JP2008154933A - 高周波コイル及び磁気共鳴撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】磁気共鳴信号を高精度かつ効率的に受信可能な高周波コイルを提供する。
【解決手段】受信用コイル10では、複数のループコイルユニット501〜504が2次元マトリクス状に配置されており、x軸、y軸方向に隣接するループコイルユニット間の一部が重なり合うように構成されている。隣接するループコイルユニットは、重なり合っている部分の中心点に配置された連結部511〜514により、1箇所で回転可能に連結されている。このようにすれば、連結されたループコイルユニットのうち、一方のループコイルユニットを、他方のループコイルユニットに対して、上記回転軸を中心に回転させ、受信コイル全体を変形させたとしても、その重なり部分の面積はほとんど変わらないので、隣接するコイル間に生じる相互誘導の中和状態を常に一定とすることができる。
【選択図】図1
【解決手段】受信用コイル10では、複数のループコイルユニット501〜504が2次元マトリクス状に配置されており、x軸、y軸方向に隣接するループコイルユニット間の一部が重なり合うように構成されている。隣接するループコイルユニットは、重なり合っている部分の中心点に配置された連結部511〜514により、1箇所で回転可能に連結されている。このようにすれば、連結されたループコイルユニットのうち、一方のループコイルユニットを、他方のループコイルユニットに対して、上記回転軸を中心に回転させ、受信コイル全体を変形させたとしても、その重なり部分の面積はほとんど変わらないので、隣接するコイル間に生じる相互誘導の中和状態を常に一定とすることができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、高周波の磁気共鳴信号を受信するための高周波コイル及び該高周波コイルを備える磁気共鳴撮像装置に関し、特に、隣接する表面コイルのコイル面の一部が互いに重なるように、複数の表面コイルが配置された高周波コイル及び該高周波コイルを備える磁気共鳴撮像装置に関する。
磁気共鳴撮像装置(Magnetic Resonance Imaging:MRI、以下、「MRI装置」と略述する。)は、被検体から発生する高周波の磁気共鳴信号を受信するための受信用高周波コイルを備えている。微弱な磁気共鳴信号を感度良く受信するためには、受信用高周波コイルを、被検体の撮像対象となる診断部位(関心領域)近傍に配置する必要がある。このため、MRI装置では、受信用コイルの形状を、できるだけ被検体の撮像部位の体表形状に沿ったものとするのが望ましい。被検体の体表形状は、診断する部位(例えば、肩部や頭部など)毎に異なるため、MRI装置では、その部位の形状にそれぞれ適合した形状を有する専用の受信コイルが設けられている。
このような受信用の高周波コイルとしては、複数の表面コイルが配列状に配置されたものがよく用いられている(例えば、特許文献1参照)。一般的に、複数の表面コイルは、全体の形状が、被検体の撮像部位の体表形状にフィットするように(すなわち、各表面コイルのコイル面が被験者の体表面の法線方向に直交するように)、配置されている。このような高周波コイルを用いれば、同じ診断部位から発せられる磁気共鳴信号を、複数の表面コイルを介して多方面から検出し、その検出結果を組み合わせることにより、極めて鮮明な画像を再構成することができるようになる。
このような方式のコイルを採用する際に考慮されなければならないのが、コイル相互間の相互誘導である。この相互誘導によりコイルに生じた電流信号が、検出すべき磁気共鳴信号に対するノイズ成分となるからである。特許文献1等の高周波コイルでは、相互誘導に起因するノイズ成分を低減すべく、隣接する表面コイル同士のコイル面が一部重複するように配置されている。隣接するコイル同士のコイル面に重複部分を設けておけば、相互誘導によって生じる磁束を、隣接するコイルの磁束によって相殺することができるようになり、相互誘導によって発生する電流を低減して、ノイズ成分を抑制することができるようになるからである。
