JP2008125491A - Hedgehogシグナル活性調節剤、細胞増殖調節剤及びその使用方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基底細胞癌由来の細胞株ASZ001におけるgpr49遺伝子の発現を抑制することにより、この細胞の増殖を抑制することを可能にした。そこで、Gpr49タンパク質の機能を抑制する抑制因子を、基底細胞癌に対する治療薬とする。同時に、膵癌由来の細胞株におけるgpr49遺伝子の発現を抑制することにより、この細胞の増殖を抑制することを可能にした。そこで、Gpr49タンパク質の機能を抑制する抑制因子を、膵癌に対する治療薬とする。
【選択図】なし
Description
悪性腫瘍は、増殖力が強く、周囲の組織を破壊したり浸潤したりして転移し、生体に致命的な害を与える腫瘍である。そのため、悪性腫瘍の治療で用いられる抗悪性腫瘍薬は、悪性腫瘍の消滅又は縮小を図ったり、あるいは悪性腫瘍細胞の増殖を抑制したりする目的で投与される。
(i)Gpr49タンパク質機能増強因子を有効成分として含有する薬剤
(a)細胞増殖促進
以下の実施例に示すように、gpr49遺伝子発現ベクターをヒトケラチノサイトHaCaT細胞にトランスフェクトすることにより、ヒトケラチノサイトHaCaT細胞の増殖能を促進させることができる。従って、Gpr49タンパク質機能増強因子を含有する薬剤は、細胞増殖を促進するのに有用である。
Hedgehogシグナル経路は、細胞の分化、増殖及び成長等、脊椎動物の発生の過程において重要な役割を果たしている(Nybaken K, Perrimon N: Curr Opinion Genet Dev 12, 503-511 (2002))。ここで、Gli1タンパク質とGli2タンパク質は、脊椎動物のHedgehogシグナル経路において、標的遺伝子の転写活性化に関与している。
(a)細胞増殖抑制
以下の実施例に示す通り、マウスBCC細胞株(ASZ001)においてgpr49遺伝子の発現を抑制することにより、ASZ001細胞の増殖を抑制することができる。従って、Gpr49タンパク質機能抑制因子を含有する薬剤は、細胞増殖を抑制するのに有用である。
以下の実施例に示すように、マウスBCC細胞株(ASZ001)においてgpr49遺伝子の発現を抑制することにより、ASZ001細胞におけるgli1遺伝子及びgli2遺伝子の発現を抑制することができる。従って、Gpr49タンパク質の機能を抑制する機能抑制因子を含有する薬剤は、Hedgehogシグナル活性を抑制するのに有用である。
以下の実施例に示すように、Hedgehogシグナル経路のSmo (smoothened)を特異的に阻害する薬剤であるシクロパミン(Daya-Grosjean L, Sarasin A, Mutat Res, 450, 193-199 (2000))をマウスBCC細胞株(ASZ001)に投与することにより、ASZ001細胞におけるgpr49遺伝子の発現を抑制することができる。従って、シクロパミン等のHedgehogシグナル経路を阻害する因子は、gpr49遺伝子の発現を抑制するのに有用である。ここで、Hedgehogシグナル経路を阻害する因子としては、シクロパミンの他、AY9944、トリパラノール、ジェルビン、トマチジン等の薬剤や、Hedgehogシグナル経路のSmoタンパク質の機能を特異的に抑制する抗体やアプタマーや、化合物、smo遺伝子の発現を抑制する発現抑制剤(siRNA、miRNA、アンチセンスRNA等)等が挙げられる。
上記薬剤の投与量は、年齢、体重、適応症又は投与・摂取経路によって異なるが、上記作用が発揮でき、かつ、生じる副作用が許容し得る範囲内であれば特に限定されない。
以下の実施例に示すように、gpr49遺伝子は、基底細胞癌において、特異的に発現する。従って、gpr49遺伝子の発現は、基底細胞癌を診断するマーカーとして利用できる。
診断対象の個体から得た基底細胞(もしくは皮膚細胞)において、gpr49遺伝子の転写産物の量をノーザンハイブリダイゼーションやRT-PCRで検出することにより、あるいは、Gpr49タンパク質の量をELISA法などによって調べることにより、gpr49遺伝子の発現を調べることができる。
このようにして調べた結果、診断対象の個体において、基底細胞におけるgpr49遺伝子の発現が正常値より高い場合には、基底細胞癌を発症していると診断する。
本発明のマーカーは、基底細胞癌を含む細胞に適用することができる。
