ところで、特許文献2に開示の冷却運転と、特許文献1に開示のデフロスト運転とを切り換え可能とする冷凍装置が考えられる。具体的には、冷却運転時には、熱源側熱交換器を凝縮器としながら利用側熱交換器を蒸発器とする冷凍サイクルを行う一方、デフロスト運転では、熱源側熱交換器を蒸発器として利用側熱交換器を凝縮器とし、利用側熱交換器の除霜を行うことが考えられる。しかしながら、このようにして冷却運転からデフロスト運転へ移行すると、利用側熱交換器内では冷媒が急激に冷やされるため、この冷媒が凝縮して液冷媒となり、利用側熱交換器内に溜まってしまうことがある。その結果、利用側熱交換器では、いわゆる冷媒の寝込みが生じてしまうので、このデフロスト運転時の冷凍サイクルに用いられる冷媒の量が不足し、デフロスト不良に陥ることがある。
一方、上述した特許文献1に開示の冷凍装置には、冷媒回路で余剰となる冷媒を貯留したり、不足する冷媒を排出したりするレシーバが設けられている。しかしながら、このレシーバは、あくまで冷房/暖房運転の切換や利用側熱交換器の能力調整に伴う冷媒の循環量の変化に対応できるように、冷媒を貯留するものである。つまり、一般的にはこの種のレシーバは、上述したデフロスト運転での冷媒の寝込みに起因する冷媒量不足を充分補うだけの冷媒を貯留するように構成されていない。従って、上述したデフロスト運転時に利用側熱交換器内に多量の冷媒が寝込んでしまう場合には、レシーバ内に貯留された冷媒だけでは、デフロストに要する充分な冷媒の量を確保することができず、やはりデフロスト不良に陥ってしまう。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、デフロスト運転時の冷凍サイクルに用いられる冷媒の量を確実に確保できるようにして、デフロスト運転の高効率化を図ることである。
第1の発明は、圧縮機(41,42,43)と熱源側熱交換器(44)と利用側熱交換器(102,112)とレシーバ(45)とを有する冷媒回路(10)を備え、上記熱源側熱交換器(44)が凝縮器となり、上記利用側熱交換器(102,112)が蒸発器となる冷凍サイクルを行う冷却運転と、上記利用側熱交換器(102,112)が凝縮器となり、上記熱源側熱交換器(44)が蒸発器となる冷凍サイクルを行うデフロスト運転とが切換可能な冷凍装置を前提としている。そして、この冷凍装置は、上記冷媒回路(10)に上記デフロスト運転時の冷凍サイクルに用いられる冷媒を上記冷却運転中に貯留しておく冷媒貯留器(81)が接続されていることを特徴とするものである。
第1の発明の冷凍装置では、利用側熱交換器(102,112)で例えば冷凍庫内を冷却する冷却運転と、利用側熱交換器(102,112)の表面の霜を融かすデフロスト運転とが可能となっている。
具体的には、上記冷却運転では、圧縮機(41,42,43)で圧縮された冷媒が、熱源側熱交換器(44)で凝縮した後、膨張弁等によって減圧され、利用側熱交換器(102,112)へ送られる。利用側熱交換器(102,112)では、冷媒が空気から吸熱して蒸発する。その結果、例えば冷凍庫内の空気が冷却される。利用側熱交換器(102,112)で蒸発した冷媒は、圧縮機(41,42,43)に吸入されて再び圧縮される。
一方、上記デフロスト運転では、圧縮機(41,42,43)で圧縮された冷媒が、利用側熱交換器(102,112)へ送られる。利用側熱交換器(102,112)では、冷媒が伝熱管の表面に付着した霜に対して放熱する。その結果、利用側熱交換器(102,112)では、冷媒が凝縮する一方、伝熱管の表面の霜が徐々に融解して除霜される。利用側熱交換器(102,112)で凝縮した冷媒は、膨張弁等で減圧された後、熱源側熱交換器(44)で蒸発する。熱源側熱交換器(44)で蒸発した冷媒は、圧縮機(41,42,43)に吸入されて再び圧縮される。
ところで上述したようなデフロスト運転で利用側熱交換器(102,112)の除霜を行うと、利用側熱交換器(102,112)内には除霜に利用されて凝縮した冷媒が液冷媒として溜まり易くなる。その結果、デフロスト運転時の冷凍サイクルに用いられる冷媒の量が不足してしまい、利用側熱交換器(102,112)の除霜を効率良く行うことが困難となる。
そこで、本発明では、デフロスト運転時の冷凍サイクルに用いられる冷媒を冷却運転時に貯留するための冷媒貯留器(81)を冷媒回路(10)に設けている。このため、デフロスト運転時の冷凍サイクルに伴い利用側熱交換器(102,112)内に冷媒が寝込んでいくと、冷媒貯留器(81)からは寝込んだ冷媒の量に相当する冷媒が冷媒回路(10)へ適宜補充されることになる。その結果、利用側熱交換器(102,112)へ送られる冷媒が不足してしまうことが未然に回避されるので、デフロストに要する冷媒の量が充分に確保されることになる。
第2の発明は、第1の発明の冷凍装置において、上記冷媒貯留器(81)は、冷却運転時における熱源側熱交換器(44)の流出側に接続されると共に室外に設置されていることを特徴とするものである。
第2の発明の冷却運転では、圧縮機(41,42,43)で圧縮されて熱源側熱交換器(44)で凝縮した冷媒が、冷媒貯留器(81)内へ流入する。ここで、冷媒貯留器(81)の周囲は室外空気雰囲気となっている。また、冷媒貯留器(81)内には比較的多量の冷媒が溜まった状態となっている。このため、冷媒貯留器(81)内の冷媒は室外空気へ放熱することになる。その結果、冷媒貯留器(81)から流出して利用側熱交換器(102,112)へ供給される冷媒のエンタルピが低下するため、利用側熱交換器(102,112)の冷却能力が向上する。
第3の発明は、第2の発明の冷凍装置において、上記冷媒貯留器(81)を収納すると共に、複数の空気流通孔(12b,12c)が開口する冷媒貯留器側ケーシング(12a)を備えていることを特徴とするものである。
第3の発明では、冷媒貯留器(81)が冷媒貯留器側ケーシング(12a)に収納される。このため、冷媒貯留器(81)が冷媒貯留器側ケーシング(12a)によって保護される。また、冷媒貯留器側ケーシング(12a)には、複数の空気流通孔(12b,12c)が形成されている。このため、冷媒貯留器(81)の周囲が室外空気雰囲気となる。冷却運転時に冷媒貯留器(81)から室外空気へ放熱すると、この熱は空気流通孔(12b,12c)を通じて冷媒貯留器側ケーシング(12a)の外側に放出される。
第4の発明は、第2の発明の冷凍装置において、上記冷却運転時に上記冷媒貯留器(81)の周囲に室外空気を流通させる送風手段(60,95)を備えていることを特徴とするものである。
第4の発明では、送風手段(60,95)によって搬送される室外空気が、冷媒貯留器(81)の周囲を流通する。その結果、冷媒貯留器(81)内の冷媒の放熱量が増大し、この冷媒の過冷却度が増大する。従って、利用側熱交換器(102,112)に冷却能力が更に向上する。
第5の発明は、第4の発明の冷凍装置において、上記送風手段は、熱源側熱交換器(44)へ室外空気を送風すると共に上記冷媒貯留器(81)の周囲に室外空気を流通させる室外ファン(60)で構成されていることを特徴とするものである。
第5の発明では、冷媒貯留器(81)の周囲に室外空気を流通させるための送風手段として、室外ファン(60)が用いられる。この室外ファン(60)は、冷却運転時において熱源側熱交換器(44)へ室外空気を送風する。その結果、熱源側熱交換器(44)では、冷媒が室外空気へ放熱して凝縮する。更に、室外ファン(60)は、冷媒貯留器(81)の周囲に室外空気を流通させる気流を形成する。その結果、冷媒貯留器(81)では、冷媒が室外空気へ放熱して冷却される。以上のように、本発明では、熱源側熱交換器(44)での冷媒の凝縮と、冷媒貯留器(81)での冷媒の冷却との双方に、室外ファン(60)を利用するようにしている。
第6の発明は、第2の発明の冷凍装置において、上記圧縮機(41,42,43)及び熱源側熱交換器(44)を収納する熱源側ケーシング(11a)を備え、上記冷媒貯留器(81)は、上記熱源側ケーシング(11a)の外側に配置されていることを特徴とするものである。
