JP2008152090A - 可変焦点流体レンズ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高精度の焦点合わせが可能で、曲率変動が大きく、かつ、非常に小型の可変焦点流体レンズ装置を提供すること。
【解決手段】本発明の可変焦点流体レンズ装置は、筐体に封入された互いに不混和な第1の流体および第2の流体により規定される界面の形状を変化させることにより焦点距離を変化させるレンズ装置である。筐体の内壁は界面形状調整部を備える。当該界面形状調整部は、実質的に円弧状の断面形状を有する膨出部または凹部である。該第1の流体および第2の流体により規定される界面の位置を該界面形状調整部に沿って移動させることにより、該界面の形状を変化させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、可変焦点流体レンズ装置に関する。より詳細には、本発明は、高精度の焦点合わせが可能で、曲率変動が大きく、かつ、非常に小型の可変焦点流体レンズ装置に関する。
スチルカメラ、ビデオカメラ等の撮影装置に用いられる撮影光学系においては、焦点調節(フォーカシング)および/または倍率調節(ズーミング)の機能が要求される。従来、これらの機能は、大型機器でなければ実現が困難であった。しかし、近年の各種電子機器の小型化・高精度化に伴い、フォーカシングやズーミングを小型機器で達成する技術が強く求められるようになっている。
上記のような要求に応える手段として、いわゆるエレクトロウェッティング現象を利用した可変焦点流体レンズが提案されている(例えば、特許文献1参照)。エレクトロウェッティング現象を利用した流体レンズは、代表的には、容器内に層分離して収容された互いに不混和な導電性液体および絶縁性液体と、当該導電性液体に接続した電極と、当該導電性液体に対して絶縁された電極とを備える。この2つの電極に電界を印加することにより、導電性液体と絶縁性液体との界面形状が変化するとともに界面の位置が移動し、その結果、焦点距離を変化させることができる。しかし、このような流体レンズは、曲率変動が不十分であるので、十分なズーミングを実現することができないという問題がある。
一方、機械的な制御機構で焦点距離を変化させる流体レンズが提案されている(特許文献2参照)。この流体レンズは、2枚の透明膜と、透明膜の周辺部に設けられ2枚の透明膜を結合させる変形可能な周辺部材とを備え、当該2枚の透明膜の間に透明な流体またはゲル状物質が封入・充填されている。このレンズの縁部にレンズ光軸方向の力を作用させることにより、封入されている流体またはゲル状物質が変形し、その結果、表面の曲率が変化してレンズの焦点距離が変化する。しかし、この流体レンズは、内部流体の変形に透明膜が良好に追随できないので、高精度のフォーカシングを実現することは困難である場合が多い。
特開2006−78843号公報 特開2001−349202号公報
本発明は、上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、高精度の焦点合わせが可能で、曲率変動が大きく、かつ、非常に小型の可変焦点流体レンズ装置を提供することにある。
本発明の可変焦点流体レンズ装置は、筐体に封入された互いに不混和な第1の流体および第2の流体により規定される界面の形状を変化させることにより焦点距離を変化させるレンズ装置である。筐体の内壁は界面形状調整部を備える。当該界面形状調整部は、実質的に円弧状の断面形状を有する膨出部または凹部である。このレンズ装置は、該第1の流体および第2の流体により規定される界面の位置を該界面形状調整部に沿って移動させることにより、該界面の形状を変化させる。このような構成によれば、内壁の界面形状調整部の曲率に応じて液−液界面の形状(代表的には曲率)を変化させることができる。このことにより、エレクトロウェッティング現象を利用した流体レンズと比べて、格段に大きな界面曲率変化が可能となる。その結果、ダイナミックレンジが広く、高速なズーミングが可能となる。さらに、上記の構成によれば、従来のステッピングモーター、カムおよび変換機などを用いる必要がないので、小型かつ低消費電力で、静音、かつ、高速(高周波数)のレンズ機構が得られ得る。
