JP2008163311A - 熱硬化性オキセタン組成物 - Google Patents

熱硬化性オキセタン組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2008163311A
JP2008163311A JP2007281325A JP2007281325A JP2008163311A JP 2008163311 A JP2008163311 A JP 2008163311A JP 2007281325 A JP2007281325 A JP 2007281325A JP 2007281325 A JP2007281325 A JP 2007281325A JP 2008163311 A JP2008163311 A JP 2008163311A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oxetane
thermosetting
curing
oxetane composition
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007281325A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiki Yamamoto
豪紀 山本
Masanori Watanabe
正徳 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ube Corp
Yamaguchi University NUC
Original Assignee
Ube Industries Ltd
Yamaguchi University NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ube Industries Ltd, Yamaguchi University NUC filed Critical Ube Industries Ltd
Priority to JP2007281325A priority Critical patent/JP2008163311A/ja
Publication of JP2008163311A publication Critical patent/JP2008163311A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polyethers (AREA)

Abstract

【課題】速硬化性に優れた熱硬化性オキセタン組成物及び優れた機械的特性を有する硬化物を提供する。
【解決手段】本発明は、(A)オキセタン化合物、(B)有機カルボン酸、有機カルボン酸無水物および有機カルボン酸エステルからなる群より選ばれる硬化剤、ならびに(C)希土類ルイス酸である硬化触媒を含んでなる熱硬化性オキセタン組成物を提供する。さらに、本発明は、上記熱硬化性オキセタン組成物を加熱硬化させて得られる硬化物を提供する。本発明の組成物は、低温かつ短時間で充分に硬化し、速い硬化速度を有する。得られた硬化物は、機械的特性(例えば、引張強度、弾性、表面硬度、曲げ強度)、耐久性(例えば、耐溶剤性、耐候性)に優れている。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱硬化性オキセタン組成物及びその硬化物に関するものである。
カチオン硬化剤を用いる光/熱硬化性オキセタン樹脂については、物品表面のハードコート剤、光硬化性の接着剤、注型用樹脂などの分野で盛んに研究されている。
特開平11−209599号公報(特許文献1)には、オキセタン環を有する化合物と光カチオン重合開始剤からなる、光学素子等の封止に有用な注型用樹脂が述べられている。また、特開平8−85775号公報(特許文献2)には、1ないし4個のオキセタン環を有する化合物と、光カチオン重合開始剤からなる、鋼板の表面コートに適した樹脂組成物が述べられている。しかし、このようなカチオン硬化性の樹脂は、オキセタン化合物を単独重合させ、もしくはエポキシ樹脂と共重合させてなる樹脂であり、通常のエポキシ樹脂組成物のように、特性付与のために硬化剤を併用することができないという欠点を有する。加えて、オキセタン化合物が高価であることが、オキセタンのカチオン硬化による熱硬化性樹脂の一般化を阻んでいる。
一方、オキセタンは種々のプロトン性の化合物と反応することが知られており、西久保らは、フェノール硬化剤とオキセタン化合物の重合の検討結果(Journal of Polymer Science,Part A;Polymer Chemistry,vol.37,2781〜2790(1999)(非特許文献1))を発表している。それによれば、二官能のフェノール類と二官能のオキセタン化合物とが、特定の触媒下でゲル化を起こすことが開示されている。
また、オキセタン化合物はカルボン酸と重付加し、次いで重縮合反応を起こすことが知られており、特開平11−43540号公報(特許文献3)では、分子中に1〜4個のオキセタン環を有する化合物と、カルボキシル基を有する化合物に、4級オニウム塩を硬化促進剤として加えることで、熱硬化性樹脂とする技術が開示されている。しかし、これらの4級オニウム塩を用いるオキセタン樹脂組成物は、硬化速度が非常に遅く、硬化に高い温度を必要とするか、あるいは硬化に長い時間が必要であり、熱硬化性樹脂としての実用性に乏しかった。
特開2003−012794号公報(特許文献4)は、オキセタン化合物およびカルボン酸無水物に硬化触媒としてルイス酸または有機ホウ素化合物を添加してなる硬化性樹脂を提案しているが、ルイス酸において使用されている金属は、亜鉛のような卑金属であり、充分な硬化性は得られていない。
特開平11−209599号公報 特開平8−85775号公報 特開平11−43540号公報 特開2003−012794号公報 Journal of Polymer Science,Part A;Polymer Chemistry,vol.37,2781〜2790(1999)
本発明の目的は、硬化性、特に速硬化性に優れた熱硬化性オキセタン組成物及び優れた機械的特性および耐久性を有する硬化物を提供することにある。
本発明者らは、熱硬化性オキセタン樹脂のこのような現状に鑑み、鋭意検討の結果、オキセタン化合物、カルボン酸類、および特定の硬化触媒を用いることで、硬化剤の種類により種々の特性を発揮でき、且つ十分実用に供することのできる硬化性、例えば、150℃以下の温度で且つ30分以内に十分な硬化できる性能を有する樹脂組成物を得ることに成功した。
本発明は、
(A)オキセタン化合物、
(B)有機カルボン酸、有機カルボン酸無水物および有機カルボン酸エステルからなる群より選ばれる硬化剤、ならびに
(C)希土類ルイス酸である硬化触媒
を含んでなる熱硬化性オキセタン組成物を提供する。
さらに、本発明は、上記熱硬化性オキセタン組成物を加熱硬化させて得られる硬化物を提供する。
本発明の組成物は、低温かつ短時間で充分に硬化し、速い硬化速度を有する。得られた硬化物は、機械的特性(例えば、引張強度、弾性、表面硬度、曲げ強度)、耐久性(例えば、耐溶剤性、耐候性)に優れている。
オキセタン化合物(A)としては、種々のオキセタン誘導体を使用できる。オキセタン化合物(A)の例は、式:

