JP2008175664A - 車輪用軸受の軸受荷重検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 車両にコンパクトに荷重センサを設置できて、車輪の軸受部にかかる荷重を正確に検出できる車輪用軸受の軸受荷重検出装置を提供する。
【解決手段】 荷重検出の対象とする車輪用軸受10は、複列の転走面4が形成された固定輪1と、この固定輪1の転走面4と対向する転走面4を形成した回転輪2と、対向する転走面4,5間に介在した複列の転動体3とを備える。前記固定輪1は車体のナックル12に取付けられる車体取付フランジ1aを有する。この軸受荷重検出装置は、超音波センサ17と推定手段20を備える。超音波センサ17は、少なくとも一つの送信部18とこの送信部18から送信された超音波を受信する受信部19を有し、前記車体取付フランジ1aとナックル12との接触面1aaに向けて前記ナックル12に設置する。推定手段20は、前記超音波センサ17の前記受信部19が検出するエコーの大きさもしくは反射時間より、タイヤと路面間に作用する作用力を推定する。
【選択図】 図1
【解決手段】 荷重検出の対象とする車輪用軸受10は、複列の転走面4が形成された固定輪1と、この固定輪1の転走面4と対向する転走面4を形成した回転輪2と、対向する転走面4,5間に介在した複列の転動体3とを備える。前記固定輪1は車体のナックル12に取付けられる車体取付フランジ1aを有する。この軸受荷重検出装置は、超音波センサ17と推定手段20を備える。超音波センサ17は、少なくとも一つの送信部18とこの送信部18から送信された超音波を受信する受信部19を有し、前記車体取付フランジ1aとナックル12との接触面1aaに向けて前記ナックル12に設置する。推定手段20は、前記超音波センサ17の前記受信部19が検出するエコーの大きさもしくは反射時間より、タイヤと路面間に作用する作用力を推定する。
【選択図】 図1
Description
この発明は、車輪の軸受部にかかる荷重を検出する車輪用軸受の軸受荷重検出装置に関する。
従来、自動車の安全走行のために、各車輪の回転速度を検出するセンサを車輪用軸受に設けたものがある。従来の一般的な自動車の走行安全性確保対策は、各部の車輪の回転速度を検出することで行われているが、車輪の回転速度だけでは十分でなく、その他のセンサ信号を用いてさらに安全面の制御が可能なことが求められている。
そこで、車両走行時に各車輪に作用する荷重から姿勢制御を図ることも考えられる。例えばコーナリングにおいては外側車輪に大きな荷重がかかり、また左右傾斜面走行では片側車輪に、ブレーキングにおいては前輪にそれぞれ荷重が片寄るなど、各車輪にかかる荷重は均等ではない。また、積載荷重不均等の場合にも各車輪にかかる荷重は不均等になる。このため、車輪にかかる荷重を随時検出できれば、その検出結果に基づき、事前にサスペンション等を制御することで、車両走行時の姿勢制御(コーナリング時のローリング防止、ブレーキング時の前輪沈み込み防止、積載荷重不均等による沈み込み防止等)を行うことが可能となる。しかし、車輪に作用する荷重を検出するセンサの適切な設置場所がなく、荷重検出による姿勢制御の実現が難しい。
また、今後ステアバイワイヤが導入されて、車軸とステアリングが機械的に結合しないシステムになってくると、車軸方向荷重を検出して運転手が握るハンドルに路面情報を伝達することが求められる。
そこで、車両走行時に各車輪に作用する荷重から姿勢制御を図ることも考えられる。例えばコーナリングにおいては外側車輪に大きな荷重がかかり、また左右傾斜面走行では片側車輪に、ブレーキングにおいては前輪にそれぞれ荷重が片寄るなど、各車輪にかかる荷重は均等ではない。また、積載荷重不均等の場合にも各車輪にかかる荷重は不均等になる。このため、車輪にかかる荷重を随時検出できれば、その検出結果に基づき、事前にサスペンション等を制御することで、車両走行時の姿勢制御(コーナリング時のローリング防止、ブレーキング時の前輪沈み込み防止、積載荷重不均等による沈み込み防止等)を行うことが可能となる。しかし、車輪に作用する荷重を検出するセンサの適切な設置場所がなく、荷重検出による姿勢制御の実現が難しい。
また、今後ステアバイワイヤが導入されて、車軸とステアリングが機械的に結合しないシステムになってくると、車軸方向荷重を検出して運転手が握るハンドルに路面情報を伝達することが求められる。
このような要請に応えるものとして、車輪用軸受の外輪に超音波センサを設け、転動体と転走面の接触面積により変化するエコー比より荷重を検出する車輪用軸受が提案されている(例えば特許文献1,2)。
