JP2008127674A - 絶縁被膜を有する電磁鋼板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】Zr、Pおよび樹脂を含有し、PがZrに対しモル比でP/Zr=0.50〜2.50であり、前記樹脂は被膜全固形分に対し固形分重量換算で10〜50%含有する。また、前記樹脂は、その固形分1g中にカルボン酸基を0.10モル以上有している。このように特定比率のカルボン酸基を有する特定量の樹脂を絶縁被膜中に含有することにより、耐キズ性が向上する。
【選択図】 図1
Description
例えば、電磁鋼板に打抜き加工、せん断加工、曲げ加工などを施すと残留歪みにより磁気特性が劣化する。そこで、劣化した磁気特性を回復させるため750〜850℃程度で歪取り焼純を行う場合が多い。この場合には絶縁被膜が歪取り焼鈍に耐えるものでなければならない。
このような現状に対して、Crを含有しない絶縁被膜付き電磁鋼板が提案されている。特許文献2には、Crを含まず打抜性が良好な絶縁被膜として、樹脂およびコロイダルシリカとしてアルミナ含有シリカを成分としたものが記載されている。
[1]ZrおよびPを含有する絶縁被膜を有する鋼板であって、PがZrに対しモル比でP/Zr=0.50〜2.50であり、前記絶縁被膜中には、固形分1g中にカルボン酸基を0.10モル以上有する樹脂を、被膜全固形分に対し固形分重量換算で10〜50%含有することを特徴とする絶縁被膜を有する電磁鋼板。
[2]前記[1]において、前記樹脂は、アクリル樹脂および/またはその共重合体であることを特徴とする絶縁被膜を有する電磁鋼板。
本発明の鋼板は、ZrおよびPを含有する絶縁被膜を有する鋼板であり、PがZrに対しモル比でP/Zr=0.50〜2.50であり、前記絶縁被膜中には、固形分1g中にカルボン酸基を0.10モル以上有する樹脂を、被膜全固形分に対して固形分重量換算で10〜50%含有する。このような絶縁被膜中の組成と最適含有量は、本発明において最も重要な要件である。そして、上記からなる絶縁被膜を有することで、特に300℃以下で焼き付けた後、及び、歪み取り焼鈍後に耐キズ性に優れた電磁鋼板が得られることになる。
本発明で用いることができる、絶縁被膜を形成する前の電磁鋼板(電気鉄板ともいう)は、比抵抗を変化させて所望の磁気特性を得るために調整された鋼板(鉄板)であればどのような組成の鋼板でもよく、特に制限されない。
また、磁気特性改善のために、インヒビター形成元素あるいは偏析元素であるMn、Se、S、Al、N、Bi、B、SbおよびSn等から選ばれる少なくとも1種を必要に応じて添加することができる。インヒビター形成元素等を添加する場合は、通常、これらの元素が合計で0.5質量%以下含有するのが好ましい。
以上を除く残部は鉄および不可避な不純物である。不純物としては、例えば、C、N、Oやインヒビターとして効果の少ない少量のS等が挙げられる。不純物は少ない方が良いが、高級品でなければ、Cを約0.02〜0.05質量%程度含有していてもよい。
本発明の絶縁被膜は、必須成分としてZrおよびPを、PがZrに対しモル比でP/Zr=0.50〜2.50含有し、さらに、固形分1g中にカルボン酸基を0.10モル以上有する樹脂を、被膜全固形分に対して固形分重量換算で10〜50%含有する。そしてこれらを含む被膜原料を鋼板表面に塗布し、乾燥および/または焼き付け処理を施すことで得られる。塗布する被膜原料は、水性のペースト状あるいは液状を用いることができる。必要以上に被膜厚み(被膜付着量)を増大させない観点や効果の点から液状(水性液)とすることが好ましい。なお、以下の説明において、処理液とした場合には原則として、液状およびペースト状の原料も含むものとする。
