JP2008163090A - テトラカルボン酸二無水物およびその製造方法並びに重合物 - Google Patents

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Abstract

【課題】高純度テトラカルボン酸二無水物の製造。この高純度テトラカルボン酸二無水物から重合物を製造する方法の提供。
【解決手段】1気圧、25℃の測定条件における、溶解度パラメータδ(単位:MPa1/2)が21.3以上の有機溶媒の存在下で再結晶を行う酸二無水物の製造方法。
Figure 2008163090

(式(1)中、Aは2価の基を示す。X、X、X、X、X、およびXは各々独立に水素原子、ハロゲン原子、ニトリル基、ニトロ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アミノ基、またはアミド基。炭素含有基は、その炭素数は10以下である。nは0、1または2の整数を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は高純度の酸二無水物の製造方法に係り、特に反応により得られたテトラカルボン酸二無水物を再結晶により反応副生成物を高度に除去して高純度のテトラカルボン酸二無水物を得る方法に関する。本発明はまた、この方法により製造されたテトラカルボン酸二無水物と、このテトラカルボン酸二無水物を用いて得られる重合物に関する。
ポリイミドは優れた耐熱性のみならず、耐薬品性、耐放射線性、電気絶縁性、優れた機械的性質などの特性を併せ持つことから、フレキシブルプリント配線回路用基板、テープオートメーションボンディング用基材、半導体素子の保護膜、集積回路の層間絶縁膜等、様々な電子デバイスに現在広く利用されている。ポリイミドはまた製造方法の簡便さ、高い膜純度、物性改良のしやすさの点で、非常に有用な材料であり、近年様々な用途毎に適した機能性ポリイミドの材料設計がなされている。
多くのポリイミドは有機溶媒に不溶で、ガラス転移温度以上でも溶融しないため、ポリイミドそのものを成型加工することは通常容易ではない。そのため、ポリイミドは一般に、無水ピロメリット酸等の芳香族テトラカルボン酸二無水物とジアミノジフェニルエーテル等の芳香族ジアミンとをジメチルアセトアミド等の非プロトン性極性有機溶媒中で等モル反応させて、先ず高重合度のポリイミド前駆体を重合し、この溶液を膜などに成形し、250℃から350℃程度の温度をかけて加熱し、脱水閉環(イミド化)して製膜される。
ポリイミド/金属基板積層体をイミド化温度から室温へ冷却する過程で発生する熱応力はしばしばカーリング、膜の剥離、割れ等の深刻な問題を引き起こす。最近では電子回路の高密度化に伴い、多層配線基板が採用されるようになってきたが、たとえ膜の剥離や割れにまで至らなくても、多層基板における応力の残留はデバイスの信頼性を著しく低下させる。このため、熱応力を低減することも検討されているが、これら熱応力の低い樹脂は溶媒に対する溶解性が低く操作性が悪いという問題がある。
一方、ポリイミドが有機溶媒に可溶である場合、熱イミド化工程を必要としないため、金属基板上にポリイミドの有機溶媒溶液(ワニス)を塗布後、熱イミド化温度よりずっと低い温度で溶媒を蒸発・乾燥するだけでよく、金属基板/絶縁膜積層体における熱応力を低減することが可能である。しかしながら、有機溶媒に可溶で実用化されたポリイミドはごく限られており、多様な物性を持つポリイミドで溶媒に可溶なものの開発が待ち望まれている。
さらに、ポリイミドは一般に吸水率が高いことが知られている。絶縁層における吸水は絶縁膜の寸法変化や電気特性の低下等の深刻な問題を引き起こす。低吸水率を実現するための分子設計として、ポリイミド骨格へのエステル結合の導入が有効であると報告されている(非特許文献1)。
また、近年、特にマイクロプロセッサーの演算速度の高速化やクロック信号の立ち上がり時間の短縮化が情報処理・通信分野で重要な課題になってきているが、そのためには絶縁膜として使用されるポリイミド膜の誘電率を下げることが必要となる。また、電気配線長の短縮のための高密度配線および多層基板化にとっても、絶縁膜の誘電率が低いほど絶縁層を薄くできる等の点で有利である。
ポリイミドの低誘電率化には骨格中へのフッ素置換基の導入が有効である(非特許文献2)。しかしながら、フッ素化モノマーの使用はコストの点で不利である。
また、芳香族単位を脂環族単位に置き換えてπ電子を減少することも低誘電率化に有効な手段である(非特許文献3)。
しかしながら、低誘電率(目標値として3.0以下)、低吸水性および溶媒可溶性を同時に有し、かつハンダ耐熱性を保持するポリイミドを得ることは分子設計上容易ではなく、このような要求特性を満足する実用的な材料は今のところ知られていない。ポリイミド以外の低誘電率高分子材料や無機材料も検討されているが、誘電率、耐熱性および靭性の点で要求特性が十分に満たされていないのが現状である。
さらに近年、光学材料用途へ展開する要望から、可視光領域で高い透明性を示すポリイミドの要求が高まっている。この透明性に加えて、耐熱性、可溶性、適度な靭性を兼ね備えたポリイミドが得られれば、液晶ディスプレーやELディスプレー用フレキシブル基板や、内部に使用される各種光学特性部材として好適に使用することできるが、このような物性を兼ね備えた材料は知られていないのが現状である。
また、絶縁層としてのポリイミドにスルーホール形成や微細加工を施す目的で、ポリイミドあるいはその前駆体自身に感光性能を付与した感光性ポリイミドシステムが盛んに研究されている。一方、塩基性物質でポリイミドそのものにエッチングを施し、スルーホール形成等も行われている。しかしながら、後者ではアルカリによるポリイミド膜のエッチング速度が通常遅いために、エッチング液はエタノールアミン等特殊な塩基性物質に限られており、エタノールアミンを用いても全てのポリイミドに適用できるわけではない。上記要求特性を有し且つ、汎用の塩基性物質により容易にエッチングできるような材料が開発されれば、上記産業分野において極めて有益な材料を提供しうるが、そのような材料は現在のところ知られていない。
このような従来の問題点を解決し、高ガラス転移温度、高透明性、低吸水率およびエッチング特性を併せ持ち、各種電子デバイスにおける電気絶縁膜や積層板、フレキシブルプリント配線基板などの電子材料分野、液晶ディスプレー用基板、有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレー用基板、電子ペーパー用基板などの表示装置分野、レンズや回折格子、光導波路などの光学材料分野、バッファーコート膜や層間絶縁膜などの半導体分野、この他太陽電池用基板、感光材料等において有益な脂環式ポリエステルイミドを提供し得るエステル基含有脂環式テトラカルボン酸二無水物として、本出願人は先に、後述の一般式(1)で表されるエステル基含有脂環式テトラカルボン酸二無水物を提案した(特許文献1)。