上述したようなMRI装置では、個々の診断部位にそれぞれ専用の受信用コイルが設けられているため、診断部位を変更するごとに受信用コイルを交換する必要があった。このような交換作業は、MRI装置のオペレータ(すなわち、医師や技師)にとって非常に煩わしいものであるうえ、その交換作業分だけ、装置の使用時間が延びてしまうという不都合があった。また、受信用コイルを多数備える必要があることから、装置コストが割高となってしまうという不都合もあった。
これらの不都合を解決するためには、受信用コイルの形状をフレキシブルなものとして、診断部位を変更する際には、受信コイルの形状を変更するだけでよいようにし、そのコイルを異なる診断部位間で共通に使用できるようにするのが望ましい。しかしながら、複数の表面コイルが配置された受信用コイルでは、コイル全体の形状を変更すると、隣接する表面コイルの位置関係が相対的に変化し、その位置関係が変化するにつれてコイル面の重複部分の面積も変動してしまう。この重複部分の面積が変動すると、表面コイル周辺の磁場の状態が変化して、上述した磁束の相殺によるノイズ抑制の効果が十分に得られなくなるという不都合があった。
そこで、本発明は、高周波の磁気共鳴信号を高精度に受信するための高周波コイルを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、隣接する表面コイルのコイル面の一部が互いに重なるように、複数の表面コイルが配置された高周波コイルにおいて、隣接する表面コイル間の相対位置関係を変更しても、コイル面の重複部の面積の変動が所定範囲内となるように、隣接する表面コイルを連結する連結部を備えることを特徴とする高周波コイルである。
また、請求項6に記載の発明は、本発明の高周波コイルを備える磁気共鳴撮像装置である。
請求項1に記載の発明によれば、高周波コイル全体の形状を変更して、その高周波コイルの受信感度領域を診断部位にフィットさせたとしても、コイル面の重複部の面積の変動が所定範囲内に収まるようになり、隣接するコイル間に生じる相互誘導の中和状態を常に一定とすることができるようになる。この結果、高周波コイル全体の形状を変更しても、高いS/N比を維持したまま、磁気共鳴信号を受信することが可能となる。
また、請求項6に記載の発明によれば、高周波コイルの受信感度領域を複数の異なる診断部位に合せることができるようになるので、異なる診断部位からの磁気共鳴信号を受信する高周波コイルを共通化することができるようになる。このため、診断部位毎、患者毎に、高周波コイルの交換作業の頻度を減らすことができるようになり、装置のオペレータの負担が軽減されるうえ、全体の診断時間を短縮することができるようになる。さらに、高周波コイルを多数備える必要がなくなるため、装置コストが低減されるようになる。
本発明の一実施形態について、図1〜図11を参照して説明する。
図1には、本実施形態に係る磁気共鳴撮像装置(以下、「MRI装置」と略述する)に用いられる、磁気共鳴信号の受信用コイル10の外観図が示されている。図1に示されるように、受信コイル10は、4つのループコイルユニット501、502、503、504と、4つの連結部511、512、513、514と、4つの基板ケース521、522、523、524と、4本の接続ケーブル531、532、533、534と、接続コネクタ54とを含んで構成されている。
ループコイルユニット501〜504は、それぞれが、xy平面をそのコイル面とする、八角形状のコイルユニットである。ループコイルユニット501〜504のサイズは、例えば、x軸方向に15cm、y軸方向に15cmとなっており、厚みが1cm程度となっている。
図2には、図1のA−A’断面図(すなわちループコイルユニット501の一部の断面図)が示されている。図2に示されるように、ループコイルユニット501は、コイルトレース基板502と、絶縁補強用板5041、5042と、外装カバー5061、5062とを備えている。なお、ループコイルユニット501〜504は、八角形状には限られず、ループコイルユニット501〜504の形状は、略円形状であればよい。すなわち、ループコイルユニット501〜504の形状は、円形であってもよいし、九角形、十角形・・・というような略円形とみなすことができる他の多角形であってもよい。
