JP2008126172A - 自力反応ラベル型脱酸素剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 雰囲気湿度に依存せずに脱酸素状態を実現するラベル型脱酸素剤を提供する。
【解決手段】 粘着層を備えたベース層、熱可塑性樹脂に脱酸素剤を配合した脱酸素樹脂からなるシート状脱酸素体及び通気性層がこの順に積層され、かつ、シート状脱酸素体の周辺部で前記ベース層と前記通気性層とが接着されてなるラベル型脱酸素剤において、前記通気性層とシート状脱酸素体の間に水分を含有した基材を配置することにより、雰囲気湿度に依存することなく、脱酸素状態を実現するラベル型脱酸素剤。
【選択図】 なし

Description

本発明は脱酸素剤組成物配合の樹脂組成物からなるシート状脱酸素体を用いた貼着固定用のラベル型脱酸素剤に関するもので、あらかじめ水分を含有させることで、雰囲気湿度に依存することなく、脱酸素状態を実現するラベル型脱酸素剤に関する。
酸素による変質や微生物の繁殖による腐敗を防いで品質保持するために、食品、医薬品等、酸素の影響を受け易い物品の脱酸素包装に脱酸素剤を利用する、所謂、脱酸素包装が広く普及している。この脱酸素包装には、通常、粒状または粉末状の脱酸素剤を通気性を備えた小袋に充填した脱酸素剤小袋が使用されているが、最近は、例えば鉄粉系脱酸素剤のような粉粒状の脱酸素剤を熱可塑性樹脂に配合して成形した脱酸素性樹脂シートを脱酸素体とする脱酸素性能に優れたシート状脱酸素剤が開発されている(特許文献1)。
上記シート状脱酸素剤は脱酸素剤を熱可塑性樹脂に固定したシート状脱酸素体をフィルムやシートの被覆材料で被覆した多層体として製造されている。シート状脱酸素剤は、小袋型脱酸素剤と比べて、破袋して脱酸素剤の粉粒体が漏れる恐れがなく、均一な厚みで薄い偏平状なので、自動貼着装置に好適に適合する。このようなシート状脱酸素剤の形態や多層構成の特性に着目してシート状脱酸素剤の片面に粘着層を設けた貼着固定可能な脱酸素剤として粘着層を有するベース層、脱酸素層及び通気性層がこの順に積層され、かつ、脱酸素層周縁の外縁部では通気性層が直接ベース層に接着されてなる脱酸素層の露出のないラベル型脱酸素剤が、提案されている。(特許文献2、3)
しかしながら、従来の鉄を脱酸素剤の主剤とするラベル型脱酸素剤は、鉄粉を熱可塑性樹脂と加熱溶融により混練するため、脱酸素層に水分供与剤を配することができず、鉄の脱酸素反応に必要な水分を雰囲気中から供給せざるを得ず、いわゆる水分依存型の脱酸素剤としてしか機能させることができなかった。そのため、脱酸素剤として適用できる物品は比較的水分活性の高い物品に限定され、乾燥用途などに使用することは困難であった。
特開平2−72851号公報 特開平7−219430号公報 特開平10−290915号公報
本発明は、雰囲気湿度に依存することなく、脱酸素状態を実現できるラベル型脱酸素剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、ラベル型脱酸素剤において、雰囲気湿度に依存することなく脱酸素するラベル型脱酸素剤を完成させた。
すなわち、本発明は、粘着層を備えたベース層、熱可塑性樹脂に脱酸素剤を配合した脱酸素樹脂からなるシート状脱酸素体及び通気性層がこの順に積層され、かつ、シート状脱酸素体の周辺部で前記ベース層と前記通気性層とが接着されてなるラベル型脱酸素剤において、前記通気性層とシート状脱酸素体の間に水分を含有した基材を配置することにより、雰囲気湿度に依存することなく、脱酸素状態を実現するラベル型脱酸素剤である。
本発明においては、水分を含有した基材が紙または吸水性不織布であることがこのましい。
本発明のラベル型脱酸素剤は、水分供与層を付加することにより、雰囲気湿度に依存することなく脱酸素することができる。
