JP2008123758A - 電池及び電池パック - Google Patents
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Abstract
【課題】電池間を接続するためのタブ、ボルトやナット等を電池に溶接する必要の無い電池及び該電池を用いた電池パックを提供する。
【解決手段】正極25と負極26を有する電池素子15が収納される電池筐体を備えて構成されている。電池筐体は、第1の接続部16と、第2の接続部17と、を有し、第1の接続部16及び第2の接続部17の少なくとも一方には、同種の他の電池の第2の接続部17又は第1の接続部16と着脱可能に接続される嵌合凸部18又は嵌合凹部19を設ける。
【選択図】図1
【解決手段】正極25と負極26を有する電池素子15が収納される電池筐体を備えて構成されている。電池筐体は、第1の接続部16と、第2の接続部17と、を有し、第1の接続部16及び第2の接続部17の少なくとも一方には、同種の他の電池の第2の接続部17又は第1の接続部16と着脱可能に接続される嵌合凸部18又は嵌合凹部19を設ける。
【選択図】図1
Description
本発明は、同種類の複数の電池を縦方向へ並べて着脱可能に接続できるようにした電池、及びその電池の複数個が縦並びに収納される電池パックに関するものである。
近年、電池を電源として用いる電子機器においては、電子機器の使用可能時間を長時間化するために、大容量化が求められている。かかる目的を達成し、電力量の大容量化を図るため、複数個の電池を1個の容器に収納して使用する電池パックが一般的に用いられている。そして、複数の電池の正極と負極を確実に、しかも効率よく接続するために、ニッケル(Ni)、銅合金や銅にニッケルメッキを施した薄板状に形成したタブが使用されている。
しかしながら、複数の電池を接続するためにタブを使用する場合には、接触点の剥がれを防止する等のために、電池の正極又は負極にタブを溶接等の接合手段により確実に接合する必要があった。そのため、タブという部品点数の増加を招くと共に、タブを溶接する工程が必要となることから組立等の工数が多くなるばかりでなく、コストアップを招いているという問題があった。
このような問題に対する対策の一つとして、例えば、特許文献1に記載されているようなものがある。特許文献1には、単電池間の接続を簡便に行うことができるリチウム二次電池に関するものが記載されている。この特許文献1に記載されたリチウム二次電池は、「正極板と負極板とがセパレータを介して捲回もしくは積層されてなる内部電極体、および有機電解液を用いたリチウム二次電池であって、正負各極の外部端子の接続がネジ式である」ことを特徴としている。
このような構成を有するリチウム二次電池によれば、「外部端子がネジ式で固定されるため、簡便にかつ強固な接続が可能であり、電池の組立作業性、電池接続部の安全性が向上する」(明細書の段落[0030])という効果が期待される。
特開2000−77057号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたリチウム二次電池では、隣り合う電池間をボルトとナットの組み合わせからなるネジ手段によって接続していたため、電池自体にボルトやナットを固定する必要がある。その結果、電池にボルトやナットを固定するための作業が必要となり、作業工数が多くなると共に、部品点数も増加して、コストアップを生じているという問題がある。
解決しようとする問題点は、従来の電池では、タブを電池に溶接していたため、部品点数の増加を招いていると共に、タブを溶接するための工数がかかり、コストアップを生じている、という点である。また、タブの代わりに電池間の接続をネジ式で行うものとすると、電池の正極側の接続部と負極側の接続部にボルトやナットを溶接するための作業が必要となるため、作業工数が多くなるばかりでなく、部品点数も増加して、コストアップを招くことになる、という点である。
