JP2008156782A - ポリアリーレンスルフィド酸化物からなる紙 - Google Patents

ポリアリーレンスルフィド酸化物からなる紙 Download PDF

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Abstract

【課題】絶縁破壊の強さが改善された高い絶縁性を持つPPSOの紙を提供し、各種電気絶縁材料としても利用可能な耐熱性、耐薬品性に優れ、不融性であるPPSOの紙の提供。
【解決手段】ポリアリーレンスルフィド酸化物(PPSO)で構成される絶縁破壊の強さが10kV/mm以上かつ密度0.50g/cm以上の紙。
【効果】各種ケーブルや電線の被覆、プリント回路基板、モーターや変圧器などで使われる電気絶縁紙として利用することができる。また高い電気絶縁性を有することから電気絶縁紙が使用されている各種機器類の絶縁層のコンパクト化を可能にし、その性能向上に寄与する。
【選択図】なし

Description

本発明は耐熱性、耐薬品性に優れ、かつ高い絶縁破壊の強さを有するポリアリーレンスルフィド酸化物(PPSO)からなる紙に関する。本発明のPPSOの紙は各種ケーブルや電線の被覆、プリント回路基板、モーターや変圧器などで使われる電気絶縁紙として利用することができる。
ポリアリーレンスルフィド(PPS)を酸化して得られるPPSOはPPSと比較して耐熱性、耐薬品性、特に耐酸性に優れ、さらには熱溶融しないという優れた特性を有しており、このPPSOを繊維、布帛、紙など様々な形態で利用する検討が行なわれている。
特にPPSOの紙に関する検討としては、特許文献1で提案されているように、PPSを酸化処理してPPSOとした後にさらにPPSOのアリール基にスルホン酸基を導入することで白度が高く、柔軟性および耐水性に富み、耐薬品性が高くイオン交換能を有し各種イオン交換紙として有用なシートが得られているが、PPSOからなる紙を電気絶縁紙として用いることに関してはなんら示されていない。
また、特許文献2においてはPPSO繊維を叩解して得られるPPSOパルプを使って紙が得られているが、叩解によって得られる繊維の径が太いために紙にした際に繊維間の空隙が多数形成されるため絶縁破壊の強さは0.8kV/mm程度であり、高い絶縁破壊の強さを持つ紙は得られていない。
同様に、特許文献3では通常繊度のPPS繊維からなるPPSの紙を酸化処理してPPSOの紙を得ているが、繊維間の空隙が大きいために得られる紙の絶縁破壊の強さとしては6.4kV/mm程度が限界であった。
一方、特許文献4ではPPSのナノファイバーでできた紙を酸化処理することでPPSOの紙を得ることを提案しているが、該方法では紙の状態で酸化処理するため、処理工程において紙を構成する1本1本のPPS繊維の収縮が起こり、紙が不均一に収縮することで繊維間に空隙が形成され、その結果得られるPPSOの紙としては絶縁破壊の強さが低いものしか得られていなかった。
このように、PPSOからなる紙は耐熱性、耐薬品性に優れ、熱溶融しないという優れた特性を有するものの、従来技術においては絶縁破壊の強さが低い紙しか得られなかったため、多数重ねたとしても電気絶縁材料として実用的に用いることができなかった。一方で、各種電子機器の高性能化に伴う高出力化と小型化の要求の中、機器中の絶縁層の耐熱性と共にコンパクト化が大きな課題となっており電気絶縁紙の絶縁破壊の強さの向上による薄葉化が求められている。
特開昭63−152499号公報(第13〜14頁) 特開2006―225807号公報(第19〜20頁) 特開2006−16585号公報(第20〜26頁) 特開2006−257618号公報(第15頁)