Figure 2008163311

[式中、Rはn価の有機基を表し、
1は水素原子または1価の脂肪族基であり、1分子中のn個のR1は同一であっても異なっていてもよく、
nは1以上の整数である。]
で示される化合物である。
Rの例は、酸素原子を有していてもよい脂肪族基(例えば炭素数1〜20)、芳香族基(例えば炭素数6〜20)または芳香脂肪族基(例えば炭素数7〜30)、ヒドロキシアルキル(例えば炭素数1〜20)基である。R1である脂肪族基は、例えば、炭素数1〜30であってよく、アルキル基であることが好ましい。nは1または2であることが好ましい。
オキセタン化合物(A)の具体例としては、
4,4'−(3−エチルオキセタン−3−イルメチルオキシメチル)ビフェニル(OXBP)、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(EHO)、1,4−ビス[{(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ}メチル]ベンゼン(XDO)、ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル(DOX)、ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル(DOE)、1,6−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]ヘキサン(HDB)、9,9−ビス[2−メチル−4−{2−(3−オキセタニル)}ブトキシフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−[2−{2−(3−オキセタニル)}ブトキシ]エトキシフェニル]フルオレンなどの2官能オキセタン化合物や、オキセタン化ノボラック樹脂などの多官能オキセタン化合物が挙げられる。これらの化合物は、市場で容易に入手することができる。
4,4'-(3-エチルオキセタン-3-イルメチルオキシメチル)ビフェニル(OXBP):

Figure 2008163311
及び3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン(EHO):
Figure 2008163311