このテトラカルボン酸二無水物は、脂環式骨格を有する、エステル基を含有するなどの特徴があることから、この酸二無水物から合成されるポリイミド樹脂は、高い耐熱性を保ちつつ、高透明性、低誘電性、低吸水性、低熱膨張性、溶媒溶解性およびエッチング特性等の優れた特性を併せ持つ。このため、電気絶縁膜およびフレキシブルプリント配線基板などの電子材料用の樹脂や、液晶ディスプレー用基板、有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレー用基板、電子ペーパー用基板、太陽電池用基板、発光ダイオード用封止剤、光導波路等の光学材料用として利用可能である。
一般に、ポリイミド樹脂の製造にあたっては、原料であるテトラカルボン酸二無水物とジアミンの純度が重合度に大きな影響を与えることが知られており、前記各用途に用いる際に充分な重合度のポリイミドを得るには、高純度の原料を使用することが必要である。
しかしながら、一般式(1)で表される酸二無水物は、通常用いられる溶媒に対する溶解性が低いために最も簡便な精製法である再結晶法を適用できず、高純度の酸二無水物を得ることが出来なかった。このために重合度が充分に上がらず、高特性のポリイミド樹脂を得ることが出来なかった。重合度が上がらない主な要因として、酸二無水物中に含まれる一酸無水物の影響が挙げられる。
特願2006−308082 高分子討論会予稿集,53,4115(2004) Macromolecules,24,5001(1991) Macromolecules,32,4933(1999)
本発明は、高い耐熱性を保ちつつ、高透明性、低誘電性、低吸水性、低熱膨張性、溶媒溶解性およびエッチング特性等の優れた特性を併せ持つことが可能で、電気絶縁膜およびフレキシブルプリント配線基板などの電子材料用の樹脂や、液晶ディスプレー用基板、有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレー用基板、電子ペーパー用基板、太陽電池用基板、発光ダイオード用封止剤、光導波路等の光学材料用として利用可能な樹脂を製造するために有用な原料であるテトラカルボン酸二無水物の製造方法と、この製造方法によって製造されたテトラカルボン酸二無水物と、このテトラカルボン酸二無水物を原料とする重合物を提供するものである。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、溶解度パラメータδが所定値以上の溶解度パラメータを用いて再結晶を行うことにより、下記一般式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物を高度に精製することができることを見出した。
本発明は、上記知見に基づいて達成されたものであり、以下を要旨とする。
[1] 下記一般式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物を製造する方法であって、1気圧、25℃の測定条件における、下記式(2)で表される溶解度パラメータδ(単位:MPa1/2)が21.3以上の有機溶媒の存在下で再結晶を行うことを特徴とする高純度の酸二無水物の製造方法。
Figure 2008163090
(式(1)中、Aは2価の基を示す。
、X、X、X、X、およびXは各々独立に水素原子、ハロゲン原子、ニトリル基、ニトロ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アミノ基、またはアミド基を表す。ただし、これらの基は更に置換基を有していても良く、炭素含有基にあっては、その炭素数は10以下である。
nは0、1または2の整数を表す。)
δ=(ΔH/V)1/2 (2)
(式(2)において、ΔHおよびVは、それぞれ前記有機溶媒のモル蒸発熱(単位:J/mol)およびモル体積(単位:cm/mol)である。)
[2] [1]において、前記有機溶媒に酸無水物を添加して再結晶を行うことを特徴とする高純度の酸二無水物の製造方法。
[3] [2]において、酸無水物が炭素数10以下のカルボン酸無水物であることを特徴とする高純度の酸二無水物の製造方法。
[4] [1]ないし[3]のいずれかにおいて、再結晶に用いる溶媒が一般式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物と実質的に反応しないことを特徴とする高純度の酸二無水物の製造方法。
[5] [1]ないし[4]のいずれかにおいて、再結晶に用いる溶媒の常圧における沸点が100℃以上であることを特徴とする高純度の酸二無水物の製造方法。
[6] 下記一般式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物であって、下記一般式(3)で表される一酸無水物の含有量が該テトラカルボン酸二無水物に対して1モル%以下であることを特徴とするテトラカルボン酸二無水物。
Figure 2008163090
(式(1)中、Aは2価の基を示す。
、X、X、X、X、およびXは各々独立に水素原子、ハロゲン原子、ニトリル基、ニトロ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アミノ基、またはアミド基を表す。ただし、これらの基は更に置換基を有していても良く、炭素含有基にあっては、その炭素数は10以下である。
nは0、1または2の整数を表す。)
Figure 2008163090
(式(3)中、A、X、X、X、X、X、X、nは一般式(1)におけると同義である。)
[7] [6]に記載のテトラカルボン酸二無水物を用いて製造された重合物。
本発明によれば、特定の有機溶媒を用いて再結晶を行うことにより、高純度のテトラカルボン酸二無水物を製造することができる。しかして、このようにして製造された、一酸無水物等の不純物の含有量の少ないテトラカルボン酸二無水物を用いて、高い耐熱性、高透明性、低誘電性、低吸水性、低熱膨張性、溶媒溶解性およびエッチング特性を併せ持つ重合物を製造することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、これらの内容に特定はされない。
[テトラカルボン酸二無水物]
本発明で製造されるテトラカルボン酸二無水物(以下、「本発明の化合物」と称す場合がある。)は、下記一般式(1)で表されるものである。
Figure 2008163090
(式(1)中、Aは2価の基を示す。
、X、X、X、X、およびXは各々独立に水素原子、ハロゲン原子、ニトリル基、ニトロ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アミノ基、またはアミド基を表す。ただし、これらの基は更に置換基を有していても良く、炭素含有基にあっては、その炭素数は10以下である。
nは0、1または2の整数を表す。)
上記一般式(1)中のAの構造としては、2箇所で上記構造を形成するようにカルボキシル基と結合していればよく特に構造上の制限はない。
具体的には、一般式(1)中、Aは任意の2価の基であればよい。本発明の化合物は、2つの脂環構造とそれをつなぐ2つのエステル基を有するという構造が特徴であり、この構造を有することにより、脂環式ポリエステルイミド樹脂とした時に高い透明性、高い靭性、高い溶媒溶解性といった物性を得ることができる。つまり、Aの構造が任意の2価の基であっても、本化合物のこれらの物性に関しては大きくは影響を与えない傾向にある。従って、Aの構造は任意の2価の基であれば、特に制限されない。