本発明のラベル型脱酸素剤は、添付図1のように、通気性層(10)、水分供与層(20)、シート状脱酸素体(30)、ベース層(40)およびセパレーター層(50)を主要な構成要素とし、脱酸素体をベース層に固定する接着層(41)、セパレータ層50を剥離して物品保存容器の壁などに固定するための粘着層(42)からなるものである。
以下に、それぞれの構成要素などに関して説明する。
(1)通気性層
通気性層は、シート状脱酸素体を被覆して被保存物との直接接触を防止すると共に、シート状脱酸素体に配合された脱酸素剤が酸素を吸収するために、水蒸気及び酸素の透過を適切に行う機能を有する層である。
本発明における通気性層は、今までにラベル型脱酸素剤に使用されてきた通気性層であれば特に制限なく使用することができる。例えば、開孔処理を施した樹脂フィルムと脱酸素シートの隔離のために紙を積層したものや、あるいは樹脂フィルムと微多孔膜からなる実質的に無孔の積層フィルムからなる構成のものなどがある。
この場合の樹脂フィルムは、特に制限がなく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリカーボネートまたはセロファン等のフィルムと、シール層としてポリエチレン(LLDPEを含む)、アイオノマー、ポリブタジエンまたはエチレン酢酸ビニル共重合体等のフィルムとを積層接着した積層フィルム、あるいは、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリカーボネートまたはセロファン等のフィルムに、シール層としてホットメルト等の接着剤を塗布したフィルム材料などが使用できる。
これらのプラスチックフィルムの中で、強度または製造上の扱い易さ等を考慮すると、ポリエチレンテレフタレートまたはポリアミドのフィルムにシール層としてポリエチレンまたはエチレン酢酸ビニル共重合体のフィルムを積層接着した積層フィルムが好ましい。プラスチックフィルムの厚さとしては、穿孔のし易さ、製造上の扱い易さ等から20〜150μmが好ましく、30〜100μmが特に好ましい。また、微多孔膜は、通気性の高い多孔性材料からなり、微多孔膜の酸素透過度が高いので、樹脂フィルムの酸素透過度が必ずしも高くなくても、当該微多孔膜の端部断面からの酸素透過により、十分な脱酸素速度を得ることができる。
微多孔膜を構成する材料としては、酸素透過性の高いものであれば良く、耐水性不織布、ポリオレフィン微多孔フィルム、合成紙などが挙げられる。これらの中でも、通気性、透湿性、撥水性、引き裂き強度などの点から、熱可塑性樹脂からなる不織布が好ましい。
熱可塑性樹脂不織布の材質としては、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系などがあり、さらに製造方法の違いにより、スパンボンド、メルトブロー、カーディング、エアレイなどの種類がある。また、その断面構造が、単一構造のものと芯鞘構造のものがある。これらの中で、ポリオレフィン系またはポリエステル系の不織布がより好ましく、高密度ポリエチレンスパンボンド不織布が最も好ましい。高密度ポリエチレンスパンボンド不織布は低融点であるため、ベース層との積層をヒートシールによる加熱接着で行う場合に、接着が容易であるという利点もある。
微多孔膜の厚みについては、酸素透過性が得られていれば特に制限はないが、物理的強度や柔軟性の確保等の点から、10μm以上1000μm以下が好ましく、30μm以上500μm以下の厚さがより好ましい。
ラベル型脱酸素剤における通気性層は、シート状脱酸素体断面の露出を防ぐために、シート状脱酸素体あるいは水分供与層より寸法を大きくし、シート状脱酸素体の外周部で接着層を介してベース層と接着するのが好ましい。図1に例を示す。
(2)水分供与層
