JP2008150223A - 引下げ装置における原材料供給装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】引下げ装置に対する原材料の連続的な供給を可能とし、結晶材料の量産化を図る方法を提供する。
【解決手段】引下げ装置20の坩堝21に対する原材料2の投入経路である材料供給チューブ4の管状部分4bを囲み且つ高周波誘導加熱可能な管形状の加熱ヒータ7と、加熱ヒータ7を囲む高周波発振用の加熱コイル9からなる原材料供給装置1を設置し、坩堝21投下前の原材料2を溶融時或いは溶融直前の温度まで予備加熱することとする。
【選択図】図1

Description

本発明は、レーザー、非線形光学、医療用シンチレータ、圧電体、基板、放熱板等に用いられる酸化物、フッ化物、半導体等の単結晶の製造装置に関する。より詳細には、引下法、特にマイクロ引下げ法と呼ばれる迅速溶融材料成長法によって単結晶を製造する際に使用される製造装置に対して、連続的に原材料を供給する原材料供給装置に関する。
放射線を光に変換する特性を有する所謂シンチレータ結晶としては、例えば酸化物系の結晶として、Ce:LSO、Ce:GSO、BGO等が、またフッ化物系の結晶としてBaF2、CeF3、Ce:LuF3等が知られている。これら結晶を医療用のシンチレータとして用いようとする場合、蛍光強度が高いと共に蛍光寿命が短いことが求められる。このような要求特性を考慮した場合、これまでCeを賦活材とする酸化物系の結晶が有望と考えられていた。これら酸化物系の結晶は、通常CZ法(所謂引上法)によって得られている。しかし、当該方法においては、製造時に2000℃以上の高温となるプロセスが必要となり、当該製造装置の構築に多大なコストを要し、ランニングにも大電力と大量の冷却水が必要であり、また結晶成長に要する時間が長くかかる。このため製造コストが高く、製造方法を含めたトータルプロセスの見直しにより、シンチレータ結晶単価の低減の余地が残されていると考えられる。
ここで、得られる結晶の径は小さいが、結晶成長に要する時間が短く、CZ法と比較して安価に、且つ結晶性に優れた結晶を得る方法として引下げ法が知られている(特許文献1或いは2参照)。本方法においては、溶融材料を保持する坩堝の底面中央部に坩堝内部から外部に至る細孔を設け、該細孔から漏洩する溶融材料に種結晶(以下シードと称する。)を接触させ、溶融材料の結晶化に合わせてシードを引下げることによって溶融材料と同組成から成る単結晶を得ている。即ち、引下げ装置とは、坩堝底部に設けられた孔から流出する溶融材料に対し、保持具に保持されて溶融材料と接触することで溶融材料における結晶方位を定めるシードを溶融材料に接触させ、孔の直下部に固液界面を形成した後、保持具を所定の軸に沿って引き下げることによって溶融材料から結晶材料を得る装置を言う。
特開2001−080999号公報(特許第3521070号) 特開平11−278994号公報 特開2003−95783号公報
しかしながら、現在知られている引下げ装置は開発研究を目的とするものが殆どであり、通常は一回の操作に対応する量の原材料を当該操作毎に貴金属坩堝等に装填し、結晶の作製を行っている。また、当該装置を用いて連続的な結晶作製を行おうとする場合、坩堝に対する材料の投入によって原料溶融材料の温度変化が生じる。具体的には溶融材料の温度が低下することから適切な結晶育成が阻まれてしまっていた。また、原材料の微量供給を連続的に行うことで温度変化を防ぐことも考えられるが、例えば、結晶材料によっては高真空空間が形成可能であって且つ、超高温加熱部を有する容器内においてこれを行う必要があり、実際には連続的な原材料の供給・充填方法を確立することが困難であった。