本発明の鋼板に付される絶縁被膜は、Zrを特定量含有する。Zrは最大で8つの配位数を持ち、一般には4つの結合手により他の物質、特に酸素と強く結合する。このためFe表面の酸化物、水酸化物、リン酸塩などと強固に結合しクロム化合物を使用しなくても強靭な被膜を形成することができると考えられる。
なお、上に列記したZr化合物はZrの同属元素であるHf、Tiあるいはこれらの酸化物(HfO2、TiO2)、さらにSiO2、Fe2O3等を不純物として合計5質量%程度以下含んでいてもよい。なお、不純物の主体はHfあるいはHfO2である。
本発明の鋼板に付される絶縁被膜は、Pを特定量含有する。PはZrと強固に結合し被膜を形成するために必要である。本発明において、絶縁被膜の原料として用いることができるP化合物としては、リン酸、リン酸カリウム、リン酸ナトリウムなどを用いることができる。
PはZrに対して、モル比でP/Zr=0.50〜2.50とする。この比が大きくなれば被膜が強固になる。しかし、P/Zrが0.50未満であるか、もしくは2.50を超えると、耐食性が劣化してしまう。なお、好ましくは0.6〜1.5である。
なお、モル比P/Zrは調合時の添加重量から計算できる。また、蛍光X線などで存在比をとってもよい。
本発明の絶縁被膜は、固形分1g中にカルボン酸基を0.10モル以上有する樹脂を被膜全固形分に対して固形分重量換算で10〜50%含有する。PとZrで形成される無機マトリックスは0.1μm以下の薄膜では欠陥(クラック)の少ない均一な被膜を形成し得るが、0.1μmを越えると造膜収縮により欠陥が発生して耐キズ性が劣化する。そのため、樹脂を添加することによりこの欠陥の発生を低減することが考えられる。しかし、樹脂を添加することで、逆に樹脂を起点に欠陥が発生してしまう場合が非常に多かった。そこで、樹脂を起点に欠陥が発生することなく、効果的な樹脂の添加について、発明者らは鋭意研究した。その結果、絶縁被膜中に、特定比率のカルボン酸量を有する樹脂を特定量添加することで厚膜であっても欠陥の極めて少ないPとZrからなる絶縁被膜を形成できることを見出した。一方、カルボン酸基を有さないか、被膜全固形分に対するカルボン酸基の重量が特定比率を満たさない場合、図3(b)に示すように樹脂分が凝集し、場合によっては被膜表面から地鉄との界面にわたって樹脂が連続して存在する部分が生じ、クラックの起点となってしまう場合がある。
カルボン酸基は樹脂に水溶性を付与するのみならず、Zrと反応して有機−無機ネットワークを形成しうる。ゆえに、特定比率のカルボン酸基をもつ水溶性樹脂を絶縁被膜中に特定量添加することで分散状態がよくなり、細かい粒子状の海島構造をとることができる。すなわち、図3(a)に示すように、本発明では、絶縁被膜中に特定比率のカルボン酸基をもつ樹脂を特定量添加することで、無機成分中に前記樹脂分が島状に点在した状態となる。そして、無機成分は軽石状になり、本質的には薄膜にしたことと同じことになる。その結果、被膜厚みが厚くても欠陥が極めて入りにくくなる。
樹脂におけるカルボン酸基の割合は樹脂固形分1gあたり0.10モル以上である。0.10モル未満ではカルボン酸の量が少なくて本発明の効果が得られない。好ましくは0.2〜0.7モルである。更に好ましくは0.3〜0.65である。このような最適量のカルボン酸基を有する樹脂とすることで、ポリアクリル酸はおよそ0.62、ポリメタクリル酸はおよそ0.52となり、これらのランダム及びブロック共重合体により任意のカルボン酸量をとることができる。
また、樹脂の添加量は、被膜全固形分に対して固形分重量換算(樹脂固形分/被膜全固形分)で10〜50%である必要がある。10%未満では収縮応力を緩和できずに欠陥の発生を抑制できない。50%を越えると無機マトリックスの軽石構造が疎となり、脆弱となる。
なお、ここで「被膜全固形分(重量)」とは、後述する方法で電磁鋼板表面に形成した被膜の乾燥後の付着量である。被膜全固形分重量は、アルカリ剥離による被膜除去後の重量減少から測定することができる。
