JP2008171732A - 薄型電池 - Google Patents

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卓 上村
Mitsuyasu Ogawa
光靖 小川
Katsuji Emura
勝治 江村
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Abstract

【課題】電池反応が行われる発電エリアは確実に封止できながら、電池から容易に集電用の端子を引き出すことができる薄型電池を提供する。
【解決手段】本発明の薄型電池は、基板1と、基板1の上方に形成される正極層および負極層と、これら両電極層の間でイオンの伝導を行う電解質層と、正極層と電気的に接続される正極集電体3と、負極層と電気的に接続される負極集電体2とを備える薄型電池である。この電池の基板1上には、電解質層を介して両電極層の間で電池反応が行われる発電エリアGと、正極集電体3の一部で電極層と重複しない箇所からなる正極集電エリアPと、負極集電体2の一部で電極層と重複しない箇所からなる負極集電エリアNとの3つのエリアが形成される。そして、本発明の電池は、発電エリアGを覆うが、両集電エリアP,Nは覆わない封止フィルム7を備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、薄型電池に関するものである。特に、集電用の端子の引き出しが容易な薄膜Li二次電池に関するものである。
薄膜電池の一例として、特許文献1に記載の電池が知られている。この電池は、基板上に、順次、正極集電体、正極層、固体電解質層、負極層、負極集電体を積層した構造の薄膜リチウム電池である。
ここで、負極層にはリチウム金属が用いられることがあるが、このリチウム金属は、外気にさらされると水や窒素と反応し、直ちに水酸化物や窒化物を形成する。そのためリチウム電池の長寿命化や高信頼化を図るには、正負極層間で電池反応が生じる発電エリアを封止することが必要となる。
例えば、この特許文献1の電池では、基材、正極集電体、正極層、固体電解質層、負極層、負極集電体の全ての電池構成部材をエポキシ樹脂により封止している。その他、基材よりも大きな面積の一対の封止フィルムで電池構成部材の全体を挟み込み、同シートの周縁部をシールして電池を封止することも行われている。
その封止を行う際、各集電体から電気を取り出せるように、リード部を電池に接続する。このリード部の取り付けは、リード線(例えば金線)を集電体にワイヤボンディングしたり、リード片(例えば銅板)を集電体に接合することで行っている。いずれの場合も、リード部は、その一部が封止樹脂や封止フィルムから露出するように配置される。
特開昭59-226472号公報
しかし、上記の薄膜電池においては、集電用の端子を電池の厚みを大きくすることなく引き出すことが難しいという問題があった。
上記のように、樹脂封止や封止フィルムで電池全体を封止すれば、発電エリアの防湿性をある程度確保することができる。しかし、リード部としてリード線やリード片を用いた構造では、リード部上に封止樹脂が被せられたり、封止フィルムでリード部が挟まれたりするため、その部分だけ電池の厚みが厚くなる。薄膜電池のICカードなどへの適用が期待されている現在、電池の厚みはより薄くすることが強く求められている。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的の一つは、発電エリアは確実に封止できながら、電池に集電用の端子を容易に形成できる薄型電池を提供することにある。
本発明の薄型電池は、基板と、基板の上方に形成される正極層および負極層と、これら両電極層の間でイオンの伝導を行う電解質層と、正極層と電気的に接続される正極集電体と、負極層と電気的に接続される負極集電体とを備える薄型電池である。この電池の基板上には、電解質層を介して両電極層の間で電池反応が行われる発電エリアと、正極集電体の一部で電極層と重複しない箇所からなる正極集電エリアと、負極集電体の一部で電極層と重複しない箇所からなる負極集電エリアとの3つのエリアが形成される。そして、本発明の電池は、発電エリアを覆うが、両集電エリアの少なくとも一部は覆わない封止フィルムを備えることを特徴とする。
この構造の電池によれば、発電エリアは封止フィルムで覆われることで、この発電エリアを確実に防湿構造にすることができる。その一方で、各集電エリアの少なくとも一部は封止フィルムで覆われないため、その露出されている集電エリア自体をリード部として利用することができる。その際、リード部となる集電エリアの表面は封止フィルムに覆われていないため、金属片などのリード部を集電体に接続して、その接続箇所を封止フィルムで覆っている場合に比べて、接続箇所が厚くなることもない。
本発明電池の一形態としては、封止フィルムは実質的に発電エリアのみを覆う大きさであることが好ましい。
封止フィルムのサイズを基材よりも小さくし、発電エリアのみを覆うようにすれば、必然的に各集電エリアの少なくとも一部は封止フィルムに覆われることなく露出される。そのため、この露出された集電エリアをリード部として利用することができる。
本発明電池の一形態としては、封止フィルムは一部に開口部が形成されており、この開口部から各集電エリアが露出され、開口部以外の面で発電エリアを覆っていることが好ましい。
封止フィルムの輪郭サイズは発電エリアよりも広いシートであっても、そのフィルムの一部に開口部を設け、その開口部から各集電エリアの少なくとも一部が露出されるようにすれば、その露出された集電エリアをリード部とすることができる。
