JP2008176302A - 光学素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】搬送ロールなどで、表面が擦れたり、引っ掻かれたりなどしても、光学的特性にほとんど影響がでない、偏光分離機能等を備える光学素子を提供する。
【解決手段】透明樹脂層Aと、細長く線状に延び且つ互いに離間した状態で略平行に複数並んだ吸光性膜からなるグリッドと、透明樹脂層Bとがこの順に積層されてなり、該透明樹脂層Bはグリッド側表面に凸構造Bを有し、該凸構造Bは複数の凸部bからなり、該凸部bによって透明樹脂層Bとグリッドとの間に空間が形成され、該空間が空気又は不活性ガスで満たされている、光学素子。
【選択図】図5

Description

本発明は、光学素子に関する。さらに詳細には、搬送ロール等で、表面が擦れたり、引っ掻かれたりなどしても、光学的特性にほとんど影響がでない、偏光分離機能等を備える光学素子に関する。
偏光面を自由に設定することができる偏光子としてグリッド偏光子が知られている。これは、多数の線状金属(ワイヤ)を一定の周期で平行に配列したグリッド構造をもつ光学部材である。このような金属のグリッド構造を形成すると、グリッドの周期が入射光の波長より短い場合に、グリッド構造を形成している線状金属に対して平行な偏光成分は反射し、垂直な偏光成分は透過するため、単一偏光を作りだす偏光子として機能する。このグリッド偏光子は、光通信ではアイソレーターの光部品として、液晶表示装置では光の利用率を高め輝度を向上させるための部品として、利用することが提案されている。
グリッド偏光子のグリッド構造は非常に微細で繊細な構造であるので、表面を擦ったり、引掻いたりなどしたときに、グリッド構造に欠陥が生じることがある。そこで、グリッド偏光子には、そのグリッド構造を保護するために保護層が設けられる。
特許文献1には、結晶部及び非晶部が交互に連なる高次構造を有するフィルム、又はガラス転移温度が異なる二種の相が延伸方向に交互に連なる高次構造を有するフィルム、の片面又は両面の全面に、導電性薄膜を形成して複合膜を得、その複合膜を延伸し、熱固定することによって、異方的な導電性部分と高分子誘電体部分からなる構造を形成することが開示されている。また、このフィルムに保護層を設けることが記載されている。しかし、グリッドの上に保護層を貼り合わせただけのものは、グリッド間に保護層を接着するために用いた樹脂等が入り込み、偏光分離特性などが低下する。
特開2005−148416号公報
特許文献2には、偏光子を有する偏光デバイスであって、前記偏光子は、光透過基板、前記基板上に配置される周囲環境に敏感なグリッドワイヤ、及び前記偏光子を包囲する密封包囲部材を有し、前記包囲部材は前記偏光素子を周囲環境から保護するために不活性雰囲気を有することを特徴とする偏光デバイスが開示されている。この密封包囲部材は偏光子の側部に取り付けられたスペーサーを介して、グリッドワイヤに接しないように設けられている。しかし、広い面積の光学素子になると密封包囲部材が撓むなどして、形状の安定性が保てないことがあった。
特表2005−513547号公報(米国公開公報2003−117708号公報)
本発明の目的は、搬送ロールなどで、表面が擦れたり、引っ掻かれたりなどしても、光学的特性にほとんど影響がでない、偏光分離特性に優れた光学素子を提供することにある。
本発明者は、前記目的を達成するために鋭意検討した結果、グリッド偏光子の保護層として、グリッド側表面に凸構造Bを有し且つ該凸構造Bが複数の凸部bからなるものである透明樹脂フィルムを用い、該凸部bによって透明樹脂フィルムとグリッドとの間に空間を形成し、該空間に空気又は不活性ガスを満すことによって、表面を擦ったり、引掻いたりなどしても、光学的特性にほとんど影響がでないことを見出した。本発明はこの知見に基づいてさらに検討した結果、完成したものである。
すなわち、本発明は、以下の態様を含む。
(1) 透明樹脂層Aと、細長く線状に延び且つ互いに離間した状態で略平行に複数並んだ吸光性膜からなるグリッドと、透明樹脂層Bとがこの順に積層されてなり、
該透明樹脂層Bはグリッド側表面に凸構造Bを有し、該凸構造Bは、複数の凸部bからなり、該凸部bによって透明樹脂層Bとグリッドとの間に空間が形成され、該空間が空気又は不活性ガスで満たされている、光学素子。
(2) 凸部bの高さが50nm〜100μmであり、該凸部bの頂面に直接又は他の層を介してグリッドが接して積層されている前記の光学素子。
(3) 長尺状のものである前記の光学素子。
(4) 凸構造Bは、細長く線状に延びた畝状の凸部bが互いに離間した状態で複数並んだ構造を成している、前記の光学素子。
(5) 前記凸構造Bは、細長く線状に延びた畝状の凹凸構造を成している、前記の光学素子。
(6) 凸構造Bは、細長く線状に延びた畝状の凸部bが格子状に並んだ構造を成している、前記の光学素子。
(7) 凸構造Bは、台状の凸部bが離散した状態で複数並んだ構造を成している、前記の光学素子。
(8) 透明樹脂層Aは、グリッド側表面に細長く線状に延び且つ互いに離間した状態で複数並んだ畝状凸部aからなる凸構造Aを有し、
グリッドは、該凸部aの頂面に、又は該凸部aの頂面及び底面に、形成された吸光性膜で構成されている、前記の光学素子。
