以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
実施の形態1.
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図、図2はパチンコ遊技機1の内部構造を示す全体背面図、図3はパチンコ遊技機1の筐体内部を背面からみた背面図、図4はパチンコ遊技機1の賞球払出機構の構造を示す背面図である。なお、ここでは、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、例えばコイン遊技機等であってもよく、複数種類の図柄等の識別情報を可変表示するためのCRTやLCDまたはリール式による可変表示装置を有し可変表示装置の表示結果があらかじめ定められた特定の表示態様となった場合に所定の遊技価値が付与可能になる全ての遊技機に適用可能である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3からあふれた景品玉を貯留する余剰玉受皿4と打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の後方には、遊技盤が着脱可能に取り付けられている。また、遊技盤の前面には遊技領域10が設けられている。
遊技領域10の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ6が設けられている。また、遊技盤の上部には、遊技中に点滅表示される遊技効果LED7が設けられている。遊技領域10の外周には、遊技効果ランプ8,9が設けられている。そして、この例では、一方のスピーカ6の近傍に、景品玉払出時に点灯する賞球LED21と、補給玉が切れたときに点灯する玉切れLED22が設けられている。さらに、図1には、パチンコ遊技機1に隣接して設置され、プリペイドカードが挿入されることによって玉貸しを可能にするカードユニット30も示されている。
次に、パチンコ遊技機1の裏面の構造について図2を参照して説明する。
パチンコ遊技機1の裏面では、図2に示すように、機構板40の上部に遊技球貯留タンク41が設けられ、パチンコ遊技機1が遊技機設置島に設置された状態でその上方から遊技球が遊技球貯留タンク41に供給される。遊技球貯留タンク41内の遊技球は、誘導樋を通って玉払出装置42に至る。
機構板40には、飾り図柄表示装置を制御する表示制御基板51、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)52、景品玉の払出制御を行う払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された賞球基板53、およびスピーカ6、遊技効果LED7、遊技効果ランプ8,9に信号を送るための電飾基板54、操作ノブ5から操作量を入力するとともに発射装置モータ49を駆動する発射制御基板(タッチ基板)56等が設置されている。
また、各入賞口および入賞球装置に入賞した入賞球は、入賞遊技球経路に沿って、図2および図3に示す入賞球検出スイッチ45に導かれる。入賞球検出スイッチ45に導かれた入賞玉のうち、大入賞口または始動入賞口以外の入賞口24および入賞球装置を経て入賞したものに対して、玉払出装置42が相対的に多い景品玉数(例えば15個)を払い出すように制御される。始動入賞口を経て入賞したものについては、玉払出装置42が相対的に少ない景品玉数(例えば6個)を払い出すように制御される。
このような制御を行うために、図4に示す始動口スイッチ62およびカウントスイッチ63からの信号が主基板52に送られる。主基板52に各スイッチからの信号が送られると、主基板52から賞球基板53に後述する賞球個数信号が送られる。
そして、遊技盤の中央付近には、飾り図柄およびキャラクタを表示するためのカラーLCDモジュール120が取り付けられている。
図5に示すように、遊技盤60の遊技領域10の中央付近には、複数種類の飾り図柄を可変表示するための画像表示部82(カラーLCDモジュール120の表示部)が設けられている。また、画像表示部82の左右外側には、打球を導く通過口70が設けられている。通過口70を通過した打球は、通過口出口87を経て遊技領域10に戻る。通過口70と通過口出口87との間の通路には、通過口70を通過した打球を検出するゲートスイッチ61(図4参照)がある。
画像表示部82はカラーLCDモジュール120で実現される。画像表示部82の上部には、普通図柄用記憶表示LED(普通図柄通過記憶表示器)83と普通図柄表示装置84が設けられ、普通図柄表示装置84の上部には、入賞口96が設けられている。この例では、4個を上限として、遊技球が通過口70を通過すると、普通図柄通過記憶表示器83は点灯している表示部を1つずつ増やす。そして、普通図柄表示装置84の普通図柄の可変表示が開始される毎に、点灯している表示部を1つ減らす。
また、遊技領域10の右下方には、7セグメントLEDによる特別図柄表示装置85が設けられている。特別図柄表示装置85には、「左」、「中」、「右」の3つの図柄表示エリアがあり、これらの図柄表示エリアは可変表示部を構成する。特別図柄表示装置85の上部には、入賞口67が設けられている。
画像表示部82の下部には、入賞によって特別図柄の可変表示を開始させる始動入賞口81が設けられている。始動入賞口81に入った入賞球は、遊技盤60の背面に導かれ、始動口スイッチ62(図4参照)によって検出される。また、始動入賞口81は、ソレノイド65(図4参照)によって開状態とされる。また、画像表示部82の下部には、特別図柄用記憶表示LED(始動入賞記憶表示器)86が設けられている。この例では、4個を上限として、始動入賞口81への入賞(始動入賞)がある毎に、始動入賞記憶表示器86は点灯している表示部を1つずつ増やす。そして、画像表示部82の可変表示が開始される毎に、点灯している表示部を1つ減らす。
遊技領域10における始動入賞口81の下部には大入賞口扉72によって開閉動作を行う大入賞口71が設けられている。大入賞口71は、特定遊技状態(大当り状態)においてソレノイド66(図4参照)によって開状態とされる。大入賞口71に入賞した遊技球はカウントスイッチ63(図4参照)によって検出される。また、大入賞口71内の特定領域(Vゾーン)73に入賞した遊技球は、特定領域スイッチ64(図4参照)によって検出される。
大入賞口71の左右側方には入賞口68,69が設けられている。また、入賞口68の上方にも、入賞口97が設けられている。遊技領域10の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ91,92が設けられ、下部には、入賞しなかった打球を吸収するアウト口75がある。
