JP2008124079A - 露光装置とそれを用いた半導体装置または液晶装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】露光光を反射するミラ−とミラ−を温調する温調装置を備える露光装置であって、温調装置がミラ−からの輻射熱を授受するようミラ−に相対向して設けられた輻射温調板と、輻射温調板を温調するための温調素子と、輻射温調板を温調するための温度検出器を備え、少なくとも温度検出器の温度検出部が輻射温調板の少なくとも一部に接合して設けられ、温度検出部と輻射温調板との接合箇所が、温調素子と輻射温調板との接合部温度変化に追随検出制御できる距離であって、温調素子の接合面外に配置される露光装置とする。
【選択図】 図1
Description
そこで本発明においては、ミラ−温度測定用の温度計をミラ−と非接触とすることで、温度計を介した振動や熱の伝達等を防ぎ、また温度計とミラ−の熱膨張率差等に起因する歪みも無くすことで、ミラ−の光学特性への悪影響を低減することを目的とする。
さらに好ましくは、温調素子と、温度検出部と輻射温調板との接合箇所が、輻射温調板上の最短距離で30mm以内に配置されることを特徴とする。
さらに好ましくは、露光装置の露光光波長がEUV領域であることを特徴とする。
またこの発明にかかる半導体装置または液晶装置の製造方法は、露光光を反射するミラ−とミラ−を温調する温調装置を備え、温調装置がミラ−からの輻射熱を吸収するようミラ−に相対向して設けられた輻射温調板と輻射温調板を温調するための温調素子と温度検出器を備え、輻射温調板の少なくとも一部に接合して設けられ、温度検出部と輻射温調板との接合箇所が、温調素子と輻射温調板との接合部温度変化に追随検出制御できる距離であって、温調素子の接合面外に配置される温度検出器の温度検出部からの検出出力を検知する工程と、検出出力及び露光光の光量に基づき温調素子を温度制御する工程を有することを特徴とする。
図1は、本発明をEUV露光装置の投影光学系ミラ−に適用した場合のミラ−冷却装置の模式図である。EUV露光光(10nm〜15nm)10は投影光学系のミラ−11に照射され反射されるが、反射率は理論上70%程度が限界であり、残りの大部分の光エネルギ−はミラ−11表面にて熱エネルギ−となる。
この構成では、温度計14が輻射温調板13に設置されるので、投影光学系のミラ−11は、その支持ステ−を除いて独立であり、温度計14を介した、変形や振動、熱の影響を受けることはない。
そこで、本願発明者は、露光装置に使用されるミラ−11や輻射温調板13であって主として冷却を行う輻射温調板等は、露光対象等によって必要な要求特性がある程度絞られることに着目した。
図2に、本発明の実施形態にかかる冷却の説明フロ−を示す。まず、露光対象の対象半導体が決まると、その描画プロセスに必要な露光条件である露光量が決まる(ステップ21)。露光量が決まると、ミラ−に照射される露光量に依存するミラ−表面での発熱(吸熱)量が決まることから、この熱を放熱するために必要な輻射温調板の最適な温度計目標設定温度が、後述するシミュレ−ション結果に基づいて決定される(ステップ22)。
すなわち温度差が減少すれば(ステップ24)、ペルチェ素子の通電量を下げて出力を低減させ(ステップ25)、温度差が減少しなければ出力を上げて出力を増大させる(ステップ26)。これにより、輻射温調板の温度計検出値が目標設定温度を超えて下がらないように、ペルチェ素子の出力が調整される。
ここで、ミラ−特定点の温度が目標値である23℃から±0.1℃の範囲に制御されているかどうかの確証や、また露光光量にあわせて温度計の目標設定温度を決定するためには、予め、ミラ−や輻射温調板等の熱特性の把握が不可欠となる。
そこで、以下、この事前シミュレ−ションについて説明する。本発明の実施形態にかかる熱シミュレ−ション模式図である図5に示すように、投影光学系ミラ−51表面で発生した熱59により、投影光学系ミラ−51の厚さ方向に熱勾配5aを生じ、投影光学系ミラ−51裏面側へ熱59がゆっくりと伝わる。伝わる速度は、細かくはミラ−材質により異なるが、おおまかに分単位のオ−ダは必要である。
一方、輻射温調板53の裏面に接触して設けられたペルチェ素子56により接合領域5cがまず冷却される。このため、輻射温調板53で吸収された熱5dは、ペルチェ素子56側へ向かい、輻射温調板53内にも若干の熱勾配が生じることになる。
従って、ペルチェ素子と輻射温調板53の接合面外で、かつL=30mm以内に温度計54を設けることが必要である。L=30mm以内であれば、ペルチェ素子の温度変化が10秒以内(典型的には約6〜7秒)で検出できる距離であり、ミラ−温度の制御に不調を来すような検出遅れは生じない。輻射温調板53で吸収された熱5dは、ペルチェ素子56側へと向かい、液冷ジャケット55による循環冷却により冷媒ホ−ス57を通じて熱5eとして排出される。
この際、投影光学系ミラ−51裏面と輻射温調板53との距離は、投影光学系ミラ−51大きさの約100分の1程度であり2mm程度と短いので、投影光学系ミラ−51裏面の放熱量と輻射温調板吸熱量は等しいと考えてよい。