第6の発明では、圧縮機(41,42,43)及び熱源側熱交換器(44)が熱源側ケーシング(11a)に収納される。一方、冷媒貯留器(81)は、熱源側ケーシング(11a)の外側に配置され、圧縮機(41,42,43)や熱源側熱交換器(44)と区画されている。このため、駆動された圧縮機(41,42,43)から発生する熱や、熱源側熱交換器(44)から放出される凝縮熱等が、冷媒貯留器(81)に伝わってしまうのが回避される。従って、冷却運転時において冷媒貯留器(81)内の冷媒が加熱されることに伴い、利用側熱交換器(102,112)の冷却能力が低下してしまうことが防止される。
第7の発明は、第6の発明の冷凍装置において、上記熱源側ケーシング(11a)には、その側面に吸込口(11b)が形成され、その上面に吹出口(11c)が形成されると共に、室外空気を上記吸込口(11b)から吸い込んで上記熱源側熱交換器(44)を通じて吹出口(11c)から吹き出すための室外ファン(60)が収納されており、上記冷媒貯留器(81)は、上記熱源側ケーシング(11a)の吸込口(11b)に隣り合うように配置されていることを特徴とするものである。
第7の発明では、熱源側ケーシング(11a)に収納された室外ファン(60)が駆動されることで、熱源側ケーシング(11a)の側方より室外空気が吸込口(11b)に導入される。この室外空気は、熱源側熱交換器(44)を通過した後、吹出口(11c)から熱源側ケーシング(11a)の上方へ吹き出される。ここで、本発明では、冷媒貯留器(81)が吸込口(11b)に隣り合うように配置されている。このため、室外空気が吸込口(11b)に吸い込まれる際には、冷媒貯留器(81)の周囲に気流が発生することになる。従って、冷却運転時において、冷媒貯留器(81)内の液冷媒から室外空気への放熱量が増大し、この液冷媒の過冷却度が増大する。
また、本発明では、熱源側熱交換器(44)を通過する際に昇温された空気が、熱源側ケーシング(11a)の上方に吹き出される。従って、このようにして昇温された空気が冷媒貯留器(81)の周囲を流れることがないので、冷媒貯留器(81)内の冷媒が加熱されてしまうことが防止される。
第8の発明は、第2の発明の冷凍装置において、過冷却用圧縮機(92)と過冷却用熱源側熱交換器(93)と過冷却熱交換器(91)とを有して冷凍サイクルを行う過冷却用冷媒回路(90b)を備え、上記過冷却熱交換器(91)は、上記冷却運転中に上記冷媒回路(10)の冷媒貯留器(81)を流出した冷媒と、上記過冷却用冷媒回路(90b)側の低圧ガス冷媒とを熱交換させるように構成されていることを特徴とするものである。
第8の発明の冷凍装置には、過冷却用冷媒回路(90b)が設けられる。過冷却用冷媒回路(90b)は、過冷却熱交換器(91)を介して冷媒回路(10)と接続される。過冷却用冷媒回路(90b)では、蒸気圧縮式の冷凍サイクルが行われる。具体的には、過冷却用圧縮機(92)で圧縮された冷媒は、過冷却用熱源側熱交換器(93)で凝縮し、膨張弁等で減圧されて低圧ガス冷媒となり、その後に過冷却熱交換器(91)へ送られる。冷却運転時の過冷却熱交換器(91)では、この低圧ガス冷媒と、冷媒回路(10)側の冷媒貯留器(81)を流出した冷媒とが熱交換する。その結果、低圧ガス冷媒は、冷媒回路(10)側の冷媒から吸熱して蒸発する一方、冷媒回路(10)側の冷媒は冷却される。従って、冷媒回路(10)側の冷媒の過冷却度が更に増大するので、利用側熱交換器(102,112)の冷却能力も更に向上する。
また、仮に過冷却熱交換器(91)において、冷媒貯留器(81)の流入側の冷媒と低圧ガス冷媒とを熱交換させるようにすると、過冷却熱交換器(91)で冷却された後の冷媒が冷媒貯留器(81)に溜まることになる。このような場合には、冷媒貯留器(81)内の冷媒が室外空気よりも低温となり、室外空気から冷媒貯留器(81)内の冷媒へ熱が付与されてしまう可能性がある。その結果、その後に利用側熱交換器(102,112)へ送られる冷媒の過冷却度が小さくなってしまい、利用側熱交換器(102,112)の冷却能力も低下してしまう。これに対し、本発明では、冷媒貯留器(81)を流出した冷媒を過冷却熱交換器(91)で冷却するようにしているので、上述のような理由により、冷媒の過冷却度が小さくなってしまうことがない。
第9の発明は、第8の発明の冷凍装置において、上記過冷却用圧縮機(92)及び過冷却用熱源側熱交換器(93)を収納する過冷却側ケーシング(13a)を備え、上記冷媒貯留器(81)は、上記過冷却側ケーシング(13a)の外側に配置されていることを特徴とするものである。
第9の発明では、過冷却用圧縮機(92)及び過冷却用熱源側熱交換器(93)が過冷却側ケーシング(13a)に収納される。一方、冷媒貯留器(81)は、過冷却側ケーシング(13a)の外側に配置され、過冷却用圧縮機(92)や過冷却用熱源側熱交換器(93)と区画されている。このため、駆動された過冷却用圧縮機(92)から発生する熱や、過冷却用熱源側熱交換器(93)から放出される凝縮熱が、冷媒貯留器(81)に伝わってしまうのが回避される。従って、冷却運転時において冷媒貯留器(81)内の冷媒が加熱されることに伴い、利用側熱交換器(102,112)の冷却能力が低下してしまうことが防止される。
第10の発明は、第9の発明の冷凍装置において、上記過冷却側ケーシング(13a)には、その側方に吸込口(13b)が形成され、その上面に吹出口(13c)が形成されると共に、室外空気を上記吸込口(13b)から吸い込んで上記過冷却用熱源側熱交換器(93)を通じて吹出口(13c)から吹き出すための過冷却用室外ファン(95)が収納されており、上記冷媒貯留器(81)は、上記過冷却側ケーシング(13a)の吸込口(13b)に隣り合うように配置されていることを特徴とするものである。
第10の発明では、過冷却側ケーシング(13a)に収納された過冷却用室外ファン(95)が駆動されることで、過冷却側ケーシング(13a)の側方より室外空気が吸込口(13b)に導入される。この室外空気は、過冷却用熱源側熱交換器(93)を通過した後、吹出口(13c)から過冷却側ケーシング(13a)の上方へ吹き出される。ここで、本発明では、冷媒貯留器(81)が吸込口(13b)に隣り合うように配置されている。このため、室外空気が吸込口(13b)に吸い込まれる際には、冷媒貯留器(81)の周囲に気流が発生することになる。従って、冷却運転時において、冷媒貯留器(81)内の冷媒から室外空気への放熱量が増大し、この冷媒の過冷却度が増大する。
また、本発明では、過冷却用熱源側熱交換器(93)を通過する際に昇温された空気が、過冷却側ケーシング(13a)の上方に吹き出される。従って、このようにして昇温された空気が冷媒貯留器(81)の周囲を流れることがないので、冷媒貯留器(81)内の冷媒が加熱されてしまうことが防止される。
本発明では、デフロスト運転時の冷凍サイクルに用いられる冷媒を貯留するための冷媒貯留器(81)を冷媒回路(10)に設けるようにしている。このため、本発明によれば、デフロスト運転時に利用側熱交換器(102,112)で冷媒の寝込みが生じても、この冷媒の寝込み量に相当する冷媒を冷媒貯留器(81)から冷媒回路(10)へ適宜補充することができる。従って、利用側熱交換器(102,112)を除霜するための冷媒を確実に確保することができ、デフロスト不良に陥ってしまうことを未然に回避することができる。
第2の発明では、冷媒貯留器(81)を室外に設置すると共に、冷却運転中の熱源側熱交換器(44)の流出側に設けるようにしている。このため、本発明によれば、冷却運転時に熱源側熱交換器(44)で凝縮した冷媒を冷媒貯留器(81)内に貯め込むと共に、この冷媒を室外空気によって冷却することができる。従って、利用側熱交換器(102,112)へ送られる冷媒の過冷却度が増大するので、この冷凍装置の冷却能力を向上させることができる。
第3の発明では、冷媒貯留器(81)を冷媒貯留器側ケーシング(12a)内に収納するようにしたので、冷媒貯留器(81)の劣化や汚れの付着を防止できる。ここで、冷媒貯留器側ケーシング(12a)には、複数の空気流通孔(12b,12c)を形成するようにしたので、冷媒貯留器(81)内の冷媒の放熱効果が低下してしまうこともない。
