の位置に停止させることができるので、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合には、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらずに、必ず再遊技役が揃って入賞することとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも再遊技役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、必ず再遊技役が入賞することとなる。なお、特別役と再遊技役を同時に引き込める場合には、再遊技役のみを引き込み、再遊技役と同時に特別役が入賞ライン上に揃わないようになっている。
ここで、図2に示すように、「ベル」、「リプレイ」については、リール2L、2C、2Rのいずれについても5図柄以内、すなわち4コマ以内の間隔で配置されており、4コマの引込範囲で必ず任意の位置に停止させることができる。つまり、ベル、リプレイの当選フラグがそれぞれ設定されているときには、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらずに、必ず当該役を入賞させることができる。
さらに、リプレイの当選フラグが設定されているときに、左リールが未だ回転している状態では、中リール及び右リールの停止制御テーブルとして、必ず「リプレイ」図柄を4コマの引込範囲で入賞ラインL2またはL5上に引き込む停止制御テーブルが作成されるとともに、中リールまたは右リールの少なくとも一方の入賞ラインL2またはL5上に「リプレイ」図柄が停止した状態では、左リールの停止制御テーブルとして、5番の「リプレイ」図柄、すなわち当該図柄を入賞ラインL2またはL5上に停止させると「チェリー」も入賞ラインL1上に停止してしまう「リプレイ」図柄を除く「リプレイ」図柄を4コマの引込範囲で入賞ラインL2またはL5上に引き込む停止制御テーブルが作成され、中リールや右リールを左リールよりも先に停止させた場合には、入賞ラインL2またはL5上に「リプレイ」図柄を引き込み、その後左リールを停止させた際にも、必ず入賞ラインL2またはL5上に5番以外の「リプレイ」図柄を引き込む制御が行なわれるので、たとえば、中リール及び右リールの入賞ラインL2またはL5上に5番の「リプレイ」図柄が停止することによって、リプレイとチェリーが同時に入賞してしまうことがない。また、左リールでは、2番の「リプレイ」図柄と7番の「リプレイ」図柄とが4コマ以内で配置されているため、5番の「リプレイ」図柄を避ける制御を行なった場合でも、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらずに、必ずリプレイを入賞させることができる。なお、リプレイの当選フラグが設定されているときに、全てのリールが未だ回転中の状態で左リールの停止操作が行なわれた場合には、リプレイとチェリーが同時に入賞してしまう場合以外、「リプレイ」図柄を4コマの引込範囲で入賞ラインL1〜L5のいずれかに引き込む停止制御テーブルが作成される。すなわち左リールを最初に停止させた場合には、入賞ラインL1〜L5のどの入賞ラインにも「リプレイ」の組み合わせが揃いうる制御が行なわれる。
また、ベルの当選フラグが設定されているときに、左リールが未だ回転している状態では、中リール及び右リールの停止制御テーブルとして、必ず「ベル」図柄を4コマの引込範囲で入賞ラインL1上に引き込む停止制御テーブルが作成されるとともに、中リールまたは右リールの少なくとも一方の入賞ラインL1上に「ベル」図柄が停止した状態では、左リールの停止制御テーブルとして、「ベル」図柄を4コマの引込範囲で入賞ラインL1上に引き込む停止制御テーブルが作成され、中リールや右リールを左リールよりも先に停止させた場合には、入賞ラインL1上に「ベル」図柄を引き込み、その後左リールを停止させた際にも、必ず入賞ラインL1上に「ベル」図柄を引き込む制御が行なわれる。また、左リールでは、「ベル」図柄と「チェリー」図柄が連続して配置されていない。このため、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらずに、必ずベルを入賞させることができるうえに、ベルとチェリーが同時に入賞してしまうこともない。なお、ベルの当選フラグが設定されているときに、全てのリールが未だ回転中の状態で左リールの停止操作が行なわれた場合には、ベルとチェリーが同時に入賞してしまう場合以外、「ベル」図柄を4コマの引込範囲で入賞ラインL1〜L5のいずれかに引き込む停止制御テーブルが作成される。すなわち左リールを最初に停止させた場合には、入賞ラインL1〜L5のどの入賞ラインにも「ベル」の組み合わせが揃いうる制御が行なわれる。
次に、チャンス目及びリーチ目について説明する。本実施の形態におけるチャンス目とは、通常遊技状態においていずれかのボーナスが当選しているとき、または1枚(1)、1枚(2)が当選しているときに導出されうる表示態様であり、本実施の形態では、左リールの表示結果として、2〜4番図柄の「リプレイ・スイカ・ベル」または8〜10番図柄の「ベル・赤7・ベル」、15〜17番図柄の「リプレイ・青7・スイカ」が停止し、いずれの役も入賞ライン上に揃っていない表示態様、中リールの表示結果として、11〜13番図柄の「チェリー・リプレイ・チェリー」、21、1、2番図柄の「チェリー・ベル・チェリー」が停止し、いずれの役も入賞ライン上に揃っていない表示態様、右リールの表示結果として、10〜12番図柄の「リプレイ・チェリー・青7」が停止し、いずれの役も入賞ライン上に揃っていない表示態様をチャンス目として適用している。
また、リーチ目とは、通常遊技状態においていずれかのボーナス(ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナス)が当選しているときのみ導出されうる表示態様であり、本実施の形態では、左リールの表示結果として、16〜18番図柄の「青7・スイカ・青7」が停止した表示態様を全てのボーナスのリーチ目、また、20、21、1番図柄または12〜14番図柄の「リプレイ・スイカ・ベル」が停止し、いずれの役も入賞ライン上に揃っていない表示態様をビッグボーナス(1)またはレギュラーボーナスのリーチ目として適用している。
また、本実施の形態では、通常遊技状態においていずれかのボーナスに当選している場合、または1枚(1)、1枚(2)が当選している場合に、各リール2L、2C、2Rの停止操作が行なわれた順番に関わらず、チャンス目を導出させることが可能に制御され、通常遊技状態においていずれかのボーナスに当選している場合に、各リール2L、2C、2Rの停止操作が行なわれた順番に関わらず、リーチ目を導出させることが可能に制御されるが、特定の条件を満たす順番(たとえば、左、中、右)で各リールの停止操作が行なわれたことを条件にチャンス目やリーチ目を導出できるようにしてもよい。
また、本実施の形態においてCPU41aは、リールの回転が開始した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行なうようになっている。なお、リール回転エラーの発生により、一時的にリールの回転が停止した場合でも、その後リール回転が再開した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行なうようになっている。
次に、メイン制御部41のRAM41cの初期化について説明する。メイン制御部41のRAM41cの格納領域は、重要ワーク、一般ワーク、特別ワーク、設定値ワーク、非保存ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
重要ワークは、各種表示器やLEDの表示用データ、I/Oポート41dの入出力データ、遊技時間の計時カウンタ等、ビッグボーナス終了時に初期化すると不都合があるデータが格納されるワークである。一般ワークは、停止制御テーブル、停止図柄、メダルの払出枚数、ビッグボーナス中のメダル払出総数等、ビッグボーナス終了時に初期化可能なデータが格納されるワークである。特別ワークは、演出制御基板90へコマンドを送信するためのデータ、各種ソフトウェア乱数等、設定開始前にのみ初期化されるデータが格納されるワークである。設定値ワークは、内部抽選処理で抽選を行なう際に用いる設定値が格納されるワークであり、設定開始前(設定変更モードへの移行前)の初期化において0が格納された後、1に補正され、設定終了時(設定変更モードへの終了時)に新たに設定された設定値が格納されることとなる。非保存ワークは、各種スイッチ類の状態を保持するワークであり、起動時にRAM41cのデータが破壊されているか否かに関わらず必ず値が設定されることとなる。未使用領域は、RAM41cの格納領域のうち使用していない領域であり、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなる。スタック領域は、CPU41aのレジスタから退避したデータが格納される領域であり、このうちの未使用スタック領域は、未使用領域と同様に、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなるが、使用中スタック領域は、プログラムの続行のため、初期化されることはない。
本実施の形態においてメイン制御部41のCPU41aは、設定開始前(設定変更モードへの移行前)、ビッグボーナス終了時、起動時にRAM41cのデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の4つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる4種類の初期化を行なう。
初期化1は、起動時において設定キースイッチ37がONの状態であり、設定変更モードへ移行する場合において、その前に行なう初期化であり、初期化1では、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域を除く全ての領域(未使用領域及び未使用スタック領域を含む)が初期化される。初期化2は、ビッグボーナス終了時に行なう初期化であり、初期化2では、RAM41cの格納領域のうち、一般ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。初期化3は、起動時において設定キースイッチ37がOFFの状態であり、かつRAM41cのデータが破壊されていない場合において行なう初期化であり、初期化3では、非保存ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。初期化4は、1ゲーム終了時に行なう初期化であり、初期化4では、RAM41cの格納領域のうち、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。
次に、メイン制御部41のCPU41aが演出制御基板90に対して送信するコマンドについて説明する。
本実施の形態では、メイン制御部41のCPU41aが演出制御基板90に対して、BETコマンド、内部当選コマンド、リール回転開始コマンド、リール停止コマンド、入賞判定コマンド、払出開始コマンド、払出終了コマンド、遊技状態コマンド、待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、設定開始コマンド、初期化コマンドを含む複数種類のコマンドを送信する。
BETコマンドは、メダルの投入枚数、すなわち賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なコマンドであり、メダル投入時、1枚BETスイッチ5またはMAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときに送信される。
内部当選コマンドは、内部当選フラグの当選状況、並びに成立した内部当選フラグの種類を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。
リール回転開始コマンドは、リールの回転の開始を通知するコマンドであり、リール2L、2C、2Rの回転が開始されたときに送信される。
リール停止コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれかであるか、自動停止によるものか否か、該当するリールの停止操作位置の領域番号、該当するリールの停止位置の領域番号、を特定可能なコマンドであり、各リールの停止制御が行なわれる毎に送信される。
入賞判定コマンドは、入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能なコマンドであり、全リールが停止して入賞判定が行なわれた後に送信される。
払出開始コマンドは、メダルの払出開始を通知するコマンドであり、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が開始されたときに送信される。また、払出終了コマンドは、メダルの払出終了を通知するコマンドであり、入賞及びクレジットの精算によるメダルの払出が終了したときに送信される。
遊技状態コマンドは、次ゲームの遊技状態(通常遊技状態であるか、ビッグボーナス中であるか、レギュラーボーナス中であるか、等)を特定可能なコマンドであり、ゲームの終了時に送信される。
待機コマンドは、待機状態へ移行する旨を示すコマンドであり、1ゲーム終了後、賭数が設定されずに一定時間経過して待機状態に移行するとき、及び1ゲーム終了後、クレジットの精算操作がなされて待機状態に移行するときに送信される。
打止コマンドは、打止状態の発生または解除を示すコマンドであり、BB終了後、エンディング演出待ち時間が経過した時点で打止状態の発生を示す打止コマンドが送信され、リセット操作がなされて打止状態が解除された時点で、打止状態の解除を示す打止コマンドが送信される。
エラーコマンドは、エラー状態の発生または解除を示すコマンドであり、エラーが判定され、エラー状態に制御された時点でエラー状態の発生を示すエラーコマンドが送信され、リセット操作がなされてエラー状態が解除された時点で、エラー状態の解除を示すエラーコマンドが送信される。
設定開始コマンドは、設定変更モードの開始を示すコマンドであり、設定開始時、すなわち設定変更モードに移行した時点で送信される。
初期化コマンドは、遊技状態が初期化された旨を示すコマンドであり、設定終了時、すなわち設定変更モードの終了時に送信される。
これら各コマンドは、後述する起動処理及びゲーム処理において生成され、RAM41cの特別ワークに設けられたコマンドキューに一時格納され、前述したタイマ割込処理(メイン)において送信される。
次に、メイン制御部41のCPU41aが演出制御基板90に対して送信するコマンドに基づいてサブ制御部91が実行する演出の制御について説明する。
サブ制御部91のCPU91aは、メイン制御部41のCPU41aが送信したコマンドを受信した際に、ROM91bに格納された制御パターンテーブルを参照し、制御パターンテーブルに登録された制御内容に基づいて液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の各種演出装置の制御を行なう。
制御パターンテーブルには、複数種類の演出パターン毎に、コマンドの種類に対応する液晶表示器51の表示パターン、演出効果LED52の点灯態様、スピーカ53、54の出力態様、リールLEDの点灯態様等、これら演出装置の制御パターンが登録されており、CPU91aは、コマンドを受信した際に、制御パターンテーブルの当該ゲームにおいてRAM91cに設定されている演出パターンに対応して登録された制御パターンのうち、受信したコマンドの種類に対応する制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の制御を行なう。これにより演出パターン及び遊技の進行状況に応じた演出が実行されることとなる。なお、液晶表示器51への画像表示制御については、表示制御基板190に対して表示制御コマンドを送信することによって間接的に行なう。
なお、CPU91aは、あるコマンドの受信を契機とする演出の実行中に、新たにコマンドを受信した場合には、実行中の制御パターンに基づく演出を中止し、新たに受信したコマンドに対応する制御パターンに基づく演出を実行するようになっている。すなわち演出が最後まで終了していない状態でも、新たにコマンドを受信すると、実行していた演出はキャンセルされて新たなコマンドに基づく演出が実行されることとなる。
演出パターンは、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じた選択率にて選択され、RAM91cに設定される。演出パターンの選択率は、ROM91bに格納された演出テーブルに登録されており、CPU91aは、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じて演出テーブルに登録されている選択率を参照し、その選択率に応じて複数種類の演出パターンからいずれかの演出パターンを選択し、選択した演出パターンを当該ゲームの演出パターンとしてRAM91cに設定するようになっている。
また、制御パターンテーブルには、特定のコマンド(入賞の発生を示す入賞判定コマンド、払出開始コマンド、払出終了、ビッグボーナス終了を示す遊技状態コマンド、待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、設定開始コマンド、初期化コマンド等)を受信した際に参照される特定の制御パターンが格納されており、CPU91aは、これら特定のコマンドを受信した場合には、当該ゲームにおいて設定されている演出パターンに関わらず、当該コマンドに対応する特定の制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の制御を行なう。
入賞の発生を示す入賞判定コマンドを受信した場合には、入賞の種類に応じた入賞時演出を実行するための入賞時演出パターンが制御パターンとして参照される。特に、ビッグボーナス入賞の発生を示す入賞判定コマンドを受信した場合には、ビッグボーナス入賞時に特有のBB入賞時演出を実行するためのBB入賞時パターンが制御パターンとして参照される。
払出開始コマンドを受信した場合には、払出効果音を出力するための払出パターンが制御パターンとして参照される。また、払出効果音の出力中に払出終了コマンドを受信すると、払出効果音の出力を停止する。なお、払出開始コマンドを受信した場合には、他のコマンドと異なり、実行中の演出を中止して受信したコマンドに対応する演出を実行するのではなく、実行中の演出は継続したまま、払出効果音の出力が行なわれるようになっている。すなわち他の演出と払出に伴う演出が並行して実行されることとなる。
ビッグボーナス終了を示す遊技状態コマンドを受信した場合には、ビッグボーナスの終了を示すエンディング演出を実行するためのエンディングパターンが制御パターンとして参照される。
待機コマンドを受信した場合には、デモ演出としての待機演出を実行するための待機パターンが制御パターンとして参照される。なお、後述する連続演出または追加演出等が実行されている場合、ビッグボーナスやレギュラーボーナスに伴う演出が実行されている場合には、待機演出の実行が禁止されるようになっており、このような状態で待機コマンドを受信しても待機パターンが制御パターンとして参照されることはなく、待機演出が実行されることもない。
打止状態の発生を示す打止コマンドを受信した場合には、打止状態である旨を報知するための打止報知パターンが制御パターンとして参照される。また、打止状態の解除を示す打止コマンドを受信した場合には、前述した待機パターンが制御パターンとして参照される。すなわち打止状態が解除されると待機演出が実行されることとなる。
エラー状態の発生を示すエラーコマンドを受信した場合には、エラー状態である旨及びその種類を報知するためのエラー報知パターンが制御パターンとして参照される。また、エラー状態の解除を示すエラーコマンドを受信した場合には、エラー発生時に実行していた制御パターンが参照される。すなわちエラー発生時の演出が最初から実行されることとなる。
設定開始コマンドを受信した場合には、設定変更中である旨を報知するための設定中報知パターンが参照される。また、初期化コマンドを受信した場合には、前述した待機パターンが制御パターンとして参照される。すなわち初期化コマンドを受信すると待機演出が実行されることとなる。
また、本実施の形態においてサブ制御部91のCPU91aは、リール回転開始コマンドを受信してから全てのリールについてのリール停止コマンドを受信するまでの間、常にリールLED55を点灯状態とする制御を行なうようになっている。これは、少なくともリールの変動中においては、リールLED55を点灯し、リールを背後から照射することによりリールの視認性を高めるために行なうものである。
サブ制御部91のCPU91aは、電断検出回路98から出力された電圧低下信号を検出したとき、及び表示制御部191のCPU91aに対して表示制御回路192からのVブランク割込信号が一定期間入力されなかった場合、表示制御回路192に対して命令したにも関わらず、命令に対応する完了割込信号が一定期間入力されなかった場合にCPU191aから出力される初期化信号を検出したときに、電断割込処理(メイン)と同様の電断割込処理(サブ)を実行する。電断割込処理(サブ)では、レジスタを後述するRAM91cのスタックに退避し、サブ制御部91のRAM91cにいずれかのビットが1となる破壊診断用データ(本実施の形態では、5AH)、すなわち0以外の特定のデータを格納するとともに、RAM91cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM91cに格納する処理を行なうようになっている。その後、CPU91aは何らの処理も行なわないループ処理に移行するが、表示制御部191から初期化信号が入力された場合に行なわれた電断割込処理である場合には、駆動電圧が低下しているわけではないので、その後、リセット回路95からリセット信号が出力されることでCPU91aが再起動するようになっている。
そして、CPU91aは、起動時(再起動時)においてRAM91cの全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算するとともに、破壊診断用データの値を確認し、RAMパリティが0であり、かつ破壊診断用データの値も正しいことを条件に、RAM91cに記憶されているデータに基づいて電断前の演出状態(詳しくは電断前に最後にコマンドを受信した時点の状態)に復帰させるようになっている。具体的には、最後に実行していた制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づく制御を実行する。これにより電断前に実行していた制御パターンに基づく演出が最初から実行されることとなる。また、起動時においてRAM91cの全ての領域に格納されたデータに基づいて計算したRAMパリティが0でない場合(1の場合)や破壊診断用データの値が正しくない場合には、RAM異常と判定し、RAM91cの全ての領域を初期化するようになっている。
このように本実施の形態では、CPU91aが電圧低下信号を検出したときのみならず、表示制御部191から初期化信号が入力された場合に、すなわち何らかの原因で表示制御回路192がハングアップした場合にも、電断割込処理(サブ)が実行され、その後CPU91aの再起動が行なわれるようになっている。そして、表示制御部191が初期化信号の出力後、再起動することに伴い、表示制御回路192も初期化されることにより表示制御回路192がハングアップする前の状態からCPU91aの制御が再開されるようになっている。
また、サブ制御部91のCPU91aは、遊技者により複数の演出モードから選択された演出モードに従って演出を行なう。ここで、演出モードには、たとえば、モード1とモード2の2種類がある。モード1とモード2とでは、演出に登場するキャラクタの種類、演出の背景に用いられる画像の種類、演出の実行確率、実行態様などが異なっている。もっとも、モード1とモード2のそれぞれに対して同じ演出パターンの演出があることもある。
演出モードは、遊技者の選択スイッチ56及び決定スイッチ57の操作によって切り替えることが可能となる。具体的には、選択スイッチ56が操作されることにより、液晶表示器51の表示領域の一部に、複数のメニュー項目が配置されたメニュー画面が表示され、その状態で、さらに選択スイッチ56を操作することにより、メニュー画面のカーソルを移動させ、カーソルが演出モード選択メニューの項目を選択した状態で決定スイッチ57を操作することにより、演出モード1、2の項目が配置された演出モード選択画面が表示される。さらに演出モード選択画面が表示されている状態で、選択スイッチを操作することにより、演出モード選択画面のカーソルを移動させ、好みの演出モードの項目を選択した状態で決定スイッチ57を操作することにより、選択された演出モードが設定されるようになっている。なお、スタートスイッチ7の操作からリール2L、2C、2Rへの表示結果の導出までのゲーム中の場合と、ゲーム中でなくても後述する連続演出または追加演出等が実行されている場合、後述するボーナス中演出が実行されている場合には、選択スイッチ56及び決定スイッチ57の操作が無効にされるので、メニュー画面を表示することができない状態となり、これらの場合には演出モードが切り替えられないようになっている。
演出モード選択画面で選択された演出モードは、RAM91cに設定されるとともに、各ゲームにおいて演出パターンを決定する際に参照され、RAM91cに設定された演出パターンに基づいて演出パターンが決定されるようになっており、これにより、モード1とモード2とでは、演出に登場するキャラクタの種類、演出の背景に用いられる画像の種類、演出の実行確率、実行態様などが異なるようになっている。
CPU91aの制御により実行される演出として、特に液晶表示器51において行なわれる演出としては、複数ゲームにわたり継続して実行するとともに、最終的にボーナスに当選しているか否かを告知する連続演出及び追加演出がある。
また、遊技状態がレギュラーボーナスまたはビッグボーナスにあるときにそれぞれ実行されるレギュラーボーナス中演出及びビッグボーナス中演出(以下、これらをまとめてボーナス中演出という)がある。さらに、連続演出及び追加演出、並びにボーナス中演出の何れも行なわれていないゲームで、通常遊技状態において一般役または特別役のいずれか一方が当選している場合に、一般役が当選している旨を示す演出(小役告知演出)を含む単発演出もある。連続演出及び追加演出、ボーナス中演出、並びに単発演出の実行態様は、前述した演出モードによって異なるものとなる。
また、サブ制御部91のRAM41cには、遊技履歴格納領域が割り当てられており、CPU91aは、メイン制御部41から受信したコマンドに基づいて遊技履歴格納領域にスロットマシンにおける遊技の履歴を記憶するようになっている。遊技の履歴としては、実行されたゲーム数やレギュラーボーナス、ビッグボーナスの入賞回数などが挙げられる。また、レギュラーボーナスやビッグボーナスにおける遊技者のメダルの獲得枚数(メダルの払い出し枚数から遊技者の設定した賭け数を減算したもの)などを含んでいてもよい。
そして、演出制御基板90のCPU91aは、遊技者の選択スイッチ56及び決定スイッチ57の操作に基づいて遊遊技履歴格納領域に記憶された遊技履歴を液晶表示器51に表示させる履歴表示演出を行なうようになっている。具体的には、選択スイッチ56が操作されることにより、液晶表示器51の表示領域の一部に前述のメニュー画面が表示され、その状態で、さらに選択スイッチ56を操作することにより、メニュー画面のカーソルを移動させ、カーソルが遊技履歴の項目を選択した状態で決定スイッチ57を操作することにより、遊技履歴画面が表示されるようになっている。なお、前述したようにスタートスイッチ7の操作からリール2L、2C、2Rへの表示結果の導出までのゲーム中の場合と、ゲーム中でなくても連続演出または追加演出等が実行されている場合、ボーナス中演出が実行されている場合には、選択スイッチ56及び決定スイッチ57の操作が無効にされるので、メニュー画面を表示することができない状態となり、これらの場合には遊技履歴を閲覧できないようになっている。
また、サブ制御部91のCPU91aは、1ゲームの終了後、所定期間以上に亘って継続して遊技の進行のための操作が行なわれていないとき、及び所定期間経過する前であってもクレジットの精算操作がなされたときに、液晶表示器51に所定の待機画面を表示して前述した待機演出を行なうようになっている。なお、連続演出または追加演出等が実行されている場合、ボーナス中演出が実行されている場合には、所定期間以上に亘って継続して遊技の進行のための操作が行なわれていない場合でも待機演出を行なわないようになっている。但し、このような状態で待機コマンドを受信した場合には、音量を最小(消音)とする制御を行ない、その後、ゲームの進行に伴ってコマンドを受信すると消音中の音量を元のレベルまで戻すようになっている。
また、サブ制御部91のCPU91aは、リールの回転が開始してからリール2L、2C、2Rの停止操作がなされないまま所定時間(本実施の形態では60秒)が経過したとき、つまりリール回転開始コマンドを取得した後、リール停止コマンドを取得しないまま所定時間(本実施の形態では60秒)が経過したときや、第1リールまたは第2リールの停止操作がなされてから次のリールの停止操作がなされないまま所定時間(本実施の形態では60秒または30秒)が経過したとき、つまり第1・第2リールのリール停止コマンドを取得してから新たなリール停止コマンドを取得することなく所定時間(本実施の形態では60秒または30秒)が経過したときに、リールの停止操作を促す促進報知を行なう。
詳しくは、各リール2L、2C、2Rの回転が開始してから、ストップスイッチ8L、8C、8Rが有効に操作されない状態が所定時間継続すると、図8(a)、(b)に示すように、液晶表示器51の表示画面上に、各リール2L、2C、2Rの停止操作を促す促進報知として、「リールを停止して下さい」という文字メッセージを表示させる。
本実施の形態における促進報知の報知パターン(報知態様)としては、たとえば所定の演出画像が表示されている液晶表示器51の表示画面の下部領域に、白色の背景枠内に前記メッセージが黒文字にて表示される報知パターン1(図8(a)参照)と、黒色の背景枠内に前記メッセージが白文字にて表示される報知パターン2(図8(b)参照)と、の2種類の報知パターンが、当該ゲームにおける特別役(ビッグボーナス(1)、(2)フラグ、レギュラーボーナスフラグ)の当選状況に応じて、各ゲーム毎に行なわれる報知パターン抽選により設定される。
報知パターン抽選は、メイン制御部41から送信される内部当選コマンドを取得したときに行なわれ、この報知パターン抽選にて当選した報知パターンは、当該ゲームにおいて促進報知を実行する際に適用する報知パターンとして設定される。なお、本実施の形態においては、当該ゲームがボーナス中のゲームである場合には、報知パターン抽選を行なわずに報知パターン1を一律に設定するようになっている。
これら各報知パターンの当選確率は、図9の報知パターン振分テーブルに示すように、ボーナスフラグの内部当選状況に応じて異なっており、報知パターン1は、ボーナスフラグの当選時、すなわち前述した内部抽選によりビッグボーナス(1)、(2)、レギュラーボーナスの内部当選フラグが設定されている状態において50%の確率で当選するとともに、ボーナスフラグの非当選時において95%の確率で当選する。また、報知パターン2は、ボーナス当選時において50%の確率で当選するとともに、ボーナス非当選時において5%の確率で当選するようになっている。
つまり、本実施の形態においては、態様が異なる2種類の報知パターン1、2が予め登録されており、ボーナス当選時においては、ボーナス非当選時(5%)よりも高い確率(50%)で報知パターン2が選択されるため、促進報知が実行された際には、報知パターン1に基づく報知画面が表示されたときよりも、報知パターン2に基づく報知画面が表示されたときの方が、遊技者はビッグボーナス(1)、(2)、レギュラーボーナスのが当選していることを期待できることになる。
また、本実施の形態では、リール2L、2C、2Rの回転が開始したときから第1の報知待ち時間(予め定めた報知待ち時間)である60秒が経過するまでの間に、いずれのストップスイッチ8L、8C、8Rの有効な操作が検出されなかったときに、前述した促進報知を実行する。詳しくは、メイン制御部41から送信されたリール回転開始コマンドを取得したときに、RAM91cに割り当てられた報知用カウンタのカウンタ値として第1の値(本実施の形態では60秒)をセットしてカウンタ値の減算(計時)を開始し、カウンタ値が0となった時点でセットされている報知パターンに基づく報知画面を液晶表示器51に表示する制御を行なう。
また、報知用カウンタの減算を開始してからカウンタ値が0になるまでにメイン制御部41からリール停止コマンドを取得したときには、有効な停止操作が検出されたものとして、報知用カウンタのカウンタ値をクリアし、促進報知が行なわれていた場合には、報知パターンに基づく報知画面の表示をクリア(終了)して促進報知を終了する。