コイルトレース基板502の厚みは、例えば0.2mm程度である。コイルトレース基板502上には、xy平面をコイル面とするコイルパターンが形成されている。コイルトレース基板502は、可撓性を有する基板であり、例えばFPC(フレキシブルプリント基板)である。コイルパターンを含むコイルトレース基板502は、いわゆるLC受信回路として構成されており、被検体からの磁気共鳴信号を受信可能に構成されている。
絶縁補強用板5041、5042は、コイルトレース基板502を保護及び補強するために、コイルトレース基板502を挟み込むように設けられている。絶縁補強用板5041、5042は、可撓性を有し、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)材で形成されている。
外装カバー5061、5062は、一体として、コイルトレース基板502と、絶縁補強用板5041、5042とを覆って、それらを外部から保護している。外装カバー5061、5062は、可撓性を有し、例えば、発泡材で熱成形されたものである。
コイルトレース基板502が例えばFPCで構成され、絶縁補強用板5041、5042が例えばPET材で形成され、外装カバー5061、5062が例えば発泡材で熱成形されているため、ループコイルユニット501は、全体として可撓性を有するコイルとなっている。ループコイルユニット502、503、504もループコイルユニット501と同様な構成となっている。なお、ループコイルユニット501〜504は、全体として可撓性を有していればよく、個々の構成要素の材質等は、上述したものには限られない。
4つの連結部511〜514は、Z軸に平行な回転軸を有する連結部であり、ループコイルユニット501とループコイルユニット502とをxy平面内で回動可能に連結する。図3には、図1のB−B’断面図が示されている。この断面部分には、連結部511が含まれている。
連結部511は、樹脂製円筒510と、樹脂製リベット512とを備えている。ループコイルユニット501、ループコイルユニット502には、同じxy位置にz軸方向に平行な貫通孔が設けられている。そして、その2つの貫通孔を通して、1本の樹脂製円筒510が差し込まれている。そして、その樹脂製円筒510の内部に、樹脂製リベット512が挿入されている。この樹脂製円筒510と樹脂製リベット512とにより回転軸が構成されており、この回転軸を中心にして、ループコイルユニット501と、ループコイルユニット502とがXY平面内を回動可能となっている。
ループコイルユニット501とループコイルユニット502との間は、連結部511のみによって連結されているため、それらを中心として、一方のユニットに対し、他方のユニットを回転させることにより、互いの相対位置関係(各ユニットの中心点の相対位置)を調整することが可能となっている。
最も重要な点は、この回転軸が、ループコイルユニット501と、ループコイルユニット502との重なり部分の中心に位置するように設けられていることである。
図4〜図6には、ループコイルユニット501に対するループコイルユニット502の相対位置の変化の様子が模式的に示されている。図4〜図6には、ループコイルユニット501の中心点と連結部511の回転軸の中心O3とを結ぶ線分Dと、ループコイルユニット502の中心点と連結部511の中心点とを結ぶ線分Eとが示されている。
図4では、線分Dと線分Eとのなす角度が180度となっている。本実施形態では、この状態を基準とする。この状態で、ループコイルユニット501のコイル面と、ループコイルユニット502のコイル面との重複している部分を重複部Cとし、この状態での、重複部Cの面積をC1とする。
図5では、ループコイルユニット501を、ループコイルユニット502に対して、連結部511の回転軸O3を中心にθだけ回転させたときの様子が示されている。ここでのθは、後述するように、0°<θ≦45°であるものとする。この状態での重複部Cの面積をC2とする。連結部511の回転軸O3が、重複部Cの中心に設けられているため、この状態での重複部Cの面積C2は、図4の状態の重複部Cの面積C1とほぼ同じとなる。
