JP2008175616A - 表面プラズモン共鳴センサ - Google Patents

表面プラズモン共鳴センサ Download PDF

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Abstract

【課題】 被測定物質の屈折率の変化に対して出力変化を増大でき、感度を向上することができる表面プラズモン共鳴センサを提供すること
【解決手段】 コア1と当該コア1を覆うクラッド2とを有する光導波路基板12の表面に、所定の光の波長に対して表面プラズモン共鳴を起こす金属薄膜3を形成し、当該金属薄膜3に接する被測定物質10について表面プラズモン共鳴現象を起こすようにする。金属薄膜3は所定幅Wで帯状に形成し、光導波路基板12において伝搬する光の伝搬経路(コア1)に重畳する配置とする。金属薄膜3の幅Wはモードフィールド径と同一あるいは同一以下に小さくする。クラッド2と被測定物質10とが直接に接する部分を有することから、伝搬する光は、金属薄膜3の側縁の外側を透過する成分では金属薄膜3による吸収,損失がなくなり、従来の全面域の構成よりも界面へ光エネルギを高く供給できる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、界面における表面プラズモン共鳴を検出する表面プラズモン共鳴センサに関するもので、より具体的には、ガラスなどの透明体の表面に金属薄膜を形成して当該金属薄膜に接する被測定物質について表面プラズモン共鳴現象を起こすようにした構成での感度特性の改良に関する。
屈折率および屈折率変化を利用した計測に関して、界面においてある特定の条件下では外部から入射された光が金属中の電子と結合して強い電場を生成した状態、つまり表面プラズモン共鳴(SPR:Surface Plasmon Resonance)の変化を利用したセンサがある。以下、この表面プラズモン共鳴センサはSPRセンサと略記する。
SPRセンサは、表面プラズモンの励起条件が周囲の屈折率に対して強い影響を受ける性質を利用しており、被測定物質の物性値を、標識化処理を必要とすることなく動的に測定することができることから、バイオテクノロジーや化学の分野で適用が見られる。
金や銀などの金属表面に光を照射すると、プラズマ周波数以下では金属中の自由電子の集団的な動き(プラズモン)が励起する。金属と誘電体の界面において、金属内の電子の集団的振動による粗密波と誘電体中の光が結合することにより、界面に沿った方向に伝搬する表面プラズモンポラリトンと言われる状態が生じる。表面プラズモンポラリトンの生成条件は、光の波数と金属および金属に接する誘電体の屈折率によって決定し、屈折率の変化に非常に強い影響を受ける。
外部からプリズムなどにより光を金属薄膜に照射したとき、表面プラズモンの共鳴条件でなければ、すなわち照射光の波数と表面プラズモンの波数が整合しなければ、金属薄膜面で光が反射するが、表面プラズモンの共鳴条件では外部からの照射光は表面プラズモンを励起し、金属薄膜面に沿って伝搬していくため反射する光は減少する。この反射光強度の変化から金属薄膜に接する物質の屈折率を測定することができ、SPRセンサの原理となる。
表面プラズモンポラリトンは外部の光とは直接結合することができないため、回折格子や高屈折率のプリズムを用いて波数を制御して結合させることになる。
表面プラズモンの励起方法として、よく知られる方法にクレッチマン配置と呼ばれる方法がある。クレッチマン配置は図1に示すように、被測定物質10よりも高い屈折率を有するプリズム11を用い、プリズム11に光を照射して照射された光が金属薄膜3を透過して反対側の誘電体(被測定物質10)との界面に表面プラズモンを励起するようにしている。