本発明の光学素子によれば、凸構造Bを有する透明樹脂層Bによって凸構造A(またはグリッド)が守られ、搬送ロールなどで、表面が擦られたり、引掻かれたりなどしても、微細凸構造A(またはグリッド)には傷がつき難いので、微細凸構造A(またはグリッド)によって発現する偏光分離機能などの光学特性が低下しない。
また、凸構造Bによって、透明樹脂層Bとグリッドとの間に空間が保たれ、グリッド間に樹脂等が入り込むことがなく、偏光分離特性の低下が無い。
また、本発明の光学素子は摩擦、引掻きに強いので、操作性が高い。本発明の光学素子を用いることによって、偏光分離膜等を高い効率で生産することができる。
本発明光学素子の透明樹脂層Bの一態様を示す図。 本発明光学素子の透明樹脂層Bの別の一態様を示す図。 本発明光学素子の透明樹脂層Bの別の一態様を示す図。 本発明光学素子の透明樹脂層Bの別の一態様を示す図。 図1に示した透明樹脂層Bと、表面にグリッドが形成された透明樹脂層Aとを重ねる前の状態を示す図。
符号の説明
b:凸部b
B:透明樹脂層B
A:透明樹脂層A
G:グリッド
本発明の光学素子は、透明樹脂層Aと、細長く線状に延び且つ互いに離間した状態で略平行に複数並んだ吸光性膜からなるグリッドと、透明樹脂層Bとがこの順に積層されてなるものである。
透明樹脂層Aは、透明樹脂からなるフィルム状またはシート状の層である。該透明樹脂は、加工性の観点からガラス転移温度が60〜200℃であることが好ましく、100〜180℃であることがより好ましい。なお、ガラス転移温度は示差走査熱量分析(DSC)により測定することができる。
透明樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、脂環式オレフィンポリマーなどが挙げられる。
これらのうち、透明性、低吸湿性、寸法安定性、加工性の観点から脂環式オレフィンポリマーが好適である。
脂環式オレフィンポリマーとしては、特開平05−310845号公報に記載されている環状オレフィンランダム多元共重合体、特開平05−97978号公報に記載されている水素添加重合体、特開平11−124429号公報(米国特許第6,511,756号公報)に記載されている熱可塑性ジシクロペンタジエン系開環重合体及びその水素添加物等が挙げられる。
本発明に用いる透明樹脂は、顔料や染料のごとき着色剤、蛍光増白剤、分散剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、耐電防止剤、酸化防止剤、滑剤、溶剤などの配合剤が適宜配合されたものであってもよい。
透明樹脂層Aは、前記透明樹脂を公知の方法で成形することによって得られる。成形法としては、例えば、キャスト成形法、押出成形法、インフレーション成形法などが挙げられる。
透明樹脂層Aの平均厚さは、取り扱い性の観点から通常5μm〜1mm、好ましくは20〜200μmである。透明樹脂層Aは、400〜700nmの可視領域の光の透過率が80%以上であるものが好ましい。
また、透明樹脂層Aは、その波長550nmで測定したレターデーションRe(Re=d×(nx−ny)で定義される値、nxおよびnyは透明樹脂層Aの面内主屈折率(nx≧ny);dは透明樹脂層Aの平均厚みである)によって特に制限されない。面内の任意2点のレターデーションReの差(レターデーションむら)は、好ましくは10nm以下であり、より好ましくは5nm以下である。レターデーションむらが大きいと、液晶表示装置に用いた場合に表示面の明るさにバラツキが生じやすくなる。
本発明においては、透明樹脂層Aとして長尺状のものが好ましく用いられる。長尺とは、幅に対し少なくとも5倍程度以上の長さを有するものを言い、好ましくは10倍もしくはそれ以上の長さを有するものを言い、具体的にはロール状に巻回されて保管または運搬される程度の長さを有するものを言う。透明樹脂層Aの幅は、好ましくは500mm以上、より好ましくは1000mm以上である。
本発明の光学素子に用いられるグリッドは、細長く線状に延び且つ互いに離間した状態で略平行に複数並んだ吸光性膜からなるものである。グリッドを構成する吸光性膜は、その幅が好ましくは25〜300nmであり、長さが好ましくは800nm以上である。また、グリッドのピッチは、好ましくは20〜500nm、より好ましくは30〜300nmである。グリッドは、薄膜が非周期的に並んだものであってもよいが、偏光分離性などの光学特性を得るために薄膜が周期的に並んだものが好ましい。
吸光性膜は、吸光性材料を成膜することによって得られる。
吸光性材料としては、導電性のものが好ましく、具体的には、アルミニウム、インジウム、マグネシウム、ロジウム、スズ等の金属が挙げられる。成膜の方法は特に制限されず、例えば、湿式メッキ法、乾式メッキ法などが挙げられる。
細長く線状に延び且つ互いに離間した状態で略平行に複数並んだ吸光性膜からなるグリッドを形成する方法は特に限定されないが、次のような方法で形成することが好ましい。
まず、前記透明樹脂層Aの少なくとも一方の表面に細長く線状に延びた畝状の凸部aが互いに離間した状態で略平行に複数並んだ凸構造Aを形成する。
凸構造Aは、細長く線状に延びた畝状の凸部aが互いに離間した状態で複数並んだ構造を成しているのが好ましく、特に、細長く線状に延びた畝状の凸部aが格子状に並んだ構造を成しているのが好ましい。畝状凸部aは、畝の幅が好ましくは25〜300nmであり、畝の長さが好ましくは800nm以上である。