特開2006−177932号公報
特開2006−292027号公報
しかし、特許文献1,2に開示された技術では、以下のような問題があった。
・ 超音波が反射を繰り返して複雑に伝達するため、他の位置に設置した超音波センサに影響を及ぼし、荷重を正確に検出することが難しい
・ 転動体と転走面の接触面に向けて超音波センサを設置する必要があるため、超音波センサの位置決めが難しい。
・ 超音波センサの設置個数が少ないと転動体通過時しか荷重を測定できず、静荷重を測定するためには複数個もしくは幅広い超音波センサを設置する必要がある。
・ 超音波が反射を繰り返して複雑に伝達するため、他の位置に設置した超音波センサに影響を及ぼし、荷重を正確に検出することが難しい
・ 転動体と転走面の接触面に向けて超音波センサを設置する必要があるため、超音波センサの位置決めが難しい。
・ 超音波センサの設置個数が少ないと転動体通過時しか荷重を測定できず、静荷重を測定するためには複数個もしくは幅広い超音波センサを設置する必要がある。
この発明の目的は、車両にコンパクトに荷重センサを設置できて、車輪の軸受部にかかる荷重を正確に検出できる車輪用軸受の軸受荷重検出装置を提供することである。
この発明の車輪用軸受の軸受荷重検出装置は、複列の転走面が形成された固定輪と、この固定輪の転走面と対向する転走面を形成した回転輪と、対向する転走面間に介在した複列の転動体とを備え、前記固定輪が車体のナックルに取付けられる車体取付フランジを有し、前記車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受において、少なくとも一つの送信部とこの送信部から送信された超音波を受信する受信部を有する超音波センサを、前記車体取付フランジとナックルとの接触面に向けて前記ナックルに設置し、前記超音波センサの前記受信部が検出するエコーの大きさより、タイヤと路面間に作用する作用力を推定する推定手段を設けたものである。
この発明の他の車輪用軸受の軸受荷重検出装置は、この発明の前記構成の軸受荷重検出装置において、前記推定手段として、エコーの大きさより作用力を推定するものに代えて、前記超音波センサの前記受信部が検出するエコーの反射時間よりタイヤと路面間に作用する作用力を推定する推定手段を設けたものである。前記反射時間は、前記送信部から送信してから前記受信部が受信するまでの時間である。
この車輪用軸受の軸受荷重検出装置を搭載した車両において、タイヤと路面間に作用する作用力で車輪用軸受に荷重が印加されると、ナックルの変形による超音波センサの送信部からの超音波の送信方向の変化、もしくはナックルと車体取付フランジとの接触面の接触状態の変化により、超音波センサの受信部の検出するエコーの大きさもしくは反射時間が変化する。このため、推定手段は受信部が検出するエコーの大きさもしくは反射時間から車輪の軸受部にかかる荷重を推定することができる。この場合に、超音波センサを車体取付フランジとナックルとの接触面に向けて設置するため、超音波が複雑な経路を通ることなくエコーを測定でき、そのため車輪の軸受部にかかる荷重を正確に推定することができる。この推定結果は自動車の車両制御に利用することができる。また、センサがナックルに取付けられるため、車輪用軸受に対する追加工の必要がなくて、軸受剛性を下げることなく車両にコンパクトに荷重センサを設置でき、量産性に優れたものとでき、コスト低減を図ることができる。センサがナックルに取付けられることから、車輪用軸受の組立後に取付ける必要がなく、配線の取り回しも比較的簡単になる。
この発明の他の車輪用軸受の軸受荷重検出装置は、この発明の前記構成の軸受荷重検出装置において、前記推定手段として、エコーの大きさより作用力を推定するものに代えて、前記超音波センサの前記受信部が検出するエコーの反射時間よりタイヤと路面間に作用する作用力を推定する推定手段を設けたものである。前記反射時間は、前記送信部から送信してから前記受信部が受信するまでの時間である。
この車輪用軸受の軸受荷重検出装置を搭載した車両において、タイヤと路面間に作用する作用力で車輪用軸受に荷重が印加されると、ナックルの変形による超音波センサの送信部からの超音波の送信方向の変化、もしくはナックルと車体取付フランジとの接触面の接触状態の変化により、超音波センサの受信部の検出するエコーの大きさもしくは反射時間が変化する。このため、推定手段は受信部が検出するエコーの大きさもしくは反射時間から車輪の軸受部にかかる荷重を推定することができる。この場合に、超音波センサを車体取付フランジとナックルとの接触面に向けて設置するため、超音波が複雑な経路を通ることなくエコーを測定でき、そのため車輪の軸受部にかかる荷重を正確に推定することができる。この推定結果は自動車の車両制御に利用することができる。また、センサがナックルに取付けられるため、車輪用軸受に対する追加工の必要がなくて、軸受剛性を下げることなく車両にコンパクトに荷重センサを設置でき、量産性に優れたものとでき、コスト低減を図ることができる。センサがナックルに取付けられることから、車輪用軸受の組立後に取付ける必要がなく、配線の取り回しも比較的簡単になる。