SPRセンサとしては、例えば特許文献1などに見られるように、プリズムの代わりに屈折率差によって光を閉じ込めて伝搬させる光導波路を用いる光導波路型SPRセンサがある。光導波路は高屈折率部分に高い電界を閉じ込めて伝搬するが、そのエネルギの一部はエバネッセント波として低屈折率部分にも存在し、エバネッセント波によって表面プラズモンを励起させることができる。プリズムでは光が空間を伝搬するため、レンズなどによる集光や高精度の位置調整が必要となるが、光導波路型SPRセンサは、光源や受光部と光ファイバによって接続することができるためレンズなどの部品は不要となり、装置を小型化することができ、光ファイバを固定した構成になるので測定時に煩雑な光学調整は必要としない。
特許第3576093号公報
上述したように、SPRセンサは、プリズムを用いた構成では、反射光強度の変化から金属薄膜(3)表面の近傍の誘電率変化を測定することになり、光の入射角度や波長を変化させることにより、反射光が最も低減する点を見つけて屈折率を測定する。また、シングルモードの光導波路基板による構成では、波数を変化させて最も減衰する点を探すことが波長を変化させることが出来る光源を用いなければ不可能なので、出射光強度の変化から屈折率の変化を測定することになる。
外部から与える光の波数を変化させる場合、射出光強度の変化を測定する場合、何れにしても測定に係る出力変化つまり表面プラズモンの共鳴特性は共鳴点の近辺での傾きが大きい方が感度が高いと言え、感度を高くするには表面プラズモン共鳴が発生する条件と、そうでない条件での出力変化に大きな差をつける必要がある。
表面プラズモンは金属薄膜の近傍で発生するが、金属薄膜には光を吸収する性質があるため、金属薄膜の近傍に強い電界を有する表面プラズモンは伝搬とともに金属薄膜の部分でエネルギを損失する。
また、従来のSPRセンサは、被測定物質と接する面は略全面が金属薄膜の成膜面なので、これは光のビーム幅に対してほぼ無限大となっており、このため、表面プラズモンの励起のための光(エバネッセント波)に対して吸収が大きく、励起の効率が低下する問題がある。
この発明は上述した課題を解決するもので、その目的は、被測定物質の屈折率の変化に対して出力変化を増大でき、感度を向上することができる表面プラズモン共鳴センサを提供することにある。
上述した目的を達成するために、本発明に係る表面プラズモン共鳴センサは、ガラスなどの透明体の表面に、所定の光の波長に対して表面プラズモン共鳴を起こす金属薄膜を形成し、透明体において伝搬する光により金属薄膜との界面に表面プラズモンの励起のためのエバネッセント波を浸み出しさせ、金属薄膜に接する被測定物質について表面プラズモン共鳴現象を起こす表面プラズモン共鳴センサにおいて、金属薄膜は所定幅で帯状に形成し、透明体において伝搬する光の伝搬経路に重畳する配置とする構成にする。
また、金属薄膜は、透明体において伝搬する光の伝搬経路に重畳する部分を帯状に除いて形成する構成にしたり、所定幅で帯状に形成して透明体において伝搬する光の伝搬経路に重畳する近辺に複数を配列する構成にすることもよい。
また、金属薄膜上に、透明体よりも高い屈折率を有する高屈折率薄膜を形成し、屈折率が比較的に低い被測定物質を高屈折率薄膜に接触させる構成にする。
また、透明体がプリズムとなるクレッチマン配置の構成、あるいは透明体が回折格子となる構成とし、金属薄膜の幅を、当該金属薄膜表面での光ビーム幅と同一あるいは同一以下に小さくする。
また、透明体が、コアと当該コアを覆うクラッドとを有して屈折率差によりコア内に光を閉じ込めて特定の波数で伝搬させる光導波路基板となる光導波路型の構成とし、金属薄膜の幅を光導波路基板におけるモードフィールド径と同一あるいは同一以下に小さくする。