第4の発明では、送風手段(60,95)が搬送する室外空気を冷媒貯留器(81)の周囲に流通させるようにしている。このため、本発明によれば、冷媒貯留器(81)内の冷媒を効果的に冷却することができ、冷凍装置の冷却能力を更に向上させることができる。
第5の発明では、室外ファン(60)が搬送する室外空気を、熱源側熱交換器(44)における冷媒の凝縮と、冷媒貯留器(81)の放熱との双方に利用するようにしている。従って、ファン動力及び部品点数の削減を図ることができる。
第6の発明では、圧縮機(41,42,43)や熱源側熱交換器(44)が収納される熱源側ケーシング(11a)の外側に冷媒貯留器(81)を設けるようにしている。このため、本発明によれば、圧縮機(41,42,43)や熱源側熱交換器(44)から発する熱が冷媒貯留器(81)に伝導してしまうことを防止できるので、冷媒貯留器(81)内の冷媒の放熱効果が低下してしまうことも未然に回避できる。
第7の発明では、熱源側ケーシング(11a)の吸込口(11b)に隣り合うように冷媒貯留器(81)を配置するようにしている。このため、本発明によれば、室外ファン(60)の運転に伴い熱源側ケーシング(11a)内へ導入される吸込空気を利用して、冷媒貯留器(81)内の冷媒を冷却することができる。
第8の発明では、冷媒貯留器(81)を流出した冷媒を過冷却熱交換器(91)で冷却するようにしている。このため、本発明によれば、利用側熱交換器(102,112)へ送られる冷媒の過冷却度を更に増大させることができ、冷凍装置の冷却能力を更に向上させることができる。
第9の発明では、過冷却用圧縮機(92)や過冷却用熱源側熱交換器(93)が収納される過冷却側ケーシング(13a)の外側に冷媒貯留器(81)を設けるようにしている。このため、本発明によれば、過冷却用圧縮機(92)や過冷却用熱源側熱交換器(93)から発する熱が冷媒貯留器(81)に伝導してしまうことを防止できるので、冷媒貯留器(81)内の冷媒の放熱効果が低下してしまうことも未然に回避できる。
第10の発明では、過冷却側ケーシング(13a)の吸込口(13b)に隣り合うように冷媒貯留器(81)を配置するようにしている。このため、本発明によれば、過冷却用室外ファン(95)の運転に伴い過冷却側ケーシング(13a)内へ導入される吸込空気を利用して、冷媒貯留器(81)内の冷媒を冷却することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本実施形態の冷凍装置(5)は、コンビニエンスストア等に設置されて、冷凍庫内の冷却を行うものである。まず、冷凍装置(5)の全体構成について、図1を参照しながら説明する。
本実施形態の冷凍装置(5)は、室外ユニット(11)、拡張ユニット(12)、過冷却ユニット(13)、冷凍ショーケース(14)、第1ブースタユニット(15)、及び第2ブースタユニット(16)を備えている。上記室外ユニット(11)、拡張ユニット(12)、及び過冷却ユニット(13)は、屋外に設置されている。一方、残りのユニット(14,15,16)は、何れもコンビニエンスストア等の店内に設置されている。
室外ユニット(11)には室外回路(40)が、拡張ユニット(12)には拡張回路(80)が、過冷却ユニット(13)には過冷却回路(90a)及び過冷却用冷媒回路(90b)がそれぞれ設けられている。室外回路(40)と拡張回路(80)と過冷却回路(90a)とは、直列に接続されて熱源側回路を構成している。冷凍ショーケース(14)には第1冷凍回路(100)及び第2冷凍回路(110)が、第1ブースタユニット(15)には第1ブースタ回路(120)が、第2ブースタユニット(16)には第2ブースタ回路(160)がそれぞれ設けられている。第1冷凍回路(100)と第1ブースタ回路(120)とは、直列に接続されて第1利用側回路を構成している。第2冷凍回路(110)と第2ブースタ回路(160)とは、直列に接続されて第2利用側回路を構成している。
この冷凍装置(5)では、熱源側回路(40,80,90)に第1利用側回路(100,120)と第2利用側回路(110,160)とが並列に接続されることで、冷媒回路(10)が構成されている。冷媒回路(10)及び上記過冷却用冷媒回路(90b)とでは、冷媒が循環することで蒸気圧縮式の冷凍サイクルがそれぞれ可能となっている。
室外回路(40)の端部には、第1閉鎖弁(21)と第2閉鎖弁(22)とが設けられている。第2閉鎖弁(22)は、第1連絡配管(31)を介して上記拡張回路(80)の一端と接続している。拡張回路(80)の他端は、第2連絡配管(32)を介して上記過冷却回路(90a)の一端と接続している。過冷却回路(90a)の他端は、第3連絡配管(33)を介して上記第1冷凍回路(100)及び第2冷凍回路(110)の一端と接続している。第1冷凍回路(100)の他端は、第4連絡配管(34)を介して第1ブースタ回路(120)の一端と接続し、第2冷凍回路(110)の他端は、第5連絡配管(35)を介して第2ブースタ回路(160)の一端と接続している。第1ブースタ回路(120)の他端には第3閉鎖弁(23)が、第2ブースタ回路(160)の他端には第4閉鎖弁(24)がそれぞれ設けられている。第3閉鎖弁(23)及び第4閉鎖弁(24)は、第6連絡配管(36)を介して上記第1閉鎖弁(21)と接続している。
《室外ユニット》
室外ユニット(11)の室外回路(40)には、第1高段側圧縮機(41)、第2高段側圧縮機(42)、第3高段側圧縮機(43)、室外熱交換器(44)、レシーバ(45)、内部熱交換器(46)、室外膨張弁(47)、及び四路切換弁(48)が設けられている。
上記各高段側圧縮機(41,42,43)は、何れも全密閉型で高圧ドーム型のスクロール圧縮機で構成されている。第1高段側圧縮機(41)は、インバータを介して電力が供給される可変容量型の圧縮機を構成している。つまり、第1高段側圧縮機(41)は、インバータの出力周波数を変化させて圧縮機モータの回転速度を変更することにより、その容量が変更可能となっている。第2高段側圧縮機(42)及び第3高段側圧縮機(43)は、固定容量型の圧縮機を構成している。つまり、第2高段側圧縮機(42)及び第3高段側圧縮機(43)は、圧縮機モータが常に一定の回転速度で運転されるものであって、その容量が変更不能となっている。
第1高段側圧縮機(41)の吐出側には第1吐出管(51)の一端が、第2高段側圧縮機(42)の吐出側には第2吐出管(52)の一端が、第3高段側圧縮機(43)の吐出側には第3吐出管(53)の一端がそれぞれ接続している。これらの吐出管(51,52,53)の他端は、高段側吐出管(54)を介して上記四路切換弁(48)と接続している。また、第1高段側圧縮機(41)の吸入側には第1吸入管(55)が、第2高段側圧縮機(42)の吸入側には第2吸入管(56)が、第3高段側圧縮機(43)の吸入側には第3吸入管(57)がそれぞれ接続している。これらの吸入管(55,56,57)の他端は、高段側吸入管(58)を介して上記四路切換弁(48)と接続している。
高段側吐出管(54)には、高段側油分離器(59)が設けられている。高段側油分離器(59)には、その底部に高段側油戻し管(59a)の一端が接続されている。高段側油戻し管(59a)の他端は、高段側吸入管(58)に接続されている。また、高段側油戻し管(59a)には、開閉自在な第1電磁弁(SV1)が設けられている。高段側油分離器(59)では、各高段側圧縮機(41,42,43)の吐出冷媒中から油(冷凍機油)が分離される。高段側油分離器(59)で分離された油は、第1電磁弁(SV1)が開放された状態の高段側油戻し管(59a)を経由して、各高段側圧縮機(41,42,43)に吸入される。
上記室外熱交換器(44)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器であって、熱源側熱交換器を構成している。室外熱交換器(44)の近傍には、室外ファン(60)が設けられている。この室外熱交換器(44)では、上記室外ファン(60)が送風する室外空気と冷媒との間で熱交換が行われる。室外熱交換器(44)は、その一端が四路切換弁(48)に接続され、その他端が第1液管(61)を介して上記レシーバ(45)の頂部に接続されている。