好ましい実施形態においては、上記第1の流体および上記第2の流体の少なくとも一方が、複数の層に分割されて他方の液体を挟むことにより少なくとも2つの界面を規定し、該少なくとも2つの界面のうちの少なくとも1つの界面の位置を上記界面形状調整部に沿って移動させることにより、該少なくとも1つの界面の形状を変化させる。このような構成によれば、2つの界面が形成されるので、より大きな光の屈折や、より自由度の高い光の屈折の組み合わせを選択することが可能となる。
好ましい実施形態においては、上記第1の流体および上記第2の流体の少なくとも一方は界面活性剤を含有する。このような構成によれば、第1の流体と第2の流体との界面が明確かつ精密に形成され得る(すなわち、第1の流体と第2の流体の混合が顕著に抑制され得る)。その結果、より高精度のフォーカシングおよびズーミングが可能となる。
好ましい実施形態においては、上記界面形状調整部の表面には、撥水処理または親水処理が施されている。このような構成によれば、上記第1の流体および上記第2の流体の特性に応じて、当該流体と界面形状調整部との濡れ性を適切に制御することができる。その結果、目的に応じて精密なフォーカシングまたはズーミングが可能となる。
好ましい実施形態においては、上記第1の流体および上記第2の流体の少なくとも一方はゲル化剤を含有する。このような構成によれば、界面形状を変化させるために流体に圧力を加えて急激に移動させるような場合に残留振動が抑制され、かつ、レンズ装置の姿勢変化、落下、外部からの衝撃による界面形状の変化を防止することが可能となる。
好ましい実施形態においては、上記界面形状調整部の平均曲率半径Rは0.2mm〜6mmである。このような構成によれば、界面形状調整部の平均曲率半径を変化させることにより、目的に応じた所望の特性を得ることができる。例えば、界面形状調整部の平均曲率半径を小さくすることにより、高速のフォーカシングが可能となる。また例えば、界面形状調整部の平均曲率半径を大きくすることにより、分割数の大きいフォーカシングやズーミングが可能となる。
好ましい実施形態においては、本発明の可変焦点流体レンズ装置は、上記界面を正逆方向に移動させる少なくとも1つのマイクロポンプをさらに備える。このような構成であれば、高速かつ繰り返しの界面形状変化が可能となり、かつ、精密・高速の焦点補正が可能となる。
好ましい実施形態においては、上記少なくとも1つのマイクロポンプは、駆動素子と、該駆動素子によって弾性変形することにより圧力を発生する弾性薄膜部とを有する。このような構成によれば、弾性薄膜部が駆動素子からの駆動力に対して効率良く変形するので、小型のポンプで液体を効率良く輸送し、非常に良好な応答を得ることができる。その結果、小型で、低消費電力のレンズ機構で、応答性に優れたフォーカシングやズーミングが可能となる。また、弾性薄肉部が圧力ダンピング又は圧力吸収の役割を果たすので、外部環境に起因する筐体内の流体の熱膨張や熱収縮による界面の変動や収差などの悪影響を防止することができる。
好ましい実施形態においては、本発明の可変焦点流体レンズ装置は、上記第1の流体と連通する第1のマイクロポンプと、上記第2の流体と連通する第2のマイクロポンプとを備え、該第1のマイクロポンプおよび該第2のマイクロポンプを逆位相で駆動させることにより上記界面を移動させる。このような構成によれば、レンズ界面を形成する流体は通常非圧縮性の流体であり、この流体が筐体内に密閉された状態のレンズ機構においては、第1のマイクロポンプが正圧の体積変化により第1の流体を移動させようとする場合、第2のマイクロポンプは負圧の体積変化とすることにより、第1の流体及び第2の流体を効率良く移動させることが可能になる。また、第1のマイクロポンプを駆動させたときに流体内に発生する圧力波による残留振動が、第2のマイクロポンプを略逆位相で駆動させることにより相殺されるので、界面の振動が防止され得る。また、低電力で効率よく流体(結果として、界面)を移動させることができる。