また、光導波路基板には、測定に用いる光に対してシングルモードとなる光導波路を設ける構成とすることもよく、光導波路基板はガラス材料を用いて形成し、光の波長を1.2〜1.6μmとする。また、金属薄膜の幅を2.2〜8μmとする。
係る構成にすることにより本発明では、金属薄膜は所定幅で帯状に形成し、透明体において伝搬する光の伝搬経路に重畳する配置とするので、金属薄膜の幅を光のビーム幅に対して同一あるいは同一以下に設定することができる。すなわち、透明体と被測定物質とが直接に接する部分を有することから、透明体において伝搬する光は、金属薄膜の側縁の外側を透過する成分では金属薄膜による吸収,損失がなくなり、従来の全面域の構成よりも金属薄膜と被測定物質との界面へ光エネルギを高く供給することができる。
所定幅で帯状とする金属薄膜の配置は、光の伝搬経路に重畳する位置から多少のずれは許容でき、透明体において伝搬する光は、帯状部位へ対面しないで透過する成分では金属薄膜による吸収,損失がなくなり、被測定物質との界面へ電界の回り込みを多くできる作用がある。
その結果、表面プラズモン共鳴について、共鳴点ではより強く結合して出射光強度は低下する。また、共鳴点以外では金属薄膜の幅が狭いため当該金属薄膜での吸収,損失が低下する。これらにより、表面プラズモンの共鳴特性(共鳴点の近辺)の勾配が急峻になる。
また本発明は、金属薄膜の構成が、透明体において伝搬する光の伝搬経路に重畳する部分を帯状に除いて形成したものでも同様の作用であり、この場合、透明体において伝搬する光は、帯状に除いた部位へ向かい透過する成分では金属薄膜による吸収,損失がなくなり、被測定物質との界面へ電界の回り込みを多くできる作用がある。
そして、金属薄膜の構成が、所定幅で帯状に形成して透明体において伝搬する光の伝搬経路に重畳する近辺に複数を配列したものでも同様の作用であり、透明体において伝搬する光は、複数が並ぶ配列の隙間部位へ向かい透過する成分では金属薄膜による吸収,損失がなくなり、被測定物質との界面へ電界の回り込みを多くできる。
光導波路型の構成では光が伝搬する光導波路の経路長さでの吸収,損失の影響が大きいため、本発明に係る吸収,損失の低減作用は効果が高い。クレッチマン配置のプリズムによる構成や回折格子による構成でも同様の作用となるので、被測定物質との界面へ光エネルギを高く供給することができる効果は良好に得られる。
本発明に係る表面プラズモン共鳴センサでは、金属薄膜は所定幅で帯状に形成し、透明体において伝搬する光の伝搬経路に重畳する配置とするので、透明体と被測定物質とが直接に接する部分を有する。このため、透明体において伝搬する光は、金属薄膜の側縁の外側を透過する成分では金属薄膜による吸収,損失がなくなり、金属薄膜と被測定物質との界面へ光エネルギを高く供給することができる。
その結果、表面プラズモン共鳴について、共鳴点ではより強く結合して出射光強度は低下する。また、共鳴点以外では金属薄膜の幅が狭いため当該金属薄膜での吸収,損失が低下する。これらにより、表面プラズモンの共鳴特性(共鳴点の近辺)の勾配が急峻になり、被測定物質の屈折率の変化に対して出力変化を増大でき、感度を向上することができる。
図2は、本発明の好適な一実施の形態を示している。本実施形態において、表面プラズモン共鳴センサ(SPRセンサ)は、コア1と当該コア1を覆うクラッド2とを有して屈折率差によりコア1内に光を閉じ込めて特定の波数で伝搬させる光導波路基板12を備えている。光導波路基板12の表面には、所定の光の波長に対して表面プラズモン共鳴を起こす金属薄膜3を形成し、当該金属薄膜3に接する被測定物質10について表面プラズモン共鳴現象を起こすようになっている。
コア1は、屈折率の最も高い部位が金属薄膜3と接しない所定に隔たる配置にしてある。これにより、コア1を伝搬する光について電界強度の大きい部分を金属薄膜3から遠ざけることができ、表面プラズモン共鳴が生じない条件での金属薄膜3による吸収,損失の影響を低減できる。