この発明において、前記超音波センサは、互いに軸受軸心回りの円周方向に離れた4箇所に設置しても良い。
このように超音波を4箇所に設置した場合、それぞれの超音波センサの検出信号を演算して、垂直方向荷重Fz、前後方向荷重Fx、左右方向荷重Fyなど、様々な方向の荷重の大きさを推定することができる。
このように超音波を4箇所に設置した場合、それぞれの超音波センサの検出信号を演算して、垂直方向荷重Fz、前後方向荷重Fx、左右方向荷重Fyなど、様々な方向の荷重の大きさを推定することができる。
この発明において、前記超音波センサは、一つの送信部と、この送信部に対して互いに対称に設置された2つの受信部からなる受信部組とを有し、前記受信部組は前記送信部に対して1組または複数組設けても良い。
一つの送信部に対して、その送信部と対称に2つの受信部を少なくとも1組設けると、その2つのエコーの大きさもしくは反射時間を比較すれば、ナックルの変形による超音波の方向の変化や固定輪のフランジ面とナックル面の接触状態の変化により、接触面でどの方向に超音波が反射したかを推測できる。そのため、荷重の方向を推定し易くなる。
一つの送信部に対して、その送信部と対称に2つの受信部を少なくとも1組設けると、その2つのエコーの大きさもしくは反射時間を比較すれば、ナックルの変形による超音波の方向の変化や固定輪のフランジ面とナックル面の接触状態の変化により、接触面でどの方向に超音波が反射したかを推測できる。そのため、荷重の方向を推定し易くなる。
この発明の車輪用軸受の軸受荷重検出装置は、複列の転走面が形成された固定輪と、この固定輪の転走面と対向する転走面を形成した回転輪と、対向する転走面間に介在した複列の転動体とを備え、前記固定輪が車体のナックルに取付けられる車体取付フランジを有し、前記車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受において、少なくとも一つの送信部とこの送信部から送信された超音波を受信する受信部を有する超音波センサを、前記車体取付フランジとナックルとの接触面に向けて前記ナックルに設置し、前記超音波センサの前記受信部が検出するエコーの大きさもしくは反射時間より、タイヤと路面間に作用する作用力を推定する推定手段を設けたため、車両にコンパクトに荷重センサを設置できて、車輪の軸受部にかかる荷重を正確に検出できる。
この発明の一実施形態を図1および図2と共に説明する。この実施形態の軸受荷重検出装置は、第3世代型の内輪回転タイプで、かつ駆動輪支持用の車輪用軸受を荷重検出の対象とするものである。なお、この明細書において、車両に取付けた状態で車両の車幅方向外側寄りとなる側をアウトボード側と言い、車両の中央寄りとなる側をインボード側と呼ぶ。図1では、左側がアウトボード側、右側がインボード側となる。
図1のように、この軸受荷重検出装置による荷重検出の対象となる車輪用軸受10は、内周に複列の転走面4が形成された外方部材1と、これら転走面4にそれぞれ対向する転走面5が形成された内方部材2と、これら複列の転走面4,5間に介在した複列の転動体3とを備える。この車輪用軸受10は、複列のアンギュラ玉軸受型とされていて、転動体3はボールからなり、各列毎に保持器6で保持されている。上記各転走面4,5は断面円弧状であり、ボール接触角が背面合わせとなるように形成されている。内外の部材2,1間に形成される環状空間のアウトボード側およびインボード側の各開口端部は、それぞれ密封装置である接触式のシール7,8で密封されている。
図1のように、この軸受荷重検出装置による荷重検出の対象となる車輪用軸受10は、内周に複列の転走面4が形成された外方部材1と、これら転走面4にそれぞれ対向する転走面5が形成された内方部材2と、これら複列の転走面4,5間に介在した複列の転動体3とを備える。この車輪用軸受10は、複列のアンギュラ玉軸受型とされていて、転動体3はボールからなり、各列毎に保持器6で保持されている。上記各転走面4,5は断面円弧状であり、ボール接触角が背面合わせとなるように形成されている。内外の部材2,1間に形成される環状空間のアウトボード側およびインボード側の各開口端部は、それぞれ密封装置である接触式のシール7,8で密封されている。