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、結晶の育成条件に影響を与えることなく、引下げ装置に対して原材料を連続的に供給することを可能とする原材料供給装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明に係る原材料供給装置は、引下げ装置において溶融材料を保持する坩堝に対して該溶融材料の基となる原材料を供給する、引下げ装置における原材料供給装置であって、貫通孔を有し管形状とされており、原材料を坩堝に対して投入する経路が当該貫通孔に配置され、高周波によって発熱可能な材料からなる加熱ヒータと、該加熱ヒータを囲む螺旋状部分を有し該加熱ヒータに対して高周波を放射可能な加熱コイルと、を有することを特徴としている。
なお、上述した原材料供給装置においては、加熱ヒータにおける貫通孔に挿貫される管状部分を有し且つ該管状部分の一方の端部開口が坩堝に保持される溶融材料の液面近傍に至り、同時に該管状部分の他方の端部開口には原材料が投入可能である材料供給チューブを更に有することが好ましい。また、該原材料供給装置においては、加熱ヒータと、引下げ装置における坩堝及び引下げ装置が有する加熱装置との間に配置される断熱部材を更に有することが好ましい。更には、加熱ヒータと引下げ装置が有する高周波発振コイルとの間に配置される高周波遮断部材を更に有することがより好ましい。
本発明によれば、坩堝に対して供給される原材料の温度に対して坩堝内部に保持される材料溶融材料表面からの距離に応じた温度勾配を設け、原材料を選択的に加熱することが可能となる。即ち、坩堝内に保持された材料溶融材料表面と接触する領域に存在する原材料の温度を略選択的に制御し、該供給材料を保持溶融材料とほぼ同じ温度の液体状態として供給することが可能となる。従って、供給された原材料による溶融材料の温度変化を生じせしめることはなく、原材料供給の有無に係らず結晶育成の条件を安定して保つことが可能となる。その結果、原材料の安定的な連続供給が実施可能となり、従来は不可能であった長大な結晶材料を得て当該結晶材料の量産も可能となる。また、本発明によれば、前述した温度勾配を設けることで、粉状、粒状、棒状等種々の形状の原材料であっても、当該形状をほぼ維持した状態でこれを坩堝内に保持された溶融材料表面近傍まで移動させ、該表面近傍或いは表面との接触領域にて原材料を融解可能としている。従って、供給時における原材料の形状に対する制限が非常に小さくなる。
より具体的には、本発明によれば、結晶育成条件を定める加熱系と原材料供給系における材料加熱系との熱的或いは高周波的な相互作用をできるだけ排除する構成としている。従って、供給する原材料の温度の制御と、結晶育成条件を維持する際の温度の制御とを独立して行うことが可能となり、個々の制御を容易且つ確実に行うことが可能となる。
また、本発明によれば、原材料に対して直接的に高周波を伝達して発熱させるのではなく、原材料を取り巻くように配置された加熱ヒータを高周波によって発熱させ、当該熱を用いて原材料を加熱することとしている。高周波誘導加熱は、短時間で所望の領域を高温度まで加熱可能であるという利点を有する反面、加熱維持する温度が中途半端な場合、或いは加熱対象が小さい場合には温度制御が困難であるという欠点も有している。本発明のように、加熱ヒータを介在させることにより、原材料を加熱する際の温度制御を好適に行えるという効果も得られる。また、管状の加熱ヒータによって原材料を取り巻いた状態で加熱する構成とすることによって、管の軸方向と垂直な平面での均熱性を高めることが可能となる。また、管形状であることから、該管において特定方向の温度勾配をつけることが容易であり、本発明が目的とする種々の加熱形態を容易に達成することが可能となる。