が特に好ましい。
オキセタン化合物(A)は、1種単独または2種以上の混合物であってよい。
硬化剤(B)は、有機カルボン酸、有機カルボン酸無水物または有機カルボン酸エステルである。硬化剤(B)は、分子中に2個以上のカルボキシル基またはエステル基を有する化合物、または分子中に1個以上の酸無水物基を有する化合物であることが好ましい。
有機カルボン酸において、炭素数は1〜30であることが好ましい。有機カルボン酸は、脂肪族カルボン酸(例えば炭素数1〜10)、脂環式カルボン酸(例えば炭素数4〜10)、芳香族カルボン酸(例えば炭素数6〜18)または芳香脂肪族カルボン酸(例えば炭素数7〜20)であることが好ましい。
有機カルボン酸の具体例としては、炭酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、アジピン酸、シュウ酸、テレフタル酸などの二塩基酸、トリメリット酸などの三塩基酸、ピロメリット酸などの四塩基酸、ポリアクリル酸誘導体のような、1分子内に5個以上のカルボン酸基を有するポリカルボン酸類が挙げられる。有機カルボン酸無水物および有機カルボン酸エステルの具体例は、これら有機カルボン酸の具体例の無水物およびエステルである。
有機カルボン酸エステルは、有機カルボン酸とアルコールとのエステルである。アルコールは、炭素数1〜20、例えば1〜10であってよく、一価〜五価のアルコール、特に一価のアルコールである。アルコールとしては、飽和または不飽和の脂肪族アルコール、脂環式アルコール、芳香族アルコール、または芳香脂肪族アルコールが挙げられる。アルコールの具体例は、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ドデカノール、トリデカノール、ヘキサデカノール、オクタデカノール、イコサノール、アリルアルコール、フェノール、ナフトール、ベンジルアルコール、オクチルフェノール、ノニルフェノールである。
硬化剤はこれらの具体例に限定されるものではなく、オキセタン化合物と反応性を有するカルボキシル基、カルボン酸無水物基またはカルボン酸エステル基を有する化合物であれば、その種類に何ら制限はない。
硬化剤としては酸無水物、特に二塩基酸の無水物が特に好ましい、酸無水物の具体例は、無水マレイン酸、無水フタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物(例えば、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸無水物)が挙げられる。
カルボン酸無水物を使用する場合は、酸無水物基1個(1当量)がカルボキシル基2個(2当量)に相当するという条件の下、配合量を決定する。
硬化剤(B)は、オキセタン化合物(A)のオキセタン環1つ(1当量)につき、硬化剤(B)のカルボキシル基(またはエステル基)が1.2〜2.5個(1.2〜2.5当量)となるように配合するのが好ましく、1.5〜2個(1.5〜2.0当量)となるように配合することがより好ましい。硬化剤の量がこの範囲にあると、未反応基が生じることがなく、架橋構造が密になり、樹脂の吸水率などの特性がさらに良好である。
硬化剤(B)は、1種単独または2種以上の混合物であってよい。
本発明の樹脂組成物が、優れた速硬化性を発揮するには、硬化触媒(C)を用いることが必須である。硬化触媒は、オキセタン化合物(A)と硬化剤(B)との反応を促進する化合物であり、希土類ルイス酸である。「ルイス酸」とは、G.N.Lewisにより定義されているように、電子対を受け取り得る物質を意味する。希土類ルイス酸は、希土類金属元素を含むルイス酸である。
希土類金属元素は、一般に、ランタノイド系元素またはアクチノイド系元素、特にランタノイド系元素である。ランタノイド元素である希土類金属元素の具体例としては、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジウム(Pr)、ネオジウム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)が挙げられる。希土類金属元素は、ランタン(La)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)またはイッテルビウム(Yb)であることが特に好ましい。
希土類ルイス酸の例としては、希土類金属元素の有機酸エステル塩、希土類金属元素と炭素原子とが結合している有機金属化合物、金属アルコラート、金属フェノレート、金属カルボキシレート、金属錯体が挙げられる。
希土類ルイス酸の例は、一般式:
MX・L
[式中、Mは,希土類金属元素の金属イオンであり、
Xはアニオンであり、
LはMに配位力のある中性分子であり、
mは金属Mの原子価数であり、
nは0〜10の整数である。]
で表されるルイス酸であってよい。
Mは金属イオンであり、希土類金属元素によって構成される。