また、凸部aの中心間距離(ピッチ)は、好ましくは20〜500nm、より好ましくは30〜300nmである。凸部aの高さは、好ましくは5〜3000nm、より好ましくは20〜1000nm、特に好ましくは50〜300nmである。
凸構造Aは、凸部aが非周期的に並んだものであってもよいが、偏光分離性などの光学特性を得るために凸部aが周期的に並んだものが好ましい。
凸構造Aを形成する方法は、特に制限されない。例えば、(1)凸構造Aに対応する形状を有する転写ロールを用いて長尺の樹脂原反フィルム表面に転写することによって、又は(2)凸構造Aのパターンをフォトリソグラフ法によって転写することによって、得られる。
次に、前記凸構造Aの上にPVD法によって吸光性膜を積層する。
PVD法は、蒸着材料を蒸発・イオン化し、被膜を形成させる方法である。具体的には、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング(イオンめっき)法、イオンビームデポジション法等の中から適宜選択することができる。これらのうち真空蒸着法が好適である。真空蒸着法は、真空にした容器の中で、蒸着材料を加熱し、気化もしくは昇華させて、離れた位置に置かれた基板の表面に付着させ、薄膜を形成する方法である。蒸着材料や基板の種類に応じて、抵抗加熱、電子ビーム、高周波誘導、レーザーなどの方法で加熱される。積層される吸光性膜の厚さは、特に制限されないが、通常20〜500nm、好ましくは30〜300nm、より好ましくは40〜200nmである。なお吸光性膜の厚さは凸部の頂面に積層された吸光性膜の厚さである。
PVD法による製膜で凸構造Aの凸部a頂面に優先的に吸光性膜が積層される。一方、凸部a側面には吸光性膜が積層され難いが、凸部aの中心間距離が広い場合には二条の凸部a間に形成された凹部底面にも吸光性膜が積層されることもある。凹部底面に積層された吸光性膜は、後述するように湿式エッチング工程を経ることによって取り除くことができる。
PVD法によって積層された吸光性膜は、凸部aの幅よりも通常広い幅になる。吸光性膜の幅は狭い方が好ましいので、後述の湿式エッチングのマスクとして、PVD法によって積層された吸光性膜の上にPVD法によって無機化合物膜を積層し、ついでエッチングすることが好ましい。
無機化合物は、後述の湿式エッチングに耐えるものであれば特に限定されず、例えば、酸化ケイ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素、窒化酸化ケイ素などの化合物が挙げられる。この中では特に酸化ケイ素が好ましい。積層される無機化合物膜の厚さは、特に制限されないが、通常1〜100nm、好ましくは2〜50nm、より好ましくは3〜20nmである。
PVD法によって積層された吸光性膜が、凸部aの幅よりも通常広い幅になっており、凸構造Aの凹部の入口を狭めているので、無機化合物膜は、主に凸部頂面に積層された吸光性膜の上に積層される。
凸部a頂面に積層された吸光性膜の幅を狭め、また凸構造Aの凹部に積層された吸光性膜を取り除くために湿式エッチングを行うことが好ましい。湿式エッチング法に用いられるエッチング液は、透明樹脂層を腐食等させずに吸光性膜を除去できる液であれば良く、マスク層(無機化合物膜)、吸光性膜および透明樹脂層の材質に応じて適宜選択する。湿式エッチング液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属化合物を含有する溶液;硫酸、燐酸、硝酸、酢酸、フッ化水素、塩酸などを含有する溶液;過硫酸アンモニウム、過酸化水素、フッ化アンモニウム等やそれらの混合液からなる溶液などが挙げられる。また、湿式エッチング液には界面活性剤などの添加物を添加しても良い。
このエッチングによって、マスク層が積層されていない部分またはマスク層が薄い部分の下にある吸光性膜が除去される。具体的には、凸部aの頂部に積層された吸光性膜の脇部分、凸構造Aの凹部の底面に積層された吸光性膜が除去され、凸部頂部に凸部の幅と同程度の幅の吸光性膜が残る。以上のようにしてグリッドを容易に形成できる。
前記のような方法等で、透明樹脂層Aの上にグリッドを形成した後、透明樹脂層Bを保護層として積層する。
透明樹脂層Bは、グリッド側表面に凸構造Bを有し、該凸構造Bは複数の凸部bからなる。
透明樹脂層Bの平均厚さは、取り扱い性の観点から通常5μm〜1mm、好ましくは20〜200μmである。透明樹脂層Bは、400〜700nmの可視領域の光の透過率が80%以上であるものが好ましい。
また、透明樹脂層Bは、その波長550nmで測定したレターデーションRe(Re=d×(nx−ny)で定義される値、nxおよびnyは透明樹脂層Bの面内主屈折率(nx≧ny);dは透明樹脂層Bの平均厚みである)によって特に制限されない。面内の任意2点のレターデーションReの差(レターデーションむら)は、好ましくは10nm以下であり、より好ましくは5nm以下である。レターデーションむらが大きいと、液晶表示装置に用いた場合に表示面の明るさにバラツキが生じやすくなる。
凸構造Bを構成する凸部bは、その配置、形状等によって特に制限されないが、凸部bの高さは好ましくは50nm〜100μm、より好ましくは100nm〜50μmである。そして、該凸部bの頂面に直接又は他の層を介してグリッドが接して積層される。
