JP2008127530A - エポキシ樹脂組成物、プリプレグ、金属張積層体、プリント配線板、及び多層プリント配線板 - Google Patents
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Abstract
【課題】ハロゲンを含有する難燃剤を用いずに、難燃性、耐熱性及び金属箔との密着性のいずれにおいても優れたエポキシ樹脂硬化物、プリプレグ、金属張積層体、プリント配線板及び多層プリント配線板を提供することを課題とする。
【解決手段】(A)多官能エポキシ樹脂、(B)窒素を含有しない多官能フェノール系硬化剤、(C)窒素を含有する硬化剤、(D)水酸化アルミニウム、及び(E)500℃における重量減少率が5%以下である無機充填材を含有するエポキシ樹脂組成物であって、(A)成分のエポキシ当量が240以上及び/又は(B)成分の水酸基当量が170以上であり、(D)成分と(E)成分の合計量中、(E)成分を20質量%以上含有するエポキシ樹脂組成物を用いる。
【選択図】なし
【解決手段】(A)多官能エポキシ樹脂、(B)窒素を含有しない多官能フェノール系硬化剤、(C)窒素を含有する硬化剤、(D)水酸化アルミニウム、及び(E)500℃における重量減少率が5%以下である無機充填材を含有するエポキシ樹脂組成物であって、(A)成分のエポキシ当量が240以上及び/又は(B)成分の水酸基当量が170以上であり、(D)成分と(E)成分の合計量中、(E)成分を20質量%以上含有するエポキシ樹脂組成物を用いる。
【選択図】なし
Description
本発明は、プリント配線板の材料として使用されるエポキシ樹脂組成物、並びに、該エポキシ樹脂組成物を用いて得られるプリプレグ,金属張積層体,プリント配線板,及び多層プリント配線板に関する。
プリント配線板の材料として使用されるプリプレグや積層板には、火災に対する安全性を確保するために、難燃化が図られている。従来、難燃剤としては、臭素等のハロゲンを含有するハロゲン化合物が用いられていたが、ハロゲン化合物を含有するプリプレグや積層板は、焼却処分する際、燃焼により有害なダイオキシンが発生するおそれがある。そこで、近年においてはハロゲンを全く含有しないプリプレグや積層板が開発されている。ハロゲン化合物を用いることに代わる難燃化の手法としては、金属水酸化物を含有させる手法が知られている(特許文献1〜3)。
特開2003−229646号公報
特開2004−292484号公報
特開2005−42043号公報
しかしながら、プリプレグや積層板に水酸化アルミニウム等の金属水酸化物を含有させると難燃性は向上するが、難燃性の効果をより高く得ようとして水酸化アルミニウムを多量に用いた場合には、プリプレグや積層板の耐熱性が低下するという問題があった。
一方、エポキシ樹脂の硬化剤として従来から広く用いられているジシアンジアミドは、エポキシ樹脂との相溶性が悪く、この硬化系によるプリント配線板は軟化温度が低く、長期耐熱性に劣る。これらの問題を解決する硬化剤としてフェノール系硬化剤がある。フェノール系硬化剤により硬化させたエポキシ樹脂はジシアンジアミドで硬化したものに比べて耐熱性は大幅に向上する。しかし、フェノール系硬化剤と金属水酸化物とを併用した場合には、金属箔との密着性が低くなり、また、耐熱性も低下するという問題があった。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、難燃性、耐熱性及び金属箔との密着性のいずれにおいても優れたプリプレグや金属張積層板を得ることができる、エポキシ樹脂組成物を提供することを課題とする。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、(A)多官能エポキシ樹脂、(B)窒素を含有しない多官能フェノール系硬化剤、(C)窒素を含有する硬化剤、(D)水酸化アルミニウム、及び(E)500℃における重量減少率が5%以下である無機充填材を含有するエポキシ樹脂組成物であって、(A)成分のエポキシ当量が240以上及び/又は(B)成分の水酸基当量が170以上であり、(D)成分と(E)成分の合計量中、(E)成分を20質量%以上含有するものである。このような構成のエポキシ樹脂組成物を用いれば、ハロゲンを含有する難燃剤を用いずに、難燃性に優れ、また、耐熱性及び金属箔との密着性にも優れたプリプレグや金属張積層板を製造することができる。