外方部材1は固定輪となるものであって、その外周に形成された車体取付フランジ1aが、車体取付フランジ1aにおける軸受軸心回りの円周方向に互いに離れて複数箇所(ここでは4箇所)に設けられたボルト孔9に螺合するボルト11により、車体側のナックル12に締結される。ボルト孔9は、雌ねじに形成されている。
内方部材2は回転輪となるものであって、外周に車輪取付フランジ2aを有するハブ輪2Aと、このハブ輪2Aのインボード側の外周に嵌合した別体の内輪2Bとからなり、ハブ輪2Aには等速ジョイント13の片方の継手部材となる外輪13aが連結される。ハブ輪2Aおよび内輪2Bに、各列の転走面5がそれぞれ形成される。ハブ輪2Aは中央孔14を有し、この中央孔14に、等速ジョイント外輪13aに一体に形成されたステム15が挿通され、ステム15の先端に螺合するナット16の締め付けにより、等速ジョイント外輪13aが内方部材2に連結される。このとき、等速ジョイント外輪13aに設けられたアウトボード側に向く段面13aaが、ハブ輪2Aに圧入した内輪2Bのインボード側に向く端面に押し付けられ、等速ジョイント外輪13aとナット16とで内方部材2が幅締めされる。ハブ輪2Aの中央孔14にはスプライン溝14aが形成されており、ステム15のスプライン溝15aとスプライン嵌合する。
内方部材2は回転輪となるものであって、外周に車輪取付フランジ2aを有するハブ輪2Aと、このハブ輪2Aのインボード側の外周に嵌合した別体の内輪2Bとからなり、ハブ輪2Aには等速ジョイント13の片方の継手部材となる外輪13aが連結される。ハブ輪2Aおよび内輪2Bに、各列の転走面5がそれぞれ形成される。ハブ輪2Aは中央孔14を有し、この中央孔14に、等速ジョイント外輪13aに一体に形成されたステム15が挿通され、ステム15の先端に螺合するナット16の締め付けにより、等速ジョイント外輪13aが内方部材2に連結される。このとき、等速ジョイント外輪13aに設けられたアウトボード側に向く段面13aaが、ハブ輪2Aに圧入した内輪2Bのインボード側に向く端面に押し付けられ、等速ジョイント外輪13aとナット16とで内方部材2が幅締めされる。ハブ輪2Aの中央孔14にはスプライン溝14aが形成されており、ステム15のスプライン溝15aとスプライン嵌合する。
ナックル12には、超音波センサ17が荷重センサとして設けられている。図1のインボード側から見た構成図を図2に2点鎖線で示すように、超音波17は複数設けられている。なお、図1における車輪用軸受10の断面図は、図2におけるI−O−I矢視断面図を示す。
前記超音波センサ17は、タイヤと路面間の作用力を、超音波のエコーの大きさもしくは反射時間に換算して検出するものであり、少なくとも一つの送信部18と、この送信部18から送信された超音波を受信する受信部19とを有する。具体的には、ナックル12のインボード側に向く平面部における複数のボルト締結位置(ここでは4箇所)の近傍に、つまりナックル12の片面における軸受軸心回りの円周方向に互いに離れた4箇所に、車体取付フランジ1aとナックル12との接触面1aaに向けてそれぞれ1つの超音波センサ17が設置される。上記4箇所は、図示の例では、斜め左上、左下、右上、右下とされている。各超音波センサ17の受信部19は、送信部18から送信された超音波が外方部材1における前記車体取付フランジ1aとナックル12の接触面1aa、もしくは外方部材1の外周面から反射して戻ってくるエコーを受信する。
前記超音波センサ17は、タイヤと路面間の作用力を、超音波のエコーの大きさもしくは反射時間に換算して検出するものであり、少なくとも一つの送信部18と、この送信部18から送信された超音波を受信する受信部19とを有する。具体的には、ナックル12のインボード側に向く平面部における複数のボルト締結位置(ここでは4箇所)の近傍に、つまりナックル12の片面における軸受軸心回りの円周方向に互いに離れた4箇所に、車体取付フランジ1aとナックル12との接触面1aaに向けてそれぞれ1つの超音波センサ17が設置される。上記4箇所は、図示の例では、斜め左上、左下、右上、右下とされている。各超音波センサ17の受信部19は、送信部18から送信された超音波が外方部材1における前記車体取付フランジ1aとナックル12の接触面1aa、もしくは外方部材1の外周面から反射して戻ってくるエコーを受信する。