以下に、本発明の一実施形態に係る原材料供給装置に関して説明する。図1は、該原材料供給装置と、これを適用した引下げ装置とに関して、これらを共に軸方向に切断した状態の概略構成を示している。ここで、本実施形態に係る原材料供給装置の理解を容易なものとするために、当該装置が適用される引き下げ装置について先に述べる。引下げ装置20は、主たる構成として、坩堝21、アフターヒータ23、加熱チューブ25、ワークコイル27、ステージ29、及び支持チューブ31を有している。当該引き下げ装置20は、高周波誘導によって材料の加熱、溶融を行っている。高周波は、内部に冷却用の水等を導通可能な金属製のチューブを所定の内径を有するコイル状に形成したワークコイル27を介して、加熱源等に伝達される。原材料が保持され且つ溶融される坩堝21は、底面(下端面)が閉止された円筒形状を有しており、カーボン或いは高融点金属(例えば、Re、Ir、W、Ta、Mo、Pt、Rh、或いはこれらの合金)から構成される。
なお、本実施形態においては、形状を制御した結晶を得るための装置を対象としていることから、坩堝21から溶融材料流出に用いられる孔は、育成しようとする結晶径に応じた孔とされている。即ち、坩堝21の下端面中央には、坩堝内部から坩堝外部に繋がる孔が設けられている。溶融された原材料は、該孔から坩堝外部に引き出されて、所定の条件下において結晶化する。該孔から漏洩する溶融原材料に種結晶を接触させ、これを所定の引き下げ方向に沿って該孔から徐々に離すことにより、所望の繊維状結晶が得られる。坩堝21はまた、ワークコイル27と同軸であって且つワークコイル27の長手方向における中央部分に配置される。なお、当該装置において、坩堝21内部の原材料が効率的に使用可能となるように、該下端面は、該孔が設けられる中央部が最も凸となる円錐形に形成されている。また、結晶の引き下げ方向は後述する坩堝21等の軸方向と一致している。
坩堝21の下方には、坩堝21の下端と当接して該坩堝21を支持する、円筒形状のアフターヒータ23が配置される。アフターヒータ23は、坩堝と同様の材料より構成されており、坩堝21と同軸となるように配置されている。原材料加熱時において、該アフターヒータ23も高周波誘導によって発熱し、坩堝21の下端より漏洩する原材料を加熱可能としている。また、アフターヒータ23の長さは、ワークコイル27の長手方向において中央部に配置される坩堝21と該アフターヒータ23とを当接させて配置した際に、ワークコイル27における有効加熱領域に該アフターヒータ23が収容されるように設定されている。該アフターヒータ23の設置により引き下げ方向における均熱領域が拡大可能となり、結晶育成の条件をより広範なものとすることが可能となる。
また、アフターヒータ23及び加熱チューブ25は、その下端において、円環状のステージ29の上面によって支持されている。該ステージ29は、セラミックス、石英等、加熱に用いる高周波に対して絶縁性を有する材料から構成されている。また、ステージ29は、下面において、該ステージ29と同様の材料からなる支持チューブ31の上端部によって支持されている。これら坩堝21、アフターヒータ23、加熱チューブ25、ステージ29及び支持チューブ31は、同軸となるように配置されており、結晶の引き下げ操作は該軸に沿って行われる。当該装置において、高周波によって発熱する主たる構成として加熱チューブ25が存在する。加熱チューブ25は、坩堝21の外径よりも大きな内径を有し且つワークコイル27の内径よりも小さな外径を有する円筒形状からなり、高周波を導通可能なカーボン或いは高融点金属(例えば、Re、Ir、W、Ta、Mo、Pt、Rh、或いはこれらの合金)から構成されている。該加熱チューブ25は、坩堝21を内部側に収容し、且つ外周側にワークコイル27が存在するようにこれらと同心関係となるように配置される。また、加熱チューブ25の長さは、ワークコイル27の長手方向における有効加熱領域から該チューブ25が僅かにはみ出す程度に設定されている。
(第一の実施形態)