なお、リール停止コマンドを取得した時点で全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止していれば、当該ゲームが終了するが、リール停止コマンドの取得後においてもいずれかのリール2L、2C、2Rが回転中である場合には、最後の有効な停止操作が検出されたとき、つまり最後に停止コマンドを取得した時点から、再度報知待ち時間の計測を開始する。
具体的には、最後に停止コマンドを取得した時点において、当該ゲームにおいて未だ促進報知が実行されていない場合には、報知用カウンタのカウンタ値として第1の値(本実施の形態では60秒)をセットする。また、当該ゲームにおいて既に促進報知が1回以上実行されている場合には、報知用カウンタのカウンタ値として、第1の値よりも小さい第2の値(本実施の形態では30秒)をセットし、報知用カウンタのカウンタ値の減算を開始する。
最後に停止コマンドを取得した時点において、当該ゲームにおいて既に促進報知が1回以上実行されている場合に、報知用カウンタのカウンタ値として第1の値よりも小さい第2の値(本実施の形態では30秒)をセットするのは、当該ゲームにおいて1回以上促進報知が実行されているにも関わらず、当該ゲームにおいて再度ストップスイッチ8L、8C、8Rによる有効な停止操作が行なわれない状態が続いたときには、促進報知を最初よりも早めに実行することで、稼働率の低下を回避するためである。
また、CPU91aは、報知用カウンタの減算開始後、カウンタ値が0となった時点で、その時にセットされている報知パターンに基づく促進報知を開始するが、たとえばカウンタ値が0となったときに、報知パターン1よりもボーナスフラグの内部当選に対する期待度が高い報知パターン2がセットされている場合において、その時点で停止しているリール2L、2C、2Rに対応する可変表示部に表示されている表示結果が、完全ハズレ目、すなわちいずれの当選フラグも設定されていないときに表示されうる表示態様であるときには、報知パターン1に基づく報知を開始するようになっており、これにより、その時点で導出されている表示態様が明らかに完全ハズレ目であるにも関わらず、ボーナスに対する期待度の高い報知パターン2に基づく報知画面を表示しても、遊技者のボーナスに対する期待度を高めることはできないため、無意味な報知の実行を回避できる。
なお、本実施の形態においては、報知待ち時間の計測をカウンタ値の減算にて行なっているが、カウンタ値の加算により計測するようにしてもよく、特に報知待ち時間の場合、カウンタ値が第1の値に到達したとき、または第1の値よりも小さい第2の値に到達したときに促進報知を開始するようにすればよい。
また、CPU91aは、報知用カウンタの減算開始後、カウンタ値が0となった時点で、そのゲームがボーナス中のゲームであるか否かを判定し、ボーナス中である場合には、報知パターン2がセットされていても、報知パターン1をセットするようになっている。つまり、ボーナス中においては、ボーナスに対する期待度の高い報知パターン2に基づく報知画面を表示しても、遊技者のボーナスに対する期待度を高めることはできないため、無意味な報知の実行を回避できる。
また、サブ制御部91のCPU91aは、図10(a)(b)に示すように、ビッグボーナス入賞の発生に伴い、遊技状態が通常遊技状態からビッグボーナスに移行した場合、ビッグボーナス用の遊技効果音の音量を最大(MAX)にして出音を開始する(t1)。
その後、ゲームが開始されてリールの回転が開始した時点(t2)からリール2L、2C、2Rの停止操作がなされないまま所定時間(本実施の形態では60秒)が経過したとき(t3)、つまりリール回転開始コマンドを取得した後、リール停止コマンドを取得しないまま所定時間(本実施の形態では60秒)が経過したときや、第1リールまたは第2リールの停止操作がなされた時点(t3’)から次のリールの停止操作がなされないまま所定時間(本実施の形態では60秒または30秒)が経過したとき(t4’)、つまり第1・第2リールのリール停止コマンドを取得してから新たなリール停止コマンドを取得することなく所定時間(本実施の形態では60秒または30秒)が経過したときに、遊技の進行が中断しているとして、現在出音中の遊技効果音の音量を最小(消音)とする。なお、このとき前述した促進報知も開始することとなる。
その後、遊技者による停止操作がなされてリール停止コマンドを取得した時点で(t4、t5’)、遊技の進行が再開したとして、遊技効果音の音量を元のレベル、すなわち、最大まで上げる(元のレベルに戻す)とともに、前述の促進報知も終了する。
なお、本実施の形態では、促進報知の開始及び終了に応じて続遊技効果音の音量を調節するようになっている。つまり本実施の形態では、ゲーム開始後の計時は、促進報知において使用するタイマカウンタを兼用している。
また、サブ制御部91のCPU91aは、連続演出の開始に伴い、連続演出用の遊技効果音の音量を最大(MAX)にして出音を開始するとともに、ビッグボーナスと同様にゲームが開始されてリールの回転が開始した時点からリール2L、2C、2Rの停止操作がなされないまま所定時間(本実施の形態では60秒)が経過したときや、第1リールまたは第2リールの停止操作がなされた時点から次のリールの停止操作がなされないまま所定時間(本実施の形態では60秒または30秒)が経過したときにも、遊技の進行が中断しているとして、現在出音中の遊技効果音の音量を最小(消音)とし、その後、遊技者による停止操作がなされてリール停止コマンドを取得した時点で、遊技の進行が再開したとして、遊技効果音の音量を元のレベル、すなわち、最大まで上げる(元のレベルに戻す)ようになっている。
また、これらの演出以外でもゲーム開始後(リールの回転開始後)、または停止操作後、次に停止操作がなされるまで遊技効果音が継続して出力される演出についても同様の制御、すなわちゲーム開始後(リールの回転開始後)、または停止操作後、停止操作がなされないまま所定時間が経過したときに、現在出御中の遊技効果音の音量を最小(消音)とする制御を行なうようになっている。
図11(a)は、前述した連続演出の流れを示すフローチャートである。
図11(a)に示すように、連続演出は、通常遊技状態においてチャンス目が停止したこと、またはチェリーが入賞したことを契機として実行される。前述のようにチャンス目は、いずれかのボーナスに当選しているか、1枚役(1)または1枚役(2)が当選している場合のみ出現する表示態様であるため、いずれかのボーナスが当選しているときに、いずれのボーナスも当選していないときよりも高い割合で停止する表示態様であり、かつ次のゲームから2ゲームのRTへの移行を伴う表示態様である。よってチャンス目を契機とする連続演出は、いずれかのボーナスが当選しているときに、いずれのボーナスも当選していないときよりも高い割合で実行されるものであり、かつ2ゲームのRTへの移行を伴うときに実行されるものである。また、チェリーは、ボーナスと同時に当選する可能性のある役であり、かつ次のゲームから2ゲームのRTへの移行を伴う表示態様である。よってチェリーを契機とする連続演出は、ビッグボーナスに当選している可能性がある場合に実行されるものであり、かつ2ゲームのRTへの移行を伴うときに実行されるものである。
また、連続演出には、2ゲームまたは3ゲーム継続する複数種類のパターンがあり、チャンス目が停止した場合、またはチェリーが入賞した場合には、図11(a)に示すように、これら複数種類のパターンからいずれか1つのパターンが選択され、選択されたパターンに基づいて連続演出が実行される。
本実施の形態では、前述のようにチャンス目が停止するか、チェリーが入賞すると、2ゲームのRTに移行し、その間、リプレイの当選確率が通常遊技状態よりも高くなる。さらに、ボーナスの持越中にリプレイが当選すると、ボーナスが入賞ライン上に揃う制御よりもリプレイが入賞ライン上に揃う制御の方が優先され、結果ボーナスが入賞ライン上に揃うことがなく、RTに制御されることによりボーナスを揃えづらい状態となるが、連続演出では、RTの継続ゲーム数と同じ2ゲームまたはRTの継続ゲーム数よりも1ゲーム多い3ゲームにわたり演出が継続するようになっている。このため、連続演出の開始後、ボーナスを狙って停止操作を行なっても連続演出が終了するまでの期間(3ゲームの場合は最終ゲームを除く期間)では、ほぼリプレイが揃いボーナスに当選しているか否かを判別できない状態となる。また、仮にリプレイが揃わず、狙ったボーナスが揃わない場合でも、狙った図柄とは異なる図柄(「赤7」であれば「青7」、「青7」であれば「赤7」)を取りこぼした可能性が残り、さらに連続してリプレイが揃わないことは確率上ほとんどないため、連続演出が継続している間(3ゲームの場合は最終ゲームを除く期間)、ボーナスの当選が否定されてしまうことがない。
なお、連続演出の実行中にチャンス目が停止した場合には、新たに連続演出が実行されることはない。また、いずれかのボーナスに当選した後、連続演出が1回でも実行され、ボーナスの当選が告知された場合には、さらに連続演出が実行されることはない。
次に、連続演出の内容について説明する。
連続演出は、いずれも液晶表示器51に所定の画像を表示することにより行なわれる。また、連続演出における個々のゲーム毎の演出は、いずれもスタートスイッチ7の操作時に開始し、リール2L、2C、2Rの全ての回転が停止したときに終了するものである。最終ゲーム以外の個々のゲーム毎の演出の結果は、遊技者側の攻撃、遊技者側のダメージの2通りであり、最終ゲームの演出の結果は、遊技者の勝ち、負けの2通りであるが、演出の過程としてはこれよりも多くの種類のものがある。
連続演出は、前述のようにリール2L、2C、2Rの表示結果としてチャンス目が導出されたこと、またはチェリーが入賞したことを契機として開始される。そしていずれかのボーナスの当選に基づいてチャンス目が導出されたこと、またはビッグボーナスとチェリーが同時に当選し、かつチェリーが入賞したことを契機とする連続演出では、連続演出が終了することとなるゲーム(最終ゲーム)においてリール2L、2C、2Rの全ての回転が停止したときに、ボーナスに当選している旨(遊技者の勝ち)が確定的に報知される。
また、いずれのボーナスも当選していない状態でチャンス目が導出されたこと、またはチェリーが単独で当選し、チェリーが入賞したことを契機とする連続演出では、連続演出が開始してから終了するゲームまでにいずれのボーナスも当選しなければ、連続演出の結果としてハズレの結果(遊技者の負け)、すなわちいずれのボーナスにも当選していない旨が報知される。一方、連続演出が開始してから終了するまでにいずれかのボーナスに当選し、連続演出の終了までに当選したボーナスが入賞しなかったときには、そのまま連続演出を終了してハズレの結果を報知したままでは、当該時点における状況とは異なった内容を遊技者に報知してしまうこととなる。
このため、最終ゲームの開始時点において、演出が開始した後にいずれかのボーナスに当選したかどうかを判断し、連続演出が開始した後にいずれのボーナスにも当選していない場合には、当該ゲームの終了時にハズレの結果が報知され、連続演出が開始した後にいずれかのボーナスに当選した場合には、最終ゲームの演出の結果を差し替えてボーナスに当選している旨が確定的に報知されるか、差し替えずに次のゲームで追加演出を実行し、この追加演出でボーナスに当選している旨が確定的に報知される。
連続演出の結果として報知されたか、追加演出の結果として報知されたかに関わらず、ボーナス当選している旨の確定報知が行なわれた場合には、次のゲームで賭数の設定を行なったときに、所定の割合で当選しているボーナスの種類(ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)、レギュラーボーナスの別)が報知される場合がある。
連続演出及び追加演出には、複数のパターンがある。図11(b)〜(d)は、連続演出及び追加演出のパターンを選択するための連続演出選択テーブルを示す図である。連続演出選択テーブルには、図11(b)に示す非当選時テーブルと、図11(c)に示す当選時テーブルと、図11(d)に示す追加演出テーブルの3種類がある。連続演出のパターンは、連続演出パターン選択用の乱数に従って、非当選時テーブルまたは当選時テーブルを参照することにより決定される。
図11(b)に示す非当選時テーブルは、いずれのボーナスにも当選していない状態でチャンス目が導出されたとき、またはチェリーが単独で当選し、チェリーが入賞したときに開始される連続演出のパターンを選択するためのテーブルである。非当選時テーブルには、これに従って選択されたパターンで行なわれている連続演出が終了するゲームまでにいずれかのボーナスに当選したときに、最終ゲームにおいて差し替えられる演出の内容も登録されている。特に差し替えられる演出の内容は、差し替えがなかった場合には含まれない内容が登録されている。このため、連続演出の途中でいずれかのボーナスに当選し、演出の内容が差し替えられる場合には、演出の内容が差し替えられなかった場合の演出とは異なる態様の演出が行なわれることとなる。
図11(c)に示す当選時テーブルは、いずれかのボーナスに当選したことでチャンス目が導出されたとき、またはボーナス+チェリーが当選し、チェリーが入賞したときに開始される連続演出のパターンを選択するためのテーブルである。いずれのテーブルに従って連続演出のパターンが選択される場合であっても、連続演出の継続するゲーム数は、2ゲームまたは3ゲームである。
図11(d)に示す追加演出テーブルは、既に連続演出が行なわれている状態で新たにボーナスに当選したときに、当該連続演出が終了した後に続けて行なわれる追加演出のパターンを選択するためのテーブルである。追加演出のパターンは、そのときに行なわれていた連続演出のパターンに応じて選択される。また、追加演出の内容は、連続演出には含まれない内容が登録されている。このため、追加演出が行なわれる場合には、連続演出とは異なる態様の演出が行なわれることとなる。
次に、サブ制御部91のCPU91aが表示制御基板190に対して送信する表示制御コマンドについて説明する。
本実施の形態では、動画再生を指示する表示制御コマンド、静止画の表示を指示する表示制御コマンド、遊技履歴の表示を指示する表示制御コマンドを送信する。
動画再生を指示する表示制御コマンドは、再生する動画ファイルを特定可能なコマンドであり、新たに動画再生を指示する際に送信される。静止画の表示を指示する表示制御コマンドは、表示する静止画像データを特定可能なコマンドであり、新たに静止画像の表示を指示する際に送信される。遊技履歴の表示を指示する表示制御コマンドは、RAM91cに格納されている遊技履歴を特定可能なコマンドであり、遊技履歴の表示を指示する際に送信される。
これらの表示制御コマンドは、後述する演出制御処理、メニュー画面表示処理及び促進報知処理において生成され、RAM91cに割り当てられたコマンドキューに一時格納され、後述する表示制御コマンド送信処理において送信される。
次に、表示制御コマンドに基づいて表示制御部191が実行する表示制御について説明する。
表示制御部191のCPU191aは、サブ制御部91のCPU91aが送信した表示制御コマンドを受信した際に、表示制御コマンドによって指示された内容に基づいて液晶表示器51の表示制御を行なう。受信した表示制御コマンドが動画ファイルの再生を指示するものであれば、該当する動画ファイルを再生させる制御を行ない、静止画の表示を指示するものであれば、該当する静止画を表示させる制御を行ない、遊技履歴の表示を指示するものであれば、現在の遊技履歴に基づく履歴画面を生成し、表示させる制御を行なう。
なお、CPU191aは、ある表示制御コマンドの受信を契機とする表示制御の実行中に、新たに表示制御コマンドを受信した場合には、実行中の表示制御を中止し、新たに受信した表示制御コマンドに基づく表示制御を実行するようになっている。すなわち表示制御が最後まで終了していない状態でも、新たに表示制御コマンドを受信すると、実行していた表示制御はキャンセルされて新たな表示制御コマンドに基づく画像表示がなされることとなる。
また、CPU191aは、表示制御回路192からのVブランク割込信号が一定期間入力されなかった場合、表示制御回路192に対して命令したにも関わらず、命令に対応する完了割込信号が一定期間入力されなかった場合、すなわち何らかの原因で表示制御回路192がハングアップした場合に初期化信号をサブ制御部91に対して出力するとともに、CPU191aの再起動が行なわれるようになっている。そして、CPU91aの再起動に伴って、表示制御回路192を初期化するようになっている。
次に、液晶表示器51の表示制御を行なう表示制御回路192について説明する。
表示制御回路192は、図12に示すように、CPU91aからの制御指示に従って液晶表示器51に表示される画像の描画制御や表示制御などを行なうグラフィックコントローラ200と、液晶表示器51に表示される動画像を構成するストリーム(圧縮された一連の動画データ、各画像データをフレームとも呼ぶ)やスプライト画像として用いる画像要素データとしてのキャラクタ(人物、動物、文字、図形、記号等の画像データ、CGデータとも呼ぶ)などのデータが格納される画像要素データ記憶手段としてのCGROM205、VRAM(ビデオRAM)領域として使用される画像データ記憶手段としてのSDRAM(シンクロナスDRAM)と、を備える。
グラフィックコントローラ200は、グラフィックコントローラ200の各種設定などが格納されるシステムレジスタ202、アトリビュート(キャラクタを描画する際に使用されるパラメータであり、キャラクタの描画順序や、色数、拡大縮小率、パレット番号、座標などを指定するデータ)が格納されるアトリビュートレジスタ203、VRAM領域の後述する描画領域への画像の描画制御を行なう描画制御部206、描画制御部206が画像を描画する際にパレットデータ(キャラクタの表示色が定義されたデータ)を一時的に保存するためのパレットバッファ207、描画制御部206が画像を描画する際にCGデータを一時的に保存するためのCGデータバッファ208、CGROM205に格納されているCGデータをVRAM領域に転送する制御を行なうデータ転送制御部211、CGROM205に格納されたストリームをVRAM領域に展開する圧縮動画デコーダ212、VRAM領域の後述する表示領域に格納されている画像データを表示するためのビデオ信号(R(赤)、G(緑)、B(青))信号及び同期信号を出力する表示制御部213、表示制御部213から出力されたビデオ信号をアナログ信号に変換して液晶表示器51に出力するDAコンバータ214などが搭載された集積回路である。
また、液晶表示器51は、グラフィックコントローラ200から出力されたアナログ信号を受けて液晶素子の駆動を行なう液晶駆動回路215を有している。液晶駆動回路215は、グラフィックコントローラ200からビデオ信号(アナログ信号)が出力されていない状態において、全ての液晶素子の駆動を行なわない(電圧を印加しない)ようになっており、このような場合には、液晶表示器51の表示領域51aが透過状態となる。
グラフィックコントローラ200の内部には、システムバス、CGバスが設けられており、システムバス及びCGバスはCPUインターフェイス201を介して表示制御部191のCPU191aと接続されているとともに、CGバスはCGバスインターフェイス204を介してCGROM205に接続されている。システムバスにはシステムレジスタ202が接続されているとともに、CGバスにはアトリビュートレジスタ203が接続されており、CPU191aは、システムレジスタ202及びアトリビュートレジスタ203にアクセスできるようになっている。
また、描画制御部206、データ転送制御部211、圧縮動画デコーダ212、表示制御部213はシステムバスに接続されており、システムレジスタ202にアクセスできるようになっている。また、描画制御部206、データ転送制御部211、圧縮動画デコーダ212はCGバスに接続されており、CGROM205、アトリビュートレジスタ203にアクセスできるようになっている。
また、グラフィックコントローラ200の内部には、さらにVRAMバスが設けられており、VRAMバスは、VRAMバスインターフェイス209を介してSDRAM210と接続されている。VRAMバスには、描画制御部206、データ転送制御部211、圧縮動画デコーダ212、表示制御部213が接続されており、VRAMバスを介してSDRAM210のVRAM領域にアクセスできるようになっている。
システムレジスタ202には、初期設定、描画、データ転送、圧縮動画データのデコードの実行などの命令を格納するシステム制御レジスタ、後述する割込信号の出力命令などを格納する割込制御レジスタ、VRAM領域における描画領域、パレットデータの配置領域などを格納する描画レジスタ、データ転送時の転送元のアドレス、転送先のアドレスなどを格納するデータ転送レジスタ、VRAM領域における表示領域などを格納する表示レジスタ、展開するストリームの格納アドレス、展開するストリームのタイプ、VRAM領域においてストリームが展開される展開用バッファの配置領域、ストリームの展開時に用いるテンプレートであるDCネストの配置位置、現在展開を行なっているフレームや全フレームの展開が終了した旨を示すステータスなどを格納するデコードレジスタなどが割り当てられている。
CPUインターフェイス201は、Vブランク(画像を更新する周期であり、本実施の形態では、33.3ms)の開始毎にCPU191aに対してVブランク割込信号を出力するとともに、割込制御レジスタの設定状態に応じて、描画終了時にその旨を示す描画終了割込信号を、アトリビュートの読込終了時にその旨を示す読込終了割込信号を、データ転送終了時にその旨を示す転送終了割込信号を、CPU191aに対してそれぞれ出力する。
描画制御部206、データ転送制御部211、圧縮動画デコーダ212、表示制御部213は、システム制御レジスタに初期設定の命令が格納されると、各デバイスの初期化を実行する。そして、全てのデバイスの初期化完了信号の出力が命令された時点で、CPUインターフェイス201は、初期化が完了した旨を示す初期化完了信号をCPU191aに対して出力する。
描画制御部206は、システム制御レジスタにアトリビュートの読込の実行命令が格納されると、アトリビュートレジスタ203に格納されているアトリビュートを読み込み、アトリビュートの読み込みが終了すると読込終了割込信号の出力を命令する。
また、描画制御部206は、システム制御レジスタに描画の実行命令が格納されると、アトリビュートレジスタ203から読み込んだアトリビュートに従って、VRAM領域に配置されているキャラクタ、ストリームから展開されたフレームを、VRAM領域において指定された描画領域に描画する描画処理を行ない、描画が終了すると描画終了割込信号の出力を命令する。
データ転送制御部211は、システム制御レジスタにデータ転送の実行命令が格納されると、データ転送レジスタにて指定されたCGROM205に格納されているキャラクタやパレットデータをVRAM領域の指定された位置に転送するデータ転送処理を行ない、データ転送が終了すると転送終了割込信号の出力を命令する。
圧縮動画デコーダ212は、システム制御レジスタにデコードの実行命令が格納されると、デコードレジスタにて指定されたストリームをVRAM領域に展開する展開処理を行ない、ストリームを構成する各フレームの展開が終了する毎にデコードレジスタのステータスを更新し、全てのフレームの展開が終了したときに、デコードレジスタのステータスに全フレームの展開の終了を設定する。
表示制御部213は、表示レジスタにて指定されているVRAM領域の表示領域の画像データをビデオ信号として出力する表示処理を行なう。本実施の形態では、表示領域と描画領域とがVブランク毎に交互に切り替わる。このため、あるVブランクにおいて描画領域として割り当てられた領域の描画が行なわれるとともに、次のVブランクにおいては、表示領域に切り替わるので、前のVブランクにおいて描画された画像データが表示出力されることとなり、その間も他方の領域で描画が行なわれることとなる。
図13は、SDRAM210のVRAM領域の構成を示す図である。
VRAM領域には、パレットデータが配置されるパレット領域、液晶表示器51に表示される画像データが格納される表示領域、描画処理によってキャラクタなどが描画されるフレームメモリまたはフレーム領域としての描画領域、起動時に使用頻度の高いキャラクタがCGROM205から読み出されてキャラクタに応じて割り当てられたアドレス領域に常時格納される専用キャラクタ用バッファL1、使用状況に応じて必要なキャラクタがCGROM205から読み出されて格納される一時記憶領域としての汎用キャラクタ用バッファL2、エラー発生画面や前述した促進報知画面等に道いられるキャラクタがCGROM205から読み出されて格納されるエラー用キャラクタ用バッファL3などの各領域が割り当てられている。
特に、パレット領域、専用キャラクタ用バッファL1、エラー用キャラクタ用バッファL3は固定的に割り当てられており、その領域に他のデータが配置されることはなく、また、これらバッファが固定的に割り当てられているキャラクタについては、他の領域に配置されることがない。また、表示領域と描画領域は同一サイズの領域であり、交互に切り替えて割り当てられており、一方の領域に描画している状態で、他方の領域の画像データが液晶表示器51に表示されることとなる。このため、描画領域への描画処理と表示領域の表示処理とを並行して実行できるとともに、1ラインに描画できるキャラクタの数が制限されないようになっている。さらに、動画の再生中にフレームレート(一定期間で表示が更新される割合)を変更することもできる。なお、表示領域及び描画領域として割り当てられた2つの領域も固定的に割り当てられており、その領域に他のデータが配置されることはない。また、これら以外の領域に、動画のソースデータとなるキャラクタなどが配置されるようになっている。
前述のように、表示制御部191のCPU191aは、CPUインターフェイス201を介してシステムレジスタ202及びアトリビュートレジスタ203にアクセスできるようになっており、前述した液晶表示器51の表示パターンを定めたプロセスデータに従ってこれらシステムレジスタ202及びアトリビュートレジスタ203に実行命令や必要なデータを格納することで、グラフィックコントローラ200を間接的に制御する。
プロセスデータには、Vブランク毎にCPU91aがシステムレジスタ202やアトリビュートレジスタ203に対して行なう設定内容が定められている。システムレジスタ202の設定内容としては、描画、データ転送、デコードの実行命令や、データ転送を行なうCGデータやパレットデータ、アトリビュートの設定などがある。また、アトリビュートレジスタ203の設定内容は、アトリビュート、すなわちキャラクタを描画する際に使用されるパラメータそのものである。
また、プロセスデータには、Vブランク毎に画像の更新が行なわれるようにアトリビュートが設定されている。このため、画像の更新は、Vブランク毎に行なわれることとなる。
次に、描画制御について説明する。
描画制御部206が描画処理を行なうためには、描画に必要なキャラクタやストリームから展開されたフレームがVRAM領域に配置されている必要がある。このうちストリームから展開されたフレームは、圧縮動画デコーダによって展開用バッファに格納されるため、描画用ポインタが示す展開用バッファに格納されているフレームを用いればよいので、これとは別にスプライト画像のソースデータとなるキャラクタをVRAM領域に配置する必要がある。
このため、CPU91aは、動画再生を行なう際に、当該動画再生に必要な全てのキャラクタのCGROM205からVRAM領域への転送命令を行なう。これに伴いデータ転送制御部211によって動画再生に必要な全てのキャラクタがVRAM領域に配置されることとなる。動画再生を行なう場合には、何度も繰り返して同じキャラクタを描画に用いることが多いが、CGROM205に格納されたデータは圧縮されており、これを読み出すのに時間を要するので、前述のように動画再生を行なう最初の段階で、必要な全てのキャラクタをVRAM領域に配置することにより、各フレーム毎にCGROM205からデータを読み出すのに比較して描画に要する時間が少なくて済むこととなる。なお、起動時に予め専用キャラクタ用バッファL1に転送されている使用頻度の高いキャラクタについてはこの限りではない。また、本実施の形態では、CPU91aが動画再生を行なう際に、当該動画再生に必要な全てのキャラクタのCGROM205からVRAM領域への転送命令を行なうようになっているが、描画に必要なキャラクタの転送命令をその都度行なうようにしてもよい。
また、本実施の形態では、CPU91aは、起動時に液晶表示器51の表示領域51aにおける透過領域51bに対応する形状及び大きさであり、液晶表示器51に表示させた際に透過色(本実施の形態では白色)となる透過領域用キャラクタを含む使用頻度の高いキャラクタのCGROM205からVRAM領域の専用キャラクタ用バッファL1への転送命令を行なう。これに伴いデータ転送制御部211によって使用頻度の高いキャラクタがVRAM領域の専用キャラクタ用バッファL1に配置されることとなる。このため、使用頻度の高いキャラクタについては、動画再生毎にCGROM205からデータを読み出すのに比較して描画に要する時間が少なくて済むこととなる。
また、描画制御部206が描画処理を行なうためには、アトリビュートレジスタ203にアトリビュートが設定されている必要がある。アトリビュートは、Vブランク毎に異なるため、Vブランク毎にプロセスデータに従ったアトリビュートをアトリビュートレジスタ203に格納する。
そして、CPU91aは、動画再生を開始した後、Vブランク毎に、アトリビュートをアトリビュートレジスタ203に設定した後、アトリビュートの読込の実行を命令する。これに伴い描画制御部206は、アトリビュートレジスタ203のアトリビュートを読み込んで、読込が終了すると読込終了割込信号の出力を命令する。これを受けてCPU91aは描画の実行を命令し、描画制御部206は、読み込んだアトリビュートに従って描画領域に画像データの描画を行なう。
図14は、VRAM領域に必要なキャラクタが配置された状態の一例を示す図であり、図15は、描画制御部206による描画領域へのキャラクタなどの描画の状況の一例を示す図である。
ここで、キャラクタA〜Cを用いて描画する場合の制御状況を図14及び図15に基づいて説明する。なお、以下では、描画に用いるキャラクタA〜Cなどの画像データをオブジェクトとも呼ぶ。
描画制御部206は、図14に示すように、描画に必要なキャラクタA〜C、透過領域用キャラクタがVRAM領域に配置された状態で描画の実行命令を受けると、描画領域への描画を開始する。
これらVRAM領域に配置されたオブジェクトが描画される順番は、アトリビュートレジスタ203から読み込んだアトリビュートによって定められている。アトリビュートには、オブジェクトが描画される順番として視覚者から見て手前側に表示するオブジェクト(3D空間のZ軸方向において視点に最も近くなるオブジェクト)ほど高い優先順位が定められており、描画制御部206は、優先順位の高いオブジェクトから順に描画を行なう。ここでは、アトリビュートに透過領域用オブジェクト、キャラクタA、B、Cの順番で描画する順番が定められている。なお、本実施の形態においてCPU91aは、リールの変動中において、必ず透過領域用オブジェクトを最優先で描画されるようにアトリビュートを設定するようになっている。このため、リールの変動中においては必ず透過領域用オブジェクトが他のオブジェクトよりも先に描画されるとともに、必ず透過領域用オブジェクトが他のオブジェクトよりも視覚者から見て手前側に描画されるようになっている。
描画制御部206は、まず、図15に示すように、VRAM領域の描画領域において液晶表示器51の透過領域51bに対応する領域に透過領域用キャラクタを描画する。
次いで、アトリビュートに設定された描画の順番のうち次に優先順位の高いキャラクタAをアトリビュートによって指定された領域に描画する。この際、キャラクタAを描画する領域のうち、既に描画されているオブジェクト、すなわち透過領域オブジェクトと重なる領域については、描画を行なわない。具体的には、キャラクタAを描画する領域を、描画領域の画素毎に既にオブジェクトが描画されているか否かを判定し、オブジェクトが描画されていない画素については、キャラクタAの対応する画素を描画し、オブジェクトが既に描画されている画素については、描画を行なわないようになっている。
キャラクタAの描画が終了すると、次に優先順位の高いキャラクタBをアトリビュートによって指定された領域に描画する。キャラクタBについても同様で描画する領域のうち、既に描画されているオブジェクトと重なる領域については、描画を行なわない。そして、同様にしてキャラクタCの描画を行ない、最も優先順位の低いオブジェクトの描画が終了した時点で描画終了割込信号の出力を命令する。なお、キャラクタCのように描画領域をはみ出して配置されるオブジェクトについては、既に描画されているオブジェクトと重なる領域と同様にはみ出している領域の画素については、描画を行なわず、描画領域に含まれる画素についてのみ描画を行なう。
このように描画制御部206は、描画領域のうち、アトリビュートによって設定された最も手前側のオブジェクトから順番に描画するようになっている。この際、既にオブジェクトが配置されている領域については、描画を行なわない。すなわち描画の必要のない画素については、描画を行なわないようになっている。