図6は、特別図柄表示装置85を拡大して示す正面図である。図6に示すように、特別図柄表示装置85には、「左」、「中」、「右」の3つの図柄表示エリアとなる表示器85a,85b,85cがある。そして、図7に示すように、この例では、表示器85a,85b,85cは、7セグメントのLEDで構成されている。
表示器85a,85bには、図8に示す8種類の図柄が順次表示される。また、表示器85cには、図9に示す8種類の図柄が順次表示される。そして、停止図柄の組み合わせが、図10に示す「3」,「3」,「3」または「F」,「F」,「F」であると大当りとなり大入賞口71が開閉する状態になる。また、停止図柄の組み合わせが、「F」,「F」,「F」である場合には、遊技機は、その大当り終了後高確率状態になる。
図11は、普通図柄表示装置84と飾り図柄表示装置を実現する画像表示部82とを拡大して示す正面図である。この実施の形態では、普通図柄は2種類あって、それぞれLED84a,84bが点灯することによって表示状態になり、LED84a,84bが消灯することによって非表示状態になる。図12は、普通図柄表示装置84に表示される普通図柄を示す説明図である。図12に示すように、普通図柄表示装置84の左側にはフラッシュ図柄が配置され、右側にはサークル図柄が配置されている。それぞれの裏面にはLED84a,84bが設置され、いずれかのLEDが点灯することによっていずれかの図柄が表示され、LEDが消灯することによって図柄が表示されない状態になる。そして、図13に示すように、変動状態では、いずれか一方が点灯する状態が繰り返される。変動終了時にフラッシュ図柄の方が点灯していると、当りとなって始動入賞口81が所定期間開放する。
図14は、画像表示部82に表示される飾り図柄を示す説明図である。図14に示すように、第1飾り図柄〜第9飾り図柄までの9つの飾り図柄が表示される。飾り図柄は、遊技の演出効果を高めるために表示されるものであって、特別図柄表示装置85における特別図柄の変動開始とともに変動を開始し、特別図柄の停止(確定)後、所定時間が過ぎると停止する。図15は第1飾り図柄〜第3飾り図柄の変動順を示し、図16は第4飾り図柄〜第6飾り図柄の変動順を示し、図17は第7飾り図柄〜第9飾り図柄の変動順を示す。第1飾り図柄〜第9飾り図柄は、図15〜図17に付された番号順に可変表示される。
図18および図19は、特別図柄表示装置85に表示される停止図柄の組み合わせが「F」,「F」,「F」であるときの画像表示部82に表示される飾り図柄の組み合わせ(7の2ライン以上またはオールフルーツ)を示す説明図である。また、図20および図21は、特別図柄表示装置85に表示される停止図柄の組み合わせが「3」,「3」,「3」であるときの画像表示部82に表示される飾り図柄の組み合わせ(7の1ライン)を示す説明図である。すなわち、特別図柄表示装置85に表示される停止図柄の組み合わせが大当り図柄である場合には、飾り図柄の停止図柄の組み合わせは、図18〜図21に示された図柄のうちのいずれかになる。また、特別図柄表示装置85に表示される停止図柄の組み合わせが確率変動を引き起こす大当り図柄(確変図柄)である場合には、飾り図柄の停止図柄の組み合わせは、図18および図19に示された図柄のうちのいずれかになる。
図22は、大入賞口71が開放することによって入賞が可能になる可変入賞球装置の構成を示す部分断面図(A)、D−D断面図(B)および斜視図(C)である。図に示すように、大入賞口71の開放状態では、遊技球が可変入賞球装置の内部に入賞可能な状態になる。また、大入賞口71が開放すると、ソレノイド66のアームによって特定領域73が閉鎖状態になり、裏箱内に1個の遊技球が貯留可能になる。大入賞口71は、カウントスイッチ63が9個の遊技球検出すると閉鎖される。遊技球が裏箱内に貯留された場合、大入賞口71の閉鎖時に貯留が解除され特定領域73に導かれる。特定領域73に導かれた遊技球は、特定領域スイッチ64を通過した後カウントスイッチ63を通過する。
打球発射装置から発射された打球は、図5に示される外レール93と内レール94との間を通ってファール玉止め95を越えて遊技領域10に入り、その後、遊技領域10を下りてくる。打球が通過口70を通ってゲートスイッチ61で検出されると、普通図柄の変動を開始できる状態であれば、普通図柄表示装置84の表示が連続的に変化する状態になる。普通図柄の変動を開始できる状態でなければ、通過記憶を1増やす。また、打球が始動入賞口81に入り始動口スイッチ62で検出されると、特別図柄の変動を開始できる状態であれば、特別図柄表示装置85において特別図柄が変動を始める。同時に、画像表示部82において、飾り図柄の変動が開始される。特別図柄の変動を開始できる状態でなければ、始動入賞記憶を1増やす。
特別図柄表示装置85における特別図柄の変動は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の図柄の組み合わせが大当り図柄であると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、大入賞口71が、一定時間(例えば、29.5秒)の経過と、所定個数(例えば10個)の打球の入賞とのうちのいずれかの条件が成立するまで開放する。そして、大入賞口71の開放中に入賞した打球がそのラウンドにおける特定領域の有効期間中に特定領域に入賞し特定領域スイッチ64で検出されると、継続権が発生し大入賞口71の開放が再度行われる。この継続権の発生は、所定回数(例えば15ラウンド)許容される。
停止時の特別図柄表示装置85における特別図柄の組み合わせが確率変動を伴う大当り図柄の組み合わせである場合には、次に大当りとなる確率が高くなる。すなわち、高確率状態という遊技者にとってさらに有利な状態となる。
また、普通図柄表示装置84における停止図柄がフラッシュ図柄(当り図柄)である場合に、始動入賞口81が所定時間だけ開状態になる。さらに、高確率状態では、普通図柄表示装置84における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、始動入賞口81の開放時間と開放回数が高められる。
図23は、主基板52における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図23には、表示制御基板51、賞球基板53および電飾基板54も示されている。主基板52には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する基本回路101と、ゲートスイッチ61、始動口スイッチ62、カウントスイッチ63および特定領域スイッチ64からの信号を基本回路101に与えるスイッチ回路102と、始動入賞口81を開閉するソレノイド65および大入賞口71を開閉するソレノイド66を基本回路101からの指令に従って駆動するソレノイド回路103とが設けられている。
