JP2008160077A - Mg金属間化合物及びそれを応用したデバイス - Google Patents
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Abstract
【課題】 伝導性に優れたp型のMg金属化合物(Mg2X)を提供すること
【解決手段】 逆ホタル石構造を有する一般式:Mg2X(Xは4族元素の一種または複数)において、少なくとも2種類以上のアクセプタードーパントを含み、そのうちの少なくとも1種類は、価電子帯近傍に浅い不純物準位AL2を形成し、少なくとも別の1種類は、その価電子帯近傍に形成したアクセプタードーパントよりも深い不純物準位AL1を形成するように構成する。無添加時に自然欠陥により深いドナー準位DLに形成される伝導電子は、深い不純物準位に形成される正孔に捕獲されるため、p型となる。そして、浅い不純物準位に形成される正孔がキャリアとなるため、高伝導性を有するものとなる。
【選択図】 図1
【解決手段】 逆ホタル石構造を有する一般式:Mg2X(Xは4族元素の一種または複数)において、少なくとも2種類以上のアクセプタードーパントを含み、そのうちの少なくとも1種類は、価電子帯近傍に浅い不純物準位AL2を形成し、少なくとも別の1種類は、その価電子帯近傍に形成したアクセプタードーパントよりも深い不純物準位AL1を形成するように構成する。無添加時に自然欠陥により深いドナー準位DLに形成される伝導電子は、深い不純物準位に形成される正孔に捕獲されるため、p型となる。そして、浅い不純物準位に形成される正孔がキャリアとなるため、高伝導性を有するものとなる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、p型のMg金属間化合物及びそれを応用したデバイスに関するものである。
半導体材料から成る熱電変換材料としては、これまでBi−Te系等の半導体材料が検討され、一部実用化されている。しかし一般民生用として、300℃以上の中高温で使用できる熱電材料は、未だ特性不十分であり、実用化にはまだ遠いのが現状である。
一方、Mg金属間化合物Mg2Xは、n型の熱電変換材料としては有望であるが、p型伝導性の良好な熱電変換材料が無い。また、p型のMg2Xが実現できれば、pn素子が作製でき遠赤外用の受発光素子としても有望である。
A. Fukumoto, Physical Review B53, 4458 (1996)
D. Tamura et al., APAC SILICIDE 2006 予稿集 p47
J. Soga et al., APAC SILICIDE 2006 予稿集 p107
熱電変換工学(坂田亮 他編: Realize工学専門書ショップ)p217
上述したように、Mg金属間化合物であるMg2Xは、n型の熱電変換材料については開発されているが、p型伝導性の良好な熱電変換材料は開発されていない。例えば、実際のデバイスに応用するためには、p型とn型の対が必要となり、伝導性に優れたp型の熱電変換材料の開発が望まれている。
この発明は上述した課題を解決するもので、その目的は、伝導性に優れたp型のMg金属化合物(Mg2X)及びそれを応用したデバイスを提供することにある。
上述した目的を達成するために、本発明に係るMg金属間化合物は、逆ホタル石構造を有する一般式:Mg2X(Xは4族元素Si及びGe及びSnから選択される一種または複数の元素)において、
少なくとも2種類以上のアクセプタードーパントを含み、そのうちの少なくとも1種類は、価電子帯近傍に浅い不純物準位を形成し、
少なくとも別の1種類は、その価電子帯近傍に形成したアクセプタードーパントよりも深い不純物準位を形成するように構成されるようにした。
少なくとも2種類以上のアクセプタードーパントを含み、そのうちの少なくとも1種類は、価電子帯近傍に浅い不純物準位を形成し、
少なくとも別の1種類は、その価電子帯近傍に形成したアクセプタードーパントよりも深い不純物準位を形成するように構成されるようにした。