また、リールの変動中においては、液晶表示器51の透過領域51bに対応する領域に、透明色(白)の透過領域用オブジェクトを最優先で(視覚者から見て最も手前側に)描画する旨が設定されたアトリビュートが設定されるので、リールの変動中は、液晶表示器51の透過領域51bに対応する領域に、透明色(白)の透過領域用オブジェクトが常に最初に描画され、VRAM領域に設定された表示領域において、液晶表示器51の表示領域51aのうち常に画像が表示されることのない透過領域51bに対応する領域に、その他のオブジェクトの描画が行なわれることがない。
なお、本実施の形態では、描画制御部206が、描画領域のうち、アトリビュートによって設定された最も手前側のオブジェクトから順番に描画するとともに、既にオブジェクトが配置されている領域については、描画を行なわないようになっているが、描画領域の各画素についてアトリビュートを参照し、該当する画素に位置するオブジェクトのうち視覚者から見て最も手前側に位置するオブジェクトを判定し、最も手前側に位置すると判定されたオブジェクトの描画を行なうようにしてもよい。そして、このようにした場合にも、リールの変動中において、液晶表示器51の透過領域51bに対応する領域に、透明色(白)の透過領域用オブジェクトを最優先で(視覚者から見て最も手前側に)描画する旨が設定されたアトリビュートが設定されることにより、液晶表示器51の透過領域51bに対応する画素には、常に透明色(白)の透過領域用オブジェクトが描画され、その他のオブジェクトが描画されることはない。
また、本実施の形態では、連続演出やボーナス演出、待機演出、メニュー画面(演出モードの選択画面や履歴の閲覧画面を含む)の表示などを行なう際に、これら各演出に伴う動画再生に必要なキャラクタをVRAM領域の汎用キャラクタ用バッファL2に転送するようになっているが、汎用キャラクタ用バッファL2の容量上、たとえば、連続演出に必要なキャラクタと、待機演出に必要なキャラクタまたはメニュー画面(演出モードの選択画面や履歴の閲覧画面を含む)の表示に必要なキャラクタと、を汎用キャラクタ用バッファL2に同時に転送することができない。このため、新たに動画再生を行なう際には、汎用キャラクタ用バッファL2に格納されている、それまで行なわれていた動画再生のためのキャラクタに対して新たな動画再生のためのキャラクタを上書きするようになっている。
しかしながら、連続演出やボーナス演出の実行中に待機演出を行なったりメニュー画面を表示すると、連続演出やボーナス演出に用いていた汎用キャラクタ用バッファL2のキャラクタが待機演出やメニュー画面(演出モードの選択画面や履歴の閲覧画面を含む)の表示に用いるキャラクタに上書きされてしまい、待機演出やメニュー画面から連続演出やボーナス演出に復帰する際には、再びCGROM205から待機演出やボーナス演出に用いるキャラクタを読み出して汎用キャラクタ用バッファL2に転送する必要がある。このため、本実施の形態では、前述したように連続演出やボーナス中演出の実行中においては、待機演出の実行やメニュー画面の表示が禁止されるようになっており、連続演出やボーナス演出の実行中に待機演出が実行されたり、メニュー画面が表示されることにより、遊技の進行状況とは無関係な待機演出やメニュー画面の表示のために、一般的にデータ量の多い連続演出のキャラクタをCGROM205から読み出してVRAMの汎用キャラクタ用バッファL2に書き込むというオーバーヘッドが重複して生じることをなくすことができる。
また、本実施の形態では、エラー報知や促進報知の画像を表示する際に、これら各演出に伴う動画再生に必要なキャラクタを汎用キャラクタ用バッファL2とは別に割り当てられたエラー用キャラクタ用バッファL3に転送するようになっている。このため、連続演出やボーナス演出の実行中にエラー報知や促進報知の画像を表示する場合でも、汎用キャラクタ用バッファL2のキャラクタが上書きされることがなく、エラー報知や促進報知の画像を表示するために、一般的にデータ量の多い連続演出のキャラクタをCGROM205から読み出してVRAMの汎用キャラクタ用バッファL2に再度書き込むというオーバーヘッドが重複して生じることをなくすことができる。
次に、図16および図17を用いて、賭数が設定され、かつ、クレジットが存在する状態での精算スイッチの操作に応じたスロットマシン1の動作を説明する。図16および図17は、精算スイッチ10の操作と、メダル排出動作、BET数更新表示、およびクレジット数更新表示との関係を示すタイミングチャートである。
特に、図16(a)は、本実施の形態に係るスロットマシン1における精算スイッチ10の操作に関する実施例1を示す。また、図16(b)、図16(c)、図17(d)、図17(e)、図17(f)、図17(g)は、それぞれ、本実施の形態に係るスロットマシン1における精算スイッチ10の操作に関する実施例2〜6を示す。
各図は、いずれも、賭数が2でクレジット数が30の状態を例とするものであるが、賭数が設定されており(賭数>0)、かつ、クレジットが1以上存在すれば、各賭数およびクレジット数に対応する同様の動作が行なわれるものである。
なお、「BET数表示」は、1〜3BETLED14〜16の点灯箇所により示される賭数の表示状態を示し、「クレジット数表示」は、クレジット表示器11により示されるクレジット数を示している。また、「ホッパーモータ駆動信号」は、メイン制御部41からホッパーモータ34に出力される信号を示しており、当該信号が1パルス出力される毎にメダルが1枚ずつホッパータンクから排出される。
[精算スイッチ10の操作に関する実施例1]
最初に、実施例1を説明する。実施例1では、精算スイッチ10の第1回目の操作が検出されると、ホッパーモータ駆動信号がホッパーモータ34に出力されることにより、設定された賭数に応じた数のメダルが1枚ずつ排出されて賭数の設定がキャンセルされる。続いて、精算スイッチ10の第2回目の操作が検出されると、クレジット数相当のメダルが排出される。
図16(a)に示されるとおり、第1回目の操作に基づいてメダルが排出される毎に、BET数の表示が2、1、0と変化する。このとき、賭数を記憶するBETカウンタのカウンタ値も順次減算更新される。同様に、第2回目の操作に基づいてメダルが排出される毎に、クレジット数の表示が30、29、28…1、0と変化する。このとき、クレジット数を記憶するクレジットカウンタのカウンタ値も順次減算更新される。
実施例1によれば、精算スイッチ10の第1回目の操作で、一旦、設定した賭数をキャンセルすることが可能になる。しかも、精算スイッチ10でキャンセル操作をすることができるため、キャンセル専用の操作スイッチを設ける場合に比べて、操作性が向上される。
さらには、精算スイッチ10の第1回目の操作に続けて第2回目の操作を行なうことによって、賭数のキャンセルに続いてクレジットを精算可能であるため、一旦、賭数を設定した後に、そのスロットマシンでの遊技を終えたいと思う遊技者にとっての利便性を向上できる。
なお、精算スイッチ10の第1回目の操作後、第2回目の操作を行なうことなく、1枚BETスイッチ5やMAXBETスイッチ6を用いた賭け操作を行なうことで、賭数を改めて設定し直すことが可能である。また、精算スイッチ10の第1回目の操作を行なったときに、賭数が設定されていないときには、クレジット数に対応するメダルを排出する処理が実行される(この点は、実施例2〜実施例6でも同様)。
[精算スイッチ10の操作に関する実施例2]
次に、実施例2を説明する。実施例2は、実施例1と比較して、第1回目の操作による動作と第2回目の操作による動作とが逆である。すなわち、実施例2では、精算スイッチ10の第1回目の操作が検出されると、クレジット数相当のメダルが排出されてクレジットが遊技者に返却される。続いて、精算スイッチ10の第2回目の操作が検出されると、設定された賭数に応じた数のメダルが排出されて賭数の設定がキャンセルされる。
図16(b)に示されるとおり、第1回目の操作に基づいてメダルが排出される毎に、クレジット数の表示が30、29、28…1、0と変化する。このとき、クレジット数を記憶するクレジットカウンタのカウンタ値も順次減算更新される。同様に、第2回目の操作に基づいてメダルが排出される毎に、BET数の表示が2、1、0と変化する。このとき、賭数を記憶するBETカウンタのカウンタ値も順次減算更新される。
実施例2によれば、実施例1と同様に、精算スイッチ10の操作により、一旦、設定した賭数をキャンセルすることが可能になる。しかも、精算スイッチ10でキャンセル操作をすることができるため、キャンセル専用の操作スイッチを設ける場合に比べて、操作性が向上される。
さらには、実施例1と異なり、精算スイッチ10の第1回目の操作でクレジットを精算した後、第2回目の操作で賭数設定がキャンセルされるため、精算スイッチ10の本来の機能が優先して働くことになり、不慣れな遊技者に違和感を与えにくい。
なお、精算スイッチ10の第1回目の操作後、第2回目の操作を行なうことなく、スタート操作を行なうことで、設定されている賭数によるゲームが開始される。また、精算スイッチ10の第1回目の操作が検出されたときにクレジットが存在しない場合には、設定されている賭数をキャンセルする処理が実行される。
[精算スイッチ10の操作に関する実施例3]
次に、実施例3を説明する。実施例3では、精算スイッチ10の第1回目の操作が検出されると、設定された賭数がキャンセルされる点では実施例1と同様であるが、キャンセルされた賭数分のメダルが排出されるのではなく、キャンセルされた賭数分のクレジットが加算される点において、実施例1と異なる。そして、続く、精算スイッチ10の第2回目の操作に応じて、ホッパーモータ駆動信号がホッパーモータ34に出力されることにより、クレジット数に対応するメダルが排出される点においては、実施例1と同様である。
すなわち、図16(c)に示されるとおり、第1回目の操作に基づいて、賭数の表示が2から1、0と減算更新される毎に、クレジット数の表示が30から31、32と加算更新される。このとき、賭数表示の更新に合わせてBETカウンタの値も同様に減算更新され、また、クレジット数表示の更新に合わせてクレジットカウンタの値も同様に加算更新される。そして、続く、第2回目の操作に基づいてメダルが排出される毎に、クレジット数の表示が31、30、29…1、0と変化する。このとき、クレジット数を記憶するクレジットカウンタのカウンタ値も順次、減算更新される。
実施例3によれば、実施例1と同様に、精算スイッチ10の操作により、一旦、設定した賭数をキャンセルすることが可能になる。しかも、精算スイッチ10でキャンセル操作をすることができるため、キャンセル専用の操作スイッチを設ける場合に比べて、操作性が向上される。
さらには、実施例1と異なり、精算スイッチ10の第1回目の操作で賭数の設定がキャンセルされたときにメダルが排出されるのではなく、一旦、クレジットに変換後、第2回目の操作を待って、一括してクレジットの精算として処理される。このため、たとえば、精算スイッチ10の第1回目の操作で賭数の設定をキャンセルした後、第2回目の精算スイッチ10の操作をすることなく、改めて賭数を設定する操作を行なう遊技者は、わざわざ排出されたメダルを投入し直す手間を省くことができる。
[精算スイッチ10の操作に関する実施例4]
次に、実施例4を説明する。実施例4は、実施例1と比較して、精算スイッチ10の第1回目の操作のみに基づいて、設定された賭数に応じた数のメダルを排出して賭数の設定をキャンセルする動作と、クレジット数相当のメダルを排出する動作とがその順で実行される。
すなわち、図16(d)に示されるとおり、第1回目の操作に基づいてホッパーモータ駆動信号がホッパーモータ34に出力され、賭数相当のメダルが排出される毎に、BET数の表示が2、1、0と変化し、続いて、クレジット数相当のメダルが排出される毎に、クレジット数の表示が30、29、28…1、0と変化する。
実施例4によれば、精算スイッチ10の第1回目の操作のみで、賭数のキャンセルと、クレジットの精算とを行なうことが可能であり、実施例1に比較して、賭数のキャンセルとクレジットの精算とを併せて行なう場合の操作性を向上させることができる。
[精算スイッチ10の操作に関する実施例5]
次に、実施例5を説明する。実施例5は、実施例4と比較して、精算スイッチ10の第1回目の操作のみに基づいて、設定された賭数に応じた数のメダルを排出して賭数の設定をキャンセルする動作と、クレジット数相当のメダルを排出する動作とが実行される点で同じであるが、両動作の順序が逆である点で実施例4と異なる。あるいは、実施例5は、実施例2と異なり、精算スイッチ10の第1回目の操作のみに基づいて、賭数の設定をキャンセルする動作と、クレジット数相当のメダルを排出する動作とが実行されるものであるともいえる。
すなわち、図16(e)に示されるとおり、第1回目の操作に基づいてホッパーモータ駆動信号がホッパーモータ34に出力されることにより、クレジット数相当のメダルが排出される毎に、クレジット数の表示が30、29、28…1、0と変化し、続いて、賭数相当のメダルが排出される毎に、BET数の表示が2、1、0と変化する。
実施例5によれば、精算スイッチ10の第1回目の操作のみで、クレジットの精算と賭数のキャンセルとを行なうことが可能であり、実施例2に比較して、賭数のキャンセルとクレジットの精算とを併せて行なう場合の操作性を向上させることができる。
[精算スイッチ10の操作に関する実施例6]
次に、実施例6を説明する。実施例6は、実施例3と比較して、精算スイッチ10の第1回目の操作のみに基づいて、キャンセルした賭数分をクレジットに加算する動作と、クレジット数相当のメダルを排出する動作とが実行される点において、実施例3と異なる。
すなわち、図16(f)に示されるとおり、第1回目の操作にのみ基づいて、賭数の表示が2から1、0と減算更新される毎に、クレジット数の表示が30から31、32と加算更新され、続いて、ホッパーモータ駆動信号がホッパーモータ34に出力されることによりクレジットに対応するメダルが排出される毎に、クレジット数の表示が31、30、29…1、0と変化する。
実施例6によれば、精算スイッチ10の第1回目の操作のみで、賭数のキャンセルとクレジットの精算とを行なうことが可能であり、実施例3に比較して、賭数のキャンセルとクレジットの精算とを併せて行なう場合の操作性を向上させることができる。
以上で、精算スイッチ10の操作に関する実施例1〜実施例6の説明を終える。
次に、本実施の形態におけるメイン制御部41のCPU41aが実行する各種制御内容を、図18〜図30に基づいて以下に説明する。
CPU41aは、リセット回路49からリセット信号が入力されると、図18のフローチャートに示す起動処理を行なう。なお、リセット信号は、電源投入時及びメイン制御部41の動作が停滞した場合に出力される信号であるので、起動処理は、電源投入に伴うCPU41aの起動時及びCPU41aの不具合に伴う再起動時に行なわれる処理である。
起動処理では、まず、内蔵デバイスや周辺IC、割込モード、スタックポインタ等を初期化した後(Sa1)、入力ポートから電圧低下信号の検出データを取得し、電圧低下信号が入力されているか否か、すなわち電圧が安定しているか否かを判定し(Sa2)、電圧低下信号が入力されている場合には、電圧低下信号が入力されているか否かの判定以外は、いずれの処理も行なわないループ処理に移行する。
Sa2のステップにおいて電圧低下信号が入力されていないと判定した場合には、Iレジスタ及びIYレジスタの値を初期化する(Sa3)とともに、打止スイッチ36、自動精算スイッチ29の状態を取得し、CPU41aの特定のレジスタに打止機能、自動精算機能の有効/無効を設定する(Sa4)。Iレジスタ及びIYレジスタの初期化により、Iレジスタには、割込発生時に参照する割込テーブルのアドレスが設定され、IYレジスタには、RAM41cの格納領域を参照する際の基準アドレスが設定される。これらの値は、固定値であり、起動時には常に初期化されることとなる。
次いで、RAM41cへのアクセスを許可し(Sa5)、設定キースイッチ37がONの状態か否かを判定する(Sa6)。Sa6のステップにおいて設定キースイッチ37がONの状態でなければ、RAM41cの全ての格納領域(未使用領域及び未使用スタック領域を含む)のRAMパリティを計算し(Sa7)、RAMパリティが0か否かを判定する(Sa8)。正常に電断割込処理(メイン)が行なわれていれば、RAMパリティが0になるはずであり、Sa8のステップにおいてRAMパリティが0でなければ、RAM41cに格納されているデータが正常ではないので、RAM異常を示すエラーコードをレジスタに設定し(Sa10)、図19に示すエラー処理に移行する。
また、Sa8のステップにおいてRAMパリティが0であれば、さらに破壊診断用データが正常か否かを判定する(Sa9)。正常に電断割込処理(メイン)が行なわれていれば、破壊診断用データが設定されているはずであり、Sa9のステップにおいて破壊診断用データが正常でない場合(破壊診断用データが電断時に格納される5A(H)以外の場合)にも、RAM41cのデータが正常ではないので、RAM異常を示すエラーコードをレジスタに設定し(Sa10)、図19に示すエラー処理に移行する。
エラー処理では、図19に示すように、現在の遊技補助表示器12の表示状態をスタックに退避し(Sb1)、レジスタに格納されているエラーコードを遊技補助表示器12に表示する(Sb2)。
次いで、レジスタに格納されているエラーコードを確認し、当該エラーコードがRAM異常エラーまたは異常入賞エラーを示すエラーコードであるか否かを判定し(Sb3)、RAM異常エラーまたは異常入賞エラーを示すエラーコードである場合には、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域を除く全ての格納領域を初期化する初期化1を行なった後(Sb4)、いずれの処理も行なわないループ処理に移行する。
また、Sb3のステップにおいて、RAM異常エラー及び異常入賞エラー以外を示すエラーコードではないと判定された場合には、リセット/設定スイッチ38の操作が検出されているか否かを判定し(Sb5)、リセット/設定スイッチ38の操作が検出されていなければ、さらにリセットスイッチ23の操作が検出されているか否かを判定し(Sb6)、リセットスイッチ23の操作も検出されていなければ、Sb4のステップに戻る。すなわちリセット/設定スイッチ38またはリセットスイッチ23の操作が検出されるまで、遊技の進行が不能な状態で待機する。
そして、Sb5のステップにおいてリセット/設定スイッチ38の操作が検出された場合、またはSb6のステップにおいてリセットスイッチ23の操作が検出された場合には、レジスタに格納されているエラーコードをクリアし(Sb7)、遊技補助表示器12の表示状態をSb1のステップにおいてスタックに退避した表示状態に復帰させて(Sb8)、もとの処理に戻る。
このようにエラー処理においては、RAM異常エラー及び異常入賞エラー以外によるエラー処理であれば、リセット/設定スイッチ38またはリセットスイッチ23が操作されることで、エラー状態を解除してもとの処理に復帰するが、RAM異常エラーまたは異常入賞エラーによるエラー処理であれば、リセット/設定スイッチ38またはリセットスイッチ23が操作されてもエラー状態が解除されることはない。
図18に戻り、Sa9のステップにおいて破壊診断用データが正常であると判定した場合には、RAM41cのデータは正常であるので、RAM41cの非保存ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域を初期化する初期化3を行なった後(Sa11)、破壊診断用データをクリアする(Sa12)。次いで、各レジスタを電断前の状態、すなわちスタックに保存されている状態に復帰し(Sa13)、割込を許可して(Sa14)、電断前の最後に実行していた処理に戻る。
また、Sa6のステップにおいて設定キースイッチ37がONの状態であれば、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域を除く全ての格納領域を初期化する初期化1を実行した後(Sa15)、設定値ワークに格納されている値(この時点では0)を1に補正する(Sa16)。次いで、割込を許可して(Sa17)、図20に示す設定変更処理、すなわち設定変更モードに移行し(Sa18)、設定変更処理の終了後、ゲーム処理に移行する。
設定変更処理では、図20に示すように、RAM41cの設定値ワークに格納されている設定値(設定変更処理に移行する前に設定値ワークの値は1に補正されているので、ここでは1である)を読み出す(Sc1)。
その後、リセット/設定スイッチ38とスタートスイッチ7の操作の検出待ちの状態となり(Sc2、Sc3)、Sc2のステップにおいてリセット/設定スイッチ38の操作が検出されると、Sc1のステップにおいて読み出した設定値に1を加算し(Sc4)、加算後の設定値が7であるか否か、すなわち設定可能な範囲を超えたか否かを判定し(Sc5)、加算後の設定値が7でなければ、再びSc2、Sc3のステップにおけるリセット/設定スイッチ38とスタートスイッチ7の操作の検出待ちの状態に戻り、Sc5のステップにおいて加算後の設定値が7であれば設定値を1に補正した後(Sc6)、再びSc2、Sc3のステップにおけるリセット/設定スイッチ38とスタートスイッチ7の操作の検出待ちの状態に戻る。
また、Sc3のステップにおいてスタートスイッチ7の操作が検出されると、その時点で選択されている変更後の設定値をRAM41cの設定値ワークに格納して、設定値を確定した後(Sc7)、設定キースイッチ37がOFFの状態となるまで待機する(Sc8)。そして、Sc8のステップにおいて設定キースイッチ37のOFFが判定されると、図18のフローチャートに復帰し、ゲーム処理に移行することとなる。
このように起動処理においては、設定キースイッチ37がONの状態ではない場合に、RAMパリティが0であるか否か、破壊診断用データが正常であるか否かを判定することでRAM41cに記憶されているデータが正常か否かを判定し、RAM41cのデータが正常でなければ、エラー処理に移行する。RAM異常エラーによるエラー処理では、RAM異常エラーを示すエラーコードを遊技補助表示器12に表示させた後、いずれの処理も行なわないループ処理に移行するので、ゲームの進行が不能化される。そして、RAM41cのデータが正常でなければ、割込が許可されることがないので、一度RAM異常エラーによるエラー処理に移行すると、設定キースイッチ37がONの状態で起動し、割込が許可されるまでは、電断しても電断割込処理(メイン)は行なわれない。すなわち電断割込処理(メイン)において新たにRAMパリティが0となるようにRAM調整用データが計算されて格納されることはなく、破壊診断用データが新たに設定されることもないので、CPU41aが再起動しても設定キースイッチ37がONの状態で起動した場合を除き、CPU41aを再起動させてもゲームを再開させることができないようになっている。
そして、RAM異常エラーによるエラー処理に一度移行すると、設定キースイッチ37がONの状態で起動し、RAM41cの使用中スタック領域を除く全ての領域が初期化された後、設定変更処理が行なわれ、リセット/設定スイッチ38の操作により新たに設定値が選択・設定されるまで、ゲームの進行が不能な状態となる。すなわちRAM異常エラーによるエラー処理に移行した状態では、リセット/設定スイッチ38の操作により新たに設定値が選択・設定されたことを条件に、ゲームの進行が不能な状態が解除され、ゲームを再開させることが可能となる。
図21は、CPU41aが実行するゲーム処理の制御内容を示すフローチャートである。
ゲーム処理では、BET処理(Sd1)、内部抽選処理(Sd2)、リール回転処理(Sd3)、入賞判定処理(Sd4)、払出処理(Sd5)、ゲーム終了時処理(Sd6)を順に実行し、ゲーム終了時処理が終了すると、再びBET処理に戻る。
Sd1のステップにおけるBET処理では、賭数を設定可能な状態で待機し、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作された時点で賭数を確定する処理を実行する。
Sd2のステップにおける内部抽選処理では、Sd1のステップにおけるスタートスイッチ7の検出によるゲームスタートと同時に内部抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数の値に基づいて上記した各役への入賞を許容するかどうかを決定する処理を行なう。この内部抽選処理では、それぞれの抽選結果に基づいて、RAM41cに当選フラグが設定される。
Sd3のステップにおけるリール回転処理では、各リール2L、2C、2Rを回転させる処理、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことに応じて対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる処理を実行する。
Sd4のステップにおける入賞判定処理では、Sd3のステップにおいて全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止したと判定した時点で、各リール2L、2C、2Rに導出された表示結果に応じて入賞が発生したか否かを判定する処理を実行する。
Sd5のステップにおける払出処理では、Sd4のステップにおいて入賞の発生が判定された場合に、その入賞に応じた払出枚数に基づきクレジットの加算並びにメダルの払出等の処理を行なう。
Sd6のステップにおけるゲーム終了時処理では、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理を実行する。また、ゲーム終了時処理では、RTに関連する制御を行なうRT処理についても行なわれる。
図22は、CPU41aがSd1のステップにおいて実行するBET処理の制御内容を示すフローチャートである。
BET処理では、まず、メダルの投入が検出されたか否かが判断される(Sd10)。メダルの投入が投入メダルセンサ31によって検出されたときには、賭数が前述した規定数の賭数として定められた最大値に達しているか否かが判断される(Sd11)。最大値に達していないときには、BET加算処理が実行される(Sd12)。BET加算処理では、メダルの投入に応じて、賭数を記憶するBETカウンタのカウンタ値が1加算される。BETカウンタは、設定された賭数を記憶するためのカウンタであり、メイン制御部41のRAM41cにより構成されている。
Sd11において、賭数が最大値に達していると判断されたときには、クレジット加算処理が実行される(Sd13)。クレジット加算処理では、クレジット数を記憶するクレジットカウンタのカウンタ値が最大値(たとえば、50)に達していないことを条件として、メダルの投入に応じてクレジットカウンタのカウンタ値が1加算される。クレジットカウンタは、メイン制御部41のRAM41cにより構成されている。なお、クレジットカウンタのカウンタ値が最大値に達しているときには、クレジット加算処理内において、投入されたメダルをメダル払出口9から排出する処理が実行される。
Sd12またはSd13の後、精算操作回数フラグが0に設定され(Sd17)、Sd10に戻る。精算操作回数フラグは、精算操作スイッチ10が操作されたときに、その操作が、図16を用いて説明した第1回目の操作(実施例1の場合には賭数設定をキャンセルする処理を機能させる賭数キャンセル操作)であるか、第2回目の操作(実施例1の場合には当該賭数キャンセル操作による賭数設定のキャンセル後、クレジットを精算する処理を機能させるクレジット精算操作)であるかを特定するためのフラグである。
換言すれば、精算操作回数フラグは、たとえば、実施例1(図16(a))の場合には、精算スイッチ10の第1回目の操作により賭数設定がキャンセルされた後、賭数が再度設定される前の段階で検出された第2回目の操作であるか否かを特定するためのフラグである。
精算操作回数フラグが0のときに検出された精算操作スイッチ10の操作は上記第1回目の操作を示し、精算操作回数フラグが1のときに検出された精算操作スイッチ10の操作は上記第2回目の操作を示す。精算操作回数フラグは、メイン制御部41のRAM41cにより構成されている。
Sd10において、メダルの投入が検出されていないと判断されたときには、1枚BETスイッチ5またはMAXBETスイッチ6の操作によるBET操作が検出されたか否かが判断される(Sd14)。BET操作が検出されたときには、賭数が最大値に達しておらず(Sd15でNO)、かつ、賭数の設定に必要なクレジットが存在すること(Sd16でYES)を条件として、BET加算処理が実行される(Sd12)。
この場合、BET加算処理では、操作されたBETスイッチの種類と、賭数最大値と、現在のBETカウンタおよびクレジットカウンタの値とに応じて、BETカウンタのカウンタ値が加算されるともにクレジットカウンタのカウンタ値が減算される。
たとえば、賭数最大値が3で、現在の賭数が1、かつ現在のクレジットカウンタの値が2以上存在するときに、MAXBETスイッチ6が操作されたときには、BETカウンタのカウンタ値に2が加算されるとともにクレジットカウンタのカウンタ値から2が減算される。
Sd15において、賭数が既に最大値に達していると判断され、またはSd16でクレジットが存在しないと判断されたときには、Sd10に戻る。
Sd14において、BET操作が検出されていないと判断されたときには、精算スイッチ10の操作が検出されたか否かが判断される(Sd18)。精算スイッチ10の操作が検出された場合には、図23を用いて後述する精算処理が実行される(Sd19)。その後、Sd10に戻る。
Sd18において、精算スイッチ10の操作が検出されていないと判断された場合には、賭数が設定された状態でのスタート操作が検出されたか否かが判断される(Sd20)。そのようなスタート操作が検出されていない場合にはSd10に戻り、検出された場合には、BET処理を終了し、図21に示すフローチャートに復帰する。
続いて、図23を用いて、精算処理を説明する。図23に示される精算処理は、図22のSd19で実行されるサブルーチンである。なお、このサブルーチンは、図16および図17を用いて説明した[精算スイッチ10の操作に関する各実施例]のうち、図16(a)を用いて説明した、[実施例1]に対応する精算処理である。
精算処理では、まず、精算操作回数フラグの値が0であるか否かが判断される(Sd30)。上述のとおり、精算操作回数フラグの値が0の場合には、賭数設定をキャンセルする処理を機能させる賭数キャンセル操作(第1回目の操作)である。一方、精算操作回数フラグの値が0でない場合、すなわち、1の場合には、当該賭数キャンセル操作による賭数設定のキャンセル後、クレジットを精算する処理を機能させるクレジット精算操作(第2回目の操作)である。
Sd30において、精算操作回数フラグの値が0と判断されたときには、BETカウンタに賭数が設定されているか否かが判断される(Sd31)。賭数が設定されていない(賭数=0)と判断されたときには後述するSd34に進む。一方、賭数が設定されていると判断されたときには、賭数精算処理が実行される(Sd32)。
賭数精算処理では、ホッパーモータ駆動信号がホッパーモータ34に出力され、BETカウンタのカウンタ値に対応する数のメダルを排出するための制御が行なわれる。また、排出されたメダルが払出センサ35によって検出される毎に、賭数カウンタのカウンタ値を1減算する制御と、これに応じて、1〜3BETLED14〜16のうち、点灯しているLEDを、3BETLED16、2BETLED15、1BETLED14の順に消灯させる制御とが行なわれる。また、演出制御基板80に対して、メダルの排出毎にスピーカ53、54からメダル払出音を出力させるためのコマンドが送信される。
賭数精算処理の実行後、精算操作回数フラグの値が1に更新されて精算処理を終了し、図22に示すBET処理に復帰する。そして、精算操作回数フラグの値が1の状態で、再び精算処理が実行されたときには、Sd30においてNOと判断され、クレジットカウンタにクレジットが存在するか否かが判断される(Sd34)。クレジットが存在しない(カウンタ値=0)と判断されたときには後述するSd36に進む。クレジットが存在すると判断されたときには、クレジット精算処理が実行される。
クレジット精算処理では、ホッパーモータ駆動信号がホッパーモータ34に出力され、クレジットカウンタのカウンタ値に対応する数のメダルを排出するための制御が行なわれる。また、排出されたメダルが払出センサ35によって検出される毎に、クレジットカウンタのカウンタ値を1減算する制御と、これに応じて、クレジット表示器11に表示されているクレジット数を更新する制御とが行なわれる。また、演出制御基板80に対して、メダルの排出毎にスピーカ53、54からメダル払出音を出力させるためのコマンドが送信される。クレジット精算処理の実行後、精算操作回数フラグの値が0に更新されてクレジット精算処理を終了し、図22に示すBET処理に復帰する。
以上、上記した実施例1を代表例として精算処理を説明したが、図16および図17に示した実施例2〜実施例6を実現するための精算処理は、図23の処理を適宜変更することによって実現可能である。