好ましい実施形態においては、上記マイクロポンプの少なくとも1つは駆動素子を設けない構造を有する。このような構成によれば、上記筐体およびマイクロポンプ内の実質的に全部が流体で満たされた密閉状態において、例えばレンズ装置に2つのマイクロポンプが設けられている場合に、一方のマイクロポンプのみに駆動素子を設ければ、他方のマイクロポンプに駆動素子を設けなくても、弾性薄肉部のみのダンピング効果により、第1のマイクロポンプの正圧の体積変化によって、第2のマイクロポンプの弾性薄肉部が実質的に負圧の体積変化をおこし、第1のマイクロポンプを駆動させるだけで、流体を流動させることができる。
本発明によれば、上記のような構成を採用することにより、高精度の焦点合わせが可能で、曲率変動が大きく、かつ、すべての薄膜弾性部に駆動素子を設ける必要がないので、非常に小型で低消費電力の可変焦点流体レンズ装置を提供することができる。
図1は、本発明の好ましい実施形態による可変焦点流体レンズ装置におけるレンズ部の概略断面図である。図2は、図1のレンズ部の概略斜視図である。レンズ部100は、筐体10を含む。筐体10は、上面部11と底面部12と筒状の本体部13とで構成され、当該筐体内部に密閉された空間を規定する。筐体(本体部)の内壁は界面形状調整部20を備える。界面形状調整部20は、実質的に円弧状の断面形状を有する膨出部または凹部である。図示例では、界面形状調整部20は、筐体の内側に向かって膨出する膨出部である(以下、簡単のため、膨出部を採用した実施形態のみについて説明する)。筐体内部に規定された空間には、第1の流体30および第2の流体40が封入・充填されている。第1の流体30および第2の流体40は、それぞれ光透過性を有し、かつ、互いに不混和である。第1の流体30および第2の流体40との界面50は、制御機構(後述)が作動しない状態では、代表的には図1に示すように膨出部20の光軸方向中央部(膨出部により規定される筐体内部の直径が最も小さい部分)に位置している。このとき、例えば、膨出部と流体の界面との接触角が90度ならば、界面は平坦である。制御機構を作動させることにより、図3(a)の破線で示すように界面の位置が移動し、界面の形状(代表的には曲率)が変化する。その結果、レンズの焦点距離を変化させることができる。より詳細には、界面と膨出部との接触角は、図3(b)に示すように、
cosθ=(γP1−γP2)/γ12
で表される(ここで、γP1は膨出部と第1の流体との界面張力であり、γP2は膨出部と第2の流体との界面張力であり、γ12は第1の流体と第2の流体との界面張力である)。したがって、膨出部の材質、第1の流体、および第2の流体を適切に選択することにより、膨出部と流体の界面との接触角を変化させることができ、目的に応じて適切な特性が得られるようにしてレンズの焦点距離を変化させることができる。
筐体10を構成する材料としては、流体を収容する密閉空間を規定し得る限りにおいて任意の適切な材料が採用され得る。具体例としては、ガラスおよび透明樹脂が挙げられる。透明樹脂の具体例としては、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、スチレン−アクリロニトリル樹脂(SAN樹脂)、メチルメタクリレート−スチレン樹脂(MS樹脂)、ポリ(4−メチルペンテン−1)が挙げられる。筐体10は、円筒状であってもよく、多角柱状であってもよい。筐体10は、好ましくは、図2に示すような円筒状である。筐体容積を最小限にすることができ、また、なめらかな曲線形状により、界面形状の変化および界面位置の移動がスムーズに行われ、気泡巻き込みなどの光学的な不具合要因を排除し得るからである。筐体10のサイズは、目的に応じて適切に設定され得る。例えば円筒状の筐体を用いたレンズ装置を携帯電話のカメラに適用する場合には、筐体本体部13の外径は約6mm〜約12mm、内径は約3mm〜約7mm、膨出部20の光軸方向中央部(膨出部により規定される筐体内部の直径が最も小さい部分)は約2mm〜約6mm、筐体の高さは約2mm〜約7mmである。本発明によれば、このような小さなサイズであるにもかかわらず、分割数の大きいフォーカシングやズーミングが可能となる。また、筐体の上面部11および/または底面部12は、目的に応じて任意の適切な特性を有する固体レンズであってもよい。