本発明の課題は、上記従来技術の問題点であった絶縁破壊の強さが改善された優れた絶縁性を持つPPSOの紙を提供し、各種電気絶縁材料としても利用可能な耐熱性、耐薬品性に優れ、不融性であるPPSOの紙を提供することにある。
前記した本発明の課題は、ポリアリーレンスルフィド酸化物で構成される絶縁破壊の強さが10kV/mm以上かつ密度0.50g/cm以上の紙、によって達成できる。
本発明のPPSOの紙は優れた耐熱性、耐薬品性、不融性に加えて絶縁破壊の強さの値が高く、かつそのバラツキが少なく絶縁性に優れるため、各種ケーブルや電線の被覆、プリント回路基板、モーターや変圧器などで使われる電気絶縁紙として利用することができる。また高い電気絶縁性を有することから電気絶縁紙が使用されている各種機器類の絶縁層のコンパクト化を可能にし、その性能向上に寄与する。
以下、本発明のPPSOの紙について詳細に説明する。
本発明におけるPPSOとは、
下記一般式(1)
Figure 2008156782
(R’’は、水素、ハロゲン、原子価の許容される範囲で任意の官能基により置換された脂肪族置換基、芳香族置換基で置換された脂肪族置換基のいずれかを表し、分子間のR’’同士が互いに連結して架橋構造を形成していてもよい。またR’’はPPSOからなるポリマー鎖でもよい。R’’’はPPSOからなるポリマー鎖を示し、mは0〜3のいずれかの整数を表す。また、Xは0、1、2のいずれかを表す。)で示される繰り返し単位からなるポリマー、または、主要構造単位としての上記繰り返し単位と、上記繰り返し単位1モル当たり1.0モル以下、好ましくは0.3モル以下の一般式(2)〜(8)
Figure 2008156782
Figure 2008156782
Figure 2008156782
Figure 2008156782
Figure 2008156782
Figure 2008156782
Figure 2008156782
(R’’は、水素、ハロゲン、原子価の許容される範囲で任意の官能基により置換された脂肪族置換基、芳香族置換基で置換された脂肪族置換基のいずれかを表し、R’’’’は、原子価の許容される範囲で任意の官能基により置換された脂肪族置換基を表し、分子間のRまたはR’同士が互いに連結して架橋構造を形成していてもよい。また、R’’、R’’’’はPPSOからなるポリマー鎖でもよい。R’’’はPPSOからなるポリマー鎖を示し、mは0〜3のいずれかの整数を表し、nは0〜2のいずれかの整数を表す。また、Xは0、1、2のいずれかを表す。)で示される繰り返し単位とからなる共重合体からなる固体物品である。また、一般式(1)で示される繰り返し単位のうち、Xが0、1、2である構造単位中に占める、Xが1または2である構造単位の比率は、0.5以上0.9以下が好ましく、さらに好ましくは0.7以上0.9以下である。
また、本発明のPPSOは示差走査熱量計(DSC)の測定において融解ピークが実質的に認められない。実質的に融解ピークが観察されないとは、具体的には、15J/g以下、好ましくは10J/g以下、より好ましくは5J/g以下、特に好ましくは1J/g以下の融解熱量を有するPPSOを意味し、この範囲において耐熱性、耐薬品性に関して特に優れた特性を有する。これは、紙の状態で高温下でも十分な強度を保持するだけでなく、融解によるピンホールの発生に伴う絶縁破壊を防ぐ上で重要な要素になる。
ここで、DSC測定条件は、窒素雰囲気下、窒素流量20mL/分において、示差走査熱量計(パーキンエルマー社製DSC)を用い、サンプル量5mg〜10mgの範囲内で、温度プログラムを30℃〜500℃(30℃から10℃/分昇温で340℃まで昇温)と設定し、測定した時の融解熱量である。