たとえば、[実施例2](図16(b))に対応する精算処理は、Sd31とSd34との処理、Sd32とSd35との処理をそれぞれ入れ替えることにより実現可能である。
[実施例3](図16(c))に対応する精算処理は、Sd32の処理を「賭数分をクレジットに加算し、賭数設定を0にする」に変更することにより実現可能である。
[実施例4](図17(d))に対応する精算処理は、Sd31、Sd32、Sd34、Sd35から成り、かつ、その順で各ステップが直列的に実行されるものとすることにより実現可能である(Sd31でNOのときはSd34へ移行し、Sd34でNOのときは復帰)。なお、図22のBET処理において、「精算操作回数フラグ」に関するSd17のステップは不要となる。
[実施例5](図17(e))に対応する精算処理は、Sd31、Sd32、Sd34、Sd35から成り、かつ、Sd34、Sd35、Sd31、Sd32の順で各ステップが直列的に実行されるものとすることにより実現可能である(Sd34でNOのときはSd31へ移行し、Sd31でNOのときは復帰)。なお、図22のBET処理において、「精算操作回数フラグ」に関するSd17のステップは不要となる。
[実施例6](図17(f))に対応する精算処理は、Sd32の処理を「賭数分をクレジットに加算し、賭数設定を0にする」に変更の上、Sd31、Sd32、Sd34、Sd35から成り、Sd31でYESであればSd32を実行し、Sd32の次にSd35を実行して復帰し、Sd31でNOであればSd34を実行し、Sd34でYESであればSd35を、NOであれば復帰するようにすることで実現可能である。なお、図22のBET処理において、「精算操作回数フラグ」に関するSd17のステップは不要となる。
図24は、CPU41aがSd2のステップにおいて実行する内部抽選処理の制御内容を示すフローチャートである。
本実施の形態の内部抽選処理では、まず、当該ゲームの遊技状態に応じて予め定められたメダルの投入枚数である規定枚数を読み出し(Se1)、Se2のステップに進む。規定枚数は、通常遊技状態及びRTにおいては3枚、レギュラーボーナスの遊技状態においては1枚とされている。
Se2のステップでは、メダルの投入枚数、すなわちBETカウンタの値が、Se1のステップにて読み出した規定枚数か否かを判定し、メダルの投入枚数が規定枚数であればSe3のステップに進み、メダルの投入枚数が規定枚数でなければSe4のステップに進む。
Se3のステップでは、RAM41cの設定値ワークに格納されている設定値が1〜6の範囲であるか否か、すなわち設定値ワークに格納されている設定値が適正な値か否かを判定し、設定値が1〜6の範囲であればSe5のステップに進み、1〜6の範囲でなければSe4のステップに進む。
Se4のステップでは、RAM41cに格納されているデータが正常ではないと判定されたため、RAM異常を示すエラーコードをレジスタに格納し、図19に示すエラー処理に移行する。
Se5のステップでは、当該ゲームに用いる乱数を取得する乱数取得処理を行ない、Se6のステップに進む。乱数取得処理では、サンプリング回路43にサンプリング指令を出力し、乱数発生回路42が発生している乱数をラッチさせ、ラッチさせた乱数の値をI/Oポート41dから入力して、これを抽出し、抽出した乱数に対して所定の論理演算を行ない、その結果を乱数として取得する。
Se6のステップでは、当該ゲームの遊技状態に応じて状態番号(0〜4のいずれか)をRAM41cに格納し、Se7のステップに進む。Se7のステップでは、状態番号が示す遊技状態において最初に抽選対象とする役番号をRAM41cに格納し、Se8のステップに進む。Se7のステップでは、状態番号が0または1の場合、すなわち通常遊技状態またはRTにおいていずれの特別役も持ち越されていない場合には、最初に抽選対象とする役番号として1(ビッグボーナス(1))を設定し、状態番号が2または3の場合、すなわち通常遊技状態またはRTにおいていずれかの特別役が持ち越されている場合には、最初に抽選対象とする役番号として10(リプレイ)を設定し、状態番号が4の場合、すなわちレギュラーボーナスの場合には、最初に抽選対象とする役番号として11(チェリー)を設定する。
Se8のステップでは、抽選対象とする役番号が15であるか否か、すなわち抽選対象となる全ての役の抽選が終了したか否かを確認し、15である場合、すなわち抽選対象となる全ての役の抽選が終了している場合にはSe9のステップに進む。15でない場合にはSe10のステップに進む。
Se9のステップでは、RAM41cにおいて一般役の当選フラグが格納される一般役格納ワークをクリアして、内部抽選処理を終了し、図21に示すフローチャートに復帰する。
Se10のステップでは、処理対象の役番号に対応付けて、役別テーブルに登録されている共通フラグが1か否かを確認し、1である場合にはSe11のステップに進み、1でない場合にはSe12のステップに進む。
Se11のステップでは、処理対象の役番号に対応付けて役別テーブルに登録されているROM41bの判定値数の格納領域のアドレスを読み出す。そして、このアドレスに格納されている判定値数を取得して、Se13のステップに進む。
Se12のステップでは、まず、RAM41cに格納されている設定値を読み出し、さらに、処理対象の役番号と読み出した設定値に対応付けて、役別テーブルに登録されているROM41bの判定値数の格納領域のアドレスを読み出す。そして、このアドレスに格納されている判定値数を取得して、Se13のステップに進む。
Se13のステップでは、内部抽選用の乱数値に、Se11またはSe12のステップにおいて取得した判定値数を加算し、加算の結果を新たな乱数値とし、Se14のステップに進み、判定値数を内部抽選用の乱数値に加算したときにオーバーフローが生じたかを判定する。なお、オーバーフローの発生は、処理対象の役番号に該当する役が当選した旨を示している。そしてオーバーフローが生じた場合にはSe16のステップに進み。オーバーフローが生じなかった場合にはSe15のステップに進む。
Se15のステップでは、処理対象の役番号に1を加算し、Se8のステップに戻る。
Se16のステップでは、役番号が1〜9であるか、すなわち特別役または特別役を含む役の組み合わせを示す役番号か否かを確認し、役番号が1〜9の場合にはSe17のステップに進み、役番号が1〜9でない場合にはSe18のステップに進む。
Se17のステップでは、RAM41cにおいて特別役の当選フラグが格納される特別役格納ワークに、処理対象の役番号に対応する特別役の当選フラグを設定し、Se18のステップでは、RAM41cの一般役格納ワークに、処理対象の役番号に対応する一般役の当選フラグを設定して、内部抽選処理を終了し、図21に示すフローチャートに復帰する。なお、Se18のステップでは、役番号が1〜3の場合、一般役は当選していないため、この場合には、RAM41cの一般役格納ワークをクリアする。
図25は、CPU41aがSd3のステップにおいて実行するリール回転処理の制御内容を示すフローチャートである。
リール回転処理では、まず、前のゲームのリール回転開始時点からウェイトタイム(本実施の形態では、約4.1秒)が経過したか否かを判定し(Sf1)、ウェイトタイムが経過していなければ、ウェイトタイムが経過するまで待機する。
そして、Sf1のステップにおいてウェイトタイムが経過していれば、ウェイトタイムを新たに設定する(Sf2)。
次いで、リールモータの回転開始時の設定を行ない、リールの回転を開始させる(Sf3)。そして、テーブルインデックスを参照して、テーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データに基づいて、当該ゲームの遊技状態、役の当選状況、他のリールの停止状況に対応する停止制御テーブルを、回転中のリール別に作成し(Sf4)、停止準備完了時の設定を行なう(Sf5)。これにより、停止操作を有効化させることが可能な状態となり、その後、後述するタイマ割込処理(メイン)の原点通過時処理において、リールの定速回転が検出された時点で、停止操作が有効となる。
次いで、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかのストップスイッチの操作が検出されたか否かを判定し(Sf6)、いずれのストップスイッチの操作も検出されていなければ、リール回転エラー(一定期間以上、リールセンサ33によりリール基準位置が検出されない場合に判定されるエラー)が発生したか否かを判定し(Sf7)、リール回転エラーが発生していなければ、さらに、投入エラー(メダルの投入が許可されている期間以外で、メダルの投入が検出した場合に判定されるエラー)が発生したか否か、及び払出エラー(メダルの払出が許可されている期間以外で、メダルの払出が検出した場合に判定されるエラー)が発生したか否かを判定し(Sf8、Sf9)、Sf7〜Sf9のステップにおいていずれのエラーの発生も判定されなければ、Sf6のステップに戻る。
また、Sf8のステップにおいて投入エラーの発生が判定された場合、またはSf9のステップにおいて払出エラーが判定された場合には、リール回転中の投入・払出エラーを示すエラーコードをレジスタに設定し(Sf10)、図19に示すエラー処理に移行する(Sf11)。そして、エラーが解除された場合には、再びSf6のステップに戻る。
また、Sf7のステップにおいてリール回転エラーの発生が判定された場合には、リール回転エラーを示すエラーコードをレジスタに設定し(Sf12)、図19に示すエラー処理に移行する(Sf13)。これに伴い、リールの回転も一時的に停止する。そして、エラーが解除された場合には、再びSf3のステップに戻り、リールの回転が再開する。
また、Sf6のステップにおいていずれかのストップスイッチの操作が検出された場合には、ストップスイッチに対応するリールモータにおける、その時点のリール基準位置からのステップ数(停止操作位置となるステップ数)を取得し、停止リールに対応するワークに設定した後(Sf14)、停止操作に対応するリールの回転が停止するまで待機する(Sf15)。
そして、停止操作に対応するリールの回転が停止すると、当該リールに対応するストップスイッチの操作の検出を無効化した後、全てのリールが停止したか否かを判定し(Sf16)、全てのリールが停止していなければ、Sf4のステップに戻り、全てのリールが停止していれば、リール回転処理を終了して、図21のフローチャートに復帰する。
図26は、CPU41aがSd6のステップのゲーム終了時処理内で実行するRT処理の制御内容を示すフローチャートである。
RT処理では、まずRAM41cにRT中フラグが設定されているか否かに基づいてRT中か否かを判定し(Sg1)、RT中でなければ、Sg5のステップに進む。Sg1のステップにおいてRT中であれば、RTの残りゲーム数を格納するためにRAM41cに割り当てられたRTゲーム数カウンタの値を1減算し(Sg2)、残りRTゲーム数が0か、すなわちRTゲーム数カウンタの値が0か否かを判定する(Sg3)。Sg3のステップにおいて残りRTゲーム数が0でなければ、Sg5のステップに進み、残りRTゲーム数が0であれば、RAM41cに設定されているRT中フラグをクリアして(Sg4)、Sg5のステップに進む。
Sg5のステップでは、通常遊技状態か否かを判定する。Sg5のステップでは、RAM41cにRT中フラグ、ビッグボーナス中フラグ、レギュラーボーナス中フラグがいずれも設定されていない場合に通常遊技状態であると判定する。そしてSg5のステップにおいて通常遊技状態でなければ、RT処理を終了し、通常遊技状態であれば、Sg6のステップに進み、当該ゲームの表示結果としてチェリーが入賞したか否かを判定する。
Sg6のステップにおいてチェリーが入賞していない場合には、Sg7のステップに進み、さらにチャンス目が停止したか否かを判定する。
そして、Sg7のステップにおいてチャンス目が停止していなければ、RT処理を終了する。一方、Sg6のステップにおいてチェリーが入賞している場合、またはSg7のステップにおいてチャンス目が停止していれば、Sg8のステップに進み、RAM41cにRT中フラグを設定し、Sg9のステップに進み、RTゲーム数カウンタに2を設定してRT処理を終了する。
図27及び図28は、CPU41aが割込3の発生に応じて、すなわち0.56msの間隔で起動処理やゲーム処理に割り込んで実行するタイマ割込処理(メイン)の制御内容を示すフローチャートである。
タイマ割込処理(メイン)においては、まず、割込を禁止する(Sh1)。すなわち、タイマ割込処理(メイン)の実行中に他の割込処理が実行されることを禁止する。そして、使用中のレジスタをスタック領域に退避する(Sh2)。
次いで、4種類のタイマ割込1〜4から当該タイマ割込処理(メイン)において実行すべきタイマ割込を識別するための分岐用カウンタを1進める(Sh3)。Sh3のステップでは、分岐用カウンタ値が0〜2の場合に1が加算され、カウンタ値が3の場合に0に更新される。すなわち分岐用カウンタ値は、タイマ割込処理(メイン)が実行される毎に、0→1→2→3→0・・・の順番でループする。
次いで、分岐用カウンタ値を参照して2または3か、すなわちタイマ割込3またはタイマ割込4かを判定し(Sh4)、タイマ割込3またはタイマ割込4ではない場合、すなわちタイマ割込1またはタイマ割込2の場合には、リールモータ32L、32C、32Rの始動時または定速回転中か否かを確認し、リールモータ32L、32C、32Rの始動時または定速回転中であれば、後述するSh8のモータステップ処理において変更した位相信号データや後述するSh23の最終停止処理において変更した位相信号データを出力するモータ位相信号出力処理を実行する(Sh5)。
次いで、分岐用カウンタ値を参照して1か否か、すなわちタイマ割込2か否かを判定し(Sh6)、タイマ割込2ではない場合、すなわちタイマ割込1の場合には、リールモータ32L、32C、32Rの始動時のステップ時間間隔の制御を行なうリール始動処理(Sh7)、リールモータ32L、32C、32Rの位相信号データの変更を行なうモータステップ処理(Sh8)、リールモータ32L、32C、32Rの停止後、一定時間経過後に位相信号を1相励磁に変更するモータ位相信号スタンバイ処理(Sh9)を順次実行した後、Sh2においてスタック領域に退避したレジスタを復帰し(Sh20)、Sh1のステップにおいて禁止した割込を許可して(Sh21)、割込前の処理に戻る。
また、Sh6のステップにおいてタイマ割込2の場合には、各種表示器をダイナミック点灯させるLEDダイナミック表示処理(Sh10)、各種LED等の点灯信号等のデータを出力ポートへ出力する制御信号等出力処理(Sh11)、各種ソフトウェア乱数を更新する乱数更新処理(Sh12)、各種時間カウンタを更新する時間カウンタ更新処理(Sh13)、コマンドキューに格納されたコマンドを演出制御基板90に対して送信するコマンド送信処理(Sh14)、外部出力信号を更新する外部出力信号更新処理(Sh15)を順次実行した後、Sh2においてスタック領域に退避したレジスタを復帰し(Sh20)、Sh1のステップにおいて禁止した割込を許可して(Sh21)、割込前の処理に戻る。
また、Sh4のステップにおいてタイマ割込3またはタイマ割込4であれば、さらに、分岐用カウンタ値を参照して3か否か、すなわちタイマ割込4か否かを判定し(Sh16)、タイマ割込4でなければ、すなわちタイマ割込3であれば、入力ポートから各種スイッチ類の検出データを入力するポート入力処理(Sh17)、回転中のリール2L、2C、2Rの原点通過(リール基準位置の通過)をチェックし、リール回転エラーの発生を検知するとともに、停止準備が完了しているかを確認し、停止準備が完了しており、かつ定速回転中であれば、回転中のリールに対応するストップスイッチの操作を有効化する処理を行なう原点通過時処理(Sh18)、各種スイッチ類の検出信号に基づいてこれら各種スイッチが検出条件を満たしているか否かを判定するスイッチ入力判定処理(Sh19)を順次実行した後、Sh2においてスタック領域に退避したレジスタを復帰し(Sh20)、Sh1のステップにおいて禁止した割込を許可して(Sh21)、割込前の処理に戻る。
また、Sh16のステップにおいてタイマ割込4であれば、ストップスイッチ8L、8C、8Rの検出が判定されたときに、停止操作位置から停止位置を決定し、何ステップ後に停止すればよいかを算出する停止スイッチ処理(Sh22)、停止スイッチ処理で算出された停止までのステップ数をカウントして、停止する時期になったら2相励磁によるブレーキを開始する停止処理(Sh23)、停止処理においてブレーキを開始してから一定時間後に3相励磁とする最終停止処理(Sh24)を順次実行した後、Sh2においてスタック領域に退避したレジスタを復帰し(Sh20)、Sh1のステップにおいて禁止した割込を許可して(Sh21)、割込前の処理に戻る。
図29は、CPU41aが前述したタイマ割込処理(メイン)のタイマ割込4内において実行する停止スイッチ処理の制御内容を示すフローチャートである。
停止スイッチ処理では、まず、左、中、右の順番で全てのリールについて、該当するリールのワークに停止操作位置が設定されているか否か、すなわち停止操作が検出されたか否かを判定し(Si1、Si2)、全てのリールについて停止操作が検出されていなければ、停止スイッチ処理を終了し、図28のフローチャートに復帰する。
また、Si1のステップにおいて、いずれかのリールの停止操作が検出されている場合には、Si3のステップに進み、当該リールに対応する停止制御テーブルを参照し、停止リールに対応するワークに設定されている停止操作位置のステップ数を含む領域番号から、停止位置となる領域番号を特定し、Si4のステップに進む。
Si4のステップでは、現在のリール基準位置からのステップ数から、Si3のステップにおいて特定した停止位置までに要するステップ数を算出し、算出したステップ数を設定した後、停止スイッチ処理を終了し、図28のフローチャートに復帰する。
図30は、CPU41aが割込2の発生に応じて、すなわち電断検出回路48からの電圧低下信号が入力されたときに起動処理やゲーム処理に割り込んで実行する電断割込処理(メイン)の制御内容を示すフローチャートである。
電断割込処理(メイン)においては、まず、割込を禁止する(Sj1)。すなわち電断割込処理(メイン)の開始にともなってその他の割込処理が実行されることを禁止する。次いで、使用している可能性がある全てのレジスタをスタック領域に退避する(Sj2)。なお、前述したIレジスタ及びIYレジスタの値は使用されているが、起動時の初期化に伴って常に同一の固定値が設定されるため、ここでは保存されない。
次いで、入力ポートから電圧低下信号の検出データを取得し、電圧低下信号が入力されているか否かを判定する(Sj3)。この際、電圧低下信号が入力されていなければ、Sj2においてスタック領域に退避したレジスタを復帰し(Sj4)、Sj1のステップにおいて禁止した割込を許可して(Sj5)、割込前の処理に戻る。
また、Sj3のステップにおいて電圧低下信号が入力されていれば、破壊診断用データ(本実施の形態では、5A(H))をセットして(Sj6)、全ての出力ポートを初期化する(Sj7)。次いでRAM41cの全ての格納領域(未使用領域及び未使用スタック領域を含む)の排他的論理和が0になるようにRAMパリティ調整用データを計算してセットし(Sj8)、RAM41cへのアクセスを禁止する(Sj9)。
そして、電圧低下信号が入力されているか否かの判定(Sj10、なお、Sj10は、Sj3と同様の処理である)を除いて、何らの処理も行なわないループ処理に入る。すなわち、そのまま電圧が低下すると内部的に動作停止状態になる。よって、電断時に確実にCPU41aは動作停止する。また、このループ処理において、電圧が回復し、電圧低下信号が入力されない状態となると、前述した起動処理が実行され、RAMパリティが0となり、かつ破壊診断用データが正常であれば、元の処理に復帰することとなる。
なお、本実施の形態では、RAM41cへのアクセスを禁止した後、電圧低下信号の出力状況を監視して、電圧低下信号が入力されなくなった場合に電圧の回復を判定し、起動処理へ移行するようになっているが、ループ処理において何らの処理も行なわず、ループ処理が行なわれている間に、電圧が回復し、リセット回路49からリセット信号が入力されたことに基づいて、起動処理へ移行するようにしてもよい。
次に、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91のCPU91aが実行する各種制御内容を、図31〜図44のフローチャートに基づいて以下に説明する。
CPU91aは、サブ制御部91にリセット回路95からリセット信号が入力されると、図31に示す起動処理(サブ)を行なう。なお、リセット信号は、電源投入時及びサブ制御部91の動作が停滞した場合に出力される信号であるので、起動処理(サブ)は、電源投入に伴うCPU91aの起動時及びCPU91aの不具合または表示制御部191からの初期化信号の入力に伴う再起動時に行なわれる処理である。
起動処理(サブ)では、内蔵デバイスや周辺IC、割込モード、スタックポインタ等を初期化した後(Sk1)、RAM91cへのアクセスを許可する(Sk2)。そして、RAM91cの全ての格納領域のRAMパリティを計算し(Sk3)、RAMパリティが0か否かを判定する(Sk4)。
RAM91cのデータが正常であれば、RAMパリティが0になるはずであり、Sk4のステップにおいてRAMパリティが0でなければ、RAM91cに格納されているデータが正常ではないので、Sk11のステップに進む。
Sk4のステップにおいてRAMパリティが0であれば、さらに破壊診断用データが正常か否かを判定する(Sk5)。正常に電断割込処理(サブ)が行なわれていれば、破壊診断用データが設定されているはずであり、Sk5のステップにおいて破壊診断用データが正常でない場合にも、RAM91cに格納されているデータが正常ではないので、Sk11のステップに進む。
Sk11のステップでは、RAM91cのスタック領域(使用中のデータが格納されている領域)を除く全ての領域を初期化した後、Sk12のステップに進み、待機パターンを制御パターンとして設定した後、Sk9のステップに進む。
また、Sk5のステップにおいて破壊診断用データが正常であると判定した場合には、RAM91cのデータは正常であるので、復帰するのに必要のないデータ領域(スイッチフラグやコマンド受信後の経過によって変化するデータ領域、すなわち電断前に最後にコマンドを受信した時点の状態を復帰させるのに必要のないデータが格納されているデータ領域)を初期化し(Sk6)、破壊診断用データをクリアし(Sk7)、電断前に最後に実行していた制御パターンを設定した後(Sk8)、Sk9のステップに進む。
Sk9のステップでは、Sk8またはSk12のステップにおいて設定された制御パターンに従って、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED等の各種演出装置の制御を行なうとともに、表示制御基板190に対して制御パターンに応じた表示制御コマンドを設定する演出制御処理を実行し、割込を許可して(Sk10)、ループ処理に移行する。すなわちRAM91cのデータが異常であれば待機演出を実行し、RAM91cのデータが正常であれば、電断前に最後にコマンドを受信した際に実行した演出を最初から実行するようになっている。
図32は、CPU91aが内部クロックのカウントに基づいて1.12msの間隔で実行するタイマ割込処理(サブ)の制御内容を示すフローチャートである。
タイマ割込処理(サブ)においては、まず、バッファにコマンドが格納されているか否かを判定する(Sm1)。バッファにコマンドが格納されていなければ、Sm7のステップに進み、バッファにコマンドが格納されていれば、バッファからコマンドを取得し(Sm2)、Sm3のステップに進む。
Sm3のステップでは、受信したコマンドに応じて、連続演出を実行するための連続演出処理を実行し、Sm4のステップに進む。
Sm4のステップでは、受信したコマンドが内部当選コマンドの場合に、連続演出用の演出パターンがRAM91cに既に設定されているか否かを判定し、連続演出用の演出パターンが設定されていなければ、ROM91bに格納されている演出テーブルを参照し、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果及び演出モードに応じた選択率にて演出パターンを選択し、選択した演出パターンを当該ゲームの演出パターンとしてRAM91cに設定する演出パターン選択処理を実行し、Sm5のステップに進む。
Sm5のステップでは、受信したコマンドに応じた処理を行なうとともに、ROM91bに格納されている制御パターンテーブルを参照し、RAM91cに設定されている演出パターン及び受信したコマンドに対応して登録されている制御パターンを読み出してRAM91cに設定する制御パターン設定処理を実行し、Sm6のステップに進む。
Sm6のステップでは、Sm5のステップにおいて設定された制御パターンに従って、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED等の各種演出装置の制御を行なうとともに、表示制御基板190に対して制御パターンに応じた表示制御コマンドを設定する演出制御処理を実行し、Sm7のステップに進む。
Sm7のステップでは、選択スイッチ56及び決定スイッチ57が検出されているか否かを判定し、検出されていると判定した場合には、該当するスイッチのスイッチオンフラグを設定するスイッチ判定処理を実行し、Sm8のステップに進む。
Sm8のステップでは、遊技履歴データの表示や演出モードの選択等を行なうためのメニュー画面を表示するメニュー画面表示処理を実行し、Sh9のステップに進む。
Sm9のステップでは、促進報知を行なうための促進報知処理を実行し、Sm10のステップに進む。
Sm10のステップでは、スピーカからの出力音の音量を調節する音量調節処理を実行し、Sm11の処理に進む。
Sm11のステップでは、演出制御処理やメニュー画面表示処理、促進報知処理にて設定された表示制御コマンドを表示制御部191に送信する表示制御コマンド送信処理を実行し、Sm12の処理に進む。
Sm12のステップでは、RAM91cの乱数カウンタ等の各種カウンタの値を更新する処理を行なった後、タイマ割込処理(サブ)を終了する。
図33は、CPU91aがSm3のステップにおいて実行する連続演出処理を示すフローチャートである。
連続演出処理では、まず、当該処理を行なう契機となったコマンドの種類が何であるかを判定する(Sn1)。
コマンドの種類がBETコマンドであった場合には、詳細を後述するBET時処理を行ない(Sn2)、連続演出処理を終了し、図32に示すフローチャートに復帰する。
コマンドの種類が内部当選コマンドであった場合には、詳細を後述するスタート時処理を行ない(Sn3)、連続演出処理を終了し、図32に示すフローチャートに復帰する。
コマンドの種類がリール回転開始コマンドであった場合には、前のゲームでRAM91cに保存したリール2L、2C、2Rの停止図柄に関する情報をクリアし(Sn4)、連続演出処理を終了し、図32に示すフローチャートに復帰する。
コマンドの種類がリール停止コマンドであった場合には、詳細を後述するリール停止時処理を行ない(Sn5)、連続演出処理を終了し、図32に示すフローチャートに復帰する。
コマンドの種類が入賞判定コマンドであった場合には、当該入賞判定コマンドがいずれかのボーナスに入賞したことを示しているか否かを判定し(Sn6)、いずれのボーナスにも入賞したことを示していなければ、そのまま連続演出処理を終了し、図32に示すフローチャートに復帰する。
一方、入賞判定コマンドがいずれかのボーナスに入賞したことを示している場合には、RAM91cに設定された連続演出の残りゲーム数を示す連続カウンタの値が0であり、かつ追加演出の実行を示す追加フラグが設定されていない状態であるか、すなわち現時点で連続演出が実行されていない状態であり、かつ次のゲームで追加演出が行なわれない状態か否かを判定し(Sn7)、連続カウンタの値が0であり、かつ追加フラグも設定されていなければ、連続演出処理を終了し、図32に示すフローチャートに復帰する。
また、Sn7のステップにおいて連続カウンタが0ではない場合、または追加フラグが行なわれている場合には、実行中の連続演出を終了させて(Sn8)、連続カウンタの値をクリアした後(Sn9)、連続演出処理を終了し、図32に示すフローチャートに復帰する。
コマンドの種類が遊技状態コマンドであった場合には、前回のゲームで最新ゲームの遊技状態の保存領域に保存された遊技状態(すなわち、今回のゲームで適用されていた遊技状態)をRAM91cに設けられた前回ゲームの遊技状態の保存領域に移し、当該遊技状態コマンドが示す遊技状態(すなわち、次のゲームで適用される遊技状態)をRAM91cに設けられた最新ゲームの遊技状態の保存領域に保存し(Sn10)、連続演出処理を終了し、図32に示すフローチャートに復帰する。
また、コマンドの種類が他のコマンドであった場合には、そのまま連続演出処理を終了し、図32に示すフローチャートに復帰する。
次に、Sn2のBET時処理を図34に示すフローチャートに基づいて説明する。
BET時処理では、まず、RAM91cにボーナス当選の確定を報知したときに設定される確定報知フラグが設定されているかどうかを判定する(Sp1)。確定報知フラグが設定されていれば、前回以前のゲームでリール2L、2C、2Rの全ての回転が停止したときに、連続演出か追加演出にてボーナス当選の確定が報知されていることとなる。
この場合、ソフトウェア乱数機能により種別報知抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数に値により当選しているボーナスの種別を報知するかどうかを決定する種別報知抽選を行なう(Sp2)。そして、この種別報知抽選においてボーナスの種別を報知する旨が決定されたかどうかを判定する(Sp3)。ボーナスの種別を報知しない旨が決定された場合には、そのままSp5の処理に進む。
ボーナスの種別を報知する旨が決定された場合には、前回のゲームのステップSr1の処理(後述)でRAM91cに保存した当選状況に従って、液晶表示器51への画像の表示を指示する表示制御コマンドを設定することにより、当選しているボーナスの種別(レギュラーボーナスか、ビッグボーナス(1)か、ビッグボーナス(2)か)を報知する(Sp4)。そして、Sp5の処理に進む。Sp5では、RAM91cに設定されている確定報知フラグを消去する。そして、BET時処理を終了して、図33のフローチャートに復帰する。
確定報知フラグが設定されていない場合には、RAM91cの連続カウンタの値が0であるかどうかを判定する(Sp6)。連続カウンタの値が0でなければ、既に連続演出が実行されているので、そのままBET時処理を終了して、図33のフローチャートに復帰する。連続カウンタの値が0であれば、さらにRAM91cに追加フラグが設定されているかどうかを判定する(Sp7)。
追加フラグも設定されていなければ、RAM91cに保存されている前回のゲームのリール2L、2C、2Rの表示結果にに基づいて、前回のゲームにおいてチャンス目が導出されたか、またはチェリーが入賞したか否かを判定する(Sp8)。前回のゲームにおいてチャンス目が導出されておらず、さらにチェリーも入賞していなければ、そのままBET時処理を終了して、図33のフローチャートに復帰する。
前回のゲームにおいてチャンス目が導出されているかチェリーが入賞していれば、前回のゲームのステップSq1の処理(後述)でRAM91cに保存した当選状況に従って、いずれかのボーナスに当選しているかどうかを判定する(ステップSp9)。
いずれかのボーナスに当選していれば、ソフトウェア乱数機能により連続演出パターン選択用の乱数を抽出し、抽出した乱数の値に従ってROM91bに格納された連続演出選択テーブルのうちの当選時テーブルを参照して、これから開始する連続演出のパターンを選択する。ここで選択した連続演出のパターンは、RAM91cに保存しておく(Sp10)。そして、Sp12のステップに進む。
いずれのボーナスにも当選していなければ、ソフトウェア乱数機能により連続演出パターン選択用の乱数を抽出し、抽出した乱数の値に従ってROM91bに格納された連続演出選択テーブルのうちの非当選時テーブルを参照して、これから開始する連続演出のパターンを選択する。ここで選択した連続演出のパターンは、RAM91cに保存しておく(Sp11)。そして、Sp12のステップに進む。
Sp12では、Sp10またはSp11で選択した演出パターンに応じた値を初期値として、RAM91cの連続カウンタにセットする。さらに、液晶表示器51に連続演出の開始を示す所定の画像の表示を指示する表示制御コマンドを設定することにより開始演出を行なう(Sp13)。そして、BET時処理を終了して、図33のフローチャートに復帰する。
また、Sp6において連続カウンタの値が0でなかった場合には、そのままBET時処理を終了して、図33のフローチャートに復帰する。
また、Sp7のステップにおいて追加フラグが設定されていれば、追加演出を実行することになる。ここでは、追加演出の開始(一旦は終了した連続演出の再開)を示す所定の画像の表示を指示する表示制御コマンドを設定することにより再開演出を行なう(Sp14)。そして、BET時処理を終了して、図33のフローチャートに復帰する。
次に、Sn3のスタート時処理を図35に示すフローチャートに基づいて説明する。
