JP2008143825A - 歯磨組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)イソプロピルメチルフェノールを0.05〜0.5質量%、(B)l−メントールを0.1〜2.0質量%、(C)塩化ナトリウムを0.1〜5.0質量%、(D)ラウリル硫酸塩を0.5〜1.5質量%含有し、かつ(B)/(A)の質量比が2〜20で、(C)/(A)の質量比が2〜20であることを特徴とする歯磨組成物。
【効果】本発明の歯磨組成物は、イソプロピルメチルフェノール由来の高い殺菌効果が発揮されると共に、その異臭・異味が低減され、口腔粘膜に対して低刺激で、泡立ちにも優れた使用感の高いものである。
【選択図】なし
【効果】本発明の歯磨組成物は、イソプロピルメチルフェノール由来の高い殺菌効果が発揮されると共に、その異臭・異味が低減され、口腔粘膜に対して低刺激で、泡立ちにも優れた使用感の高いものである。
【選択図】なし
Description
本発明は、イソプロピルメチルフェノールによる殺菌効果が十分に発揮され、かつイソプロピルメチルフェノール由来の異臭・異味が少なく、口腔粘膜に対して低刺激であり、泡立ちもよい使用感の高い歯磨組成物に関する。
う蝕及び歯周病の2大口腔疾患の原因は、口腔内に形成される歯垢(バイオフィルム)中の各種細菌によるものであると考えられ、特に、う蝕は、ストレプトコッカス ミュータンス(S.mutans)等の連鎖球菌、歯周病はポルフィロモナス ジンジバリス(P.gingivalis)等の偏性嫌気性グラム陰性桿菌を主とした細菌による感染症であり、また、口臭の原因としてはフゾバクテリウム ヌクレアタム(F.nucleatum)等の口腔内細菌が関与している。従って、口腔疾患の予防、改善に有効な手段として、口腔内の病原性細菌数を低レベルに保つことが有用であることが言われている。
口腔内の病原性細菌数を低下させる手段としては、難水溶性殺菌剤やカチオン性殺菌剤を口腔ケア製品に配合することが有効な手段となっており、トリクロサンなどの難水溶性殺菌剤や、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンゼトニウムなどのカチオン性殺菌剤がいくつかの口腔ケア製品に配合されている。中でもイソプロピルメチルフェノール、トリクロサン等の難水溶性殺菌剤はカチオン性殺菌剤に比べて広い抗菌スペクトルを有しており、歯磨剤に配合され上市されている。
しかしながら、殺菌剤はそれ自体に味・臭いを有するものが多く、殺菌剤を配合すると、それに由来する異臭・異味等が生じてしまい、特にイソプロピルメチルフェノールはその構造から臭い・味が悪いため、口腔用組成物中に殺菌効果が発揮される量を配合できない、もしくは異臭・異味のため使用感が悪くなるという課題があった。
従来、イソプロピルメチルフェノールは、殺菌成分として口腔用組成物へ配合されている(特許文献1〜11)。
特許文献1は速溶性ディスポ口腔用材、特許文献2は口腔用組成物に関する特許であり、配合可能な口腔用薬物としてイソプロピルメチルフェノール、l−メントール、塩化ナトリウム及びラウリル硫酸ナトリウムが記載されている。また、特許文献2は口腔用組成物に関する特許であり、配合可能な成分としてイソプロピルメチルフェノール、ラウリル硫酸ナトリウム、l−メントール及び塩化ナトリウムが記載されている。
特許文献1は速溶性ディスポ口腔用材、特許文献2は口腔用組成物に関する特許であり、配合可能な口腔用薬物としてイソプロピルメチルフェノール、l−メントール、塩化ナトリウム及びラウリル硫酸ナトリウムが記載されている。また、特許文献2は口腔用組成物に関する特許であり、配合可能な成分としてイソプロピルメチルフェノール、ラウリル硫酸ナトリウム、l−メントール及び塩化ナトリウムが記載されている。
特許文献3は、塩類含有口腔用組成物に関する特許であり、実施例14は塩化ナトリウムを3質量%、イソプロピルメチルフェノールを0.05〜0.5質量%、ラウリル硫酸ナトリウムを2質量%及び香料を0.8質量%(香料中、l−メントールを5〜58質量%含む)配合した液体製剤であるが、ラウリル硫酸ナトリウムの含有量が高いため、口腔粘膜に対して刺激が生じるという問題があった。