本発明電池の一形態としては、封止フィルムは、封止対象に融着される接合層と、融着時の熱で実質的に溶融しない基材層とを備える積層構造であることが好ましい。
接合層を備える封止フィルムを用いれば、封止対象と封止フィルムを容易に熱融着させることができ、電池を確実に封止することができる。
本発明電池の一形態としては、接合層は、酸性基で変性されたポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリエステルのいずれかであることが挙げられる。
酸性基で変性されたポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリエステルは、いずれも比較的低い温度で溶融され、十分な接着特性を得ることができる。そのため、これらの材質は、封止フィルムの接合層として、好適に利用することができる。
本発明電池の一形態としては、封止フィルムは3層以上からなっており、一方の表面層と他方の表面層を除くいずれかの層が金属箔であることが好ましい。
封止フィルムに金属箔が用いられていれば、樹脂フィルムに比べてもより高い防湿性を得ることができ、より信頼性の高い電池を構築することができる。また、一方の表面層と他方の表面層を樹脂などの絶縁性の材料とすることで、電池構成部材と封止フィルムとの絶縁性を確保することができる。
本発明電池の一形態としては、電池を平面視した場合、正極層と負極層には重なる部分がないことが好ましい。
通常、正極層と負極層とが重なるような配置の場合、両電極の間には電解質層が介在されている。その場合、電解質層の厚さ方向にピンホールが発生すれば、両電極間で短絡が生じる。一方、正極層と負極層に重なるところがなければ、両電極間の短絡の問題を低減することができる。
本発明薄型電池によれば、発電エリアを覆い、正極集電エリアと負極集電エリアの少なくとも一部を覆わない封止フィルムを備えることで、発電エリアは防湿構造とできると共に、各電極の集電エリアの少なくとも一部は露出されているため、集電用の端子を容易に引き出すことができる。
[電池の基本構成]
本発明の電池は、リチウムイオン電池として好適に利用でき、正極層、負極層、電解質層、正極集電体、負極集電体を備えることを基本構成とする。通常、いずれの層も薄膜状に形成されている。このうち、正極層と負極層は、電池を平面視した場合に、互いに重複する箇所がある積層構造の場合でもよいし、重複する箇所がない構造でもよい。前者の場合、電池の面積を小さくしやすく、後者の場合、電解質層の厚さ方向にピンホールが生じていても、両電極層間の短絡を抑制しやすい。電池を平面視した場合、両電極層に重複する箇所がない電極の構成としては、正極層と負極層とを各々櫛歯状に形成して、互いに嵌め合わされるように並列することが挙げられる。
このような構造の本発明の電池は、発電エリアと、正極集電エリアと、負極集電エリアの3つのエリアを備える。そして、発電エリアが封止フィルムで覆われ、両集電エリアが封止フィルムで覆われることなく露出されている。
(発電エリア)
発電エリアとは、正極層と負極層との間で電解質層を介して電池反応が行われる領域である。正極層と負極層との間に電解質層を介在した積層構造の電池では、電池を平面視した場合、これら両電極層が重複する箇所が発電エリアとなる。一方、両電極層が重複することなく並列されている場合、これら両電極層が並列されている箇所の輪郭内が発電エリアとなる。この発電エリア内には、正負極層間でイオンの伝導を行う電解質層も収められるようにする。
(集電エリア)
集電エリアは、電池を平面視した場合、正極集電体の一部で電極層と重複しない箇所からなる正極集電エリアと、負極集電体の一部で電極層と重複しない箇所からなる負極集電エリアとからなる。各集電体のうち、電極層と重複される箇所は発電エリアとして封止フィルムに覆われるが、電極層と重複しない箇所の少なくとも一部は、封止フィルムから露出していても、電池特性に大きく影響が及ぶわけでなない。むしろ、集電体が部分的に封止フィルムから露出していれば、その露出箇所をリード部とできるため好ましい。通常、正極層、負極層、電解質層、正極集電体および負極集電体は、基材の上方に形成されるため、この集電体エリアは、基材といずれかの集電体が積層された箇所となる。
また、少なくとも一方の電極層が集電体の機能を兼ねる場合もある。例えば負極層を合金で形成した場合、負極層の一部を集電体とし、その集電体を集電エリアとして利用することができる。この場合、各集電エリアは、一方の電極層の一部で他方の電極層と重ならない部分や、各電極層の一部で、電解質層と重ならない部分とする。
(封止フィルム)
<材質>
封止フィルムは、透水性が少なく、電池の構成部材に対して絶縁性が確保できる材質とする。具体的には、樹脂や金属箔が封止フィルムの材料として好適に利用できる。樹脂の具体例には、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、ポリアミド(PA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などが挙げられる。金属の具体例には、アルミニウム、アルミニウム合金などが挙げられる。
<サイズ>