まず、スタート時処理では、当該処理の契機となった内部当選コマンドが示す当選状況(すなわち、今回のゲームにおける当選フラグの設定状況)をRAM91cに設けられた最新ゲームの当選状況の保存領域に保存する(Sq1)。
次に、RAM91cの連続カウンタの値が0であるかどうかを判定する(Sq2)。連続カウンタの値が0でなければ、既に連続演出が開始しているか少なくとも開始演出は行なわれている状態にある。この場合、まず、RAM91cに保存した連続演出のパターンが当選時テーブルに基づいて選択されたパターンであって、ボーナス当選の確定を報知するパターンであるかどうかを判定する(Sq3)。ボーナス当選の確定を報知するパターンでなければ、そのままSq12の処理に進む。ボーナス当選の確定を報知するパターンであれば、さらに連続カウンタの値が1であるかどうかを判定する(Sq4)。連続カウンタの値が1でもなければ、そのままSq12のステップに進む。
連続カウンタの値が1であれば、当該ゲームで連続演出が終了することとなるので、さらにRAM91cに保存した当選状況に基づいて、いずれかのボーナスが当選しているかどうかを判定する(Sq5)。いずれのボーナスも当選していなければ、そのままSq12のステップに進む。
いずれかのボーナスが当選している場合には、連続演出の開始時においてはいずれのボーナスも当選していなかったが、連続演出の実行中に新たにボーナスに当選したことになる。この場合には、ソフトウェア乱数機能により所定の乱数を抽出し、該乱数の値に応じて連続演出の最終ゲームにおける演出の内容を差し替えるか、それとも連続演出の終了後に追加演出を行なうかを決定する差替/追加決定抽選を行なう(Sq6)。この抽選の結果、最終ゲームの演出の内容の差し替えが決定されたか、追加演出の実行が決定されたかを判定する(Sq7)。
連続演出の最終ゲームにおける演出の内容の差し替えが決定された場合には、RAM91cに演出差替フラグを設定する(Sq8)。さらにRAM91cに保存している連続演出のパターンに応じて最終ゲームにおける演出の内容を差し替え、差し替え後の演出に応じた画像の表示を指示する表示制御コマンドを設定することで、連続演出の最終ゲームにおける演出を開始させる(Sq9)。そして、スタート時処理を終了して、図33のフローチャートに復帰する。
一方、追加演出の実行が決定された場合には、RAM91cに保存している連続演出のパターンに応じて、連続演出選択テーブルから追加演出のパターンを選択する。ここで選択した追加演出のパターンも、RAM91cに保存しておく(Sq10)。さらに追加演出の実行を示す追加フラグをRAM91cに設定する(Sq11)。そして、Sq12のステップに進む。
Sq12では、RAM91cに保存されている連続演出のパターンとRAM122の連続カウンタの値に応じた画像の表示を指示する表示制御コマンドを設定することで、一連の連続演出のうちの今回のゲーム分の演出を開始させる。そして、スタート時処理を終了して、図33のフローチャートに復帰する。
Sq2において連続カウンタの値が0であった場合には、さらにRAM91cに追加フラグが設定されているどうかを判定する(Sq13)。追加フラグが設定されていなければ、ここでは何らの演出も開始しないでスタート時処理を終了して、図33のフローチャートに復帰するものとなる。
追加フラグが設定されている場合には、RAM91cに保存されている追加演出のパターンに応じた画像の表示を指示する表示制御コマンドを設定することで追加演出を開始させる(Sq14)。そして、スタート時処理を終了して、図33のフローチャートに復帰する。
次に、Sn5のリール停止時処理を図36に示すフローチャートに基づいて説明する。
まず、リール停止時処理では、当該処理の契機となったリール停止コマンドに従って当該リール停止コマンドが示すリールについて停止した図柄をRAM91cの停止図柄テーブルに保存する(Sr1)。
次に、停止図柄テーブルを参照して、リール2L、2C、2Rの全ての回転が停止したかどうかを判定する(Sr2)。リール2L、2C、2Rのうちで未だ回転中のものが1つでもあれば、そのままリール停止時処理を終了して、図33のフローチャートに復帰する。
リール2L、2C、2Rの全ての回転が停止した場合には、RAM91cの連続カウンタの値が0であるかどうかを判定する(Sr3)。連続カウンタの値が0でなければ、この時点で連続演出の実行中であるので、RAM91cに差替フラグが設定されているかどうかを判定する(Sr4)。差替フラグが設定されていれば、差し替え後の演出の内容に応じた画像の表示を指示する表示制御コマンドを設定することで、連続演出の最終ゲームにおける演出の結果を報知する(Sr5)。さらに、RAM91cに設定されている差替フラグを消去し、連続カウンタの値をクリアする(Sr6)。そして、Sr15のステップに進む。
Sr4で差替フラグが設定されていなければ、RAM91cに保存されている連続演出のパターンと連続カウンタの値に応じた画像の表示を指示する表示制御コマンドを設定することで、一連の連続演出のうちの今回のゲーム分の演出の結果を報知する(Sr7)。さらに、RAM91cの連続カウンタの値を1だけ減算する(Sr8)。ここで減算を行なった結果、連続カウンタの値が0となったかどうかを判定する(Sr9)。連続カウンタの値が0とならなかった場合には、そのままリール停止時処理を終了して、図33のフローチャートに復帰する。
連続カウンタの値が0となった場合には、RAM91cに保存した連続演出のパターンが当選時テーブルに基づいて選択されたパターンであって、ボーナス当選の確定を報知するパターンであるかどうかを判定する(Sr10)。ボーナス当選の確定を報知するパターンであれば、Sr15のステップに進む。
ボーナス当選の確定を報知するパターンでなければ、ボーナスにハズレている旨を示す画像の表示を指示する表示制御コマンドを設定することで、遊技者に報知する(Sr11)。そして、リール停止時処理を終了して、図33のフローチャートに復帰する。
Sr3で連続カウンタの値が0であれば、RAM91cに追加フラグが設定されているかを判定する(Sr12)。追加フラグが設定されていなければ、そのままリール停止時処理を終了して、図33のフローチャートに復帰する。追加フラグが設定されていれば、この時点で追加演出の実行中であるので、RAM91cに保存されている追加演出のパターンに応じた画像の表示を指示する表示制御コマンドを設定することで、追加演出の結果を報知する(Sr13)。さらに、RAM91cの追加フラグをクリアして(Sr14)、Sr15のステップに進む。
Sr15では、RAM91cに確定報知フラグを設定する。さらに、ボーナスに当選している旨を示す画像の表示を指示する表示制御コマンドを設定することで、遊技者に報知する(Sr16)。そして、リール停止時処理を終了して、図33のフローチャートに復帰する。
図37及び図38は、CPU91aがタイマ割込処理(サブ)のSm5のステップにおいて実行する制御パターン設定処理の制御内容を示すフローチャートである。
制御パターン設定処理では、まず、受信したコマンドが設定開始コマンドであるか否かを判定する(Ss1)。そして、受信したコマンドが設定開始コマンドであれば、設定中報知パターンを制御パターンとして設定し(Ss2)、制御パターン設定処理を終了して、図32に示すフローチャートに復帰する。
Ss1のステップにおいて、受信したコマンドが設定開始コマンドではない場合には、受信したコマンドが初期化コマンドであるか否かを判定する(Ss3)。そして受信したコマンドが初期化コマンドであれば、RAM91cの全ての領域を初期化した後(Ss4)、前述した待機パターンを制御パターンとして設定し(Ss5)、制御パターン設定処理を終了して、図32に示すフローチャートに復帰する。
Ss3のステップにおいて、受信したコマンドが初期化コマンドではない場合には、受信したコマンドが待機コマンドであるか否かを判定する(Ss6)。そして受信したコマンドが待機コマンドであれば、RAM91cに割り当てられた連続カウンタの値及び追加フラグを確認し、連続演出の実行中か否かを判定する(Ss7)。Ss7のステップでは、連続カウンタの値が0であり、かつ追加フラグが設定されていなければ連続演出の実行中ではないと判定し、さらにRAM91cにボーナス中演出の実行中を示すボーナス中演出フラグが設定されているか否かを確認し、ボーナス中演出の実行中か否かを判定する(Ss8)。
そして、Ss8のステップにおいてボーナス中演出の実行中でなければ、待機パターンを制御パターンとして設定し(Ss9)、制御パターン設定処理を終了して、図32に示すフローチャートに復帰する。なお、Ss7のステップにおいて連続演出の実行中であると判定した場合、またはSs8のステップにおいてボーナス中演出の実行中であると判定した場合には、待機パターンは設定せずに制御パターン設定処理を終了して図32に示すフローチャートに復帰する。
Ss6のステップにおいて、受信したコマンドが待機コマンドではない場合には、受信したコマンドが打止コマンドであるか否かを判定する(Ss10)。そして受信したコマンドが打止コマンドであれば、さらに、打止状態の開始(発生)を示す打止コマンドか否かを判定し(Ss11)、打止状態の開始を示す打止コマンドであれば、打止報知パターンを制御パターンとして設定し(Ss12)、制御パターン設定処理を終了して、図32に示すフローチャートに復帰する。一方、打止状態の開始を示す打止コマンドでない場合、すなわち打止状態の解除を示す打止コマンドであれば、待機パターンを制御パターンとして設定し(Ss9)、制御パターン設定処理を終了して、図32に示すフローチャートに復帰する。
Ss10のステップにおいて、受信したコマンドが打止コマンドではない場合には、受信したコマンドがエラーコマンドであるか否かを判定する(Ss13)。そして受信したコマンドがエラーコマンドであれば、さらに、エラー状態の発生を示すエラーコマンドか否かを判定し(Ss14)、エラー状態の発生を示すエラーコマンドであれば、現在設定されている制御パターンを一時的にスタックに退避し(Ss15)、エラー報知パターンを制御パターンとして設定し(Ss16)、制御パターン設定処理を終了して、図32に示すフローチャートに復帰する。一方、エラー状態の発生を示すエラーコマンドでない場合、すなわちエラー状態の解除を示すエラーコマンドであれば、Ss15のステップ、すなわち当該エラーの発生時にスタックに退避していた制御パターンを設定し(Ss17)、制御パターン設定処理を終了して、図32に示すフローチャートに復帰する。
Ss13のステップにおいて、受信したコマンドがエラーコマンドではない場合には、受信したコマンドが払出開始コマンドであるか否かを判定する(Ss18)。そして受信したコマンドが払出開始コマンドであれば、払出パターンをサブパターンとして設定し(Ss19)、制御パターン設定処理を終了して、図32に示すフローチャートに復帰する。サブパターンは、実行中の演出の制御パターンが設定される領域とは別の領域に設定される制御パターンであり、実行中の演出の制御パターンと同時並行して演出を実行する際に、実行中の演出の制御パターンとは別個に設定される制御パターンである。すなわち通常であれば、新たな制御パターンが設定されると、もとから設定されていた制御パターンが上書きされてしまうのに対して、サブパターンとして制御パターンが設定されることで、2つの制御パターンが同時に設定される。このため、Ss19のステップにおいて払出パターンがサブパターンとして設定されることで、現在実行中の演出と同時並行して払出パターンに基づく演出が実行されることとなる。
Ss18のステップにおいて、受信したコマンドが払出開始コマンドではない場合には、受信したコマンドが払出終了コマンドであるか否かを判定する(Ss20)。そして受信したコマンドが払出終了コマンドであれば、サブパターンとして設定されている払出パターンをクリアし(Ss21)、制御パターン設定処理を終了して、図32に示すフローチャートに復帰する。すなわちSs21のステップにおいては、同時並行して実行されていた払出パターンに基づく演出のみが終了し、もとから実行されていた演出のみが継続することとなる。
Ss20のステップにおいて、受信したコマンドが払出終了コマンドではない場合には、受信したコマンドが入賞判定コマンドであるか否かを判定する(Ss22)。そして受信したコマンドが入賞判定コマンドであれば、当該入賞判定コマンドがビッグボーナスの入賞を示すか否かを判定する(Ss23)。そして、当該入賞判定コマンドがビッグボーナスの入賞を示す場合には、BB入賞時パターンを制御パターンとして設定し(Ss24)、制御パターン設定処理を終了して、図32に示すフローチャートに復帰する。一方、当該入賞判定コマンドがビッグボーナスの入賞を示すものではない場合には、さらにビッグボーナス以外の入賞を示すか否かを判定する(Ss25)。そして、当該入賞判定コマンドがビッグボーナス以外の入賞を示す場合には、入賞が発生した際に特有の演出が実行される入賞時演出を実行するための入賞時パターンのうち、発生した入賞に対応する入賞時パターンを制御パターンとして設定し(Ss26)、制御パターン設定処理を終了して、図32に示すフローチャートに復帰する。なお、Ss25のステップにおいてビッグボーナス以外の入賞を示すものでない場合には、Ss31のステップに進む。
Ss22のステップにおいて受信したコマンドが入賞判定コマンドではない場合には、受信したコマンドが遊技状態コマンドであるか否かを判定する(Ss27)。そして受信したコマンドが遊技状態コマンドでなければ、Ss31のステップに進み、遊技状態コマンドであれば、当該遊技状態コマンドが示す遊技状態をRAM91cに設定するとともに(Ss28)、設定された遊技状態に基づいて当該ゲームがビッグボーナスの終了条件が成立したゲームであったか否かを判定する(Ss29)。そして、当該ゲームがビッグボーナスの終了条件が成立したゲームであれば、エンディングパターンを制御パターンとして設定し(Ss30)、制御パターン設定処理を終了して、図32に示すフローチャートに復帰する。なお、Ss29のステップにおいて当該ゲームがビッグボーナスの終了条件が成立したゲームでなければ、Ss31のステップに進む。
Ss31のステップでは、ROM91bに格納されている制御パターンテーブルを参照し、RAM91cに設定されている演出パターン及び受信したコマンドに対応して登録されている制御パターンを読み出して設定し、制御パターン設定処理を終了して、図32に示すフローチャートに復帰する。
図39は、CPU91aがタイマ割込処理(サブ)のSm8のステップにおいて実行するメニュー画面表示処理の制御内容を示すフローチャートである。
メニュー画面表示処理では、まず取得したコマンドに基づいて、ゲーム中であるか否かを判定し(St1)、ゲーム中であると判定した場合には、メニュー画面を表示中であるか否かを判定し(St2)、メニュー画面を表示中でない場合にはそのままメニュー画面表示処理を終了し、図32に示すフローチャートに復帰する。St2のステップにおいてメニュー画面を表示中である場合には、メニュー画面のクリアを指示する表示制御コマンドを設定し(St3)、メニュー画面表示処理を終了し、図32に示すフローチャートに復帰する。
St2のステップにおいてゲーム中ではないと判定した場合には、連続カウンタの値及び追加フラグに基づいて、連続演出を実行中であるか否かを判定し(St4)、連続演出を実行中であれば、そのままメニュー画面表示処理を終了し、図32に示すフローチャートに復帰する。St4のステップにおいて連続演出を実行中でなければ、さらにボーナス中演出フラグに基づいて、ボーナス中演出を実行中であるか否かを判定し(St5)、ボーナス中演出を実行中であれば、そのままメニュー画面表示処理を終了し、図32に示すフローチャートに復帰する。St5のステップにおいてボーナス中演出を実行中でなければ、選択スイッチ56または決定スイッチ57の操作を検出したか否かを判定し(St6)、選択スイッチ56または決定スイッチ57の操作を検出してなければそのままメニュー画面表示処理を終了し、図32に示すフローチャートに復帰する。
St6のステップにおいて選択スイッチ56または決定スイッチ57の操作を検出した場合には、メニュー画面を表示中であるか否かを判定し(St7)、表示中でなければメニュー画面の表示を指示する表示制御コマンドを設定した後(St8)、メニュー画面表示処理を終了し、図32に示すフローチャートに復帰する。また、St7のステップにおいてメニュー画面を表示中であれば、検出したスイッチが選択スイッチ56または決定スイッチ57のいずれであるかを判定し、現在表示している画面状況に応じた処理、たとえばメニュー画面において遊技履歴閲覧画面が選択されれば履歴データの表示を指示する表示制御コマンドを設定したり、演出モード選択画面が選択されれば演出モード選択画面をの表示を指示する表示制御コマンドを設定した後(St9)、メニュー画面表示処理を終了し、図32に示すフローチャートに復帰する。
図40〜図42は、CPU91aがタイマ割込処理(サブ)のSm9のステップにおいて実行する促進報知処理の制御内容を示すフローチャートである。
促進報知処理では、まず、後述するリール変動中フラグの設定状況に基づいて、少なくとも1つのリール2L、2C、2Rが回転中であるか否かを判定する(Su1)。そして、いずれのリール2L、2C、2Rも回転していなければ、すなわちゲームが開始されていなければ、内部当選コマンドを新たに取得したか否かを判定する(Su2)。そして、内部当選コマンドを新たに取得したと判定した場合には、取得している遊技状態コマンドから当該ゲームがボーナス中であるか否かを判定する(Su3)。そして、ボーナス中ではない場合には、図9に示す報知パターン振分テーブルに基づいて、当該ゲームにおいて実施しうる促進報知の報知パターンを決定するための報知パターン抽選を実行し(Su4)、該抽選にて当選した報知パターンを当該ゲームにおいて実施しうる促進報知の報知パターンとして設定し(Su5)、図32に示すフローチャートに復帰する。また、Su3のステップにおいてボーナス中であると判定した場合には、前記報知パターン抽選を行なうことなく、当該ゲームにおいて実行し得る報知パターンとして報知パターン1を設定し(Su6)、図32に示すフローチャートに復帰する。
Su2のステップにおいて、取得したコマンドが内部当選コマンドではないと判定した場合には、新たに取得したコマンドがリール回転開始コマンドであるか否かを判定し(Su7)、新たに取得したコマンドがリール回転開始コマンドであれば、報知用カウンタのカウンタ値として第1の値(=60秒)をセットした後(Su8)、リール変動中フラグをセットして(Su9)、図32に示すフローチャートに復帰する。
Su1のステップにおいて、少なくとも1つのリール2L、2C、2Rが回転中であれば、後述する報知中フラグの設定状況に基づいて、促進報知が実行中であるか否かを判定し(Su10)、促進報知の実行中でなければ、報知用カウンタのカウンタ値が0であるか否かを判定し(Su19)、カウンタ値が0である場合には、リール2L、2C、2Rの回転が開始してから60秒が経過したか、あるいは最後にストップスイッチ8L、8C、8Rが有効に操作されてから60秒または30秒が経過したとして、当該ゲームがボーナス中のゲームであるか否かを判定する(Su27)。
Su10のステップにおいて、促進報知が実行中であればSu11のステップに進み、新たに取得したコマンドが停止コマンドであるか否かを判定する(Su11)。そして、新たに取得したコマンドが停止コマンドであれば、セットされている報知中フラグをクリアし(Su12)、全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止したか否かを判定する(Su14)。そして、全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止してなければ、当該ゲームにおいて促進報知が実行された旨を示す報知済みフラグをセットし(Su15)、報知用カウンタのカウンタ値として第1の値(=60秒)をセットした後(Su16)、図32に示すフローチャートに復帰する。
また、Su14のステップにおいて、全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止していれば、リール変動中フラグをクリアし(Su17)、報知済みフラグがセットされている場合にはこれをクリアした後(Su18)、図32に示すフローチャートに復帰する。
また、Su19のステップにおいて、報知用カウンタのカウンタ値が0ではなければ、Su20のステップに進み、新たに取得したコマンドが停止コマンドであるかを判定し(Su20)、新たに取得したコマンドが停止コマンドであれば、その時点で全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止したか否かを判定する(Su21)。そして、全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止してなければ、報知済みフラグがセットされているか否かを判定し(Su22)、報知済みフラグがセットされていれば、報知用カウンタのカウンタ値として第2の値(=30秒)をセットした後(Su23)、図32に示すフローチャートに復帰する。また、報知済みフラグがセットされていなければ、報知用カウンタのカウンタ値として第1の値(=60秒)をセットした後(Su24)、図32に示すフローチャートに復帰する。
また、Su21のステップにおいて、全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止していれば、リール変動中フラグをクリアし(Su25)、報知済みフラグがセットされている場合にはこれをクリアした後(Su26)、図32に示すフローチャートに復帰する。
次いで、Su27のステップにおいて、当該ゲームがボーナス中のゲームでなければ、報知パターンとして報知パターン1がセットされているか否かを判定する(Su31)。そして、報知パターン1がセットされていれば、報知中フラグをセットし(Su32)、報知パターン1の促進報知画面の表示を指示する表示制御コマンドを設定した後(Su33)、図32に示すフローチャートに復帰する。
Su27のステップにおいて、当該ゲームがボーナス中のゲームであれば、報知中フラグをセットした後(Su28)、報知パターン1の促進報知画面の表示を指示する表示制御コマンドを設定した後(Su29)、図32に示すフローチャートに復帰する。
また、Su31のステップにおいて、報知パターンとして報知パターン1がセットされていなければ、その時点で既に停止しているリール2L、2C、2Rがあるか否かを判定する(Su34)。そして、停止しているリール2L、2C、2Rがあれば、停止しているリール2L、2C、2Rの図柄の組み合せが、完全ハズレ目であるか否かを判定し(Su35)、完全ハズレ目であればSu32のステップに進み、報知中フラグをセットし(Su32)、報知パターン1の促進報知画面の表示を指示する表示制御コマンドを設定した後(Su33)、図32に示すフローチャートに復帰する。つまり、完全ハズレ目が表示結果として導出表示されている場合には、その時点でセットされているボーナスの期待度が高い報知パターン2ではなく、報知パターン1に基づく促進報知を実行するようにすることで、無意味な報知が行なわれることを回避できる。
また、Su34のステップにおいて、その時点で既に停止しているリール2L、2C、2Rがない場合、及びSu35のステップにおいて、完全ハズレ目でない場合には、報知中フラグをセットし(Su36)、報知パターン2の促進報知画面の表示を指示する表示制御コマンドを設定した後(Su37)、図32に示すフローチャートに復帰する。
以上のように促進報知処理では、リールの変動開始後、所定時間が経過したとき、またはいずれかのリールの停止操作がなされた後、未だ変動中のリールが残っている状態で所定時間が経過したときに促進報知画面の表示を指示する表示制御コマンドを設定し、表示制御部191に対して表示制御コマンドが送信されることにより促進報知が行なわれるようになっている。また、促進報知がなされている状態で、リールの停止操作がなされると、リールの停止時の制御パターンに基づく表示制御コマンドが送信されることにより、促進報知が終了するようになっている。
次に、サブ制御部91のCPU91aがタイマ割込処理(サブ)のSm10のステップにおいて実行する音量調節処理について、図43に基づいて説明する。
まず、CPU91aは、遊技効果音の出音中か否かを判定する(Su51)。Su51のステップにおいて遊技効果音の出音中でない場合にはそのまま処理を終了する。
Su51のステップにおいて遊技効果音の出音中である場合にはSu52のステップに進み、後述する消音中フラグがセットされているか否かに基づいて、遊技効果音の音量は0(消音)であるか否かを判定し、消音中でない場合にはさらに促進報知を実行中であるか否かを判定し(Su53)、促進報知を実行中ではない場合には、待機コマンドを取得したか否かを判定する(Su54)。Su54のステップにおいて待機コマンドを取得した場合、つまり、ゲーム終了後から遊技が進行しない状態が30秒継続した場合またはクレジット・賭数の精算が行なわれた場合、またはSu53のステップにおいて促進報知の実行中であると判定した場合、つまり、ゲーム開始後においてリールの停止操作がなされない状態が60秒(30秒)継続した場合には、現在出音中の遊技効果音の音量を消音し(Su54)、消音中フラグをセットした後に処理を終了する。
また、Su52のステップにおいて消音中ではないと判定した場合、新たにコマンドを取得したか否か、すなわち、ゲームの進行に関わる操作(賭数の設定・ゲーム開始操作、リールの停止操作など)が行なわれたか否かを判定し(Su57)、いずれも取得してない場合にはそのまま処理を終了し、いずれかのコマンドを取得した場合には、遊技効果音の音量を元の音量(MAX)まで上げて(Su58)、消音中フラグをクリアして(Su60)、処理を終了する。
図44は、電断検出回路98からの電圧低下信号が入力されたとき、及び表示制御部191から初期化信号が入力されたとき、すなわちグラフィックコントローラ200がハングアップしている可能性が高い場合に実行する電断割込処理(サブ)の制御内容を示すフローチャートである。
電断割込処理(サブ)においては、まず、割込を禁止する(Sv1)。すなわち電断割込処理(サブ)の開始にともなってその他の割込処理が実行されることを禁止する。次いで、使用している可能性がある全てのレジスタをスタック領域に退避する(Sv2)。
次いで、破壊診断用データ(本実施の形態では、5A(H))をセットして(Sv3)、全ての出力ポートを初期化する(Sv4)。次いでRAM41cの全ての格納領域の排他的論理和が0になるようにRAMパリティ調整用データを計算してセットし(Sv5)、RAM41cへのアクセスを禁止する(Sv6)。
そして、何らの処理も行なわないループ処理に入る。すなわち、そのまま電圧が低下すると内部的に動作停止状態になる。また、電断ではなく、グラフィックコントローラ200の不具合によって電断割込処理が行なわれた場合には、一定時間が経過することによりリセット回路95からリセット信号が入力され、CPU91aは再起動することとなる。
次に、表示制御基板190に搭載された表示制御部191のCPU191aが実行する各種制御内容を、図45〜図49のフローチャートに基づいて以下に説明する。
CPU191aは、表示制御部191にリセット回路195からリセット信号が入力されるか、後述する表示制御回路192からのVブランク割込信号が一定期間入力されなかった場合、表示制御回路192に対して命令したにも関わらず、命令に対応する完了割込信号が一定期間入力されなかった場合、すなわち何らかの原因で表示制御回路192がハングアップした場合に、図45に示す起動処理(表示)を行なう。なお、リセット信号は、電源投入時及び表示制御部191の動作が停滞した場合に出力される信号であるので、起動処理(表示)は、電源投入に伴うCPU191aの起動時及びCPU191aの不具合または表示制御回路192の不具合に伴う再起動時に行なわれる処理である。
起動処理(表示)では、内蔵デバイスや周辺IC、割込モード、スタックポインタ等を初期化する(Sw1)とともに、初期化命令をシステム制御レジスタに設定することで、グラフィックコントローラ200に対して初期化を指示した後(Sw2)、グラフィックコントローラ200からの初期化完了信号の入力待ちの状態となる(Sw3)。
Sw3のステップにおいて初期化完了信号が入力された後、透過領域用オブジェクトを含む使用頻度の高いCGデータのVRAM領域への転送命令をシステム制御レジスタに設定することで、使用頻度の高いCGデータの転送を指示した後(Sw4)、グラフィックコントローラ200からの転送終了割込信号の入力待ちの状態となる(Sw5)。
Sw5のステップにおいて転送終了割込信号が入力された後、RAM191cへのアクセスを許可する(Sw6)。そして、割込を許可して(Sw7)、ループ処理に移行する。
図46は、CPU191aが内部クロックのカウントに基づいて0.56msの間隔で実行するタイマ割込処理(表示)の制御内容を示すフローチャートである。
タイマ割込処理(表示)においては、まず、バッファに表示制御コマンドが格納されているか否かを判定する(Sx1)。バッファに表示制御コマンドが格納されていなければ、Sx4のステップに進み、バッファに表示制御コマンドが格納されていれば、バッファから表示制御コマンドを取得し(Sx2)、Sx3のステップに進む。
Sx3のステップでは、受信した表示制御コマンドによって指示された内容に基づいて液晶表示器51の表示制御の設定を行なう表示制御設定処理を実行し、Sx4のステップに進む。詳しくは、表示制御設定処理では、受信した表示制御コマンドによって指示された内容の表示を行なうためのプロセスデータや表示パターンを設定する処理、遊技履歴の表示を指示するものであれば、現在の遊技履歴に基づく履歴画面を表示するためのプロセスデータを生成し、設定する処理などを行なう。
Sx4のステップでは、グラフィックコントローラ200が正常に動作しているか否かを確認する表示制御確認処理を実行した後、タイマ割込処理(表示)を終了する。
図47は、CPU191aがグラフィックコントローラ200から定期的(本実施の形態では、33.3ms毎)に出力されるVブランク割込信号の入力に基づいて実行するVブランク割込処理の制御内容を示すフローチャートである。
Vブランク割込処理では、まず前回Vブランク割込信号が入力されてからの時間を計測するためにRAM191cに割たてられたVブランク待ち時間カウンタの値をクリアし(Sy1)、データ転送処理の終了時に出力される転送終了割込信号、アトリビュートの読込処理の終了時に出力される読込終了割込信号、描画処理の終了時に出力される描画終了割込信号の入力待ち状態か否かを判定する(Sy2)。割込信号の入力待ち状態か否かは、後述する転送終了待ちフラグ、読込終了待ちフラグ、描画終了待ちフラグがRAM191cに設定されているか否かに基づいて判定する。
Sy2のステップにおいて割込待ちの状態であれば、Vブランク割込処理を終了し、Sy2のステップにおいて割込待ち状態ではなければ、RAM191cに新規にプロセスデータが設定されたか否かに基づいて、新規に動画再生を開始するか否かを判定する(Sy3)。
Sy3のステップにおいて新規に動画再生を開始すると判定された場合、すなわち新規にプロセスデータが設定された場合には、動画再生中である旨を示す再生中フラグをRAM191cに設定するとともに、RAM191cに設定された、プロセスデータのうちどの段階の処理を実行中であるかを示すプロセスデータカウンタの値をクリアする(Sy4)。
次いで、RAM191cに設定されているプロセスデータを参照し、プロセスデータにて設定された動画を再生する際のソースデータとなる全てのCGデータのVRAM領域への転送命令をシステム制御レジスタに設定することで、CGデータの転送を指示する(Sy5)。そして、RAM91cに、CGデータの転送終了時に入力される転送終了割込信号の入力待ちである旨を示す転送終了待ちフラグを設定して(Sy6)、Vブランク割込処理を終了する。
また、Sy3のステップにおいて新規に動画再生を開始すると判定されなかった場合、すなわち新規にプロセスデータが設定されていない場合には、表示レジスタの表示領域及び描画レジスタの描画領域を更新してVRAM領域における表示領域と描画領域とを切り替える(Sy7)。そして、RAM191cに動画再生中フラグが設定されているか否かに基づいて、動画を再生中か否かを判定する(Sy8)。
Sy8のステップにおいて動画の再生中でなければ、現在設定されている制御パターンに応じたアトリビュートをアトリビュートレジスタに設定し(Sy9)、アトリビュートレジスタに設定したアトリビュートの読込命令をシステム制御レジスタに設定することで、アトリビュートの読込を指示する(Sy10)。そして、RAM191cに、アトリビュートの読込終了時に入力される読込終了割込信号の入力待ちである旨を示す読込終了待ちフラグを設定し(Sy11)、Vブランク割込処理を終了する。なお、Sy9のステップにおいて設定されるアトリビュートのうちリールの変動中に設定される制御パターンに対応するアトリビュートは、必ず透過領域用オブジェクトが最優先で描画される(必ず透過領域用オブジェクトが他のオブジェクトよりも先に描画されるとともに、必ず透過領域用オブジェクトが他のオブジェクトよりも視覚者から見て手前側に描画される)ように設定されている。