また、始動入賞記憶表示器86および普通図柄通過記憶表示器83の点灯および滅灯を行うとともに7セグメントLEDによる特別図柄表示装置85とLEDによる普通図柄表示装置84を駆動し、また、装飾ランプ91,92を点滅させるランプ・LED回路104と、賞球基板53に基本回路101からの賞球個数信号を送信するとともに賞球基板53からの入賞球信号を基本回路101に入力する賞球信号入出力回路105と、電飾基板54に基本回路101からのコマンドを送信する電飾信号回路106と、飾り図柄を可変表示するための画像表示部82を制御する表示制御基板51に基本回路101からの表示制御コマンドデータやストローブ信号を与える飾り図柄表示装置回路107が設けられている。
さらに、スピーカ6から発せられる音声を出力する音声合成回路118と音声合成回路118の出力を増幅してスピーカ6に出力する音量増幅回路119とが設けられている。また、基本回路101から与えられるデータに従って、大当りの発生を示す大当り情報、特別図柄表示装置85の図柄表示開始に利用された始動入賞球の個数を示す有効始動情報、確率変動が生じたことを示す確変情報等をホール管理コンピュータ等のホストコンピュータに対して出力する情報出力回路108が設けられている。
遊技球を打撃して発射する打球発射装置は発射制御基板56上の回路によって制御される発射装置モータ49で駆動される。そして、発射装置モータ49の駆動力は、操作ノブ5の操作量に従って調整される。操作ノブ5にはタッチスイッチが設けられ、遊技者が操作ノブ5に触れると、電流が流れて操作者の接触が検出される。その状態で、発射制御基板56上の回路によって、操作ノブ5の操作量に応じた速度で打球が発射されるように制御される。
基本回路101は、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM110、ワークメモリとして使用されるRAM111、制御用のプログラムに従って制御動作を行うCPU112およびI/Oポート部113を含む。なお、ROM110,RAM111はCPU112に内蔵されている場合もある。
さらに、主基板52には、電源投入時に基本回路101をリセットするための初期リセット回路116と、定期的(例えば、2ms毎)に基本回路101にリセットパルスを与えてゲーム制御用のプログラムを先頭から再度実行させるための定期リセット回路115と、基本回路110から与えられるアドレス信号をデコードしてI/Oポート部113のうちのいずれかのI/Oポートを選択するための信号を出力するアドレスデコード回路117とが設けられている。
次に動作について説明する。
図24は、主基板52における基本回路101のメイン動作を示すフローチャートである。上述したように、この処理は、定期リセット回路115が発するリセットパルスによって、例えば2ms毎に起動される。基本回路101が起動されると、基本回路101は、まず、スタックポインタの指定アドレスをセットするためのスタックセット処理を行う(ステップS1)。次いで、初期化処理を行う(ステップS2)。初期化処理では、基本回路101は、電源投入時か否か判定し、電源投入時にはRAM111を初期化する処理を行う。また、パチンコ遊技機1の内部に備えられている自己診断機能によって種々の異常診断処理が行われ、その結果に応じて必要ならば警報が発せられる(エラー処理:ステップS3)。
次いで、各判定用乱数を作成するための処理を行う。具体的には、各乱数を作成するためのカウンタを更新する処理を行う(ステップS4)。
この実施の形態では、図25に示すように乱数として例えば以下のようなものがある。
(1)特別図柄判定用乱数:大当りを発生させるか否か決定するために使用される
(2)大当り図柄用乱数:大当り時の図柄の組合せを決定するために使用される
(3)普通図柄判定用乱数:普通図柄で当りとするか否か決定するために使用される
(4)特別図柄左用乱数:はずれ時の左特別図柄を決定するために使用される
(5)特別図柄中用乱数:はずれ時の中特別図柄を決定するために使用される
(6)特別図柄右用乱数:はずれ時の右特別図柄を決定するために使用される
(7)特殊変動用乱数:飾り図柄の特殊変動の態様を決定するため、および、大当り予告を行うか否か決定するために使用される
(8)大当り予告判定用乱数:大当り予告を行うか否か決定するために使用される
(9)第1図柄用乱数:特別図柄によるはずれ時に「第1飾り図柄」,「第2飾り図柄」,「第3飾り図柄」を決定するために使用される
(10)第2図柄用乱数:特別図柄によるはずれ時に「第4飾り図柄」,「第5飾り図柄」,「第6飾り図柄」を決定するために使用される
(11)第3図柄用乱数:特別図柄によるはずれ時に「第7飾り図柄」,「第8飾り図柄」,「第9飾り図柄」を決定するために使用される
(12)飾り図柄用乱数1:通常の大当り時の各飾り図柄を決定するために使用される
(13)飾り図柄用乱数2:確変大当り時の各飾り図柄を決定するために使用される
ステップS4では、基本回路101は、(1)の特別図柄判定用乱数、(2)の大当り図柄用乱数および(3)の普通図柄判定用乱数の更新(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数である。なお、乱数の値が最大値を越えたら最初値に戻す。
基本回路101は、さらに、図柄用乱数を作成する処理を行う(ステップS5)。すなわち、(4)の特別図柄左用乱数を0〜7の範囲内で更新(1加算)する処理を行い、特別図柄左用乱数が桁上がりしたら(最大値を越えたら)(5)の特別図柄中用乱数を0〜7の範囲内で更新する処理を行い、特別図柄中用乱数が桁上がりしたら(6)の特別図柄右用乱数を0〜7の範囲内で更新する処理を行う。また、(7)特殊変動用乱数を0〜252の範囲内で更新する処理を行い、特殊変動用乱数が桁上がりしたら(8)の大当り予告判定用乱数を0〜2の範囲内で更新する処理を行う。さらに、(9)の第1図柄用乱数を0〜8の範囲内で更新する処理を行い、第1図柄用乱数が桁上がりしたら(10)の第2図柄用乱数を0〜12の範囲内で更新する処理を行い、第2図柄用乱数が桁上がりしたら(11)の第3図柄用乱数を0〜21の範囲内で更新する処理を行う。また、(12)の飾り図柄用乱数1を0〜14の範囲内で更新する処理を行い、飾り図柄用乱数1が桁上がりしたら(13)の飾り図柄用乱数2を0〜13の範囲内で更新する処理を行う。
次に、基本回路101は、普通図柄処理を行う(ステップS6)。普通図柄処理では、LED84a,84bによる普通図柄表示装置84を所定の順序で点滅制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。また、特別図柄処理を行う(ステップS7)。特別図柄処理では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