膨出部20は、任意の適切な手段および材料を用いて設けられる。例えば、本体部13の成形時に膨出部を一体的に形成してもよく、本体部に別部材を取り付けてもよい。代表的には、膨出部20は、筐体の本体部13の所定の位置にOリングを嵌め込んで設けられる。Oリングを構成する材料の具体例としては、バイトン(登録商標:フッ素ゴム)、シリコーン、アクリロニトリルなどが挙げられる。膨出部を構成する材料を変えることにより、膨出部と上記第1および第2の流体との濡れ性(接触角)を調整することができる。したがって、界面の形状(代表的には、曲率)変化を調整することができる。その結果、目的に応じて精密なフォーカシングが可能となる。膨出部の構成材料を変更する代わりに、膨出部の表面に撥水処理または親水処理を施してもよい。撥水処理としては、任意の適切な撥水処理(例えば、フッ素コーティング、シリコーンコーティング)が採用され得る。親水処理もまた、任意の適切な親水処理(例えば、コロナ処理、シランカップリング処理)が採用され得る。膨出部の一部に撥水処理を施し、一部に親水処理を施してもよい。
上記のように、膨出部は、実質的に円弧状の断面形状を有する。本明細書において「実質的に円弧状の断面形状」とは、断面形状が完全な円弧状である場合だけでなく、曲率半径が異なる部分を含む場合(例えば、断面の輪郭が円弧に近い楕円形状、円弧の一部に直線部分を含む形状)および断面が円弧状に近い多角形である場合(例えば、正24角形、正36角形)も包含する。好ましくは、膨出部の平均曲率半径Rは0.2mm〜6mmである。このような範囲であれば、良好な界面の位置移動および形状変化が可能となる。また、所定の範囲で膨出部の平均曲率半径を変化させることにより、目的に応じた所望の特性を得ることができる。1つの実施形態においては、膨出部の平均曲率半径Rは0.2mm〜1.5mmである。膨出部の平均曲率半径を小さくすることにより、高速のフォーカシングまたはズーミングが可能となる。1つの実施形態においては、膨出部の平均曲率半径Rは1.5mm〜6mmである。膨出部の平均曲率半径を大きくすることにより、分割数の大きいフォーカシングやズーミングが可能となる。なお、膨出部表面に、当該膨出部とは異なる曲率半径を有する部分(例えば、異なる局率半径を有するキャップ部:図示せず)を設けてもよい。当該部分の材質は、膨出部と同じであっても異なっていてもよい。このような部分を設け、その形状や材質を適切に設定することにより、目的に応じてフォーカシングやズーミングの分割数等を制御することができる。
上記のように、第1の流体30および第2の流体40は、それぞれ光透過性を有し、かつ、互いに不混和である。代表的には、一方が油系であり、他方が水系である。第1の流体または第2の流体のいずれが油系であってもよい。第1の流体および第2の流体は、比重ができる限り等しいことが好ましい。重力の影響を最小限にすることができるからである。さらに、第1の流体および第2の流体は、互いの屈折率の差ができるだけ大きいことが好ましい。界面の形状変化が小さい場合であっても、焦点距離の変化を大きくすることができるからである。第1の流体および第2の流体の屈折率の差は、好ましくは0.10以上、さらに好ましくは0.15以上である。水系流体は、好ましくは水である。入手が容易だからである。水系流体として水(屈折率1.33)を用いる場合、好ましい油系流体は、トルエン/クロロベンゼン混合溶媒、大豆油/クロロベンゼン混合溶媒などである。トルエン/クロロベンゼンは、44.4%/55.6%の混合溶媒とすれば、比重が1となり、かつ、屈折率が1.51となる。大豆油/クロロベンゼンは、56.9%/43.1%の混合溶媒とすれば、比重が1となり、かつ、屈折率が1.50となる。