この2価の基の中でも、好ましいものとしては、環状構造を有する基である。環状構造を有する構造とは、Aに芳香族基を含むものまたは脂環構造を含むものをさす。Aに環状構造があると脂環式ポリエステルイミド樹脂とした時の耐熱性および、寸法安定性の向上がもたらされる。また、脂環構造を含む場合には耐熱性を維持しつつ、UV領域の光吸収を低減させることができる、という特徴も得ることができる。具体的な構造として例を挙げると、芳香族基としてはいずれも2価の基であるフェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基、ジフェニルエーテル基、ジフェニルスルホン基、4,4’−(9−フルオレニリデン)ジフェニル基、メチレンジフェニル基、イソプロピリデンジフェニル基、3,3’,5,5’−テトラメチル−(1,1’−ビフェニル)基などが上げられ、脂環構造としては、シクロヘキシレン基、シクロヘキサンジメチレン基、デカヒドロナフチレン基等が挙げられる。さらにこれらの基同士が、あるいは他の基と連結基で複数結合された構造となっていてもかまわない。ここで適用可能な連結基の具体的な例としては、メチレン基(−CH−)、エーテル基(−O−)、エステル基(−C(O)O−)、ケト基(−C(O)−)、スルホニル基(−SO−)、スルフィニル基(−SO−)、スルフェニル基(−S−)、9,9−フルオレニリデン基などを挙げることができる。なお、上記した2価の環状構造を含む基に関しては、特にその置換位置は問わない。例えばフェニレン基であれば1,4−位で置換すると−A−の構造が直線となるため耐熱性が向上し、線膨張係数が小さくなることが期待され好ましい。一方、フェニレン基において1,3−位で置換した場合には、−A−構造が屈曲するため溶媒に対する溶解性の向上が期待されるので好ましい。従って、置換位置については、必要とされる物性に応じて適宜ふさわしい構造のAを選択することが好ましい。
更に好ましい構造としては、Aが芳香族基を含む基である。芳香族基が含有されると脂環式ポリエステルイミド樹脂としたときの耐熱性および、寸法安定性が一層向上する上に屈折率の向上も達成される。芳香族基の具体的なものとしては、上記したものが適用可能であるが、中でもフェニレン基、ビフェニレン基、ジフェニルエーテル基、ジフェニルスルホン基、4,4’−(9−フルオレニリデン)ジフェニル基、3,3’,5,5’−テトラメチル−(1,1’−ビフェニル)基等がより剛直な構造を持つ点で特に好ましい。さらには、フェニレン基、4,4’−(9−フルオレニリデン)ジフェニル基、3,3’,5,5’−テトラメチル−(1,1’−ビフェニル)基が原料の入手性、得られる樹脂の物性が良好な点で好ましい。
また、上記一般式(1)中のX、X、X、X、XおよびXはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ニトリル基、ニトロ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アミノ基、またはアミド基を表す。アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アミノ基、アミド基の炭素数は、1〜10が好ましい。より具体的には、アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基等が例示される。アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基などが挙げられる。また、ハロゲン原子の例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。これらの例中でも上記一般式(1)中のX、X、X、X、XおよびXがそれぞれ独立に水素原子またはハロゲン原子であることが、原料の入手のしやすさの点で好ましい。この場合、ハロゲン原子の数、置換位置については特に限定されない。さらに好ましくは上記一般式(1)中のX、X、X、X、XおよびXがすべて水素原子の場合である。
AとX、X、X、X、XおよびXの組み合わせとして好ましい構造としては、Aが環状構造を有する基であり、X、X、X、X、XおよびXがそれぞれ独立にハロゲン原子もしくは水素原子で構成されるものである。さらに好ましくはAが環状構造を有する基でX、X、X、X、XおよびXがすべて水素原子で構成されるものである。
一般式(1)においてnは0、1または2の整数を表すが、好ましくはn=0またはn=1であり、さらに好ましくはn=1である。なお、一般式(1)において、X〜Xが置換している環のnとX〜Xが置換している環のnとは必ずしも同一である必要はなく、異なっていても良い。
[含有される不純物]
一般式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物は、対応する酸無水物とジオールとの反応により製造されるが、その製造工程由来の反応副生成物として、例えば、下記一般式(3)で表される一酸無水物や、下記一般式(4)で表されるモノエステルを含む。
Figure 2008163090
(式(3)中、A、X、X、X、X、X、X、nは一般式(1)におけると同義である。)
Figure 2008163090
(式(4)中、A、X、X、X、nは一般式(1)におけると同義である。)
これらの不純物は、重合反応を阻害する要因となるため、本発明では、特定の有機溶媒を用いた再結晶により、これらの不純物を除去して精製する。
[再結晶に用いる有機溶媒]
本発明では、反応により得られた上述の不純物を含む一般式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物を、1気圧、25℃の測定条件における、下記式(2)で表される溶解度パラメータδ(単位:MPa1/2)が21.3以上の有機溶媒の存在下で再結晶を行うことにより精製する。
δ=(ΔH/V)1/2 (2)
(式(2)において、ΔHおよびVは、それぞれ前記有機溶媒のモル蒸発熱(単位:J/mol)およびモル体積(単位:cm/mol)である。)
有機溶媒のモル蒸発熱は、「実験化学講座第4版第4巻」(丸善)にあるように、カロリメトリーを用いて測定することができる。
尚、「ポリマーハンドブック(Polymer Handbook)第4版(4th Edition)」、(ワイリー・インターサイエンス(WILEY−INTERSCIENCE))に、各種溶媒の溶解度パラメータのデータが記載されている。
再結晶に用いる有機溶媒の溶解度パラメータが21.3MPa1/2未満であると、目的物であるテトラカルボン酸二無水物の溶解度が低く、再結晶による精製を行うことが非常に困難である。溶解度パラメータは22MPa1/2以上であることが好ましく、さらに好ましくは24MPa1/2以上である。また、この溶解度パラメータの上限は特に制限は無いが、高すぎると溶解度が落ちる傾向にあるので40MPa1/2以下が好ましい。
このような溶解度パラメータを満足する有機溶媒としては、例えば次のようなものが挙げられる。
γ−ブチロラクトン(溶解度パラメータ:25.8MPa1/2
ジメチルスルホキシド(溶解度パラメータ:29.7MPa1/2