本発明でいう絶縁破壊の強さとは実施例F.項に記載する方法により求められる値である。10kV/mm以上とすることで変電器やモーターなどの高電圧下で使用される絶縁紙の用途へも展開が可能となる。絶縁性の信頼の観点から、絶縁破壊の強さは好ましくは20kV/mm以上、より好ましくは30kV/mm以上、最も好ましくは40kV/mm以上である。なお、絶縁破壊の強さには特に上限値はないが、現時点で到達可能である上限値としては100kV/mm程度である。
本発明でいう密度とは実施例E.項に記載する方法により求められる値であり、本発明の紙の密度は0.50g/cm以上である。密度を0.50g/cm以上とすることで紙の紙面方向および厚み方向における繊維間の空隙が潰れ、繊維間の摩擦が大きくなることで紙の強度が向上し、取り扱い性が向上する。また絶縁破壊の強さのバラツキが低減される。強度向上および絶縁破壊の強さのバラツキ低減、および樹脂含浸を可能とする目的で紙の密度は好ましくは0.70g/cm以上1.4g/cm以下、より好ましくは0.80g/cm以上、1.3g/cm以下である。なお、
上述のような絶縁破壊の強さに優れ、密度が高い紙を得る上で重要な技術は予め酸化処理したPPSOを抄紙して、プレス前の通気度が1.0cc/cm/sec以下である緻密なPPSOの紙を得た後に高温、高圧下でプレスを行なうことである。通気度が1.0cc/cm/sec以下の紙を用いることで繊維間のわずかな空隙をプレスによる圧着でつぶすことが可能となり絶縁破壊の強さが向上する。また、高温高圧下でのプレスにより紙の紙面方向および厚み方向に存在する空隙が潰れるため高密度化が達成される。
なお、PPSOはその優れた耐熱性、不融性のため加熱により変形しにくく、通常の抄紙工程におけるプレス温度、圧力下では紙の密度向上効果が十分得られない。このためPPSOの紙の密度向上のためには高温かつ特に高圧下でのプレスが必要となる。変形を容易にし、紙の厚みを薄くする目的でプレス温度としては200℃以上が好ましく、より好ましくは250℃以上である。同様の目的からプレス圧力は平板プレスでは10MPa以上が好ましく、より好ましくは20MPa以上、最も好ましくは50MPa以上である。またカレンダープレスにおいては、プレス圧力は1kN/cm以上が好ましく、より好ましくは10kN/cm以上である。平板プレスの際のプレス時間としては紙面全体に熱を伝え変形を可能とし、紙の熱劣化を避けるため平板プレスの場合は1分間以上30分未満、より好ましくは3分以上10分未満である。カレンダープレスの際のプレス回数としては同様の理由から2回以上10回未満が好ましい。なお、本発明でいう通気度とは実施例C.項に記載する方法により求められる値である。
本発明における紙とは、繊維状、粉状、フィブリル状のPPSOのいずれか、または組み合わせを使用し、公知の抄紙技術によりシート状に形成したものを指す。組み合わせについては、抄紙でできる紙の通気度が1.0cc/cm/sec以下であればどのような組み合わせ、混率でも構わない。絶縁破壊の強さ向上の目的と紙からの脱落防止の観点から、用いる繊維は直径5nm以上15μm以下が好ましく、より好ましくは10nm以上10μm以下、最も好ましくは50nm以上5μm以下が好ましい。同様の理由により粉は直径10nm以上5μm以下が好ましく、より好ましくは100nm以上1μm以下である。
なお、上記フィブリル状のPPSOとは、直径1μm以下、アスペクト比が3:1以上にひげ状に伸びた部分を有する繊維状、粉状、膜状のPPSOまたは、厚み1μm以下で1mm以下のサイズを持つ膜状のPPSOである。
繊維状、粉状のPPSOは繊維状、粉状のPPSを公知の酸化処理法で酸化することで得られる。また、フィブリル状のPPSOを得る方法としては、たとえば公知の技術(特開2006−257618号公報)で得られるPPSナノファイバーからなるトウを酸化して得られるPPSOナノファイバーを数mmの長さにカットしたものを水中で叩解することで、ある部分ではナノファイバーが束状に集合し、ある部分では先分かれした繊維が得られる。