次に本発明の一実施形態に係る原材料供給装置について説明する。原材料供給装置1は、材料供給ユニット3、加熱ヒータ7、及び加熱コイル9を有している。なお、本実施の形態において、材料供給ユニット3は粒状の原材料2を供給するために構築された構成とする。材料供給ユニット3は材料供給チューブ4とスパイラルチューブ5とを有している。材料供給チューブ4は、所謂漏斗状の形状からなり、上方部分から下方部分に向けて内径が徐々に減じられている円錐形状からなる部分4aと、円錐形状部と同軸でその底部から連続して鉛直下方に延在する管状部分4bとを有する。管状部分4bは原材料2が通過可能な内径を有している。また、材料供給チューブ4は、前述した加熱チューブ25と同様に、高周波を導通可能なカーボン或いは高融点金属(例えば、Re、Ir、W、Ta、Mo、Pt、Rh、或いはこれらの合金)から構成されている。
スパイラルチューブ5は、上述した円錐形状部4aに対して原材料2を投入する際に、落下等に伴う衝撃を該円錐形状部4aに与えることを防止するために用いられる。スパイラルチューブ5は、石英等の絶縁体から構成された筒状の材料からなり、特定の領域において螺旋状とされている。該スパイラルチューブ5は略鉛直方向に配置され、原材料2は原材料搬送ユニット39から該チューブの上方開口部に投入される。原材料2は筒状部内部を鉛直方向に落下するが、螺旋状領域5aにおいて筒状部内壁によって鉛直方向への落下が妨げられ、鉛直方向への移動速度が低減される。スパイラルチューブ5の下方開口は、材料供給チューブ4の円錐状部4aの上方開放部近傍に配置されている。原材料2は、スパイラルチューブ5における螺旋状領域5aを通過することで、移動速度を減速された状態で該チューブの下方開口に達し、低い移動速度を維持した状態で材料供給チューブ4に対して移動する。以上の操作によって、原材料2は、材料供給チューブ4及び事前に材料供給チューブ4まで運ばれて保持された状態にある原材料2に対して過大な衝撃を与えることなく、材料供給チューブ4に対して供給される。
加熱ヒータ7は材料供給チューブ4が軸方向に貫通可能な管状の部材であり、前述した加熱チューブ25と同様に、高周波を導通可能なカーボン或いは高融点金属(例えば、Re、Ir、W、Ta、Mo、Pt、Rh、或いはこれらの合金)から構成されている。加熱コイル9は、内部に冷却用の水等を導通可能な金属製のチューブを所定の内径を有するコイル状に形成したものからなる。加熱コイル9は、管状の加熱ヒータ7の周囲を囲むように配置される螺旋状の部分を有する。加熱ヒータ7は当該加熱コイル9の内側に配置され、加熱コイル9、加熱ヒータ7及び材料供給チューブ4は同軸となるように配置される。即ち、加熱ヒータ7は、管形状における貫通孔部分が坩堝21に対する原材料の投入経路となるように配置される。また、材料供給チューブ4も管状部分が該投入経路と一致するように配置される。
本構成において、加熱コイル9に流された高周波により加熱ヒータ7が誘導加熱され発熱する。該加熱ヒータ7が発熱する熱によって、材料供給チューブ4内部に保持された原材料2が加熱される。なお、材料供給チューブ4の下端は坩堝21内部に保持される溶融材料の表面近傍にたっしており、下方開口によって保持される最下端に位置する原材料2は該溶融材料の表面と接した状態に保持される。また、管状部分4bの下方開口には、当該部分を拡大した図2に示すように、原材料流路即ちその内部貫通孔方向に張り出した返し4cが設けられている。原材料2が固体状態を維持している場合には、該返し4cによって原材料2が下方開口を通過することは不可能とされている。しかし、原材料が状態変化して固体状態で無くなった場合には、原材料2は下方開口を通過して溶融材料の中に投下されることが可能となる。
供給された原材料2、溶融材料及び育成結晶についての以上に述べた構成中における温度プロファイルを図1において補足として示している。スパイラルチューブ5に投入された原材料2は材料供給チューブ4に達し、該チューブにおける管状部分4bに至る。該管状部分4b内部には、坩堝21内部の溶融材料液状面から上方に積み重ねられた状態で原材料2が保持されている。これら保持状態にある原材料2は加熱ヒータ7からの加熱によって徐々に温度を上昇させていく。その際、溶融材料表面から受ける熱量も加わり、溶融材料表面と接した原材料2がその表面近傍での該溶融材料と略等しい温度T1まで加熱されるように加熱コイル9に流す高周波の電力を調節している。なお、各々のコイルによる温度制御を相互作用なく行うことを目的として、ワークコイル27に供給される高周波の周波数と加熱コイル9に供給される高周波の周波数とは、互いに異ならせてある。