また、水酸化アルミニウム(D)の含有割合としては、(A)成分と(B)成分と(C)成分との合計量100質量部に対して、50質量部以上であることが難燃性を充分に維持することができる点から好ましい。
また、(E)成分としては、シリカ、焼成タルク及び酸化チタンからなる群から選ばれる少なくとも1つであることが難燃性を充分に維持することができる点から好ましい。
また、(B)成分の水酸基当量が170以上であり、軟化点が80℃以上であることが、高い耐熱性を維持できる点から好ましい。
また、前記窒素含有硬化剤(C)が、窒素含有割合が5〜11質量%のアミノトリアジン骨格を含むフェノール系硬化剤及び/又はジシアンジアミドであることが耐熱性及び金属箔との密着性に優れている点から好ましい。
また、前記エポキシ樹脂組成物全量中における窒素含有割合が1.3〜2.7質量%であることが、得られるプリント配線板の金属箔との密着性が高く、特に、鉛フリーハンダを用いるリフロー実装に供する場合のように高い温度に曝されても、膨れ等が生じにくい点から好ましい。
また、本発明のプリプレグは、上記エポキシ樹脂組成物のワニスをプリプレグ形成用基材に含浸し、乾燥して得られるものである。
また、本発明の金属張積層体は、プリプレグを所定の枚数重ね合わせ、その少なくとも一方の最外層に金属箔を重ねあわせて形成されるプリプレグ積層体を加熱加圧成形して得られるものである。
また、本発明のプリント配線板は、上記金属張積層体の表面の金属箔に所定の回路パターンを形成して得られるものである。
また、本発明の多層プリント配線板は、上記プリプレグ及び/又は上記プリント配線板を含有する、プリプレグとプリント配線板との多層積層体を、加熱加圧成形して得られるものである。
本発明のエポキシ樹脂組成物によれば、ハロゲンを含有する難燃剤を用いずに、難燃性、耐熱性及び金属箔との密着性のいずれにおいても優れたエポキシ樹脂硬化物、プリプレグ、金属張積層体、プリント配線板及び多層プリント配線板を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、(A)多官能エポキシ樹脂、(B)窒素を含有しない多官能フェノール系硬化剤、(C)窒素を含有する硬化剤、(D)水酸化アルミニウム、及び(E)500℃における重量減少率が5%以下である無機充填材を含有するエポキシ樹脂組成物であって、(A)成分のエポキシ当量が240以上及び/又は(B)成分の水酸基当量が170以上であり、上記(D)成分と(E)成分の合計量中、(E)成分を20質量%以上含有するものである。
前記多官能エポキシ樹脂(A)は、エポキシ基を2つ以上有するエポキシ樹脂であり、その具体例としては、例えば、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、多官能エポキシ樹脂(A)の含有割合は、エポキシ樹脂組成物全量中に20〜90質量%、更には40〜80質量%であることが好ましい。
一方、本発明のエポキシ樹脂組成物は、多官能エポキシ樹脂(A)の硬化剤として、(B)窒素を含有しない多官能フェノール系硬化剤、及び(C)窒素を含有する硬化剤を併用する。硬化剤として、窒素を含有しない多官能フェノール系硬化剤(B)と、窒素を含有する硬化剤(C)とを併用することにより、フェノール系硬化剤と水酸化アルミニウムを併用するエポキシ樹脂組成物においても、高い耐熱性、難燃性、金属箔との密着性を兼ね備えることができる。
窒素を含有しない多官能フェノール系硬化剤(B)の具体例としては、窒素を含有しない、例えば、ビフェニルアラルキル型フェノール系硬化剤、フェニルアラルキル型フェノール系硬化剤、ノボラック型フェノール系硬化剤、ビスフェノールAノボラック型フェノール系硬化剤等を用いることができる。
一方、窒素を含有する硬化剤(C)とは、分子中に窒素原子を含有する、エポキシ樹脂に対する硬化剤であり、具体的には、例えば、ジアミノトリアジン骨格含有フェノール、アミノトリアジン骨格含有フェノール、ジシアンジアミド等が挙げられる。