本発明における紙は、より高い絶縁破壊の強さを得る目的で好ましくはフィブリル状のPPSOを10重量%以上、より好ましくは50重量%以上、最も好ましくは75重量%以上含む。このようなフィブリル状のPPSOを多く含むことで、通常の繊維や粉と比較して繊維間隙を効率的に埋めることが可能であり、低目付でも均一に目の詰まった緻密な紙が得られ、絶縁破壊の強さの向上につながる。また、フィブリル状のPPSOは表面積が大きいために粉の保持性が良く抄紙の収率が向上し、さらに繊維間の結合を高めるために紙の強度が向上する。
本発明の紙の厚みとしては用途に合わせて5μm〜1mmの範囲で選択可能である。なお、本発明でいう厚みとは実施例D.項に記載する方法により求められる値である。
本発明の紙の坪量としては用途に合わせて10〜900g/mの範囲で選択可能である。なお、本発明でいう坪量とは実施例E.項に記載する方法により求められる値である。
本発明の紙の通気度はより高い絶縁破壊の強さを得る目的で0.10cc/cm/sec以下であることが好ましい。より好ましくは0.05cc/cm/sec以下であることが好ましい。
本発明の紙の引張強度は取り扱い性の観点から10N/15mm以上であることが好ましい。より好ましく20N/15mm以上、最も好ましくは50N/15mm以上である。なお、本発明でいう引張強度とは実施例H.項に記載する方法により求められる値である。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。なお実施例中の各特性値は次の方法で求めた。
A.融点
サンプル10mgを示差走査熱量計(パーキンエルマー社製DSC)で窒素下、昇温速度10℃/minで昇温し、観察される主吸熱ピークがあらわれる温度を測定することにより行った。
B.粘度
東洋精機社製キャピログラフ1Bを用い、ズリ速度1000sec−1での見かけ粘度を測定した。
C.通気度
JIS−L−1906(2000年改正)フラジール型法に準じて、1サンプルにつき10cm角にカットした紙片8枚を使い23℃、相対湿度50%下でテクステスト社製の通気性試験機FX3300で試験圧力125Paで試験片を通過する空気量(cc/cm/sec)の測定を有効数字2桁で行い、得られた8つの値の平均値を有効数字2桁で求め、通気度(cc/cm/sec)として得た。なお、平均値が0.05(cc/cm/sec)未満となる場合、通気度の値は0.05(cc/cm/sec)未満とした。
D.厚み
JIS−L−1906(2000年改正)の試験法に準じて荷重10kPaで、23℃、相対湿度50%下で10cm角の紙片各1枚について紙面の角4点と中央部1点の計5箇所の厚みを0.001(mm)のオーダーまで測定した。5箇所で測定した結果の平均の値を求め、0.1μmのオーダーを四捨五入した値を厚みL(μm)とした。同一のサンプルに関して10cm角の紙片8枚から得られる厚みL(μm)の8つの値をさらに平均したものを求め、0.1μmのオーダーを四捨五入した値を平均厚みLmean(μm)とした。
E.坪量、密度
1サンプルにつき10cm角にカットした紙片8枚の合計重量(g)を23℃、相対湿度50%で測定し、紙面の面積である0.08mで除して、有効数字3桁で坪量(g/m)を算出した。また、この坪量の値を上記D.項で測定した平均厚みLmeanをcm単位にした値で除して有効数字2桁で密度(g/cm)を算出した。
F. 絶縁破壊の強さ