坩堝21内部では坩堝下方に設けられた孔に近づくに従って溶融材料温度は該溶融材料としての安定化温度である温度T2まで徐々に低下し、更に孔を出た領域においては結晶化温度T3まで低下している。当該領域において溶融材料は結晶化し、繊維状結晶を形成する。アフターヒータ23によって、当該領域においても温度勾配は小さく保たれており、アフターヒータ23に囲まれる領域を通り抜けた後、育成結晶の温度は急激に低下する。共晶系の材料は、静止状態でその温度を上昇させた場合、ある温度領域において不安定な状態で固体状態を維持しており、せん断力等の付加によって流動性を有するものが多い。例えば温度T1を原材料におけるこの温度領域に設定することによって、上方からの荷重によって原材料2が返し4cによりせん断される作用等により該原材料2が容易に液状化することが可能となる。この場合上方からの荷重が、原材料2としての粒状体が所定の個数積み重なることにより得られるようにすれば、材料供給チューブ4内部に常に所定個の原材料が保持され、且つ更なる原材料2の投下によって最下方に位置する原材料2が液化する状況を得ることが可能となる。
なお、材料供給チューブ4での原材料の温度を好適に制御するために、加熱コイル9とワークコイル27との相互作用或いはワークコイル27から加熱ヒータ7への高周波の伝達を極力避けることが好ましい。従って、加熱コイル9及び加熱ヒータ7をワークコイル27における高周波が効率的に伝達される領域から避けて配置する必要がある。また、坩堝21、坩堝21内部に保持される溶融材料の存在によっても、加熱コイル9及び加熱ヒータ7の下方端部の配置は制限を受ける。このため、加熱ヒータ7と加熱コイル9とを設置可能な位置に単純に配置するだけでは、図1に示す温度プロファイルを構築することは難しい。本実施形態においては、同一内径からなる平行管ではなく、一方の端部に近づくに従って内径が減少する非平行管からなる管状形状の加熱チューブを加熱ヒータ7として用いることとしている。より詳細には、下方端部に近づくに従って、内径が小さくなり、加熱ヒータ7内面と管状部分4b外周面との間隔が小さくなっている。このように、加熱ヒータ7の管径を変化させることにより、所望の温度勾配(温度プロファイル)を得ることが可能となる。
材料供給チューブ4内部における原材料2の温度を制御する上で、坩堝21内部に保持される溶融材料及び加熱チューブ25から受ける熱、或いはワークコイル27から放射される高周波の影響を極力除去することが好ましい。図1に示した実施形態にたいして、このような熱或いは高周波の影響を抑制する構成を加えた変形例を図3及び図4に示す。図3及び図4は、各々図1と同様の様式にて当該実施形態に係る原材料供給装置及び該装置が適用された引下げ装置を示したものである。なお、図1に示した構成要素と同様の構成要素に関しては同一の参照符号を用いることとし、ここでの説明は省略する。
図3は、図1に示す構成に加え、加熱ヒータ7及び材料供給チューブ4に保持される原材料2に対して、坩堝21内部に保持される溶融材料及び加熱チューブ25から放出される熱を遮断する断熱部材11を設けた例を示している。該断熱部材11は、中央に貫通孔11aを有する略円盤形状部11bからなり、中央の貫通孔11aに対して材料供給チューブ4の管状部分が挿貫される。また、円盤形状部11bの外周部分には、該円盤面に対して垂直な一方向にのみ立ち上がる筒状のカラー部11cが設けられている。該断熱部材11の円盤形状部11bは、坩堝21の開口部と加熱コイル9及び加熱ヒータ7との間に配置され、主として坩堝21から放出される熱の遮断を行う。また、カラー部11cは、主として加熱チューブ25から放出される熱の遮断を行う。このような断熱部材11を配置することにより、材料供給チューブ4内部に保持される原材料2の温度をより好適に制御することが可能となる。