前記窒素を含有する硬化剤(C)中の窒素含有割合としては、5〜11%程度であることが耐熱性と難燃性を両立できる点から好ましい。
また、多官能エポキシ樹脂(A)及び多官能フェノール系硬化剤(B)の官能基の反応基当量としては、多官能エポキシ樹脂(A)のエポキシ当量が240以上及び/又は窒素を含有しない多官能フェノール系硬化剤(B)成分の水酸基当量が170以上である。多官能エポキシ樹脂(A)及び多官能フェノール系硬化剤(B)のエポキシ基と反応する官能基の反応基当量が上記当量関係を満たさない場合には、得られる硬化物の耐熱性が不充分になる。前記当量関係としては、好ましくは、多官能エポキシ樹脂(A)のエポキシ当量が240以上、及び、窒素を含有しない多官能フェノール系硬化剤(B)成分の水酸基当量が170以上であることが好ましい。このような、当量関係の場合には、充分に高い耐熱性を維持することができる。さらに、好ましくは、(B)成分の水酸基当量は、170以上であり、軟化点が80℃以上であることが特に好ましい。
エポキシ樹脂組成物中の硬化剤成分((B)成分と(C)成分の合計)の含有割合としては、多官能エポキシ樹脂(A)のエポキシ基当量に対し、多官能フェノール系硬化剤成分(B)及び窒素含有硬化剤(C)の全体に含有される、エポキシ基と反応性を有する官能基の当量が、0.6〜1.3当量になるような含有割合であることが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、水酸化アルミニウム(D)と、500℃における重量減少率が5%以下である無機充填材(E)を含有する。水酸化アルミニウム(D)は、難燃性を大きく向上させるが、難燃性を充分に付与するために多量に用いた場合には、硬化物の耐熱性が低下する傾向がある。この場合に、500℃における重量減少率が5%以下である無機充填材(E)を併用することにより、硬化物の耐熱性を維持することができる。
水酸化アルミニウム(D)の平均粒径は、5μm以下であり、また、Na2Oの含有割合が0.06質量%以下であることが好ましい。前記水酸化アルミニウムの平均粒径が5μm以下の場合には、得られるプリプレグが外観性に優れ、また、接着性に優れる点から好ましく、Na2Oの含有割合が0.06質量%以下である場合には、耐熱性に特に優れる点から好ましい。
500℃における重量減少率が5%以下である無機充填材(E)とは、熱重量測定装置で、昇温速度10℃/分で、室温から500℃まで昇温したとき、500℃における重量減少率が5%以下である無機充填材である。具体的には、例えば、破砕シリカや溶融シリカ等のシリカや硫酸バリウム、タルク、チタン酸バリウム、酸化チタン、クレー、雲母、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等が挙げられる。これらの中では、シリカ、タルク及び酸化チタンが、得られるプリント配線板等の耐熱性を高める点から特に好ましい。無機充填材(E)の平均粒径としては5μm以下のものが、得られるプリプレグの外観性に優れ、また、接着性に優れる点から好ましい。
水酸化アルミニウム(D)と無機充填材(E)の合計量中の無機充填材(E)の含有割合は20質量%以上であり、好ましくは30質量%以上で80質量%以下、さらには70質量%以下であることが好ましい。
また、水酸化アルミニウム(D)の含有割合は、(A)成分と(B)成分と(C)成分との合計量100質量部に対して、50質量部以上、さらには60質量部以上であることが充分な難燃効果が得られる点から好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、さらに、必要に応じて、硬化触媒、流動改質剤、滑剤、シランカップリング剤、着色剤等を必要に応じて添加してもよい。
本実施形態に係るエポキシ樹脂組成物は、上記の各種成分を配合し、これをミキサーやブレンダー等で均一に混合することによって、調製することができる。
そして、得られたエポキシ樹脂組成物を溶媒に溶解または分散することによりエポキシ樹脂組成物ワニスが調製される。