本発明の電池は、正極と負極を有する電池素子が収納された電池筐体を備えている。この電池筐体は、正極に接続された第1の接続部と、負極に接続された第2の接続部とを有している。そして、第1の接続部及び第2の接続部の少なくとも一方には、同種の他の電池の第2の接続部又は第1の接続部と着脱可能に接続される嵌合凸部又は嵌合凹部を設けたことを特徴とする。
また、本発明の電池パックは、正極と負極を有する電池素子が収納された電池筐体を備えた複数の電池が縦方向に並べられて収納される。この電池筐体は、正極に接続された第1の接続部と、負極に接続された第2の接続部と、を有している。複数の電池のうち、第1の電池の第1の接続部及び第2の接続部の少なくとも一方には、嵌合凸部または嵌合凹部を設けている。そして、第1の電池に隣り合う第2の電池の第2の接続部又は第1の接続部には、当該第1の電池に設けた嵌合凸部又は嵌合凹部に着脱可能に係合される嵌合凹部又は嵌合凸部を設けたことを特徴とする。
本発明の電池、及び電池パックによれば、電池間を接続するためのタブを電池に溶接したり、電池の正極側の接続部及び負極側の接続部にボルトやナット等を溶接したりすることなく、複数の電池を簡便な方法で着脱可能に接続することができる。
タブを電池に溶接したりすることや、電池の正極側の接続部及び負極側の接続部にボルトやナット等を溶接したりすることなく、簡便な方法で電池間を着脱可能に接続することができる電池、及びその電池を複数個用いた電池パックを、簡単な構成により実現した。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。図1〜9は、本発明の実施の形態の例を示すものである。即ち、図1は本発明の電池パックの第1の実施の例を示す分解斜視図、図2Aは本発明の電池の第1の実施の例を正面側から見た斜視図、図2Bは背面側から見た斜視図、図2Cは平面図、図3は図2CのT−T線断面図である。図4Aは同種の他の電池と接続した状態を示す説明図、図4Bは図4Aの要部を拡大して断面した説明図である。
図5A及び図5Bは嵌合凸部及び嵌合凹部の第2の実施の例を示すもので、図5Aは係合前の状態を断面して示す説明図、図5Bは係合後の状態を断面して示す説明図、図6A及び図6Bは嵌合凸部及び嵌合凹部の第3の実施の例を示すもので、図6Aは係合前の状態を断面して示す説明図、図6Bは係合後の状態を断面して示す説明図である。
図7Aは第1の接続状態の電池ユニットを示す平面図、図7Bは第2の接続状態の電池ユニットを示す平面図、図7Cは第3の接続状態の電池ユニットを示す平面図、図7Dは第4の接続状態の電池ユニットを示す平面図である。図8はタブを使用した接続例を正面側から見た斜視図、図9は図8に示すタブを使用した接続例における嵌合状態の要部を断面して示す説明図である。
まず、本発明の電池パックの第1の実施の例について、図1を参照して説明する。電池パック1は、中空の略直方体をなすケース2と、このケース2に収容される電池ユニット3と、制御回路基板4と、出力端子5と、外部接続用の薄板状の電極プレート6と、図示しない付勢部材等を備えて構成されている。
ケース2は、一部を切欠いた中空の略直方体として構成されている。このケース2は、一面が開口され、放熱用の開口窓7aを有する容器状の上ケース7と、この上ケース7の開口部を閉じるように装着され、電池ユニット3が載置される板体状の下ケース8とで構成されている。下ケース8は、電池ユニット3が載置される電池載置面8aと、この電池載置面8aと一体に設けた基板載置面8bを有している。この基板載置面8bには、制御回路基板4及び出力端子5が載置される。電池載置面8aには、複数の電池ガイド片9aと一枚の仕切り板9bが電池ユニット3の上面に上方へ向けて突出して形成されている。
電池ユニット3は、本発明の電池の第1の実施の例を示す円柱状をなす二次電池10を6個有している。この電池ユニット3は、第1の電池10Aと第2の電池10Bを縦方向に並べて接続し、その接続した第1の電池10Aと第2の10Bを横方向に3組配置することにより構成されている。しかしながら、この実施例では、6個の二次電池10で電池ユニット3を構成した例について説明したが、電池ユニット3を構成する二次電池10の数は、これに限定されるものではなく、5個以下でもよく、また、7個以上でもあってもよいことは勿論である。また、二次電池の配列の数も3列に限られるものではなく、4列以上であってもよく、また、2列以下であってもよい。