上記レシーバ(45)は、冷媒回路(10)で余剰となる冷媒を容器内に貯留するものである。レシーバ(45)は、約10L(リットル)程度の内部容積を有している。レシーバ(45)には、その頂部に上記第1液管(61)が接続され、その底部に第2液管(62)が接続されている。
上記内部熱交換器(46)は、第1伝熱管(46a)と第2伝熱管(46b)とを有し、各伝熱管(46a,46b)を流れる冷媒同士を熱交換させるものである。この内部熱交換器(46)は、例えばプレート熱交換器で構成されている。
第1伝熱管(46a)は、その一端が上記第2液管(62)に接続され、その他端が第3液管(63)を介して上記第2閉鎖弁(22)に接続されている。第3液管(63)の途中には、第1分岐管(64)及び第2分岐管(65)の一端がそれぞれ接続されている。第1分岐管(64)及び第2分岐管(65)の他端は、それぞれ第1液管(61)の途中に接続されている。第1分岐管(64)には、上記室外膨張弁(47)が設けられている。室外膨張弁(47)は、開度が調節可能な電子膨張弁であって、熱源側膨張弁を構成している。また、第1分岐管(64)の途中には、第1インジェクション管(66)の一端が接続されている。第1インジェクション管(66)の他端は、高段側吸入管(58)に接続されている。第1インジェクション管(66)には、電動弁である第1電動弁(66a)が設けられている。
第2伝熱管(46b)は、その一端が第2インジェクション管(67)を介して上記第1分岐管(64)の途中に接続され、その他端が高段側吸入管(58)に接続されている。第2インジェクション管(67)には、電動弁である第2電動弁(67a)が設けられている。
上記四路切換弁(48)は、第1から第4までのポートを備えている。四路切換弁(48)では、第1のポートが高段側吐出管(54)に、第2のポートが室外熱交換器(44)に、第3のポートが高段側吸入管(58)に、第4のポートが第1閉鎖弁(21)にそれぞれ接続されている。この四路切換弁(48)は、第1のポートと第2のポートが互いに連通して第3のポートと第4のポートが互いに連通する第1状態(図1に実線で示す状態)と、第1のポートと第4のポートが互いに連通して第2のポートと第3ポートが互いに連通する第2状態(図1に破線で示す状態)とに切り換え可能となっている。
室外回路(40)には、各種のセンサが設けられている。具体的には、上記第1吐出管(51)には第1吐出温度センサ(71)が、第2吐出管(52)には第2吐出温度センサ(72)が、第3吐出管(53)には第3吐出温度センサ(73)がそれぞれ設けられている。各吐出温度センサ(71,72,73)は、各高段側圧縮機(41,42,43)の吐出冷媒の温度をそれぞれ検出する。また、高段側吐出管(54)には高段側高圧圧力センサ(74)が、高段側吸入管(58)には高段側低圧圧力センサ(75)がそれぞれ設けられている。高段側高圧圧力センサ(74)は、室外回路(40)の高圧側の冷媒の圧力を、高段側低圧圧力センサ(75)は、室外回路(40)の低圧側の冷媒の圧力をそれぞれ検出する。また、室外ファン(60)の近傍には、室外温度センサ(76)が設けられている。室外温度センサ(76)は、室外熱交換器(44)の周囲の室外空気の温度を検出する。
室外回路(40)には、複数の逆止弁が設けられている。具体的には、第1吐出管(51)には第1逆止弁(CV1)が、第2吐出管(52)には第2逆止弁(CV2)が、第3吐出管(53)には第3逆止弁(CV3)がそれぞれ設けられている。また、第1液管(61)には第4逆止弁(CV4)が、第3液管(63)には第5逆止弁(CV5)が、第2分岐管(65)には第6逆止弁(CV6)がそれぞれ設けられている。なお、これらの逆止弁及びその後に説明する逆止弁は、図1に付した矢印の指す方向のみの冷媒の流通を許容し、その逆方向への冷媒の流れを禁止している。
室外回路(40)には、上述した第1閉鎖弁(21)及び第2閉鎖弁(22)以外にも複数の閉鎖弁が設けられている。具体的には、第1液管(61)には第5閉鎖弁(25)が、第2液管(62)には第6閉鎖弁(26)が、第1分岐管(64)には第7閉鎖弁(27)がそれぞれ設けられている。
《拡張ユニット》
拡張ユニット(12)の拡張回路(80)には、冷媒貯留器(81)が設けられている。この冷媒貯留器(81)は、円筒密閉状の縦長の容器を構成しており、その内部に冷媒が貯留可能に構成されている。具体的には、冷媒貯留器(81)は、約10L〜15L程度の内部容積を有している。この冷媒貯留器(81)は、デフロスト運転時の冷凍サイクルを用いられる冷媒を冷却運転時に貯留するものである。これらデフロスト運転及び冷却運転の詳細は後述するものとする。
冷媒貯留器(81)には、その底部寄りの周面に第4液管(82)及び第5液管(83)の一端が接続されている。第4液管(82)の他端は第1連絡配管(31)と接続し、第5液管(83)の他端は第2連絡配管(32)と接続している。また、拡張回路(80)には、第5液管(84)に第8閉鎖弁(28)が設けられている。冷媒貯留器(81)は、この第8閉鎖弁(28)を通じて冷媒が充填可能となっている。
《過冷却ユニット》
過冷却ユニット(13)では、過冷却回路(90a)と過冷却用冷媒回路(90b)とが過冷却熱交換器(91)を介して互いに接続されている。過冷却熱交換器(91)には、過冷却回路(90a)側に高圧側伝熱管(91a)が設けられ、過冷却用冷媒回路(90b)側に低圧側伝熱管(91b)が設けられている。過冷却熱交換器(91)は、各伝熱管(91a,91b)をそれぞれ流れる冷媒を互いに熱交換させるように構成されている。この過冷却熱交換器(91)は、例えばプレート熱交換器で構成されている。
過冷却用冷媒回路(90b)には、低圧側伝熱管(91b)の流出側から順に、過冷却用圧縮機(92)、過冷却用室外熱交換器(93)、及び過冷却用膨張弁(94)が接続されている。
過冷却用圧縮機(92)は、可変容量型の圧縮機を構成している。過冷却用室外熱交換器(93)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器であり、過冷却用熱源側熱交換器を構成している。過冷却用室外熱交換器(93)の近傍には、過冷却用室外ファン(95)が設けられている。過冷却用室外熱交換器(93)では、過冷却用室外ファン(95)が送風する室外空気と冷媒との間で熱交換が行われる。過冷却用膨張弁(94)は、開度が調節可能な電子膨張弁で構成されている。
また、過冷却用冷媒回路(90b)には、過冷却用圧縮機(92)の吸入管に過冷却側低圧圧力センサ(96)が設けられている。過冷却側低圧圧力センサ(96)は、過冷却用冷媒回路(90b)の低圧側の冷媒の圧力を検出する。また、過冷却用室外ファン(95)の近傍には、過冷却側室外温度センサ(97)が設けられている。過冷却側室外温度センサ(97)は、過冷却用室外熱交換器(93)の周囲の室外空気の温度を検出する。
《冷凍ショーケース》
冷凍ショーケース(14)では、第1冷凍回路(100)と第2冷凍回路(110)とが第3連絡配管(33)から分岐して並列に設けられている。第1冷凍回路(100)には第1室内膨張弁(101)及び第1冷却熱交換器(102)が設けられ、第2冷凍回路(110)には第2室内膨張弁(111)及び第2冷却熱交換器(112)が設けられている。各室内膨張弁(101,111)は、開度が調節可能な電子膨張弁であって、利用側膨張弁を構成している。
上記各冷却熱交換器(102,112)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器であって、利用側熱交換器をそれぞれ構成している。第1冷却熱交換器(102)と第2冷却熱交換器(112)とは、同一の庫内に配置されている。また、各冷却熱交換器(102,112)は、図2に示すように、各々の伝熱管が同じフィン(102a)を貫通するように近接して配置されている。つまり、各冷却熱交換器(102,112)は、同一のフィン(102a)を互いに共用している。また、各冷却熱交換器(102,112)の伝熱管は、互いに接触していても良いし、所定の間隔を介して配列されていても良い。なお、図1では、便宜上、各冷却熱交換器(102,112)を互いに離して図示している。各冷却熱交換器(102,112)の近傍には、庫内ファン(103)が設けられている。各冷却熱交換器(102,112)では、庫内ファン(103)が送風する庫内空気と、各々の冷媒との間でそれぞれ熱交換が行われる。