光導波路基板12には、測定に用いる光に対してシングルモードとなる光導波路を設ける。この光導波路基板12はガラス材料を用いて形成し、光の波長を例えば1.2〜1.6μmとする。
金属薄膜3は所定幅Wで帯状に形成し、光導波路基板12において伝搬する光の伝搬経路つまりコア1に重畳する配置とする。金属薄膜3の幅Wは、光導波路基板12におけるモードフィールド径と同一あるいは同一以下に小さくする設定とし、例えば2.2〜8μmとする。
金属薄膜3は、図3に示すように、光導波路基板12において伝搬する光の伝搬経路に重畳する部分を帯状に除いて形成することもよい。あるいはまた、図4に示すように、金属薄膜3は所定幅で帯状に形成するが、光導波路基板12において伝搬する光の伝搬経路に重畳する近辺に複数を配列する構成も採ることができる。
なお、本発明にあっては、図2に示す光導波路型の構成に限るものではない。SPRセンサとしては、基本的にはガラスなどの透明体の表面に、所定の光の波長に対して表面プラズモン共鳴を起こす金属薄膜を形成し、透明体において伝搬する光により金属薄膜との界面に表面プラズモンの励起のためのエバネッセント波を浸み出しさせ、金属薄膜に接する被測定物質について表面プラズモン共鳴現象を起こすようになっていればよく、透明体がプリズムとなるクレッチマン配置の構成、あるいは透明体が回折格子となる構成を採ることもよい。
クレッチマン配置のプリズムによる構成や回折格子による構成を採る場合は、金属薄膜の幅を、当該金属薄膜表面での光ビーム幅と同一あるいは同一以下に小さくすることが好ましい。
また、金属薄膜3上に、クラッド2よりも高い屈折率を有する高屈折率薄膜を形成し、屈折率が比較的に低い被測定物質10を高屈折率薄膜に接触させる構成にしてもよい。つまり、光導波路基板12に金属薄膜3だけの構造では、測定可能な屈折率は光導波路基板12に近い値になってしまうが、金属薄膜3の上に光導波路よりも高い屈折率を有する材料を成膜することにより、対応屈折率を低屈折率側に移動させることができる。また、金属薄膜3の幅Wを変更することにより、測定対応する屈折率を変化させることもできる。
また、本発明に係るSPRセンサは複数を同一基板上に設ける構成を採ることもでき、その場合、屈折率が広くに変化する被測定物質に対しても対応させて測定が行える。また、測定対応する屈折率を変えるために、金属薄膜3の幅Wではなく、光導波路のコア1部分の径や屈折率を変更することもできる。
本発明にあっては、金属薄膜3は所定幅Wで帯状に形成し、光導波路基板12において伝搬する光の伝搬経路(コア1)に重畳する配置とするので、金属薄膜3の幅Wを光のビーム幅に対して同一あるいは同一以下に設定することができる。すなわち、クラッド2と被測定物質10とが直接に接する部分を有することから、光導波路基板12において伝搬する光は、金属薄膜3の側縁の外側を透過する成分では金属薄膜3による吸収,損失がなくなり、従来の全面域の構成よりも金属薄膜3と被測定物質10との界面へ光エネルギを高く供給することができる。
所定幅Wで帯状とする金属薄膜3の配置は、光の伝搬経路に重畳する位置から多少のずれは許容でき、光導波路基板12において伝搬する光は、帯状部位へ対面しないで透過する成分では金属薄膜3による吸収,損失がなくなり、被測定物質10との界面へ電界の回り込みを多くできる作用がある。
その結果、表面プラズモン共鳴について、共鳴点ではより強く結合して出射光強度は低下する。また、共鳴点以外では金属薄膜3の幅が狭いため当該金属薄膜3での吸収,損失が低下する。これらにより、表面プラズモンの共鳴特性(共鳴点の近辺)の勾配が急峻になり、被測定物質10の屈折率の変化に対して出力変化を増大でき、感度を向上することができる。