また、基底細胞癌を診断するためには、gpr49遺伝子の発現量を測定するための試薬をキットとすることにより、簡便に診断することができるようになる。このキットに含まれる試薬としては、例えば、gpr49遺伝子の転写産物量を測定するためのRT-PCR用の酵素やプライマー、Gpr49タンパク量を測定するためのELISA用の抗体やバッファー等が挙げられる。
gpr49遺伝子の発現量を基底細胞癌及び膵癌のマーカーとし、本発明の基底細胞癌及び膵癌に対する治療に効果を有する物質をスクリーニングすることができる。例えば、培養条件下で、gpr49遺伝子を発現している癌化した基底細胞又は膵臓細胞に被験物質を投与し、これらの細胞におけるgpr49遺伝子の発現量を抑制する物質を選択する。このようにして選択された物質は、gpr49遺伝子の発現抑制を通じて、基底細胞癌又は膵癌の細胞増殖を抑制することができる。従って、このようにして選択された物質は、基底細胞癌又は膵癌の治療に効果があり、抗悪性腫瘍薬として用いることができる。
(1)ヒト基底細胞癌特異的に発現する分子の解析
基底細胞癌において特異的に発現している遺伝子を同定するために、GeneChipデータベース(バイオエクスプレス)の解析と、その結果に基づき、基底細胞癌の手術材料から抽出した総RNAを用いた定量PCRを行なった。
GeneChipによる遺伝子発現データベース(バイオエクスプレス)から、50例のヒト正常皮膚と11例のヒト皮膚基底細胞癌の遺伝子発現を解析した結果、基底細胞癌11例全例でG蛋白共役受容体のgpr49遺伝子が正常皮膚に比べ10〜20倍発現が亢進していることを認めた。それらのサンプルにおいて、発現レベルの平均値と標準偏差を求めたところ(図1A)、ヒト皮膚基底細胞癌において、gpr49遺伝子の発現が亢進していることが認められた。
しかしながら、(a)の結果だけでは信頼性が低く、データベースでシグナルが認められても、目的の部位での発現が確認されたとは言えないため、基底細胞癌患者の癌組織において、実際にgpr49遺伝子が発現しているかを調べる必要があった。そのため、定量RT-PCR法を用いて、基底細胞癌患者におけるgpr49遺伝子の発現量をより正確に測定した。まず、凍結保存された基底細胞癌組織からRNeasy Mini Kit (Quiagen)を用いて、基底細胞癌患者20人から癌組織20例、基底細胞癌以外の皮膚疾患を有する患者(ボーエン病、扁平上皮癌及び脂漏性角化症)3人から3例、および同患者6人から非癌組織の皮膚6例を採取して総RNAを抽出し、得られた総RNAの1μgから、First-Strand cDNA Synthesis Kit (GE Healthcare, Piscataway, NJ, USA)を用いて、cDNAを合成した。次に、得られたcDNAの1.5μl(0.1μgRNA相当量)を用いてSYBR Green PCR Core Reagents (Applied Biosystems, Warrington UK)を使用し、ABI7700にて、PCRを行なった。定量RT-PCRに用いたプライマーは、図13に記載の通りである。なお、増幅産物量(X)は、式X=2-ΔΔCtを用いて計算した。(ここで、ある反応で得られた蛍光が閾値(Threshold)に達するときのサイクル数をCtとし、gpr49遺伝子のCtとGAPDH遺伝子のCtとの比をΔCtとした時、gpr49遺伝子のΔCtとGAPDH遺伝子のΔCtの比を算出し、ΔΔCtとした。)
このようにして基底細胞癌患者20人の癌組織においてgpr49遺伝子の発現量を測定し、非癌組織の平均値に対する発現量を計算したところ、2例(症例6および10)を除き、非癌組織の平均値に比べgpr49遺伝子の発現量の著しい亢進(50〜1000倍以上)が認められた(図1B)。一方、基底細胞癌以外の皮膚疾患を有する患者では、gpr49遺伝子の発現量の上昇は認められなかった(図1B)。これにより、gpr49遺伝子は、基底細胞癌に特異的に発現が著しく亢進することが明らかになった。なお、gpr49遺伝子の発現量が上昇しなかった2例の患者では、サンプルの基底細胞層を単離するとき、他の細胞の混入が大きかったものと考えられた。
次に、基底細胞癌患者の癌組織において、どの細胞がgpr49遺伝子を発現しているかを調べるために、in situハイブリダイゼーションを行なった。
Gpr49タンパク質の機能を解析するために、gpr49遺伝子を高レベルで発現しているマウスのBCC細胞株ASZ001(Aszterbaum M, Epstein J, Oro A, et al, Nat Med, 5, 1285-1291 (1999))(Dr Ervin Epstein (Department of dermatology, University of California, San Francisco, USA)から入手)において、shRNAを用いて、gpr49遺伝子の発現を抑制した。