樹脂としてはアクリル樹脂及びその共重合体であることが好ましく、例えば、アクリル樹脂、アクリル−エチレン共重合体、ポリエチレンオキサイド−アクリル共重合体、ポリビニルアルコール−アクリル共重合体などが挙げられる。アクリル樹脂はポリメタクリル酸、ポリアクリル酸、及びその共重合体が使用できる。これら樹脂のカルボン酸基は未中和、中和どちらでもよいが、中和の場合はナトリウム、カリウム、アンモニア、アミンなどをカウンターイオンとして使用できる。分子量は特に規定しないがMw500〜1000000程度が特に好ましい。
また、骨格にカルボン酸基を有さない樹脂における側鎖がカルボン酸基で置換された樹脂(カルボン酸変性樹脂)も本発明の樹脂として使用することができる。
なお、本発明は本発明の効果を妨げない範囲内で更に他の樹脂(カルボン酸基を含まない樹脂)を添加することができる。他の樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレンといったポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、スチレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂等の1種または2種以上の水性樹脂(エマルション、ディスパーション、水溶性)をあげることができる。これらは乳化や他の材料とのなじみを良くするために酸化処理やブロック共重合体、グラフト共重合体であってもよい。添加量としては全固形分に対して固形分重量換算で30%以下が好ましい。
本発明の絶縁被膜は、被膜の性能や均一性を一層向上させるために、必要に応じて、界面活性剤(ノニオン系、カチオン系、アニオン系界面活性剤;シリコーン界面活性剤;アセチレンジオールなど)、防錆剤(アミン系、非アミン系防錆剤など)、ホウ酸、シランカップリング剤(アミノシラン、エポキシシランなど)、潤滑剤(ワックスなど)等の有機および無機添加剤を含有することができる。これらの添加剤としては、従来から知られているクロメート系の絶縁被膜や、これまでに提案されている非クロメート系絶縁被膜に適用される、公知のものを用いることができる。
これらの添加剤を用いる場合、十分な被膜特性を維持するために、本発明の絶縁被膜の全固形分重量に対して10%程度以下とすることが好ましい。
本発明の絶縁被膜は、本発明の効果が損なわれない程度に、他の無機化合物および/または有機化合物を含有してもよい。例えば、液安定性が確保できれば他の酸化物ゾルを添加することができる。酸化物ゾルとしてはアルミナゾル、鉄ゾル、チタニアゾル、スズゾル、セリウムゾル、アンチモンゾル、タングステンゾル、モリブデンゾルなどが挙げられる。
なお、本発明はクロム化合物を添加せずに良好な被膜特性を得ることを目的している。したがって、本発明の絶縁被膜は製造工程および製品からの環境汚染を防止する観点からCrを実質的に含まないことが好ましい。不純物として許容されるクロム量としては、絶縁被膜の全固形分重量に対してCrO3換算した量で0.1%以下とすることが好ましい。
また、本発明の絶縁被膜は、本発明の効果が損なわれない程度にSi化合物を含有することができる。処理液に含有させるSi化合物としては、コロイダルシリカが好ましく適用される。コロイダルシリカはSiO2を主成分とする無機コロイドであり、アモルファス状であることが多い。コロイダルシリカの粒子径は、好ましくは200nm以下、さらに好ましくは100nm以下である。下限は特に限定されないが、超微細な粒子とすると同じ含有量でも全体の表面積が大きくなるため、他の成分との相互作用が高くなって被膜の強さが増すものと考えられる。なお、粒子径が小さい場合はシリカ粒子同士および他成分との間で凝集が起こりやすいので、コロイダルシリカの濃度を低目に調整するとよい。逆に所望の濃度から実用に適した粒子径に設定してもよい。