この電池ユニット3を構成する複数の二次電池10は、図示しないバネ等の弾性体からなる付勢部材により縦方向に付勢されている。この付勢部材の付勢力により、第1の電池10Aと第2の電池10B間の接触強度を高め、両電池10A,10B間の接続を確実なものにしている。なお、付勢部材を設けなくても両電池間の接触力が十分に確保できる場合には、付勢部材が無くてもよいことは勿論である。電池ユニット3の両端部には、ニッケル(Ni)、銅合金又は銅にニッケルメッキを施した薄板状の3つの電極プレート6が溶接又はハンダ付けによって固定されている。
制御回路基板4の配線パターンと3つの電極プレート6とは、図示しない接続手段によって電気的に接続されている。更に、制御回路基板4の配線パターンには、出力端子5の各端子片がそれぞれ電気的に接続されている。この出力端子5は、外部装置である各種の電子機器(例えば、パーソナルコンピュータ、カメラ一体型VTR等)と着脱可能に接続される。その接続により、電池ユニット3を構成する二次電池10の電力が、接続された電子機器に供給されると共に、その電子機器との間で所定の情報(例えば、バッテリー容量の残量、その特性等)をデータ通信可能に構成されている。更に制御回路基板4には、ヒューズ、サーミスタ等の温度保護素子、充放電制御FET1、二次電池10の監視と充放電制御FET1の制御を行うICを含む保護回路等がマウントされている。
次に図2A〜図2C及び図3を参照して、本発明の電池の第1の実施の例を示す二次電池について説明する。図2及び図3に示す二次電池10は、中空の円柱状をなす電池筐体11と、この電池筐体11に収納される電池素子15と、安全弁機構21等を備えて構成されている。電池筐体11は、一面に開口部12aを有する中空の円柱状をなす電池缶12と、この電池缶12の開口部12aを密閉するように装着される電池蓋13とで構成されている。そして、電池筐体11は、後述する第1の接続部16及び第2の接続部17を除く外側の面全てが絶縁性のフィルムにより被覆されている。なお、この実施の例では電池筐体11の形状を円柱状として説明しているが、電池筐体11の形状はこれに限定されるものではなく、電池筐体11の形状を直方体、六角柱、八角柱等の角柱としてもよいことは勿論である。
電池缶12は、例えばニッケル(Ni)メッキが施された鉄(Fe)からなり、一端面が開口された開口部12aを有する中空の円柱状をなす筒体として構成されている。電池缶12の開口部12aの反対側に位置する閉鎖部12bには、第2の接続部17が設けられている。この第2の接続部には、後述する電池素子15の負極26と電気的に接続される。更に、第2の接続部17の中央には、嵌合凸部18が設けられている。この嵌合凸部18は、閉鎖部12bから外側に向けて円柱形に突出した凸部として形成されている。更に、この電池缶12の内部には、巻回体状の電池素子15が収納されている。電池素子15の巻心方向の両側には、巻回体を挟むように一対の絶縁板27,27が配置されている。
電池缶12の開口部12aには、電池蓋13と、この電池蓋13の内側に設けられた安全弁機構21及び熱感抵抗素子22とが、ガスケット23を介してかしめられることにより取り付けられている。これにより、電池缶12の開口部12aが電池蓋13によって密閉されている。電池蓋13は、例えば電池缶12と同様のニッケルメッキが施された鉄(Fe)からなり、円形をなす蓋体として構成されている。この電池蓋13には、第1の接続部16が設けられている。この第1の接続部16は、後述する電池素子15の正極25と電気的に接続される。