好ましくは、上記第1の流体および上記第2の流体の少なくとも一方は界面活性剤を含有する。界面活性剤を含有させることにより、第1の流体と第2の流体との界面を明確かつ精密に形成することができる(すなわち、第1の流体と第2の流体の混合が顕著に抑制され得る)。その結果、より高精度のフォーカシングまたはズーミングが可能となる。界面活性剤としては、目的に応じて任意の適切な界面活性剤が採用され得る。具体例としては、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、低分子界面活性剤、高分子界面活性剤が挙げられる。
上記第1の流体および上記第2の流体の少なくとも一方はゲル化剤を含有してもよい。すなわち、本明細書において「流体」はゲル状を包含する。第1の流体および第2の流体の少なくとも一方をゲル状とすることにより、界面形状を変化させる為に流体に圧力を加えて急激に移動させた際の残留振動が抑制され、かつ、レンズ装置の姿勢変化、落下、外部からの衝撃による界面形状の変化を防止することが可能となる。1つの実施形態においては、ゲル化剤は、水系流体に含有される。このようなゲル化剤の具体例としては、分子中に親水性基を含む高分子物質が挙げられる。親水性基の具体例としては、水酸基、カルボキシル基、スルホニル基、スルホン酸基、エーテル基、アミド基が挙げられる。高分子物質の具体例としては、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリ(メタ)アクリル酸塩またはポリ(メタ)アクリル酸ナトリウム架橋体、ポリアクリルアミドおよびアルキル置換体の架橋体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセトアミド、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ゼラチン等の多糖類、ポリスチレンスルホン酸、ポリメチルビニルエーテルなどが挙げられる。
本発明の別の実施形態においては、図4に示すように、上記第1の流体30および上記第2の流体40の少なくとも一方が、複数の層に分割されて他方の液体を挟む構成であってもよい(図4は、第1の流体30が2層に分割された形態を示している)。このような構成によれば、第1の流体30と第2の流体40との間に少なくとも2つの界面が規定される(図4では、2つの界面51および52が規定される)。制御機構(後述)が作動しない状態では、代表的には図4に示すように、第2の流体が曲率半径の大きい凸レンズ形状の断面となるようにして2つの界面51および52が規定される。制御機構を作動させることにより、少なくとも2つの界面のうちの少なくとも1つの界面の位置が膨出部20に沿って移動し、当該少なくとも1つの界面の形状を変化させることができる。例えば、界面51および52の両方の位置を移動させる場合の具体例を図5(a)〜(d)に示す。ここで、第1の流体は、水系であってもよく油系であってもよい(すなわち、流体の層構造は、水系/油系/水系であってもよく、油系/水系/油系であってもよい)。なお、簡単のため、図4および図5では、2つの界面が規定され、かつ当該2つの界面が両方とも移動する場合について説明したが、界面は3つ以上規定されてもよく、また、移動する界面の数は1つであってもよく3つ以上であってもよいことは言うまでもない。3つ以上の界面を規定する場合、例えば膨出部を2つ以上設けてもよい。
上記説明では、界面形状調整部20として膨出部を採用した形態を説明してきたが、膨出部の代わりに筐体内壁に凹部を形成しても同様の作用効果が得られる。すなわち、凹部に沿って界面の位置を移動させることにより、界面形状(特に曲率)を変化させることができる。凹部は、本体部13の成形時に形成してもよく、本体部に別部材を取り付けてもよい(例えば、本体部に形成した凹部にフッ素ゴム製リングを貼り付けてもよい)。