アニオンXとしては、ハロゲンアニオン、トリフレート(即ち、トリフルオロメタンスルホネート)[(OTf)3]アニオン、アセチルアセトナートアニオンなどのフッ素原子等で置換されていても良いアルカンジオナートアニオン(アルカンの炭素数例えば1〜30)、パーフルオロアルキルスルホナートアニオン、ビス(パーフルオロアルキルスルホニル)アミドアニオン、トリス(パーフルオロアルキルスルホニル)メチドアニオンなどが挙げられる。
中性分子Lが配位していても差し支えない。この中性分子Lは、Mに配位する分子であって、例えば水やジエチルエーテルなどのエーテル類が挙げられる。その数nは0〜10、例えば1〜6である。
希土類ルイス酸は、式:
MX
[式中、M、X、mは上記と同意義である。]
で示される化合物であることが好ましい。
希土類ルイス酸の好ましい具体例として、ランタントリフレート、ランタンアセチルアセトナート、ランタントリス(6,6,7,7,8,8,8-ヘプタフルオロ-2,2-ジメチル-3,5-オクタンジオナート)、ユウロピウムトリフレート、ユウロピウムアセチルアセトナート、ユウロピウムトリス(6,6,7,7,8,8,8-ヘプタフルオロ-2,2-ジメチル-3,5-オクタンジオナート)、イッテルビウムトリフレート、イッテルビウムアセチルアセトナート、イッテルビウムトリス(6,6,7,7,8,8,8-ヘプタフルオロ-2,2-ジメチル-3,5-オクタンジオナート)、サマリウムトリフレート、サマリウムアセチルアセトナート、サマリウムトリス(6,6,7,7,8,8,8-ヘプタフルオロ-2,2-ジメチル-3,5-オクタンジオナート)等が挙げられる。
ランタン(La)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)またはイッテルビウム(Yb)のトリフレートまたはアセチルアセトナートが特に好ましい。
硬化触媒(C)は、1種単独または2種以上の混合物であってよい。
硬化触媒(C)の量としては、オキセタン化合物(A)と硬化剤(B)の合計100重量部に対して、0.001〜5重量部、特に0.01〜1重量部で配合することが好ましいが、本発明の樹脂組成物の特性を損なわなければ、この範囲外であっても何ら差し支えない。
本発明の熱硬化性オキセタン組成物は、必要に応じてカップリング剤、離型剤、滑剤、充填材、酸化防止剤等の添加剤を含んでいてもよい。添加剤の量は、オキセタン化合物(A)と硬化剤(B)の合計100重量部に対して、100重量部以下、例えば70〜10重量部であってよい。
本発明の組成物は、成分(A)と(B)と(C)を混合することにより製造できる。組成物は加熱することにより硬化させることができる。硬化温度は、170℃以下、好ましくは150℃以下、特に140℃以下である。一般に、硬化温度の下限は、90℃である。硬化時間は、一般に10分〜5時間、特に30分〜4時間である。加熱ニーダー、熱ロール等の設備により加熱混練する、一般的な手法が適用できる。
組成物が硬化することにより、オキセタン化合物(A)から誘導された繰返単位と硬化剤(B)から誘導された繰返単位とを有する重合体が得られる。硬化物は、室温(25℃)〜100℃、特に30℃で固形状である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例によって何ら限定されるものではない。
以下において、%および部は、特記しない限り、重量%および重量部を表す。
以下において、物性は次のようにして測定した。
硬化性
硬化物(重合物)の外観を目視により判断した。
良好: 充分に固化している。
不良: 固化が不充分である。
硬度
硬化物の硬度(表面硬度)はデュロメーターを用いてJIS K7215に従って測定した。
引張試験
厚さ1mmの硬化物を幅10mm長さ100mmに切り出し、ユニバーサル試験機(テンシロン)を用い、チャック間距離40mm引張速度1mm/分で試験を行い評価した。
耐溶剤性
硬化物をアセトン、メタノール、トルエン、酢酸エチル、水の5種類の溶剤のそれぞれの中に室温(25℃)で70時間浸漬し、重量変化を測定することにより、耐溶剤性を評価した。
良好: 全ての溶剤で重量変化がほとんどなし(重量変化 0.5%未満)
不良: いずれかの溶剤で重量変化があり(重量変化 3%以上)
実施例1〜4
表1に示したオキセタン化合物(A)、硬化剤(B)および硬化触媒(C)を混合し、樹脂組成物を得た。必要により、混合時に、室温(25℃)に冷却した。
樹脂組成物(約25g)をアルミ容器(直径13.4cmの円形底面を有する円柱状容器)に仕込んだ。アルミ容器を140℃の温度に設定したオーブンに入れ、30分間加熱した。得られた硬化物の物性(硬度、引張強度等)の測定を行った。結果を表1に示す。
Figure 2008163311
各成分の量の単位は重量部である。
表1中、略号の意味は次のとおりである。
OXBP: 4,4’−(3−エチルオキセタン−3−イルメチルオキシメチル)ビフェニル