また、冷凍ショーケース(14)では、両冷却熱交換器(102,112)の下側にドレンパン(104)が設置されている。ドレンパン(104)は、各冷却熱交換器(102,112)の表面から落下する霜や結露水を回収する開放型の容器を構成している。ドレンパン(104)の内部には、第3連絡配管(33)の一部をなす加熱配管部(33a)が設けられている。加熱配管部(33a)は、ドレンパン(104)の底板に沿うように形成されている。この加熱配管部(33a)は、その内部を流れる冷媒の熱を利用して、ドレンパン(104)に回収された霜や氷塊を融解させるものである。なお、図1では、便宜上、上記庫内ファン(103)とドレンパン(104)と加熱配管部(33a)とを、第1冷却熱交換器(102)寄りに図示している。
また、第1冷凍回路(100)には、第1冷媒温度センサ(105)と第2冷媒温度センサ(106)とが設けられている。第1冷媒温度センサ(105)は、冷却運転中の第1冷却熱交換器(102)の流入側に設けられ、第2冷媒温度センサ(106)は、冷却運転中の第1冷却熱交換器(102)の流出側に設けられている。第2冷凍回路(110)には、第3冷媒温度センサ(115)と第4冷媒温度センサ(116)とが設けられている。第3冷媒温度センサ(115)は、冷却運転中の第2冷却熱交換器(112)の流入側に設けられ、第4冷媒温度センサ(116)は、冷却運転中の第2冷却熱交換器(112)の流出側に設けられている。各温度センサ(105,106,115,116)は、対応する箇所を流れる冷媒の温度をそれぞれ検出する。更に、庫内ファン(103)の近傍には、庫内温度センサ(107)が設けられている。庫内温度センサ(107)は、冷凍ショーケース(14)内の庫内空気の温度を検出する。
《第1ブースタユニット》
上記第1ブースタユニット(15)の第1ブースタ回路(120)には、第1低段側圧縮機(121)、第2低段側圧縮機(122)、及び第3低段側圧縮機(123)が設けられている。上記各低段側圧縮機(121,122,123)は、何れも全密閉型で高圧ドーム型のスクロール圧縮機で構成されている。第1低段側圧縮機(121)は、インバータを介して電力が供給される可変容量型の圧縮機を構成している。つまり、第1低段側圧縮機(121)は、インバータの出力周波数を変化させて圧縮機モータの回転速度を変更することにより、その容量が変更可能となっている。第2低段側圧縮機(122)及び第3低段側圧縮機(123)は、固定容量型の圧縮機を構成している。つまり、第2及び第3低段側圧縮機(122,123)は、圧縮機モータが常に一定の回転速度で運転されるものであって、その容量が変更不能となっている。
第1低段側圧縮機(121)の吐出側には第4吐出管(131)の一端が、第2低段側圧縮機(122)の吐出側には第5吐出管(132)の一端が、第3低段側圧縮機(123)の吐出側には第6吐出管(133)の一端がそれぞれ接続している。これらの吐出管(131,132,133)の他端は、第1低段側吐出管(134)を介して第3閉鎖弁(23)と接続している。また、第1低段側圧縮機(121)の吸入側には第4吸入管(135)が、第2低段側圧縮機(122)の吸入側には第5吸入管(136)が、第3低段側圧縮機(123)の吸入側には第6吸入管(137)がそれぞれ接続している。これらの吸入管(135,136,137)の他端は、第1低段側吸入管(138)を介して上記第4連絡配管(34)と接続している。
第1低段側吐出管(134)には、第1低段側油分離器(124)が設けられている。第1低段側油分離器(124)には、円筒密閉状に形成されており、その底部に第1低段側油戻し管(124a)の一端が接続されている。第1低段側油戻し管(124a)の他端は、第1低段側吸入管(138)に接続されている。また、第1低段側油戻し管(124a)には、第2電磁弁(SV2)が設けられている。第1低段側油分離器(124)では、第1から第3までの各低段側圧縮機(121,122,123)の吐出冷媒中の油(冷凍機油)が分離される。第1低段側油分離器(124)で分離された油は、第2電磁弁(SV2)が開放された状態の低段側油戻し管(124a)を経由して、各低段側圧縮機(121,122,123)に吸入される。
第1ブースタ回路(120)の各低段側圧縮機(121,122,123)には、それぞれ第1から第3までの油排出管(141,142,143)が接続されている。各油排出管(141,142,143)は、その一端が各低段側圧縮機(121,122,123)のケーシング内の油溜まりにそれぞれ開口しており、その他端は第1低段側吐出管(134)にそれぞれ接続している。第1から第3までの油排出管(141,142,143)には、それぞれ第3電磁弁(SV3)、第4電磁弁(SV4)、及び第5電磁弁(SV5)が設けられている。各油排出管(141,142,143)では、各電磁弁(SV3,SV4,SV5)が開放状態となることで、各低段側圧縮機(121,122,123)に溜まった余剰の油が、室外回路(40)の各高段側圧縮機(41,42,43)側へ送られる。
室外回路(40)には、第1逃がし管(144)、第1バイパス管(145)、第1吸入側インジェクション管(146)、及び第1吐出側インジェクション管(147)が設けられている。
第1逃がし管(144)は、後述する冷却運転時に各低段側圧縮機(121,122,123)が故障等により休止した場合に、各低段側圧縮機(121,122,123)の吸入側の冷媒を室外回路(40)の各高段側圧縮機(41,42,43)側へ送るものである。第1逃がし管(144)は、その一端が各低段側圧縮機(121,122,123)の吸入側と接続し、その他端が第1低段側油分離器(124)と第3閉鎖弁(23)との間に接続している。
第1バイパス管(145)は、冷媒が各低段側圧縮機(121,122,123)をバイパス可能とするものである。第1バイパス管(145)は、各低段側圧縮機(121,122,123)の吸入側と吐出側とを繋いでいる。具体的には、第1バイパス管(145)の一端は、第1低段側吸入管(138)に接続されている。一方、図3に示すように、第1バイパス管(145)の他端は、第1低段側油分離器(124)の底部と繋がるように、上記第1低段側油戻し管(124a)に接続されている。第1バイパス管(145)には、第6電磁弁(SV6)が設けられている。
第1吸入側インジェクション管(146)は、各低段側圧縮機(121,122,123)の吸入側へ液冷媒を送るものである。冷却運転中には、液冷媒が各低段側圧縮機(121,122,123)に適宜吸入されることで、各低段側圧縮機(121,122,123)の吐出冷媒の温度が調節される。第1吸入側インジェクション管(146)は、その一端が第3連絡配管(33)に接続し、その他端は第1低段側吸入管(138)に接続している。第1吸入側インジェクション管(146)には、開度が調節可能な第3電動弁(146a)が設けられている。
第1吐出側インジェクション管(147)は、各低段側圧縮機(121,122,123)の吐出側へ液冷媒を送るものである。冷却運転中には、液冷媒が各低段側圧縮機(121,122,123)の吐出冷媒と混合することで、吐出冷媒中に残った油が冷媒と共に搬送され易くなる。つまり、各低段側圧縮機(121,122,123)の吐出冷媒が乾き過ぎとなると、冷媒中の油が連絡配管等に滞り易くなるが、吐出冷媒中に液冷媒を混合させることで、この油を室外回路(40)の各高段側圧縮機(41,42,43)側へ送り易くなる。第1吐出側インジェクション管(147)は、その一端が第3連絡配管(33)に接続し、その他端は第1低段側吐出管(134)に接続している。第1吐出側インジェクション管(147)には、開度が調節可能な第4電動弁(147a)が設けられている。