N,N−ジメチルホルムアミド(溶解度パラメータ:24.8MPa1/2
N−メチルピロリドン(溶解度パラメータ:23.1MPa1/2
N,N−ジメチルアセトアミド(溶解度パラメータ:22.1MPa1/2
アセトフェノン(溶解度パラメータ:21.7MPa1/2
シクロペンタノン(溶解度パラメータ:21.3MPa1/2
これらの有機溶媒は1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
またこれらの有機溶媒は、目的物であるテトラカルボン酸二無水物と実質的に反応しないことが好ましい。テトラカルボン酸二無水物と反応する有機溶媒の例としては、アルコール類、アミン類等が挙げられる。
これらの有機溶媒の常圧での沸点は100℃以上であることが好ましく、さらに好ましくは120℃以上である。沸点が低すぎると、粗テトラカルボン酸二無水物を溶解させる際に常圧では温度をあまり上げることが出来ないことから、多量の溶媒が必要となる、もしくは加圧する必要性が生じるという問題が生じる。沸点の上限に関しては特に制限は無いが、高すぎると再結晶後の精テトラカルボン酸二無水物に付着した溶媒を乾燥により除去することが困難になるので、300℃が好ましく、さらに好ましくは250℃である。
このような有機溶媒の使用量は、粗テトラカルボン酸二無水物を十分に溶解させる量であれば良く、有機溶媒の溶解度パラメータによっても異なり特に制限はないが、通常、粗テトラカルボン酸二無水物1重量部に対して1〜30重量部、特に3〜15重量部である。この有機溶媒の使用量が少な過ぎると、テトラカルボン酸二無水物を溶解させるのに高温が必要となり、溶解中にテトラカルボン酸二無水物が副反応を起こし純度が低下する危険性が高くなる。多過ぎると、経済性に問題を生じる。
[再結晶時に添加する酸無水物]
本発明においては、再結晶時に酸無水物を加えて再結晶を行うことが、再結晶時の酸無水物環の開環を防ぐために好ましい。このような酸無水物としては、再結晶に用いる溶媒に溶解し、目的物であるテトラカルボン酸二無水物と実質的に反応しないものであれば良く、特に制限はないが、通常、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水マレイン酸等の炭素数4〜10の酸無水物が用いられる。
これらは、1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
これらの酸無水物の使用量は、通常目的物であるテトラカルボン酸二無水物1モルに対して0.1〜2モル当量である。酸無水物の使用量が少な過ぎると、再結晶時の開環反応を十分に防止し得ず、多過ぎると、テトラカルボン酸二無水物中に残存する量が増加し、重合反応を阻害する要因となる。
[再結晶操作]
再結晶の操作としては、具体的には、粗テトラカルボン酸二無水物に所定量の前述の有機溶媒と、好ましくは更に前述の酸無水物を加え、加熱して溶解させる。このときの加熱温度は高過ぎると溶解中にテトラカルボン酸二無水物が副反応を起こし純度が低下する危険性が高くなり、低過ぎると必要な溶媒量が多くなるので経済性に問題があることから、通常40〜200℃、特に60〜150℃である。
粗テトラカルボン酸二無水物を加熱溶解させた後は、テトラカルボン酸二無水物の貧溶媒を添加すると共に冷却し、目的物のテトラカルボン酸二無水物を析出させる。
ここで用いられるテトラカルボン酸二無水物の貧溶媒としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類等が挙げられる。これらは1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
貧溶媒の使用量は、通常再結晶溶媒に対して0.2〜5重量部である。この使用量が少な過ぎると目的物の析出効率が悪く、多過ぎると充分な純度が得られない。
なお、加熱溶解後の冷却は、放冷で良いが、必要に応じて冷媒等により加速冷却しても良い。
再結晶により析出した結晶は、常法に従って固液分離した後乾燥する。
固液分離された結晶の乾燥は、通常20〜200℃で行われ、この乾燥は、必要に応じて真空ないし減圧下で行われる。
<テトラカルボン酸二無水物の純度>
本発明の方法に従って得られる精製テトラカルボン酸二無水物は、通常、前記一般式(3)で表される一酸無水物の含有量が、一般式(1)で表される酸二無水物に対して1モル%以下、好ましくは0.5モル%以下であり、特に好ましくは、該一酸無水物を実質的に不検出のものである。なお、この一酸無水物の存在量は、H−NMRスペクトルのピークから検出することができる。
[重合物の製造]
上述のようにして製造された高純度のテトラカルボン酸二無水物は、脂環式ポリエステルイミド等の重合物の製造に好適に使用され、優れた重合反応性により、高特性の脂環式ポリエステルイミドを製造することができる。
脂環式ポリエステルイミドを製造するには、上述のようにして製造されたテトラカルボン酸二無水物を、重合溶媒中で実質的に等モルのジアミン類と反応させることで、脂環式ポリエステルイミド前駆体を製造する。ここで、テトラカルボン酸二無水物は、1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。また、本発明の高純度のテトラカルボン酸二無水物の他に、他の構造の酸二無水物を混合して用いることも制限なく可能である。その際、エステル基含有脂環式テトラカルボン酸二無水物の他に用いるこのできる酸二無水物としては、例えば、ピロメリット酸などの1つのベンゼン環を有する芳香族酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、2,3’,3,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(a-BPDA)、3,3’’,4,4’-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物(DSDA)、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−オキシジフタル酸無水物(ODPA)、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エ−テル二酸無水物(a−ODPA)、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エ−テル二酸無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二酸無水物、2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物(BDCP)、2,2’−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物(BDCF)、2,2’−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物等の2つのベンゼン環を有する芳香族酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物等のナフタレン骨格を有する芳香族酸二無水物、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−アントラセンテトラカルボン酸二無水物などのアントラセン骨格を有する芳香族酸二無水物が例として挙げられる。