EHO: 3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン
MA: 無水マレイン酸
CHA: 1,2-シクロヘキサンジカルボン酸無水物
Sm(OTf)3: サマリウムトリフレート
実施例5
4,4’−(3−エチルオキセタン−3−イルメチルオキシメチル)ビフェニル(OXBP) 41部、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(EHO) 11.6部、無水マレイン酸(MA) 23.4部およびSm(OTf)3 (硬化触媒)0.07部混合し、樹脂組成物を得た。
樹脂組成物(約25g)をアルミ容器(直径13.4cmの円形底面を有する円柱状容器)に仕込んだ。アルミ容器を140℃の温度に設定したオーブンに入れ、30分間加熱した。得られた硬化物の三点曲げ試験を行った。結果を表2に示す。
三点曲げ試験の測定方法は次のとおりであった。
厚さ1mmの硬化物を幅20mm、長さ40mmのサンプルに切出し試験片とした。ユニバーサル試験機(テンシロン)を用い、エッジスパン32mmで速度2mm/分で三点曲げ強度を評価した。三点曲げ試験において、弾性率、最大点応力、破断点ひずみ、最大点ひずみ、破断点応力を測定した。
Figure 2008163311
実施例6〜17および比較例1〜6
実施例1と同様にして、表3〜5に示す成分を使用して組成物を調製し、次いで硬化を行った。目視により硬化性を評価した。結果を表3〜5に示す。
Figure 2008163311
各成分の量の単位はミリモルである。
Figure 2008163311
各成分の量の単位はミリモルである。
Figure 2008163311
各成分の量の単位はミリモルである。
表3〜5中、略号の意味は次のとおりである。
OXBP: 4,4’−(3−エチルオキセタン−3−イルメチルオキシメチル)ビフェニル
EHO: 3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン
DOE: ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル
XDO:1,4−ビス[{(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ}メチル]ベンゼン
HDB: 1,6−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]ヘキサン
MA: 無水マレイン酸
CHA: 1,2-シクロヘキサンジカルボン酸無水物
PA: 無水フタル酸
Sm(OTf)3: サマリウムトリフレート
Yb(OTf)3: イッテルビウムトリフレート
La(OTf)3 ランタントリフレート
La(acac)3: ランタンアセチルアセトナート
Eu(FOD)3: ユウロピウムトリス(6,6,7,7,8,8,8-ヘプタフルオロ-2,2-ジメチル-3,5-オクタンジオナート)
ZnI2: ヨウ化亜鉛
ZnCl2: 塩化亜鉛
Cu(OTf)2: 銅トリフレート
実施例18
OXBP/EHO/SA組成物の硬化及び硬化物の評価
4,4’−(3−エチルオキセタン−3−イルメチルオキシメチル)ビフェニル(OXBP)35.4mmol、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(EHO)37.8mmol、無水コハク酸(SA)62.7mmol、トリフルオロメタンスルホン酸サマリウム(0.050mmol)をアルミ容器に仕込み、145℃で3時間加熱した。同様の反応を6回行い、それぞれ得られた硬化物の力学特性をJIS 7113に準拠したプラスチックの引張試験方法にて評価した。結果を表6に示す。
Figure 2008163311
実施例19
オキセタン/硬化剤/硬化触媒における硬化物の収率と評価
表7に示したオキセタン化合物(A)および硬化剤(B)をアルミ容器に仕込み、ホットプレ−ト上で低温でゆっくり溶解させた後、メタノールに溶解した硬化触媒(C)を添加した。ホットプレートで数秒加熱した後、表8中の所定の温度に設定したオーブンに入れ4時間加熱した。得られた硬化物の物性(硬度)の測定を行った。結果を表8に示す。
Figure 2008163311
(各成分の量の単位はミリモルである。)
表7中、略号の意味は次のとおである。
OXBP: 4,4’−(3−エチルオキセタン−3−イルメチルオキシメチル)ビフェニル
HDB: 1,6−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]ヘキサン
MT:テレフタル酸ジメチル
MS:コハク酸ジメチル
DPC:炭酸ジフェニル
DMO:シュウ酸ジメチル
表1〜7からわかるように、本発明の熱硬化性オキセタン組成物は、実用上、極めて優れた硬化特性を示す。また、表1および表6からわかるように、本発明により得られた硬化物は、優れた機械的特性および耐溶剤性を有する。