以下、本発明の可変焦点流体レンズ装置における制御機構について説明する。制御機構は、上記界面の位置を界面形状調整部に沿って移動させることにより、界面の形状(特に曲率)を変化させる。そのことにより、フォーカシングおよび/またはズーミングを制御する。
1つの実施形態においては、上記制御機構は、マイクロポンプである。マイクロポンプは、上記界面を双方向(正逆方向:図示例では上下方向)に移動させる。図6(a)は、本発明の可変焦点流体レンズ装置200における制御機構の1つの実施形態を説明する概略断面図である。この実施形態においては、制御機構は、第1のマイクロポンプ110と第2のマイクロポンプ120とを有する。第1のマイクロポンプ110は第1の流体30と連通し、第2のマイクロポンプ120は第2の流体40と連通している。第1のマイクロポンプ110および第2のマイクロポンプ120を逆位相で駆動させることにより、界面50を移動させることができる。具体的には、第1のマイクロポンプ110で第1の流体30を加圧し、第2のマイクロポンプ120で第2の流体40を減圧することにより、界面50の位置を下降させて局率を変化させることができる。一方、第1のマイクロポンプ110で第1の流体30を減圧し、第2のマイクロポンプ120で第2の流体40を加圧することにより、界面50の位置を上昇させて局率を変化させることができる。加圧および減圧の量を調整することにより、界面の移動量(結果として、曲率の変化量)を制御することができる。その結果、高速かつ繰り返しの界面変化が可能となり、かつ、微細な焦点補正が可能となる。さらに、2つのポンプを逆位相で駆動させることにより残留振動が相殺されるので、界面の振動が防止され得る。また、このような構成は、低電力で効率よく流体(結果として、界面)を移動させることができる。
1つの実施形態においては、上記マイクロポンプは、図6(a)および(b)に示すように、圧電素子を利用したピエゾアクチュエータ型のマイクロポンプである。第1のマイクロポンプ110は、レンズ部100の第1の流体に連通する圧力室111と、圧力室111の上部に設けられた駆動部112とを有する。駆動部112は、駆動素子113と、駆動素子113によって弾性変形することにより圧力を発生する弾性薄膜部(振動板)114とを有する。駆動素子113は、代表的には、セラミック圧電材料であるPZT〔Pb(Zr,Ti)O〕である。駆動電源(図示せず)からの駆動電圧に応じて駆動素子が変形(例えば、平面方向に伸縮)することにより振動板が変形し、その結果、圧力室111の容積が変動し、正圧(加圧状態)または負圧(減圧状態)が発生する。その結果、圧力室と連通したレンズ部の第1の流体を加圧または減圧して界面の位置を移動させることができる。このような構成によれば、振動板がPZTからの駆動力に対して非常に良好に応答し、効率よく流体を移動させるので、小型のポンプで応答性に優れたズーミングおよびフォーカシングが可能となる。第2のマイクロポンプ120も全く同様のメカニズムで動作する。上記のように、第1のマイクロポンプ110および第2のマイクロポンプ120を逆位相で駆動させることにより、低電力で効率よく界面を移動させることができる。
1つの実施形態においては、本発明の可変焦点流体レンズ装置に装備されるマイクロポンプのうちの少なくとも1つは駆動素子を設けない構造を有していてもよい。本明細書において「駆動素子を設けない構造を有するマイクロポンプ」とは、弾性薄膜部のみで駆動素子を備えず、駆動素子を備える他のマイクロポンプからの流体を通した圧力に対して、振動板の弾性変形によって圧力(正圧または負圧)を緩和・吸収させるものをいう。例えば、第1のマイクロポンプがピエゾアクチュエータ型のマイクロポンプである場合には、第2のマイクロポンプはダンパー機能を有していてもよい。この場合、第1のマイクロポンプの駆動素子によって第1の流体が流動すると、第1の流体に接する第2の流体も流動する。第2の流体に連通する第2のマイクロポンプは、そのダンパー機能によって第2の流体の流動に追随するので、駆動素子を用いることなく第2の流体に圧力を付与することができる。その結果、非常に小さな空間内で、かつ低電力で流体を流動させることができる。さらに、筐体およびマイクロポンプ内の実質的に全部が流体で満たされた密閉状態とすれば、第1のマイクロポンプに駆動素子を用いることにより、第2のマイクロポンプには駆動素子を用いなくても流体を永続的に振動させることができる。加えて、外部環境に起因する流体の熱膨張や熱収縮による界面の変動や収差を吸収することができる。