さらに、基本回路101は、遊技効果処理を行う(ステップS8)。遊技効果処理では、遊技効果LED7、遊技効果ランプ8,9および装飾ランプ91,92を点灯/滅灯制御するランプ処理、遊技進行に応じてスピーカ6から所定音を発声させる音声処理、ならびに飾り図柄の変動制御を行う飾り図柄処理が実行される。
次に、基本回路101は、外部接続端子処理を行う(ステップS9)。外部接続端子処理では、情報出力回路108を介して、ホール管理用コンピュータに大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを送信するための処理を行う。
次いで、基本回路101は、賞球処理を行う(ステップS10)。賞球処理では、基本回路101は、賞球基板53からの入賞球信号を監視する。入賞球信号がオンすると、始動口スイッチ62がオンしていた場合には入賞球個数信号に「6」をセットして賞球基板53に送出し、始動口スイッチ62がオンしていない場合には入賞球個数信号に「15」をセットして賞球基板53に送出する。
その後、基本回路101は、次に定期リセット回路115からリセットパルスが与えられるまで、ステップS11の図柄用乱数作成処理を繰り返す。すなわち、各乱数の値の1加算を行う。なお、ここで加算されるのは、図25に示されているように、上記(1)〜(13)の乱数のうち(4)の特別図柄左用乱数、(7)の特殊変動用乱数、(9)の第1図柄用乱数および(12)の飾り図柄用乱数1である。ここでも、特別図柄左用乱数が桁上がりしたら(5)の特別図柄中用乱数が更新され、特別図柄中用乱数が桁上がりしたら(6)の特別図柄右用乱数が更新される。また、特殊変動用乱数が桁上がりしたら(8)の大当り予告判定用乱数が更新される。さらに、第1図柄用乱数が桁上がりしたら(10)の第2図柄用乱数が更新され、第2図柄用乱数が桁上がりしたら(11)の第3図柄用乱数が更新される。そして、図柄用乱数1が桁上がりしたら(13)の飾り図柄用乱数2が更新される。
図26は、普通図柄処理(ステップS6)を示すフローチャートである。普通図柄処理では、基本回路101は、ステップS61のゲートスイッチ処理を実行したた後に、普通図柄プロセスフラグの値に応じてステップS62〜S65の処理のうちのいずれかの処理を実行する。ゲートスイッチ処理では、普通図柄変動開始の条件となる通過口70の打球通過にもとづくゲートスイッチ61のオンを検出する。ゲートスイッチ61がオンしていたら、普通図柄通過記憶カウンタが最大値(この例では「4」)に達していなければ、普通図柄判定用乱数の値を抽出し、その値を記憶する。また、普通図柄通過記憶カウンタの値を+1する。なお、普通図柄通過記憶カウンタの値に応じて普通図柄通過記憶表示器83のLEDが点灯される。
ステップS62の普通図柄変動待ち処理では、基本回路101は、普通図柄通過記憶カウンタの値が0以外であれば、普通図柄プロセスフラグの値を更新する。普通図柄通過記憶カウンタの値が0であれば何もしない。
ステップS63の普通図柄判定処理では、基本回路101は、抽出されている普通図柄判定用乱数の値と当り値とを比較する。図27に示すように、高確率のときには当り値は3〜12のいずれかであり、低確率のときには3、5または7である。普通図柄判定用乱数の値が当り値と一致すれば、当りと決定される。当りと決定された場合には、高確率時には、普通図柄プロセスタイマに5.1秒に相当する値を設定する。低確率時には、普通図柄プロセスタイマに29.2秒に相当する値を設定する。そして、普通図柄プロセスフラグの値を更新する。
なお、普通図柄は、普通図柄プロセスタイマに設定された時間変動する。従って、図28に示すように、普通図柄表示装置84において、普通図柄は、高確率時には5.1秒間変動し、低確率時には29.2秒間変動する。ステップS64の普通図柄変動処理では、基本回路101は、普通図柄変動タイマがタイムアップする毎に(この例では100ms)、普通図柄表示カウンタを更新する。普通図柄表示カウンタは、0または1の値をとる。普通図柄表示カウンタの値が0であるときには、サークル図柄が点灯され、普通図柄表示カウンタの値が1であるときには、フラッシュ図柄が点灯される。従って、この例では、100ms毎に普通図柄は変動する。
普通図柄変動処理において、普通図柄プロセスタイマがタイムアップすると、基本回路101は、当りと決定されているときには、普通図柄表示カウンタの値を1に設定する。また、はずれと決定されているときには、普通図柄表示カウンタの値を0に設定する。そして、普通図柄プロセスフラグの値を更新する。
ステップS65の普通図柄停止処理では、基本回路101は、当りと決定されているときには、普通電動役物バッファに始動入賞口81の開放パターンを設定する。そして、普通図柄プロセスフラグの値を、普通図柄変動待ちの状態に応じた値に更新する。
開放パターンは、低確率時には、始動入賞口81が1回だけ0.2秒間開放するようなパターンである。また、高確率時には、始動入賞口81が1.15秒間開放した後4.4秒の閉成期間をおいて再度1.15秒間開放するようなパターンである。始動入賞口81は、開放パターンに従って開閉制御される。従って、普通図柄による当り時には、図29に示すように始動入賞口81は開放される。
図30は、特別図柄処理(ステップS7)を示すフローチャートである。特別図柄処理では、基本回路101は、ステップS71の始動口スイッチ処理、ステップS72の特定領域スイッチ処理、およびステップS73のカウントスイッチ処理を行った後に、特別図柄プロセスフラグの値に応じてステップS74〜S85のうちのいずれかの処理を行う。
図31は、ステップS71の始動口スイッチ処理を示すフローチャートである。基本回路101は、始動入賞口81に入賞があったことを始動口スイッチ62によって検出する(ステップS711)。始動口スイッチ62がオンすると、基本回路101は、特別図柄記憶処理を行う(ステップS712)。
図32は、特別図柄記憶処理を示すフローチャートである。特別図柄記憶処理において、基本回路101は、まず、始動入賞記憶カウンタが最大値に達しているか否か判定する(ステップS721)。この例では、最大値は4である。最大値に達している場合には、基本回路101は、特別図柄記憶処理を終了する。なお、始動入賞記憶カウンタの値に応じて始動入賞記憶表示器86のLEDが点灯される。
始動入賞記憶カウンタが最大値に達していない場合には、基本回路101は、特別図柄判定用乱数の値を抽出する(ステップS722)。また、大当り図柄用乱数の値を抽出する(ステップS723)。そして、基本回路101は、始動入賞記憶カウンタの値を1増やす(ステップS724)。さらに、基本回路101は、抽出した各乱数値を始動入賞記憶数n(n=1,2,3,4)に応じたn番目の記憶領域に保存する。