この第1の接続部16の中央には、図4A及び図4Bに示すように、同種の他の二次電池10Bの嵌合凸部18が着脱可能に係合(嵌合)される嵌合凹部19が設けられている。この嵌合凹部19は、電池蓋13の一面から安全弁機構21側に向けて円錐台形に凹んだ凹部として形成されている。嵌合凹部19は、その底面が嵌合凸部18の端面とほぼ等しい大きさか、或いはやや小さく形成されている。そして、図4A及び図4Bに示すように、嵌合凸部18と嵌合凹部19との間に、互いに押し合うように力が加えられると、嵌合凹部19のテーパ面に嵌合凸部18がガイドされて噛み合うような関係となる。その結果、嵌合凸部18と嵌合凹部19が強固に嵌合されることになり、高い接触圧を保持して確実に係合(嵌合)される。
また、本実施例では、嵌合凸部18を円柱形の凸部として形成した例について説明したが、これに限定されるものではない。図5A及び図5Bに示す第2の実施の例は、嵌合凸部18Aの形状を、嵌合凹部19の形状に合わせ、嵌合凹部19の円錐台形の凹部に対応する円錐台形の凸部として形成したものである。嵌合凸部18Aは、嵌合凹部19と相似形をなしているが、少し小形に形成されており、図5Bに示すように、嵌合凹部19の適当な深さまで嵌合凸部18Aが嵌り込むことができるようにしている。この実施の例によれば、嵌合凸部18Aのテーパ面と嵌合凹部19のテーパ面の略全面を用いて両者を接触することができるため、互いの接触性を高めて確実に係合(嵌合)することが可能となる。
なお、本実施例では、嵌合凹部19を円錐台形に凹んだ凹部として形成した例について説明したが、これに限定されるものではなく、円柱状に凹んだ凹部として形成してもよいことは勿論である。更に、前記実施例では、嵌合凸部18及び嵌合凹部19を円柱形又は円錐台形の凸部又は凹部としたが、これに限定されるものではなく、例えば、四角柱、六角柱、八角柱等の角柱形や楕円形の凹部又は凸部として形成してもよいことは勿論である。また、嵌合凸部18は、別部材を溶接する等して設ける構成とすることもできる。
図6A及び図6Bは、本発明の第3の実施の例を示すものである。この第3の実施の例は、嵌合凸部に突起を設けると共に、その嵌合凸部が嵌合される嵌合凹部に、前記突起が着脱可能に係合される切り欠きを設けたものである。嵌合凸部18Bを円柱形の凸部として形成されており、その円柱形凸部の側面に抜け止め用の切り欠き31が設けられている。切り欠き31は、略半球形をなす凹部として構成することができ、その半球形凹部は1個のみでもよく、また、周方向に適当な間隔をあけて複数個設ける構成とすることもできる。更に、切り欠き31は、略半球形をなす断面形状が周方向に連続する環状溝として構成することもできる。
嵌合凹部19Bには、嵌合凸部18Bの切り欠き31に見合う形状を有する突起32が設けられている。即ち、嵌合凹部19Bの突起32は、嵌合凸部18の切り欠きに対応した形状を有している。例えば、切り欠き31が半球形凹部であれば突起32は、これに係合可能な半球形凸部である。この際、突起32の数は、半球形凹部に対応した数であって、対応した位置に設けられていることは勿論である。また、切り欠き31が環状溝であれば、突起32は、これに係合可能な環状の凸条部である。この環状凸条部は、半球形凸部が周方向に連続したリング状の突条である。
また、この実施例では、切り欠き31を嵌合凸部18Bに設けると共に、突起32を嵌合凹部19Bに設けた例について説明したが、これとは逆に、切り欠き31を嵌合凹部19Bに設けると共に、突起32を嵌合凸部18Bに設ける構成とすることもできる。
図3に示す、安全弁機構21は、ディスク板21aとストリッパーディスク21bとを絶縁体であるディスクホルダ21cとから構成されている。この安全弁機構21は、ディスク板21aとストリッパーディスク21bとをディスクホルダ21cを介して嵌合して形成されている。更に、安全弁機構21は、熱感抵抗素子22を介して電池蓋13と電気的に接続されている。そして、安全弁機構21は、例えば内部短絡或いは外部からの加熱などにより電池の内圧が一定以上となった場合にディスク板21aが反転して電池蓋13と電池素子15との電気的接続を切断するようになっている。熱感抵抗素子22は、温度が上昇すると抵抗値の増大により電流を制限し、大電流による異常な発熱を防止するものである。ガスケット23は、例えば、絶縁材料により構成されており、表面にはアスファルトが塗布されている。