1サンプルにつき10cm角にカットした紙片8枚のうち任意の5枚を使用し、JIS−K−6911(2006年改正)の試験方法に準じて、電極として上部φ5mm球状電極、下部φ10mm円板電極を使用して23℃、相対湿度50%の大気中にて、電圧上昇速度0.25kV/secにて測定を行い、絶縁破壊電圧の値を0.1kVのオーダーまで得た。得られた絶縁破壊電圧の値を各々の紙の厚みLの値をmm単位にした値で割って得られた5つの値I(kV/mm)を平均した値Imeanを有効数字2桁で求め、絶縁破壊の強さ(kV/mm)とした。
G.形態観察
抄紙に使ったPPSOと基準目盛りを走査型電子顕微鏡(ニコンESEM−2700)で150倍、400倍、3千倍、1万倍に拡大してPPSOの全体的な形状を把握し、粉状であれば粒径、繊維状であれば直径、フィブリル状物であればひげ状に伸びた部分の直径とアスペクト比を確認した。
H.引張強度
23℃、相対湿度50%の雰囲気下でオリエンテック社製テンシロンUCT−100を用いて、試料幅15mm、初期長20mm、引張速度20mm/minで最大点荷重の値を測定し、5回の測定の平均値を有効数字2桁で求め、引張強度(N/15mm)とした。
[参考例1]
(PPSの合成)
攪拌機付きオートクレーブに硫化ナトリウム9水塩25モル、酢酸ナトリウム2.5モルおよびN−メチル−2−ピロリドン(以下NMPと略す)を仕込み、窒素を通じながら徐々に205℃まで昇温し、水を留出した。次に反応容器を180℃に冷却後、1,4−ジクロロベンゼン25.3モルならびにNMPを加えて、窒素下に密閉し、270℃まで昇温後、270℃で2.5時間反応した。冷却後、反応生成物を温水で5回洗浄し、次に100℃に加熱されNMP中に投入して、約1時間攪拌し続けたのち、濾過し、さらに熱湯で数回洗浄した。これを90℃に加熱されたpH4の酢酸水溶液25リットル中に投入し、約1時間攪拌し続けたのち、濾過し、濾液のpHが7になるまで約90℃のイオン交換水で洗浄後、80℃で24時間減圧乾燥してPPS樹脂を得た。該PPS樹脂は融点282℃、温度320℃での粘度200Pa・sであった。
[参考例2]
(フィブリル状PPSOの作成)
参考例1で得られたPPS樹脂を融点が252℃、温度320℃での溶融粘度100Pa・sのポリエチレンテレフタレートを40:60(重量比)の割合で300℃の2軸混練機で混練しアロイポリマーを得た。このアロイポリマーを既存の単成分紡糸機を用い320℃の温度で紡糸を行った。このとき、吐出量35g/分、チムニーは温度25℃、風速25m/分、収束剤として一般的な油剤を塗布し、紡糸速度1000m/分で引き取り、350.7dtex36フィラメントのPPSアロイ未延伸糸を得た。さらにこの未延伸糸を第1ホットローラー温度が90℃、第2ホットローラー温度が150℃のローラー間で3.5倍で延伸して100dtex36フィラメントのPPSアロイ延伸糸を得た。この延伸糸は強度3.8cN/dtex、伸度40%であった。
この延伸糸をカセ状で、温度98℃、濃度10%の水酸化ナトリウム水溶液に3時間浸してポリエチレンテレフタレートを溶出除去しPPSの極細繊維集合体を得た。
この極細繊維集合体185gを、あらかじめ混合し60℃に保った99.0%酢酸1732g(キシダ化学製)、35%過酸化水素水577g(キシダ化学製)、95%硫酸144g (和光純薬工業製)の混合溶液に浸漬させて60℃、2時間酸化反応処理したところ、重量は24.3%増加し、PPSの酸化物であるPPSOの極細繊維集合体230gを得た。
この極細繊維集合体を2mmの長さにカットしたもの30gを、熊谷理機工業製の試験用ナイアガラビーター(No.2505)を使用して、水20L中で5分間叩解した後、熊谷理機工業製の自動式PFIミル(No.2511−B)を使用して叩解荷重9kg、叩解間隙0.2mm、ロール回転回数9000回の条件で叩解を行った。得られた叩解繊維は水を多量含んでおり、乾燥重量の測定から繊維濃度は10wt%であった。