ここで、大当り予告を行うか否か決定する。大当り予告は、特別図柄の変動開始時に、飾り図柄表示装置にキャラクタおよび吹き出しを表示し、飾りランプ・LEDおよび効果音によって演出を行うことをいう。この実施の形態では、大当りとなるときに1/3、大当りとならないときに1/253の確率で大当り予告が行われる。すなわち、抽出された特別図柄判定用乱数が「7」で大当りとなるときに、0〜2の値をとる大当り予告判定用乱数の値が「0」であれば、基本回路101は、大当り予告カウンタに始動入賞記憶カウンタの値を設定する(ステップS725,S726,S728)。また、特別図柄判定用乱数の値が「7」以外の時には、0〜252の値をとる特殊変動用乱数の値が「0」であれば、大当り予告カウンタに始動入賞記憶カウンタの値を設定する(ステップS725,S727,S728)。大当り予告カウンタは、大当り予告が行われる回数を示すものである。すなわち、この実施の形態では、大当り予告すると決定された場合には、既に記憶されている始動入賞について全て大当り予告が行われる。
ステップS72の特定領域スイッチ処理では、基本回路101は、大入賞口71内の特定領域73に打球が入賞したことを特定領域スイッチ64によって判定する。特定領域スイッチ64がオンすると、基本回路101は、特定領域通過フラグをセットする。
ステップS73のカウントスイッチ処理では、基本回路101は、大入賞口71に入賞した遊技球を検出するカウントスイッチ63がオンしたか否か判定する。カウントスイッチ63がオンした場合には、大入賞口入賞カウンタを1増やす。
以後、上述したように、特別図柄プロセスフラグの値に応じてステップS74〜S85の各処理のうちのいずれかの処理が実行される。ステップS74の特別図柄変動待ち処理では、基本回路101は、始動入賞記憶カウンタの値が0以外であれば、ステップS75の特別図柄判定処理に移行するように、特別図柄プロセスフラグの値を更新する。
ステップS75の特別図柄判定処理では、基本回路101は、大当りとするか否かの判定を行う。図33は、特別図柄判定処理を示すフローチャートである。図に示すように、基本回路101は、高確率状態では、抽出されている特別図柄判定用乱数の値が7、53、109、191、251、331のいずれかであれば大当りすることに決定し大当りフラグをセットする(ステップS751,S752,S754)。また、低確率状態では、抽出されている特別図柄判定用乱数の値が7であれば大当りすることに決定し大当りフラグをセットする(ステップS751,S753,S754)。なお、高確率状態であるか否かは、後述する確率変動フラグがオンしているか否かによって判定される。そして、ステップS76の停止図柄設定処理に移行するように、特別図柄プロセスフラグを更新する。
ステップS76の停止図柄設定処理では、基本回路101は、はずれ時の特別図柄の停止図柄を決定する。図34は、停止図柄設定処理を示すフローチャートである。基本回路101は、まず、大当りフラグがセットされているか否か判定する(ステップS761)。大当りフラグがセットされているときには、大当り図柄設定処理を行う(ステップS762)。大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄の停止図柄を決定する。すなわち、特別図柄左用乱数の値に応じた左図柄を決定し(ステップS763)、特別図柄中用乱数の値に応じた中図柄を決定し(ステップS764)、特別図柄右用乱数の値に応じた右図柄を決定する(ステップS765)。ここで、決定された停止図柄の組み合わせが偶然大当り図柄と一致した場合には(ステップS766)、特別図柄右用乱数の値に1を加算し(ステップS767)、加算後の値に応じた右図柄を決定し強制的にはずれ図柄とする(ステップS768)。
なお、停止図柄設定処理において、基本回路101は、はずれ時の飾り図柄の組み合わせも決定する。具体的には、第1図柄用乱数、第2図柄用乱数および第3図柄用乱数の値に対応する飾り図柄を停止図柄とする。なお、第1図柄用乱数の値に応じて第1飾り図柄〜第3飾り図柄(図14参照)が決定され、第2図柄用乱数の値に応じて第4飾り図柄〜第6飾り図柄(図14参照)が決定され、第3図柄用乱数の値に応じて第7飾り図柄〜第9飾り図柄(図14参照)が決定される。
図35は、大当り図柄設定処理を示すフローチャートである。大当り図柄設定処理において、基本回路101は、まず、リミッタがオンしているか否か確認する(ステップS771)。リミッタは、連続して確変図柄による大当りが発生すること、すなわち連続して高確率状態が継続することを制限するためのものである。例えば、4回連続して高確率状態が継続するとリミッタが作動状態になる。従って、リミッタがオンしている場合には、基本回路101は、停止図柄を、確変図柄ではない「3」,「3」,「3」とすることに決定する。
リミッタがオンしていなければ、抽出されている大当り図柄用乱数の値に応じて特別図柄の停止図柄を決定する。この実施の形態では、大当り図柄用乱数の値が1であれば、停止図柄を確変図柄である「F」,「F」,「F」とすることに決定する(ステップS772,S773)。また、大当り図柄用乱数の値が0であれば、停止図柄を確変図柄ではない「3」,「3」,「3」とすることに決定する(ステップS772,S774)。
また、停止図柄設定処理では、基本回路101は、飾り図柄表示装置に表示される飾り図柄の停止図柄も決定する。例えば、確変図柄である「F」,「F」,「F」で大当りすることに決定されている場合には、飾り図柄用乱数2の値に応じて飾り図柄の停止図柄を決定し、確変図柄ではない「3」,「3」,「3」で大当りすることに決定されている場合には、飾り図柄用乱数1の値に応じて飾り図柄の停止図柄を決定する。ROM110には、飾り図柄用乱数1および飾り図柄用乱数2の各値に応じた飾り図柄の停止図柄の組み合わせが設定されたテーブルが格納されている。さらに、飾り図柄の変動パターンを、特殊変動用乱数の値に応じて決定する。
その後、ステップS77の変動時間設定処理に移行するように、特別図柄プロセスフラグを更新する。
ステップS77の変動時間設定処理では、基本回路101は、決定されている飾り図柄の変動パターンに応じた図柄変動時間を決定する。その後、ステップS78の特別図柄バンクシフト処理に移行するように、特別図柄プロセスフラグを更新する。
ステップS78の特別図柄バンクシフト処理では、基本回路101は、大当り予告の判定と飾り図柄の変動時間を短縮するかどうか判定する。図36は、特別図柄バンクシフト処理を示すフローチャートである。特別図柄バンクシフト処理では、基本回路101は、まず、大当り予告カウンタが0か否か判定する(ステップS781)。大当り予告カウンタは、始動口スイッチ処理(ステップS71)における特別図柄記憶処理(ステップS712)において、所定の条件が成立することによって0以外の値に設定されている(ステップS725〜S728参照)。
大当り予告カウンタが0でない場合には、基本回路101は、高確率状態か否か判定する(ステップS782)。そして、高確率状態でない通常状態(低確率状態)であれば、大当り予告フラグをセットする(ステップS783)。また、大当り予告カウンタの値を−1する(ステップS784)。高確率状態であれば、大当り予告フラグをセットしない。