電池素子15は、帯状の正極25と帯状の負極26とをセパレータ28を介して積層して、巻回したものである。この電池素子15の中心には、ステンレス鋼等よりなるセンターピン29が挿入されている。電池素子15の正極25にはアルミニウム(Al)などよりなる正極リード25aが接続されており、負極26にはニッケルなどよりなる負極リード26aが接続されている。正極リード25aは、安全弁機構21に溶接されることにより電池蓋13の第1の接続部16と電気的に接続されている。そして、負極リード26aは電池缶12の閉鎖部12bに溶接されることにより第2の接続部17と電気的に接続されている。
正極25は、正極活物質を含有する正極活物質層と正極集電体とから構成されている。正極活物質層は、正極集電体の両面上に形成されている。また、正極活物質層は、例えば正極活物質と、導電剤と、結着剤とを含有して構成されている。正極集電体は、例えばアルミニウム(Al)箔、ニッケル(Ni)箔或いはステンレス(SUS)箔などの金属箔により構成されている。
負極26は、負極活物質を含有する負極活物質層と負極集電体とから構成されている。負極活物質層は、負極集電体の両面上に形成されている。また、負極活物質層は、例えば負極活物質と、導電剤と、結着剤とを含有して構成されている。負極集電体は、例えば銅(Cu)箔、ニッケル(Ni)箔或いはステンレス(SUS)箔などの金属箔により構成されている。
また、セパレータ28は、例えばポリプロピレン(PP)或いはポリエチレン(PE)などのポリオレフィン系の材料によりなる多孔質膜、あるいはセラミック製の不織布などの無機材料よりなる多孔質膜により構成されている。このセパレータ28は、これら2種以上の多孔質膜を積層した構造としてもよい。特に、セパレータ28は、ポリエチレン、ポリプロピレンの多孔質フィルムで構成されるのが好ましい。
また、本実施例では、電池缶12の閉鎖部12bに負極26が接続される第2の接続部17を設け、電池蓋13に正極25が接続される第1の接続部16を設けた例を説明した。しかしながら、これとは逆に、電池缶12の閉鎖部12bに正極25が接続される第1の接続部16を設け、電池蓋13に負極26が接続される第2の接続部17を設けてもよいことは勿論である。
このような構成を有する二次電池10は、例えば次のようにして組み立てることができる。まず、図2及び図3に示すように、電池缶12を絞り(プレス)加工により形成する。このとき、第2の接続部17に嵌合凸部18も同時に形成される。同様に、電池蓋13も絞り(プレス)加工により形成する。このとき第1の接続部16に嵌合凹部19も同時に形成される。そのため、嵌合凸部18及び嵌合凹部19を絞り(プレス)加工により極めて容易に形成することができ、二次電池10の作業工程の削減及び製造作業の単純化を図ることができる。
次に、帯状の正極25と、帯状の負極26との間にセパレータ28を介在させて積層する。この積層された正極25、負極26及びセパレータ28を巻回して、電池素子15を形成する。この巻回した電池素子15の中心にセンターピン29を挿入する。そして、図3に示すように、電池素子15を一対の絶縁板27,27で挟み、負極リード26aを電池缶12の閉鎖部12bに溶接すると共に、正極リード25aを安全弁機構21に溶接して、電池素子15を電池缶12内に収納する。この電池素子15が収納された電池缶12内に電解液を注入し、セパレータ28に含侵させる。更に、電池缶12の開口部12aに電池蓋13、安全弁機構21及び熱感抵抗素子22を設置すると共に、ガスケット23を介してかしめることにより固定して電池缶12の開口部12aを電池蓋13で密閉する。そして、電池蓋13の第1の接続部16と電池缶12の第2の接続部17を除く電池筐体11の外側の面を全て絶縁性のフィルムにより被覆する。これにより、電池の組立が完了する。