また、特許文献4〜11は殺菌剤としてイソプロピルメチルフェノールを配合した口腔用組成物に関する特許であり、配合可能な成分としてl−メントール、ラウリル硫酸ナトリウム、塩化ナトリウムの記載があるが、イソプロピルメチルフェノール由来の異臭・異味を低減させる検討はなされていない。
また、口腔用組成物の異臭・異味を低減・改善し使用感を向上させる方法として、香料成分によりマスキングする方法などが提案されている(特許文献12〜15)。特許文献12〜15は特定の香料成分の配合により組成物中の異味・異臭の改善を提案しているが、特許文献12〜14においてはイソプロピルメチルフェノール由来による異味・異臭についての検討はなされていない。また、特許文献15の実施例9、10において、イソプロピルメチルフェノールを0.05質量%、ラウリル硫酸ナトリウムを1.0質量%、l−メントール等の香料成分との配合組成が報告されているが、イソプロピルメチルフェノールの殺菌効果への影響については検討されていない。
上記したようにイソプロピルメチルフェノールはその構造から臭い・味が悪いため、口腔用組成物中に殺菌効果が発揮される量を配合できない、もしくは異臭・異味のため使用感が悪くなるという課題があるものの、l−メントールを含まない香料成分等を配合して口腔用組成物の異臭・異味を低減・改善する方法では、香料成分により口腔粘膜に刺激が生じたり、使用感が悪くなったりするため、イソプロピルメチルフェノール由来の異臭・異味を低減することは難しく、他の解決策としては、イソプロピルメチルフェノールの配合量を減らし、異臭・異味を減らす方法があるが、その殺菌効果は満足できるものではなく、イソプロピルメチルフェノール含有の歯磨組成物において高い殺菌効果の発揮と優れた使用感とを同時に満足させることは困難であった。このため、これら課題を解決してイソプロピルメチルフェノール由来の優れた殺菌効果が発揮され、しかも、異臭・異味を低減・改善でき、使用感も満足できる技術の開発が望まれる。
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、イソプロピルメチルフェノールが配合されている歯磨組成物において、イソプロピルメチルフェノール由来の優れた殺菌効果が発揮されると共に、その異臭・異味が低減され、口腔粘膜に対して低刺激で、泡立ちにも優れた使用感の高い歯磨組成物を提供することを目的とする。
前記したように、イソプロピルメチルフェノールが配合されている歯磨組成物において、イソプロピルメチルフェノール由来の優れた殺菌効果を発揮させつつ、その異臭・異味を低減し、口腔粘膜に対して低刺激で、泡立ちにも優れた使用感のよい歯磨組成物を得る技術はいまだ十分なものはなく、これらの課題を克服した歯磨組成物の開発が望まれている。本発明者はかかる要望に応えるべく鋭意研究を重ねた結果、(A)イソプロピルメチルフェノールが配合された歯磨組成物中に、(B)l−メントール、(C)塩化ナトリウムを配合し、更に優れた使用感を確保するために(D)ラウリル硫酸塩を特定濃度で配合し、(B)/(A)の質量比及び(C)/(A)の質量比がそれぞれ2〜20であることにより、イソプロピルメチルフェノール由来の殺菌効果が十分に発揮され、かつ、イソプロピルメチルフェノール由来の異臭・異味が低減され、口腔粘膜に対して低刺激で、泡立ちが良く使用感の高い歯磨組成物が得られることを知見し、本発明をなすに至ったものである。
本発明においては、歯磨組成物の配合成分としてイソプロピルメチルフェノール、l−メントール、塩化ナトリウム、ラウリル硫酸塩は公知であるが、イソプロピルメチルフェノールとラウリル硫酸塩を特定濃度で配合した組成物中に、l−メントール及び塩化ナトリウムをイソプロピルメチルフェノールに対して特定の質量比で配合することにより、イソプロピルメチルフェノールの殺菌効果を発揮しつつ、l−メントール及び塩化ナトリウムによりイソプロピルメチルフェノール由来の異臭・異味が低減され、上記した従来技術では解決困難であったイソプロピルメチルフェノール由来の異味・異臭の発現等の課題を解決し、上記した優れた特性を有する歯磨組成物を得ることができたものであり、後述する実施例の結果から明らかなように、上記必須要件のいずれかを満たさない場合は本発明の効果は達成し得ないものである。