これら各超音波センサ17の受信部19は、推定手段20に接続される。推定手段20は、前記各超音波センサ17の受信部19が検出するエコーの大きさもしくは反射時間より、タイヤと路面間に作用する作用力を推定する手段である。前記各超音波センサ17のエコーの大きさは、受信部19で受信した超音波の振幅より求めることができる。また、前記各超音波センサ17のエコーの反射時間は、送信部18からパルス状の超音波を送信し、受信部19で受信した超音波との位相差から求めることができる。車輪用軸受10に荷重が印加した場合、ナックル12の変形による送信部18からの超音波の送信方向の変化、もしくはナックル12と車体取付フランジ1aとの接触面1aaの接触状態の変化により、受信部19の検出するエコーの大きさもしくは反射時間が変化するため、推定手段20は受信部19が検出するエコーの大きさもしくは反射時間から荷重を推定することができる。推定手段20は、エコーの大きさもしくは反射時間と前記作用力との関係を設定したテーブルまたは演算式等の関係設定部(図示せず)を有していて、入力されたエコーの大きさもしくは反射時間を前記関係設定部の設定内容と比較することで、前記作用力を推定する。
上記構成の軸受荷重検出装置を搭載した車両において、タイヤと路面間に作用する作用力で車輪用軸受10に荷重が印加されると、上記したようにナックル12の変形により超音波センサ17の送信部18からの超音波の送信方向や、外方部材1の車体取付フランジ1aとナックル12との接触面1aaの接触状態が大きく変化し、これにより超音波センサ17の受信部19が受信するエコーの大きさもしくは反射時間が変化する。推定手段20は、この超音波センサ17の受信部19が検出するエコーの大きさもしくは反射時間から荷重の大きさを推定する。
超音波センサ17の個数については特に限定しないが、この実施形態では超音波センサ17を、互いに軸受軸心回りの円周方向に離れて設けられた4箇所のボルト締結位置に対応付けて4個設置しているので、それぞれの超音波センサ17の検出信号を演算して、垂直方向荷重(z軸方向:車両の上下方向)Fz、前後方向荷重(x軸方向:車両の前後方向)Fx、左右方向荷重(y軸方向:車幅方向)Fyなど様々な方向の荷重の大きさを推定できる。
また、超音波センサ17の設置場所についても特に指定しないが、この実施形態の場合は、ナックル12のインボード側に向く平面部に、車体取付フランジ1aとナックル12との接触面1aaに向けて設置したため、ナックル12と車体取付フランジ1aの接触面積が大きい部分でエコーの変化を検出でき、荷重の大きさをより正確に推定できる。
さらに、ナックル12の平面部に超音波センサ17を設置しているので、車輪用軸受10に対する追加工は必要なく、剛性確保やコスト低減の観点から利点が大きい。また、車輪用軸受10を車体に組み込んだ後で超音波センサ17を取り付けるといった作業手順にならずに済むため、配線の取り回しも比較的簡単になる。
なお、この実施形態のように超音波センサ17を直接ナックル12に設置する場合のほか、超音波センサ17を含んだユニット(図示せず)を、ねじ等によりナックル12に設置するようにしても良い。
さらに、ナックル12の平面部に超音波センサ17を設置しているので、車輪用軸受10に対する追加工は必要なく、剛性確保やコスト低減の観点から利点が大きい。また、車輪用軸受10を車体に組み込んだ後で超音波センサ17を取り付けるといった作業手順にならずに済むため、配線の取り回しも比較的簡単になる。
なお、この実施形態のように超音波センサ17を直接ナックル12に設置する場合のほか、超音波センサ17を含んだユニット(図示せず)を、ねじ等によりナックル12に設置するようにしても良い。
このように、この車輪用軸受の軸受荷重検出装置では、少なくとも一つの送信部18とこの送信部18から送信された超音波を受信する受信部19を有する超音波センサ17を、外方部材1の車体取付フランジ1aが取付けられる車体のナックル12に、車体取付フランジ1aとナックル12との接触面1aaに向けて設置し、超音波センサ17の受信部19が検出するエコーの大きさもしくは反射時間より、タイヤと路面間に作用する作用力の大きさを推定手段20で推定するようにしているので、車輪の軸受部にかかる荷重を正確に検出することができ、この検出結果を自動車の車両制御に利用することができる。また、荷重検出のセンサの構成も簡単であるため、車両にコンパクトに荷重センサを設置でき、量産性に優れたものとでき、コスト低減を図ることができる。