つまり、この実施の形態では、有効な始動入賞があると、始動口スイッチ処理(ステップS71)における特別図柄記憶処理(ステップS712)において、まず、大当り予告カウンタに0以外の値が設定されることによって、大当り予告を行うことができる状態に設定される。そして、特別図柄バンクシフト処理において、高確率状態でない通常状態であるときにのみ大当り予告フラグがセットされることによって最終的に大当り予告を行うことが決定される。このように、高確率時には大当り予告を行わないようにしておけば、特別図柄の変動が開始される前に大当り予告を行う遊技機において、高確率時には、大当り予告と特別図柄の変動とに要するトータル時間が長くならない。従って、高確率状態が速やかに消化される。すなわち、高確率状態において遊技者に与えられる有利な状況が損なわれることがない。
その後、基本回路101は、始動入賞記憶カウンタの値が所定値以上であるか否か判定する(ステップS785)。始動入賞記憶カウンタの値が所定値以上であれば、時間短縮フラグをセットする(ステップS786)。所定値は、例えば、低確率時には4、高確率時には2である。また、時間短縮フラグがセットされると、特別図柄の変動時間が短縮される(例えば2秒短縮)。そして、基本回路101は、始動入賞記憶カウンタの値を1減らすとともに(ステップS787)、抽出された各乱数値の格納領域をシフトする(ステップS788)。すなわち、始動入賞記憶カウンタの値n(n=2,3,4)に対応する乱数値格納エリアに格納されている値を、n−1に対応する乱数値格納エリアに格納する。そして、ステップS79の特別図柄変動前処理に移行するように、特別図柄プロセスフラグを更新する。
ステップS79の特別図柄変動前処理では、基本回路101は、一定時間(0.2秒)の経過を待ち、一定時間が経過すると、ステップS80の特別図柄変動処理に移行するように、特別図柄プロセスフラグを更新する。
ステップS80の特別図柄変動処理では、基本回路101は、特別図柄表示装置85に表示される特別図柄の変動制御を行う。図37は、特別図柄変動処理を示すフローチャートである。特別図柄変動処理において、基本回路101は、まず、大当り予告フラグがオンしているかどうか確認する(ステップS801)。大当り予告フラグがオンしている場合には、時間短縮フラグがセットされているか否か確認する(ステップS802)。そして、時間短縮フラグがセットされていなければ大当り予告を予告パターン1で行うことに決定する(ステップS803)。また、時間短縮フラグがセットされている場合には、大当り予告を予告パターン2で行うことに決定する(ステップS804)。なお、ステップS801〜S804の処理は、特別図柄変動処理に移行したときに1回だけ実行される。
予告パターン2は、予告パターン1よりも大当り予告の実行時間が短いものである。すなわち、特別図柄の変動時間が短縮される場合には、大当り予告の実行時間も短縮される。このように、変動時間短縮時には大当り予告の実行時間を短くするようにしておけば、特別図柄の変動が開始される前に大当り予告を行う遊技機において、変動時間短縮時には、大当り予告と特別図柄の変動とに要するトータル時間が短縮されるので、始動入賞記憶が速やかに消化される。すなわち、変動時間短縮時に遊技者に与えられる有利な状況が損なわれることがない。なお、実際の大当り予告の演出は、遊技効果処理(ステップS8)において実行される。
その後、基本回路101は、特別図柄変動制御を行う(ステップS805)。特別図柄変動制御では、0.05秒が経過する毎に特別図柄表示装置85に表示される特別図柄が更新されるように制御する。そして、ステップS77で決定された図柄変動時間が経過すると、ステップS81の特別図柄停止時処理に移行するように、特別図柄プロセスフラグを更新する。
ステップS81の特別図柄停止時処理では、基本回路101は、所定の停止時間が経過した後に、特別図柄および飾り図柄の変動に使用した作業領域をクリアして、ステップS82の大入賞口初回開放前処理に移行するように、特別図柄プロセスフラグを更新する。
ステップS82の大入賞口初回開放前処理では、基本回路101は、所定の待ち時間経過後に、ステップS83の大入賞口開放中処理に移行するように、特別図柄プロセスフラグを更新する。
ステップS83の大入賞口開放中処理では、基本回路101は、大入賞口入賞カウンタの値が最大値(この例では「9」)になる条件と、大入賞口開放時間(この例では29.5秒)が経過する条件とのうちのいずれかの条件が成立すると、ステップS84の大入賞口開放後処理に移行するように、特別図柄プロセスフラグを更新する。
ステップS84の大入賞口開放後処理では、開放回数カウンタを+1し、開放回数カウンタの値が16になった場合には、ステップS85の大当り終了処理に移行するように、特別図柄プロセスフラグを更新する。開放回数カウンタの値が16未満である場合には、特定領域通過フラグを確認し、特定領域通過フラグがセットされていれば、ステップS83の大入賞口開放中処理に移行するように、特別図柄プロセスフラグを更新する。また、特定領域通過フラグがセットされていなければ、ステップS85の大当り終了処理に移行するように、特別図柄プロセスフラグを更新する。
ステップS85の大当り終了処理では、基本回路101は、大入賞口開放中に使用された作業領域をクリアする。そして、ステップS74の特別図柄変動待ち処理処理に移行するように、特別図柄プロセスフラグを更新する。
図38は、特別図柄の変動と大当り予告動作の一例を示すタイミング図である。(A)は、通常時(低確率時)に始動入賞記憶カウンタ=0のときに大当り予告ありと判定されたときの例である。すなわち、始動入賞1に応じて大当り予告が行われるとともに、特別図柄変動が開始される。この場合には、特別図柄の変動時間の短縮はないので、予告パターン1による5秒間の大当り予告が行われる。また、始動入賞2については、大当り予告を行わないと判定されている。
(B),(C)は、始動入賞記憶カウンタ≠0のときに大当り予告ありと判定されたときの例である。(B)では、始動入賞1による特別図柄の変動中に始動入賞2および始動入賞3が生じたことが示されている。そして、始動入賞3が生じたときに大当り予告ありと判定されたことが示されている。このとき、始動入賞2が記憶されているので、大当り予告は、2回の始動入賞の変動について行われている。
(C)は、変動時間の短縮が行われる場合の例である。この場合も、始動入賞1による特別図柄の変動中に始動入賞2および始動入賞3が生じたことが示されているが、始動入賞2にもとづく変動開始前に、変動時間の短縮が行われるように決定されている。よって、予告パターン2による3秒間の大当り予告が行われる。
実施の形態2.