従って、本発明は、(A)イソプロピルメチルフェノールを0.05〜0.5質量%、(B)l−メントールを0.1〜2.0質量%、(C)塩化ナトリウムを0.1〜5.0質量%、(D)ラウリル硫酸塩を0.5〜1.5質量%含有し、かつ(B)/(A)の質量比及び(C)/(A)の質量比がそれぞれ2〜20であることを特徴とする歯磨組成物を提供する。
本発明の歯磨組成物は、イソプロピルメチルフェノール由来の高い殺菌効果が発揮されると共に、その異臭・異味が低減され、口腔粘膜に対して低刺激で、泡立ちにも優れた使用感の高いものである。
以下、本発明につき更に詳細に説明すると、本発明の歯磨組成物は、練歯磨、液状歯磨、液体歯磨、潤製歯磨等の歯磨類に調製されるもので、(A)イソプロピルメチルフェノール、(B)l−メントール、(C)塩化ナトリウム、(D)ラウリル硫酸塩を含有する。
本発明の歯磨組成物に用いられる(A)イソプロピルメチルフェノールは、非イオン性の殺菌成分として広く知られており、例えば、商品名ビオゾールとして大阪化成(株)から販売されているものを使用することができる。
イソプロピルメチルフェノールの配合量は、組成物全体に対して(以下、特に断らない限りは同様。)0.05〜0.5%(質量%。以下同様。)であることが好ましく、特に0.08〜0.3%であることが好ましい。0.05%未満であると、十分な殺菌効果が発揮されない。また、0.5%を超えるとイソプロピルメチルフェノール特有の芳香臭や異味が強くなったり、可溶化するために組成中の界面活性剤が多量に使用されてしまうため十分な泡立ちが得られなくなり、使用感が悪くなる場合がある。
本発明の歯磨組成物に用いられる(B)l−メントールとしては、高砂香料工業(株)から販売されているものを使用することができる。その配合量は、組成物全体に対して0.1〜2.0%であり、特に0.2〜1.0%であることが好ましい。0.1%未満であると、イソプロピルメチルフェノール特有の異味・異臭に対する低減効果が発揮されない。また、2.0%を超えると口腔粘膜に対して強い刺激が生じ、使用感が悪くなる。
なお、l−メントールは、精油から単離したものや合成したものを使用しても良いし、これらを含む精油を使用しても良い。
なお、l−メントールは、精油から単離したものや合成したものを使用しても良いし、これらを含む精油を使用しても良い。
本発明に用いる(C)塩化ナトリウムは、讃岐塩業(株)から販売されているものを使用することができる。塩化ナトリウムの配合量は0.1〜5.0%であり、特に0.2〜2.0%であることが好ましい。0.1%未満であるとイソプロピルメチルフェノール特有の異味・異臭に対する低減効果が発揮されない。また、5.0%を超えると十分な泡立ちが得られなかったり、異味が生じるなど、使用感が悪くなる。
本発明に用いる(D)ラウリル硫酸塩は、高級脂肪酸より合成された平均アルキル鎖長が12であるアニオン性界面活性剤である。具体的には、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウリル硫酸アンモニウム等が挙げられるが、口腔用組成物への配合のし易さから、ラウリル硫酸ナトリウム(東邦化学工業(株)製、第一製薬(株)製等)が最も好ましい。配合量は0.5〜1.5%であり、特に0.8〜1.2%であることが好ましい。0.5%未満であると十分な泡立ちが得られない。また、1.5%を超えると口腔粘膜に対して刺激が生じ、使用感が悪くなる。
また、本発明では、イソプロピルメチルフェノール特有の異味・異臭を低減するため、(A)イソプロピルメチルフェノールに対して(B)l−メントールを質量比で2〜20、更に好ましくは2〜10の割合で配合することが必要である。上記質量比が2未満ではイソプロピルメチルフェノール特有の異味に対する低減効果が発揮されず、20を超えると口腔粘膜に対して刺激が生じてしまう。