封止フィルムは、少なくとも発電エリアを覆うサイズとする。但し、余裕を見て、両電極層の重複箇所あるいは、両電極層が並列された箇所の輪郭よりも若干広い範囲を覆う大きさのフィルムとすることが好ましい。このようなサイズの封止フィルムを用いることで、両電極および電解質層など、電池反応に寄与する構造部材を確実に封止フィルムで覆って防湿構造とすることができる。封止フィルムの外形サイズは、基材よりも小さい場合と基材よりも大きい場合がある。基材よりも小さい封止フィルムの場合、実質的に発電エリアのみを覆うような大きさの封止フィルムとすれば良い。このようなサイズの封止フィルムを用いれば、同フィルムで発電エリアを覆い、各集電エリアは覆わない電池を容易に形成できる。一方、基材よりも大きい封止フィルムの場合、各集電エリアに対応する位置に開口部を有する封止フィルムとすれば良い。基材よりも大きい封止フィルムであっても、部分的に開口部が形成されていれば、その開口部を集電エリアに対応させることで、集電エリアのみが封止フィルムで覆われていない電池を容易に形成することができる。開口部の大きさは、集電エリアのサイズなどを考慮して適宜決定すれば良い。さらに、開口部の形状は特に限定されず、円形、多角形など種々の形状が選択できる。なお、ここでの開口部には、開口部の外縁が閉じて封止フィルムの輪郭内に形成される孔の場合はもちろん、開口部の外縁が封止フィルムの輪郭に及ぶ切欠の場合も含まれる。
<構造>
封止フィルムは、基材層と接合層とを備える積層構造とすることが好ましい。封止フィルムは、封止対象に密着されることで、発電エリアを封止する必要があるため、容易に剥離しないよう、封止対象に接着されることが望ましい。そのため、熱融着により封止対象に融着される接合層と、この熱融着時の熱でも溶融しない基材層とを備えることで、良好な封止構造を形成することができる。
封止フィルムの接合層が接触する封止対象は、電池の構成部材のいずれかである場合や、電池を挟んで対向される他の封止フィルムである場合がある。特に、開口部を有する封止フィルムの場合、開口部の周縁部が電池の構成部材、例えば集電体と密着されることが好ましい。
接合層の材質としては、酸性基で変性されたポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリエステルのいずれかが好適に利用できる。酸性基には、水酸基、スルホン基、カルボキシル基、メルカプト基、硫酸基、リン酸基などが挙げられる。
基材層の材質としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレートのいずれかが好適に利用できる。
封止フィルムは、樹脂フィルムと金属箔との積層構造とすることも好ましい。金属箔は、樹脂フィルムに比べて非透水性に優れるため、高い防湿構造の電池を形成できる。例えば、金属箔の一面側に基材層が、他面側に接合層が形成された3層構造の封止フィルムが好適に利用できる。この構造の封止フィルムであれば、金属箔の両面が樹脂フィルムで覆われているため、金属箔で高い防湿性が確保できると共に、封止フィルムの表裏が絶縁性に保持されているため、電池構成部材と封止フィルムとの絶縁を確保することができる。
<封止方法>
封止フィルムの封止方法は、封止対象に密着できるような方法であれば、特に限定されない。代表的には、樹脂フィルムをヒートシールやロールプレスなどで電池構成部材または対向する樹脂フィルムに熱圧着させることが挙げられる。特に、封止フィルムの外縁部は、封止対象との間に隙間が形成されないように、十分に密着されることが好ましい。
(正極層)
<材質>
正極層は、イオンの吸蔵及び放出を行う活物質を含む層で構成する。リチウムイオン電池の場合、正極層は、酸化物、例えばコバルト酸リチウム(LiCoO2)、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)、マンガン酸リチウム(LiMn2O4)及びオリビン型鉄リン酸リチウム(LiFePO4)よりなる群より選ばれる1つ、若しくはこれらの混合物を好適に使用することができる。また、正極層は、硫化物、例えばイオウ(S)、硫化リチウム(Li2S)及び硫化チタニウム(TiS2)よりなる群より選ばれる1つ、若しくはこれらの混合物であっても良い。その他、正極層の材料としては、銅−リチウム酸化物(Li2CuO2)、あるいはLiV3O3、V2O、Cu2V2O7などのバナジウム酸化物が挙げられる。上述した酸化物は、いずれも半田リフロー時の加熱温度(200〜250℃程度)に対して耐熱性を備えている。正極層の厚みは、10〜300μm程度が好適である。より好ましい正極層の厚みは100μm以下、さらに好ましい正極層の厚みは30μm以下である。
<正極層の形成方法>
正極層の形成方法としは、湿式法や乾式法を利用することができる。湿式法には、ゾルゲル法、コロイド法、キャスティング法等が挙げられる。乾式法には、気相堆積法である蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、レーザアブレーション法等が挙げられる。
(負極層)
<材質>
負極層も、イオンの吸蔵及び放出を行う活物質を含む層で構成する。リチウムイオン電池の場合、負極層として、Li金属及びLi金属と合金を形成することのできる金属よりなる群より選ばれる1つ、若しくはこれらの混合物又は合金が好適に使用できる。Liと合金を形成することのできる金属としては、アルミニウム(Al)、シリコン(Si)、錫(Sn)、ビスマス(Bi)、亜鉛(Zn)及びインジウム(In)よりなる群より選ばれる少なくとも一つ(以下、合金化材料という)が良い。その他、グラファイト等の炭素材料、Li4Ti5O12、Li4Fe0.5Ti5O12、Li4Zn0.5Ti5O12などのスピネル構造を有するリチウムチタン酸化物、TiS2等の硫化物、LiCo2.6O0.4N等の窒素化合物、およびこれらの混合物などが負極層の材質として挙げられる。これらのうち、炭素材料や酸化物などは、半田リフロー時の加熱温度(200〜250℃程度)に対して耐熱性を備えている。負極層の厚みは、0.5〜80μm程度が好適である。より好ましい負極層の厚みは1〜40μmである。