あらかじめ水分を含有させた紙、または不織布からなる層であり、この層に水分を供与した状態で他の層と積層することにより、シート状脱酸素体の鉄の反応に必要な水分を供与する。この層に用いる紙もしくは不織布に関しては、吸水性を有するものであれば、特に制限することなく用いることができるが、水分を保持するためには高吸水性の紙または不織布が好ましい。このような紙としては、吸水紙あるいは保水紙として使用されるものが好ましく、目付けが小さすぎると保水時の強度が不足し、大きすぎると加工性が悪くまたコスト高となるため、目付けは10〜100g/mが好ましく、より好ましくは30〜80g/mが好ましい。不織布としては、樹脂製のものは非親水性であるため、親水性を有する不織布やコットンを用いた不織布が好ましく、目付けは紙と同様のものが好ましい。また、このような紙・不織布に、水分保持の効果をさらに高めるために、保水性物質を含有させてもよい。このようなものとしては、シリカ・珪藻土・ゼオライト・活性炭などの多孔質物質や吸水性樹脂を用いることができる。
この水分供与層は、水分を含浸した状態でシート状脱酸素体に重ね合わせ、その上から通気性層を貼り合わせることにより、ラベル型脱酸素剤が構成される。
(3)シート状脱酸素体
本発明のシート状脱酸素体は、熱可塑性樹脂に脱酸素剤を分散した脱酸素樹脂組成物からなり、かかる脱酸素樹脂組成物が少なくとも1軸方向に延伸された微多孔性のシート状小片である。
脱酸素樹脂層に用いられる熱可塑性樹脂としては、オレフィン系樹脂が好ましく、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、ポリメチルペンテン等が挙げられる。
脱酸素剤としては、鉄粉等に代表される金属成分を主剤とする金属系脱酸素剤が好適に用いられる。この中でも取り扱いやすさや機能の点から、特に、鉄粉系脱酸素剤が好ましい。鉄粉系脱酸素剤は、鉄粉及びハロゲン化金属塩を含む組成物からなり、特に、鉄粉の表面にハロゲン化金属塩を被覆又は分散付着させたものが好適に用いられる。前記組成物は、さらに必要に応じて、活性炭、石灰、珪藻土、ゼオライト、無機塩等の助剤成分を含有させ添加することができる。
鉄粉系脱酸素剤に用いられる鉄粉としては、還元鉄粉、電解鉄粉、噴霧鉄粉等が例示され、鉄粉粒子は細かい方が好ましく、特に、平均粒径200μm以下が好ましく、平均粒径150μm以下がより好ましい。ハロゲン化金属としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化バリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化バリウム、臭化カルシウム、臭化マグネシウム、沃化ナトリウム、沃化カリウム、沃化バリウム、沃化カルシウム、沃化マグネシウム等が用いられる。ハロゲン化金属は、鉄粉100重量部に対し、0.1〜15重量部、好ましくは0.1〜5重量部の範囲で用いられる。
シート状脱酸素体は、前記の熱可塑性樹脂15〜75重量%に対し脱酸素剤を85〜25重量%の割合で混練、溶融してシート化し、少なくとも1軸方向に延伸して製造される。延伸倍率は1.5〜15倍が好ましく、3〜12倍がさらに好ましい。シート状脱酸素体は、延伸によって微多孔質化されている。延伸して得られるシート状脱酸素体の厚さは、目的や用途に応じ適宜選ばれるが、通常は、0.05〜3mmの範囲にある。
本発明のラベル型脱酸素剤が片面吸収タイプのシート状脱酸素剤として実用レベルの脱酸素性能を有するためには、シート状脱酸素体の酸素吸収速度は好ましくは100ml/m/Hr(25℃)以上、より好ましくは200ml/m/Hr(25℃)以上であり、延伸条件を前記範囲で選択してシート状脱酸素剤を微多孔質化することによって達成される。
本発明では、前記したシート状脱酸素体に、さらに切り込みを入れる処理あるいは開孔を施す処理をして柔軟性を付与することができる。
また、シート状脱酸素体に、吸湿層、保水層、ガス吸着層、ガス発生層、脱臭層等の層を別に加えることができる。この場合、シート状脱酸素体の酸素吸収性能を阻害しないように配慮する。例えば、別に設ける層は、シート状脱酸素体の水分供与層及び通気性層に面する側とは反対の面に積層接着する。