図4は、図1に示す構成に加え、加熱ヒータ7及び材料供給チューブ4に保持される原材料2に対して、ワークコイル27から発せられる高周波を遮断する高周波遮断部材13を設けた例を示している。該高周波遮断部材13は、中央に貫通孔13aを有する略円盤形状部13bからなり、中央の貫通孔13aに対して材料供給チューブ4の管状部分が挿貫される。また、円盤形状部13bの外周部分には、該円盤面に対して垂直な一方向にのみ立ち上がる筒状のカラー部13cが設けられている。該高周波遮断部材13の円盤形状部13bは、坩堝21の開口部と加熱コイル9及び加熱ヒータ7との間に配置され、主として坩堝21の方向から伝達される高周波放の遮断を行う。また、カラー部13cは、主としてワークコイル27から直接的に伝達される高周波の遮断を行う。このような高周波遮断部材13を配置することにより、材料供給チューブ4内部に保持される原材料2の温度をより好適に制御することが可能となる。
(第二の実施形態)
次に本発明の第二の実施形態について、第一の実施形態と同様の様式にて当該装置を示す図5を用いて説明する。本実施形態は、第一の実施形態と異なり、棒状或いは線状の原材料2aを対象としている。なお、第一の実施形態における構成要素と同様の構成要素に関しては同一の参照符号を用いることとし、ここでの説明は省略する。本実施形態においては、粒状の原材料を供給するための構成であるスパイラルチューブ5及び材料供給チューブ4に換えて、例えば対向する一対のローラ15から構成される材料供給ユニット3が用いられる。なお、実際には該ローラ15を駆動する機構、及び駆動速度を制御する制御系等も該ユニットに含まれるが、これら構成は既知のものであり本発明との本質と直接関係しないことからここでの説明は省略する。該ローラ15は略棒状の原材料2aを径方向から対向して該材料を挟持し、所定の速度で該材料を加熱ヒータ7方向に連続的に搬送している。略棒状の原材料2aは加熱ヒータ7の軸線に沿って搬送され、加熱ヒータ7の軸に沿って坩堝21方向に運ばれるに従って所定の温度まで加熱される。なお、第一の実施形態と同様に、管形状からなる加熱ヒータ7は該管形状の貫通孔が棒状の原材料を坩堝に投入する際の投入経路と一致するように配置される
本実施形態においては、第一の実施形態と異なり原材料の形状加工が比較的容易である。また、搬送速度を材料供給ユニット3によって原材料2aの搬送速度を任意に設定することも可能である。しかしながら、用いる材料の熱伝導率によっては坩堝21内部に保持された溶融材料と接触する領域及びその近傍のみを急激に所定温度まで加熱するという、図1に示した温度プロファイルを得ることが困難となる場合も考えら得る。従って、用いる原材料の特性に応じて、第一の実施形態及び第二の実施形態各々が使い分けられることが好ましい。また、本実施形態においても、第一の実施形態の変形例として示したものと同様に、断熱部材或いは高周波遮断部材を用いることとしても良い。
なお、上述した第一の実施形態において、加熱コイル9は加熱ヒータ7の軸方向長さに対応したものを用いることとしている。しかしながら、本発明の実施形態は当該構成に限定されない。具体的には、加熱コイル9を更に延長し、螺旋状部分の長さを材料供給チューブ4の軸方向長さと略一致させることとしても良い。上述した実施形態の場合、材料供給チューブ4も高周波誘導加熱が可能な材料から構成しており、該チューブを用いて原材料2或いは2aを予備的に加熱することとしても良い。また、加熱コイル9と加熱ヒータ7との組み合わせのみで好適な加熱条件が得られる場合には、材料供給チューブ4を非導電性の材料から構成することも可能である。また、第二の実施形態においても、加熱コイルを延長し、原材料自身を高周波誘導によって発熱させてある程度の温度まで予備加熱する構成としても良い。なお、この場合、急激な発熱を防止するために、加熱コイルの制御または加熱コイルと材料との距離を適切に設定することが好ましい。