該凸部bは、細長く線状に伸びた畝状のもの(図1、図4)や、上面から見たときに円形、楕円形;三角形、四角形などの多角形をした台状のもの(図2、図3)などが挙げられる。光学特性を劣化させないという観点から、台状のものが好ましい。
細長く線上に伸びた畝状構造を有する場合、図1に示すような構造であってもよいし、図4のようにプリズム構造であってもよい。プリズム構造を有する場合、規則正しい構造であっても不規則な構造であってもよい。不規則なプリズム構造の場合、ピッチは20〜60μm程度である。プリズム構造を有するものを光源側に設置すると、保護層としてだけでなく、集光性を付与することができ好ましい。プリズム構造を有する透明樹脂層は輝度向上フィルムなどとして市販されているものであってもよい。
台状の形状のものの場合、台の大きさは特に限定されないが、上面から見たときの差し渡し長さが、好ましくは50nm〜500μm、より好ましくは150nm〜250μmである。台は、頂部から底部まで同じ大きさのもの(柱状)であってもよいし、頂部が小さく底部が大きい錐状のもの、頂部が大きく底部が小さい逆テーパー状のものであってもよい。
凸部bの中心間距離は、前記凸部aの中心間距離の5〜1000倍、具体的には150nm〜1mm、好ましくは10〜500倍、具体的には300nm〜500μmである。
台状の形状の場合、凸部bの占める面積は、透明樹脂層Bの主面の面積の50%以下が好ましく、30%以下がより好ましく、15%以下が特に好ましい。凸部bの占める面積が多すぎると光学特性が劣化する傾向になる。なお、凸部bは透明樹脂層Bの主面の面積の5%以上を占めていることが、本発明の効果を得るために好ましい。
台状の形状の場合、凸構造Bは、凸部bが非周期的に並んだものであってもよいが、光学特性の面内むらを少なくするために凸部bが周期的に並んだものが好ましい。
凸構造Bは、その形成方法によって特に限定されない。例えば、1)凸構造Bに対応する凹凸形状を有する転写ロールを透明樹脂フィルム表面に押し当てることによって、凸構造Bのパターンを転写する手法、2)樹脂及び粒子からなる塗布液を透明樹脂フィルム表面に塗布することによって、凸構造Bのパターンを形成する手法、3)コアシェル構造を有し、コアの溶融温度がシェルの溶融温度より高く、且つシェルの溶融温度が積層時のラミネート温度以下であるような粒子を、グリッド構造を形成した透明樹脂層A、透明樹脂フィルム間に散布した後、シェルの溶融温度以上の温度でラミネートすることによって、凸構造Bのパターンを形成する手法等が挙げられる。
1)凸構造Bに対応する凹凸形状を有する転写ロールを透明樹脂フィルム表面に押し当てることによって、凸構造Bのパターンを転写する手法
該手法では収束イオンビーム(FIB)加工等により微細凸構造B(スペーサーパターン)用バイトを製造し、金属製のモールド基材に、該バイトで微細凸構造Bに対応する溝を刻んで、転写型を形成する。そして、該型を透明樹脂フィルムに押し付け転写することによって、凸構造Bを形成できる。
該手法は、バイトを作製後、モールド基材にバイトの形状を転写することにより、転写型を形成する手法であれば特に限定されず、例えば特開2006−17879号公報記載の手法を用いることができる。
この手法に用いられる透明樹脂フィルムは、透明樹脂からなるフィルム状またはシート状の層である。透明樹脂は、前述の透明樹脂層Aを構成するものとして示したものから適宜選択して用いることができる。
透明樹脂フィルムの平均厚さは、取り扱い性の観点から通常5μm〜1mm、好ましくは20〜200μmである。透明樹脂フィルムは、400〜700nmの可視領域の光の透過率が80%以上であるものが好ましい。
また、透明樹脂フィルムは、その波長550nmで測定したレターデーションRe(Re=d×(nx−ny)で定義される値、nxおよびnyは透明樹脂層Bの面内主屈折率(nx≧ny);dは透明樹脂層Bの平均厚みである)によって特に制限されない。面内の任意2点のレターデーションReの差(レターデーションむら)は、好ましくは10nm以下であり、より好ましくは5nm以下である。レターデーションむらが大きいと、液晶表示装置に用いた場合に表示面の明るさにバラツキが生じやすくなる。
該手法により得られた透明樹脂層Bを積層させるために接着剤(粘着剤を含む)を用いることができる。グリッド頂面と透明樹脂層Bとの間に介在する接着剤からなる層(接着層)の平均厚さは、通常0.01μm〜30μm、好ましくは0.1μm〜15μmである。この接着剤としては、アクリル接着剤、ウレタン接着剤、ポリエステル接着剤、ポリビニルアルコール接着剤、ポリオレフィン接着剤、変性ポリオレフィン接着剤、変性脂環式オレフィン接着剤、ポリビニルアルキルエーテル接着剤、ゴム接着剤、塩化ビニル・酢酸ビニル接着剤、スチレン・ブタジエン・スチレン共重合体(SBS共重合体)接着剤、その水素添加物(SEBS共重合体)接着剤、エチレン・酢酸ビニル共重合体およびエチレン−スチレン共重合体などのエチレン接着剤、および、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体、エチレン・アクリル酸メチル共重合体、エチレン・メタクリル酸エチル共重合体、およびエチレン・アクリル酸エチル共重合体などのアクリル酸エステル接着剤などを挙げることができる。