図6では、ループコイルユニット501を、ループコイルユニット502に対して、連結部511の回転軸O3を中心にθだけ回転させたときの様子が示されている。ここでのθは、後述するように、−45°≦θ<0°であるものとする。この状態での重複部Cの面積をC3とする。この場合においても、連結部511の回転軸O3が、重複部Cの中心に設けられているため、この状態での重複部Cの面積C3は、図4の状態の重複部Cの面積C1とほぼ同じとなる。
θを±45°に範囲に制限した理由について説明する。図7に模式的に示されるように(図7では、説明をわかりやすくするため、コイル形状を円形としている)、ループコイルユニットをさらに回転させて、θをこの範囲外(+45°以上又は−45°以下)とすると、2つのコイルの中心位置O1とO2が近づいていくようになり、重複部Cの面積が急激に増加するようになる。このため、本実施形態では、θを上述のように制限しているのである。
このように、θを、−45°≦θ≦45°とすれば、ループコイルユニット501に対し、ループコイルユニット502を回転させても、重複部Cの面積の変動は、ほぼ同じとなる。これにより、一方のループコイルユニットによって生ずる磁場が他方のループコイルユニットに与える影響が、両者の位置関係の変動に対してほぼ不感となり、θによらず、コイルの相互誘導によるノイズ成分の増大を防止することが可能となる。なお、受信コイル10に、θを上記回転量に制限するリミッタなどの機構を設けるようにしてもよいが、本実施形態の受信コイル10では、4つのループコイルユニットが、配列状に配置されているため、構造上、θは必然的に−45°≦θ≦45°の範囲内となる。
なお、樹脂用円筒510と樹脂用リベット512とで構成されているため、連結部511、512、513、514の回転軸は、若干の柔軟性を有している。さらに、各ループコイルユニットが、可撓性を有しているため、例えば、図8に示されるように、ループコイルユニット間の連結部を手などで持ち上げ、受信コイル10全体を、Z軸方向に変形することも可能である。
このような可撓性を与えると、受信コイル10を様々な形状に変形することが可能となる。
例えば、図9に示されるように、半円筒の側面状に受信コイル10を変形することも可能である。図9では、x軸方向から見たときに、受信コイル10全体が弓状に弧を描くように変形された様子が示されている。このようにすれば、受信コイル10全体の形状を、例えば、被検体の腹部などにフィットさせることができる。この受信コイル10全体の曲率は、ある程度任意に設定することが可能であるため、患者が、成人であっても、児童であっても、それぞれの体表形状に合せてその曲率を設定することができる。
また、例えば、図10に示されるように、図9に示される状態から、さらにX軸方向に沿って、各コイルユニットを撓ませつつ、コイルユニットを連結する連結部を若干回転させることにより、受信コイル10全体を、円錐又は角錐状に変形することが可能である。このようにすれば、受信コイル10全体の形状を、例えば被検体の肩部や、***にフィットさせることができる。この場合でも、円錐又は角錐状の高さは、様々に設定することが可能となっており、患者の体表形状に、その形状をフィットさせることができる。
図1に戻り、基板保護用ケース521には、各ループコイルユニット501内のコイルトレース基板内のコイルパターンと電気的に接続された同調/整合用回路が組み込まれている。そのコイルパターンから出力された磁気共鳴信号は、この同調/整合用回路によって同調/整合され、接続ケーブル531を介して、接続コネクタ54に出力される。基板保護用ケース522、523、524には、各ループコイルユニット502、503、504内のコイルトレース基板502内のコイルパターンと電気的に接続された同調/整合用回路がそれぞれ組み込まれている。
各コイルパターンで受信された磁気共鳴信号は、この同調/整合用回路によって同調/整合され、接続ケーブル532、533、534を介して、基板ケース521に出力される。基板ケース521は、各ループコイルユニット502、503、504からの磁気共鳴信号を中継し、接続ケーブル531を介して接続コネクタ54に出力する。
<磁気共鳴撮像装置>
次に、受信コイル10を備える磁気共鳴撮像装置(以下、「MRI装置」と略述する)について説明する。
次に、受信コイル10を備える磁気共鳴撮像装置(以下、「MRI装置」と略述する)について説明する。