また、第一の実施形態において粒状の原材料をスパイラルチューブ5と材料供給チューブ4との組み合わせによって供給することとしている。しかしながら、溶融材料表面或いは材料供給チューブ4の下面に対して大きな衝撃を与えることなく原材料を供給することが可能であれば、これら構成を用いなくとも良い。また、第二の実施形態においては、一対のローラによって構成される材料供給ユニットを例示したが、本発明の実施形態はこれに限定されない。棒状或いは線状の原材料を所定の速度で搬送可能な公知の種々の構成を該構成と置き換えることも可能である。
以上述べた実施形態においては、引下げ装置として所謂アフターヒータを用いた例を示したが、本発明が適用される引下げ装置は当該構成に限定されない。また、上述した実施形態においては雰囲気制御に関しても何ら言及されていない。しかしながら、本発明は、雰囲気制御のための構成を有したもの等、公知の種々の引下げ装置に対して用いることが可能である。また、本発明に係る原材料供給装置は、坩堝等に保持された原材料溶融材料に対して、温度等の保持条件を変化させることなく連続的に原材料を供給することが可能である。従って、従来から知られている所謂引き上げ装置に対する原材料の供給装置としても活用可能と考えられる。
本発明の第一の実施形態に係る原材料供給装置及び該供給装置を適用した引下げ装置に関して、これらの概略構成を軸方向に切断した断面を模式的に示す図である。 図1に示す原材料供給装置における材料供給チューブの先端開口部を拡大して示す図である。 図1に示す第一の実施形態に係る構成の変形例を示す図である。 図1に示す第一の実施形態に係る構成の変形例を示す図である。 本発明の第二の実施形態に係る原材料供給装置及び該供給装置を適用した引下げ装置に関して、これらの概略構成を軸方向に切断した断面を模式的に示す図である。
符号の説明
1:原材料供給装置、 2:原材料、 3:材料供給ユニット、 4:材料供給チューブ、 5:スパイラルチューブ、 7:加熱ヒータ、 9:加熱コイル、 11:断熱部材、 13:高周波遮断部材、 15:ローラ、 20:引下げ装置、 21:坩堝、 23:アフターヒータ、 25:加熱チューブ、 27:ワークコイル、 29:ステージ、 31:支持ステージ、 39:原材料搬送ユニット

Claims (4)

  1. 引下げ装置において溶融材料を保持する坩堝に対して前記溶融材料の基となる原材料を供給する、引下げ装置における原材料供給装置であって、
    貫通孔を有する管形状とされており、前記原材料を前記坩堝に対して投入する経路が前記貫通孔に配置され、高周波によって発熱可能な材料からなる加熱ヒータと、
    前記加熱ヒータを囲む螺旋状部分を有し前記加熱ヒータに対して高周波を放射可能な加熱コイルと、を有することを特徴とする原材料供給装置。
  2. 前記加熱ヒータの前記貫通孔に挿貫される管状部分を有し、前記管状部分の一方の端部開口が、前記坩堝に保持される溶融材料の液面近傍に至り、前記管状部分の他方の端部開口には前記原材料が投入可能である材料供給チューブを更に有することを特徴とする請求項1記載の原材料供給装置。
  3. 前記加熱ヒータと、前記引下げ装置における前記坩堝及び前記引下げ装置が有する加熱装置との間に配置される断熱部材を更に有することを特徴とする請求項1記載の原材料供給装置。
  4. 前記加熱ヒータと、前記引下げ装置が有する高周波発振コイルとの間に配置される高周波遮断部材を更に有することを特徴とする請求項1記載の原材料供給装置。
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