更に、本発明では、イソプロピルメチルフェノール特有の異味・異臭を低減するため、(A)イソプロピルメチルフェノールに対して(C)塩化ナトリウムを質量比で2〜20、更に好ましくは2〜10の割合で配合することが必要である。上記質量比が2未満ではイソプロピルメチルフェノール特有の異味に対する低減効果が発揮されず、20を超えると十分な泡立ちが得られない。
本発明の歯磨組成物は、上記必須成分に加えて本発明の効果を損なわない範囲で下記成分を配合できる。練歯磨の場合であれば、研磨剤、粘稠剤、粘結剤、ラウリル硫酸塩以外の発泡剤、甘味剤、防腐剤、l−メントール以外の香料、イソプロピルメチルフェノール以外の各種有効成分等を水と混和し、常法に従って製造することができる。
研磨剤としては、第2リン酸カルシウム(2水和物あるいは無水物)、第1リン酸カルシウム、第3リン酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、炭酸マグネシウム、第3リン酸マグネシウム、不溶性メタリン酸ナトリウム、不溶性メタリン酸カリウム、酸化チタン、ゼオライト、無水ケイ酸、含水ケイ酸、ケイ酸チタニウム、ケイ酸ジリコニウム、合成樹脂系研磨剤等があるが、効果の面から無水ケイ酸等の研磨剤が好ましく、その配合量は代表的な剤型である練歯磨の場合には5〜50%がよく、好ましくは10〜40%がよい。
粘稠剤としては、ソルビトール、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、キシリトール、マルチトール、ラクチトールから選ばれる、少なくとも1種に加えて、適宜、1,3−ブチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エタノール、変性エタノール、糖アルコール還元でんぷん糖化物等を使用することができる。その配合量は本発明の歯磨組成物の形態、使用目的等に応じ適宜選択される(配合量は通常5〜50%)。
粘結剤としては、カラギーナン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキエチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、トラガントガム、カラヤガム、アラビヤガム、ローカストビーンガム、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルピロリドン、カーボポール、シリカゲル、アルミニウムシリカゲル、ビーガム、ラポナイト等がある(配合量は通常0.3〜5%)。
発泡剤としては、ラウリル硫酸塩に加えて、その他のアニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤を配合し得る。アニオン性界面活性剤としては、ミリスチル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸ナトリウム、N−ラウロイルサルコシンナトリウム、N−ミリストイルサルコシンナトリウム等のN−アシルサルコシンナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、水素添加ココナッツ脂肪酸モノグリセリドモノ硫酸ナトリウム、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、N−パルミトイルグルタミン酸ナトリウム等のN−アシルグルタミン酸塩、N−メチル−N−アシルタウリンナトリウム、N−メチル−N−アシルアラニンナトリウム、α−オレフィンスルフォン酸ナトリウムなどが挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルなどの糖アルコール脂肪酸エステル類、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル等の多価アルコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などのエステル型あるいはエーテル型の界面活性剤、ラウリン酸ジエタノールアミド等の脂肪酸アルカノールアミド類が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、アルキルアンモニウム、アルキルベンジルアンモニウム塩等が挙げられる。