一方、加えて使用できる脂環式の酸無水物の例としては、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物やエチレンテトラカルボン酸二無水物などの鎖状の脂肪族テトラカルボン酸二無水物や、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクタ−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ジシクロヘキシル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物(BPDA水添物)、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸二無水物、ビシクロ[3,3,0]オクタン−2,4,6,8−テトラカルボン酸二無水物などの脂環構造を有するテトラカルボン酸の二無水物などを挙げることができる。
これら酸二無水物と本発明の高純度のテトラカルボン酸無水物との使用割合は得ようとする樹脂の物性により任意に設定可能であるが、本発明の高純度のテトラカルボン酸無水物の使用量が5モル%以上が好ましく、さらに10モル%以上使用することがより好ましい。
本発明に係る脂環式ポリエステルイミド前駆体を製造するために使用されるジアミンとしては、前駆体製造の際の重合反応性、脂環式ポリエステルイミドの要求特性を著しく損なわない範囲で自由に選択可能である。具体的に使用可能なジアミン類としては例えば、芳香族ジアミンでは、3,5−ジアミノベンゾトリフルオリド、2,5−ジアミノベンゾトリフルオリド、3,3’−ビストリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ビストリフルオロメチル−5,5’−ジアミノビフェニル、ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノジフェニル、ビス(フッ素化アルキル)−4,4’−ジアミノジフェニル、ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニル、ジブロモ−4,4’−ジアミノジフェニル、ビス (フツ素化アルコキシ)−4,4’−ジアミノジフェニル、ジフェニル−,4’−ジアミノジフェニル、4,4’ビス(4−アミノテトラフルオロフェノキシ)テトラフルオロベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノテトラフルオロフェキシ)オクタフルオロビフェニル、4,4’−ビナフチルアミン、o−、m−、p−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、2,5−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノキシレン、2,4−ジアミノジュレン、ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニル、ジアルキル−4,4’−ジアミノジフェニル、ジメトキシ−4,4’−ジアミノジフェニル、ジエトキシ−4,4’−ジアミノジフェニル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフエニルスルフォン、3,3’−ジアミノジフエニルスルフォン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、1,3−ビス (3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス (4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス(4(3−アミノフェノキシ)フェニル)スルフォン、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)スルフォン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)へキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−(3−アミノフェノキジ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)へキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル)へキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−(3−アミノ−5−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル)へキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル〉ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)へキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2一ビス(3−アミノ−4−メチルフェニル)へキサフルオロプロパン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)オクタフルオロビフェニル、4,4’−ジアミノベンズアニリド等が例示でき、これらを2種以上併用することもできる。
脂肪族ジアミンとしては例えば、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、イソホロンジアミン、トランス−1,4−ジアミノシクロヘキサン、シス−1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,4−シクロヘキサンビス(メチルアミン)、2,5−ビス(アミノメチル)ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン、2,6−ビス(アミノメチル)ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン、3,8−ビス(アミノメチル)トリシクロ〔5.2.1.0〕デカン、1,3−ジアミノアダマンタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)ヘキサフルオロプロパン、1,3−プロパンジアミン、1,4−テトラメチレンジアミン、1,5−ペンタメチレンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,7−ヘプタメチレンジアミン、1,8−オクタメチレンジアミン、1,9−ノナメチレンジアミン等が挙げられる。またこれらを2種類以上併用することもできるし、先に挙げた芳香族ジアミンと併用することもできる。