本発明の第1の実施の例として示す電池パック1は、例えば次のようにして組み立てることができる。まず、図1に示すように、上述した構成を有する第1の電池10A、第2の電池10Bを縦方向に並べて配置する。第1の電池10Aの第1の接続部16に設けた嵌合凹部19に、第2の電池10Bの第2の接続部17に設けた嵌合凸部18を係合(嵌合)させる。これにより、第1の電池10Aと第2の電池10Bとをタブやネジを用いることなく容易に接続することができ、組立工数の削減を図ることができる。しかも、タブやネジという部品点数を削減できるため、コストダウンを図ることができる。このように、縦方向に接続した第1の電池10A及び第2の電池10Bを横方向に3組配置して、電池ユニット3を形成する。
次に、3つの電極プレート6と制御回路基板4の配線パターンとを図示しない接続手段によって電気的に接続させる。ここで、予め制御回路基板4の配線パターンと出力端子5の各端子は、それぞれ電気的に接続されており、下ケース8の基板載置面に8bに載置されている。この電極プレート6を電池ユニット3の両端部に溶接又はハンダ付け等により固定する。この電極プレート6が固定された電池ユニット3を下ケース8に設けた電池ガイド片9aと仕切り板9bに沿って電池載置面8aに載置する。そして、付勢部材により第1の電池10Aと第2の電池10Bを縦方向に付勢する。この付勢部材の付勢力により、第1の電池10Aと第2の電池10B間の接触強度を高め、両電池10A,10B間を確実に接続させることができる。更に、上ケース7と下ケース8を重ね合わせる。この上ケース7と下ケース8の重ね合わせた部分を接着剤、又は熱溶着等により接合させる。ここで、下ケース8と上ケース7の接合方法は、その他の接合方法を用いることができることは勿論である。これにより、電池パック1の組立が完了する。
なお、本発明の第1の実施の例に係る電池10は、第1の接続部16に嵌合凹部19を設け、第2の接続部17に嵌合凸部18を設けた例について説明したが、これに限定されるものではなく、種々に変更することが可能である。これにより、電池ユニットを構成する電池の配置及び接続状態は、種々に変更することができる。図7A〜図7Dを参照して、二次電池を縦方向に3個並べて構成される電池ユニットにおける接続状態のバリエーションを説明する。
図7Aは、第1の接続状態の電池ユニット43を示すものであり、上述した構成を有する二次電池10を3個用いている。この電池ユニット43の一端に配置された第1の電池10Aの第1の接続部16に設けた嵌合凹部19に、電池ユニット43の中間に配置された第2の電池10Bの第2の接続部17に設けた嵌合凸部18が係合(嵌合)される。そして、第2の電池10Bの第1の接続部16に設けた嵌合凹部19に、電池ユニット43の他端に配置された第3の電池10Cの第2の接続部17に設けた嵌合凸部18が係合される。このようにして、電池ユニット43が形成される。
図7Bは、第2の接続状態の電池ユニット53を示すものである。図7Bに示す電池ユニット53を構成する3個の二次電池50A,10B,50Cのうち、電池ユニット53の一端に配置された第1の電池50Aは、電池ユニット53の中間に配置された第2の電池10B側に設けられた第1の接続部16にのみ嵌合凹部19を設けている。この第1の電池50Aの第2の接続部17には、嵌合凸部18又は嵌合凹部19を設けていない。更に、電池ユニット53の他端に配置された第3の電池50Cは、第2の電池10B側に設けられた第2の接続部17にのみ嵌合凸部18を設けている。第1の電池50Aと同様に、この第3の電池50Cの第1の接続部16には嵌合凸部18又は嵌合凹部19を設けていない。その他の構成は前記電池ユニット43と同一の構成を有しているため説明を省略する。
図7Cは、第3の接続状態の電池ユニット63を示すものである。この電池ユニット63を構成する3つの電池50A,60B,60Cのうち、電池ユニット63の中間に配置された第2の電池60Bは、第1の接続部16及び第2の接続部17の両方に嵌合凸部18を設けている。更に、電池ユニット63の他端に配置された第3の電池60Cは、第2の電池60B側の第2の接続部17にのみ嵌合凹部19を設けている。この第3の電池60Cの第1の接続部16には、嵌合凸部18又は嵌合凹部19を設けていない。電池ユニット63の一端に配置された第1の電池50Aは、図7Bに示す電池ユニット53を構成する第1の電池50Aと同一の構成を有しているため説明を省略する。