2)樹脂及び粒子からなる塗布液を透明樹脂フィルム表面に塗布することによって、凸構造Bのパターンを形成する手法
該手法は、樹脂及び粒子からなる塗布液を調製し、該塗布液を樹脂フィルム表面に塗布し、乾燥することにより、粒子の粒径由来の凸構造Bを作製する手法である。
手法2)に用いられる透明樹脂フィルム及び樹脂としては、前述したフィルム及び樹脂と同じものを挙げることができる。
粒子としては、透明な粒子状のものであれば特に限定されないが、無機粒子または有機粒子が挙げられる。
無機粒子としては、例えば、シリカ粒子、金属粒子等が挙げられる。また、ガラス粒子、金属粒子、合成樹脂粒子等のコアとなる粒子の表面に、酸化ケイ素、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ジルコニウムなどの金属酸化物;MgF2などの金属フッ化物;などの薄膜が形成された粒子を用いることもできる。
また有機粒子としては、例えば、シリコーン樹脂粒子、アクリル樹脂粒子、ナイロン樹脂粒子、ウレタン樹脂粒子、スチレン樹脂粒子、ポリエチレン樹脂粒子、ポリエステル樹脂粒子等の有機粒子が挙げられる。また、前記無機粒子表面に有機膜を形成したような複合粒子を用いることもできる。
粒子の粒径は特に限定されないが、凸構造Bの形成のしやすさの観点から、平均粒径として1〜50μmが好ましく、3〜30μmがより好ましく、5〜20μmが特に好ましい。
粒子の形状は特に限定はないが、球状、楕円状、破砕状、または多面体状の粒子を用いることができ、球状、楕円状であることが好ましい。
上述した樹脂及び粒子からなる塗布液は、樹脂100重量部に対して、粒子の量が通常0.01〜100重量部、好ましくは0.1〜50重量部、より好ましくは0.5〜20重量部である。
樹脂中に粒子を分散させる方法には特に限定はなく、公知の方法を採用できる。例えば、両者をヘンシェミキサー、タンブラーなどで機械的に混合した後、バンバリーミキサー、一軸または二軸の押出機で溶融混練する方法が挙げられるが、得られる塗布液は樹脂中に粒子が均一に分散していることが好ましい。
また、塗布液は溶剤を含んでいても良く、溶剤としては樹脂が溶解する溶剤であれば特に限定はなく、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤等を用いることができる。溶剤を含んでいる場合は、溶剤を乾燥する工程が必要である。溶剤の乾燥は、溶剤が揮発する温度以上であれば特に限定はないが、欠陥を少なくする観点から、溶剤の沸点以下の温度で乾燥することが好ましい。
3)コアシェル構造を有し、コアの溶融温度がシェルの溶融温度より高く、且つシェルの溶融温度が積層時のラミネート温度以下であるような粒子をグリッド構造を形成した透明樹脂層A、透明樹脂フィルム間に散布した後、シェルの溶融温度以上の温度でラミネートすることによって、凸構造Bのパターンを形成する手法
該手法は、コアの溶融温度がシェルの溶融温度より高く、且つシェルの溶融温度が積層時のラミネート温度以下であるようなコア−シェル構造を有する粒子をグリッド構造を形成した透明樹脂層A、透明樹脂フィルム間に散布した後、シェルの溶融温度以上の温度でラミネートすることによって、凸構造Bのパターンを透明樹脂フィルム上に形成する手法である。
手法3)に用いられる透明樹脂フィルムとしては、前述したフィルムと同じものを挙げることができる。
コアシェル構造を有する粒子(以下、「コア−シェル粒子」)と記載することがある。)としては、コアの溶融温度がシェルの溶融温度より高い粒子であれば特に限定はなく、コア及びシェル共に有機からなる粒子、コアが無機、シェルが有機からなる複合粒子等が挙げられる。前記コア−シェル粒子は、乳化重合法、シード重合法、懸濁重合法などを用いて作製することができる。コア及びシェルが有機からなる粒子は、例えば、初期にそのホモポリマーが高溶融温度を示すモノマー(A)を重合し、粒子中央部に高溶融温度部を形成させる。その後、そのホモポリマーが低溶融温度(積層時のラミネート温度以下の溶融温度)を示すモノマー(B)を重合系に添加することにより、中央部が高溶融温度でかつ表層部が低溶融温度を示す粒子を作製することができる。また、コアが無機、シェルが有機からなる複合粒子は、例えば、無機粒子からなる分散液を調製し、そのホモポリマーが低溶融温度(積層時のラミネート温度以下の溶融温度)を示すモノマー(B)を系に添加することにより、中央部が無機からなりかつ表層部が有機からなる粒子を作製することができる。
前記コア−シェル粒子を散布する手法は特に限定はなく、コア−シェル粒子をそのまま、又はコア−シェル粒子を含む分散液をスプレーを用いて散布する手法等が挙げられる。
本発明の光学素子においては、前記凸部bがスペーサーとなって透明樹脂層Bとグリッドとの間に空間が形成され、該空間に空気又は不活性ガスが満たされている。不活性ガスとしては、窒素、ヘリウムなどが挙げられる。図5は、透明樹脂層Bと、グリッドGが表面に形成された透明樹脂層Aとを重ね合わせる前の状態の一例を示す図である。図5に示すような配置で、透明樹脂層Aと透明樹脂層Bと積層させると、透明樹脂層Bの表面の凸部bの頂面に、直接または他の層(例えば接着層)を介して、グリッドGの頂部が接し、凸部bがスペーサーとなって、透明樹脂層Aと透明樹脂層Bと間に空間が形成されることがわかる。