図3は、本発明の実施形態にかかるシミュレ−ションフロ−である。ミラ−特定点の決定(ステップ30)は、制御シミュレ−ト時にモニタ−する温度検出位置を決めるもので、この実施形態ではミラ−裏面の中央一点とし、以下の工程により、この温度が23℃一定に制御できるシミュレ−ション条件を探す。
なお、露光量の設定(ステップ31)においては、実際の半導体素子等の露光工程で実現され得るすべての露光条件に対応する露光量について、実際に条件出ししてもよいし、露光条件の一部について条件出しをし、残りの露光条件時については計算により求めてもよい。
従ってこの場合には、輻射温調板取り付け温度計の目標温度設定値を変えていくことで(ステップ33)、ミラ−のモニタ−温度が23℃で安定する最適条件を求めることができる。
従って、この影響因子を把握しコントロ−ルし、あるいは、影響因子の状況を予め測定等で把握しておくことで、同様の条件下でなされる実際の露光工程において、ミラ−温度を直接測定しなくても、正確な予測を可能とし、制御することができることになる。
本発明においては、ペルチェ素子制御用の温度計を輻射温調板に取り付けたことで、特に、露光量とこの温度計設定温度(すなわちペルチェ素子制御温度)の関係が重要となる。露光が開始されるとともに、ミラ−温度変化が制御目標値範囲になるよう、シミュレ−トにより予め判明している値でペルチェ素子が駆動されることで、より正確で迅速な制御も可能となった。
図4に、本発明の実施形態にかかる冷却制御チャ−ト40を示す。露光が開始される前に、装置全体の温度は23℃で安定しているとし、露光対象が決まればこの対象素子用の露光条件が決まっている。
従って、露光開始とともに、ペルチェ素子は設定最大出力(電流量)で輻射温調板温度計が目標設定値22℃となるよう駆動開始し(42)、一方でミラ−表面温度は23℃から露光照射光を受けて徐々に上昇し始める(43)。
他方、輻射温調板の冷却効果は、やや遅れてミラ−表面に伝わるため、徐々にミラ−表面の温度上昇率は低下し、約24℃を上限として飽和する(43)。
しかし、輻射温調板からの冷却効果により速やかに冷却開始されることとなり(46)、0.1℃以内の温度変化において、結局23℃に安定制御される(44)。これにより、ミラ−温度の安定制御を高いレベルで実現することが可能となる。
EUV露光装置100は、露光の照明光としてEUV光を用いる。EUV光の波長は0.1〜400nmの範囲であるが、この実施形態において好ましくは1〜50nm程度の波長のEUV光を用いる。ウエハ103上に照射されるパタ−ンは、反射型のレチクル102により決定する。これにより、ウエハ103上にはレチクル102によるパタ−ンの縮小像が形成されることとなる。上記のレチクル102は、レチクルステ−ジ104の下側に図示しない静電チャックを介して固定する。
露光時の照明光に使用されるEUV光は大気に対する透過性が低いので、EUV光が通過する光経路は、真空ポンプ107で真空に保たれた真空チャンバ106内に配置する。また、EUV光はレ−ザプラズマX線源によって生成する。レ−ザプラズマX線源は、レ−ザ光源108(励起光源として作用)とキセノンガス供給装置109から構成される。このレ−ザプラズマX線源は、真空チャンバ110で取り囲まれておりレ−ザプラズマX線源で生成されたEUV光は真空チャンバ110の窓111を通過する。
レチクル102は、EUV光を反射する多層膜とパタ−ンを形成するための吸収体パタ−ン層を有している。レチクル102でEUV光が反射されることで、EUV光はパタ−ン化される。パタ−ン化されたEUV光は投影光学系101を通じてウエハ103に達する。
レチクル102で反射されたEUV光は、第一ミラ−115aから第四ミラ−115dまで順次反射され、レチクル102のパタ−ンの縮小像(例えば、1/4、1/5、1/6の縮小率)を形成する。投影光学系101は、像の側(ウエハ103の側)でテレセントリックになるように設定する。
ウエハ103上のダイを露光するときには、照明システムによりEUV光がレチクル102の所定の領域に照射される。そして、レチクル102とウエハ103とは投影光学系101に対して上記の縮小率に従った所定の速度で動く。このようにして、レチクルパタ−ンはウエハ103上の所定の露光範囲(ダイに対して)に露光される。
投影光学系101には、4枚の投影光学系ミラ−115a〜115dが搭載され、特にこの投影光学系ミラ−115a〜115dには高精度な安定特性が要求されるので本発明に好適である。しかし、他のミラ−系やマスクに適用しても、本発明の効果は発揮される。また、投影光学系ミラ−は4枚に限らず、5〜8枚であってもよい。
また、本発明にいうミラ−とは、典型的には投影光学系ミラ−のことをいうが、照明光学系ミラ−やその他の露光光反射ミラ−であってもよい。EUV露光装置のミラ−は、熱膨張による変形等を考慮してス−パ−インバ−等の線膨張係数の小さな母材を用いてもよい。