本発明では、Mg2Siに代表される逆ホタル石構造を有する一般式:Mg2X(Xは4族元素)に、深いアクセプター準位を形成する添加元素を添加することにより、伝導電子を捕獲し、p型になるようにする。但し、このようなアクセプタードーパントのみでは、p型にはなっても準位が深いために電気伝導性は低いものになってしまう。そこで、浅いアクセプター準位を形成する元素を添加することにより、移動度の高い正孔をキャリアとして発生させ、低抵抗なp型半導体を構成することができる(高電気伝導度を有するp型を得ることができる)。浅いアクセプター準位を形成する代表的な元素としてGaが挙げられる。Gaは3族の元素であるので、4族元素Xに置換した場合、アクセプターとして働くことになる。そして、逆ホタル石構造を有する一般式:Mg2X(Xは4族元素)は、環境負荷が少ない狭バンドギャップ半導体となる。
浅い不純物準位と深い不純物準位は、互いの相対的なものである。それら”浅い/深い”を具体的に定義するとすれば、例えば、非特許文献1によれば、結晶欠陥のイオン化エネルギーが100meV程度以下の場合に浅い不純物準位といえるので、深いアクセプター準位とは、イオン化エネルギーが100meV程度以上となることを意味する。もちろん、この値は目安(一例)であり、この値に限られるものではない。
ここで、浅い不純物準位を形成する元素はGaを含むようにすることができる。また、深い不純物準位を形成する元素は、AgもしくはMg欠損を含むようにすることができる。もちろん、添加する元素は、他の元素としても良い。さらに、浅い不純物準位を形成する元素はGaを含み、そのGaの濃度が全原子の6.4×10−3at%以上3.2at%以下であり、深い不純物準位を形成する元素はAgもしくはMg欠損を含み、そのAgもしくはMg欠損の濃度が全原子の3.2×10−5at%以上3.2at%以下とするとよい。係る範囲とすると、自然欠陥により生成される全ての伝導電子を深い不純物準位(アクセプター準位)に形成される正孔にトラップさせることができる。
Mg2Xは、化学量論組成からずれるだけで、ドナーやアクセプターを提供することができる。たとえば、Mg欠損はアクセプターとして作用し、アクセプタードナーパントの一種とみなせるので、これを深い不純物順位(アクセプター順位)を形成する元素として考えることができる。よって、本発明では、深い不純物準位を形成するに当たり、Agその他の元素を添加物として積極的に添加するのはもちろんのこと、Mgの添加量を抑えMg欠損を生じさせるようにしてもよい。
また、本発明に係るp型熱電変換材料としては、上記のMg金属間化合物のゼーベック係数αが、50μV/K以上としたり、或いは、Mg金属間化合物の電気抵抗率ρが、10mΩcm以下とすることである。
また、本発明の熱電変換素子は、複数のp型熱電変換材料と複数のn型熱電変換材料とが交互に配置されると共に、電気的に直列接続される熱電変換素子であって、複数のp型熱電変換材料の少なくとも1つが本発明に係る熱電変換材料とすることである。
そして、本発明に係る熱電冷却装置は、上記の本発明の熱電変換素子と、その熱電変換素子に電気的に接続された直流電源と、を備えて構成することである。また、本発明の熱電発電モジュールは、上記の本発明の熱電変換素子と、その熱電変換素子に電気的に接続され、温度差によって前記熱電変換素子から電位差が生じるように構成することである。さらに本発明の遠赤外受発光素子は、n型Mg金属間化合物と、本発明のp型Mg金属間化合物と、を具備し、それらをpn接合することで構成される。
本発明では、高電気伝導度を有するp型のMg金属間化合物が実現できる。これにより、環境負荷が低い物質を用いた熱電変換素子や赤外線受発光素子その他のデバイスが実現される。
以下、本発明の好適な実施の形態について説明する。本実施形態のMg金属化合物は、逆ホタル石構造を有する一般式:Mg2X(Xは4族元素Si及びGe及びSnから選択される一種または複数の元素)において、少なくとも2種類以上のアクセプタードーパントを含み、少なくとも1種類は、価電子帯近傍に浅い不純物準位(アクセプター準位)を形成し、少なくとも別の1種類は、その価電子帯近傍に形成したアクセプタードーパントよりも深い不純物準位を形成するようにした。