上述した合金からなる負極層は、負極層自体に集電体としての機能を持たせることができ、かつリチウムイオンの吸蔵・放出能力が高く好ましい。特に、シリコン(Si)はリチウムを吸蔵・離脱する能力がグラファイト(黒鉛)よりも大きくエネルギー密度を高くすることができる。
また、負極層材料にLi金属との合金相を用いることで、Li金属と合金化した合金化材料とLiイオン伝導性の固体電解質層との界面でのLiイオンの移動抵抗が低減される効果があり、第1サイクル目の充電初期における合金化材料の高抵抗化が緩和される。
さらに、合金化材料の金属単体を負極層とした場合には、第1サイクル目の充放電サイクルにおいて、充電容量に対して放電容量が大幅に小さくなる問題があるが、予めLi金属と合金化材料とを合金化した負極層材料を用いることにより、この不可逆容量は殆どなくなる。このことにより、正極活物質量を不可逆容量分だけ余分に充填する必要がなくなり、薄膜電池の容量密度を向上させることができる。
<負極層の形成方法>
負極層の形成方法は、気相堆積法が好ましい。気相堆積法としては、例えば、PVD(物理的気相合成)法やCVD(化学的気相合成)法が挙げられる。具体的には、PVD法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、レーザアブレーション法が、CVD法としては、熱CVD法、プラズマCVD法などが挙げられる。
(電解質層)
<材質>
電解質層にはイオン伝導性があり、電子伝導性が無視できるほど小さい材料を用いる。リチウムイオン電池用の電解質層の場合、Liイオン伝導体であり、電解質層のLiイオン伝導度(20℃)が10-5S/cm以上あり、かつLiイオン輸率が0.999以上である固体電解質層が好ましい。特に、Liイオン伝導度が10-4S/cm以上あり、かつLiイオン輸率が0.9999以上であれば良い。固体電解質層の材質としては硫化物系が良く、Li、P、Sより構成される固体電解質層が好ましく、さらに酸素を含有していても良い。例えば、Li3PO4や、Li3PO4に窒素を混ぜたLiPON、Li2S−SiS2、Li2S−P2S5、Li2S−B2S3等のリチウムイオン伝導性硫化物ガラス状固体電解質や、これらのガラスにLiIなどのハロゲン化リチウム、Li3PO4などのリチウム酸素酸塩をドープしたリチウムイオン伝導性固体電解質などが固体電解質層の材料として好適に利用できる。これらの複合酸化物などからなる固体電解質層は、半田リフロー時の加熱温度(200〜250℃程度)に対して耐熱性を備えている。固体電解質層の厚みは、3〜80μm程度が好適である。より好ましい固体電解質層の厚みは5〜20μmである。
<電解質層の形成方法>
電解質層の形成方法は、気相堆積法が好ましい。気相堆積法としては、例えば、PVD(物理的気相合成)法、CVD(化学的気相合成)法が挙げられる。具体的には、PVD法としては、真空蒸着法,スパッタリング法、イオンプレーティング法,レーザアブレーション法が、CVD法としては、熱CVD法、プラズマCVD法などが挙げられる。
[その他の構成部材]
(基材)
通常、導電性の基板の上方に正極層、負極層、電解質層および絶縁層を形成するか、絶縁性の基板の上方に集電体層を形成してから正極層、負極層、電解質層および絶縁層を形成する。基材の材料には、アルミナ、ガラスおよびポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリイミド(PI)フィルム等の絶縁性基板、シリコン等の半導体基板、プラチナ、金、鉄、ニッケル、アルミニウムや銅、ステンレス等の導電性基板などを用いることができる。これらの材料は、いずれも半田リフロー時の加熱温度(200〜250℃程度)に対して耐熱性を備えている。基材の厚みは、3〜80μm程度が好適である。より好ましい基材の厚みは5〜25μmである。樹脂製の基材を用いた場合、得られる電池に可とう性を持たせやすい。さらに、基材自体が樹脂フィルムと金属箔との積層構造となっていてもよい。このような基材は、金属箔で高い防湿性を確保することができ、樹脂フィルムで電池構成部材との絶縁性を確保したり、電池を覆う封止フィルムと容易に接着させることができる。特に、金属箔の表裏が樹脂フィルムで覆われた基材が好適に用いられる。
(集電体)
正極層、負極層の各々には、通常、集電体が接合されている。集電体には金属箔などが適する。負極集電体材料としては、例えば、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、クロム(Cr)、及びこれらの合金から選択される1種が挙げられる。これらの金属は、リチウム(Li)と金属間化合物を形成しないため、リチウムとの金属間化合物による不具合、具体的には、充放電による膨張・収縮によって、負極層が構造破壊を起こし集電性が低下したり、負極層の接合性が低下して負極層が集電体から脱落し易くなるといった不具合を防止できる。正極集電体の具体例としては、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、これらの合金、ステンレスから選択される1種が挙げられる。