Sy8のステップにおいて動画の再生中であると判定されれば、RAM191cに設定されたプロセスデータカウンタの値を更新し(Sy12)、RAM191cに設定されているプロセスデータのうち、プロセスデータカウンタの値が示す段階のアトリビュートをアトリビュートレジスタに設定し(Sy13)、アトリビュートレジスタに設定したアトリビュートの読込命令をシステム制御レジスタに設定することで、アトリビュートの読込を指示する(Sy14)。そして、RAM91cに、アトリビュートの読込終了時に入力される読込終了割込信号の入力待ちである旨を示す読込終了待ちフラグを設定する(Sy15)。なお、Sy13のステップにおいて設定されるアトリビュートのうちリールの変動中に設定されるプロセスデータに定められたアトリビュートは、必ず透過領域用オブジェクトが最優先で描画される(必ず透過領域用オブジェクトが他のオブジェクトよりも先に描画されるとともに、必ず透過領域用オブジェクトが他のオブジェクトよりも視覚者から見て手前側に描画される)ように設定されている。
次いで、RAM191cに設定されたプロセスデータを参照し、当該プロセスデータに基づく全ての動画再生が終了したか否かを判定する(Sy16)。
Sy16のステップにおいて全ての動画再生が終了していなければ、そのままVブランク割込処理を終了し、Sy16のステップにおいて全ての動画再生が終了していれば、RAM191cに設定されている再生中フラグをクリアした後(Sy17)、Vブランク割込処理を終了する。
図48(a)は、RAM191cに読込終了待ちフラグが設定されている状態においてCPU191aがグラフィックコントローラ200から出力される読込終了割込信号、すなわちアトリビュートの読込終了時に出力される読込終了割込信号の入力に基づいて実行する読込終了割込処理の制御内容を示すフローチャートであり、図48(b)は、RAM191cに転送終了待ちフラグが設定されている状態においてCPU191aがグラフィックコントローラ200から出力される転送終了割込信号、すなわちCGデータの転送終了時に出力される転送終了割込信号の入力に基づいて実行する転送終了割込処理の制御内容を示すフローチャートであり、図48(c)は、CPU191aがグラフィックコントローラ200から出力される描画終了割込信号の入力に基づいて実行する描画終了割込処理の制御内容を示すフローチャートである。
読込終了割込処理では、まず、RAM191cに設定されている読込終了待ちフラグをクリアし(Sy21)、アトリビュートの読込を命令してからの時間を計測するためにRAM91cに割り当てられた読込終了待ち時間カウンタの値をクリアし(Sy22)、システム制御レジスタに描画の実行命令を格納することで、描画の実行を指示する(Sy23)。そして、描画終了割込信号の入力待ち状態である旨を示す描画終了待ちフラグをRAM191cに設定し(Sy24)、読込終了割込処理を終了する。転送終了割込処理では、RAM191cに設定されている転送終了待ちフラグをクリアし(Sy31)、CGデータの転送を命令してからの時間を計測するためにRAM191cに割たてられた転送終了待ち時間カウンタの値をクリアし(Sy32)、転送終了割込処理を終了する。描画終了割込処理では、RAM191cに設定されている描画終了待ちフラグをクリアし(Sy41)、描画を命令してからの時間を計測するためにRAM91cに割たてられた描画終了待ち時間カウンタの値をクリアし(Sy42)、描画終了割込処理を終了する。
このようにCPU191aは、グラフィックコントローラ200によるアトリビュートの読込処理、描画処理、データの転送処理が開始すると、これらの処理が完了するまでの間、Vブランク割込信号の入力があっても、新たに描画、データ転送、アトリビュートの読込の実行命令を行なわないようになっている。
図49は、CPU191aがタイマ割込処理(表示)のSx4のステップにおいて実行する表示制御確認処理の制御内容を示すフローチャートである。
表示制御確認処理では、まずVブランク待ちカウンタの値を1加算し(Sz1)、加算後のVブランク待ちカウンタの値に基づいて、前回Vブランク割込信号が入力されてからの経過時間が許容時間(グラフィックコントローラ200がハングアップしている可能性が高いと判断する時間)を超えたか否かを判定し(Sz2)、前回Vブランク割込信号が入力されてからの経過時間が許容時間を超えている場合には、Sz12のステップに進む。
Sz2のステップにおいて前回Vブランク割込信号が入力されてからの経過時間が許容時間を超えていない場合には、転送終了待ちフラグが設定されているか否かに基づいて転送終了待ちの状態か否かを判定し(Sz3)、転送終了待ちでなければ、Sz6のステップに進む。
Sz3のステップにおいて転送終了待ちであれば、転送終了待ちカウンタの値を1加算し(Sz4)、加算後の転送終了待ちカウンタの値に基づいて、CGデータの転送命令を実行してからの経過時間が許容時間を超えたか否かを判定し(Sz5)、CGデータの転送命令を実行してからの経過時間が許容時間を超えている場合には、Sz12のステップに進む。
Sz5のステップにおいてCGデータの転送命令を実行してからの経過時間が許容時間を超えていない場合には、Sz6のステップに進む。
Sz6のステップでは、読込終了待ちフラグが設定されているか否かに基づいてアトリビュートの読込終了待ちの状態か否かを判定し、読込終了待ちでなければ、Sz9のステップに進む。
Sz6のステップにおいて読込終了待ちであれば、読込終了待ちカウンタの値を1加算し(Sz7)、加算後の読込終了待ちカウンタの値に基づいて、アトリビュートの読込命令を実行してからの経過時間が許容時間を超えたか否かを判定し(Sz8)、アトリビュートの読込命令を実行してからの経過時間が許容時間を超えている場合には、Sz12のステップに進む。
Sz8のステップにおいてアトリビュートの読込命令を実行してからの経過時間が許容時間を超えていない場合には、Sz9のステップに進む。
Sz9のステップでは、描画終了待ちフラグが設定されているか否かに基づいて描画終了待ちの状態か否かを判定し、描画終了待ちでなければ、表示制御確認処理を終了して図46に示すフローチャートに復帰する。
Sz9のステップにおいて描画終了待ちであれば、描画終了待ちカウンタの値を1加算し(Sz10)、加算後の描画終了待ちカウンタの値に基づいて、描画命令を実行してからの経過時間が許容時間を超えたか否かを判定し(Sz11)、描画命令を実行してからの経過時間が許容時間を超えている場合には、Sz12のステップに進む。
Sz11のステップにおいてアトリビュートの読込命令を実行してからの経過時間が許容時間を超えていない場合には、表示制御確認処理を終了して図46に示すフローチャートに復帰する。
Sz12のステップでは、初期化信号をサブ制御部91に対して出力した後、起動処理(表示)の先頭にジャンプする。すなわち再起動する。
このようにCPU191aは、許容時間を超えてVブランク割込信号が入力されない場合、グラフィックコントローラ200に対して命令してから、当該命令による処理の終了を示す割込信号が許容時間を超えて入力されない場合に、初期化信号をサブ制御部91に対して出力し、再起動するようになっている。
以上説明したように、本実施の形態のスロットマシン1では、プロセスデータにVブランク毎にCPU191がアトリビュートレジスタに対して行なう設定内容が予め定められているとともに、特にリールの変動中に再生される動画についてのプロセスデータには、必ず透過領域用オブジェクトが最優先で描画される(必ず透過領域用オブジェクトが他のオブジェクトよりも先に描画されるとともに、必ず透過領域用オブジェクトが他のオブジェクトよりも視覚者から見て手前側に描画される)ように定められたアトリビュートが設定されている。また、リールの変動中に静止画を表示する際に設定されるアトリビュートについても、必ず透過領域用オブジェクトが最優先で描画される(必ず透過領域用オブジェクトが他のオブジェクトよりも先に描画されるとともに、必ず透過領域用オブジェクトが他のオブジェクトよりも視覚者から見て手前側に描画される)ように定められている。そして、本実施の形態ではこのような構成を採ることにより、リールの変動中においては、液晶表示器51の表示領域51aのうち透視窓3に対応する透過領域51bに透明用色彩の透過領域用オブジェクトが最優先で(視覚者から見て最も手前側に)表示されるので、透視窓3に対応する領域に画像が表示されて変動中のリールの視認性が妨げられてしまうことができる。
これにより、遊技者がリールの停止操作を行なう際に、液晶表示器51に表示された画像によって停止操作が困難となってしまうことがない。また、本実施の形態では特に実施していないが、たとえば、図柄の変動態様によって演出を行なうもの(停止時にバウンドさせたり、逆回転させるものなど)であっても、液晶表示器51に表示された画像によって図柄の変動態様による演出効果が妨げられてしまうこともない。
また、変動中のリールの視認性を妨げないようにするために、予め透視窓3に対応する領域に画像が表示されないように、透過領域51bに画像が重ならないように画像データを作成せずとも、透視窓3に対応する透過領域51bに透明用色彩が表示されるので、透過領域51bを意識せずに画像データを設計することができる。
なお、本実施の形態では、リールの変動中に用いるアトリビュートとして、必ず透過領域用オブジェクトが最優先で描画されるように定められたアトリビュートを予め設定しておくことにより、透視窓3に対応する透過領域51bに透明用色彩の透過領域用オブジェクトを最優先で表示させる構成としているが、たとえば、アトリビュートを予め準備することなく、Vブランク毎に演出の進行に応じた動画や静止画を構成するためのプログラムを読み出して、その都度アトリビュートを作成するようにしてもよい。
また、このような構成とした場合には、アトリビュートを作成する最初の段階で、リールが変動中であるか否かを判定し、リールが変動中であると判定された場合には、まず透過領域51bに透明用色彩の透過領域用オブジェクトを最優先に(視覚者から見て最も手前側に)描画するためのプログラムを読み出してアトリビュートを設定し、その後他のオブジェクトについてのプログラムを読み出してアトリビュートの設定を追加することでアトリビュートを作成することが好ましく、このようにすることで、リールの変動中においては、透過領域51bに透明用色彩の透過領域用オブジェクトを最優先に(視覚者から見て最も手前側に)描画するためのアトリビュートが最初に設定されるので、他のオブジェクトについてのアトリビュートを設定する処理によって、透過領域用オブジェクトを描画するためのプログラムが読み出されずにアトリビュートが作成されてしまい、その結果、透過領域用オブジェクトを表示させる処理が抜けてしまって、リールの前面に画像が表示されて変動中のリールの視認性が妨げられてしまうことを防止できる。
また、本実施の形態では、少なくともリールの変動中において透過領域用オブジェクトが最優先で(視覚者から見て最も手前側に)描画されるようになっているが、リールが変動中か否かに関わらず、常時、透過領域用オブジェクトが最優先で(視覚者から見て最も手前側に)描画される構成としてもよく、このようにすることで、透過領域用オブジェクトを最優先で(視覚者から見て最も手前側に)描画する制御として、常に同一の制御を行なえばよいので、プログラムの設計が容易となる。
また、本実施の形態では、遊技状態に関わらず、リールの変動中においては常に透過領域用オブジェクトが最優先で(視覚者から見て最も手前側に)描画されるようになっており、どのような遊技状態であってもリールの変動状態の視認性が妨げられてしまうことを防止できる。また、たとえば、目押しを必要としない遊技状態(レギュラーボーナスなど)においては、変動中のリールの視認性を妨げる必要性が低いが、そのためだけに例外的にプログラムを変更する必要もないので、画像表示を行なうためのプログラムの設計が容易となる。
また、本実施の形態では、液晶表示器51の表示領域51aの表面にグレア加工(光沢加工)が施されており、これにより光透過性が向上するので、液晶表示器51の表示領域51aを介した場合でもリールの視認性を極力高めることができる。
なお、本実施の形態では、表示領域51aの全体にグレア加工が施されているが、少なくとも透視窓3、すなわちリールを視認するのに必要な領域についてグレア加工が施されているものであれば、上記と同様の効果が得られる。
また、本実施の形態では、液晶表示器51が搭載する液晶駆動回路215が、グラフィックコントローラ200からビデオ信号(アナログ信号)が出力されていない状態において、全ての液晶素子の駆動を行なわず(電圧を印加しない)、表示領域51aが透過状態となるようになっているので、何らかの原因(たとえば、グラフィックコントローラ200がハングアップした場合など)でグラフィックコントローラ200からのビデオ信号(アナログ信号)が出力されなくなってしまっても、変動中のリールの視認性を確保することができる。
また、本実施の形態では、電源基板100で生成された電圧を各部に供給する電源ラインのうち、表示制御部191(CPU191a)及び表示制御回路192に電圧を供給する電源ラインと、液晶表示器51に搭載された液晶駆動回路215に電圧を供給する電源ラインと、がそれぞれ電気的に独立して配線されているので、表示制御回路192に電圧を各部に供給する電源ラインが断線した場合でも、液晶駆動回路215に電圧が供給されている限りは、リールの視認性を確保することができる。
なお、本実施の形態では、液晶素子に対して電圧が印加されていない状態で、透過性を有するノーマリーホワイトタイプの液晶パネルを有する液晶表示器51を用いているので、液晶表示器51への電源が遮断された場合でも、リールの視認性が妨げられてしまうことがないが、ノーマリーブラックタイプの液晶パネルを有する液晶表示器を用いた場合には、上記の構成が特に有用である。
また、本実施の形態では、電源基板100で生成された電圧を各部に供給する電源ラインのうち、液晶表示器51に搭載された液晶駆動回路215に電圧を供給する電源ラインと、リールLED55に電圧を供給する電源ラインと、がそれぞれ電気的に独立して配線されているので、リールLED55に電圧を供給する電源ライン、もしくは液晶駆動回路215に電圧を供給する電源ラインのいずれか一方が断線した場合でも、リールLED55及び液晶駆動回路215がともに停止してしまうことがないので、このような場合でもリールの視認性を確保することができる。
また、本実施の形態では、表示制御部191のCPU191aが、グラフィックコントローラ200からのVブランク割込信号が一定期間入力されなかった場合、グラフィックコントローラ200に対して命令したにも関わらず、命令に対応する完了割込信号が一定期間入力されなかった場合に、サブ制御部91に対して初期化信号を出力した後、再起動し、表示制御回路192を初期化する。一方、サブ制御部91のCPU91aは、表示制御部191からの初期化信号を検出すると、演出状態のバックアップを行なう電断割込処理(サブ)を実行するとともに、再起動して電断割込処理においてバックアップした制御状態を復帰させる。そして、CPU91aは、再起動前に実行していた制御パターンに基づく表示制御コマンドを表示制御部191に対して送信することにより、表示制御部191の制御を再開させるようになっている。この時点で表示制御部191は、再起動して表示制御回路192も初期化されているので、ハングアップする前の状態に復旧することとなる。これにより、グラフィックコントローラ200がハングアップした場合でも、ハングアップする前の状態に復旧させることができる。また、ハングアップにより途中となっていた表示動作を復旧後に再開させることができ、異常な表示状態からのより適切な復旧が可能になる。
また、本実施の形態では、CPU91aが再起動の際に制御状態を復旧させるための処理として、電断時に実行される電断割込処理(サブ)を流用しており、グラフィックコントローラ200がハングアップした際に実行する専用の処理を実行する必要がないので、プログラム容量の増大や処理の複雑化を防止しつつ、異常な表示状態から適切に復旧させることができる。
なお、本実施の形態では、グラフィックコントローラ200の制御をサブ制御部91とは別個に設けられた表示制御部191が行なっているが、サブ制御部91がグラフィックコントローラ200の制御を行なうようにしてもよく、この場合には、サブ制御部91のCPU91aが、グラフィックコントローラ200からのVブランク割込信号が一定期間入力されなかった場合、グラフィックコントローラ200に対して命令したにも関わらず、命令に対応する完了割込信号が一定期間入力されなかった場合に、演出状態のバックアップを行なう電断割込処理(サブ)を実行するとともに、再起動して電断割込処理においてバックアップした制御状態を復帰させるようにしてもよい。そして、CPU91aの再起動に伴って、グラフィックコントローラ200を初期化して、再起動前に実行していた制御パターンに基づく命令を再度グラフィックコントローラ200に対して行なうことにより、グラフィックコントローラ200の動作を再開させることにより、グラフィックコントローラ200がハングアップした場合でも、ハングアップする前の状態に復旧させることができる。また、ハングアップにより途中となっていた表示動作を復旧後に再開させることができ、異常な表示状態からのより適切な復旧が可能になる。
また、この場合でも、CPU91aが再起動の際に制御状態を復旧させるための処理として、電断時に実行される電断割込処理(サブ)を流用することにより、グラフィックコントローラ200がハングアップした際に実行する専用の処理を実行する必要がないので、プログラム容量の増大や処理の複雑化を防止しつつ、異常な表示状態から適切に復旧させることができる。
また、本実施の形態では、CPU191aが動画再生を行なう際に、当該動画再生に必要な全てのキャラクタのCGROM205からVRAM領域への転送命令を行なう。これに伴いデータ転送制御部211によって動画再生に必要な全てのキャラクタがVRAM領域に配置されることとなる。動画再生を行なう場合には、何度も繰り返して同じキャラクタを描画に用いることが多いが、CGROM205に格納されたデータは圧縮されており、これを読み出すのに時間を要するので、前述のように動画再生を行なう最初の段階で、必要な全てのキャラクタをVRAM領域に配置することにより、各フレーム毎にCGROM205からデータを読み出すのに比較して描画に要する時間が少なくて済む。
また、本実施の形態では、CPU191aが起動時に、透過領域用キャラクタを含む使用頻度の高いキャラクタのCGROM205からVRAM領域の専用キャラクタ用バッファL1への転送命令を行なう。これに伴いデータ転送制御部211によって使用頻度の高いキャラクタがVRAM領域の専用キャラクタ用バッファL1に配置されることとなる。このため、使用頻度の高いキャラクタについては、動画再生毎にCGROM205からデータを読み出すのに比較して描画に要する時間が少なくて済む。
また、本実施の形態では、連続演出やボーナス演出、待機演出、メニュー画面の表示などを行なう際に、これら各演出に伴う動画再生に必要なキャラクタをCGROM205から読み出してVRAM領域上の汎用キャラクタ用バッファL2に転送するようになっているが、汎用キャラクタ用バッファL2の容量上、たとえば、連続演出に必要なキャラクタと、待機演出に必要なキャラクタまたはメニュー画面の表示に必要なキャラクタと、を汎用キャラクタ用バッファL2に同時に転送することができない。このため、新たに動画再生を行なう際には、汎用キャラクタ用バッファL2に格納されている、それまで行なわれていた動画再生のためのキャラクタに対して新たな動画再生のためのキャラクタを上書きするようになっており、これらキャラクタの読み出し/転送処理のオーバーヘッドが生じる。連続演出に用いるキャラクタやボーナス中演出に用いるキャラクタは、これらの演出が複数ゲームに亘って実行されるものであるため、単発演出のキャラクタよりもデータ量が大きくなっており、単発演出のキャラクタに比べて読み出し/転送に要するオーバーヘッドが大きくなる。
ここで、連続演出の実行中やボーナス中演出の実行中であってもゲームとゲームの間の期間において所定期間に亘って遊技操作がされないときには待機演出が実行されるものとすると、そのときには待機演出のキャラクタをCGROM205から読み出して、VRAM領域上の汎用キャラクタ用バッファL2に転送しなければならない。この場合、待機演出のキャラクタを連続演出のキャラクタに上書きしなければならないので、何らかの遊技操作がされて待機演出を終了した場合に、元の連続演出を改めて再開しようとすれば、再び連続演出のキャラクタをCGROM205から読み出し、汎用キャラクタ用バッファL2に転送しなければならない。これに加えて、待機演出の開始時に連続演出がどこまで実行されていたかを示すデータを退避し、待機演出の終了時において復帰させなければならない。遊技者が遊技履歴の閲覧や演出モードを選択するためにメニュー画面を表示させる操作を行なった場合も同じである。
また、連続演出の実行中やボーナス中演出の実行中であってもゲームとゲームの間の期間において演出モードの切り替えを可能とすると、そのときには新たな演出モードで対応するキャラクタをCGROM205から読み出し、汎用キャラクタ用バッファL2に転送しなければならない。これを許容するとなると、演出モードが切り替えられる度に、何度も同じ処理を行なわなければならないこととなる。
これに対して、本実施の形態では、連続演出及び追加演出の実行中、もしくはボーナス中演出の実行中においては、待機演出の実行やメニュー画面の表示が禁止されるようになっている。つまり、待機演出のキャラクタやメニュー画面(演出モードの選択画面や履歴の閲覧画面を含む)のキャラクタのCGROM205からの読み出しと汎用キャラクタ用バッファL2への転送が禁止されているので、実行中の連続演出やボーナス中の演出データが待機演出やメニュー画面(演出モードの選択画面や履歴の閲覧画面を含む)のキャラクタによって上書きされて汎用キャラクタ用バッファL2から消去されてしまうことがない。消去されることがないから、改めて連続演出やボーナス中演出の演出データをキャラクタのCGROM205から読み出して、汎用キャラクタ用バッファL2に転送しなければならないということも生じない。
このため、現在の遊技の進行状況とは直接的には関係しない待機演出やメニュー画面の表示を実行するために、データ量の大きい連続演出やボーナス中演出の演出データをCGROM205から読み出し、汎用キャラクタ用バッファL2に転送する処理のオーバーヘッドが重複して生じることがなくなる。また、待機演出やメニュー画面の開始時に連続演出がどこまで実行されていたかを示すデータを退避し、待機演出やメニュー画面の終了時において復帰させるという処理のオーバーヘッドが生じることもない。
また、連続演出及び追加演出の実行中、もしくはボーナス中演出の実行中においては選択スイッチ56や決定スイッチ57の操作も無効化したままにしているので、演出モードが切り替えられることがなく、演出モードが異なるだけで同じ状況に対応したキャラクタをCGROM205から読み出し、汎用キャラクタ用バッファL2に転送しなければならないというオーバーヘッドが生じるのを防ぐことができる。
また、本実施の形態では、CPU191aがエラー報知や促進報知の画像を表示する際に、これら各演出に伴う動画再生に必要なキャラクタを汎用キャラクタ用バッファL2とは別に割り当てられたエラー用キャラクタ用バッファL3に転送するようになっている。このため、連続演出やボーナス演出の実行中にエラー報知や促進報知の画像を表示する場合でも、汎用キャラクタ用バッファL2のキャラクタが上書きされて、実行中の演出のキャラクタが消去されてしまうことがなく、エラー報知や促進報知の画像を表示するために、一般的にデータ量の多い連続演出のキャラクタをCGROM205から読み出してVRAMの汎用キャラクタ用バッファL2に再度書き込むというオーバーヘッドが重複して生じることをなくすことができる。
また、本実施の形態では、遊技者がストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すれば、入賞役の当選状況と停止操作のタイミングとに応じて停止すべき図柄が選択されて、リールに表示結果が導出される。つまり、入賞役の当選状況だけではなく、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作という遊技者の技術介入によって入賞が発生することとなるので、偶然性の要素だけで入賞が発生するのを防止して射倖性の抑制の担保が図られることとなる。また、遊技者によってストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されないまま経過した時間に関わらず、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効に検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効に検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果が導出されることとなるので、遊技者によってストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されずに時間が経過したという偶然性の要素だけで表示結果が導出されることはなく、射倖性の抑制の担保を図ることができる。
また、本実施の形態のスロットマシン1では、リール2L、2C、2Rの回転が開始したときから有効に停止操作がなされない状態が第1の報知待ち時間である60秒続いた場合や、いずれかのリールが停止した後、未だ回転中のリールがある場合には、最後にリールが停止してから有効に停止操作がなされない状態が第1の報知待ち時間である60秒または第2の報知待ち時間である30秒続いたときに、ストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作を促す報知画面を表示させることにより促進報知が実行されることで、促進報知の有無により、遊技者が長期にわたり不在なのか、少しの間不在なのかを判別しやすくなる。少なくとも液晶表示器51の表示画面上に報知画面が表示されていれば、遊技者が離席してから30秒または60秒以上が経過していることがわかる。
また、促進報知の実行中に有効な停止操作がなされたときには、促進報知を終了するようになっており、停止操作が有効になされたにも関わらず促進報知が延々と実行されてしまうことを回避できる。
なお、本実施の形態においては、報知用カウンタによるカウンタ値の減算(計時)が、リール2L、2C、2Rの回転が開始されたことを特定可能なリール回転開始コマンドをCPU91aが取得した時点から開始されていたが、たとえばスタートレバー7の操作が検出された時点、つまり内部当選コマンドを取得した時点や、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効となった時点から計時してもよい。
また、本実施の形態では、促進報知がなされている状態で、停止操作がなされると実行中の促進報知を終了させるようになっているが、一度促進報知がなされた場合には、全てのリールの停止操作がなされて全てのリールが停止するまで、すなわちそのゲームが終了するまで促進報知を継続し、ゲームが終了した時点で促進報知を終了するようにしてもよく、このようにすることで、一度停止操作が所定時間以上なされなかった場合には、そのゲームが終了するまで停止操作を促すことができる。
また、本実施の形態においては、促進報知の報知パターン(報知態様)として予め複数種類(本実施の形態では2種類)の報知パターン(報知パターン1、2)が登録されており、ボーナスが当選している場合には、ボーナスが当選していない場合よりも高い確率で報知パターン2が選択され、この報知パターン2に基づく報知画面が表示されるようになっているため、促進報知の報知画面として報知パターン2に基づく報知画面が選択されたとき、遊技者は報知パターン1に基づく報知画面が表示されたときよりも、ボーナスの当選を期待できるため、促進報知の実行により、遊技の興趣を効果的に高めることができる。
なお、報知パターン抽選時においては、ボーナスの当選時において、第2の報知態様としての報知パターン2が50%の確率で選択されるようになっていたが、ボーナスが当選しているときに、ボーナスが当選していないときよりも高い確率で報知パターン2が選択されればよく、たとえばボーナスフラグの当選時に100%の確率で報知パターン2を選択してもよい。
また、いずれかのリールが停止した後、未だ回転中のリールがある場合において、当該ゲームにおいて既に促進報知が実行されていた場合には、最後にリールが停止してから、停止操作が有効になされない状態が、第1の報知待ち時間である60秒よりも短い第2の報知待ち時間である30秒続いたときに促進報知が実行されるため、促進報知が実行された後、当該ゲームにおいて再度停止操作が有効になされない状態が続いたときには、促進報知が最初よりも早めに実行されるため、スロットマシン1の稼働率の低下をより効果的に防止できる。
また、促進報知の報知パターン1、2は、それぞれ報知画面に「リールを停止して下さい」という文字を表示し、その文字色や背景色が異なるパターンであったが、報知態様は上記パターンに限定されるものではなく、メッセージ内容や表示態様は種々に変更可能である。
また、報知パターン抽選においては、表示される文字の文字色や背景色が異なる2種類の報知パターンが、ボーナスフラグの当選状況に応じて異なる確率で選択されるようになっていたが、たとえば2種類以上の報知パターンのうちから選択するようにしてもよい。
また、本実施の形態における報知パターン1、2は、ストップスイッチ8L、8C、8Rの停止操作を促す文字を表示するものであり、ボーナスフラグの当選状況に応じていずれかが選択されるようになっていたが、このような促進報知の実行とともに、たとえば前述した内部抽選において当選した役を所定の確率で報知するようにしてもよい。
また、本実施の形態においては、1ゲームにおいて1回促進報知が実行された後において、停止操作がなされない状態が続いたときに、最初の促進報知を実行するまでの報知待ち時間(60秒)よりも短い報知待ち時間(30秒)が経過した時点で促進報知が実行されるようになっていたが、報知待ち時間を全て同一としてもよい。
また、本実施の形態においては、報知待ち時間を計測するための計時手段が1つの報知用タイマカウンタにて構成し、リール回転開始コマンドを取得したときに第1の値(=60秒)を設定してタイマカウント(計時)を開始するとともに、該タイマカウントの開始後においてリール停止コマンドを取得したときに、実行中のタイマカウントを終了(リセット)して第2の値(=30秒)を設定してタイマカウントを開始するようになっていたが、リール回転開始コマンドを取得したことに基づく計時と、リール停止コマンドを取得したことに基づく計時とをそれぞれ別個のカウンタにて計時するようにしてもよい。
また、たとえば各ゲームにおける促進報知の実行履歴を記憶しておき、所定期間(たとえば5分間や50ゲーム間)内において促進報知が所定回以上実行された場合に、促進報知を実行するまでの報知待ち時間を、通常の報知待ち時間よりも短くするようにしてもよい。さらにこの場合、促進報知の実行履歴に応じて、報知待ち時間を段階的に短縮していくようにしてもよい。
さらに、前述したような促進報知の実行を開始(報知画面の表示を開始)してから経過した時間を計時するようにし、たとえば所定時間が経過する毎(たとえば1分が経過する毎)に、報知態様を変化させたり、あるいは報知画面の表示による報知のみならず、「リールを停止して下さい」等の音声メッセージをスピーカ53、54等から出力するようにしてもよい。
また、本実施の形態における促進報知は、液晶表示器51の表示画面上にリール2L、2C、2Rの停止操作を促す文字メッセージを含む報知画面を表示することにより行なわれていたが、液晶表示器51以外の画像表示装置に報知画面を表示してもよいし、メッセージ内容は、前述したような「リールを停止して下さい」というメッセージだけでなく、リール2L、2C、2Rの停止操作を促すものであれば、たとえば「図柄を停止して下さい」や「ストップスイッチを操作して下さい」等、種々のメッセージに変更可能であるとともに、あるいは、リールの停止操作を促す画像や動画を表示するものでもよい。
また、本実施の形態では、少なくとも停止操作がなされるまで継続する遊技効果音が出音中の状態において、リール2L、2C、2Rの回転が開始したときから有効に停止操作がなされない状態が第1の報知待ち時間である60秒続いた場合や、いずれかのリールが停止した後、未だ回転中のリールがある場合に、最後にリールが停止してから有効に停止操作がなされない状態が第1の報知待ち時間である60秒または第2の報知待ち時間である30秒続いた場合に、促進報知を行なう場合には、促進報知の開始とともに、遊技効果音を消音するようになっており、遊技を中断しても周囲の遊技者に迷惑をかけることがない。さらに本実施の形態では、促進報知の開始とともに、遊技効果音を消音するようになっており、遊技者の離席を効果的に判別することが可能となる。なお、本実施の形態では、遊技効果音を消音するようになっているが、音量を通常の音量よりも下げるのみでも同様の効果が得られる。