さらには、1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンなどのシロキサン基含有のジアミンも使用することができる。
これらジアミンの中でも芳香族ジアミンとしては、o−、m−、p−フェニレンジアミンなどの単核のフェニレンジアミン化合物、4,4’−ジアミノジフェニル、4,4’−ジアミノジフエニルスルフォン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルなどのジアミノジフェニル化合物が好ましく、中でも入手の容易性や得られる樹脂の物性が良好なことから、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルがより好ましい。脂肪族ジアミンとしては、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、トランス−1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミンなどの脂環式ジアミンが環構造を有し入手も容易なのでより好ましく、さらには、トランス−1,4−ジアミノシクロヘキサンが得られる樹脂の物性が良好なことからより好ましい。
これらは、1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
テトラカルボン酸二無水物とジアミンの比率は、モル比で1:0.8〜1.2であることが好ましい。通常の重縮合反応と同様にこのモル比が1:1に近いほど得られるポリアミド酸の分子量は大きくなる。
反応温度は、あまり低すぎると試剤の溶解性が低下することと十分な反応速度が得られないこと、高すぎると反応の進行をコントロールしにくくなることから好ましくない。下限が−20℃、好ましくは−10℃、さらに好ましくは0℃、上限が150℃、好ましくは100℃、さらに好ましくは60℃が採用される。
反応時間は特に制限なく採用できるが十分な試剤の変換率を達成するためには、下限が10分、好ましくは30分、さらに好ましくは1時間、上限は特に制限はないが反応が終了すれば必要以上に反応時間を延ばす必要はない。例えば、100時間、好ましくは50時間、さらに好ましくは30時間が採用される。
重合反応は、溶媒を用いて行う。この際使用される溶媒としては、原料モノマーであるジアミンと本発明の脂環式テトラカルボン酸が溶媒と反応せず、且つこれら原料が溶解する溶媒であれば問題はなく、特にその構造は限定されない。具体的に例示するならば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド溶媒、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン、α−メチル−γ−ブチロラクトン等の環状エステル溶媒、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート溶媒、カプロラクタム等のラクタム溶媒、ジオキサンなどのエーテル系溶媒、トリエチレングリコール等のグリコール系溶媒、m−クレゾール、p−クレゾール、3−クロロフェノ−ル、4−クロロフェノ−ル、4−メトキシフェノール、2,6−ジメチルフェノール等のフェノール系溶媒、アセトフェノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、スルホラン、ジメチルスルホキシド、テトラメチルウレアなどが好ましく採用される.さらに、その他の一般的な有機溶剤、即ちフエノ−ル、o−クレゾール、酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸イソブチル、プロピレングリコールメチルアセテート、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、2−メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、ジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロへキサノン、メチルエチルケトン、アセトン、ブタノール、エタノール、キシレン、トルエン、クロルベンゼン、ターペン、ミネラルスピリット、石油ナフサ系溶媒なども添加して使用できる。中でも原料の溶解性が高いことからN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン等の非プロトン性溶媒が好ましい。
溶媒の使用量は、原料であるテトラカルボン酸二無水物とジアミンの総量の重量濃度が以下の範囲に入るような量の溶媒が使用されるのが好ましい。すなわち濃度は、0.1重量%以上、好ましくは1重量%以上、さらに好ましくは5重量%以上、上限は特に制限はないものの、テトラカルボン酸二無水物の溶解性の観点から、80重量%以下、好ましくは50重量%以下、さらに好ましくは30重量%以下が採用される。このテトラカルボン酸二無水物の濃度範囲で重合を行うことにより均一で高重合度のポリイミド前駆体溶液を得ることができる。目的とするポリエステルイミドに膜靭性を付与するためには、ポリエステルイミド前駆体の重合度はできるだけ高いことが好ましく、上記濃度範囲よりも低濃度で重合を行うと、ポリイミド前駆体の十分な重合度が得られず、最終的に得られるポリイミド膜が脆弱になる恐れがあり好ましくない。ジアミンとして脂環式ジアミンを用いた場合、より高濃度では形成された塩が溶解、消失するまでに長い重合時間を必要とし、生産性の低下を招く恐れがある。
必要に応じて前駆体の製造の際に無機塩類を触媒として用いても良い。この際に用いられる無機塩類としては、たとえばLiCl、NaCl、LiBrなどのハロゲン化アルカリ金属塩、CaClなどのハロゲン化アルカリ土類金属、ZnClなどのハロゲン化金属類が挙げられる。これらのうち、LiCl、CaCl、ZnClなどの金属の塩化物が特に好ましい。
反応は、進行中攪拌しながら行うのが好ましい。
こうして得られる本発明の脂環式ポリエステルイミド前駆体の固有粘度は、特に限定されるものではないが、好ましい固有粘度としては、下限が0.3dL/g、好ましくは0.5dL/g、さらに好ましくは、0.7dL/gである。一方、上限は、5.0dL/gであり、好ましく3.0dL/gであり、より好ましくは2.0dL/gである。固有粘度は後述の実施例の項に記載される方法で測定される。
脂環式ポリエステルイミドを合成する方法は、(i)脂環式ポリエステルイミド前駆体から得る方法、および(ii)脂環式ポリエステルイミド前駆体を介さずに得る方法が挙げられる。そして、(i)脂環式ポリエステルイミド前駆体から得る方法としては、加熱イミド化法および化学イミド化法がある。ただし、本発明の脂環式ポリエステルイミドの製造方法は、以下に記載される製法に特に制限されることはない。
(i)脂環式ポリエステルイミド前駆体から得る方法
本発明の脂環式ポリエステルイミドは、上記の方法で得られた脂環式ポリエステルイミド前駆体を環化イミド化反応させることで製造することができる。
この際脂環式ポリエステルイミドの製造可能な形態は、フィルム、粉末、成型体および溶液である。