これらの集電体は、PVD法やCVD法により形成することができる。特に、所定のパターンに集電体を形成する場合、適宜なマスクを用いることで、容易に所定のパターンの集電体を形成することができる。
(イオン伝導性物質)
さらに、少なくとも正極層にイオン伝導性物質を含浸させることが好ましい。イオン伝導性物質を正極層に含浸させることで、正極層の抵抗を低減し、電池の容量低下を改善することができる。イオン伝導性物質は流動性のものが好適である。具体的には、イオン液体やイオン導電性高分子材料を溶剤でスラリー状に調整したものが利用できる。
<イオン液体>
イオン液体は、一般に、有機カチオンとアニオンとの組み合わせからなるイオンのみからなる液体である。
有機カチオンとしては、ジアルキルイミダゾリウムカチオン、トリアルキルイミダゾリウムカチオン等のイミダゾリウムイオン、テトラアルキルアンモニウムイオン、アルキルピリジニウムイオン、ジアルキルピロリジニウムイオン、ジアルキルピペリジニウムイオンなどが挙げられる。
特に、ジアルキルイミダゾリウムイオンの中でも、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムイオン(EMI+)が好ましい。また、トリアルキルイミダゾリウムイオンの中では、1,2-ジメチル-3-プロピルイミダゾリウムイオン(DMPI+)が好ましい。テトラアルキルアンモニウムイオンとしては、ジメチルエチルメトキシアンモニウムイオン(DMEMA+)が望ましい。アルキルピリジニウムイオンとしては、1-ブチルピリジニウムイオン(BP+)、ジアルキルピロリジニウムイオンとしては、メチルプロピルピロリジニウムイオン(Py13+)、ジアルキルピペリジニウムイオンとしては、メチルプロピルピペリジニウムイオン(PP13+)が好ましい。
これらの有機カチオンのカウンターとなるアニオンとしては、PF6-、PF3(C2F5)3-、PF3(CF3)3-、BF4-、BF2(CF3)2-、BF3(CF3)-、BOB-、Tf-、Nf-、TFSI-、BETI-、DCA-などを用いることができる。
イオン液体としては、例えば、四フッ化ホウ酸ジアルキルイミダゾリウム(DI・BF4)、ジアルキルイミダゾリウムトリストリフルオロメタンスルフォニルメチド(DI・C(CF3SO23)、六フッ化リン酸ジアルキルイミダゾリウム(DI・PF6)、トリアルキルイミダゾリウムトリストリフルオロメタンスルフォニルメチド(TI・C(CF3SO23)等の有機物カチオンを有する有機塩を挙げることができる。
特に、DI・BF4、DI・C(CF3SO23及びTI・C(CF3SO23は、イオン伝導性、化学安定性及び電気化学安定性に優れているため好ましい。その他、実用上、四フッ化ホウ酸1-エチル-3-メチルイミダゾリウム(EMI・BF4)や、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムトリストリフルオロメタンスルフォニルメチド(EMI・C(CF3SO23)や、1,2-ジメチル-3-プロピルイミダゾリウムトリストリフルオロメタンスルフォニルメチド(DMPI・C(CF3SO23)も好適なイオン液体である。
これらのイオン液体は、単独で用いてもよく、複数種を混合して用いてもよい。
また、イオン液体に電解質として溶解される支持塩には、カチオンがリチウムイオンをなすリチウム塩を用いる。このリチウム塩としては、例えば、塩化物アニオン(Cl-、ClO4-)、臭化物アニオン(Br-)、ヨウ化物アニオン(I-)、フッ化物アニオン{BF4-、PF6-、CF3SO3-、N(CF3CF2SO22-、あるいはトリストリフルオロメタンスルフォニルメチドイオン(C(CF3SO23-)}、ビスオキサラトホウ酸アニオン(BOB-)、ジシアノアミンアニオン(DCA-)などをアニオンとする1種類または2種類以上からなる塩が挙げられる。
<イオン導電性高分子材料>
イオン導電性高分子材料としては、非水溶性であって、かつ電子伝導性が実質的に無視でき、イオン伝導性を有するものが好ましい。例えば、ポリエステル、ポリアミン、ポリスルフィド、ポリエーテル共重合体、ポリエーテル架橋体、ポリエーテル側鎖を有するくし型高分子にリチウム塩を溶解せしめたイオン導電性高分子が挙げられる。また、高分子側鎖にリチウム塩を有する、すなわちポリアニオン型高分子イオン伝導体や、炭素−炭素二重結合を有する化合物とリチウムシリルアミド化合物を混合して得られるシリルアミド高分子材料などがイオン導電性高分子材料として用いられる。
ポリエステル、ポリアミン、ポリスルフィド、ポリエーテル共重合体、ポリエーテル架橋体、ポリエーテル側鎖を有するくし型高分子に溶解させるリチウム塩としては、ビストリフルオロメタンスルホン酸イミドリチウム((CF3SO22NLi)、ビスペンタフルオロエタンスルホン酸イミドリチウム((C2F5SO22NLi)、ビス(1、2-ベンゼンジオレート(2-)-O、O’)ほう酸リチウム、ビス(2、3-ナフタレンジオレート(2-)-O、O’)ほう酸リチウム、ビス(2、2-ビフェニルジオレート(2-)-O、O’)ほう酸リチウム、ビス(5-フルオロ-2-オレート-1-ベンゼンスルホル酸-O、O’)ほう酸リチウム、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)、ヘキサフルオロアンチモン酸リチウム(LiSbF6)、ヘキサフルオロひ酸リチウム(LiAsF6)、テトラフルオロホウ酸リチウム(LiBF4)、過塩素酸リチウム(LiClO4)、塩化リチウム(LiCl)、臭化リチウム(LiBr)、水酸化リチウム(LiOH)、硝酸リチウム(LiNO3)、硫酸リチウム(Li2SO4)を用いることができる。