第1ブースタ回路(120)には、各種のセンサが設けられている。具体的には、上記第4吐出管(131)には第4吐出温度センサ(151)が、第5吐出管(132)には第5吐出温度センサ(152)が、第6吐出管(133)には第6吐出温度センサ(153)がそれぞれ設けられている。各吐出温度センサ(151,152,153)は、各低段側圧縮機(121,122,123)の吐出冷媒の温度をそれぞれ検出する。また、第1低段側吐出管(134)には第1低段側高圧圧力センサ(154)が、第1低段側吸入管(138)には第1低段側低圧圧力センサ(155)がそれぞれ設けられている。第1低段側高圧圧力センサ(154)は、第1ブースタ回路(120)の吐出側の冷媒の圧力を、第1低段側低圧圧力センサ(155)は、第1ブースタ回路(120)の吸入側の冷媒の圧力をそれぞれ検出する。
第1ブースタ回路(120)には、複数の逆止弁が設けられている。具体的には、第4吐出管(131)には第7逆止弁(CV7)が、第5吐出管(132)には第8逆止弁(CV8)が、第6吐出管(133)には第9逆止弁(CV9)がそれぞれ設けられている。第1逃がし管(144)には第10逆止弁(CV10)が設けられている。
《第2ブースタユニット》
上記第2ブースタユニット(16)の第2ブースタ回路(160)は、上述した第1ブースタ回路(120)と同様の構成となっているので、詳細な説明は省略する。即ち、第2ブースタ回路(160)には、第4低段側圧縮機(161)、第5低段側圧縮機(162)、及び第6低段側圧縮機(163)が設けられている。また、第2ブースタ回路(160)には、第7から第9までの吐出管(171,172,173)と、第2低段側吐出管(174)と、第7から第9までの吸入管(175,176,177)と、第2低段側吸入管(178)とが設けられている。
第2ブースタ回路(160)には、第2低段側油分離器(164)と第2低段側油戻し管(164a)と第4から第6までの油排出管(181,182,183)が設けられている。第2低段側油戻し管(164a)には第7電磁弁(SV7)が、各油排出管(181,182,183)には第8から第10までの電磁弁(SV8,SV9,SV10)がそれぞれ設けられている。また、第2ブースタ回路(160)には、第2逃がし管(184)、第2バイパス管(185)、第2吸入側インジェクション管(186)、及び第2吐出側インジェクション管(187)が設けられている。第2バイパス管(185)には第11電磁弁(SV11)が、第2吸入側インジェクション管(186)には第5電動弁(186a)が、第2吐出側インジェクション管(187)には第6電動弁(187a)がそれぞれ設けられている。
更に、第2ブースタ回路(160)には、第7から第9までの吐出温度センサ(191,192,193)と、第2低段側高圧圧力センサ(194)と、第2低段側低圧圧力センサ(195)と、第11から第14までの逆止弁(CV11,CV12,CV13,CV14)が設けられている。
《制御ユニット》
本実施形態の冷凍装置(5)には、制御ユニットとしてのコントローラ(200)が設けられている。このコントローラ(200)は、室外ユニット(11)、過冷却ユニット(13)、冷凍ショーケース(14)、第1ブースタユニット(15)、及び第2ブースタユニット(16)の各センサ等で得られた検出信号が入力可能であり、またこれらのユニット(11,13,14,15,16)の各要素機器へ制御信号を出力可能に構成されている。
〈室外側の各ユニットの設置構造〉
次に、上述した室外ユニット(11)、拡張ユニット(12)、及び過冷却ユニット(13)の設置構造について図4を参照しながら説明する。
室外ユニット(11)は室外ユニットケーシング(11a)を、拡張ユニット(12)は拡張ユニットケーシング(12a)を、過冷却ユニット(13)は過冷却ユニットケーシング(13a)をそれぞれ備えている。各ケーシング(11a,12a,13a)は、それぞれ縦長の箱状に形成されている。
上記室外ユニットケーシング(11a)は、熱源側ケーシングを構成している。室外ユニットケーシング(11a)には、その3つの側面にそれぞれ吸込口(11b,11b,11b)が形成されている。各吸込口(11b)は、室外空気を室外ユニットケーシング(11a)内に導入するためのものである。各吸込口(11b)は、長方形状に形成されている。各吸込口(11b)の内部近傍には、その全域に跨るように上記室外熱交換器(44)が立設している。また、室外ユニットケーシング(11a)には、その上面に2つの吹出口(11c,11c)が形成されている。各吹出口(11c)は、室外ユニットケーシング(11a)内の空気を室外へ放出するためのものである。各吹出口(11c)は、円形状に形成されている。各吹出口(11c)には、その内部に上記室外ファン(60)がそれぞれ設けられている。また、室外ユニットケーシング(11a)には、図示しないが上述した各高段側圧縮機(41,42,43)やレシーバ(45)等が収納されている。
上記過冷却ユニットケーシング(13a)は、過冷却側ケーシングを構成している。過冷却ユニットケーシング(13a)には、その3つの側面にそれぞれ吸込口(13b,13b,13b)が形成されている。各吸込口(13b)は、室外空気を過冷却ユニットケーシング(13a)内に導入するためのものである。各吸込口(13b)は、長方形状に形成されている。各吸込口(13b)の内部近傍には、その全域に跨るように上記過冷却用室外熱交換器(93)が立設している。また、過冷却ユニットケーシング(13a)には、その上面に1つの吹出口(13c)が形成されている。吹出口(13c)は、過冷却ユニットケーシング(13a)内の空気を室外へ放出するためのものである。各吹出口(13c)は、円形状に形成されている。各吹出口(13c)には、その内部に上記過冷却用室外ファン(95)が設けられている。また、過冷却ユニットケーシング(13a)には、図示しないが上述した過冷却用圧縮機(92)や過冷却熱交換器(91)等が収納されている。
上記拡張ユニット(12)は、上記室外ユニットケーシング(11a)と過冷却ユニットケーシング(13a)の間に配置されている。具体的には、拡張ユニット(12)は、室外ユニットケーシング(11a)の右側に位置し、その右面の吸込口(11b)に隣り合うように配置されている。また、拡張ユニット(12)は、過冷却ユニットケーシング(13a)の左側に位置し、その左面の吸込口(13b)に隣り合うように配置されている。
拡張ユニットケーシング(12a)には、その側面に複数の空気流通孔(12b,12c)が形成されている。具体的には、拡張ユニットケーシング(12a)には、その前面に前側空気流通孔(12b)が形成され、その左右両側面に側方側空気流通孔(12c)がそれぞれ形成されている。各空気流通孔(12b,12c)は、拡張ユニットケーシング(12a)の上部と下部とに分散して形成されている。そして、拡張ユニットケーシング(12a)では、その左側の側方側空気流通孔(12c)が室外ユニットケーシング(12a)の吸込口(12b)と向かい合い、その右側の側方側空気流通孔(12c)が過冷却ユニットケーシング(13a)の吸込口(13b)と向かい合っている。
拡張ユニットケーシング(12a)には、上述した冷媒貯留器(81)が収納されている。つまり、冷媒貯留器(81)は、室外ユニットケーシング(11a)の吸込口(11b)と、過冷却ユニットケーシング(13a)の吸込口(12b)との間に設けられている。冷媒貯留器(81)は、室外ユニットケーシング(11a)の底板から天板に亘って鉛直に延びた略円筒状に形成されている。
−運転動作−
以下に、実施形態の冷凍装置(5)の運転動作について説明する。この冷凍装置(5)では、冷凍ショーケース(14)内を冷却する冷却運転と、冷凍ショーケース(14)内の各冷却熱交換器(102,112)の除霜を行うデフロスト運転とが可能となっている。
<冷却運転>
図5に示す冷却運転では、四路切換弁(48)が第1状態に設定される。また、室外膨張弁(47)が全閉状態となり、過冷却用膨張弁(94)、第1室内膨張弁(101)、及び第2室内膨張弁(111)の開度が適宜調節される。また、第6電磁弁(SV6)及び第11電磁弁(SV11)が閉鎖状態となり、残りの電磁弁も原則として閉鎖状態となる。