前記溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、メトキシプロパノール、シクロヘキサノン等を用いることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中では、特に、前記溶媒中にシクロヘキサノンを20質量%以上含有する場合には、製造されるプリプレグの表面に樹脂の付着むらが生じにくく、表面が平滑なプリプレグが得られる点から好ましい。
そして、調製された樹脂ワニスをプリプレグを形成するための基材(プリプレグ形成用基材)に含浸し、これを乾燥機中で150〜180℃、2〜10分間加熱乾燥させることによって、半硬化状態(B−ステージ)のプリプレグを作製することができる。
前記プリプレグ形成用基材の具体例としては、例えば、ガラスクロス、ガラスペーパー、ガラスマット等のガラス繊維布のほか、クラフト紙、リンター紙、天然繊維布、有機繊維布等を用いることができる。
前記プリプレグ中における樹脂組成物の含有割合としては、35〜80質量%であることが好ましい。
このようにして得られたプリプレグを所定の枚数重ね合わせ、その少なくとも一方の最外層にさらに金属箔を重ねあわせて、これを加熱加圧成形することにより金属張積層体が得られる。
前記加熱加圧成形の条件としては、例えば、温度160〜180℃、型圧1.5〜4.0MPaで30〜120分間の条件が挙げられる。このような条件で加熱加圧することにより、プリント配線板等を製造するのに用いられる金属張積層体が得られる。
前記金属箔としては、例えば、銅箔、アルミニウム箔、ステンレス箔等を用いることができる。
上記のようにして得られた金属張積層体に公知の回路形成法、具体的には、例えば、サブトラクティブ法等を用いたエッチング等により、金属張積層体の表面の金属箔を回路パターン形成する部分だけを残し、その他の部分を除去することにより回路パターンを形成する。このようにして表層に回路が形成されたプリント配線板が得られる。
得られたプリント配線板は内層回路基板として用いることができる。
そして、内層回路基板の片側又は両側に上記のプリプレグを所定の枚数重ね合わせ、さらにその外側に金属箔を重ねて加熱加圧成形することによって、多層プリント配線板が製造される。そして、さらに、この多層プリント配線板の表層の金属箔にサブトラクティブ法等により回路パターンを形成することにより、表層に回路が形成された多層プリント配線板が得られる。
このようにして得られる多層プリント配線板は耐熱性が高く、また、層間の接着性が高いために高い信頼性を有するものである。
以下に、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。なお、本発明は実施例により何ら限定されるものではない。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。なお、本発明は、実施例に何ら限定されるものではない。
はじめに、本実施例で用いた原材料を以下にまとめて示す。
[エポキシ樹脂(A)]
・N−690:エポキシ当量215、軟化点90℃のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業(株)製)、
・NC−3000:エポキシ当量280、軟化点65℃のビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業(株)製)
・N−865:エポキシ当量207、軟化点70℃のビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業(株)製)
・850S:エポキシ当量190の液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業(株)製)
[窒素を含有しない多官能フェノール系硬化剤(B)]
・GPH−103:水酸基当量236、軟化点102℃のビフェニルアラルキル型フェノール(日本化薬(株)製)
・MEH−7851H:水酸基当量218、軟化点85℃のビフェニルアラルキル型フェノール(明和化成(株)製)
・MEH−7800H:水酸基当量180、軟化点90℃のフェニルアラルキル型フェノール(明和化成(株)製)