図11には、磁気共鳴撮像装置100の全体構成が概略的に示されている。図11に示されるように、MRI装置100は、静磁場磁石1と、傾斜磁場コイル2と、傾斜磁場電源3と、高周波コイル4と、送信部5と、寝台6と、受信部8と、寝台制御部9と、上述した受信コイル10と、計算機システム30とを備えている。
静磁場磁石1は、中空の円筒形をなし、その円筒形内部の空間に一様な静磁場を発生させる。この静磁場磁石1としては、例えば永久磁石、超伝導磁石等が使用される。
傾斜磁場コイル2は、中空の円筒形をなし、静磁場磁石1の内側に配置される。傾斜磁場コイル2は、互いに直交するX,Y,Zの各軸に対応する3つのコイルから成る。傾斜磁場コイル2は、上記の3つのコイルが傾斜磁場電源3から個別に電流供給を受けて、磁場強度がX,Y,Zの各軸に沿って傾斜する傾斜磁場を発生させる。なお、図1において、Z軸方向は、静磁場と同方向とする。X,Y,Z各軸の傾斜磁場は、スライス選択用傾斜磁場Gs、位相エンコード用傾斜磁場Geおよびリードアウト用傾斜磁場Grにそれぞれ対応される。スライス選択用傾斜磁場Gsは、任意に撮影断面を決めるために利用される。位相エンコード用傾斜磁場Geは、空間的位置に応じて磁気共鳴信号の位相をエンコードするために利用される。リードアウト用傾斜磁場Grは、空間的位置に応じて磁気共鳴信号の周波数をエンコードするために利用される。
高周波コイル4は、中空の円筒形をなし、傾斜磁場コイル2の内側に配置される。この高周波コイル4の内側に、寝台6に載置された被検体Pが挿入される。高周波コイル4は、送信部5から高周波パルスの供給を受けて、高周波磁場を発生させる。また、高周波コイル4は、上記の高周波磁場の影響により被検体Pから放射される磁気共鳴信号を受信する。高周波コイル4は、被検体Pが容易に通過できるような内径を有しており、このために全身用RFプローブとして機能する。
送信部5は、発振部、位相選択部、周波数変換部、振幅変調部および高周波電力増幅部(いずれも不図示)を有している。発振部は、静磁場中における対象原子核に固有の共鳴周波数の高周波信号を発生する。位相選択部は、上記高周波信号の位相を選択する。周波数変調部は、位相選択部から出力された高周波信号の周波数を変調する。振幅変調部は、周波数変調部から出力された高周波信号の振幅を例えばシンク関数に従って変調する。高周波電力増幅部は、振幅変調部から出力された高周波信号を増幅する。そしてこれらの各部の動作の結果として送信部5は、ラーモア周波数に対応する高周波パルスを高周波コイル4に送信する。
受信コイル10は、高周波コイル4の内側に配置される。図11では、受信コイル10は、被検体Pの腹部に配置されている。この場合、受信コイル10は、被検体Pの腹部の体表形状に沿うように、半円筒形状に変形されている。受信コイル10は、被検体Pから放射される磁気共鳴信号を受信する。受信コイル10は、接続コネクタ54を介して、受信部8と接続されており、磁気共鳴信号を受信部8に送信する。
受信部8は、選択器、前段増幅器、位相検波器およびアナログ−ディジタル変換器を有している。選択器は、高周波コイル4および受信コイル10から出力される磁気共鳴信号を選択的に入力する。受信部8は、選択器から出力される磁気共鳴信号を増幅する。位相検波器は、前置増幅器から出力される磁気共鳴信号の位相を検波する。アナログ−ディジタル変換器は、位相検波器から出力される信号をディジタル信号に変換する。
なお、受信部8には、デカップリング回路が組み込まれている。この回路は、例えば、図4〜図6に示される、受信コイル10の変形によって生じる重複部分Cの面積の変動C1、C2、C3の微小な変動によって生じるカップリングを除去可能に構成されている。逆に言えば、受信コイル10内におけるループコイルユニットの重複部分の面積の変動の許容範囲は、このデカップリング回路のカップリングの除去能力に応じて定められるようになる。
寝台制御部9は、移動機構部および移動制御部(いずれも不図示)を有する。移動機構部は、寝台6を高周波コイル4の軸方向、すなわち図1における左右方向に往復移動させる。移動制御部は、後述する順方向移動および逆方向移動を行うように移動機構部を制御する。
計算機システム30は、インターフェイス部30aと、データ収集部30bと、再構成部30cと、記憶部30dと、表示部30eと、入力部30fと、制御部30gとを備えている。