このとき、電池ユニット63の一端に配置された第1の電池50Aの第1の接続部16に設けた嵌合凹部19に、電池ユニット63の中間に配置された第2の電池60Bの第2の接続部17に設けた嵌合凸部18が係合される。同様に、電池ユニット63の他端に配置された第3の電池60Cの第1の接続部16に設けた嵌合凹部19に、第2の電池60Bの第1の接続部16に設けた嵌合凸部18が係合される。このようにして、電池ユニット63が形成される。
また、図7Dには、第4の接続状態の電池ユニット73を示すものである。この電池ユニット73を構成する3つの電池70A,70B,50Cのうち電池ユニット73の中間に配置された第2の電池70Bは、第1の接続部16及び第2の接続部17の両方に嵌合凹部19を設けている。更に、電池ユニット73の一端に配置された第1の電池70Cは、第2の電池60B側の第1の接続部16にのみ嵌合凸部18を設けている。この第1の電池70Aの第2の接続部17には、嵌合凸部18又は嵌合凹部19を設けていない。電池ユニット73の他端に配置された第3の電池50Cは、図7Bに示す電池ユニット53を構成する第3の電池50Cと同一の構成を有しているため説明を省略する。
このとき、電池ユニット73の中間に配置された第2の電池70Bの第2の接続部17に設けた嵌合凹部19、電池ユニット73の一端に配置された第1の電池70Aの第1の接続部16に設けた嵌合凸部18が係合される。同様に、第2の電池70Bの第1の接続部16に設けた嵌合凹部19に、電池ユニット73の他端に配置された第3の電池60Cの第2の接続部17に設けた嵌合凸部18が係合される。このようにして、電池ユニット73が形成される。
図7A〜図7Dに示すような構成を有する、電池ユニット43、53,63,73を電池パックに用いても、前記第1の実施の例に係る電池パック1と同様の効果を得ることができる。
図8及び図9は、タブを介して電池間を並列に接続した例を説明するものである。この実施の例で示す電池ユニット83は、図7Bに示した第1の電池50Aと第3の電池50Cをそれぞれ2個ずつ有している。この電池ユニット83は、横並びに配置した2つの第1の電池50Aと、横並びに配置した2つの第3の電池50Cとを、薄平板状のタブ34を介して縦方向に接続して構成されている。そして、電池ユニット83の両端部には、2つの電極プレート6が溶接又はハンダ付けによって固定されている。
本発明のタブの一実施例として示すタブ34は、例えば電極プレート6と同様のニッケル、銅合金又はニッケルメッキを施した銅からなり、2つの貫通穴35を有する薄平板状の板体として構成されている。このタブ34は、2つの貫通穴35に2つの第1の電池10Aの嵌合凸部18がそれぞれ圧入されて、第1の電池50Aと第3の電池50Cとの間に介在されている。これにより、タブ34を介して、2つの第1の電池50Aと2つの第3の電池50Cを並列に接続することができる。更に、タブ34を第1の電池50A及び第3の電池50Cに溶接やハンダ付けをして固定する必要がないため、組立工数を削減することができる。
なお、本実施例では、タブ34を2つの貫通穴35を設けた例について説明したが、これに限定されるものではなく、嵌合凸部18が嵌め込まれると共に、嵌合凹部19に嵌め込むことのできる膨出部を設けてもよい。
以上説明してきたように、本発明の電池及び電池パックによれば、縦方向に並べられた第1の電池10Aの嵌合凹部19と第2の電池10Bの嵌合凸部18を係合(嵌合)させることによって第1及び第2の電池10A,10Bを接続している。これにより、2つの電池10A,10B間を接続するためのタブを電池に溶接することなく、簡便な方法で着脱可能に接続することができる。
嵌合凸部18又は嵌合凹部19は、電池缶12及び電池蓋13を絞り(プレス)加工で形成するときに、同時に形成される。その結果、従来例のような第1の接続部16及び第2の接続部17にボルトやナット等を溶接する工程が必要ないため、二次電池10の作業工数の削減及び製造作業の単純化を図ることができる。