両性の界面活性剤としては、酢酸ベタイン、イミダゾリニウムベタイン、レシチンなどが挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、アルキルアンモニウム、アルキルベンジルアンモニウム塩等が挙げられる。両性の界面活性剤としては、酢酸ベタイン、イミダゾリニウムベタイン、レシチンなどが挙げられる。
これら界面活性剤は1種又は2種以上を使用することができる。その配合量は本発明の効果を妨げない範囲で通常量とすることができるが、組成物全体の0.1〜1%が好ましく、(D)ラウリル硫酸塩との合計配合量は組成物全体の0.6〜2.5%が望ましい。
甘味剤としては、サッカリンナトリウム、ステビオサイド、ステビアエキス、パラメトキシシンナミックアルデヒド、ネオヘスペリジルヒドロカルコン、ペルラルチン、グリチルリチン、ソーマチン、アスパラチルフェニルアラニンメチルエステル等がある。
香料としては、l−メントールに加えて、その他の香料、例えばアネトール、カルボン、オイゲノール、リモネン、n−デシルアルコール、シトロネロール、α−テレピネオール、シトロネリルアセテート、シネオール、リナロール、エチルリナロール、ワニリン、チモール、スペアミント油、ペパーミント油、レモン油、オレンジ油、セージ油、ローズマリー油、桂皮油、ピメント油、桂葉油、シソ油、冬緑油、丁字油あるいはユーカリ油等が挙げられる。なお、l−メントールを含有する香料を配合する場合は、組成物中のl−メントールの総配合量及び配合比が上記範囲内になる範囲の配合量で添加する。
本発明の組成物には、イソプロピルメチルフェノールに加えて、その他の薬効成分あるいは有効成分として、デキストラナーゼ、アミラーゼ、プロテナーゼ、ムタナーゼ等の酵素、モノフルオロリン酸ナトリウム等のアルカリ金属モノフルオロフォスフェート、フッ化ナトリウム、フッ化第1スズ等のフッ化物、トラムキサム酸、イプシロンアミノカプロン酸、アルミニウムクロルヒドロキシアラントイン、アズレン、グリチルリチン酸塩、グリチルレチン酸、ビタミン類等の抗炎症剤、銅クロロフィル、グルコン酸銅、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、トリクロサン、ヒノキチオール、塩化リゾチーム等の殺菌剤、ポリリン酸塩類、ゼオライト等の歯石予防剤を配合できる。なお、これら有効成分の配合量は、本発明の効果を妨げない範囲で有効量配合することができる。
本発明の歯磨組成物を収容する容器の材質は特に制限されず、通常歯磨組成物に使用される容器を使用できる。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン等のプラスチック容器等が使用できる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。なお、以下の例において配合量はいずれも%である。
〔実施例、比較例〕
下記の表1、2に示す組成の練歯磨組成物を下記製造法により調製し、モデルバイオフィルムに対する殺菌効果、歯磨時の使用感評価(異臭・異味の無さ)、歯磨時の泡立ち評価、口腔粘膜に対する刺激性評価を以下の方法により評価した。結果を表1、2に示す。
下記の表1、2に示す組成の練歯磨組成物を下記製造法により調製し、モデルバイオフィルムに対する殺菌効果、歯磨時の使用感評価(異臭・異味の無さ)、歯磨時の泡立ち評価、口腔粘膜に対する刺激性評価を以下の方法により評価した。結果を表1、2に示す。
歯磨組成物の製造法:
(1)精製水中に水溶性成分(粘結剤、プロピレングリコール等を除く)を常温で混合溶解させたA相を調製した。
(2)プロピレングリコール中に粘結剤を常温で分散させたB相を調製した。