脂環式ポリエステルイミドのフィルムは、例えば以下の様にして製造を行うことができる。まず、該脂環式ポリエステルイミド前駆体の重合溶液(ワニス)をガラス、銅、アルミニウム、シリコン、石英板、ステンレス板、カプトンフィルム等の基板上に流延して塗布する。塗布の方法としては、前述のようにして得られた脂環式ポリエステルイミド溶液を、上記した基板上に滴下し高さを固定した支持体などの上をなぞり溶液を伸ばすことにより均一な高さに塗布することができる。この際、ドクターブレードなどの機器を使用して行ってもかまわない。またこの他の塗布方法としては、スピンコート法、印刷法、インクジェット法など、溶液を所定の厚みで塗布できる手法であれば制限なく採用できる。
こうして塗布された塗膜には、溶媒が含まれているので、次に乾燥する。その際に採用される乾燥の温度は、通常下限が20℃、好ましくは40℃、さらに好ましくは、60℃である。一方、上限は、200℃、好ましくは150℃、さらに好ましくは100℃である。
乾燥の時間は、溶媒がある程度除去されるならば特に制限なく採用できるが、下限が10分、好ましくは30分、さらに好ましくは1時間、上限は特に制限はないが、50時間、好ましくは30時間、さらに好ましくは10時間が採用される。
乾燥は減圧下に行っても良い。その際に採用される減圧度は、通常0.05MPa以下、好ましくは0.01MPa以下、さらに好ましくは0.001MPa以下である。
こうして得られた乾燥された脂環式ポリエステルイミド前駆体フィルムを基板上で真空中、窒素等の不活性ガス中、あるいは空気中高温度加熱してイミド化する。この方法を加熱イミド化と言う。
この時採用される温度は、下限が180℃、好ましくは200℃、さらに好ましくは250℃である。一方、上限は500℃、好ましくは400℃、さらに好ましくは350℃で加熱する。加熱温度は180℃以下であると環化イミド化反応の環化反応が不完全であったりするため好ましくなく、また高すぎると生成した脂環式ポリイミドエステルフィルムが着色したりする可能性があるため好ましくない。またイミド化は真空中あるいは不活性ガス中で行うことが望ましいが、イミド化反応の温度が高すぎなければ空気中で行っても差し支えはない。加熱イミド化を減圧下に行う場合に採用される減圧度は、通常0.05MPa以下、好ましくは0.01MPa以下、さらに好ましくは0.001MPa以下である。
加熱時間は環化イミド化が十分に進行する時間が採用されるが、通常、下限が5分、好ましくは10分、さらに好ましくは20分、上限は特に制限はないが、20時間、好ましくは10時間、さらに好ましくは5時間が採用される。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限りこれら実施例に限定されるものではない。
なお、以下において、テトラカルボン酸二無水物のNMRスペクトルおよびポリイミド前駆体の固有粘度の測定方法は次の通りである。
H−NMRスペクトル>
生成物を重水素化ジメチルスルホキシドに溶解し、プロトンの共鳴周波数400MHzNMR分光計を用いてH−NMRスペクトルを測定した。
<固有粘度>
0.5重量%のポリイミド前駆体溶液について、オストワルド粘度計を用いて30℃で測定した。
[合成例1]
本発明のテトラカルボン酸二無水物の製造例として、下記構造式で表される1,4−ビス(4’−オキサ−3’、5’−ジオキソトリシクロ[5.2.1.02,6]−デカン−8’−イルカルボキシ)ベンゼンの合成を説明する。
Figure 2008163090
このものを合成する際の原料となるノルボルナン−2−exo,3−exo,5−exo−トリカルボン酸トリメチルエステルは、特許3342938号公報に記載の方法などで合成することができる。
(ノルボルナン−2−exo,3−exo,5−exo−トリカルボン酸の合成)
窒素導入菅およびコンデンサー付反応容器中に、ノルボルナン−2−exo,3−exo,5−exo−トリカルボン酸トリメチルエステル45.1g(167mmol)、スルフォラン45.0g、98%硫酸16.7gを水74.7gに溶解させた水溶液を仕込み、窒素雰囲気下、104℃で5時間加熱した。この間、1時間あたり25gの水を加えるとともに留出するメタノールと水を系外へ除去した。反応後冷却し、水225gを添加してトルエン(300mL×4回)で抽出した。水層に塩化ナトリウム95gを添加した後、テトラヒドロフラン/酢酸エチル(1/1)(体積比)の混合溶媒(300mL×2回、150mL×1回)で抽出を行った。得られたテトラヒドロフラン/酢酸エチル層を飽和食塩水(150mL×1回)で洗浄した後、溶媒を濃縮し、トルエン60mlで懸洗することで白色固体である粗ノルボルナン−2−exo,3−exo,5−exo−トリカルボン酸42.9gを得た。この粗生成物にテトラヒドロフラン40mlを加え、75℃に加熱し溶解させた後、トルエン100mlを加え20℃まで放冷した。析出した結晶を濾過し、真空下で80℃、5時間乾燥させ、精製されたノルボルナン−2−exo,3−exo,5−exo−トリカルボン酸21.7gを得た(収率57%)。
(5−exo−クロロホルミル−ノルボルナン−2−exo,3−exo−ジカルボン酸無水物の合成)
窒素導入菅およびコンデンサー付反応容器中に、ノルボルナン−2−exo,3−exo,5−exo−トリカルボン酸21.5g(94.2mmol) 、ジメチルホルムアミド38mg(0.52mmol;トリカルボン酸に対して0.005モル等量)、溶媒としてトルエン130mLを入れ、内温が70℃になるよう加熱した。これに塩化チオニル50.5g(424mmol;トリカルボン酸に対して4.5モル等量)を加え、窒素雰囲気中、3時間還流した。その後、減圧下で過剰分の塩化チオニルとトルエンを留去し、薄茶色の粗生成物を得た。これにヘプタン220mLを加え懸洗することで、白色固体である5−exo−クロロホルミル−ノルボルナン−2−exo,3−exo−ジカルボン酸無水物を20.5g(収率95%)得た。
(粗1,4−ビス(4’−オキサ−3’、5’−ジオキソトリシクロ[5.2.1.02,6]−デカン−8’−イルカルボキシ)ベンゼンの合成)
窒素雰囲気下とした反応容器にハイドロキノン4.88g(44.3mmol)、ピリジン28.1g、およびテトラヒドロフラン100mLを入れて溶解させた。このものを氷浴中で4℃に冷却した後に、5−exo−クロロホルミル−ノルボルナン−2exo,3exo−ジカルボン酸無水物20.3g(88.8mmol;ハイドロキノンに対して2.0モル等量)にテトラヒドロフラン100mLを加えて溶解した溶液を、滴下ロートにて1時間かけて滴下し、更に5時間撹拌して白色沈殿を得た。生成した白色沈殿を濾別後、水250mLに懸濁して濾過し、さらに十分に水で洗浄して塩酸塩を完全に除去した。得られた生成物を100℃で6時間真空乾燥して、17.7g(収率80%)の白色粉末である粗1,4−ビス(4’−オキサ−3’、5’−ジオキソトリシクロ[5.2.1.02,6]−デカン−8’−イルカルボキシ)ベンゼン得た。このもののH−NMRチャートから、この粗生成物にはピリジンが目的物に対して5.4モル%含まれていることが分かった。さらに6〜7ppmの範囲に、目的物の水素原子1モルに対し、5.1モル%分のピークが観測された。
[実施例1]