得られた叩解繊維の形態を走査型電子顕微鏡で確認したところ、極細繊維が集合してフィブリル状となっており、極細繊維が分岐して直径が数10〜数100nmでアスペクト比が1:10以上のひげ状に伸びている部分が多数存在し、フィブリル状のPPSOが得られていた。このようにして得られたフィブリル状PPSOをDSCで測定したところ、実質的に融点を持たず耐熱性良好であった。
[参考例3]
(繊維状PPSOの作成)
参考例1で得られたPPS樹脂のみを使って公知の紡糸機を用い、参考例2と同様な条件で吐出量を変更し溶融紡糸して1dtexのPPS延伸糸を得た。このPPS延伸糸を5mm長にカットして参考例2と同様に酸化反応させ、繊維状のPPSOを得た。得られた繊維をDSCで測定したところ、実質的に融点を持たず耐熱性良好であった。
[参考例4]
(粉状PPSOの作成)
参考例1で得られたPPS樹脂3.8gにNMP330gを加えて、窒素下に密閉し、270℃まで昇温後、270℃で10分間溶解した。その後400rpmで攪拌しながら10℃/分で急速冷却し、180℃到達時点で水98gを投入し、引き続き60℃まで冷却した。冷却後には非常に細かい粒子が分散した液体が得られた。この分散液を遠心分離して粒子を沈殿させ、沈殿を70℃の温水中で30分間攪拌して洗浄し、また遠心分離により沈殿する洗浄操作を5回繰り返した。洗浄後の沈殿を乾燥させたところ、粉状のPPSが得られた。この粉状PPSを参考例2と同様に酸化反応させて粉状のPPSOを得た。このサンプルの形状を走査型電子顕微鏡で観察したところ、直径数100nmの球状に近い微粒子であった。得られた粉状のPPSOをDSCで測定したところ、実質的に融点を持たず耐熱性良好であった。
実施例1
参考例2で作成した含水状態の叩解繊維155gと第一工業製薬製のカチオン系分散剤(シャロールDC−303P:分子量30、000)123gを1リットルの水と共にブレンダー(オスター社「オスターブレンダーOB−1」)にて撹拌速度10300rpmで30分間撹拌して分散液を得た。
得られた分散液を熊谷理機工業製の実験用抄紙機(25cm角のシート形成可能な角形シートマシン)の容器に入れ、水を追加し20リットルの調製溶液とした後に150メッシュの金属製の網上に抄紙を行なった。得られた紙を25cm角のアドバンテック(株)製濾紙#2(5μm)上に転写し、これをドラム式乾燥機で乾燥後、濾紙からシートを剥離し、フィブリル状PPSO100重量%からなる紙を得た。この紙の通気度を測定した結果を表1に示す。
この紙を同様の手順で2枚作成し、各々の紙片から10cm角の紙を4枚切り出して温度200℃、圧力60MPa、処理時間3分で平板プレスを行なった。得られた紙の平均厚み、坪量、密度、通気度、絶縁破壊の強さImean、引張強度の値を表1に示す。紙の密度は高く、絶縁破壊の強さと引張強度に優れていた。また、平均する前の個々の絶縁破壊の強さの値Iのバラツキは小さく、10kV/mm未満の低い値はなかった。
実施例2
参考例2で作成した含水状態の叩解繊維77.5gと参考例3で作成した繊維状PPSO7.75gを使って実施例1と同様にして分散液を得て抄紙し、フィブリル状PPSO50重量%と繊維状PPSO50重量%からなる紙を得た。この紙の通気度の値を表1に示す。
この紙を同様の手順で2枚作成し、各々の紙片から10cm角の紙を4枚切り出して実施例1と同様にプレス処理を行って得られた紙の平均厚み、坪量、密度、通気度、絶縁破壊の強さImean、引張強度の値を表1に示す。紙の密度は高く、絶縁破壊の強さと引張強度に優れていた。また、平均する前の個々の絶縁破壊の強さの値Iのバラツキは小さく、10kV/mm未満の低い値はなかった。