・PSM−4326:水酸基当量105、軟化点120℃のノボラック型フェノール(群栄化学(株)製)
・VH−4170:水酸基当量118、軟化点105℃のビスフェノールAノボラック型フェノール(大日本インキ化学工業(株)製)
[窒素を含有する硬化剤](C)
・LA3018:水酸基当量151、軟化点130℃、窒素含有割合18質量%のジアミノトリアジン骨格含有フェノール(大日本インキ化学工業(株)製)
・EXB9892:水酸基当量151、軟化点120℃、窒素含有割合6質量%のアミノトリアジン骨格含有フェノール(大日本インキ化学工業(株)製)
・EXB9896:水酸基当量178、軟化点135℃、窒素含有割合10質量%のジアミノトリアジン骨格含有フェノール(大日本インキ化学工業(株)製)
・DICY:エポキシ反応基当量21、軟化点211℃、窒素含有割合67質量%の軟化点211℃のジシアンジアミド(大日本インキ化学工業(株)製)
[硬化触媒]
・2E4MZ:2エチル4メチルイミダゾール(四国化成(株)製)
[水酸化アルミニウム(D)]
・CL303(住友化学(株)製)
[500℃における重量減少率が5%以下である無機充填材(E)]
・焼成タルク:重量減少率0.1%(ST−100、富士タルク工業(株)製)
・酸化チタン:重量減少率0.1%(RLX−A、古河機械金属(株)製)
・破砕シリカ:重量減少率0.1%(FLB−2、(株)龍森製)
・溶融シリカ:重量減少率0.1%(SO25R、アドマテックス(株)製)
[エポキシ樹脂(A)]
・N−690:エポキシ当量215、軟化点90℃のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業(株)製)、
・NC−3000:エポキシ当量280、軟化点65℃のビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業(株)製)
・N−865:エポキシ当量207、軟化点70℃のビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業(株)製)
・850S:エポキシ当量190の液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業(株)製)
[窒素を含有しない多官能フェノール系硬化剤(B)]
・GPH−103:水酸基当量236、軟化点102℃のビフェニルアラルキル型フェノール(日本化薬(株)製)
・MEH−7851H:水酸基当量218、軟化点85℃のビフェニルアラルキル型フェノール(明和化成(株)製)
・MEH−7800H:水酸基当量180、軟化点90℃のフェニルアラルキル型フェノール(明和化成(株)製)
・PSM−4326:水酸基当量105、軟化点120℃のノボラック型フェノール(群栄化学(株)製)
・VH−4170:水酸基当量118、軟化点105℃のビスフェノールAノボラック型フェノール(大日本インキ化学工業(株)製)
[窒素を含有する硬化剤](C)
・LA3018:水酸基当量151、軟化点130℃、窒素含有割合18質量%のジアミノトリアジン骨格含有フェノール(大日本インキ化学工業(株)製)
・EXB9892:水酸基当量151、軟化点120℃、窒素含有割合6質量%のアミノトリアジン骨格含有フェノール(大日本インキ化学工業(株)製)
・EXB9896:水酸基当量178、軟化点135℃、窒素含有割合10質量%のジアミノトリアジン骨格含有フェノール(大日本インキ化学工業(株)製)
・DICY:エポキシ反応基当量21、軟化点211℃、窒素含有割合67質量%の軟化点211℃のジシアンジアミド(大日本インキ化学工業(株)製)
[硬化触媒]
・2E4MZ:2エチル4メチルイミダゾール(四国化成(株)製)
[水酸化アルミニウム(D)]
・CL303(住友化学(株)製)
[500℃における重量減少率が5%以下である無機充填材(E)]
・焼成タルク:重量減少率0.1%(ST−100、富士タルク工業(株)製)
・酸化チタン:重量減少率0.1%(RLX−A、古河機械金属(株)製)
・破砕シリカ:重量減少率0.1%(FLB−2、(株)龍森製)