また、遊技効果音の出音中に消音状態となっている場合には、有効な停止操作がなされたときに、元の音量に戻すようになっており、停止操作が有効になされたにも関わらず音量が下がった状態や消音状態が延々と続いてしまうことを回避できる。
なお、本実施の形態では、ゲームが開始してからリールの停止操作が行なわれずに所定の報知待ち時間である60秒が経過したときや、リールの停止操作が行なわれてから、当該ゲームにおいて新たなリール停止操作がなされるまでに所定の報知待ち時間である60秒が経過したときに、現在出音中の遊技効果音の音量が下がるようになっていたが、前記所定時間は種々に変更可能である。
また、本実施の形態では、遊技効果音の消音状態で、停止操作がなされると遊技効果音の音量を元のレベルに復帰させるようになっているが、一度遊技効果音を消音した場合には、全てのリールの停止操作がなされて全てのリールが停止するまで、すなわちそのゲームが終了するまで遊技効果音の消音状態を継続し、ゲームが終了した時点で遊技効果音の消音状態を終了するようにしてもよく、このようにすることで、一度停止操作が所定時間以上なされなかった場合には、ゲームが確実に進行するまでの間、周囲の遊技者に迷惑をかけることがない。
また、本実施の形態では、遊技者が違和感を感じることがないように、促進報知の開始および終了に伴い、連続遊技効果音の音量が調節されるようになっていたが、音量調節処理の実施タイミングと促進報知の実施タイミングとは必ずしも一致していなくてもよく、たとえば音量が下がった後に促進報知が開始されたり、音量が元のレベルに戻った後に促進報知が終了するようにしてもよい。
つまり、ゲーム開始後における連続遊技効果音の音量を下げる処理は、促進報知フラグの有無に基づき、促進報知の開始及び終了にあわせて行なうようになっていたが、促進報知の開始や終了とは別に、内部当選コマンドやリール停止コマンド等の取得に基づいて計時を行ない、音量の調節を行なうようにしてもよい。
また、本実施の形態では、連続遊技効果音の音量を下げる場合、最大(MAX)からレベル0(消音)まで一気に下がるようになっていたが、たとえば漸次音量を小さくするようにしてもよいし(フェードアウト)、経過時間に応じて段階的に音量を小さくするようにしてもよい。さらに、遊技再開時にも、音量を漸次音量を大きくするようにしてもよいし、経過時間に応じて段階的に音量を大きくするようにしてもよい。
また、本実施の形態では、連続遊技効果音の音量は、最大(MAX)からレベル0まで一気に下がるようになっていたが、たとえば連続遊技効果音の音量は最大以下のレベルであってもよいし、下げるさいには、現在の音量よりも小さいレベルまで下げるものであれば、必ずしも音量レベルを0、すなわち消音しなくてもよく、周囲の遊技者に迷惑をかけない程度の音量であれば、レベル0以上の音量に下げるものであってもよい。
また、本実施の形態では、CPU41aが演出制御基板90に対して遊技の進行に応じたコマンドを送信し、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91は、遊技制御基板40から送信されたコマンドに基づいて演出の制御を行なうようになっており、CPU41aは、コマンドを送信するのみで演出の制御を行なう必要がないので、CPU41aの処理負荷を軽減できるうえに、演出を多彩なものにできる。
また、遊技制御基板40から演出制御基板90にコマンドが送信されるコマンド伝送ラインが、遊技制御基板40と演出制御基板90との間で演出中継基板80を介して接続されており、遊技制御基板40に演出制御基板90が直接接続される構成ではないので、コマンド伝送ラインからCPU41aに対して外部から不正な信号が入力され、遊技の制御に影響を与えられてしまうことを防止できる。
また、本実施の形態では、サブ制御部91とは別に、液晶表示器51の表示制御を行なう表示制御部191を備え、サブ制御部91のCPU91aが表示制御部191に対して画像の表示を指示する表示制御コマンドを送信し、表示制御部191は、サブ制御部91から送信された表示制御コマンドに基づいて液晶表示器51の表示制御を行なうようになっており、CPU91aは、表示制御コマンドを送信するのみで高い処理能力を要する液晶表示器51の表示制御を行なう必要がないので、CPU91aの処理負荷を効果的に軽減できる。
特に本実施の形態では、サブ制御部91が、メイン制御部41から送信されたコマンドに基づいて促進報知を開始するまでの時間の計時を行ない、計時した時間に基づいて表示制御部191に対して促進報知画面の表示を指示する表示制御コマンドを送信することで、促進報知が行なわれるようになっており、促進報知を行なうにあたり、メイン制御部41、サブ制御部91、表示制御部191の制御が適当に分散されるため、いずれか1つの制御部に対して処理負荷が偏ってしまうことがない。
また、本実施の形態のスロットマシン1では、停止操作位置(リール基準位置からのステップ数に対して割り当てられた領域)に対して停止位置(表示結果)が一意的に定められた複数の停止制御テーブルのうち、全てのリールが回転中においては、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態に対して一意的に定められた停止制御テーブルを選択し、選択した停止制御テーブルに従ってリールの停止制御が行なわれるとともに、いずれかのリールが既に停止している場合においては、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態、停止済みのリールの停止位置に対して一意的に定められた停止制御テーブルを選択し、選択した停止制御テーブルに従ってリールの停止制御が行なわれるようになっており、遊技状態、内部当選状態、リールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置(表示結果))の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行なわれることとなるので、従来のように一の内部当選状態に対して複数の停止制御テーブルからいずれか1つの停止制御テーブルを内部抽選とは異なる抽選(たとえばリール制御の振分抽選など)などによりさらに選択する必要がなく、リールを停止させる際の制御が複雑化することがない。
また、本実施の形態では、リールの回転開始時に、全てのリールについて、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態に対して一意的に定められた停止制御テーブルを選択し、選択した停止制御テーブルに従ってリールの停止制御が行なわれるとともに、その後リールが停止する毎に、回転中のリールについて、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態、停止済みのリールの停止位置、すなわちいずれか1つのリールが停止した状態では停止済みのリールの停止位置、いずれか2つのリールが停止した状態では停止済みの2つのリールの停止位置の組み合わせに対して一意的に定められた停止制御テーブルを選択し、選択した停止制御テーブルに従ってリールの停止制御が行なわれるようになっているが、たとえば、いずれか1つのリールが停止したときに、回転中のリールについて、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態、停止済みのリールの停止位置に対して一意的に定められた停止制御テーブルを選択し、選択した停止制御テーブルに従ってリールの停止制御を行なうとともに、さらにいずれかのリールが停止したとき(2つのリールが停止したとき)には、新たに停止制御テーブルを選択せず、全てのリールが回転している状態でいずれか1つのリールが停止したときに選択された停止制御テーブルに従って残りのリールの停止制御を行なうようにしてもよい。
また、いずれか1つのリールが停止したときに、回転中のリールについて、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態、停止済みのリールの停止位置に対して一意的に定められた停止制御テーブルを選択し、選択した停止制御テーブルに従ってリールの停止制御を行なうとともに、さらにいずれかのリールが停止したとき(2つのリールが停止したとき)に、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態、最初に停止したリールの停止位置または最後に停止したリールの停止位置に対して一意的に定められた停止制御テーブルを選択し、選択した停止制御テーブルに従ってリールの停止制御を行なうようにしてもよい。
また、本実施の形態では、いずれかのリールが既に停止している場合において、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態、リールの停止状況及び停止済みのリールの停止位置に対して一意的に定められた停止制御テーブルに従ってリールの停止制御が行なわれるようになっているが、いずれかのリールが既に停止している場合において、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態、リールの停止状況及び停止済みのリールの停止操作位置に対して一意的に定められた停止制御テーブルに従ってリールの停止制御が行なわれるようにしてもよく、このようにすることで遊技状態及び内部当選状態が同一であり、かつ停止済みのリールの停止位置(停止図柄)が同一の場合であっても、停止済みのリールの停止操作位置が異なる場合には、異なる停止制御テーブルが適用されることがあるため、リールの表示結果をより多彩なものにできる。
また、いずれか1つのリールが停止したときに、回転中のリールについて、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態、停止済みのリールの停止操作位置に対して一意的に定められた停止制御テーブルを選択し、選択した停止制御テーブルに従ってリールの停止制御を行なうとともに、さらにいずれかのリールが停止したとき(2つのリールが停止したとき)には、新たに停止制御テーブルを選択せず、全てのリールが回転している状態でいずれか1つのリールが停止したときに選択された停止制御テーブルに従って残りのリールの停止制御を行なうようにしてもよい。
また、いずれか1つのリールが停止したときに、回転中のリールについて、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態、停止済みのリールの停止操作位置に対して一意的に定められた停止制御テーブルを選択し、選択した停止制御テーブルに従ってリールの停止制御を行なうとともに、さらにいずれかのリールが停止したとき(2つのリールが停止したとき)に、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態、最初に停止したリールまたは最後に停止したリールの停止操作位置に対して一意的に定められた停止制御テーブルを選択し、選択した停止制御テーブルに従ってリールの停止制御を行なうようにしてもよい。
また、本実施の形態では、いずれか2つのリールが停止したときに、回転中のリールについて、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態、停止したリールの停止位置の組み合わせに対して一意的に定められた停止制御テーブルを選択し、選択した停止制御テーブルに従ってリールの停止制御が行なわれるようになっているが、たとえば、いずれか2つのリールが停止したときに、回転中のリールについて、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態、停止したリールのうちのいずれか1つのリールの停止位置、停止したリールのうちの残りのリールの停止操作位置に対して一意的に定められた停止制御テーブルを選択し、選択した停止制御テーブルに従ってリールの停止制御を行なうようにしてもよい。
また、いずれか1つのリールが停止したときに、回転中のリールについて、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態、停止したリールの停止位置に対して一意的に定められた停止制御テーブルを選択し、いずれか2つのリールが停止したときに、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態、停止したリールの停止操作位置の組み合わせに対して一意的に定められた停止制御テーブルを選択し、選択した停止制御テーブルに従ってリールの停止制御を行なうようにしてもよい。
また、いずれか1つのリールが停止したときに、回転中のリールについて、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態、停止したリールの停止操作位置に対して一意的に定められた停止制御テーブルを選択し、いずれか2つのリールが停止したときに、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態、停止したリールの停止位置の組み合わせに対して一意的に定められた停止制御テーブルを選択し、選択した停止制御テーブルに従ってリールの停止制御を行なうようにしてもよい。
また、いずれか1つのリールが停止したときに、回転中のリールについて、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態、停止したリールの停止操作位置に対して一意的に定められた停止制御テーブルを選択し、いずれか2つのリールが停止したときに、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態、停止したリールのうちのいずれか1つのリールの停止位置、停止したリールのうちの残りのリールの停止操作位置に対して一意的に定められた停止制御テーブルを選択し、選択した停止制御テーブルに従ってリールの停止制御を行なうようにしてもよい。
また、これらの場合には、1/2図柄が変動する範囲の領域、すなわち1図柄が変動する範囲未満の単位で停止済みのリールの停止操作位置を判定し、その停止操作位置に対して一意的に定められた停止制御テーブルに従ってリールの停止制御を行なうこと、すなわちある図柄が基準位置に位置するステップ数から1図柄が変動する範囲以内の異なるステップ数に対して異なる停止制御テーブルを選択可能とすることが好ましく、このようにすれば、停止済みのリールの停止位置が同一であり、停止操作が行なわれたタイミングが1図柄が変動する範囲以内であっても、他のリールに適用される停止制御テーブルを変化させることができるので、各リールの表示結果をより一層多様化することができる。
また、いずれかのリールが既に停止している場合において、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態、リールの停止状況及び停止済みのリールの停止操作位置に対して一意的に定められた停止制御テーブルに従ってリールの停止制御を行なうものでは、たとえば、通常遊技状態またはRTにおいていずれの役にも当選していない場合(ハズレ)において、ある特定のリールにおいて同一の停止位置が定められた領域番号の範囲で停止操作が行なわれた場合において同一の表示結果が導出されるが、同一の停止位置が定められた領域番号のうちの特定の領域番号の領域で停止操作が行なわれた場合のみ、他のリールの停止制御テーブルとしてチャンス目を構成する表示結果を導出させることが可能な停止制御テーブルを選択し、同一の停止位置が定められた領域番号のうちの特定の領域番号以外の領域で停止操作が行なわれた場合に、他のリールの停止制御テーブルとしてチャンス目を構成する表示結果を導出させることが可能な停止制御テーブルを選択することが好ましい。
たとえば、通常遊技状態またはRTにおいていずれの役にも当選していない場合(ハズレ)において、左リールを領域番号5〜8の領域のどのタイミングで停止操作を行なっても、3〜5番図柄の「スイカ・ベル・リプレイ」が導出されるが、この際、領域番号7の領域で停止操作が行なわれた場合のみ、中リールの停止制御テーブルとして、少なくともいずれか1つの領域番号に対して前述した11〜13番図柄の「チェリー・リプレイ・チェリー」、21、1、2番図柄の「チェリー・ベル・チェリー」が特定される引込コマ数が定められた停止制御テーブル、すなわちチャンス目を構成する表示結果を導出可能な停止制御テーブルを選択し、領域番号5、6、8の領域で停止操作が行なわれた場合に、中リールの停止制御テーブルとして、いずれの領域番号に対しても前述した11〜13番図柄の「チェリー・リプレイ・チェリー」、21、1、2番図柄の「チェリー・ベル・チェリー」が特定される引込コマ数が定められていない停止制御テーブル、すなわちチャンス目を構成する表示結果を導出不可能な停止制御テーブルを選択すればよい。これにより特定のリールを停止した時点での当該リールの停止位置が同一の場合であってもその停止操作位置が異なることによって最終的にチャンス目を導出可能に制御する場合と導出不可能に制御する場合とがあるので、通常遊技状態またはRTにおいていずれの役にも当選していない場合(ハズレ)のリールの表示結果が単調化してしまうことを防止できる。
さらに、この場合には、通常遊技状態またはRTにおいていずれかのボーナスに当選している場合に、同一の停止位置が定められた領域番号のうち、通常遊技状態またはRTにおいていずれの役も当選していない場合よりも多くの領域番号に対して、他のリールの停止制御テーブルとしてチャンス目を構成する表示結果を導出させることが可能な停止制御テーブルを選択することが好ましく、このようにすれば、通常遊技状態またはRTにおいていずれかのボーナスに当選している場合には、通常遊技状態またはRTにおいていずれの役も当選していない場合よりも高い割合でチャンス目が導出されることとなり、チャンス目が導出されることにより、ボーナスの当選に対する遊技者の期待感を高めることができる。
また、いずれかのリールが既に停止している場合において、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態、リールの停止状況及び停止済みのリールの停止操作位置に対して一意的に定められた停止制御テーブルに従ってリールの停止制御を行なうものにおいては、リールが停止する毎に、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれかであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号、該当するリールの停止位置の領域番号、を特定可能なリール停止コマンドを、サブ制御部91に対して送信することが好ましく、このようにすることでサブ制御部91のCPU91aは、リールが停止した際に、そのリールの停止位置のみならず、停止操作位置に応じて異なる演出を行なうことが可能となる。
特に、通常遊技状態またはRTにおいていずれの役にも当選していない場合(ハズレ)において、ある特定のリールにおいて同一の停止位置が定められた領域番号の範囲で停止操作が行なわれた場合において同一の表示結果が導出されるが、同一の停止位置が定められた領域番号のうちの特定の領域番号の領域で停止操作が行なわれた場合のみ、他のリールの停止制御テーブルとしてチャンス目を構成する表示結果を導出させることが可能な停止制御テーブルを選択し、同一の停止位置が定められた領域番号のうちの特定の領域番号以外の領域で停止操作が行なわれた場合に、他のリールの停止制御テーブルとしてチャンス目を構成する表示結果を導出させることが可能な停止制御テーブルを選択するとともに、通常遊技状態またはRTにおいていずれかのボーナスに当選している場合に、同一の停止位置が定められた領域番号のうち、通常遊技状態またはRTにおいていずれの役も当選していない場合よりも多くの領域番号に対して、他のリールの停止制御テーブルとしてチャンス目を構成する表示結果を導出させることが可能な停止制御テーブルを選択する場合には、リール停止コマンドを受信した際に、停止操作位置がチャンス目の導出条件を満たす場合、すなわちチャンス目を構成する表示結果を導出可能な停止制御テーブルが選択される停止操作位置である場合において、チャンス目の導出条件を満たさないが同一の停止位置となる他の停止操作位置である場合よりも高い割合で、いずれかの特別役に当選している可能性を報知する特殊演出(たとえば、通常とは異なる停止音など)を行なうようにしてもよく、このようにすれば、特定のリールの停止時に特殊演出が行なわれることで、特定のリールの停止時に特殊演出が行なわれない場合よりも最終的にチャンス目が導出される可能性が高まることとなり、特殊演出が行なわれることに伴ってチャンス目の導出、さらには特別役の当選に対する遊技者の期待感を効果的に高めることができる。
また、本実施の形態では、複数の連続するステップ数の範囲(本実施の形態では1図柄が変動する4ステップずつ)毎に引込コマ数(当該範囲で停止操作が検出された場合の停止位置)が一意的に定められた停止制御テーブルを用いてリールの停止制御を行なっているので、停止制御テーブルを作成するためのテーブル作成用データの容量を大幅に軽減できる。
なお、本実施の形態では、1図柄が変動する範囲の領域の単位毎に、引込コマ数を一意的に定めた停止制御テーブルを用いているが、たとえば、1/2図柄が変動する範囲の領域、すなわち1図柄が変動する範囲未満の単位毎に、引込コマ数(停止位置)を一意的に定めた停止制御テーブルを用いてリールの停止制御を行なうようにしてもよい。すなわちある図柄が基準位置に位置するステップ数から1図柄が変動する範囲以内の異なるステップ数に対して異なる停止位置が定められた停止制御テーブルを用いてリールの停止制御を行なうようにしてもよく、このようにすることで、1図柄が変動する範囲以内であっても、停止操作のタイミングが異なることで導出される表示結果を変化させることができるので、停止操作のタイミングに応じてより多彩な態様でリールの表示結果を導出させることができる。
また、本実施の形態では、内部抽選によりいずれの役も当選していない場合(ハズレ)、すなわち通常時の大半を占める状態では、チャンス目を構成する表示結果が導出されることがなく、内部抽選によりいずれかのボーナスが当選している場合以外では、1枚(1)または1枚(2)が当選することによりチャンス目を導出させることが可能となる。このため、複数の停止制御テーブルのうち、全てのリールが回転中においては、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態に対して一意的に定められた停止制御テーブルを選択し、選択した停止制御テーブルに従ってリールの停止制御が行なわれるとともに、いずれかのリールが既に停止している場合においては、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態、停止済みのリールの停止位置に対して一意的に定められた停止制御テーブルを選択し、選択した停止制御テーブルに従ってリールの停止制御が行なわれる場合でも、遊技者の技量などの影響を受けることなく、適度な割合でチャンス目を導出させることが可能となる。
また、本実施の形態のスロットマシン1では、チャンス目が停止したこと、すなわちいずれかのボーナスに当選しているときに、いずれのボーナスも当選していない場合よりも高い割合で導出される表示態様となったこと、またはチェリーに入賞したこと、すなわちビッグボーナスが同時に当選している可能性のある入賞が発生したことを契機に連続演出が実行されるので、連続演出の開始契機が分かりやすくなるうえに、チャンス目またはチェリーの入賞と連続演出の双方にてボーナスの当選に対する遊技者の期待感を高めることができる。
また、チャンス目が停止したこと、またはチェリーが入賞したことを契機に2ゲームにわたりリプレイの当選確率が(当選確率のみならず入賞確率も)高まるRTに移行するとともに、その間に連続演出が行なわれるため、連続演出が行なわれている間、ボーナスを入賞させることが困難となり、遊技者はボーナスが当選しているか否かを判別しづらくなるため、連続演出を無意味なものとすることなく最後まで終了させることができる。さらに、連続演出の間、ボーナスを揃えられない場合でも、リプレイが入賞してメダルの投入を必要としないリプレイゲームが付与されるので、ボーナスを入賞させることが困難となるRTに制御されても遊技者に不利益が生じてしまうことを防止できる。
なお、本実施の形態では、チャンス目が停止したこと、またはチェリーが入賞したことを契機にRTに移行するとともに、その間に連続演出が行なわれるようになっているが、いずれのボーナスも当選していない状態でチャンス目が停止したこと、またはボーナスが当選したことを契機にRTに移行するとともに、その間に連続演出が行なわれるようにしてもよく、このようにすることで、チャンス目が停止せずに、連続演出が開始することで、ボーナスの当選が確定するため、連続演出による興趣を高めることができる。
また、連続演出は、いずれかのボーナスに当選しているときにも、当選していないときにも行なわれる。後者の場合の連続演出は、いずれのボーナスにも当選していない内容のもので、その終了までに新たにいずれかのボーナスに当選しなければ、そのままハズレの確定が報知される。
もっとも、後者の場合の連続演出が開始された後のゲームにおいて、新たにボーナスに当選することがある。この場合であっても、既に開始していた連続演出は、最後まで行なうこととしているので、連続演出の実行に関する制御が複雑になることがない。もっとも、このままハズレの確定が報知されるだけとすれば、連続演出の終了時における当選状況とは、異なる情報が遊技者に示されたままになってしまう。
そこで、本実施の形態では、連続演出の最終ゲームにおいて、実行中の連続演出がいずれのボーナスにも当選していないときに開始された連続演出であるかどうかを判定し、さらにこの連続演出が開始された後のゲームにおいて新たにボーナスに当選していたかどうかを判定するものとしている。そして、連続演出が開始された後のゲームにおいて新たにボーナスに当選していた場合には、差替/追加決定抽選の結果により、連続演出の最終ゲームにおける演出の内容を差し替えるか、連続演出の終了後に追加演出を実行するかを選択するものとしている。
連続演出の最終ゲームにおける演出の内容が差し替えられた場合には、最終ゲームにおいて差し替え後の演出の内容を示して、ボーナス当選の確定を遊技者に示すことができるため、遊技者に不信感を感じさせずに、連続演出を終了させることができる。一方、追加演出の実行が選択された場合には、一旦ハズレの結果が報知されるものとなるが、連続演出の終了後直ちに実行される追加演出によって、遊技者は、ボーナスに当選していることが分かるため、遊技者に不信感を感じさせずに、一旦開始された連続演出を最後まで行なうことができる。
連続演出の最終ゲームにおける演出の内容を差し替えるのか、連続演出に続けて追加演出を実行するのかに関わらず、連続演出が開始された後のゲームにおいて新たにボーナスに当選していたかどうかを判定するのは、連続演出の最終ゲームにおいてだけ行なえばよい。このように実行中の連続演出がいずれのボーナスにも当選していないときに開始された連続演出であるかどうかの判定と、連続演出が開始された後のゲームにおいて新たにボーナスに当選していたかどうかの判定が1回だけで済むため、制御負荷が大きくなりすぎない。
また、演出の内容の差し替えを選択する場合であっても、演出の内容の差し替えが行なわれるのは、連続演出の最終ゲームにおける演出分だけである。このため、演出の内容の差し替えのパターンが複雑になりすぎず、制御負荷が大きくなりすぎない。追加演出の実行を選択する場合には、連続演出の内容はそのままで新たに追加演出を行なえばよいだけである。このため、連続演出の実行に対して余計な制御負荷がかかることがない。さらに、演出の内容の差し替えと追加演出の実行のいずれもあるので、演出の種類が豊富になり、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、本実施の形態では、最終ゲームにおいてのみ新たにボーナスに当選していたかどうかを判定しているが、たとえば、連続演出中の各ゲーム毎に新たにボーナスに当選していたかどうかを判定するようにしてもよい。このように連続演出中の各ゲーム毎に新たにボーナスに当選していたかどうかを判定するものにおいて演出の内容の差し替えを選択する場合には、その時点から演出の内容を差し替えるようにしてもよいが、新たにボーナスに当選した場合にはその旨を記憶しておき、最終ゲームにおいてのみ演出の内容を差し替えることが好ましく、このようにすれば、演出の内容の差し替えのパターンが複雑になりすぎず、制御負荷が大きくなりすぎない。また、連続演出中の各ゲーム毎に新たにボーナスに当選していたかどうかを判定するものにおいて追加演出の実行を選択する場合には、新たにボーナスに当選した場合にその旨を記憶しておき、連続演出の内容はそのままで新たに追加演出を行なえばよい。
連続演出は、チャンス目が導出されたとき、またはチェリーが入賞したときに、予め定められた複数種類のパターンの中からいずれかの演出パターンが選ばれる。いずれのボーナスにも当選していないときに開始された連続演出の最終ゲームにおいていずれかのボーナスの当選が判定されたときに追加演出の実行が選択された場合、実行される追加演出のパターンは、そのときに実行中であった連続演出のパターンに応じて選ばれる。このように複数種類のパターンで連続演出(及び追加演出)を行なうものとすることで、演出の態様が豊富となり、遊技の興趣を向上させることができる。また、追加演出のパターンが実行中の連続演出のパターンに従って選ばれることにより、追加演出を連続演出に整合させることができ、連続演出と追加演出とを一連の演出として違和感なく遊技者に示すことができるようになる。
さらに、連続演出のパターンとしては、2ゲームの期間で継続するパターンと3ゲームの期間で継続するパターンとがあり、パターンの選択によって連続演出が継続する期間が決まる。このように連続演出が行なわれる期間として異なる期間のものがあることで、演出の態様が豊富となり、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
なお、本実施の形態では、追加演出を1ゲームのみ行なう構成としているが、それまでの連続演出と同様に継続ゲーム数の異なるパターンを用意しておき、パターンの選択によって追加演出が継続する期間が決まるようにしてもよく、このように追加演出が行なわれる期間として異なる期間のものがある場合にも、演出の態様が豊富となり、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
また、連続演出の最終ゲームにおいて演出の内容の差し替えが選択された場合、差し替え後の最終ゲームにおける演出の内容も、そのときに実行中であった連続演出のパターンに応じて選ばれる。これにより、連続演出の内容を最終ゲームにおける当選状況と整合させて遊技者に違和感なく示すことができるようになる。
さらに、差し替えられた演出の内容は、差し替えがなされなかった連続演出のパターンには含まれない内容となる。演出の差し替えは、連続演出が開始された後にボーナスに当選した場合というレアケースで行なわれるものであるが、差し替えられた演出の結果は、このようなレアケースでのみ示されるものとなることで、演出の内容にプレミア性を持たせることができ、演出の興趣を高めることができるようになる。また、同様に追加演出の内容も連続演出のパターンには含まれない内容となる。追加演出も、連続演出が開始された後にボーナスに当選した場合というレアケースで行なわれるものであるので、追加演出もこのようなレアケースでのみ実行されるものとなることで、追加演出にプレミア性を持たせることができ、演出の興趣を高めることができるようになる。
なお、本実施の形態では、チャンス目が導出されたとき、すなわち全てのリールの表示結果の組み合わせがチャンス目となったときに連続演出が実行されるようになっているが、たとえば、いずれか1つのリールが停止した時点で成立するチャンス目を適用する場合には、いずれか1つのリールが停止し、かつチャンス目が成立した場合には、その時点から連続演出を実行するようにしてもよい。
また、本実施の形態では、役別テーブルに、特別役のみに対応する判定値数の格納先のアドレス、特別役及び一般役の双方に対応する判定値数の格納先のアドレス、一般役のみに対応する判定値数の格納先アドレスがそれぞれ登録されており、内部抽選において、取得した内部抽選用の乱数に、役別テーブルから参照された各役または役の組み合わせの判定値数を加算していき、特別役のみに対応する判定値数との加算結果がオーバーフローした場合には、特別役のみの当選を判定し、特別役及び一般役の双方に対応する判定値数との加算結果がオーバーフローした場合には、特別役及び一般役の双方の当選を判定し、一般役のみに対応する判定値数との加算結果がオーバーフローした場合には、一般役のみの当選を判定するようになっており、特別役と一般役が同時に当選し得るようになっている。すなわち1つの役別テーブルから、一般役、特別役がそれぞれ単独で当選する判定値の範囲と、一般役及び特別役が重複して当選する判定値の範囲と、が特定できるようにすることで、特別役と一般役が同時に当選し得るようになっている。これにより、ゲームの結果として一般役が入賞した場合でも、一般役よりも有利度の高い特別役の当選が否定されないので、このような状況においても特別役の入賞に対する遊技者の期待感を持続させることができる。