また、炭素−炭素二重結合を有する化合物としては、メタクリロニトリル、アクリロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ビニルプロピオン酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ノルマルプロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸ノルマルブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ヒドロキシルエチル、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、ブタジエン、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、ジビニルエチレンカーボネート等が挙げられる。さらに、リチウムシリルアミド化合物としてはリチウムビス(トリメチルシリル)アミド、リチウムビス(トリエチルシリル)アミドなどが挙げられる。
<溶剤>
イオン導電性高分子材料の溶剤としては、エタノールなどのアルコール類や、アセトンなどのケトン類、またはヘキサンなどの非極性溶媒など、イオン導電性高分子材料を溶解させるが、基材などの電池構成層と反応しないものであれば利用可能である。イオン導電性高分子材料と溶剤の配合は、1g/L〜300g/L程度が好ましい。
本発明電池を図1〜図3に基づいて説明する。図1は電池要部の平面図、図2は電池要部の部分縦断面図である。また、図3は、本発明電池の封止構造(封止構造1)の形成手順を示す説明図である。まず、電池の構造を説明し、その後に封止構造の形成手順を説明する。
この電池は、図1、図2に示すように、基材1上の一部に負極集電体2と正極集電体3が形成され、この集電体2,3の上に、負極集電体2を覆うように負極層4が、正極集電体3を覆うように正極層5が形成されている。負極層4は、電池を平面視した場合に正極層5と重ならない位置に形成されている。
各集電体2,3は、直線状の端子部21,31と、端子部21,31から櫛歯状に分岐する複数の分岐部22,32とを有している。これら負極集電体2と正極集電体3とは、櫛歯部分が噛み合うように、負極集電体2の分岐部22の間に正極集電体3の分岐部32が配置され、負極側の端子部21と正極側の端子部31とが平行するように形成されている。
一方、負極層4は負極集電体2の分岐部22の上に、正極層5は正極集電体3の分岐部32の上に形成される。負極層4、正極層5は、各々短冊状の櫛歯部41、51が交互に並列された構成である。このような負極層4と正極層5との配置により、両電極層4,5は、実質的に同一平面上に配されることになる。
そして、正極側の端子部31と負極側の端子部21との間に挟まれた領域で、負極層4および正極層5の各櫛歯部41、51が並列された領域の全体を電解質層6で覆っている。この電解質層6で覆われた領域が発電エリアGとなる。また、発電エリアGの両側に位置して電解質層6で覆われていない各端子部21および31が負極集電エリアNおよび正極集電エリアPとなる。
発電エリアGが形成できたら、そのエリアGにイオン液体を塗布する。イオン液体は、正極層5に含浸されればよいが、ここでは負極層4上も含む発電エリアGの大部分にイオン液体を塗布する。例えば、発電エリアGの全体ではなく、同エリアGの周縁部を除く内側部に限定して塗布する。その際、イオン液体が正負極の集電エリアP,Nに付着しないようにする。
このような電池は、図3に示すように発電エリアGを封止フィルム7で封止する。この封止フィルム7は、基材1よりも小さな面積で、発電エリアGよりも若干大きな大きさとなっている。また、この封止フィルム7は、金属箔の一面側に基材層が、他面側に接合層が形成された3層構造である。接合層は封止フィルム7を加熱することで溶融され、封止対象に融着される。
このようなフィルム7を、発電エリアGを覆うように配置する。続いて、封止フィルム7の配された封止対象をロールプレスする。そして、封止フィルム7の周縁部をヒートシールで熱融着する。
このロールプレスとヒートシールにより、封止フィルム7は発電エリアGを覆った状態で封止対象に接着される。但し、封止フィルム7のサイズはほぼ発電エリアGの大きさに対応しているため、各集電エリアN,Pは封止フィルム7に覆われることなく露出されている。そのため、発電エリアGの防湿性は確保しながら、封止フィルム7に被覆されていない集電エリアN,Pを、電気を取り出すためのリード部とすることができる。また、従来の電池のように金属片などを集電体に接続してリード部を形成する必要がないため、このリード部の接合箇所の厚みを薄くすることができる。
また、この電池では、両極層4,5が厚さ方向に重ならない配置のため、電解質層6にピンホールが在っても、両極層4,5が短絡することがない。
次に、実施例1とは異なる封止構造(封止構造2)の電池を図4に基づいて説明する。この電池の発電エリア、すなわち基材1に対する正極層5、負極層4、正極集電体3、負極集電体2、電解質層6の積層構造は実施例1と同様であり、封止フィルムが3層構造となっている点も実施例1と同様である。但し、封止フィルムの形状とサイズが実施例1との主たる相違点となる。以下、この相違点を中心に説明する。