ここまでマイクロポンプの一例としてピエゾアクチュエータ型のマイクロポンプを説明してきたが、マイクロポンプは他の構成を有していてもよい。他の構成の具体例としては、同じダイアフラム型(弾性薄肉部に駆動素子を設けた構造)では、静電駆動型マイクロポンプ、形状記憶合金駆動型マイクロポンプなどが挙げられる。ダイアフラム型以外の具体例としては、マイクロシリンジポンプが挙げられる。また、第1の流体および第2の流体のそれぞれにマイクロポンプを接続する形態を説明してきたが、マイクロポンプは、第1の流体および第2の流体のいずれか一方のみに接続してもよい。さらに、マイクロポンプが設けられる場所は、適切に界面を移動させることができる限り特に限定されない(したがって、図示例に限定されない)。例えば、マイクロポンプは、筐体の上下端部に設けてもよい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例には限定されない。
外径約10mm、内径約7mmおよび高さ約4mmのガラス管を用意し、その中央部に内径約4mmのニトリル製Oリングを嵌め込んだ。ガラス管外径と同じ直径を有する円形ガラス板をガラス管の上下端部に取り付けた。さらに、ガラス管の上下端部に、それぞれが筐体内部と連通するようにして、マイクロシリンジポンプを取り付けた。下側のマイクロシリンジポンプからトルエン44.4重量%/クロロベンゼン55.6重量%の混合液(比重1、屈折率1.50、油系)を筐体内部に仕込んだ。このとき、当該混合液の液面がOリングのガラス管深さ方向のほぼ中央部に位置するように液量を調整した。次に、上側のマイクロシリンジポンプから純水(比重1、屈折率1.33)を筐体内部に仕込み、Oリングのガラス管深さ方向中央部よりやや下方に界面を形成した。このようにして、可変焦点流体レンズ装置を作製した。形成された界面は、水平方向とOリングの断面中心点から液−液界面に接するように延びる方向とで規定される角度(以下、単に水平方向に対してなす角度という)が45°で下に凸の形状を有していた。
下側のマイクロシリンジポンプを2000μl/minの流速で押し、上側のマイクロシリンジポンプを2000μl/minの流速で引いた。その結果、約1秒で、界面がOリングのガラス管深さ方向中央部よりやや上方に移動した。移動後の界面は、水平方向に対してなす角度45°で上に凸の形状を有していた。このようにして、界面の位置をOリングに沿って移動させることにより、界面形状を変化させることができた。
Oリングの内径を約3mmとしたこと、および、マイクロシリンジポンプの代わりに圧電素子(PZT)と振動板とを有するピエゾアクチュエータ型マイクロポンプを取り付けたこと以外は実施例1と同様にして、可変焦点流体レンズ装置を作製した。PZTのサイズは7.5mm×7.5mm、厚みは25μm、振動板のサイズは7.5mm×7.5mm、厚みは25μmであった。形成された界面は、ほぼ平坦であった(以下、初期平坦状態という)。
ここで、下側のピエゾアクチュエータ型マイクロポンプに60V直流電圧を印加したところ、50ミリ秒以内で界面がOリングのガラス管深さ方向中央部よりやや上方に移動した。移動後の界面は、水平方向に対してなす角度45°で上に凸の形状を有していた(以下、上に45°状態という)。次に、それぞれのピエゾアクチュエータ型マイクロポンプを逆位相で駆動したところ(60V台形波、周波数20Hz、合計消費電力26.7mW)、界面は、周波数20Hzで初期平坦状態と上に45°状態との往復移動を繰り返した。