インターフェイス部30aには、傾斜磁場電源3、送信部5、受信部8及び寝台制御部9が接続されている。インターフェイス部30aは、これらの接続された各部と計算機システム30との間で授受される信号の入出力を行う。
データ収集部30bは、受信部8から出力されるループコイルユニット毎に得られる複数チャネルのディジタル信号を、インターフェイス部30aを介して収集する。データ収集部30bは、収集したディジタル信号、すなわち磁気共鳴信号データを、記憶部30dに格納する。
再構成部30cは、記憶部30dに記憶された複数チャネルの磁気共鳴信号に対して、後処理、すなわちフーリエ変換等の再構成を実行し、被検体P内の所望核スピンのスペクトラムデータあるいは画像データを作成する。前述のように、受信コイル10は、被検体Pの体表形状に沿うように変形されており、各チャネルの磁気共鳴信号が感度良く受信されているため、高画質画像が得られるようになる。
記憶部30dは、磁気共鳴信号データと、スペクトラムデータあるいは画像データとを、患者毎、診断部位毎に記憶する。
表示部30eは、スペクトラムデータあるいは画像データ等の各種の情報を制御部30gの制御の下で表示する。表示部30eとしては、液晶表示器などの表示デバイスなどが用いられる。
入力部30fは、オペレータからの各種指令や操作入力を受け付ける。入力部30fとしては、マウスやトラックボールなどのポインティングデバイス、モード切替スイッチ等の選択デバイス、あるいはキーボード等の入力デバイスが適宜用いられる。
制御部30gは、CPUやメモリ等を有しており、上記の各部を総括的に制御する。
以上詳細に説明したように、本実施形態によれば、受信用コイル10では、複数のループコイルユニット501〜504が2次元マトリクス状に配置されている。また、受信用コイル10は、x軸、y軸方向に隣接するループコイルユニット間の一部が重なり合うように構成されている。その隣接するループコイルユニットは、重なり合っている部分の中心点に配置された連結部511〜514により、1箇所で回転可能に連結されている。このようにすれば、連結されたループコイルユニットのうち、一方のループコイルユニットを、他方のループコイルユニットに対して、上記回転軸を中心に回転させ、受信コイル全体を変形させたとしても、その重なり部分の面積はほとんど変わらないので、隣接するコイル間に生じる相互誘導の中和状態を常に一定とすることができる。このため、受信コイル10の形状を変更しても、常に高いS/N比を維持したままで、磁気共鳴信号を受信することが可能となる。
また、本実施形態によれば、連結部511〜514は、隣接するループコイルユニット501〜504のコイル面と直交し、かつ、そのコイル面の重複部の中心に設けられた回転軸O3を有している。また、その回転軸O3を介して一方のループコイルユニットに対して他方のループコイルユニットを回動可能に連結している。この回転軸O3を有することにより、連結部511〜514では、隣接するループコイルユニットを互いに回転可能に連結することができるようになる。
なお、ループコイルユニットの連結部は、本実施形態のようなものには限られない。要は、ループコイルユニットの相対的な位置関係が変化しても、そのループコイルユニットのコイル面の重複部分の面積の変動が、所定範囲内となるようにそれらを連結できるものであればよい。
また、本実施形態によれば、回転軸O3の回転量が、隣接するループコイルユニットのそれぞれの中心点O1、O2と連結部の回転軸O3とが一直線上に並んだ状態を基準として、±45度以内に制限されている。これにより、隣接するループコイルユニットの重複部の面積が、ほぼ一定に保たれるようになる。
また、本実施形態によれば、各ループコイルユニット501〜504は、可撓性を有している。このようにすれば、上記連結部511〜514による回転動作に加えて、さらに各ループコイルユニットを撓ませることにより、ユニット全体を立体的に変形することが可能となる。
可撓性を有するループコイルユニット501〜504は、発泡成形された外装カバー5061、5062によって被覆されたFPC上に形成されている。このようにすれば、ループコイルユニット全体に可撓性を持たせることが可能となる。なお、本発明は、この構造には限られず、ループコイルユニットが可撓性を有していれば、どのような材質であっても構わない。