なお、平均粒子径はBET法(吸着法による比表面積から換算)により測定できる。また、電子顕微鏡写真から実測した平均値(球径換算)で代用することも可能である。
本発明で用いるSi化合物としては、他の金属元素を不純物程度以上は含まないことが望ましい。その他、考えられる不純物については、SiO2換算重量に対してNa2O:5%以下、Cl:5%以下、SO4:3%以下が好ましい。
<絶縁被膜の製造方法>
上記の本発明の絶縁被膜を電磁鋼板表面に製造する方法を説明する。
本発明の出発素材として用いる電磁鋼板の前処理は特に規定しない。仕上げ焼鈍後、未処理あるいは水洗、アルカリなどの脱脂処理、塩酸、硫酸、リン酸などの酸洗処理が好ましく適用される。そして、この電磁鋼板上に前記Zr化合物と、前記P化合物、および前記樹脂と、さらに必要に応じて前記添加剤等を含有する処理液を塗布する。その後、前記処理液を塗布した電磁鋼板に必要に応じて焼き付け処理を施すことにより絶縁被膜を形成させる。
絶縁被膜の塗布方法は一般工業的に用いられる、ロールコーター、フローコーター、スプレー、ナイフコーター等種々の設備を用いる方法が適用可能である。また、焼き付け方法についても通常実施されるような熱風式、赤外線加熱式、誘導加熱式等が可能である。焼き付け温度も通常レベルであればよいが、100℃以上350℃以下が好ましい。より好ましい範囲は150℃以上、300℃以下である。
本発明の絶縁被膜付き電磁鋼板は、歪取り焼鈍を施して、例えば、打抜き加工による歪みを除去することができる。好ましい歪取り焼鈍雰囲気としては、N2雰囲気、DXガス雰囲気などの鉄が酸化されにくい雰囲気が適用される。ただし、僅かな酸化にも利点があり、前記雰囲気において、露点を高く、例えばDp:5〜60℃程度に設定し、表面および切断端面を若干酸化させることで耐食性をさらに向上させることができる。
好ましい歪取り焼鈍温度は600℃以上900℃以下である。より好ましい下限は650℃、さらに好ましくは700℃以上である。さらに、750℃前後あるいは750℃以上とすることが一層好ましい。一方、より好ましい上限は850℃である。歪取り焼鈍における保持時間は長い方が好ましいが、2時間以上がより好ましい。
絶縁被膜の付着量は特に指定しないが、片面あたり合計で0.01g/m2以上5g/m2以下であることが好ましい。なお、付着量、即ち、本発明の絶縁被膜における全固形分質量の測定はアルカリ剥離による被膜除去後の重量減少から測定することができる。また、付着量が少ない場合には蛍光X線を用いて測定しても良い。この場合、アルカリ剥離法を用いて作成された検量線により付着量を算出するのがよい。
付着量が0.01g/m2未満であると耐食性や絶縁性が不足する可能性がある。また、付着量が5g/m2を超えると、塗装における作業性が低下する場合がある。より好ましいくは、0.1g/m2以上3.0g/m2以下である。さらにより好ましくは、0.2g/m2以上2.5g/m2以下である。
本発明の被膜及び絶縁被膜は鋼板の両面にあることが好ましいが、目的によっては片面のみでも構わない。すなわち、目的によっては片面のみ施し、他面は他の絶縁被膜としてもよいし、他面に絶縁被覆を施さなくてもよい。
本発明の絶縁被膜(以下、「下地被膜」と称す)の表面に、さらに、下地被膜とは成分の異なる第2の絶縁被膜(以下、「上層被膜」と称す)を有することができる。
ここで上層被膜は、下地被膜の表面に少なくとも1層形成されればよいが、2層以上であってもよい。各上層被膜組成をとくに限定する必要はないが、下地被膜と同様の理由によりCrを実質的に含まないことが好ましい。