(3)攪拌中のA相の中にB相を添加混合し、C相を調製した。
(4)C相中に、香料、研磨剤、界面活性剤等の水溶性成分以外の成分を1.5Lニーダー(石山工作所製)を用い常温で混合し、減圧による脱泡を行い、歯磨組成物1.2kgを得た。なお、組成中にプロピレングリコールのない歯磨組成物に関しては、攪拌中のA相に粘結剤を添加混合し、C相を調製した。
(1)精製水中に水溶性成分(粘結剤、プロピレングリコール等を除く)を常温で混合溶解させたA相を調製した。
(2)プロピレングリコール中に粘結剤を常温で分散させたB相を調製した。
(3)攪拌中のA相の中にB相を添加混合し、C相を調製した。
(4)C相中に、香料、研磨剤、界面活性剤等の水溶性成分以外の成分を1.5Lニーダー(石山工作所製)を用い常温で混合し、減圧による脱泡を行い、歯磨組成物1.2kgを得た。なお、組成中にプロピレングリコールのない歯磨組成物に関しては、攪拌中のA相に粘結剤を添加混合し、C相を調製した。
(1)モデルバイオフィルムに対する殺菌効果
凍結保存してあったアクチノマイセス ビスコーサス、フゾバクテリウム ニュークレアタム、ポルフィロモナス ジンジバリス培養液40μLをそれぞれ5mg/Lヘミン(Sigma社製)及び1mg/LビタミンK(和光純薬工業社製)を含むトッドヘーウィットブロース(Becton and Dickinson社製)培養液(THBHM)4mLに添加し、37℃で二晩嫌気培養(80vol%窒素、10vol%二酸化炭素、10vol%水素)した。凍結保存してあったベイヨネラ パービューラー培養液80μLを1.26%乳酸ナトリウム(Sigma社製)を含むトッドヘーウィットブロース(Becton and Dickinson社製)培養液(THBL)4mLに添加し、同様に培養した。
凍結保存してあったアクチノマイセス ビスコーサス、フゾバクテリウム ニュークレアタム、ポルフィロモナス ジンジバリス培養液40μLをそれぞれ5mg/Lヘミン(Sigma社製)及び1mg/LビタミンK(和光純薬工業社製)を含むトッドヘーウィットブロース(Becton and Dickinson社製)培養液(THBHM)4mLに添加し、37℃で二晩嫌気培養(80vol%窒素、10vol%二酸化炭素、10vol%水素)した。凍結保存してあったベイヨネラ パービューラー培養液80μLを1.26%乳酸ナトリウム(Sigma社製)を含むトッドヘーウィットブロース(Becton and Dickinson社製)培養液(THBL)4mLに添加し、同様に培養した。
培養後、ベイヨネラ パービューラーを除く3菌種の菌液からそれぞれ300μLを採取し、30mLのTHBHMに添加し、更に一晩培養した。ベイヨネラ パービューラーの菌液から同様に300μLを採取し、30mLのTHBLに添加し、一晩培養した。再培養後、各菌液を遠心分離(10000rpm、10min)し、上清を廃棄した。各沈渣(細菌)に対して、吸光度(550nm)がおよそ0.1になるように、ベイサルメディウムムチン培養液(BMM)(*1)を添加し、再懸濁した。4種の菌液を等量混合し、攪拌後、24穴マルチディッシュ(住友ベークライト社製、1ウェルあたりの培養面積:約1.9cm2)の各ウェルに1mLずつ分注した。一日間の嫌気培養を行った後、培養液全量を排出し、1mLのBMMを添加した。同操作を6日間継続し、プレート上にバイオフィルムを形成させた。
(*1)BMMの組成
4gのプロテオースペプトン(Becton and Dickinson社製)、2gのトリプトン(Becton and Dickinson社製)、2gのイーストエキス(Becton and Dickinson社製)、5gのムチン(Sigma社製)、2.5mgのヘミン(Sigma社製)、0.5mgのビタミンK(和光純薬工業社製)、1gのKCl(和光純薬工業社製)、0.2gのシステイン(和光純薬工業社製)を精製水に溶解し、全量が1Lになるように調製した。