・溶融シリカ:重量減少率0.1%(SO25R、アドマテックス(株)製)
(実施例1)
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂N−690 58.5部(質量部、以下同様)、ビフェニルアラルキル型フェノールGPH−103 20.8部、アミノトリアジン骨格含有フェノールEXB−9896 20.7部をメチルエチルケトン(MEK)に溶解した後、2エチル4メチルイミダゾール 0.1部、水酸化アルミニウム 50部、溶融シリカ30部を混合してワニスを得た。このワニスを更にMEKで固形分濃度が70質量%になるように希釈して粘度を調整した。そして、前記粘度調製されたワニスを厚さ0.2mmのEガラスクロスに含浸し、160℃で5分間加熱乾燥することにより、樹脂含有量46質量%のプリプレグを得た。
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂N−690 58.5部(質量部、以下同様)、ビフェニルアラルキル型フェノールGPH−103 20.8部、アミノトリアジン骨格含有フェノールEXB−9896 20.7部をメチルエチルケトン(MEK)に溶解した後、2エチル4メチルイミダゾール 0.1部、水酸化アルミニウム 50部、溶融シリカ30部を混合してワニスを得た。このワニスを更にMEKで固形分濃度が70質量%になるように希釈して粘度を調整した。そして、前記粘度調製されたワニスを厚さ0.2mmのEガラスクロスに含浸し、160℃で5分間加熱乾燥することにより、樹脂含有量46質量%のプリプレグを得た。
そして、得られたプリプレグを4枚重ね、更にその両外層にそれぞれ18μmの電解銅箔を配置し、2.94MPa、温度180℃で90分間プレス成形し、厚さ0.8mmの銅張り積層板を得た。
得られた銅張り積層板を用いて、以下の評価方法により評価した。
〈燃焼性試験〉
得られた銅張り積層板の銅箔を除去した後、長さ125mm、幅12.5mmのテストピースを切り出した。このテストピースを用いて、UL−94の燃焼試験法に準じて、燃焼性評価を行い、判定した。
〈オーブン耐熱性試験〉
得られた銅張り積層板から、縦50mm、横50mmのテストピースを切り出した。そして、このテストピースを220〜260℃の範囲で10℃刻みに設定したオーブン中に投入し、60分後に取り出した。そして、取り出したサンプルの外観を観察し、膨れが発生しなかったときのオーブンの最高温度を耐熱性温度とした。なお、ここで「膨れ」とは、銅箔と樹脂との界面における剥離、ガラスクロスと樹脂との界面の剥離、プリプレグ間の剥離のいずれをも指す。
〈銅箔接着強度〉
得られた銅張り積層板から、縦50mm、横50mmのテストピースを切り出した。そして、このテストピースの銅箔の接着強度をJIS C6481に準じて測定した。
〈ガラス転移温度測定〉
粘弾性スペクトロメーター(セイコーインスツルメンツ(株)「DMS100」)を用いて、硬化物のガラス転移温度(Tg)を測定した。測定は、曲げモジュール,周波数10Hz,昇温速度5℃/min,温度範囲 室温〜280℃の条件で行い、tanδが極大を示す温度をTgとした。
〈燃焼性試験〉
得られた銅張り積層板の銅箔を除去した後、長さ125mm、幅12.5mmのテストピースを切り出した。このテストピースを用いて、UL−94の燃焼試験法に準じて、燃焼性評価を行い、判定した。
〈オーブン耐熱性試験〉
得られた銅張り積層板から、縦50mm、横50mmのテストピースを切り出した。そして、このテストピースを220〜260℃の範囲で10℃刻みに設定したオーブン中に投入し、60分後に取り出した。そして、取り出したサンプルの外観を観察し、膨れが発生しなかったときのオーブンの最高温度を耐熱性温度とした。なお、ここで「膨れ」とは、銅箔と樹脂との界面における剥離、ガラスクロスと樹脂との界面の剥離、プリプレグ間の剥離のいずれをも指す。
〈銅箔接着強度〉
得られた銅張り積層板から、縦50mm、横50mmのテストピースを切り出した。そして、このテストピースの銅箔の接着強度をJIS C6481に準じて測定した。
〈ガラス転移温度測定〉