輻射温調板は、例えば、アルミニウム、タングステン、モリブデン、亜鉛等の比較的熱伝導性のよい部材が基体として用いられ、好ましくは、表面に輻射面としてセラミック等の高輻射率部材(被覆セラミック)が被覆される。輻射温調板による温調は冷却であっても、加温であってもよい。
温度検出器には、典型的には、熱電対や白金抵抗等の熱抵抗を検出できる接触型のものが用いられるが、放射温度計のような非接触型温度検出器を用いることもできる。
また、露光装置は、光を用いて一定の描画処理を行う装置で、少なくともその光の一部又は全部を反射等する装置であればよく、露光波長の如何に拘わらず本発明を適用してもよい。
図8は、マイクロデバイスの製造工程を示すフロ−チャ−トである。図8に示すように、まず、ステップS201(設計ステップ)では、マイクロデバイスの機能・性能設計(半導体デバイスの回路設計等)を行い、その機能を実現するためのパタ−ン設計を行う。続くステップS202(マスク製作ステップ)では、設計された回路パタ−ンを持つマスク(レチクル)を製作する。一方、ステップS203(ウエハ製造ステップ)では、シリコン等の半導体材料によりウエハを製造する。
図9は、図8におけるウエハ処理ステップ(ステップS204)の詳細なフロ−を示す図である。図9に示すとおり、ウエハ処理ステップは、前処理工程と後処理工程とを複数段階に亘って繰り返し、ウエハ上に回路パタ−ンを積層するものである。各段階の前処理工程では、以下の処理のうち必要な処理のみを必要に応じて選択的に実行する。
続くステップS217(現像ステップ)では、レジストを現像する現像処理をウエハに施し、さらにステップS218(エッチングステップ)では、レジストをエッチングマスクとしたエッチング処理をウエハに施す。最後のステップS219(レジスト除去ステップ)では、エッチング処理後に残存したレジストを除去する。
この発明により、ミラ−と温度計の接触がなくなり、接触による影響を排除するとともに、温調素子の出力を輻射温調板で迅速に確認することができる。
また、温調素子の温度変化に速やかに対応する温調素子制御が可能となる。
また、露光装置の性能を高レベルに発揮した、EUV露光が可能となる。
また、極端紫外光露光装置の中でも特に、精密かつ安定さが求められる投影光学系のミラ−への、温度計接合の影響を排除することができる。
なお、シミュレ−ションによる温度調整装置制御デ−タはデ−タテ−ブルとして予め記憶装置に記憶し、露光装置に備えておくことで、露光条件入力決定時に、対応する露光条件に合致する制御テ−ブルを随時参照することで、最適制御を行うようにしてもよいし、露光条件と温度調整装置制御条件の関係をシミュレ−ト式として算出できるように関係付けしておき、その関係式や関数にもとづき算出するようにしてもよい。
Claims (6)
- 露光光を反射するミラーと前記ミラーを温調する温調装置を備える露光装置であって、
前記温調装置が前記ミラーからの輻射熱を授受するよう前記ミラーに相対向して設けられた輻射温調板と、
前記輻射温調板を温調するための温調素子と、
前記輻射温調板を温調するための温度検出器を備え、
少なくとも前記温度検出器の温度検出部が前記輻射温調板の少なくとも一部に接合して設けられ、
前記温度検出部と前記輻射温調板との接合箇所が、前記温調素子と前記輻射温調板との接合部温度変化に追随検出制御できる距離であって、前記温調素子の接合面外に配置されることを特徴とする露光装置。 - 前記ミラ−と前記温調装置は真空チャンバ−中に保持され、前記温調素子がペルチェ素子からなることを特徴とする
請求項1に記載の露光装置。 - 前記温調素子と、前記温度検出部と前記輻射温調板との接合箇所が、前記輻射温調板上の最短距離で30mm以内に配置されていることを特徴とする
請求項1または請求項2に記載の露光装置。 - 前記露光装置の露光光波長がEUV領域である
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の露光装置。 - 前記ミラ−が極端紫外光を反射する多層膜積層構造を有する複数の投影光学系ミラ−であることを特徴とする
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の露光装置。 - 露光光を反射するミラーと前記ミラーを温調する温調装置を備え、
前記温調装置が前記ミラーからの輻射熱を吸収するよう前記ミラーに相対向して設けられた輻射温調板と前記輻射温調板を温調するための温調素子と温度検出器を備え、
前記輻射温調板の少なくとも一部に接合して設けられ、前記温度検出部と前記輻射温調板との接合箇所が、前記温調素子と前記輻射温調板との接合部温度変化に追随検出制御できる距離であって、前記温調素子の接合面外に配置される前記温度検出器の温度検出部からの検出出力を検知する工程と、
前記検出出力及び前記露光光の光量に基づき温調素子を温度制御する工程と、
を有する半導体装置または液晶装置の製造方法。
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