本発明の光学素子は、直交する直線偏光のうちの一方を透過し、他方を反射する性質を持つ。このような直線偏光を透過光と反射光に分離する性質を利用して、液晶表示装置の輝度向上用の素子として本発明の光学素子をそのまま又は他の光学素子(偏光子、位相差板など)と組み合わせ積層して用いることができる。
<製造例1> グリッド偏光フィルムの作製
8mm×8mm×60mmのSUS製シャンクにろう付けされた寸法0.2mm×1mm×1mmの直方体単結晶ダイヤモンドの0.2mm×1mmの面に、集束イオンビーム加工装置SMI3050(セイコーインスツルメンツ製)を用いてアルゴンイオンビームを用いた集束イオンビーム加工を行い、長さ1mmの辺に平行な幅70nm、深さ100nmの溝をピッチ140nmで彫り込み、切削工具を作製した。
直径200mmで長さ150mmの円筒形状ステンレス鋼SUS430の曲面全面に、厚さ100μmのニッケル−リン無電解メッキを施し、次いで、先に作製した直線状突起を形成した切削工具と、精密円筒研削盤S30−1(スチューダ製)を用いて、ニッケル−リン無電解メッキ面に、円筒の円周端面と平行な方向に幅70nm、高さ100nm、ピッチ140nmの直線状の突起を切削加工することにより、転写ロールを得た。なお、集束イオンビーム加工による切削工具の作製と、ニッケル−リン無電解メッキ面の切削加工は、温度20.0±0.2℃、振動制御システム(昭和サイエンス製)により0.5Hz以上の振動の変位が10μm以下に管理された恒温低振動室内で行った。
直径70mmのゴム製ロールからなるニップロール及び上記転写ロールを使用した転写装置を用い、転写ロールの表面温度160℃、ニップロールの表面温度100℃、フィルムの搬送テンションを0.1kgf/mm2、およびニップ圧0.5kgf/mmの条件で、厚さ100μmの脂環式オレフィンポリマーフィルム(ZF−14、株式会社オプテス製)の表面上に転写ロール表面の形状を転写し、ロール状に巻き取った。次に、フィルムのパターン転写面上に、Arガス存在下にて出力400Wでアルミニウムをスパッタリングにより成膜し、ロール状に巻き取ることにより、長尺のグリッド偏光フィルムを得た。
<製造例2> 接着機能を有する脂環式オレフィンポリマーの作製
窒素雰囲気下、脱水したシクロヘキサン500重量部に、1−ヘキセン0.82重量部、ジブチルエーテル0.15重量部及びトリイソブチルアルミニウム0.30重量部を室温で反応器に入れ混合した。反応器を45℃に保ちながら、9−エチリデン−テトラシクロ〔6.2.1.13,6.02,7〕ドデカ−4−エン(以下「ETCD」と略記する)100重量部と、六塩化タングステン0.7重量%トルエン溶液40重量部とを、2時間かけて連続的に添加し重合した。重合溶液にブチルグリシジルエーテル1.06重量部及びイソプロピルアルコール0.52重量部を加えて重合触媒を不活性化し、重合反応を停止させることにより開環重合体を含有する溶液を得た。該開環重合体を含有する溶液100重量部に対して、シクロヘキサン270重量部を加え、さらに水素化触媒としてニッケル−アルミナ触媒(日揮化学社製)5重量部を加え、水素により5MPaに加圧した。攪拌しながら温度200℃まで加温し、4時間反応させることにより、ETCD開環共重合体水素化物を20重量%含有する溶液を得た。ろ過により水素化触媒を除去し、次いで円筒型濃縮乾燥機(日立製作所製)を用いて温度270℃、圧力1kPa以下で、溶媒であるシクロヘキサン、及び他の揮発成分を除去しつつ水素化物を溶融状態で押出機からストランド状に押出し、冷却し、ペレット化してETCD開環共重合体水素化物ペレットを回収した。得られたETCD開環共重合体水素化物の重量平均分子量は35,000、水素化率は99.9%であった。
次いで、ETCD開環重合体水素化物100重量部に対して、無水マレイン酸6.0重量部、ジクミルパーオキシド2重量部及びtert−ブチルベンゼン250重量部を混合し、オートクレーブ中にて135℃、6時間反応を行った。反応液を多量のアセトン中に加えることにより樹脂を析出させ、ろ過することにより樹脂を回収した。回収した樹脂を100℃、1Torr以下で48時間乾燥させ、無水マレイン酸変性脂環式オレフィンポリマー105重量部を得た。得られた無水マレイン酸変性脂環式オレフィンポリマーの重量平均分子量は39,000、1H−NMRで測定したところ無水マレイン酸変性量は10.0mol%であった。
実施例1
8mm×8mm×60mmのSUS製シャンクにろう付けされた寸法0.2mm×1mm×1mmの直方体単結晶ダイヤモンドの0.2mm×1mmの面に、集束イオンビーム加工装置SMI3050(セイコーインスツルメンツ製)を用いてアルゴンイオンビームを用いた集束イオンビーム加工を行い、長さ1mmの辺に平行な幅300nm、深さ500nmの溝をピッチ5μmで彫り込み、切削工具を作製した。
直径200mmで長さ150mmの円筒形状ステンレス鋼SUS430の曲面全面に、厚さ100μmのニッケル−リン無電解メッキを施し、次いで、先に作製した直線状突起を形成した切削工具と、精密円筒研削盤S30−1(スチューダ製)を用いて、ニッケル−リン無電解メッキ面に、円筒の円周端面と平行な方向に幅300nnm、高さ500nm、ピッチ5μmの直線状の構造体を切削加工することにより、転写ロールを得た。なお、集束イオンビーム加工による切削工具の作製と、ニッケル−リン無電解メッキ面の切削加工は、温度20.0±0.2℃、振動制御システム(昭和サイエンス製)により0.5Hz以上の振動の変位が10μm以下に管理された恒温低振動室内で行った。