本発明の上層被膜は、上記下地被膜と同様な方法で製造することができる。つまり、上記の方法で製造した下地被膜の表面に、さらに同様な方法で上層被膜を製造することができる。なお、本発明の上層被膜が形成された電磁鋼板を歪取り焼鈍する場合も、上記の下地被膜のみが形成された場合の焼鈍方法と同様でよい。
上層被膜を形成する場合の被膜の付着量も任意であるが、下地被膜の付着量は0.001〜1.0g/m2とし、上層被膜の付着量は0.04〜4.0g/m2とすることが好ましい。この範囲内では下地被膜が薄い絶縁被膜となり、耐食性劣化の原因と考えられるクラックがとくに入りにくい。下地被膜の付着量は0.005g/m2以上とすることがより好ましく、0.01g/m2以上とすることがさらに好ましい。また、0.2g/m2以下とすることがより好ましい。
他方、上層被膜の追加は絶縁性の確保に非常に有用で、下地被膜のキズや欠陥を封止するため、厚め、たとえば0.2g/m2以上付与することが好ましい。
なお、薄い下地処理とすることにより、外観も向上する効果が見られる。下地を施した後に上層を塗布した場合、水性の処理液で起こりやすい鋼板のFe溶出が抑制され、外観が向上するものと考えられる。
P化合物、Zr化合物、樹脂を表1に示す絶縁被膜組成となるように脱イオン水に添加し、第1層(単層被膜または下地皮膜)用の各処理液を調整した。ここで、P2O5、ZrO2換算量、及び樹脂固形分重量の合計が脱イオン水量に対して、80g/l添加された処理液となるように調整した。
次いで、これらの各処理液を、板厚0.5mmの電磁鋼板(Si:0.25質量%)から幅150mm、長さ300mmの大きさに切り出した試験片の表面にロールコーターで塗布し、プロパンガス直火により到達温度230℃で焼付け処理した後、常温で放冷し、絶縁被膜を形成した。なお、目付量は片面あたり1.6g/m2であった。
以上により得られた絶縁被膜を有する電磁鋼板に対して、以下の方法により耐キズ性の評価を行った。
<焼き付け後(製品板)および歪取り焼鈍後の耐キズ性>
サンプル表面を、同じ鋼板をせん断して作ったエッジ部で引っ掻き、キズ、粉吹きの程度を判定した。
さらに、N2雰囲気、750℃で2時間保持して歪取り焼鈍を行ったサンプルについても、その表面を上記と同様の方法に行い、同様の判定基準に従って耐キズ性を評価した。
(判定基準)
A;キズ、粉の発生がほとんど認められない
B;若干の擦り跡および若干の粉吹きが認められる程度
C;擦り跡および粉吹きがはっきりわかる程度
D;地鉄が露出するほど剥離し粉塵が甚大
以上より得られた結果を実験条件と併せて表1、図1および図2に示す。なお、表1中ではA:◎、B:○、C:△、D:×とした。
また、図1は絶縁被膜へ添加される樹脂のカルボン酸量(横軸)が耐キズ性(縦軸)に与える影響を示す図であり、図1より、樹脂中のカルボン酸基の割合が0.20mol/g以上の場合に耐キズ性が◎もしくは○であり、良好となっているのがわかる。
図2は絶縁被膜へ添加される樹脂(いずれもカルボン酸量は0.10mol/g以上)の添加量(横軸)が耐キズ性(縦軸)に与える影響を示す図であり、図2より、樹脂の添加量が10〜50%の場合に耐キズ性が◎もしくは○であり、良好となっているのがわかる。
Claims (2)
- ZrおよびPを含有する絶縁被膜を有する鋼板であって、
PがZrに対しモル比でP/Zr=0.50〜2.50であり、
前記絶縁被膜中には、固形分1g中にカルボン酸基を0.10モル以上有する樹脂を、被膜全固形分に対し固形分重量換算で10〜50%含有することを特徴とする絶縁被膜を有する電磁鋼板。 - 前記樹脂は、アクリル樹脂および/またはその共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の絶縁被膜を有する電磁鋼板。
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