図1は、本発明のMg金属間化合物の一実施形態のエネルギーバンド図を示している。例えばXがSiなどの4族元素の場合、自然欠陥(格子間Mg)により深いドナー準位DLに伝導電子(黒丸)が存在する(図2(a)参照)。本実施形態では、深いアクセプター準位AL1を形成する元素(例えば、AgもしくはMg欠損)と、浅いアクセプター準位AL2を形成する元素(例えばGa)を添加しているため、各添加された元素がMg或いはXと置換され、各アクセプター準位AL1,AL2に正孔(白丸)が形成される。
係る構成を採ることから、本実施形態のMg金属化合物は、深いドナー準位DLに存在する伝導電子(キャリア電子)が深いアクセプター準位AL1の正孔にトラップされる(図2(b)参照)。これにより、無添加ではn型であったMg2Xをp型にすることができる。例えば、深いアクセプター準位AL1を形成する元素としてAgを添加した場合、非特許文献3、4にあるようにゼーベック係数が正になることから、p型になるといえる。
但し、深いアクセプター準位に所定の元素を配置するようにしただけでは、p型になるものの、電気伝導度は低い。そこで本実施形態では、浅いアクセプター準位AL2を形成する元素を添加した。これにより、係るアクセプター準位AL2の正孔がキャリアとなり、高電気伝導度を有するp型半導体を構成することができる。
なお、浅いアクセプター準位に対応する元素のみを添加すると、n型のままとなる(p型にならない)。これは、図3に示すように、自然欠陥によるドナー準位DLに存在する伝導電子が浅いアクセプター準位AL2の正孔にトラップされる。これにより、浅いアクセプター準位AL2の正孔がキャリアになれないためと考えられる。
本実施形態のMg金属間化合物を製造するには、例えば以下のプロセスを実行することで行える。まず、XとしてSi、深いアクセプター準位を形成する元素としてAg、浅いアクセプター準位を形成する元素としてGaの場合を示す。係る元素を用いてMg金属間化合物を製造するには、溶解凝固法や垂直ブリッジマン法に代表される実験手法によって作製可能である。
垂直ブリッジマン法を用いた場合、Si、Mg、Ag、Gaの原料粉末をMg2/3Si1/3AgxGay(x=1.0*10−2,y=1.3*10−2)の組成比になるように秤量し、グラファイト坩堝に充填する。そのグラファイト坩堝を石英管に封入し、Mgの蒸発を抑制するために、アルゴンガスをチャージした雰囲気にする。1373Kで溶解後、5mm/hの速度で坩堝を下げ、結晶成長を行なうことでMg金属間化合物を製造できる。
上述の実施形態では、深いアクセプター準位を形成するためにAgを積極的に添加するようにしたが、本発明はこれに限ることはなく、Mg欠損を利用することができる。すなわち、Mg2X(Xは4族元素から選択される一種又は複数数の元素)は、欠損しやすい性質があり、Mgが欠損した場合にはAgを添加したのと同様の効果を発揮する。つまり、積極的に添加する添加物としては、浅いアクセプター準位を形成するための元素(Ga)1種類とし、深いアクセプター準位を構成する元素は、Mg2Xの構成要素の1つであるMgの欠損を利用するようにしてもよい。
このように、Mg欠損を利用して構成されるMg金属間化合物の製造方法の一例を示すと、以下のようになる。ここでは、XとしてSiとGe、深いアクセプター準位を形成する元素としてMg欠損、浅いアクセプター準位を形成する元素としてGaを用いた場合を示す。
垂直ブリッジマン法を用いた場合、Si、Ge、Mg、Gaの原料粉末を試料作製後の組成として、Mg2/3-xSi1/6Gey(x=1.0*10−2,y=1.3*10−2)の組成比になるように秤量し、グラファイト坩堝に充填する。そのグラファイト坩堝を石英管に封入し、Mgの蒸発を抑制するために、アルゴンガスをチャージした雰囲気にする。1373Kで溶解後、5mm/hの速度で坩堝を下げ、結晶成長を行なうことでMg金属間化合物を製造できる。つまり、Mgの添加量を少なくすることで、必要量のMg欠損を生じさせ、深いアクセプター準位を形成することができる。