直径70mmのゴム製ロールからなるニップロール及び上記転写ロールを使用した転写装置を用い、転写ロールの表面温度160℃、ニップロールの表面温度100℃、フィルムの搬送テンションを0.1kgf/mm2、ニップ圧が0.5kgf/mmの条件で厚さ100μmの脂環式オレフィンポリマーフィルム(ZF−14、株式会社オプテス製)表面上に転写ロール表面の形状を転写し、ロール状に巻き取った。次いで、製造例2で作製した接着機能を有する脂環式オレフィンポリマー1.0重量部、トルエン80.0重量部、酢酸ブチル19.0重量部からなる塗布液を作製し、前記転写フィルム上に塗布し、120℃の乾燥炉にて乾燥し、ロール状に巻き取ることにより、表面に凹凸形状を有する保護フィルム1を得た。得られた保護フィルムを所定のサイズに切り出し、集束イオンビーム加工観察装置FB−2100(日立製作所製)のマイクロサンプリング装置を使用してTEM用観察断面を作製し、透過電子顕微鏡H−7500(日立製作所製)にてフィルム断面を観察した結果、フィルム表面に幅340nm、高さ440nmの矩形形状の突起が観察された。また、得られた保護フィルムを50mm角に切り出し、三次元表面構造解析顕微鏡(Zygo製)を用いて、保護フィルム1の表面を観察したところ、フィルムの全面にわたり、幅方向と平行に矩形形状の突起が約5μmの間隔で周期的に並んだ構造を形成していた。
次に、図5に示すように、製造例1で作製したグリッド偏光フィルムのグリッド面と前記保護フィルム1の突起面とを表面温度80℃に調温した加圧ローラーのニップに供給し圧着して連続的に貼り合せることにより、保護層を有するグリッド偏光フィルム1を作製した。得られたグリッド偏光フィルム1を所定のサイズに切り出し、任意の10点について集束イオンビーム加工観察装置FB−2100(日立製作所製)のマイクロサンプリング装置を使用してTEM用観察断面を作製し、透過電子顕微鏡H−7500(日立製作所製)にてフィルム断面を観察した結果、保護フィルム1に形成された突起間には空気層が形成されており、測定結果から保護フィルム1と接触していないグリッド層の面積を算出したところ約93%であった。
実施例2
アクリル樹脂(パラペットGH1000S、クラレ製)7.0重量部、シリカ粒子(トスパール120、東芝GEシリコーン製)3.0重量部、および酢酸ブチル90.0重量部からなる塗布液を調製し、厚さ100μmの脂環式オレフィンポリマーフィルム(ZF−14、株式会社オプテス製)上に塗布し、120℃の乾燥炉で乾燥することにより、保護フィルム2を得た。
保護フィルム2を50mm角に切り出し、三次元表面構造解析顕微鏡(Zygo製)を用いて、保護フィルム2の表面を観察したところ、フィルムの表面に円形の突起が不規則に形成されており、突起10点の平均高さを算出したところ1μmであった。
次に、製造例1で作製したグリッド偏光フィルムのグリッド面と前記保護フィルム2の突起面とを表面温度100℃に調温した加圧ローラーのニップに供給し、圧着することより、保護層を有するグリッド偏光フィルム2を作製した。得られたグリッド偏光フィルム2を所定のサイズに切り出し、任意の10点について集束イオンビーム加工観察装置FB−2100(日立製作所製)のマイクロサンプリング装置を使用してTEM用観察断面を作製し、透過電子顕微鏡H−7500(日立製作所製)にてフィルム断面を観察した。その結果、すべての測定点において、保護フィルム2に形成された突起間には空気層が形成されていることから、グリッド偏光フィルム2は保護フィルムと接触していないグリッド層が形成されていることが確認された。測定結果から保護フィルムと接触していないグリッド層の面積を算出したところ約85%であった。
実施例3
ステンレス製反応器に、脱イオン水75重量部、分散剤であるポリビニルアルコール0.8重量部、ラジカル開始剤である過酸化ベンゾイル0.8重量部を入れ、減圧脱気した後に、アクリルアミド38重量部およびジビニルベンゼン2重量部を入れ、撹拌してエマルジョン化した。このエマルジョンを均質機を用いて、別に脱気されたオートクレーブに移し、65℃に昇温して2時間重合を行った。その時の重合体粒子の粒子径は9.4μmであり、該粒子は150℃の条件下でも溶融できないことから、溶融温度は150℃以上である。次に、脱イオン水250重量部、分散剤であるポリビニルアルコール3重量部、ラジカル開始剤である過酸化ベンゾイル2.5重量部を入れ、減圧脱気した。次いで、グリシジルメタクリレート100重量部、アクリル酸シクロヘキシル100重量部を撹拌することによりエマルジョン化したものを前記オートクレーブに加え、2時間重合を行った。次いで冷却して重合を終了して、ポリマービーズ分散液を得た。該ポリマービーズ分散液を濾別、洗浄、乾燥し、篩別(50μm以上の粒子を除去)することにより、コア−シェル粒子を得た。得られた粒子は平均粒子径が19.5μmであり、得られた粒子のシェル部の溶融温度を測定したところ、溶融温度は55℃であった。