また本発明は、図3に示す構成でも同様の作用となる。つまり金属薄膜3の構成が、光導波路基板12において伝搬する光の伝搬経路(コア1)に重畳する部分を帯状に除いて形成したものでも、光導波路基板12において伝搬する光は、帯状に除いた部位へ向かい透過する成分では金属薄膜3による吸収,損失がなくなり、被測定物質10との界面へ電界の回り込みを多くできる作用がある。
そして、図4に示す構成でも同様の作用となる。金属薄膜3の構成が、所定幅Wで帯状に形成して光導波路基板12において伝搬する光の伝搬経路(コア1)に重畳する近辺に複数を配列したものでも、光導波路基板12において伝搬する光は、複数が並ぶ配列の隙間部位へ向かい透過する成分では金属薄膜3による吸収,損失がなくなり、被測定物質10との界面へ電界の回り込みを多くできる。
光導波路型の構成では光が伝搬する光導波路の経路長さでの吸収,損失の影響が大きいため、本発明に係る吸収,損失の低減作用は効果が高いが、クレッチマン配置のプリズムによる構成や回折格子による構成でも同様の作用となるので、被測定物質10との界面へ光エネルギを高く供給することができる効果は良好に得られる。
本発明に係る光導波路型SPRセンサ、つまり図2に示す構成について数値計算を行ったところ、図6から図9に示す出力特性を得た。そして、図5,図10,図11は比較例における出力特性のグラフ図である。
この数値計算はビーム伝搬法によるものであり、金属薄膜3は厚さ50nmの金とし、光導波路はイオン交換法による形成としている。つまり、光導波路は波長1.55μmでシングルモードであり、モードフィールド径は約9μm、モードフィールドの中心は光導波路基板12の表面から約10μm埋め込んである。
そして、図5〜図11は金属薄膜3の幅Wをパラメータにして屈折率変化に対する出力強度変化を示している。縦軸の出力強度変化は、それぞれ5mm伝搬したあとの光導波路での電界強度を光導波路への入射時の電界強度で割ったものの対数になっている。図5から図9は、金属薄膜3の幅Wをそれぞれ10μm,8μm,6μm,4μm,3μmとした構成であり、図10は金属薄膜3の幅Wを2μmとした構成、図11は金属薄膜3を全面域とした構成である。
これらのグラフ図から明らかなように、金属薄膜3の幅Wを小さくすることにより、共鳴点の近辺での出力強度変化(共鳴による吸収)が大きく増し、共鳴点以外の条件では出力強度変化(損失となる吸収)がほとんど増加していない。結果として、表面プラズモン共鳴について共鳴点の近辺での勾配が急峻になり、被測定物質10の屈折率の変化に対して出力変化を増大でき、感度が向上することを確認した。
また、金属薄膜3の幅Wが2μmになると、共鳴点以外の出力強度変化(損失となる吸収)が増加してしまい、バックグランドのノイズが増大するため感度は低下する。したがって、金属薄膜3の幅Wは2.2〜8μm程度が好ましいと言える。
また、図12は出力特性に基づいて算出した感度特性を示すグラフ図であり、金属薄膜3の幅Wを3.2μmとした本発明と、金属薄膜3を全面域とした比較例とについて、光出力の1%変動を測定可能限界とした場合の感度特性を示している。同図から明らかなように、本発明に係る構成は共鳴点の近辺での勾配が急峻になり、感度が高いことがわかる。
クレッチマン配置を説明する構成図である。 本発明に係る表面プラズモン共鳴センサを示す断面図である。 本発明に係る金属薄膜の他例1を示す断面図である。 本発明に係る金属薄膜の他例2を示す断面図である。 金属薄膜が幅10μmの構成における出力特性を示すグラフ図である。 金属薄膜が幅8μmの構成における出力特性を示すグラフ図である。 金属薄膜が幅6μmの構成における出力特性を示すグラフ図である。 金属薄膜が幅4μmの構成における出力特性を示すグラフ図である。 金属薄膜が幅3μmの構成における出力特性を示すグラフ図である。 金属薄膜が幅2μmの構成における出力特性を示すグラフ図である。 金属薄膜が全面域の構成における出力特性を示すグラフ図である。 出力特性に基づいて算出した感度特性を示すグラフ図である。