gpr49遺伝子の発現抑制には、Sigma社において合成されたoligos64-nt hairpin-loop配列(21-nt shRNA標的配列を含む)(GPR49-585、GPR49-662)を使用した。なお、コントロール(Control-Ri)には、ランダムな配列を有する同じ長さのオリゴヌクレオチドを用いた。
GPR49-585 RiS(配列番号26):
gatcccc-gaacaaaatacaccacata-ttcaagaga-tatgtggtgtattttgttc-tttttggaaa
GPR49-585 RiAS(配列番号27):
agcttttccaaaaa-gaacaaaatacaccacata-tctcttgaa-tatgtggtgtattttgttc - ggg
GPR49-662 RiS(配列番号28):
gatcccc-gaatccactccctgggaaa -ttcaagaga-tttcccagggagtggattc-tttttggaaa
GPR49-662 RiAS(配列番号29):
agcttttccaaaaa-gaatccactccctgggaaa-tctcttgaa-tttcccagggagtggattc - ggg
Control RiS(配列番号30):
gatcccc -taaggctatgaagagatac-ttcaagaga-gtatctcttcatagcctta-tttttggaaa
Control RiAS(配列番号31):
agcttttccaaaaa-taaggctatgaagagatac-tctcttgaa - gtatctcttcatagcctta-ggg
まず、これらの細胞の増殖能を調べるために、ASZ-sh585、ASZ-sh662、及びASZ-shcontrolを、6穴プレートに5×104個/ウェルの密度で播種して37℃、5%CO2で培養し、24時間毎に細胞数を計測した(4回計測し、その平均をとった)。
その結果、図3(b)に示すように、gpr49遺伝子をノックダウンした細胞(ASZ-sh585、ASZ-sh662)は、コントロール(ASZ-shcontrol)より生細胞数が少なくなり、培養開始4日目には、コントロール(ASZ-shcontrol)に比べて、約0.56倍の細胞数になった。
そこで、培養開始4日目における細胞数の減少が、細胞増殖活性の減少によるのか、細胞死によるのかを調べるため、これらの細胞に対し、WST-1アッセイ(Roche diagnostics, Mannheim, Germany)を行い、ミトコンドリアの代謝機能を調べた。
ASZ-sh585、ASZ-sh662、及びASZ-shcontrolを、24穴プレートに1×104個/ウェルの密度で播種して37℃、5%CO2で培養し、WST-1試薬を24時間毎に各ウェルに入れ、30分間インキュベートした後、吸光度を450/690nmで測定した。
そこで、各細胞におけるDNA合成能の低下を確認するため、Cell Proliferation ELISA(BrdU kit (Roche diagnostics))を用いて、BrdU取り込みアッセイを行った。
まず、ASZ-sh585、ASZ-sh662、及びASZ-shcontrolを、96穴プレートに1×104個/ウェルの密度で播種して37℃、5%CO2で24時間培養した後、各ウェルにBrdUを入れて、24時間、37℃、5%CO2でインキュベートした。そして、各細胞のDNAを変性させた後、細胞を固定し、ペルオキシダーゼ結合抗BrdU抗体を結合させ、ルミノール基質を添加し、吸光度を370/492nmで測定してシグナルの強さを測定した。
このように、gpr49遺伝子の発現を抑制することにより、基底細胞癌由来の細胞の増殖を抑制することができるため、Gpr49タンパク質の機能を抑制する抑制因子は、細胞増殖抑制剤及び基底細胞癌治療剤の有効成分として有用である。
そこで、今度はgpr49遺伝子を強制発現させた場合、細胞増殖がどのように変化するかを調べた。
まず、コントロール及びgpr49expの各細胞を、6穴プレートに5×104個/ウェルの密度で播種した。37℃、5%CO2で培養し、24時間毎に細胞数を計測したところ、gpr49expは、コントロールと比べて細胞数増加率が高く、培養開始3日目には、細胞数がコントロールの約1.5倍になった(図4(b))。
そこで、(2)(c)と同様に、WST-1アッセイによってミトコンドリアの代謝機能を測定し、細胞増殖活性を調べたところ、gpr49expは、コントロールより吸光度の増加率が高く、培養開始3日目において、コントロールと比べて、約1.3倍吸光度が高くなった(図4(c))。