また、本実施形態に係るMRI装置100は、受信コイル10を備えている。
受信コイル10は、膝などに巻きつけることも可能であり、肩や***のような凸状の立体的な部位にも適用することが可能である。すなわち、本実施形態に係るMRI装置100であれば、診断部位ごとに、受信コイルを備える必要がなくなるので、診断時において、受信コイルを交換する必要がなくなる。この結果、オペレータの作業負担が軽減され、診断に要する時間を短縮することが可能となる。さらに、複数の異なる受信コイルを備える必要がないので、装置コストの低減を図ることが可能となる。MRI装置100の構成は、図11に示されるものには限られず、本発明の受信コイル10を適用可能なMRI装置であればよい。
また、上記実施形態に係るMRI装置100によれば、受信コイル10全体が良好な可撓性を有するようになるので、コイルユニットを小さくし、その数を増やす必要もなくなる。
なお、上記実施形態では、受信コイル10におけるループコイルユニットの数を4つとしたが、本発明はこれには限られない。例えば、ループコイルユニットは2つであってもよいし、3つ以上であってもよい。備えるべきループコイルユニットの数は、受信コイルの形状による。例えば、受信コイル全体の形状を正方形状とする場合には、ループコイルユニットの数を、2×2、3×3、…というように、N×N(Nは整数)とすればよい。
1 静磁場磁石
2 傾斜磁場コイル
3 傾斜磁場電源
4 高周波コイル
5 送信部
6 寝台
8 受信部
9 寝台制御部
10 受信用コイル
30 計算機システム
501、502、503、504 ループコイルユニット
511、512、513、514 連結部
521、522、523、524 基板ケース
531、532、533、534 接続ケーブル
54 接続コネクタ
100 磁気共鳴撮像装置
502 コイルトレース基板
5041、5042 絶縁補強用板
5061、5062 外装カバー
510 樹脂製円筒
512 樹脂製リベット
P 被検体
2 傾斜磁場コイル
3 傾斜磁場電源
4 高周波コイル
5 送信部
6 寝台
8 受信部
9 寝台制御部
10 受信用コイル
30 計算機システム
501、502、503、504 ループコイルユニット
511、512、513、514 連結部
521、522、523、524 基板ケース
531、532、533、534 接続ケーブル
54 接続コネクタ
100 磁気共鳴撮像装置
502 コイルトレース基板
5041、5042 絶縁補強用板
5061、5062 外装カバー
510 樹脂製円筒
512 樹脂製リベット
P 被検体
Claims (6)
- 隣接する表面コイルのコイル面の一部が互いに重なるように、複数の表面コイルが配置された高周波コイルにおいて、
隣接する表面コイル間の相対位置関係を変更しても、コイル面の重複部の面積の変動が所定範囲内となるように、隣接する表面コイルを連結する連結部を備えることを特徴とする高周波コイル。 - 前記連結部は、
連結する表面コイルのコイル面と直交する前記コイル面の重複部の中心に設けられた回転軸を有し、
該回転軸を介して一方の表面コイルに対して他方の表面コイルを回動可能に連結していることを特徴とする請求項1に記載の高周波コイル。 - 前記回転軸の回転量が、隣接する表面コイルのそれぞれの中心点と前記回転軸とが一直線上に並んだ状態を基準として、±45度以内であることを特徴とする請求項2に記載の高周波コイル。
- 前記各表面コイルが、可撓性を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の高周波コイル。
- 前記可撓性を有する表面コイルは、フレキシブル基板上に形成され、
前記フレキシブル基板は、発泡材から成る外装部によって被覆されていることを特徴とする請求項4に記載の高周波コイル。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載の高周波コイルを、高周波受信用コイルとして備える磁気共鳴撮像装置。
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