実施例3
参考例2で作成した含水状態の叩解繊維15.5gと参考例3で作成した繊維状PPS14.0gを使って実施例1と同様にして分散液を得て抄紙し、フィブリル状PPSO10重量%と繊維状PPSO90重量%からなる紙を得た。この紙の通気度の値を表1に示す。
この紙を同様の手順で2枚作成し、各々の紙片から10cm角の紙を4枚切り出して得られた紙を鉄ロールとペーパーロールからなるカレンダー加工機に通した。カレンダー条件は、温度250℃、荷重は10cm幅のペーパーに対して29kNで圧力2.9kN/cm、ロール周速度2m/minであり、3回通した。得られた紙の平均厚み、坪量、密度、通気度、絶縁破壊の強さImean、引張強度の値を表1に示す。紙の密度は高く、絶縁破壊の強さと引張強度に優れていた。また、平均する前の個々の絶縁破壊の強さの値Iのバラツキは小さく、10kV/mm未満の低い値はなかった。
実施例4
参考例2で作成した含水状態の叩解繊維77.5gと参考例3で作成した繊維状PPSO7.02g、参考例4で作成した粉状PPSO0.78gを使って実施例1と同様にして分散液を得て抄紙し、フィブリル状PPSO50重量%、繊維状PPSO45重量%、粉状PPSO5重量%からなる紙を得た。この紙の通気度の値を表1に示す。
この紙を同様の手順で2枚作成し、各々の紙片から10cm角の紙を4枚切り出して実施例3と同様にして温度250℃、荷重210kNで圧力21kN/cm、ロール周速度2m/minでプレス処理を行って得られた紙の平均厚み、坪量、密度、通気度、絶縁破壊の強さImean、引張強度の値を表1に示す。紙の密度は高く、絶縁破壊の強さと引張強度に優れていた。また、平均する前の個々の絶縁破壊の強さの値Iのバラツキは小さく、10kV/mm未満の低い値はなかった。
比較例1
実施例3で得られた繊維状PPSO15.5gを使って実施例1と同様にして分散液を得て抄紙し、繊維状PPSO100重量%からなる紙を得た。この紙の通気度は表1に示すとおり、実施例1〜4に比べて非常に大きかった。
この紙を同様の手順で2枚作成し、各々の紙片から10cm角の紙を4枚切り出して実施例1と同様にプレス処理を行って得られた紙の平均厚み、坪量、密度、通気度、絶縁破壊の強さImean、引張強度の値を表1に示す。紙の密度は低く、引張強度に優れているものの、絶縁破壊の強さの値は低く絶縁紙として実用に耐えないものであった。なお、絶縁破壊の強さの値が低い理由としては、プレス前後で紙の通気度の値が大きく、プレス後の紙の密度が低いことから、繊維間の空隙が大きすぎるため、プレス後も繊維間の空隙が残存しており、絶縁性が低下したものと推測される。
比較例2
参考例1で得られたPPS樹脂と融点が252℃、温度320℃での溶融粘度100Pa・sのポリエチレンテレフタレートを30:70の割合で300℃の2軸混練機で混練しアロイポリマーを得た。このアロイポリマーを既存の単成分紡糸機を用い320℃の温度で紡糸を行った。このとき、吐出量35g/分、チムニーは温度25℃、風速25m/分、収束剤として一般的な油剤を塗布し、紡糸速度1000m/分で引き取り、350.7dtex36フィラメントのPPSアロイ未延伸糸を得た。さらにこの未延伸糸を第1ホットローラー温度が90℃、第2ホットローラー温度が150℃のローラー間で3.5倍で延伸して100dtex36フィラメントのPPSアロイ延伸糸を得た。この延伸糸を5mm長さにカットした後、温度98℃、濃度10%の水酸化ナトリウム水溶液に3時間浸しポリエチレンテレフタレートを溶出除去しPPSのナノファイバーを得た。