次に、製造例1で作製したグリッド偏光フィルム表面に前記コア−シェル粒子を散布し、保護フィルムである厚さ100μmの脂環式オレフィンポリマーフィルム(ZF−14、株式会社オプテス製)を積層した。表面温度80℃に調温した加圧ローラーのニップに供給して貼り合せることにより、保護層を有するグリッド偏光フィルム3を作製した。得られたグリッド偏光フィルム3を所定のサイズに切り出し、任意の10点について集束イオンビーム加工観察装置FB−2100(日立製作所製)のマイクロサンプリング装置を使用してTEM用観察断面を作製し、透過電子顕微鏡H−7500(日立製作所製)にてフィルム断面を観察した。その結果、すべての測定点において、スペーサーである粒子間には空気層が形成されていた。また、グリッド偏光フィルム3を100℃に加温し、保護フィルムを剥がした後50mm角に切り出し、三次元表面構造解析顕微鏡(Zygo製)を用いて、保護フィルムの表面を観察した。保護フィルムと接触していないグリッド層の面積は約44%であった。
比較例1
製造例1で作製した長尺のグリッド偏光フィルムを50mm角に切り出すことによりグリッド偏光フィルム4を得た。
比較例2
製造例2で作製した接着機能を有する脂環式オレフィンポリマー10重量部、キシレン70重量部、酢酸ブチル20重量部からなる塗布液を作製し、厚さ100μmの脂環式オレフィンポリマーフィルム(商品名:ZF−14、株式会社オプテス製)上に塗布し、120℃の乾燥炉で乾燥することにより、保護フィルムを得た。
次に、製造例1で作製したグリッド偏光フィルムと前記保護フィルムを表面温度100℃に調温した加圧ローラーのニップに供給し、圧着することより、保護層を有するグリッド偏光フィルム5を作製した。グリッド偏光フィルム5を所定のサイズに切り出し、任意の10点について集束イオンビーム加工観察装置FB−2100(日立製作所製)のマイクロサンプリング装置を使用してTEM用観察断面を作製し、透過電子顕微鏡H−7500(日立製作所製)にてフィルム断面を観察した。その結果、すべての測定点において、保護フィルム−基材フィルム間に空気層が形成されていなかった。(保護フィルムと接触していないグリッド層の面積は0%)。
Figure 2008176302
(接着試験:密着性)
JIS K5400法に準じて、グリッド偏光フィルムの保護層側から、1mm×1mmの碁盤目状に切り込みを入れ、粘着テープ(24mm幅、JIS Z1522に規定)で剥離試験を行い、保護層が粘着テープ側に移った升目の数を測定する。粘着テープ側に移った升目の数が5個以下の場合を○、5個以上の場合を×とする。
(スクラッチ試験)
グリッド偏光フィルムの全面を、スチールウール#0000を荷重0.01MPaで接触させ5往復させた。グリッド偏光フィルム表面の状態を目視により観察した。なお、グリッド偏光フィルム表面にキズがない場合を○とする。
(スクラッチ試験前後の輝度向上効果測定)
作製直後、及びスクラッチ試験直後のグリッド偏光フィルムを評価に用いた。入射端面側に冷陰極管が配置され、かつ裏面側に光反射シートが設けられた導光板の出射面側に、光拡散シート、前記グリッド偏光フィルムを順次積層し、偏光光源装置を作製した。
さらに、吸収型偏光板の透過軸がグリッド偏光フィルムの透過軸と平行になるように吸収型偏光板を積層し(グリッド偏光フィルムが吸収型偏光板との積層体の場合は不要)、透過型のTN液晶表示素子を載せ、液晶表示素子の下の吸収型偏光板の透過軸と直交する方向に透過軸が向くように吸収型偏光板を載せて、液晶表示装置を作製した。得られた液晶表示装置の明表示時の正面輝度を輝度計BM−7(トプコン製)を用いて測定した。

Claims (8)

  1. 透明樹脂層Aと、細長く線状に延び且つ互いに離間した状態で略平行に複数並んだ吸光性膜からなるグリッドと、透明樹脂層Bとがこの順に積層されてなり、
    該透明樹脂層Bはグリッド側表面に凸構造Bを有し、該凸構造Bは複数の凸部bからなり、該凸部bによって透明樹脂層Bとグリッドとの間に空間が形成され、該空間が空気又は不活性ガスで満たされている、光学素子。
  2. 前記凸部bの高さが50nm〜100μmであり、該凸部bの頂面に直接又は他の層を介してグリッドが接して積層されている請求項1に記載の光学素子。
  3. 長尺状のものである請求項1又は2に記載の光学素子。
  4. 前記凸構造Bは、細長く線状に延びた畝状の凸部bが互いに離間した状態で複数並んだ構造を成している、請求項1〜3のいずれかに記載の光学素子。
  5. 前記凸構造Bは、細長く線状に延びた畝状の凹凸構造を成している、請求項1〜3のいずれかに記載の光学素子
  6. 凸構造Bは、細長く線状に延びた畝状の凸部bが格子状に並んだ構造を成している、請求項1〜3のいずれかに記載の光学素子。
  7. 凸構造Bは、台状の凸部bが離散した状態で複数並んだ構造を成している、請求項1〜3のいずれか一に記載の光学素子。
  8. 透明樹脂層Aは、グリッド側表面に細長く線状に延び且つ互いに離間した状態で複数並んだ畝状凸部aからなる凸構造Aを有し、
    グリッドは、該凸部aの頂面に、又は該凸部aの頂面及び底面に、形成された吸光性膜で構成されている、請求項1〜7のいずれか一に記載の光学素子。
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