また、二次電池10を横に並べて並列に接続する時には、タブ34の貫通穴35を嵌合凸部18に圧入することにより、溶接又はハンダ付け等を行うことなく、二次電池10間の並列接続を簡便に行うことができ、組立工数の削減を図ることができる。
尚、本発明は前述しかつ図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、前記実施例では、本発明の電池を二次電池として説明したが、一次電池でもよいことは勿論である。更に、本発明の電池及び電池パックは、デジタルスチルカメラ、パーソナルコンピュータ、電子辞書、DVDプレーヤその他各種の電子機器に適用できるものである。
1…電池パック、 2…ケース、 3,43,53,63,73,83…電池ユニット、 10…二次電池(電池)、 10A,20A,30A,50A,70A…第1の電池(電池)、 10B,20B,30B,60B,70B…第2の電池(同種の他の電池)、 10C,50C,60C,…第3の電池、 11…電池筐体、 12…電池缶、 12a…開口部、 13…電池蓋、 15…電池素子、 16…第1の接続部、 17…第2の接続部、 18,18A,18B…嵌合凸部、 19,19B…嵌合凹部、 25…正極、 26…負極、 31…切り欠き、 32…突起、 34…タブ、 35…貫通穴
Claims (7)
- 正極と負極を有する電池素子が収納された電池筐体を備え、
前記電池筐体は、
前記正極に接続された第1の接続部と、
前記負極に接続された第2の接続部と、を有し、
前記第1の接続部及び前記第2の接続部の少なくとも一方には、同種の他の電池の第2の接続部又は第1の接続部と着脱可能に接続される嵌合凸部又は嵌合凹部を設けたことを特徴とする電池。 - 前記第1の接続部には、前記嵌合凸部又は前記嵌合凹部を設け、前記第2の接続部には、同種の他の電池の嵌合凸部又は嵌合凹部が着脱可能に係合される前記嵌合凹部又は前記嵌合凸部を設け、
前記第1の接続部と前記第2の接続部とを略同一軸線上に配置したことを特徴とする請求項1記載の電池。 - 前記嵌合凸部は、円錐台形又は円柱形の凸部からなり、前記嵌合凹部は、前記円錐台形の凸部又は前記円柱形の凸部が嵌合される円錐台形凹部又は円柱形凹部からなることを特徴とする請求項1記載の電池。
- 前記嵌合凸部又は前記嵌合凹部には、抜け止め用の切り欠き又は突起を設け、同種の他の電池の嵌合凹部又は嵌合凸部には、前記切り欠き又は突起に着脱可能に係合される突起又は切り欠きを設けたことを特徴とする請求項1記載の電池。
- 前記電池筐体は、一端が開口した筒状の電池缶と、前記電池缶の開口部を密閉する電池蓋からなり、
前記電池缶及び前記電池蓋の一方に前記第1の接続部を設け、前記電池缶及び前記電池蓋の他方に前記第2の接続部を設けたことを特徴とする請求項1記載の電池。 - 正極と負極を有する電池素子が収納された電池筐体を備えた複数の電池が縦方向に並べられて収納される電池パックにおいて、
前記電池筐体は、
前記正極に接続された第1の接続部と、
前記負極に接続された第2の接続部と、を有し、
前記複数の電池のうち、第1の電池の前記第1の接続部及び前記第2の接続部の少なくとも一方には、嵌合凸部または嵌合凹部を設け、前記第1の電池に隣り合う第2の電池の第2の接続部又は第1の接続部には、当該第1の電池に設けた前記嵌合凸部又は前記嵌合凹部に着脱可能に係合される嵌合凹部又は嵌合凸部を設けたことを特徴とする電池パック。 - 前記第1の電池と前記第2の電池との間に介在されるタブを設け、
前記第1の電池の前記嵌合凸部又は前記嵌合凹部と前記第2の電池の前記嵌合凹部又は前記嵌合凸部との嵌合により前記タブを介して第1の電池と第2の電池を電気的に接続したことを特徴とする請求項6記載の電池パック。
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- 2006-11-09 JP JP2006304356A patent/JP2008123758A/ja active Pending
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