特に、脱臭層をシート状脱酸素体に積層することにより、脱臭効果が得られる。
脱臭層は、脱臭剤を配合した通気性材料からなる。脱臭剤としては、活性炭が好ましい。脱臭層に使用される活性炭は粒径が200メッシュふるいを通過する200メッシュアンダーの粉末活性炭が好ましく、350メッシュふるいを通過する350メッシュアンダーの微粉末活性炭がより好ましい。
通気性材料としては、濾紙、セルロースパルプ、セルロース織布、不織布等が例示される。脱臭層の接着方法としては、通常用いられる押し出しラミネート法、ドライラミネート法、ホットメルト接着法が挙げられるが、特に押し出しラミネート法が好ましい。
好ましい脱臭層としては、粉末活性炭とパルプを主成分とするバインダーとを混合、抄紙した活性炭含有紙(以下、活性炭紙と略称)、繊維状活性炭と樹脂繊維とを混合した不織布が挙げられる。コスト、取り扱い性などの点から活性炭紙が好ましい。活性炭紙の活性炭含有量は、5重量%以上が好ましい。
(4)ベース層
ベース層は、基材と粘着層からなり、シート状脱酸素体とセパレーター層との間に介在する層である。ベース層は、通常、基材と粘着層からなる。ベース層とセパレーター層とは、ベース層に固定された粘着層を介して剥離可能に接着される。ベース層とシート状脱酸素体とは、接着層を介して接着されてもよいが、接着されていなくともよい。ベース層は、シート状脱酸素体の外周部で通気性層と、接着層を介して接着される。
また、ベース層を粘着層単独とし、シート状脱酸素体とセパレーター層との間に介在させることも可能である。この場合、ベース層である粘着層は、シート状脱酸素体とはシート状脱酸素体の裏面で、通気性層とはシート状脱酸素体の外周部で接着される。
ベース層に使用される粘着層は、粘着剤からなり、ベース層と後述のセパレーター層とを接着する役割を果たす。また、ラベル型脱酸素剤の使用時、セパレーター層を剥がした後、ラベル型脱酸素剤を包装容器内に貼着固定化する役割を果たす。粘着層は、主成分として、例えば、アクリルタイプ、スチレン−イソプレン−スチレンタイプ、スチレン−ブタジエンタイプ、スチレン−ブタジエン−スチレンタイプ、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンタイプからなるコポリマー及びブロックコポリマーからなる群から選ばれた少なくとも1種の粘着剤、またはこれらの粘着剤の組み合わせを用いるのがよい。また、粘着力の調整のために、これらの主成分の他にタッキファイヤーなどの添加剤を適宜加えたものでもよい。粘着層を設ける手段には、コーティング、ラミネート等、公知の従来法が適用できる。
ベース層に使用される基材としては、プラスチックフィルム、不織布、紙等が用いられる。基材の片面に粘着層を設け、他面には必要に応じ接着層を設けることにより、ベース層が形成される。特に、基材に熱可塑性樹脂フィルムをラミネートして接着層とし、通気性層とヒートシール可能な接着層とにする方法も好ましい構成である。
ベース層に基材を用いた構成の場合、基材の粘着層側の面に各種の表示を印刷し透明な粘着剤を使用することにより、表示ラベルの機能をもたせることができる。この場合、商品名、注意書き等の印刷表示は、ラベル型脱酸素剤を内側に貼着した透明な包装体の外側から容易に確認できる。また、印刷に隠蔽性をもたせたり、不透明な基材を用いたり、あるいは、不透明な接着層または粘着層を用いたりすることは、ラベル型脱酸素剤の内部を隠蔽した美観を保ち、商品価値を損ねない意味で好ましい。
また、接着層は、シート状脱酸素体の周辺部でベース層と通気性層とを接着する役割を果たす。