このナノファイバーを酢酸800mL (関東化学社製)、過ホウ酸ナトリウム4水和物 46.16g (0.30mol;三菱ガス化学社製) を反応容器に投入し、60℃で攪拌・溶解させた。次に、ポリフェニレンスルフィドナノファイバー4gをその反応溶液に浸漬させて60℃、10時間酸化反応処理したところ、重量は24.3%増加し、5gのPPSナノファイバーの酸化物である、PPSOナノファイバーを得た。このように得られたPPSOナノファイバーは実質的に融点を持たず耐熱性良好な繊維であった。
同様な方法でPPSOナノファイバー20gを製造し、50リットルのナイアガラビーターを用いて水を20リットルとして分散を試みたところ、15分程度でナノファイバーは分散してパルプ状物を得ることができた。
この分散液4リットルを、大きさ25cm×25cmで高さ40cmの熊谷理機工業製の手漉き抄紙機に投入し、さらに水を追加するとともに、ポリビニルアルコールの糊剤を若干量添加して、さらに攪拌した。手漉き抄紙機の水を抜き、金網上に残った紙を濾紙に転写して、濾紙ごとジャポー製乾燥機に温度125℃、速度0.5m/minにて投入し、乾燥処理をした。
この紙を同様の手順で2枚作成し、得られた紙を鉄ロールとペーパーロールからなるカレンダー加工機に通した。カレンダー条件は、温度100℃、荷重は25cm幅のペーパーに対して1kNで圧力0.04kN/cm、荷重は、ロール周速度2m/minであり、3回通しとした。上記の様にして、実施例1〜4と厚み同等のPPSOナノファイバーの紙を得た。プレス後の各々の紙片から10cm角の紙を4枚切り出して実施例1と同様にプレス処理を行って得られた紙の平均厚み、坪量、密度、通気度、絶縁破壊の強さImean、引張強度の値を表1に示す。
表1に示すとおり、この紙の引張強度は低く実用に耐えないものであった。また、絶縁破壊の強さImeanは10kV/mm以上であるものの平均する前の個々の値Iのバラツキが大きく、サンプルによっては10kV/mm未満と低い部分があるため絶縁紙として実用に耐えないものであった。紙の密度が実施例1〜4と比べて低いことからも熱プレスが不十分であり、紙の緻密性が低いために引張強度が低く、また絶縁破壊の強さにバラツキが生じたと推測される。
比較例3
比較例2と同様にして、得たPPSOナノファイバーの分散液15.5リットルを使用して抄紙し、PPSOナノファイバーからなる紙を得た。
この紙を同様の手順で2枚作成し、比較例2と同様にカレンダープレス加工を行い、実施例1と坪量が同等の紙を得た。プレス後に各々の紙片から10cm角の紙を4枚切り出して測定した紙の平均厚み、坪量、密度、通気度、絶縁破壊の強さImean、引張強度の値を表1に示す。
表1に示すとおり、この紙の引張強度は低く実用に耐えないものであった。また、絶縁破壊の強さImeanは10kV/mm以上であるものの平均する前の個々の値Iのバラツキが大きく、サンプルによっては10kV/mm未満と低い部分があるため絶縁紙として実用に耐えないものであった。紙の密度が実施例1〜4と比べて低いことからも熱プレスが不十分であり、紙の緻密性が低いために引張強度が低く、また絶縁破壊の強さにバラツキが生じたと推測される。
Figure 2008156782
本発明のPPSOの紙は優れた耐熱性、耐薬品性、不融性に加えて絶縁性に優れるため、各種ケーブルや電線の被覆、プリント回路基板、モーターや変圧器などで使われる電気絶縁紙として利用することができる。また高い電気絶縁性を有することから電気絶縁紙が使用されている各種機器類の絶縁層のコンパクト化を可能にし、その性能向上に寄与する。

Claims (1)

  1. ポリアリーレンスルフィド酸化物で構成される絶縁破壊の強さが10kV/mm以上、かつ密度0.50g/cm以上の紙。
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