冷却運転では、室外ファン(60)、過冷却用室外ファン(95)、庫内ファン(103)が駆動される。また、室外回路(40)の各高段側圧縮機(41,42,43)、第1ブースタ回路(120)の各低段側圧縮機(121,122,123)、第2ブースタ回路(160)の各低段側圧縮機(161,162,163)がそれぞれ駆動される。その結果、冷却運転中の冷媒回路では、室外熱交換器(44)が凝縮器となり、各冷却熱交換器(102,112)が蒸発器となる2段圧縮冷凍サイクルが行われる。
具体的には、各高段側圧縮機(41,42,43)から吐出された冷媒は、高段側吐出管(54)及び四路切換弁(48)を通過し、室外熱交換器(44)を流れる。室外熱交換器(44)では、冷媒が室外空気へ放熱して凝縮する。室外熱交換器(44)で凝縮した冷媒は、レシーバ(45)及び内部熱交換器(46)の第1伝熱管(46a)を通過して第3液管(63)へ流入する。第3液管(63)を流れる冷媒の一部は、第2インジェクション管(67)を流れる際に第2電動弁(67a)で減圧され、その後に内部熱交換器(46)の第2伝熱管(46b)を流れる。内部熱交換器(46)では、第1伝熱管(46a)を流れる高圧冷媒と、第2伝熱管(46b)を流れる低圧冷媒とが熱交換する。その結果、第1伝熱管(46a)内の冷媒の熱が、第2伝熱管(46b)内の冷媒の蒸発熱として奪われる。つまり、内部熱交換器(46)では、第1伝熱管(46a)を流れる冷媒が冷却される。第2伝熱管(46b)で蒸発した冷媒は、高段側吸入管(58)に流入する。
第3液管(63)を流出した冷媒は、冷媒貯留器(81)に流入する。ここで、冷却運転中の冷媒貯留器(81)では、後述するデフロスト運転時の冷凍サイクルに用いられる冷媒が貯留された状態となっている。この冷媒貯留器(81)では、その内部の冷媒が室外空気によって冷却される。この点について図4を参照しながら説明する。
上述のようにして、室外ユニット(11)の室外ファン(60)が駆動されると、室外空気が吸込口(11b)より室外ユニットケーシング(11a)内に導入される。この空気は、室外熱交換器(44)を通過した後、吹出口(11c)を介して室外ユニットケーシング(11a)の上方へ吹き出される。
同様に、過冷却ユニット(13)の過冷却用室外ファン(95)が駆動されると、室外空気が吸込口(13b)より過冷却ユニットケーシング(13a)内に導入される。この空気は、過冷却用室外熱交換器(93)を通過した後、吹出口(13c)を介して過冷却ユニットケーシング(13a)の上方へ吹き出される。
一方、拡張ユニット(12)の近傍では、室外ユニット(11)及び過冷却ユニット(13)へそれぞれ空気が吸い込まれることに伴い、左右両側方への気流が生じている。具体的には、室外ユニットケーシング(11a)の右側の吸込口(11b)へ室外空気が吸込まれると、拡張ユニットケーシング(12a)の左側からこの吸込口(11b)へ向かう気流が生じる。同様に、過冷却ユニットケーシング(13a)の左側の吸込口(13b)へ室外空気が吸い込まれると、拡張ユニットケーシング(12a)の右側からこの吸込口(13b)へ向かう気流が生じる。このような気流が発生すると、拡張ユニットケーシング(12a)では、室外空気が前側空気流通孔(12b)より拡張ユニットケーシング(12a)内へ導入され、冷媒貯留器(81)の周囲を流通する。その結果、冷媒貯留器(81)から室外空気へ熱が放出され、冷媒貯留器(81)内の冷媒が冷却される。冷媒貯留器(81)内の冷媒の冷却に利用された空気は、拡張ユニットケーシング(12a)の各側方側空気流通孔(12c)を介して左右両側に吹き出され、その後に室外ユニットケーシング(11a)及び過冷却ユニットケーシング(13a)の各吸込口(11b,13b)内へ吸い込まれる。
以上のようにして冷却された冷媒は、冷媒貯留器(81)を流出して過冷却熱交換器(91)へ流入する。一方、過冷却ユニット(13)の過冷却用冷媒回路(90b)では、蒸気圧縮式の冷凍サイクルが行われている。つまり、過冷却用冷媒回路(90b)では、過冷却用圧縮機(92)で圧縮された冷媒が、過冷却用室外熱交換器(93)で凝縮し、過冷却用膨張弁(94)で減圧され、低圧ガス冷媒となり、その後に過冷却熱交換器(91)の低圧側伝熱管(91b)へ送られる。過冷却熱交換器(91)では、高圧側伝熱管(91a)内の冷媒と、低圧側伝熱管(91b)内の低圧ガス冷媒とが熱交換する。その結果、高圧側伝熱管(91a)内の冷媒の熱が、低圧側伝熱管(91b)内の冷媒の蒸発熱として奪われる。従って、過冷却熱交換器(91)では、高圧側伝熱管(91a)内の冷媒が更に冷却される。
過冷却熱交換器(91)の高圧側伝熱管(91a)を流出した冷媒は、第3連絡配管(33)を流れ、加熱配管部(33a)を流通する。ここで、ドレンパン(104)には、各冷却熱交換器(102,112)の表面から落ちた霜や、結露水が凍結した氷塊が溜まっている。このため、加熱配管部(33a)を流れる冷媒によってドレンパン(104)が加熱されると、ドレンパン(104)内の霜や氷塊が融解する。ドレンパン(104)内で融解した水は、排水管等を介してドレンパン(104)から排出される。一方、加熱配管部(33a)を流れる冷媒は、ドレンパン(104)内の霜や氷塊に融解熱を奪われて更に冷却される。加熱配管部(33a)を流出した冷媒は、第1冷凍回路(100)と第2冷凍回路(110)とに分流する。
第1冷凍回路(100)に流入した冷媒は、第1室内膨張弁(101)を通過する際に減圧されてから第1冷却熱交換器(102)を流通する。第1冷却熱交換器(102)では、冷媒が庫内空気から吸熱して蒸発する。その結果、冷凍ショーケース(14)内の空気が冷却される。第1冷却熱交換器(102)で蒸発した冷媒は、第1ブースタ回路(120)へ流入する。
同様に、第2冷凍回路(110)に流入した冷媒は、第2室内膨張弁(111)を通過する際に減圧されてから第2冷却熱交換器(112)を流通する。第2冷却熱交換器(112)では、冷媒が庫内空気から吸熱して蒸発する。第2冷却熱交換器(112)で蒸発した冷媒は、第2ブースタ回路(160)へ流入する。以上のようにして、冷凍ショーケース(14)内の空気は、例えば−30℃に保たれる。
第1ブースタ回路(120)へ流入した冷媒は、各低段側圧縮機(121,122,123)に吸入される。各低段側圧縮機(121,122,123)で圧縮された冷媒は、第1低段側油分離器(124)を通過して第6連絡配管(36)へ流出する。第1低段側油分離器(124)内では、各低段側圧縮機(121,122,123)の吐出冷媒中から油が分離される。分離後の油は、第2電磁弁(SV2)が適宜開放されることで、第1低段側油戻し管(124a)を経由して各低段側油分離器(121,122,123)に吸入される。
同様に、第2ブースタ回路(160)へ流入した冷媒は、各低段側圧縮機(161,162,163)に吸入される。各低段側圧縮機(161,162,163)で圧縮された冷媒は、第2低段側油分離器(164)を通過して第6連絡配管(36)へ流出する。第2低段側油分離器(164)内では、各低段側圧縮機(161,162,163)の吐出冷媒中から油が分離される。分離後の油は、第7電磁弁(SV7)が適宜開放されることで、第2低段側油戻し管(164a)を経由して各低段側油分離器(161,162,163)に吸入される。
第6連絡配管(36)で合流した冷媒は、四路切換弁(48)を通過して高段側吸入管(58)へ流入する。この冷媒は、上述の内部熱交換器(46)の第2伝熱管(46b)を流出した冷媒と混合し、各高段側圧縮機(121,122,123)に吸入されて圧縮される。
<デフロスト運転>
この冷凍装置(5)のデフロスト運転では、第1冷却熱交換器(102)及び第2冷却熱交換器(112)の除霜が同時に行われる。この冷凍装置(5)では、上述の冷却運転が所定時間以上継続して行われると、上記冷却運転からデフロスト運転へと移行する。具体的には、コントローラ(200)に設けられたタイマーが所定の設定時間をカウントすると、各冷却熱交換器(102,112)の着霜量が増加していると判断し、デフロスト運転が行われる。