ところで、非特許文献2によれば、自然欠陥によるn型キャリア密度は、少なくとも5×1015cm−3程度は存在するといわれている。そこで、これらのキャリアを全て捕獲するためには、少なくとも全原子に対して3.2×10−5at%の割合以上に添加する必要がある。
第一原理解析によってキャリア(正孔)密度ごとに計算されたMg2Siのパワーファクター(α2/ρ)を図4に示す。ここでτはキャリア伝導における緩和時間である。第一原理解析の便宜上の理由のためパワーファクターをτで割った量で議論する。また、この量は温度によって多少異なるが、代表的な温度として800Kでの結果を示している。図4より正孔密度が1×1018cm−3以下または5×1020cm−3以上の正孔密度でパワーファクターが小さくなる。また、浅いアクセプター準位を形成する添加物による欠陥は、イオン化エネルギーが小さいために、アクセプターとして正孔を提供するものの他に、正孔を提供しない不活性な中性の結晶欠陥として存在するものが考えられる。これをアクセプターとしての活性化率に反映させると全原子に対して6.4×10−3at%以上3.2at%以下の割合とするのがよいことになる。
次に、添加元素が正孔キャリアを生成するか否かの議論を行う。キャリアは、完全結晶に対して欠陥ができることによって生成する。特に正孔は結晶中の自然欠陥や添加元素による欠陥によって結晶中の電子が捕獲され、完全結晶の場合より電子が少なくなることによって生成する。すなわち、添加元素がアクセプターとして作用するためには、添加元素によってできる結晶中の欠陥が電子を捕獲する、つまり、負に帯電した欠陥が結晶中に形成されればよい。
図5にMg2SiにGaを添加した際の、欠陥構造毎の欠陥形成エネルギーの第一原理解析の結果を示す。欠陥形成エネルギーとは、欠陥構造ができる際に必要なエネルギーを完全結晶を基準にして表したものであり、その値が小さいほど欠陥を形成しやすいことを表す。欠陥形成エネルギーはフェルミエネルギー依存性があり、図5では、フェルミエネルギーの原点を完全結晶の価電子帯の上端としている。フェルミエネルギーはp型の極限である場合は価電子帯上端付近、すなわち図5の原点付近であると考えられる。また、n型の極限の場合は伝導帯の下端付近であると考えられる。第一原理計算により、Mg2Siの伝導帯の下端は、価電子帯上端から0.195eV大きい結果が得られたので、図5では、フェルミエネルギーが0.195eVのところがn型の極限の場合を表す。欠陥構造としては、Gaによる全ての点欠陥構造の帯電状態を計算した。すなわち、GaがSiサイトに置換した欠陥構造(記号GaSi)、Mgサイトに置換した場合の欠陥構造(記号GaMg)、格子間に侵入した場合の欠陥構造(記号Gai)における−4eから+4e(eは素電荷>0)に帯電した場合の欠陥形成エネルギーを計算した。図5中の欠陥を表す記号横の括弧内は帯電状態をeを単位として表している。そのうち、エネルギーが低い状態、すなわち、欠陥構造としてできやすい構造は、GaがSiサイトに置換した負に帯電した欠陥と、Gaが格子間に侵入し正に帯電した欠陥構造であり、これらのみを図5に示した。
図から明らかなように、フェルミエネルギーのほぼ全域、すなわち、p型極限からn型極限にいたるまで、GaがSiサイトに置換し、負に帯電した欠陥がもっとも形成しやすいことがわかる。欠陥が負に帯電しているということは、結晶中の電子を捕獲していることを意味するので、正孔を生み出し、すなわち、アクセプターとしてはたらくことを表す。しかも、非特許文献1によれば、中性の場合との形成エネルギーの差(イオン化エネルギー)が100meV程度以下であれば、浅いアクセプターであることが示されている(SiCの場合)。図5より、p型極限環境の場合、SiサイトにGaが置換した場合のイオン化エネルギーは37meVと極めて浅いアクセプター準位を形成することがわかる。