上記の実施の形態では、高確率状態において大当り予告を行わないようにしたが、高確率状態では、大当り予告の時間を短縮するようにしてもよい。また、上記の実施の形態では、特別図柄の変動時間が短縮されるときに大当り予告の時間も短縮されたが、特別図柄の変動時間が短縮されるときには大当り予告を行わないようにしてもよい。
図39および図40は、そのような制御を実現する処理を示すフローチャートである。図39は、特別図柄処理(ステップS7)における特別図柄バンクシフト処理(ステップS78)の処理を示し、図36に示された特別図柄バンクシフト処理に代えて実行される。また、図40は、特別図柄処理(ステップS7)における特別図柄変動処理(ステップS80)の処理を示し、図37に示された特別図柄処理に代えて実行される。
この実施の形態では、特別図柄バンクシフト処理において、基本回路101は、大当り予告カウンタが0でない場合には、常に大当り予告フラグをセットする(ステップS781,S783)。よって、所定の条件が成立している場合には(図32の特別図柄記憶処理参照)、常に大当り予告が行われる。特別図柄バンクシフト処理におけるその他の処理は、第1の実施の形態の場合と同じである。
特別図柄変動処理において、基本回路101は、まず、大当り予告フラグがオンしているかどうか確認する(ステップS801)。大当り予告フラグがオンしている場合には、時間短縮フラグがセットされているか否か確認する(ステップS802)。そして、時間短縮フラグがセットされている場合には、大当り予告フラグをリセットする(ステップS810)。
時間短縮フラグがセットされていなければ、基本回路101は、高確率状態であるか否か確認する(ステップS811)。そして、高確率状態でない通常状態であれば、予告パターン1(例えば5秒間の大当り予告)で大当り予告を行うことに決定する(ステップS812)。また、高確率状態である場合には、予告パターン2(例えば3秒間の大当り予告)で大当り予告を行うことに決定する(ステップS813)。その後、基本回路101は、特別図柄変動制御を行う(ステップS805)。
このように、この実施の形態では、高確率時には時間が短い予告パターン2によって大当り予告が行われる。よって、特別図柄の変動が開始される前に大当り予告を行う遊技機において、高確率時には、大当り予告と特別図柄の変動とに要するトータル時間は、常に予告パターン1による大当り予告を行う場合に比べて長くならない。従って、この実施の形態でも、高確率状態が速やかに消化され、高確率状態において遊技者に与えられる有利な状況が損なわれることがない。
また、変動時間短縮時には大当り予告の期間が行われないので、特別図柄の変動が開始される前に大当り予告を行う遊技機において、変動時間短縮時には、大当り予告と特別図柄の変動とに要するトータル時間が短縮される。よって、始動入賞記憶が速やかに消化され、変動時間短縮時に遊技者に与えられる有利な状況が損なわれることがない。
実施の形態3.
第1および第2の実施の形態では、高確率状態では、大当り予告を行わなかったり、短い大当り予告を行うようにした。しかし、高確率状態では、大当り予告の発生頻度を下げることによって、全体として、大当り予告と特別図柄の変動とに要するトータル時間を短縮するようにしてもよい。図41は、そのような実施の形態において用いられる大当り予告判定用乱数2を示す説明図である。また、図42は、特別図柄処理(ステップS7)の始動口スイッチ処理(ステップS71)における特別図柄記憶処理(ステップS712)の処理を示し、図32に示された特別図柄記憶処理に代えて実行される。なお、大当り予告判定用乱数2は、図25に示された各乱数に加えて使用されるものである。
この実施の形態では、基本回路101は、抽出された特別図柄判定用乱数が「7」で大当りとなるときには、通常時には、0〜2の値をとる大当り予告判定用乱数の値が「0」であれば、大当り予告カウンタの設定を行うのであるが(ステップS725,S730,S728)、高確率時には、0〜5の値をとる大当り予告判定用乱数2の値が「0」であるときに、大当り予告カウンタの設定を行う(ステップS725,S730,S728)。なお、この実施の形態では、大当り予告カウンタに0以外が設定されたときには、常に大当り予告が行われる。
高確率時には0〜5の値をとる大当り予告判定用乱数2が用いられるので、この実施の形態では、大当りとなるときに、通常状態では1/3の確率で大当り予告が行われるのに対して、高確率時には、1/6の確率で大当り予告が行われる。従って、高確率時には、大当り予告の発生頻度が下がり、全体として大当り予告と特別図柄の変動とに要するトータル時間が短縮される。
実施の形態4.
第1および第2の実施の形態では、特別図柄の変動時間が短縮されるときにすなわち、始動入賞記憶数が多いときには、大当り予告を行わなかったり、短い大当り予告を行うようにした。しかし、始動入賞記憶数が多いときには、大当り予告の発生頻度を下げることによって、全体として、大当り予告と特別図柄の変動とに要するトータル時間を短縮するようにしてもよい。図43は、そのような実施の形態において用いられる特別図柄処理(ステップS7)の始動口スイッチ処理(ステップS71)における特別図柄記憶処理(ステップS712)の処理を示し、図32に示された特別図柄記憶処理に代えて実行される。
この場合には、特別図柄記憶処理において、基本回路101は、抽出された特別図柄判定用乱数が「7」で大当りとなるときには(ステップS725)、始動入賞記憶カウンタの値が所定値以上であるか否か確認する(ステップS731)。所定値は、時間短縮フラグがセットされる条件と同じであり、例えば、低確率時には4、高確率時には2である。始動入賞記憶カウンタの値が所定値よりも小さい場合には、第1の実施の形態の場合と同様に、0〜2の値をとる大当り予告判定用乱数の値が「0」であれば、大当り予告カウンタの設定を行う(ステップS732,S728)。
始動入賞記憶カウンタの値が所定値以上である場合には、0〜5の値をとる大当り予告判定用乱数2の値が「0」であるときに、大当り予告カウンタの設定を行う(ステップS733,S728)。従って、この実施の形態では、大当りとなる場合に、始動入賞記憶カウンタの値が所定値よりも小さいときに1/3の確率で大当り予告が行われるのに対して、始動入賞記憶カウンタの値が所定値以上である場合には、1/6の確率で大当り予告が行われる。従って、始動入賞記憶数が多いには、大当り予告の発生頻度が下がり、全体として大当り予告と特別図柄の変動とに要するトータル時間が短縮される。よって、始動入賞記憶が速やかに消化される。
なお、この例では、大当り予告判定用乱数2を用いるか否かの判定条件を、時間短縮フラグがセットされる条件と同じにしたが、条件は同じでなくてもよい。つまり、始動入賞記憶数が多いときに(例えば満タン時でもよい)、大当り予告の発生頻度を下げるようにすればよい。