このように、gpr49遺伝子の発現を亢進させた細胞は、細胞増殖活性が亢進していた。従って、Gpr49タンパク質の機能を増強する増強因子は、細胞増殖促進剤の有効成分として有用である。
gpr49遺伝子の発現を亢進させた細胞の免疫不全(SCID)マウスにおける腫瘍形成能を調べるため、(2)(e)で作製したgpr49exp細胞 1×107個を、免疫不全マウスの背部皮下に移植した。コントロールには、(2)(e)で作製した、挿入DNAのないpcDNA3を導入したHaCaT細胞を用いた。図5、6に免疫不全マウスにおける腫瘤形成を示す。
基底細胞癌は、Hedgehogシグナル経路の脱制御により発生すると考えられている(Oro Ae, et al, Science, 276 (5313), 817-21 (1997))。そこで、基底細胞癌において特異的に発現が亢進するgpr49遺伝子とHedgehogシグナル経路との関係を調べるために、 Hedgehogシグナル経路を阻害する薬剤として知られているシクロパミンを用いて、以下の実験を行った。なお、このシクロパミンはShh受容体複合体の構成要素であるSmo (smoothened)タンパク質を特異的に阻害することが知られている。
このように、Hedgehogシグナルの抑制によって、gpr49遺伝子の発現が抑制された。
そこで、gpr49遺伝子とHedgehogシグナル経路の相互作用をより詳細に調べるため、gpr49遺伝子とHedgehogシグナル経路の各遺伝子(ptch1、gli1、gli2、wnt5a)との関係を調べた。
そこで、Hedgehogシグナル経路において、gli1遺伝子とgpr49遺伝子の上下関係を調べるために、以下の実験を行った。
このように、gpr49遺伝子は、Gli1因子によって転写活性化される下流遺伝子群の一つであった。
今度は逆に、gpr49遺伝子の発現を制御することによりgli1遺伝子及びgli2遺伝子の発現がどのように変化するかを調べた。
gpr49遺伝子の発現を抑制した細胞(ASZ-sh585、ASZ-sh662)とgpr49遺伝子の発現を亢進させた細胞(gpr49exp)における、gli1遺伝子とgli2遺伝子の発現量を、図13に記載のプライマーにより(1)(b)と同様に定量RT-PCR法を行って測定したところ、gpr49遺伝子の発現を抑制した細胞では、gli1遺伝子とgli2遺伝子の発現は低下しており(図10(a)(b))、gpr49遺伝子の発現を亢進させた細胞では、gli1遺伝子とgli2遺伝子の発現は増加した(図10(c))。
このように、Gpr49タンパク質は、gli1遺伝子及びgli2遺伝子の転写を調節するため、Gpr49タンパク質の機能を増強/抑制する増強因子/抑制因子は、Hedgehogシグナル経路におけるgli1遺伝子及びgli2遺伝子の発現を亢進/抑制する発現亢進剤/抑制剤として有用である。
(1)定量RT-PCR法を用いたgpr49遺伝子及びshh遺伝子の発現量測定
膵癌由来の培養細胞におけるgpr49遺伝子及びshh遺伝子の発現量を測定した。まず、RNeasy Mini Kit (Quiagen)を用いて、10種類の膵癌細胞株(Capan1、Capan2、AsPC1、HPAF II、Panc1、CFPAC、HPAC、MPanc96、BxPC3、Hs766T)から総RNAを抽出し、得られた総RNAから、First-Strand cDNA Synthesis Kit (GE Healthcare, Piscataway, NJ, USA)を用いて、cDNAを合成した。次に、得られたcDNAを用いてSYBR PremixExTaq(Perfect Real Time)(タカラバイオ社)を使用し、ABI PRIZM 7000(Applied Biochem)にて、PCRを行なった。定量RT-PCRに用いたプライマーは、図13に記載の通りである。なお、遺伝子発現量は、gpr49遺伝子及びshh遺伝子のct値を、GAPDH遺伝子発現量で補正した相対量で表した。
このように、gpr49遺伝子及びshh遺伝子は、一部の膵癌細胞において発現が亢進している。
膵癌細胞におけるGpr49タンパク質の機能を解析するために、gpr49遺伝子を高レベルで発現しているマウスのAsPC-1細胞株において、shRNAを用いて、gpr49遺伝子の発現を抑制した。
gpr49遺伝子の発現抑制には、実施例1に記載のoligos64-nt hairpin-loop配列(GPR49-585、GPR49-662)を使用した。なお、コントロールとして、実施例1に記載のAsPC-shcontrolを用いて、同様の実験を行った。