本発明で言う接着とは、粘着剤による粘着、各種接着剤やホットメルト剤による接着および加熱融着するヒートシール等を含め、両被接着面が固定されることを指し、前記通気性層の場合も同様である。接着層を設ける手段には、コーティング、ラミネート等、公知の従来法が適用できる。
(5)セパレーター層
セパレーター層は、使用前ベース層の粘着面を保護する役割を果たすと共に、ラベル型脱酸素剤の連なったウェブの支持体として機能する層であり、ラベル型脱酸素剤の使用時には剥離される。セパレーター層としては、シリコン樹脂、パラフィンワックス等の離型剤をコートした紙、フィルム、金属箔等が使用できる。離型剤の種類は、ベース層に設けられた粘着層の特性に応じて適度な剥離性が得られるように選ばれる。
セパレーター層の材料は、ラベル型脱酸素剤または連続ラベル型脱酸素剤の製造および使用の際に要求される機械的強度を満たすものであればよく、加工条件によって他の層との間に寸法差が生じ、反り、剥離等が発生しないよう、剛性、収縮率、吸湿性等を考慮して適宜選択される。一般的には紙が用いられるが、近年の食品製造環境無塵化の動きに対応するには、加工時に紙粉の発生しない、プラスチックフィルムまたは金属箔を用いることが好ましい。
本発明のラベル型脱酸素剤においては、前記セパレーター層、粘着面を有するベース層、シート状脱酸素体及び通気性層が積層される。また、帯状の前記セパレーター層にラベル型脱酸素剤が断続的に連なって接着されることにより、ラベル型脱酸素剤の連続体(ウェブ)が形成される。
本発明のラベル型脱酸素剤は、平板状で表面は平滑で薄く、十分な柔軟性を備え、貼着固定性が良く、また異物感もない。その厚さは、通常、0.1〜5mmの範囲、好ましくは0.2〜3mmの範囲から選ばれるが、連続体の巻き取り、貼着機での取り扱いに支障を来さないためには薄い方がよい。また、一個一個の形状も、使用目的に応じて、例えば、正方形、長方形、円形、楕円形等、自在に選択することができる。
本発明のラベル型脱酸素剤を上記に説明した構成要素から製造する方法としては、例えば次の方法が例示され、適宜、採用される。
(方法1)
予め片面にセパレーター層を粘着させ他面に露出した粘着面を有するセパレーター層付ベース層の粘着面に、所望形状のシート状脱酸素体を粘着固定し、その上から所望形状の水分供与層を貼付け固定し、その後、シリンジ等により水分を水分供与層に供給する。その後、水分供与層の上から通気性層をベース層を完全に覆うように重ね合わせ、シート状脱酸素体の外縁を押圧して通気性層をベース層に完全に接着させる。次いで、抜き型にてシート状脱酸素体の外縁を上からベース層まで型抜き(半抜き)し、最後に、ラベル型脱酸素剤を残して外側のベース層及び通気性層をセパレーター層から剥がし去ることによって、ラベル型脱酸素剤ウェブが製造される。
上記の方法で、帯状のセパレーター層の上にラベル型脱酸素剤が間欠的に連なってなるラベル型脱酸素剤の連続体(ウェブ)を製造することができ、製造工程を連続化することも可能である。勿論、上記の方法で、半抜きせず、抜き型をセパレーター層まで貫通させて抜き切れば、個別のラベル型脱酸素剤製品を得ることができる。また連続体を切断することによっても、個別品の製造ができる。尚、本発明のラベル型脱酸素剤の製造方法は、本発明の要件を満たすものであればよく、上記方法に必ずしも制限されない。
実施例により本発明を説明する。尚、本発明は実施例に限定されない。
実施例1
通気性層として、ポリエチレンテレフタレートフィルムに低密度ポリエチレンを貼り合わせた積層フィルムに開孔処理を施し、耐水耐油紙と熱ラミネートにて貼り合わせ、通気性層用のフィルムを得た。これを、30mm角に切りとり、通気性層を得た。
水分供与層としては、吸保水紙(商品名:オークトル800 目付け60g/m、三島製紙(株)製)を使用した。これを20×18mm角に切り取り、水分供与層を得た。