図5では、p型極限(フェルミエネルギーの原点付近)では、格子間にGaが侵入し、正に帯電することによってドナーとして働く欠陥も形成されることもわかるが、ドナーとして働いた場合は、電子が増加した分だけフェルミエネルギーがn型方向にシフト、すなわち、フェルミエネルギーが増加することになり、図5からわかるように、格子間にGaが侵入した欠陥の形成エネルギーが増加し、このような欠陥は形成されないことになる。したがって、Gaを添加した場合はアクセプターとして働くことになることが示された。
さらに、本実施形態のMg金属間化合物をp型熱電変換材料として用いる場合には、ゼーベック係数αが50μV/K以上になるように設定するとよい。或いは、電気抵抗率ρが10mΩcm以下になるように設定するとよい。このような場合において、パワーファクター(α2/ρ)を大きくすることができる。
一方、Mg2X金属間化合物を用いたn型の熱電変換材料は、従来から製造されている。そこで、係るn型の熱電変換材料と、本実施形態のMg2X金属間化合物からなるp型の熱電変換材料とを、それぞれ複数用意するとともに交互に配置し、かつ電気的に直列接続されるように形成することで、本発明の熱電変換素子の一実施形態を構成することができる。この例では、全ての熱電変換材料をMg2X金属間化合物で構成したが、本発明はこれに限ることはなく、複数のp型熱電変換材料と複数のn型熱電変換材料とが交互にかつ電気的に直列接続される構成において、複数のp型熱電変換材料の少なくとも一つが本発明の熱電変換材料とすればよい。
そして、上記の熱電変換素子に対し、直流電源を電気的に接続することで、本発明の熱電冷却装置の一実施形態を構成できる。また、上記の熱電変換素子を用いることで、温度差によって当該熱電変換素子から電位差が生じる熱電発電モジュールを構築することもできる。さらに、p型のMg金属間化合物とn型のMg金属間化合物をpn接合させることで、遠赤外受発光素子を形成できる。
Claims (10)
- 逆ホタル石構造を有する一般式:Mg2X(Xは4族元素Si及びGe及びSnから選択される一種または複数の元素)において、
少なくとも2種類以上のアクセプタードーパントを含み、そのうちの少なくとも1種類は、価電子帯近傍に浅い不純物準位を形成し、
少なくとも別の1種類は、その価電子帯近傍に形成したアクセプタードーパントよりも深い不純物準位を形成するように構成されることを特徴とするMg金属間化合物。 - 前記浅い不純物準位を形成する元素は、Gaを含むことを特徴とする請求項1に記載のMg金属間化合物。
- 前記深い不純物準位を形成する元素は、AgもしくはMg欠損を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のMg金属間化合物。
- 前記浅い不純物準位を形成する元素はGaを含み、そのGaの濃度が全原子の6.4×10−3at%以上3.2at%以下であり、
前記深い不純物準位を形成する元素はAgもしくはMg欠損を含み、そのAgもしくはMg欠損の濃度が全原子の3.2×10−5at%以上3.2at%以下であることを特徴とする請求項1に記載のMg金属間化合物。 - 請求項1から4のいずれかに記載のMg金属間化合物のゼーベック係数αが、50μV/K以上であることを特徴とすp型熱電変換材料。
- 請求項1から4のいずれかに記載のMg金属間化合物の電気抵抗率ρが、10mΩcm以下であることを特徴とするp型熱電変換材料。
- 複数のp型熱電変換材料と複数のn型熱電変換材料とが交互に配置されると共に、電気的に直列接続される熱電変換素子であって、
前記複数のp型熱電変換材料の少なくとも1つが請求項5または6に記載の熱電変換材料であることを特徴とする熱電変換素子。 - 請求項7に記載の熱電変換素子と、その熱電変換素子に電気的に接続された直流電源と、を備えたことを特徴とする熱電冷却装置。
- 請求項7に記載の熱電変換素子と、その熱電変換素子に電気的に接続され、温度差によって前記熱電変換素子から電位差が生じるように構成したことを特徴とする熱電発電モジュール。
- n型Mg金属間化合物と、請求項1から4のいずれかに記載のp型Mg金属間化合物と、を具備し、それらがpn接合されたことを特徴とする遠赤外受発光素子。
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