符号の説明
1 コア
2 クラッド
3 金属薄膜
10 被測定物質
11 プリズム
12 光導波路基板
W 金属薄膜の幅

Claims (10)

  1. ガラスなどの透明体の表面に、所定の光の波長に対して表面プラズモン共鳴を起こす金属薄膜を形成し、前記透明体において伝搬する光により前記金属薄膜との界面に表面プラズモンの励起のためのエバネッセント波を浸み出しさせ、前記金属薄膜に接する被測定物質について表面プラズモン共鳴現象を起こす表面プラズモン共鳴センサにおいて、
    前記金属薄膜は所定幅で帯状に形成し、前記透明体において伝搬する光の伝搬経路に重畳する配置とすることを特徴とする表面プラズモン共鳴センサ。
  2. ガラスなどの透明体の表面に、所定の光の波長に対して表面プラズモン共鳴を起こす金属薄膜を形成し、前記透明体において伝搬する光により前記金属薄膜との界面に表面プラズモンの励起のためのエバネッセント波を浸み出しさせ、前記金属薄膜に接する被測定物質について表面プラズモン共鳴現象を起こす表面プラズモン共鳴センサにおいて、
    前記金属薄膜は、前記透明体において伝搬する光の伝搬経路に重畳する部分を帯状に除いて形成することを特徴とする表面プラズモン共鳴センサ。
  3. ガラスなどの透明体の表面に、所定の光の波長に対して表面プラズモン共鳴を起こす金属薄膜を形成し、前記透明体において伝搬する光により前記金属薄膜との界面に表面プラズモンの励起のためのエバネッセント波を浸み出しさせ、前記金属薄膜に接する被測定物質について表面プラズモン共鳴現象を起こす表面プラズモン共鳴センサにおいて、
    前記金属薄膜は所定幅で帯状に形成し、前記透明体において伝搬する光の伝搬経路に重畳する近辺に複数を配列することを特徴とする表面プラズモン共鳴センサ。
  4. 前記金属薄膜上に、前記透明体よりも高い屈折率を有する高屈折率薄膜を形成し、屈折率が比較的に低い被測定物質を前記高屈折率薄膜に接触させることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の表面プラズモン共鳴センサ。
  5. 前記透明体がプリズムとなるクレッチマン配置の構成、あるいは前記透明体が回折格子となる構成とし、前記金属薄膜の幅を、当該金属薄膜表面での光ビーム幅と同一あるいは同一以下に小さくすることを特徴とする請求項l,3,4の何れかに記載の表面プラズモン共鳴センサ。
  6. 前記透明体が、コアと当該コアを覆うクラッドとを有して屈折率差により前記コア内に光を閉じ込めて特定の波数で伝搬させる光導波路基板となる光導波路型の構成とすることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の表面プラズモン共鳴センサ。
  7. 前記金属薄膜の幅を、前記光導波路基板におけるモードフィールド径と同一あるいは同一以下に小さくすることを特徴とする請求項6に記載の表面プラズモン共鳴センサ。
  8. 前記光導波路基板には、測定に用いる光に対してシングルモードとなる光導波路を設けることを特徴とする請求項6あるいは7の何れかに記載の表面プラズモン共鳴センサ。
  9. 前記光導波路基板はガラス材料を用いて形成し、光の波長を1.2〜1.6μmとすることを特徴とする請求項6から8の何れかに記載の表面プラズモン共鳴センサ。
  10. 前記金属薄膜の幅を、2.2〜8μmとすることを特徴とする請求項6から9の何れかに記載の表面プラズモン共鳴センサ。
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