シート状脱酸素体としては、鉄粉100重量部に対して塩化カルシウム2.5重量部の割合で塩化カルシウムを被覆した鉄粉(平均粒径70μm)100重量部と高密度ポリエチレン40重量部とを混練押出してシート状脱酸素樹脂組成物とした後、縦方向5倍に延伸して微多孔質化された帯状の脱酸素樹脂シート(厚さ0.6mm)を使用した。この脱酸素樹脂シートの酸素吸収速度は200mlO/m/Hr以上(25℃)であった。
得られた原反の脱酸素樹脂シートを、4mm間隔の平行格子状の刃を備えるロールに通して押圧し、シート残部の厚みが0.06mmとなる切れ込み深さで、原反シートの片面に平行格子状切れ込みを入れた。続いて前記切れ込み処理した原反シートを長方形に型抜きし、黒灰色の長方形のシート状脱酸素体(長辺20mm×短辺18mm、厚さ0.6mm)を準備した。
セパレーター付きベース層として、帯状(幅36mm)長尺の坪量40g/mのレーヨン不織布を使用し、その両面にアクリル系粘着剤を塗工した。粘着剤を塗布した層の一方を粘着層、他方を接着層と称する。粘着層に、両面シリコーンコートした同幅寸法の帯状長尺の離型紙をセパレーター層として貼着した。これをセパレーター層付きベース層フィルムと称する。このフィルムを30mm幅にスリットし、ロール状に巻き取った。
<ラベル型脱酸素剤の作製>
セパレーター層付きベース層フィルムから30mmの長さを切り出し、接着層の上にシート状脱酸素体、水分供与層を積層し、水分供与層上にシリンジにより0.1ccの水を滴下させ、その上から通気性層を周囲がベース層の粘着層と接着するように重ねることで、ラベル型脱酸素剤を作製した。
<脱酸素性能評価>
ナイロン/ポリエチレンラミネートのガスバリアー性フィルムからなる3方シール袋(内寸100mm×100mm)の内面に、上記のラベル型脱酸素剤のセパレーター層を剥がし現れた粘着面を貼り付けて、ラベル型脱酸素剤を固定した。このラベル型脱酸素剤を貼着した袋に空気50mlを入れ(室温25℃、湿度約50%)袋口をヒートシールして密閉して包装袋を作成した。同様にして包装袋を3袋作成し、25℃の室内に保存した。15時間後、袋内空間の酸素濃度をガスクロマトグラフにて測定したところ、3袋とも0.1容量%未満まで脱酸素していた。
実施例2
水分供与層としてコットン不織布(商品名:コットエースC030S/A01、目付け30g/m、ユニチカ(株)製)を使用した以外は、実施例1と同様にしてラベル型脱酸素剤を作製した。
実施例1と同様にして脱酸素性能を測定したところ、15時間で袋内の酸素が0.1容量%未満となった。
比較例1
通気性層とシート状脱酸素体の間に水分供与層を付加しない以外は、実施例1と同様にしてラベル型脱酸素剤を作製した。
実施例1と同様に、脱酸素性能を測定した。3袋とも保存15時間では10容量%までしか脱酸素せず、脱酸素速度が遅いことが明らかだった。
以上から明らかように、本発明のラベル型脱酸素剤は、保存15時間後には袋内の酸素濃度が0.1容量%未満にまで脱酸素した。これは、水分供与層を付加することにより、十分な量の水分が素早くシート状脱酸素体に供給されることにより、脱酸素剤として素早い脱酸素作用が得られたと考えられる。
ラベル型脱酸素剤の断面図である。
符号の説明
10 通気性層
20 水分供与層
30 シート状脱酸素体
40 ベース層
50 セパレーター層
41 接着層
42 粘着層

Claims (2)

  1. 粘着層を備えたベース層、熱可塑性樹脂に脱酸素剤を配合した脱酸素樹脂からなるシート状脱酸素体及び通気性層がこの順に積層され、かつ、シート状脱酸素体の周辺部で前記ベース層と前記通気性層とが接着されてなるラベル型脱酸素剤において、前記通気性層とシート状脱酸素体の間に水分を含有した基材を配置することにより、雰囲気湿度に依存することなく、脱酸素状態を実現するラベル型脱酸素剤。
  2. 水分を含有した基材が紙または吸水性不織布である請求項1記載のラベル型脱酸素剤。
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