Fugene6を用いて、各shRNA発現ベクター6μgを1×107個のAsPC-1細胞にトランスフェクトした。72時間後以降、2.5μg/ml puromycin(Invitrogen社)を添加して、3週間培養し、puromycin耐性細胞を選択した。
こうして得られたpuromycin耐性細胞(以下、GPR49-585、GPR49-662、及びAsPC-shcontrol を用いて得られた細胞に対し、それぞれAsPC-sh585、AsPC-sh662、及び AsPC-shcontrolと記載する。)において、実施例1に記載の(1)(b)と同様に定量RT-PCRでgpr49遺伝子の発現を調べたところ、AsPC-sh662では、gpr49遺伝子の発現が、AsPC-shcontrolと比べて約0.37倍に低下していたが、AsPC-sh585では、gpr49遺伝子の発現量の低下はほとんど認められなかった(図12(a))。
そこで、AsPC-sh662において、細胞の増殖能を調べるために、AsPC-sh662及びAsPC-shcontrolを、実施例1に記載の(2)(b)の方法を用いて培養し、24時間ごとに細胞数を計測した。
その結果、図12(b)に示すように、AsPC-sh662は、AsPC-shcontrolより生細胞数が少なくなり、培養開始3日目には、AsPC-shcontrolに比べて、約0.3倍の細胞数になった。
Claims (18)
- Gpr49タンパク質の機能を増強する増強因子を有効成分として含有する細胞増殖促進剤。
- 前記増強因子が、gpr49遺伝子の発現を亢進させることにより、Gpr49タンパク質の機能を増強することを特徴とする請求項1に記載の細胞増殖促進剤。
- Gpr49タンパク質の機能を抑制する抑制因子を有効成分として含有する細胞増殖抑制剤。
- 前記抑制因子が、gpr49遺伝子の発現を抑制することにより、Gpr49タンパク質の機能を抑制することを特徴とする請求項3に記載の細胞増殖抑制剤。
- Gpr49タンパク質の機能を抑制する抑制因子を有効成分として含有する基底細胞癌治療剤。
- 前記抑制因子が、gpr49遺伝子の発現を抑制することにより、Gpr49タンパク質の機能を抑制することを特徴とする請求項5に記載の基底細胞癌治療剤。
- Gpr49タンパク質の機能を抑制する抑制因子を有効成分として含有する膵癌治療剤。
- 前記抑制因子が、gpr49遺伝子の発現を抑制することにより、Gpr49タンパク質の機能を抑制することを特徴とする請求項7に記載の膵癌治療剤。
- Gpr49タンパク質の機能を増強する増強因子を有効成分として含有するhedgehogシグナル活性増強剤。
- 前記増強因子が、gpr49遺伝子の発現を亢進させることにより、Gpr49タンパク質の機能を増強することを特徴とする請求項9に記載のhedgehogシグナル活性増強剤。
- Gpr49タンパク質の機能を抑制する抑制因子を有効成分として含有するhedgehogシグナル活性抑制剤。
- 前記抑制因子が、gpr49遺伝子の発現を抑制することにより、Gpr49タンパク質の機能を抑制することを特徴とする請求項11に記載のhedgehogシグナル活性抑制剤。
- Hedgehogシグナル経路におけるgli1遺伝子及びgli2遺伝子の発現を抑制する発現抑制剤であって、
Gpr49タンパク質の機能を抑制する抑制因子を有効成分として含有すること、
を特徴とする発現抑制剤。 - 前記抑制因子が、gpr49遺伝子の発現を抑制することにより、Gpr49タンパク質の機能を抑制することを特徴とする請求項13に記載の発現抑制剤。
- Hedgehogシグナル経路におけるgli1遺伝子及びgli2遺伝子の発現を亢進する発現亢進剤であって、
Gpr49タンパク質の機能を増強する増強因子を有効成分として含有すること、
を特徴とする発現亢進剤。 - 前記増強因子が、gpr49遺伝子の発現を亢進させることにより、Gpr49タンパク質の機能を増強することを特徴とする請求項15に記載の発現亢進剤。
- 基底細胞癌を診断する診断キットであって、
gpr49の発現を診断マーカーとして使用すること、
を特徴とする診断キット。 - 基底細胞癌又は膵癌に対する治療に効果を有する物質のスクリーニング方法であって、
培養条件下で、癌化した基底細胞又は膵臓細胞に被験物質を投与し、前記細胞におけるgpr49の発現量を測定する工程を含むこと、
を特徴とするスクリーニング方法。
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