本例での封止フィルム7は、その輪郭内の面積が基材1よりも大きな面積を有する。但し、各集電エリアN,Pに対応した位置には、開口部71が形成されている。より具体的には、矩形の封止フィルム7の両側部に一対の四角形の開口部71が形成されている。
さらに、本例では、基材1の裏面、つまり発電エリアGが形成されていない面も封止フィルムで覆う。この基材の裏面を覆う封止フィルム7は、開口部71が形成されていない。
電池の封止を行うには、まず、開口部の形成された封止フィルム7を封止対象の表面側(発電エリアG側)に配置する。その際、開口部から集電エリアN,Pが露出されるようにする。次に、封止対象の裏面側に開口部のない封止フィルム7を配する。つまり、両封止フィルム7で封止対象を挟み込む。そして、封止フィルム7で挟み込んだ封止対象をロールプレスし、同フィルム7の周縁部をヒートシールして融着させる。
本例の封止構造においても、発電エリアは封止フィルムで覆われるが、集電エリアN,Pは封止フィルム7で覆われていない状態とできる。そのため、発電エリアの防湿性は確保しながら、封止フィルムに被覆されていない集電エリアN,Pを、電気を取り出すためのリード部とすることができる。
次に、実施例1、実施例2とは異なる構造の電池を図5に基づいて説明する。この電池は、基材1上に形成する正極層5、負極層4、正極集電体3、負極集電体2、電解質層6の積層構造が異なるだけであり、発電エリアの封止構造は、実施例1または実施例2と同様とすればよい。
この電池では、まず、基材1上の離れた位置に正極集電体3と負極集電体2が形成される。
次に、この正極集電体3の一部に重なるように正極層5が形成される。この正極層5の正極集電体3と重ならない側は、正極集電体3と負極集電体2との間に位置される。つまり、正極層5のうち、正極集電体3と重なる箇所が薄肉部52で、正極集電体3と重ならない箇所が厚肉部53となる。
次に、この正極層5の上に、電解質層6が形成される。電解質層6は、上段部61と下段部62からなる段差状の層で、上段部61が正極層5の一部を覆い、下段部62が基材1上に形成される。この下段部62は、正極層5と負極集電体2との間に配置される。電解質層の下段部62の厚みは、負極集電体2の厚みと実質的に同一である。
さらに、この電解質層6の上に負極層4が形成される。この負極層4も上段部42と下段部43とを備える段差状の層である。負極層の上段部42は電解質層の上段部61を覆い、負極層の下段部43は、その一部が電解質層の下段部62を覆って、残部が負極集電体2の一部を覆っている。
この構成の電池では、両集電体2,3の間に、正極層5、電解質層6、負極層4が積層された発電エリアGが形成される。また、発電エリアGの一側に、正極集電体3の露出した正極集電エリアPが形成され、発電エリアGの他側に負極集電体2の露出した負極集電エリアNが形成される。
このような電池であれば、層が最も多く重なり合っている箇所(正極層5、電解質層6、負極層4が積層されている箇所)の層数が、全ての層2,3,4,5,6を重複させた場合の層数よりも少ない。この例では、層2〜6の5層に対して、電池の最も厚い箇所の積層数は、正極層5、電解質層6、負極層4の3層である。また、正極層5、電解質層6、負極層4が積層構造となっているため、各電極層4,5を重複することなく並列する場合に比べて電池の面積を小型化できる。そして、このような構成の電池においても、発電エリアGを封止フィルムで覆い、両集電体エリアN,Pは封止フィルムから露出するようにすれば、電池の厚みを極力薄くして、各集電体2,3をリード部として利用することができる。
なお、この例では、正極層5が基材1に接する構成としたが、図5の正極層5と負極層4を置換し、負極層4が基材1に接する構成としてもよい。
次に、実施例1〜3とは異なる構造の電池を図6に基づいて説明する。この電池は、基材1上に形成する正極層5、負極層4、正極集電体3、負極集電体2、電解質層6の積層構造が異なるだけであり、発電エリアの封止構造は、実施例1または実施例2と同様とすればよい。
本例の電池は、実施例1に類似しており、正極集電体3、正極層5、負極層4が各々櫛歯状である点は実施例1と共通である。但し、負極層4の配置箇所が実施例1とは異なり、かつ負極層4が負極集電体の機能も兼ねている。
この電池でも、基板1上の一部に正極集電体3を形成し、その集電体3の上に正極層5を形成している。次に、この電池では、正極層5を含む基板1のほぼ全面を電解質層6で覆っている。そして、電解質層6上で、電池を平面視した場合に、正極層5と重ならない位置に負極層4を形成している。つまり、正極層5と負極層4は同一平面上に存在しない。
また、本例の場合、負極層4を合金材料などで構成することで、負極層4自体に負極集電体としての機能も持たせている。この場合、負極層4自体を、複数の櫛歯部と、櫛歯部の一端側を連結する集電部とからなる構成とし、正極層5および負極層4の櫛歯部が並列された箇所を発電エリアとし、正極集電体3の端子部を正極集電エリア、負極層4の集電部を負極集電エリアとすればよい。特に、負極層4の一部である集電部は、電解質層6と重ならないようにしておくことが好ましい。
このような構成の電池は、一方の電極層4または5が電解質層6に覆われ、他方の電極層5または4が電解質層6上に存在する構成のため、両極層4,5間に何らかの導電性異物が在っても、この異物を介した界面伝導による両極層4,5間の短絡を効果的に抑制できる。