Claims (8)

  1. (A)オキセタン化合物、
    (B)有機カルボン酸、有機カルボン酸無水物および有機カルボン酸エステルからなる群より選ばれる硬化剤、ならびに
    (C)希土類ルイス酸である硬化触媒
    を含んでなる熱硬化性オキセタン組成物。
  2. オキセタン化合物(A)が、式:

    Figure 2008163311

    [式中、Rはn価の有機基を表し、
    1は水素原子または1価の脂肪族基であり、1分子中のn個のR1は同一であっても異なっていてもよく、
    nは1以上の整数である。]
    で示される化合物である請求項1に記載の熱硬化性オキセタン組成物。
  3. オキセタン化合物(A)が、4,4'-(3-エチルオキセタン-3-イルメチルオキシメチル)ビフェニル及び3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタンからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の熱硬化性オキセタン組成物。
  4. 硬化剤(B)が二塩基酸の無水物である請求項1に記載の熱硬化性オキセタン組成物。
  5. 硬化触媒(C)が、一般式:
    MX・L
    [式中、Mは,希土類金属元素の金属イオンであり、
    Xはアニオンであり、
    LはMに配位力のある中性分子であり、
    mは金属Mの原子価数であり、
    nは0〜10の整数である。]
    で表されるルイス酸である請求項1に記載の熱硬化性オキセタン組成物。
  6. 硬化触媒(C)が、ランタン、サマリウム、ユウロピウム及びイッテルビウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の希土類金属元素を含む請求項1に記載の熱硬化性オキセタン組成物。
  7. 硬化触媒(C)がランタン(La)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)またはイッテルビウム(Yb)のトリフレートまたはアセチルアセトナートである請求項1に記載の熱硬化性オキセタン組成物。
  8. 請求項1に記載の熱硬化性オキセタン組成物を加熱により硬化させて得られる硬化物。
JP2007281325A 2006-12-08 2007-10-30 熱硬化性オキセタン組成物 Pending JP2008163311A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007281325A JP2008163311A (ja) 2006-12-08 2007-10-30 熱硬化性オキセタン組成物

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006331626 2006-12-08
JP2007281325A JP2008163311A (ja) 2006-12-08 2007-10-30 熱硬化性オキセタン組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008163311A true JP2008163311A (ja) 2008-07-17

Family

ID=39693194

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007281325A Pending JP2008163311A (ja) 2006-12-08 2007-10-30 熱硬化性オキセタン組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008163311A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009110536A1 (ja) * 2008-03-06 2009-09-11 富士フイルム株式会社 ナノインプリント用硬化性組成物、これを用いた硬化物およびその製造方法、並びに、液晶表示装置用部材
JP2015513319A (ja) * 2011-12-15 2015-05-07 モーメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・インク 湿気硬化性オルガノポリシロキサン組成物

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009110536A1 (ja) * 2008-03-06 2009-09-11 富士フイルム株式会社 ナノインプリント用硬化性組成物、これを用いた硬化物およびその製造方法、並びに、液晶表示装置用部材
JP2015513319A (ja) * 2011-12-15 2015-05-07 モーメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・インク 湿気硬化性オルガノポリシロキサン組成物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1925630B1 (en) Thermosetting resin composition
US20100187715A1 (en) Catalyst for curing epoxides
JP7226395B2 (ja) エポキシ樹脂成形材料、成形物、成形硬化物、及び成形硬化物の製造方法
JP5296298B2 (ja) 結晶性樹脂組成物およびその製造方法
CN105121496A (zh) 含有核壳橡胶和多元醇的韧化环氧树脂热固物
JP2008163311A (ja) 熱硬化性オキセタン組成物
JP5049408B2 (ja) ベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂組成物及びその製造方法、並びにその成形体及び硬化体
US20120259044A1 (en) Hyperbranched polymers for modifying the toughness of anionically cured epoxy resin systems
WO2013101531A2 (en) Curable water soluble epoxy acrylate resin compositions
KR102316658B1 (ko) 잠재성 경화제, 및 그 제조 방법, 그리고 열경화형 에폭시 수지 조성물
JP2003261650A (ja) エポキシ樹脂組成物、その予備硬化物及び硬化物
JP6389469B2 (ja) エポキシ組成物
JP2015505891A (ja) ヒドロキシエステル樹脂
JP5884246B2 (ja) 不飽和ポリエステルおよびポリシラザンから成る樹脂およびそれにより製造される熱硬化性反応樹脂の成形材
KR20180125528A (ko) 에폭시 수지에 기반하는, 발전기 및 모터용 전기 절연 시스템
WO2022000088A1 (en) Catalysts for crosslinking epoxy resins
CN104364287A (zh) 用于可固化组合物的潜伏型催化剂
JP7163078B2 (ja) トリアリールホウ素化合物を含む組成物
JP3941659B2 (ja) 熱硬化性樹脂組成物及びその硬化物
JP4085773B2 (ja) 熱硬化性樹脂組成物およびそれを硬化して得られる硬化物
JP2003012794A (ja) 熱硬化性樹脂組成物およびその硬化物
KR20150044007A (ko) 다관능 산 무수물, 열경화성 수지 조성물, 프리프레그 및 경화물
TW201418313A (zh) 潛在催化之固化劑
JP2021027100A (ja) 希土類ボンド磁石用コンパウンド及びその製造方法、並びに、希土類ボンド磁石及びその製造方法
JP2013185034A (ja) ベンゾオキサジン樹脂組成物及びその製造方法、並びにその成形体及び硬化体