上記実施形態では、超音波センサ17が、1つの送信部18と1つの受信部19とでなるものである場合について説明したが、図3(A),(B)に側面図および正面図で示すように、1つの送信部18と、この送信部1に対して互いに対称に設置された2つの受信部19,19からなる受信部組29の1組または複数組(ここでは2組)とでなる超音波センサ17を用いても良い。この場合、1つの送信部18を挟んで1組の受信部組29の2つの受信部19,19が互いに対称に設置されると共に、この受信部組29の方向に対して直交する方向において、他の1組の受信部組29の2つの受信部19,19が送信部18を挟んで互いに対称に設置されている。
このような構成の超音波センサ17を、先の実施形態における車輪用軸受10の荷重検出に同じ設置条件で用いた場合、その検出動作は以下のようになる。車輪用軸受10に荷重が印加されない場合、送信部17から送信された超音波は、ある拡がりをもってナックル12と車体取付フランジ1aとの接触面1aaに向けて垂直方向に進み、接触面1aaでほぼ垂直方向に反射するため、4つの受信部19が検出するエコーはほとんど同一となる。一方、車輪用軸受10に荷重が印加された場合、ナックル12の変形による超音波の反射方向の変化、もしくはナックル12と車体取付フランジ1aとの接触面1aaの接触状態の変化により、超音波は垂直方向に反射しなくなるため、4つの受信部19が検出するエコーの大きさもしくは反射時間は互いに異なる。そこで、これら4つの受信部19の検出エコーの差分などを演算することにより、荷重の方向を容易に推定することができる。
1…外方部材(固定輪)
1a…車体取付フランジ
2…内方部材(回転輪)
3…転動体
4,5…転走面
10…車輪用軸受
12…ナックル
17…超音波センサ
18…送信部
19…受信部
20…推定手段
1a…車体取付フランジ
2…内方部材(回転輪)
3…転動体
4,5…転走面
10…車輪用軸受
12…ナックル
17…超音波センサ
18…送信部
19…受信部
20…推定手段
Claims (4)
- 複列の転走面が形成された固定輪と、この固定輪の転走面と対向する転走面を形成した回転輪と、対向する転走面間に介在した複列の転動体とを備え、前記固定輪が車体のナックルに取付けられる車体取付フランジを有し、前記車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受において、
少なくとも一つの送信部とこの送信部から送信された超音波を受信する受信部を有する超音波センサを、前記車体取付フランジとナックルとの接触面に向けて前記ナックルに設置し、前記超音波センサの前記受信部が検出するエコーの大きさより、タイヤと路面間に作用する作用力を推定する推定手段を設けた車輪用軸受の軸受荷重検出装置。 - 複列の転走面が形成された固定輪と、この固定輪の転走面と対向する転走面を形成した回転輪と、対向する転走面間に介在した複列の転動体とを備え、前記固定輪が車体のナックルに取付けられる車体取付フランジを有し、前記車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受において、
少なくとも一つの送信部とこの送信部から送信された超音波を受信する受信部を有する超音波センサを、前記車体取付フランジとナックルとの接触面に向けて前記ナックルに設置し、前記超音波センサの前記受信部が検出するエコーの反射時間より、タイヤと路面間に作用する作用力を推定する推定手段を設けた車輪用軸受の軸受荷重検出装置。 - 請求項1または請求項2において、前記超音波センサは、互いに軸受軸心回りの円周方向に離れた4箇所に設置した車輪用軸受の軸受荷重検出装置。
- 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記超音波センサは、一つの送信部と、この送信部に対して互いに対称に設置された2つの受信部からなる受信部組とを有し、前記受信部組は前記送信部に対して1組または複数組設けた車輪用軸受の軸受荷重検出装置。
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-
2007
- 2007-01-18 JP JP2007008784A patent/JP2008175664A/ja active Pending
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US10066665B2 (en) | 2010-11-15 | 2018-09-04 | Ntn Corporation | Wheel bearing with sensor |
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