合成例1で得られた粗1,4−ビス(4’−オキサ−3’、5’−ジオキソトリシクロ[5.2.1.02,6]−デカン−8’−イルカルボキシ)ベンゼン2.00gにγ−ブチロラクトン(溶解度パラメータ:25.8MPa1/2)12.0gを加え、135℃まで加熱し溶解させた。これにトルエン12.0gを加え、20℃まで放冷した。析出した結晶を濾過し、真空下で150℃、6時間乾燥させ、精製された目的物を1.32g得た。このもののH−NMRチャートでは、ピリジン由来のピークおよび6〜7ppmの範囲にピークは観測されなかった。
得られた精酸二無水物を用いてポリイミドを合成した。
窒素雰囲気下にした50mL三つ口フラスコ中にp−フェニレンジアミン0.109g(1.01mmol)をN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)2.01gに溶解し、この溶液に得られた酸二無水物0.500g(1.01mmol)を加え、室温で攪拌した。途中、反応液の粘度が上がってきたところで都度DMAcを追加し、粘度を調整した。合計6時間攪拌を継続して、透明で粘調な脂環式ポリエステルイミド前駆体溶液を得た。このものの最終的な濃度は、11.0重量%であり、また固有粘度は1.55dL/gであった。
この反応液をガラス基板に塗布し、60℃で0.5時間、窒素雰囲気下において乾燥した後、0.001MPaの減圧下、2.5℃/分の速度で150℃まで昇温して1時間保持、次いで2.5℃/分の速度で300℃まで昇温して1時間保持して、冷却後ガラス基板から剥がして無色透明なポリイミドフィルムを得た。
[実施例2]
合成例1で得られた粗1,4−ビス(4’−オキサ−3’、5’−ジオキソトリシクロ[5.2.1.02,6]−デカン−8’−イルカルボキシ)ベンゼン2.00gにγ−ブチロラクトン(溶解度パラメータ:25.8MPa1/2)12.0g、無水酢酸0.42gを加え、135℃まで加熱し溶解させた。これにトルエン12.0gを加え、20℃まで放冷した。析出した結晶を濾過し、真空下で150℃、15時間乾燥させ、精製された目的物を1.48g得た。このもののH−NMRチャートでは、ピリジン由来のピークおよび6〜7ppmの範囲にピークは観測されなかった。
実施例1と同様に、得られた精酸二無水物を用いてポリイミドを合成したところ、ポリイミド前駆体の固有粘度は1.46dL/gであり、重合反応液を同様に熱処理したところ、無色透明なポリイミドフィルムを得た。
[実施例3]
合成例1で得られた粗1,4−ビス(4’−オキサ−3’、5’−ジオキソトリシクロ[5.2.1.02,6]−デカン−8’−イルカルボキシ)ベンゼン0.800gにシクロペンタノン(溶解度パラメータ:21.3MPa1/2)12.0gを加え、129℃まで加熱し溶解させた。これにトルエン12.0gを加え、25℃まで放冷した。析出した結晶を濾過し、真空下で150℃、6時間乾燥させ、精製された目的物を0.60g得た。このもののH−NMRチャートでは、ピリジン由来のピークおよび6〜7ppmの範囲にピークは観測されなかった。
実施例1と同様に、得られた精酸二無水物を用いてポリイミドを合成したところ、ポリイミド前駆体の固有粘度は1.28dL/gであり、重合反応液を同様に熱処理したところ、無色透明なポリイミドフィルムを得た。
[比較例1]
合成例1で得られた粗1,4−ビス(4’−オキサ−3’、5’−ジオキソトリシクロ[5.2.1.02,6]−デカン−8’−イルカルボキシ)ベンゼンを精製せずに用いて、実施例1と同様にポリイミドを合成したところ、ポリイミド前駆体の固有粘度は0.72dL/gと低い重合度にとどまった。
[比較例2]
合成例1で得られた粗1,4−ビス(4’−オキサ−3’、5’−ジオキソトリシクロ[5.2.1.02,6]−デカン−8’−イルカルボキシ)ベンゼン0.502gに無水酢酸(溶解度パラメータ:21.1MPa1/2)15.1gを加え140℃まで加熱したが、完全には溶解せず、再結晶精製を行うことができなかった。

Claims (7)

  1. 下記一般式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物を製造する方法であって、1気圧、25℃の測定条件における、下記式(2)で表される溶解度パラメータδ(単位:MPa1/2)が21.3以上の有機溶媒の存在下で再結晶を行うことを特徴とする高純度の酸二無水物の製造方法。
    Figure 2008163090
    (式(1)中、Aは2価の基を示す。
    、X、X、X、X、およびXは各々独立に水素原子、ハロゲン原子、ニトリル基、ニトロ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アミノ基、またはアミド基を表す。ただし、これらの基は更に置換基を有していても良く、炭素含有基にあっては、その炭素数は10以下である。
    nは0、1または2の整数を表す。)
    δ=(ΔH/V)1/2 (2)
    (式(2)において、ΔHおよびVは、それぞれ前記有機溶媒のモル蒸発熱(単位:J/mol)およびモル体積(単位:cm/mol)である。)
  2. 請求項1において、前記有機溶媒に酸無水物を添加して再結晶を行うことを特徴とする高純度の酸二無水物の製造方法。
  3. 請求項2において、酸無水物が炭素数10以下のカルボン酸無水物であることを特徴とする高純度の酸二無水物の製造方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、再結晶に用いる溶媒が一般式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物と実質的に反応しないことを特徴とする高純度の酸二無水物の製造方法。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項において、再結晶に用いる溶媒の常圧における沸点が100℃以上であることを特徴とする高純度の酸二無水物の製造方法。
  6. 下記一般式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物であって、下記一般式(3)で表される一酸無水物の含有量が該テトラカルボン酸二無水物に対して1モル%以下であることを特徴とするテトラカルボン酸二無水物。
    Figure 2008163090
    (式(1)中、Aは2価の基を示す。
    、X、X、X、X、およびXは各々独立に水素原子、ハロゲン原子、ニトリル基、ニトロ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アミノ基、またはアミド基を表す。ただし、これらの基は更に置換基を有していても良く、炭素含有基にあっては、その炭素数は10以下である。
    nは0、1または2の整数を表す。)
    Figure 2008163090
    (式(3)中、A、X、X、X、X、X、X、nは一般式(1)におけると同義である。)
  7. 請求項6に記載のテトラカルボン酸二無水物を用いて製造された重合物。
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