図6に示すデフロスト運転では、四路切換弁(48)が第2状態に設定される。また、室外膨張弁(47)及び過冷却用膨張弁(94)の開度が適宜調節される一方、第1室内膨張弁(101)及び第2室内膨張弁(111)が全開状態となる。また、第6電磁弁(SV6)及び第11電磁弁(SV11)が開放状態となり、残りの電磁弁は原則として閉鎖状態となる。
デフロスト運転では、各高段側圧縮機(41,42,43)が運転状態となる一方、各低段側圧縮機(121,122,123,161,162,163)がそれぞれ休止状態となる。その結果、デフロスト運転中の冷媒回路(10)では、各冷却熱交換器(102,112)が凝縮器となり、室外熱交換器(44)が蒸発器となる冷凍サイクル(逆サイクルデフロスト)が行われる。
このデフロスト運転では、各高段側圧縮機(41,42,43)で圧縮された冷媒が、第6連絡配管(36)へ流出する。第6連絡配管(36)へ流出した冷媒は、第1ブースタ回路(120)及び第2ブースタ回路(160)へ分流する。
第1ブースタ回路(120)を流れる冷媒は、第1低段側油分離器(124)内へ流入する。第1低段側油分離器(124)では、その内部に溜まった冷媒が押し出されるようにして、第1バイパス管(145)へ流出する。第1バイパス管(145)を流れる冷媒は、第1低段側吸入管(138)を経由して、第1冷凍回路(100)へ流入する。
第1冷凍回路(100)へ流入した冷媒は、第1冷却熱交換器(102)を流れる。第1冷却熱交換器(102)では、その表面の霜が内側から加熱されて融解する一方、冷媒はこの霜に融解熱を奪われて凝縮する。第1冷却熱交換器(102)で凝縮した冷媒は、全開状態の第1室内膨張弁(101)を通過し、第3連絡配管(33)へ流出する。
同様に、第2ブースタ回路(160)を流れる冷媒は、第2低段側油分離器(164)内へ流入する。第2低段側油分離器(164)では、その内部に溜まった冷媒が押し出されるようにして、第2バイパス管(185)へ流出する。第2バイパス管(185)を流れる冷媒は、第2低段側吸入管(178)を経由して、第2冷凍回路(110)へ流入する。
第2冷凍回路(110)へ流入した冷媒は、第2冷却熱交換器(112)を流れる。第2冷却熱交換器(112)では、その表面の霜が内側から加熱されて融解する一方、冷媒はこの霜に融解熱を奪われて凝縮する。第2冷却熱交換器(112)で凝縮した冷媒は、全開状態の第2室内膨張弁(111)を通過し、第3連絡配管(33)へ流出する。
第3連絡配管(33)で合流した冷媒は、加熱配管部(33a)を流れる。その結果、この冷媒によってドレンパン(104)内が加熱され、ドレンパン(104)内の霜や氷塊が融解する。第3連絡配管(33)を流出した冷媒は、過冷却熱交換器(91)、冷媒貯留器(81)、及び内部熱交換器(46)を通過した後、室外膨張弁(47)で減圧される。室外膨張弁(47)で減圧された冷媒は、室外熱交換器(44)で凝縮し、各高段側圧縮機(41,42,43)へ吸入される。
以上のようなデフロスト運転を継続して行うと、各冷却熱交換器(102,112)内には凝縮して液化した冷媒が徐々に溜まっていく。その結果、各冷却熱交換器(102,112)では、いわゆる冷媒の寝込みが生じてしまう。このため、デフロスト運転時の冷凍サイクルに用いられる冷媒の量が減少してしまい、各冷却熱交換器(102,112)の除霜能力が低下してしまうという問題が生じる。そこで、本実施形態の冷凍装置(5)には、このようなデフロスト運転時における冷媒量不足を解消すべく、冷媒回路(10)に冷媒貯留器(81)を設けるようにしている。
つまり、図6に示すデフロスト運転時において、各冷却熱交換器(102,112)内に液冷媒が溜まり込むと、冷媒貯留器(81)からは各冷却熱交換器(102,112)内に溜まった冷媒に相当する冷媒が適宜排出される。つまり、冷媒貯留器(81)からは、デフロスト運転時の冷凍サイクルに要する冷媒量の不足分が冷媒回路(10)へ適宜補充される。ここで、冷媒貯留器(81)内には、デフロスト運転に要する充分な冷媒が貯留されているので、各冷却熱交換器(102,112)の除霜が終了するまでの間に冷媒貯留器(81)が空となってしまうことがない。
−実施形態の効果−
上記実施形態では、デフロスト運転時の冷凍サイクルに用いられる冷媒を貯留するための冷媒貯留器(81)を冷媒回路(10)に設けるようにしている。このため、デフロスト運転時に各冷却熱交換器(102,112)で冷媒の寝込みが生じても、この冷媒の寝込み量に相当する冷媒を冷媒貯留器(81)から冷媒回路(10)へ適宜補充することができる。従って、各冷却熱交換器(102,112)を除霜するための冷媒を確実に確保することができ、デフロスト不良に陥ってしまうことを未然に回避することができる。
また、上記実施形態では、冷媒貯留器(81)を室外に設置すると共に、冷却運転時の室外熱交換器(44)の流出側に設けるようにしている。このため、冷却運転時に室外熱交換器(44)で凝縮した冷媒を冷媒貯留器(81)内に貯め込むと共に、この冷媒を室外空気によって冷却することができる。この冷媒貯留器(81)は、拡張ユニットケーシング(12a)内に収納されているので、冷媒貯留器(81)の劣化や汚れの付着を防止できる。また、冷媒貯留器側ケーシング(12a)には、複数の空気流通孔(12b,12c)を形成するようにしたので、冷媒貯留器(81)内の冷媒の放熱効果が低下してしまうこともない。
また、冷媒貯留器(81)は、室外ユニットケーシング(11a)や過冷却ユニットケーシング(13a)と異なるケーシング(12a)に収納されている。このため、室外ユニットケーシング(11a)や過冷却ユニットケーシング(13a)内の各要素機器から発生する熱が、冷媒貯留器(81)へ伝導してしまうのを回避できる。従って、冷却運転時において、冷媒貯留器(81)内の冷媒の放熱効果が低下してしまうことも未然に回避できる。
更に、上記実施形態では、室外ユニットケーシング(11a)及び過冷却ユニットケーシング(13a)の各吸込口(11b,13b)と隣り合うように拡張ユニットケーシング(12a)を配置している。このため、図4に示すように、室外ユニットケーシング(11a)内に導入される吸込空気、及び過冷却ユニットケーシング(13a)に導入される吸込空気を利用して、冷媒貯留器(81)を効率的に冷却することができる。従って、ファン動力や部品点数の削減を図りながら、冷凍装置(5)の冷却能力を向上させることができる。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
上記実施形態の冷凍装置(5)は、二段圧縮冷凍サイクルを行って冷却運転を行うものである。しかしながら、単段圧縮冷凍サイクルでの冷却運転とデフロスト運転とを切り換える冷凍装置に本発明を適用するようにしても良い。また、冷媒回路(10)に接続される冷却熱交換器(102,112)は、1つだけでも良いし、3つ以上であっても良い。
また、上記実施形態の冷媒貯留器(81)を室外ユニットケーシング(11a)内に設け、送風手段としての室外ファン(60)が搬送する空気を冷媒貯留器(81)の周囲に流通させるようにしても良い。同様に、冷媒貯留器(81)を過冷却ユニットケーシング(13a)内に設け、送風手段としての過冷却用室外ファン(95)が搬送する空気を冷媒貯留器(81)の周囲に流通させるようにしても良い。これらの場合にも、冷媒貯留器(81)内の冷媒の放熱効果が向上するので、この冷凍装置(5)の冷却能力を向上させることができる。
また、上記実施形態の冷凍装置(5)に冷媒貯留器(81)を適宜増設できるようにしても良い。すなわち、デフロスト運転の運転条件や、冷却熱交換器の増設等に伴い、1つの冷媒貯留器(81)だけでは、デフロスト運転に要する冷媒量を充分確保できないこともある。従って、このような場合には、複数の冷媒貯留器(81)を直列に接続することで、デフロスト運転に要する冷媒量を充分確保することができる。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。