また、本実施の形態では、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)とチェリー、1枚(1)または1枚(2)とが同時に当選可能としており、さらに、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)と1枚(1)または1枚(2)とが同時に当選する判定値の範囲よりも、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)とチェリーが同時に当選する判定値の範囲の方が大きくなるように設定されており、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)と1枚(1)または1枚(2)とが同時に当選する確率よりも、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)とチェリーが同時に当選する確率の方が高くなるようになっているので、1枚(1)または1枚(2)が入賞したときよりもチェリーが入賞したときの方が、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)と同時に当選している可能性が高くなるので、一般役が入賞したときに、その一般役の種類によって特別役の当選に対する期待感に変化を持たせることができるため、興趣を高めることができる。
なお、本実施の形態では、役別テーブルに、特別役のみに対応する判定値数の格納先のアドレス、特別役及び一般役の双方に対応する判定値数の格納先のアドレス、一般役のみに対応する判定値数の格納先アドレスをそれぞれ登録しておき、内部抽選において、取得した内部抽選用の乱数に、役別テーブルから参照された各役または役の組み合わせの判定値数を加算していき、特別役のみに対応する判定値数との加算結果がオーバーフローした場合には、特別役のみの当選を判定し、特別役及び一般役の双方に対応する判定値数との加算結果がオーバーフローした場合には、特別役及び一般役の双方の当選を判定し、一般役のみに対応する判定値数との加算結果がオーバーフローした場合には、一般役のみの当選を判定するようにすることで、特別役と一般役が同時に当選し得る構成としていたが、一般役の格納先アドレスが登録された一般役用の役別テーブルと、特別役の判定値数の格納先アドレスが登録された特別役用の役別テーブルと、を設け、内部抽選において、同一の内部抽選用の乱数について、一般役用の役別テーブルを参照する一般役の抽選と、特別役用の役別テーブルを参照する特別役の抽選と、を別個に行なうとともに、一般役用の役別テーブルに登録されているアドレス領域に格納された判定値数及び特別役用の役別テーブルに登録されているアドレス領域に格納された判定値数から、一般役、特別役がそれぞれ単独で当選する判定値の範囲と、一般役、特別役が重複して当選する判定値の範囲と、が特定できるようにすることにより、特別役と一般役が同時に当選し得る構成としてもよく、このような構成とした場合でも、ゲームの結果として一般役の入賞が発生した場合でも、一般役よりも有利度の高い特別役の当選が否定されないので、このような状況においても特別役の入賞に対する遊技者の期待感を持続させることができる。
また、本実施の形態のスロットマシン1では、設定値ワークから読み出した値が1〜6の範囲か否か、すなわち内部抽選に用いる設定値が適正な範囲の値か否かを1ゲーム毎に判定し、設定値ワークから読み出した値が1〜6の範囲の値でなければ、RAM異常エラーによるエラー状態に制御され、ゲームの進行が不能化される。本実施の形態において設定値ワークに格納される値、すなわち設定変更処理により選択可能な設定値の範囲は1〜6の値であるので、設定値ワークに格納されている値が1〜6の範囲の値でなければゲームの進行が不能化されることとなる。
さらに、設定された賭数が遊技状態に応じた賭数であるか否かを判定する処理を1ゲーム毎に実行し、設定された賭数が遊技状態に応じた賭数ではない場合にも、RAM異常エラーによるエラー状態に制御され、ゲームの進行が不能化される。本実施の形態では、遊技状態毎に対応する賭数が定められているが、その賭数とは異なる賭数でゲームが行なわれている場合には、RAM41cに格納されているデータが壊れているか、或いは不正なプログラムが作動している可能性があるので、設定された賭数が遊技状態に応じた賭数ではない場合にもゲームの進行が不能化されることとなる。
そして、一度RAM異常エラーによるエラー状態に制御されると、設定変更モードに移行させて、設定変更操作に基づいて設定値を新たに選択・設定しなければ、ゲームの進行が不能化された状態が解除されない。すなわちデータ化けや不正なプログラムの作動などにより、設定値が適正でない場合や設定された賭数が遊技状態に応じた賭数ではない場合には、スロットマシンにより自動的に設定された設定値ではなく、設定変更操作に基づいて選択・設定された設定値(一般的に、設定変更操作は遊技店の従業員により行なわれるので、遊技店側が選択した設定値である)に基づいてゲームが行なわれることが担保されるので、ゲームの公平性を図ることができる。
また、本実施の形態では、RAM41cに記憶されているデータに異常が生じた場合には、RAM異常エラーによるエラー状態に制御され、ゲームの進行が不能化されるとともに、一度RAM異常エラーによるエラー状態に制御されると、設定変更モードに移行し、設定変更操作に基づいて設定値を新たに選択・設定しなければ、ゲームの進行が不能化された状態が解除されない。すなわち、RAM41cに記憶されているデータに異常が生じても、スロットマシンにより自動的に設定された設定値ではなく、設定変更操作に基づいて選択・設定された設定値(一般的に、設定変更操作は遊技店の従業員により行なわれるので、遊技店側が選択した設定値である)に基づいてゲームが行なわれることが担保されるので、ゲームの公平性を図ることができる。
また、RAM41cに記憶されたデータに異常が生じるのは、停電時やCPU41aが暴走する等、制御に不具合が生じて制御を続行できないときがほとんどである。このため本実施の形態では、これらの状態から復旧してCPU41aが起動するときにおいてのみデータが正常か否かの判定を行なうようになっているので、RAM41cに記憶されたデータが正常か否かの判定をデータに異常が生じている可能性が高い状況においてのみ行なうことができる。すなわちデータに異常が生じている可能性の低い状況では、当該判定を行なわずに済み、CPU41aの負荷を軽減させることができる。
また、本実施の形態では、電断割込処理(メイン)においてRAM41cの全てのデータに基づくRAMパリティ、すなわち排他的論理和演算した結果が0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、格納するとともに、復旧時においてRAM41cにおける全ての領域に格納されているデータに基づいて計算したRAMパリティが0か否かを判定することで、RAM41cのデータが正常か否かを判定しているので、当該判定を正確にかつ簡便に行なうことができる。
以上、本発明の実施の形態を図面により説明してきたが、本発明はこの実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。
(1) たとえば、前記実施の形態では、画像表示装置として透明液晶表示器を用いているが、画像表示装置の画面領域を介してリールを透過可能な表示器であれば、その他の表示器であってもよく、たとえば、透明液晶表示器や自発光式の透明無機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)表示器、有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)表示器などを用いてもよい。なお、本実施の形態では、透明液晶表示器を適用しているため、透明用色彩が白色となるが、自発光式の無機EL表示器や有機EL表示器であれば透明用色彩は非発光色彩(黒)となる。
(2) また、前記実施の形態では、表示制御基板190に、表示制御用プロセッサとしてのCPU191aと、描画処理用プロセッサとしてのグラフィックコントローラ200と、がそれぞれ搭載されており、これら2つのプロセッサにより液晶表示器51の画像表示制御を行なっているが、CPU191aが表示制御用プロセッサ及び描画処理用プロセッサの双方の機能を有していてもよい。この場合には、CPU191aがCGROMに直接アクセスし、CGROMから読み出したキャラクタをVRAMに書き込み、フレーム期間毎にVRAM上のキャラクタを用いて描画領域に描画を行なうようにすればよい。
(3) また、前記実施の形態では、CPU191aのワークメモリとして用いるRAM191cとは別個に、VRAM用のSDRAM210を搭載しているが、RAM191cの記憶領域の一部にVRAM用の領域を割り当てて用いるようにしてもよい。この場合には、グラフィックコントローラ200がCGROMから読み出したキャラクタをVRAMとして割り当てられたRAM191cの記憶領域に転送し、フレーム期間毎にこのキャラクタを用いて描画領域に描画を行なうようにすればよい。また、CPU191aが演出制御用プロセッサ及び描画処理用プロセッサの双方の機能を有する場合には、CPU191aがCGROMから読み出したキャラクタをVRAMとして割り当てられたRAM191cの記憶領域に転送し、フレーム期間毎にこのキャラクタを用いて描画領域に描画を行なうようにすればよい。
(4) また、前記実施の形態では、演出の制御を行なうサブ制御部91と、液晶表示器51の表示制御を行なう表示制御部191と、が別個に設けられ、サブ制御部91が表示制御部191に対して表示制御コマンドを送信することにより液晶表示器51を間接的に制御しているが、サブ制御部91のCPU91aが液晶表示器51の表示制御、すなわち表示制御回路192の制御を直接行なうようにしてもよく、このようにすることでスロットマシンに搭載されるマイクロコンピュータの数を減らすことができるため、1台あたりのコストを軽減することができる。
(5) 前記実施の形態では、スタートスイッチ7の操作から全てのリールが停止するまでのゲーム中以外の期間であっても、連続演出及び追加演出が実行中の期間、並びにボーナス入賞から該ボーナスが終了するまでの期間では、待機コマンドを受信した場合や、選択スイッチ56や決定スイッチ57の操作が検出された場合でも、これら待機コマンドや選択スイッチの操作の検出を無視し、該当するプログラムを実行しない構成とすることで、待機演出やメニュー画面の表示を禁止していたが、これらの期間中において待機演出無効フラグや選択スイッチ56や決定スイッチ57の操作無効フラグを設定し、これらのフラグが設定されている間は、待機コマンドを受信した場合や選択スイッチ56や決定スイッチ57の操作がなされても待機演出やメニュー画面の表示が実行されないようにするといった、積極的な制御によって待機演出やメニュー画面の表示を禁止するようにしてもよい。
(6) また、前記実施の形態では、VRAM領域に必要なキャラクタが転送されていることを条件にVRAM領域に転送されたキャラクタを用いて描画を行なうグラフィックコントローラを用いており、CPU191aは、描画を命令する際に予め描画に必要なキャラクタを転送するようになっているが、CPU191aがCGROM内のキャラクタの格納領域(転送元アドレス)と、描画領域における描画位置(転送先アドレス)を指定するのみで、グラフィックコントローラが自動的に転送元アドレスのキャラクタをVRAMに割り当てられた自動転送領域に転送し、自動転送領域に転送されたキャラクタを用いて描画領域の転送先アドレスに当該キャラクタの描画を行なうようにしてもよい。
(7) ここでグラフィックコントローラの変形例について説明する。
この変形例では、CPU191aが起動時において、VRAM領域の領域として、少なくとも描画領域、事前転送するキャラクタの格納領域(固定エリア)、自動転送されたキャラクタがキャッシュされる領域(自動転送エリア)を含む複数の領域の設定をグラフィックコントローラに命令するとともに、CGROMに記憶されている複数種類のキャラクタのうちで、表示頻度が高くなるように設定されたキャラクタの、VRAMの固定エリアへの転送命令を実行する。
そして、CPU191aが、画像の描画を命令する際に、対象となる画像を描画する際に用いるキャラクタが事前転送の対象となるキャラクタであるか否かを判定し、事前転送の対象となるキャラクタであれば、CGROMのアドレスではなく、固定エリアのアドレスを転送元アドレスとして指定し、転送元アドレス及び描画位置を指定することで、グラフィックコントローラは、VRAMの固定エリアに格納されたキャラクタを用いて描画領域に描画を行なうこととなる。これにより、表示頻度が高くなるように設定されたキャラクタについては、VRAMの固定エリアにおける転送元アドレスを指定することでVRAMに事前に記憶されているキャラクタを容易に再利用することができ、CGROMから毎回読み出す必要がなくなるので、表示制御における制御負担を軽減することができる。
これに対して、CGROMに記憶されている複数種類のキャラクタのうちで、表示頻度が低くなるように設定されたキャラクタについては、CPU191aが、前転送の対象となるキャラクタでないと判定するので、CGROMのアドレスを転送元アドレスとして指定し、転送元アドレス及び描画位置を指定することで、グラフィックコントローラは、指定されたキャラクタをCGROMから自動転送エリアに転送し、この自動転送エリアに転送されたキャラクタを用いて描画領域に描画を行なうこととなる。これにより、表示頻度が低くなるように設定されたキャラクタについては、CGROMにおける転送元アドレスと、描画領域における転送先アドレスとを指定すれば、自動転送エリアにおけるアドレスを指定しなくても描画に利用することができ、アドレス管理が容易になるとともに、プログラム設計の負担を軽減することができる。
また、グラフィックコントローラは、VRAMの固定エリアまたは自動転送エリアからキャラクタを読み出す際に、転送の完了を示す転送完了フラグが設定されているか否かに応じて、読み出したキャラクタの描画領域への描画を実行するか否かの決定を行なう。これにより、CGROMからVRAMの固定エリアや自動転送エリアに転送されるキャラクタと、これらの固定エリアや自動転送エリアから読み出して描画に利用するキャラクタとを整合させることが可能になり、適切なキャラクタを用いた表示を行なうことができる。
演出モードが切り替わった場合にCPU191aは、変更後の演出モードに対応して表示頻度が高くなるように設定されたキャラクタにつき、CGROMからVRAMの固定エリアへの転送を命令することが好ましい。これにより、演出モードに対応して表示頻度が高くなるように設定されたキャラクタを変更可能となり、固定エリアを有効に利用して表示制御における制御負担をさらに軽減することができる。
(8) また、前記実施の形態では、リールの回転が開始したとき及び、リールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM41bに格納されているテーブルインデックス及びテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成しているが、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態、及びリールの停止状況(及び停止済みの停止位置)別の停止制御テーブルを予めROM41bに登録しておき、テーブルインデックスに基づいて、遊技状態のそれぞれについての内部当選状態、及びリールの停止状況に応じて必要な停止制御テーブルを特定可能とし、リールの回転が開始したとき及び、リールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、テーブルインデックスを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを設定するようにしてもよい。
(9) また、前記実施の形態では、リール1周に対して8ステップ毎(1図柄毎)に分割した21の領域(コマ)が定められており、停止制御テーブルとして、それぞれの領域(領域番号)に対応して、引込コマ数(停止位置)が定められた停止制御テーブル、すなわち1図柄が変動する範囲の領域に対応して停止位置が定められた停止制御テーブルを用いてリールの停止制御を行なっているが、たとえば、1図柄未満の領域毎、たとえば1ステップ、すなわちリールモータを駆動する際の最小単位毎に、引込ステップ数や引込コマ数(停止位置)を定めた停止制御テーブルを用いてリールの停止制御を行なってもよく、このようにすることで、リールモータのステップ数単位で停止位置を変化させることが可能となり、停止操作位置に対する停止位置をさらに多様化することができる。
(10) また、前記実施の形態では、停止操作位置に対する引込コマ数を定めた複数の停止制御テーブルのうち、各遊技状態のそれぞれの内部当選状態、リールの停止状況(及び停止済みの停止位置)に対して定められた停止制御テーブルを選択し、選択した停止制御テーブルに従ってリールの停止制御を行なっているが、停止操作位置に対する停止位置を定めた複数の停止位置特定テーブルを停止制御テーブルの替わりに用いて、停止操作が検出された際に、停止位置特定テーブルを参照し、停止操作位置に対応して特定される停止位置でリールを停止させる制御を行なうようにしてもよい。
(11) また、停止位置に対する停止優先度を定めることにより、停止操作位置(リール基準位置からのステップ数)に対して停止位置を定めた複数の停止優先テーブルを停止制御テーブルの替わりに用いて、停止操作が検出された際に、停止優先テーブルを参照し、停止操作位置から引込可能範囲(最大5コマ)内にある全ての停止位置の停止優先度を比較し、最も停止優先度の高い停止位置でリールを停止させる制御を行なうようにしてもよい。
(12) また、各遊技状態のそれぞれの内部当選状態、リールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置または停止済みのリールの停止操作位置)に対して定められた引込コマ数を選択し、停止操作が行なわれた際に、選択された引込コマ数の範囲内に対象となる停止位置が位置する場合には、当該停止位置を引き込んで停止させる引込制御を行ない、停止が禁止された停止位置を停止させないように他の停止位置を引き込んで停止させる蹴飛ばし制御(いわゆるコントロール方式の制御)を行なうようにしてもよい。
(13) また、各遊技状態のそれぞれの内部当選状態、リールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置または停止済みのリールの停止操作位置)に対して定められた制御パターンを選択し、その制御パターンに従ってリールの停止制御を行なうものであれば、停止制御テーブルによるリールの停止制御、停止優先テーブルによるリールの停止制御、引込制御及び蹴飛ばし制御によるリールの停止制御を併用して行なうものであってもよく、たとえば、最初に停止したリールのみ停止制御テーブルを用いてリールの停止制御を行ない、他のリールについては、引込制御及び蹴飛ばし制御によりリールの停止制御を行なうようにしてもよい。
(14) また、前記実施の形態では、各遊技状態のそれぞれの内部当選状態、及びリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止操作位置)に対して一意的に定められた制御パターンを選択し、その制御パターンに従ってリールの停止制御を行なっているが、内部当選状態に対して複数種類定められた制御パターンからいずれか1つの制御パターンを選択し、その選択した制御パターンに従ってリールの停止制御を行なうものであってもよい。
(15) また、前記実施の形態では、内部抽選に用いる設定値、すなわち内部抽選の当選確率を定めた設定値として1〜6の範囲の6段階の値を適用しているが、設定値はこれに限られるものではなく、少なくとも複数段階の設定値を選択して設定できるものであればよく、たとえば、高/低の2段階を選択可能な設定値や、1〜3の範囲の3段階の設定値を選択可能な設定値などを適用してもよい。さらに、RAM41cの設定値ワークには、これら設定値を示す値として1〜6の値そのものを格納しているが、設定値を特定可能な値が格納されるものであればよく、たとえば、1〜6の設定値に対応して0〜5(実際の設定値から1を減算した値)を設定値ワークに格納するようにしてもよい。
(16) また、前記実施の形態では、設定値や賭数が適正か否かの判定を1ゲーム毎に実行しているが、1ゲーム毎に行なうのではなく、所定ゲーム数毎に行なったり、特定の期間(ボーナス中を除く期間など)のゲームにおいて行なったりするようにしてもよい。
(17) また、前記実施の形態では、内部抽選処理において、設定値や賭数が適正か否かの判定を行なっているが、そのタイミングは、1ゲーム中のどのタイミングであってもよく、たとえば、ゲーム開始時やゲーム終了時に行なうものであってもよい。
(18) また、前記実施の形態では、内部抽選処理において入賞の当選を判定する際に、設定値が適正か否かの判定において適正ではないと判定された場合には、RAM異常エラー状態に制御されるようになっているが、RAM41cの設定値ワークに格納されている設定値が適正な値(1〜6の範囲の値)でない場合に、設定値の初期値(たとえば、設定値1)に基づく確率で入賞の当選を判定するようにしてもよい。
(19) また、前記実施の形態では、メダル並びにクレジットを用いて賭数を設定するスロットマシンを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、クレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。
(20) さらに、図50に示すように、流路切替ソレノイド30や投入メダルセンサ31など、メダルの投入機構に加えて、遊技球の取込を行なう球取込装置30’、球取込装置30’により取り込まれた遊技球を検出する取込球検出スイッチ31’を設けるとともに、ホッパーモータ34や払出センサ35など、メダルの払出機構に加えて、遊技球の払出を行なう球払出装置34’、球払出装置34’により払い出された遊技球を検出する払出球検出スイッチ35’を設け、メダル及び遊技球の双方を用いて賭数を設定してゲームを行なうことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダル及び遊技球が払い出されるスロットマシンに適用してもよい。
(21) 図22および図23に示されるフローチャートでは、精算操作回数フラグを用いて、精算スイッチ10の操作に応じた図16(a)に示される動作を実現可能に構成している。しかしながら、精算操作回数フラグを用いることなく、単に賭数が設定されているか否か(賭数が0か否か)、およびクレジット数が0か否かを判断することによって、賭数に基づいたメダルを排出する処理を実行するか、クレジットに基づいたメダルを排出する処理を実行するかを決定するような処理としてもよい。たとえば、精算操作回数フラグに関する図22のSd17および図23のSd30、Sd36を削除した構成としてもよい。なお、このような変形は、実施例2および実施例3を実現するための精算処理のサブルーチンを構成する場合にも同様に適用可能である。
(22) また、図16および図17を用いて、精算スイッチ10の操作に関する実施例1〜実施例6を説明したが、スロットマシン1が実施例1〜実施例6のいずれの動作を行なうかを選択するための選択スイッチを設けて、選択スイッチの選択に応じて、いずれかの動作を実行可能に構成してもよい。この場合、スロットマシン1は、実施例1〜実施例6の動作を選択的に実行可能な選択制御手段を具備する。選択制御手段は、たとえば、メイン制御部41により構成される。そして、メイン制御部41は、実施例1〜実施例6の各々に対応する制御プログラムを記憶する。なお、実施例1〜実施例6のうちのいずれをも選択可能にするのではなく、少なくともいずれか2種類を選択可能に構成すればよく、また、その場合には、いずれを選択対象として構成してもよい。
(23) 図16に示されるタイミングチャートでは、精算スイッチ10の第1回目の操作に応じた所定の動作の実行後に、第2回目の操作が検出された段階で、当該第2回目の操作に応じた所定の動作が実行される。しかしながら、精算スイッチ10の第1回目の操作に基づいた所定の動作が完了する前の第2回目の操作を検出して記憶し、第1回目の操作に基づいた所定の動作の完了後、当該記憶に基づいて第2回目の操作に基づいた所定の動作を実行する構成としてもよい。
このように構成することにより、遊技者が第1回目の操作後に間髪を入れずに第2回目の操作を行なった場合であっても、両操作に基づいた所定の動作を実行可能となる。その結果、遊技者は、第1回目の操作に基づいた所定の動作の完了を待つ必要がない。
(24) 図17に示されるタイミングチャート(実施例4〜6)では、設定されている賭数に基づいたメダルの排出あるいはクレジットへの変換の動作と、クレジットに基づいたメダルの排出動作とが連続的に行なわれる。しかしながら、前者の動作が完了してから所定の待機時間経過後に、後者の動作が実行されるようにしてもよい。または、そのようにすることに変えて、あるいはそれに加えて、前者の動作が完了した段階で、所定の報知(たとえば、報知音の出力や報知画像の表示など)を行なうようにしてもよい。
たとえば、図17(f)に示される実施例6においては、BET数表示が0に更新された後、所定の待機時間が経過してから、ホッパーモータに駆動信号が出力されるようにしてもよい。これにより、賭数がクレジットに変換されたこと、賭数を含めたクレジットが精算されていることを遊技者が認識し易くなる。あるいは、そのような制御に変えて、あるいはそのような制御に加えて、賭数が0になった時点で、1〜3BETLED14〜16を一旦点滅させる制御を行ない、賭数が0になったことを遊技者にアピールしてもよい。
(25) 精算スイッチ10の操作に関する実施例3および実施例6では、ともに、精算スイッチ10の第1回目の操作に応じて、設定されている賭数をキャンセルして当該キャンセル分の賭数をクレジットに加算するが、賭数をクレジットに加算すると、クレジット数の上限値(たとえば、50)を超えてしまう状況が発生し得る。このような場合には、次の[1]〜[3]のような制御を行なうことが考えられる。
[1] 精算スイッチ10の第1回目の操作に応じて、設定されている賭数をクレジットの上限値まで順次、クレジットへ加算し、上限値に至った段階で加算し切れなかった賭数相当のメダルを排出する。この場合、たとえば、スロットマシンは、クレジットが上限値に達していないことを判定するステップと、当該判定ステップによって上限値に達していないと判断されたときに、賭数を減算するとともに当該減算分の賭数をクレジットに加算するステップと、前記判定ステップによって上限値に達していると判断されたときに、賭数を減算更新するとともに賭数相当のメダルをホッパーから排出させる制御を行なうステップとを含む処理を実行する。なお、実施例3の場合には、クレジットに加算しきれない賭数相当のメダルを排出した後、精算スイッチ10の第2回目の操作に応じて、上限値のクレジット相当分のメダルを排出する処理を行なう。一方、実施例6の場合には、クレジットに加算しきれない賭数相当のメダルを排出した後、自動的に、上限値のクレジット相当分のメダルを排出する処理を行なう。
[2] 精算スイッチ10の第1回目の操作に応じて、設定されている賭数をクレジットの上限値まで順次、クレジットへ加算し、クレジットが上限値に至った場合でも、例外的に、クレジットへの加算を継続する。そして、実施例3の場合には、精算スイッチ10の第2回目の操作に応じて、クレジット数相当のメダルを排出する。一方、実施例6の場合には、例外的なクレジットへの加算が終了した後、自動的に、クレジット数相当のメダルを排出する。ただし、実施例3の場合、このように例外的な処理を行なうことによってクレジットが上限値を超えている状態では、賭数を設定するための賭け操作ができないようにしてもよい。この場合、たとえば、スロットマシンは、賭け操作(1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6の操作)を検出するステップと、該検出ステップによって、賭け操作が検出されたときに、クレジットが上限値を超えているか否かを判定するステップと、クレジットが上限値を超えているときには賭け操作に応じたクレジットを使用した賭数設定を行なわず、クレジットが上限値を超えていないことを条件に、当該賭数設定を行なうステップとを含む処理を実行する。あるいは、賭け操作を検出するステップと、クレジットが上限値を超えているか否かを判定するステップとを含み、該判定ステップによりクレジットが上限値を超えていると判定されたときには、賭け操作を検出するステップを実行せずにその他のステップに移行するようにしてもよい。
[3] 精算スイッチ10の第1回目の操作を検出したとき、設定されている賭数をクレジットへ加算する処理を一切行なわず、設定されている賭数相当分のメダルを排出する。第3実施例の場合には、この後、精算スイッチ10の第2回目の操作に応じて、クレジット数相当のメダルを排出する。一方、第6実施例の場合には、設定されている賭数のメダルを排出した後、自動的に、クレジット数相当のメダルを排出する。つまり、精算スイッチ10の第1回目の操作を検出したとき、設定されている賭数をクレジットへ加算すると、クレジットが上限値を超える場合、実施例3については実施例1と同様の処理を行ない、実施例6については実施例4と同様の処理を行なう。この場合、たとえば、スロットマシンは、第1回目の操作を検出したときに、設定されている賭数とクレジット数とに基づいて、賭数をクレジットに加算すると上限値を超えるか否かを判定するステップ(クレジットカウンタ値に賭数カウンタの値を加算した値とクレジット上限値とを比較)と、該判定ステップにより上限値を超えると判定されたときに、賭数相当のメダルを排出するための制御を行なうステップとを含む処理を実行する。
(26) 各実施の形態では、メダル1枚について、1クレジット、1BETの価値を有するものとして説明した。しかしながら、これらの価値の大きさの関係は、これに限られるものではなく、適宜、変更可能である。たとえば、メダル2枚を投入することによって1クレジットあるいは1BETされるようにしてもよく、メダルを1枚投入することによって複数クレジットあるいは複数BETされるようにしてもよい。また、賭数およびクレジット数の精算時には、賭数およびクレジット数と同数のメダルが排出されるものとしたが、これに限られるものではない。
(27) 点灯状態によって賭数を表示する1〜3BETLED14〜16に変えて、あるいはこれに加えて、賭数を数字で表示する賭数表示器を設けてもよい。あるいは、賭数を液晶表示器51により画像で表示してもよい。
(28) 賭数が所定値(たとえば、最大値)に達している状態で、精算スイッチ10の操作が検出されたときには、当該操作に基づいた図16および図17に示される各動作は行なわれないようにしてもよい。すなわち、賭数が所定値に達していないことを条件として、精算スイッチ10の第1回目の操作に基づいた図16および図17に示される各動作が実行されるものとしてもよい。この場合でも、クレジットについては、精算スイッチ10の操作に基づいてメダルとして返却されるようにしてもよい。
(29) 図16および図17に示した実施例1〜6について、賭数あるいはクレジットの精算動作をその途中で中止させるための操作が可能な精算中止操作手段(精算中止操作スイッチ)をスロットマシン1に設けてもよい。あるいは、この精算中止操作手段は、スロットマシン1が備える他の操作スイッチで兼用構成してもよい。たとえば、実施例1〜3について、精算スイッチ10の第2回目の操作に基づく制御の途中で、再度、精算スイッチ10を操作することによって、精算動作を中止させる。実施例4〜6についても同様に、精算スイッチ10の第1回目の操作に基づく制御の途中で、再度、精算スイッチ10を操作することによって、精算動作を中止させる。
(30) メイン制御部41が直接、ホッパーモータ34へホッパーモータ駆動信号を出力して遊技媒体(メダル、遊技球)の排出を制御してもよく、ホッパーモータ34を制御する排出(払出)制御部(CPU)を別個に設けて、メイン制御部41から排出制御部に排出コマンドを送信することにより、当該排出制御部がそのコマンドに基づいてホッパーモータ34へホッパーモータ駆動信号を出力する構成としてもよい。
(31) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 スロットマシン、2L,2C,2R リール、10 精算スイッチ、40 遊技制御基板、41 メイン制御部、90 演出制御基板、91 サブ制御部、91a CPU、91b ROM、91c RAM、190 表示制御基板、191 表示制御部、191a CPU、191b ROM、191c RAM、192 表示制御回路、200 グラフィックコントローラ。