4gのプロテオースペプトン(Becton and Dickinson社製)、2gのトリプトン(Becton and Dickinson社製)、2gのイーストエキス(Becton and Dickinson社製)、5gのムチン(Sigma社製)、2.5mgのヘミン(Sigma社製)、0.5mgのビタミンK(和光純薬工業社製)、1gのKCl(和光純薬工業社製)、0.2gのシステイン(和光純薬工業社製)を精製水に溶解し、全量が1Lになるように調製した。
次に、歯磨剤10gに人工唾液(*2)30mLを加えて攪拌した後、遠心(10000rpm、20min)し、得られた上清を試験薬剤液とした。培養6日目にこの試験薬剤液を添加し、3分間放置した。その後、生理食塩水で3回洗浄し、更に試験薬剤液を添加し、3分間放置した。その後、生理食塩水で12回洗浄し、1mLのBMMを添加し、再び嫌気培養した。培養7日目にも同様の処置を行い、残存したバイオフィルムを4mLのTHBHM中で分散し、試験管(直径1.3cm×10cm)に移した。このバイオフィルムを超音波粉砕(10秒、200μA)後、段階希釈(×10)を行い、各菌溶液を血液寒天平板(*3)に塗沫した。平板は、肉眼でコロニーが確認できるまで嫌気培養した。各平板のコロニー数をカウント後、定法により生菌数(単位;cfu/ウェル、cfu;colony forming unitの略)を算出した。
なお、試験薬剤液の代わりに人工唾液を作用させた場合の生菌数の対数値と試験薬剤液を作用させた場合の生菌数の対数値との差を用いて、差が2.0以上を◎、1.0以上2.0未満を○、0.5以上1.0未満を△、0.5未満を×として評価した。
なお、試験薬剤液の代わりに人工唾液を作用させた場合の生菌数の対数値と試験薬剤液を作用させた場合の生菌数の対数値との差を用いて、差が2.0以上を◎、1.0以上2.0未満を○、0.5以上1.0未満を△、0.5未満を×として評価した。
(*2)人工唾液の組成
3.73gの塩化カリウム、0.14gのリン酸2水素1カリウム、0.15gの塩化カルシウム・2水和物、0.02gの塩化マグネシウム・6水和物を精製水に溶解し、水酸化カリウムでpHを7に調整し、1Lとした。なお、pH調整には、pHメーター(東亜ディーケーケー株式会社製、型式:HM−30G)及びpH電極(東亜ディーケーケー株式会社製、型式:GST−5721C)を用いた。
3.73gの塩化カリウム、0.14gのリン酸2水素1カリウム、0.15gの塩化カルシウム・2水和物、0.02gの塩化マグネシウム・6水和物を精製水に溶解し、水酸化カリウムでpHを7に調整し、1Lとした。なお、pH調整には、pHメーター(東亜ディーケーケー株式会社製、型式:HM−30G)及びpH電極(東亜ディーケーケー株式会社製、型式:GST−5721C)を用いた。
(*3)血液寒天平板培地の組成
30gのトッドヘーウィットブロース(Becton and Dickinson社製)、15gの寒天(Becton and Dickinson社製)、5mgのヘミン(Sigma社製)、1mgのビタミンK(和光純薬工業社製)を精製水に溶解し、全量が1Lになるように調製した。
30gのトッドヘーウィットブロース(Becton and Dickinson社製)、15gの寒天(Becton and Dickinson社製)、5mgのヘミン(Sigma社製)、1mgのビタミンK(和光純薬工業社製)を精製水に溶解し、全量が1Lになるように調製した。
(2)歯磨時の使用感評価(異臭・異味の無さ)
被験者10名を用い、表1、2に示す各組成の歯磨約1gを歯ブラシにとり、3分間歯磨を行った際の異臭・異味についての使用感について、<1>異臭・異味を強く感じるを1点、<2>異臭・異味を感じるを2点、<3>異臭・異味をほとんど感じないを3点、<4>異臭・異味を感じないを4点として、10名の平均点から以下の基準で異臭・異味に関する使用感を評価した。
◎:平均点3.5点以上4.0点以下
○:平均点3.0点以上3.5点未満
△:平均点2.0点以上3.0点未満
×:平均点1.0点以上2.0点未満