本発明の可変焦点流体レンズ装置は、携帯電話のカメラ、薄型デジタルカメラ、内視鏡、車載カメラ、監視カメラ、バーコードリーダーに好適に利用され得る。
本発明の好ましい実施形態による可変焦点流体レンズ装置におけるレンズ部の概略断面図である。 図1のレンズ部の概略斜視図である。 (a)および(b)は、本発明における液−液界面の位置移動および形状変化を説明するための模式図である。 本発明の別の実施形態による可変焦点流体レンズ装置におけるレンズ部の概略断面図である。 図4の実施形態における液−液界面の位置移動および形状変化を説明するための模式図である。 (a)および(b)は、本発明の可変焦点流体レンズ装置における制御機構の1つの実施形態を説明する概略断面図である。
符号の説明
10 筐体
20 界面形状調整部
30 第1の流体
40 第2の流体
50 界面
100 レンズ部
110 第1のマイクロポンプ
120 第2のマイクロポンプ
200 可変焦点流体レンズ装置

Claims (10)

  1. 筐体に封入された互いに不混和な第1の流体および第2の流体により規定される界面の形状を変化させることにより焦点距離を変化させる可変焦点流体レンズ装置であって、
    該筐体の内壁が、実質的に円弧状の断面形状を有する膨出部または凹部である界面形状調整部を備え、
    該第1の流体および第2の流体により規定される界面の位置を該界面形状調整部に沿って移動させることにより、該界面の形状を変化させる
    可変焦点流体レンズ装置。
  2. 前記第1の流体および前記第2の流体の少なくとも一方が、複数の層に分割されて他方の液体を挟むことにより少なくとも2つの界面を規定し、
    該少なくとも2つの界面のうちの少なくとも1つの界面の位置を前記界面形状調整部に沿って移動させることにより、該少なくとも1つの界面の形状を変化させる、請求項1に記載の可変焦点流体レンズ装置。
  3. 前記第1の流体および前記第2の流体の少なくとも一方が界面活性剤を含有する、請求項1または2に記載の可変焦点流体レンズ装置。
  4. 前記界面形状調整部の表面に撥水処理または親水処理が施されている、請求項1から3のいずれかに記載の可変焦点流体レンズ装置。
  5. 前記第1の流体および前記第2の流体の少なくとも一方がゲル化剤を含有する、請求項1から4のいずれかに記載の可変焦点流体レンズ装置。
  6. 前記界面形状調整部の平均曲率半径Rが0.2mm〜6mmである、請求項1から5のいずれかに記載の可変焦点流体レンズ装置。
  7. 前記界面を正逆方向に移動させる少なくとも1つのマイクロポンプをさらに備える、請求項1から6のいずれかに記載の可変焦点流体レンズ装置。
  8. 前記少なくとも1つのマイクロポンプが、駆動素子と、該駆動素子によって弾性変形することにより圧力を発生する弾性薄膜部とを有する、請求項7に記載の可変焦点流体レンズ装置。
  9. 前記第1の流体と連通する第1のマイクロポンプと、前記第2の流体と連通する第2のマイクロポンプとを備え、該第1のマイクロポンプおよび該第2のマイクロポンプを逆位相で駆動させることにより前記界面を移動させる、請求項7または8に記載の可変焦点流体レンズ装置。
  10. 前記マイクロポンプの少なくとも1つが駆動素子を設けない構造を有する、請求項7から9のいずれかに記載の可変焦点流体レンズ装置。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013003275A (ja) * 2011-06-14 2013-01-07 Canon Inc 液体光学素子
CN109254335A (zh) * 2018-11-02 2019-01-22 上海酷聚科技有限公司 变焦液体透镜及其组装方法
CN113376720A (zh) * 2021-07-07 2021-09-10 南京邮电大学 具有复杂内腔表面的可变焦液体透镜

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