粘弾性スペクトロメーター(セイコーインスツルメンツ(株)「DMS100」)を用いて、硬化物のガラス転移温度(Tg)を測定した。測定は、曲げモジュール,周波数10Hz,昇温速度5℃/min,温度範囲 室温〜280℃の条件で行い、tanδが極大を示す温度をTgとした。
結果を表1に示す。
(実施例2〜16、及び比較例1〜5)
表1に記載の配合組成で樹脂組成物を得た以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を得、ワニスを調製し、プリプレグを製造し、銅張り積層板を得た。そして、実施例1と同様の方法により評価した。結果を表1及び表2に示す。
表1に記載の配合組成で樹脂組成物を得た以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を得、ワニスを調製し、プリプレグを製造し、銅張り積層板を得た。そして、実施例1と同様の方法により評価した。結果を表1及び表2に示す。
表1及び表2の結果より、本発明に係る実施例1〜16により得られた樹脂組成物、銅張り積層板のガラス転移点はいずれも高く、難燃性及び、銅箔接着強度も優れていた。一方、(A)成分のエポキシ当量が240以上及び/又は(B)成分の水酸基当量が170以上を満たさない、比較例1、比較例4、比較例5は耐熱性が低かったり、難燃性が低かったり、銅箔接着強度が低いなど、いずれかの点が劣っていた。
Claims (10)
- (A)多官能エポキシ樹脂、(B)窒素を含有しない多官能フェノール系硬化剤、(C)窒素を含有する硬化剤、(D)水酸化アルミニウム、及び(E)500℃における重量減少率が5%以下である無機充填材を含有するエポキシ樹脂組成物であって、
(A)成分のエポキシ当量が240以上及び/又は(B)成分の水酸基当量が170以上であり、
(D)成分と(E)成分の合計量中、(E)成分を20質量%以上含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物。 - 水酸化アルミニウム(D)の含有割合が、(A)成分と(B)成分と(C)成分との合計量100質量部に対して、50質量部以上である請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
- (E)成分が、シリカ、焼成タルク及び酸化チタンからなる群から選ばれる少なくとも1つである請求項1又は2に記載のエポキシ樹脂組成物。
- (B)成分の水酸基当量が170以上であり、軟化点が80℃以上である請求項1〜3の何れか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
- 前記窒素を含有する硬化剤(C)が、窒素含有割合が5〜11質量%のアミノトリアジン骨格を含むフェノール系硬化剤及び/又はジシアンジアミドである請求項1〜4の何れか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
- 前記エポキシ樹脂組成物全量中における窒素含有割合が1.3〜2.7質量%である請求項1〜5の何れか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
- 請求項1〜6の何れか1項に記載のエポキシ樹脂組成物のワニスをプリプレグ形成用基材に含浸し、乾燥して得られることを特徴とするプリプレグ。
- 請求項7に記載のプリプレグを所定の枚数重ね合わせ、その少なくとも一方の最外層に金属箔を重ねあわせて形成されるプリプレグ積層体を加熱加圧成形して得られることを特徴とする金属張積層体。
- 請求項8に記載の金属張積層体の表面の金属箔に所定の回路パターンを形成して得られることを特徴とするプリント配線板。
- 請求項7に記載のプリプレグ及び/又は請求項9に記載のプリント配線板を含有する、プリプレグとプリント配線板との多層積層体を、加熱加圧成形して得られることを特徴とする多層プリント配線板。
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-
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