被験者10名を用い、表1、2に示す各組成の歯磨約1gを歯ブラシにとり、3分間歯磨を行った際の異臭・異味についての使用感について、<1>異臭・異味を強く感じるを1点、<2>異臭・異味を感じるを2点、<3>異臭・異味をほとんど感じないを3点、<4>異臭・異味を感じないを4点として、10名の平均点から以下の基準で異臭・異味に関する使用感を評価した。
◎:平均点3.5点以上4.0点以下
○:平均点3.0点以上3.5点未満
△:平均点2.0点以上3.0点未満
×:平均点1.0点以上2.0点未満
(3)歯磨時の泡立ちの評価方法
被験者10名を用い、表1、2に示す各組成の歯磨約1gを歯ブラシにとり、3分間歯磨を行った際の泡立ちを、<1>泡立ちが非常に良い、<2>泡立ちが良い、<3>泡立ちがやや少ない、<4>泡立ちが少ない、の4段階で回答を得た。この回答のうち、<1>泡立ちが非常に良いを4点、<2>泡立ちが良いを3点、<3>泡立ちがやや少ないを2点、<4>泡立ちが少ないを1点として、10名の平均点から以下の基準で使用感を評価した。
◎:平均点3.5点以上4.0点以下
○:平均点3.0点以上3.5点未満
△:平均点2.0点以上3.0点未満
×:平均点1.0点以上2.0点未満
被験者10名を用い、表1、2に示す各組成の歯磨約1gを歯ブラシにとり、3分間歯磨を行った際の泡立ちを、<1>泡立ちが非常に良い、<2>泡立ちが良い、<3>泡立ちがやや少ない、<4>泡立ちが少ない、の4段階で回答を得た。この回答のうち、<1>泡立ちが非常に良いを4点、<2>泡立ちが良いを3点、<3>泡立ちがやや少ないを2点、<4>泡立ちが少ないを1点として、10名の平均点から以下の基準で使用感を評価した。
◎:平均点3.5点以上4.0点以下
○:平均点3.0点以上3.5点未満
△:平均点2.0点以上3.0点未満
×:平均点1.0点以上2.0点未満
(4)口腔粘膜に対する刺激性の評価方法
粘膜刺激に敏感な被験者10名を用い、表1、2に示す各組成の歯磨約1gを歯ブラシにとり、3分間歯磨を行った際の口腔粘膜に対する刺激の程度を、<1>刺激を強く感じるを1点、<2>刺激を感じるを2点、<3>刺激をほとんど感じないを3点、<4>刺激を感じないを4点として、10名の平均点から以下の基準で口腔粘膜に対する刺激性を評価した。
◎:平均点3.5点以上4.0点以下
○:平均点3.0点以上3.5点未満
△:平均点2.0点以上3.0点未満
×:平均点1.0点以上2.0点未満
粘膜刺激に敏感な被験者10名を用い、表1、2に示す各組成の歯磨約1gを歯ブラシにとり、3分間歯磨を行った際の口腔粘膜に対する刺激の程度を、<1>刺激を強く感じるを1点、<2>刺激を感じるを2点、<3>刺激をほとんど感じないを3点、<4>刺激を感じないを4点として、10名の平均点から以下の基準で口腔粘膜に対する刺激性を評価した。
◎:平均点3.5点以上4.0点以下
○:平均点3.0点以上3.5点未満
△:平均点2.0点以上3.0点未満
×:平均点1.0点以上2.0点未満
*4:イソプロピルメチルフェノール:大阪化成(株)製
*5:l−メントール:高砂香料工業(株)製
*6:塩化ナトリウム:讃岐塩業(株)製
*7:ラウリル硫酸ナトリウム:東邦化学工業(株)製
*5:l−メントール:高砂香料工業(株)製
*6:塩化ナトリウム:讃岐塩業(株)製
*7:ラウリル硫酸ナトリウム:東邦化学工業(株)製
Claims (1)
- (A)イソプロピルメチルフェノールを0.05〜0.5質量%、(B)l−メントールを0.1〜2.0質量%、(C)塩化ナトリウムを0.1〜5.0質量%、(D)ラウリル硫酸塩を0.5〜1.5質量%含有し、かつ(B)/(A)の質量比が2〜20で、(C)/(A)の質量比が2〜20であることを特徴とする歯磨組成物。
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-
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- 2006-12-08 JP JP2006331779A patent/JP2008143825A/ja active Pending
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