図44は、図24に示されたメイン動作における遊技効果処理(ステップS8)を示すフローチャートである。遊技効果処理では、基本回路101は、遊技効果LED7、遊技効果ランプ8,9および装飾ランプ91,92を点灯/滅灯制御するランプ処理(ステップS91)、遊技進行に応じてスピーカ6から所定音を発声させる音声処理(ステップS92)、ならびに飾り図柄の変動制御を行う飾り図柄処理(ステップS93)を実行する。
図45は、飾り図柄処理を示すフローチャートである。飾り図柄処理において、基本回路101は、まず、図柄差し替え判定処理を行う(ステップS931)。すなわち、決定されている停止図柄が変動期間終了時に表示されるように、所定のタイミングが到来すると表示図柄を差し替えるように制御する(図47参照)。
次に、基本回路101は、変動データ設定処理を行う(ステップS932)。変動データ設定処理では、変動開始時や変動パターン切り替え時に、変動パターンテーブルから該当するパターン(今回の変動に使用されるパターン)を取り出し、変動時間や変動速度を決定する。変動パターンテーブルには、変動期間、その期間中のタイマ設定値(表示図柄の切替タイミングを示す)、および変動幅設定値(表示図柄の切替タイミングにおける図柄移動量を示す)等が設定されている。なお、逆変動の場合には、変動幅設定値に負の値が設定される。
基本回路101は、変動期間を変動タイマに設定し、変動幅設定値を図柄変動幅バッファに設定し、タイマ設定値を図柄タイマバッファに設定するとともに図柄変動タイマに設定する。そして、基本回路101は、変動タイマを更新(−1)する。変動タイマが0になったことは、そのパターンによる変動が終了することを示す。なお、図47に示された例では、変動パターンP0からP1への移行時、変動パターンP1からP2への移行時、および変動パターンP2からP4への移行時に、図柄変動幅バッファと図柄タイマバッファとの設定処理が実行される。
この実施の形態では、各飾り図柄は、縦方向に64ドットで構成されている。従って、例えば、1図柄あたりの変動時間が0.064秒である場合には、タイマ設定値は0.064秒、変動幅設定値は64と設定されている。このような設定では、0.064秒毎に1図柄ずつ変動する。また、1図柄あたりの変動時間が0.064秒であって、タイマ設定値が0.032秒、変動幅設定値が32に設定されている場合には、0.032秒毎に1/2図柄ずつ変動する。このように、変動幅設定値とタイマ設定値とを任意に設定できるようにしておけば、飾り図柄の変動速度を自由に設定できるだけでなく、変動の滑らかさの度合いも自由に設定できる。
次いで、基本回路101は、図柄番号カウンタ1のアドレスを指定して(ステップS933)、飾り図柄変動制御処理を実行する(ステップS934)。図柄番号カウンタ1は、第1飾り図柄〜第3飾り図柄(図14参照)の図柄番号を示すカウンタであり、1〜9の値をとる。
図46は、飾り図柄変動制御処理を示すフローチャートである。飾り図柄変動制御処理では、基本回路101は、まず、上記の図柄変動タイマがタイムアップしているか否か確認する(ステップS951)。タイムアップしていなければ、図柄変動タイマを更新(−1)する(ステップS952)。図柄変動タイマがタイムアップしていた場合には、次の表示図柄の切替タイミングを知るために、図柄タイマバッファに設定されている値を図柄変動タイマに設定する(ステップS953)。そして、図柄位置カウンタの値を、図柄変動幅バッファに設定されている値だけ減算する(ステップS954)。図柄位置カウンタは、図柄の表示位置を指すためのものであって、例えば、図柄の最下位位置を0として、最上位位置を63として示す。
減算処理の結果、図柄位置カウンタの値が負になった場合には(ステップS955)、すなわち、表示位置が次の図柄に移動したときには、図柄位置カウンタに64を加算して(ステップS956)、図柄番号カウンタ(この場合には図柄番号カウンタ1)の値を+1する(ステップS957)。なお、基本回路101は、図柄番号カウンタの値が図柄番号の最大値(第1飾り図柄〜第3飾り図柄の場合には9)を越えたら最小値(第1飾り図柄〜第3飾り図柄の場合には1)に戻す。
また、図柄位置カウンタの値が64以上になった場合には(ステップS958)、図柄位置カウンタから64を引いて(ステップS959)、図柄番号カウンタ(この場合には図柄番号カウンタ1)の値を−1する(ステップS960)。なお、基本回路101は、図柄番号カウンタの値が図柄番号の最小値(第1飾り図柄〜第3飾り図柄の場合には1)を越えたら最大値(第1飾り図柄〜第3飾り図柄の場合には9)に戻す。なお、ステップS959,S960の処理は、飾り図柄が逆変動する場合に実行される。
次に、基本回路101は、図柄番号カウンタ2のアドレスを指定して(ステップS935)、飾り図柄変動制御処理を実行し(ステップS936)、次いで、図柄番号カウンタ3のアドレスを指定して(ステップS937)、飾り図柄変動制御処理を実行し(ステップS938)。そして、表示制御処理を実行する(ステップS939)。表示制御処理は、図柄番号と図柄表示位置を指定した表示制御コマンドデータを表示制御基板51に送信する処理である。表示制御基板51に搭載されている表示制御用CPUは、表示制御コマンドデータを受信して、飾り図柄表示装置を実現する画像表示部82に飾り図柄を表示する。
以上のような処理によって、飾り図柄表示装置における飾り図柄の可変表示が実現される。この実施の形態では、主基板52の基本回路101が、任意に設定できる変動幅設定値とタイマ設定値とにもとづいて飾り図柄の表示位置を設定して表示制御基板51に設定値を送信するので、きめ細かい図柄変動速度制御を行うことができる。
なお、ここでは、飾り図柄の変動速度制御について説明したが、特別図柄がCRTやLCDに可変表示される遊技機において、特別図柄について上記の変動速度制御を適用することもできる。
上記の各実施の形態では、複数種類の図柄を可変表示するためのLCDによる画像表示部32を用いた場合について説明したが、CRTによる可変表示装置を用いた場合であってもよい。さらに、盤面が全て映像で構成される映像式のパチンコ遊技機に適用することもできる。
また、上記の各実施の形態では、特別遊技状態としての確率変動機能を有する遊技機を例示し高確率状態では大当り予告を行わなかったり、大当り予告の期間を短縮したり発生頻度を下げるようにしたが、特別図柄が特定の図柄の組み合わせになると以後の特別図柄および普通図柄の変動時間が短縮される時間短縮機能を有する遊技機において、時間短縮状態に、大当り予告を行わなかったり、大当り予告の期間を短縮したり発生頻度を下げるようにしてもよい。