そして、上記の電池に実施例1または実施例2と同様の封止構造を適用すれば、発電エリアは封止フィルムで封止され、各集電エリアは封止フィルムから露出された状態を構成できる。
なお、この例では、正極層5が基材1に接する構成としたが、図6の正極層5と負極層4を置換し、負極層4が基材1に接する構成としてもよい。その他、負極層4の上に、別途負極集電体を形成してもよい。
(試作例)
図1、図2に示す構造の電池を用いて、発明例および比較例の封止構造を形成し、電池の初期容量、3ヵ月放置後の容量および封止後の電池の厚みをそれぞれ調べた。各発明例、比較例の具体的な共通仕様は次の通りである。
基材→材質:ポリフェニレンスルフィド(PPS)、厚さ:50μm
集電体→材質:正負極共にNi膜、厚さ:0.2μm
正極層→MnO2粒、カーボンブラック、ポリフッ化ビニリデンを8:2:1の重量比でN-メチル-2-ピロリドンに混合・溶解したスラリーをスクリーン印刷し、150℃で真空乾燥させたもの、厚さ100μm
負極層→材質:Li金属膜、厚さ:25μm
電解質層→材質:Li-P-S組成、厚さ:10μm、成膜方法:Li/Pのモル比が2.0となるように調整したLi2SとP2S5の混合ターゲットを用いて、エキシマレーザアブレーション法により成膜。
正極含浸イオン液体→EMI-FSIに支持塩としてLiTFSIを0.3mol/kg溶解させたもの。
発電エリア→面積:3cm2
その他、発明例および比較例の個別仕様と評価結果を表1に示す。なお、表1において、「正負極線幅」は正負極層の各櫛歯部の幅のことであり、「ギャップ」はこの正極層の櫛歯部と負極層の櫛歯部との隣接間隔である。
Figure 2008171732
これらの結果から明らかなように、発明例は、いずれも電池作製後の時間経過に関わらず容量の低下が見られない。一方、比較例1は電池の厚みは薄いものの、樹脂のみのディッピングによる封止であるため、十分な封止ができなかったと考えられ、3ヶ月放置後の容量が大きく低下している。また、比較例2は容量の低下は見られなかったものの、リード部としてNiタブを用いたため、封止後の電池の厚みが大きくなっていることがわかる。なお、表中における「封止後電池厚み」は、実施例1、2で説明したロールプレスにより、各構成層の総和よりも若干薄くなっている。
本発明電池は、リチウム二次電池として好適に利用することができる。例えば、この電池は、移動型、携帯型などの種々の電気・電子機器の電源として利用することが期待される。
実施例1の本発明電池の要部を示す平面図である。 実施例1の本発明電池の要部を示す縦断面図である。 実施例1の封止構造を示す説明図で、(A)は封止前の電池を、(B)は封止後の電池を示す。 実施例2の封止構造を示す説明図で、(A)は封止前の電池を、(B)は封止後の電池を示す。 実施例3の本発明電池の要部を示す縦断面図である。 実施例4の本発明電池の要部を示す縦断面図である。
符号の説明
1 基材 2 負極集電体 3 正極集電体 4 負極層 5 正極層
6 固体電解質層 7 封止フィルム
21、31 端子部 22、32 分岐部 41、51 櫛歯部 71 開口部
42 上段部 43 下段部 52 薄肉部 53 厚肉部 61 上段部 62 下段部
G 発電エリア N 負極集電エリア P 正極集電エリア

Claims (7)

  1. 基板と、基板の上方に形成される正極層および負極層の各電極層と、これら両電極層の間でイオンの伝導を行う電解質層と、正極層と電気的に接続される正極集電体と、負極層と電気的に接続される負極集電体とを備える薄型電池であって、
    この電池の基板上には、電解質層を介して両電極層の間で電池反応が行われる発電エリアと、正極集電体の一部で電極層と重複しない箇所からなる正極集電エリアと、負極集電体の一部で電極層と重複しない箇所からなる負極集電エリアとの3つのエリアが形成され、
    前記発電エリアを覆うが、両集電エリアの少なくとも一部は覆わない封止フィルムを備えることを特徴とする薄型電池。
  2. 封止フィルムは実質的に発電エリアのみを覆う大きさであることを特徴とする請求項1に記載の薄型電池。
  3. 封止フィルムは一部に開口部が形成されており、この開口部から各集電エリアが露出され、開口部以外の面で発電エリアを覆っていることを特徴とする請求項1に記載の薄型電池。
  4. 封止フィルムは、封止対象に融着される接合層と、融着時の熱で実質的に溶融しない基材層とを備える積層構造であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の薄型電池。
  5. 接合層は、酸性基で変性されたポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリエステルのいずれかであることを特徴とする請求項4に記載の薄型電池。
  6. 封止フィルムは3層以上からなっており、一方の表面層と他方の表面層を除くいずれかの層が金属箔であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の薄型電池。
  7. 電池を平面視した場合、正極層と負極層には重なる部分がないことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の薄型電池。
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