JP2008115411A - 蒸着マスクの製造方法、蒸着マスク、およびマスク蒸着方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数のチップを同一面内に位置する状態で支持基板上に固定することができる蒸着マスクの製造方法、この製造方法により得られた蒸着マスク、およびこの蒸着マスクを用いたマスク蒸着法を提供すること。
【解決手段】蒸着マスク10を製造するにあたって、複数のチップ20を支持基板30に固定する際、支持基板30の各チップ搭載領域35の高さ位置を測定し、この高さ位置の測定結果に基づいて、複数のチップ20を各々、チップ搭載領域35から所定の高さ位置に配置し、支持基板30に接着剤40により固定する。このため、支持基板30が反っている場合でも、複数のチップ20を同一面内に位置する状態に支持基板30に固定することができる。
【選択図】図4
【解決手段】蒸着マスク10を製造するにあたって、複数のチップ20を支持基板30に固定する際、支持基板30の各チップ搭載領域35の高さ位置を測定し、この高さ位置の測定結果に基づいて、複数のチップ20を各々、チップ搭載領域35から所定の高さ位置に配置し、支持基板30に接着剤40により固定する。このため、支持基板30が反っている場合でも、複数のチップ20を同一面内に位置する状態に支持基板30に固定することができる。
【選択図】図4
Description
本発明は、被処理基板の所定領域に対して選択的に真空蒸着あるいはスパッタ蒸着を行うための蒸着マスクの製造方法、蒸着マスクおよびマスク蒸着方法に関するものである。
各種半導体装置や電気光学装置の製造工程では、開口部を備えた蒸着マスクを被処理基板に重ね、この状態で真空蒸着法やスパッタ法などの成膜を行うことがある。例えば、電気光学装置として有機エレクトロルミネッセンス(以下、ELという)装置の製造工程では、発光用の有機EL材料(有機機能層)を所定形状に形成する際にフォトリソグラフィ技術を利用すると、パターニング用のレジストマスクをエッチング液や酸素プラズマなどで除去する際に有機材料が水分や酸素に触れると劣化が起こる。このため、有機機能層を形成するには、レジストマスクを必要としないマスク蒸着法が適している。
一方、被処理基板が大きい場合には、蒸着マスクも大きく形成しなければならないが、このような蒸着マスクを高精度に製作することは非常に困難である。そこで、開口部が形成された複数のチップを支持基板に固定して蒸着マスクを構成することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−100460号公報
このような蒸着マスクを製造するにあたっては、チップを支持基板に接着剤により固定する際、通常、図7(a)、(b)に示すように、ステージ50上に載置した支持基板30に接着剤40を塗布した後、吸着ヘッド60により吸着したチップ20を支持基板30に向けて押圧する。
しかしながら、図7(a)に示すように、ステージ50の表面に歪みがあって支持基板30が反っている場合、吸着ヘッド60によりチップ20を支持基板30に向けて押圧しただけでは、チップ20の高さ位置がばらついてしまうという問題点がある。このような問題点は、ステージ50の表面が平坦でも支持基板30に歪みがある場合にも同様に発生する。
また、図7(b)に示すように、ステージ50上の支持基板30が平坦でも、吸着ヘッド60によりチップ20を支持基板30に向けて押圧した際、押圧力や接着剤40の塗布量のばらつきなどによって、支持基板30とチップ20との間に挟まれた接着剤40の厚さがばらつき、その結果、チップ20の高さ位置がばらついてしまうという問題点がある。
このような問題は、蒸着マスクと被処理基板との密着性を低下させ、被処理基板への成膜精度を低下させる原因となり好ましくない。
以上の問題に鑑みて、本発明の課題は、複数のチップを同一面内に位置する状態で支持基板上に固定することができる蒸着マスクの製造方法、この製造方法により得られた蒸着マスク、およびこの蒸着マスクを用いたマスク蒸着法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明では、被処理基板上に成膜するパターンに対応する開口部が形成された複数のチップと、該複数のチップが一方面側の複数のチップ搭載領域の各々に固定された支持基板とを有する蒸着マスクの製造方法において、前記支持基板に前記複数のチップを接着剤により固定するにあたっては、前記複数のチップ搭載領域の各高さ位置を測定し、当該高さ位置の測定結果に基づいて、前記複数のチップを各々、前記チップ搭載領域から所定の高さ位置で前記支持基板に接着して前記複数のチップを同一面内に配置することを特徴とする。
本発明では、複数のチップ搭載領域の各高さ位置を測定し、高さ位置の測定結果に基づいて、複数のチップを各々、チップ搭載領域から所定の高さ位置に配置し、支持基板に接着する。このため、支持基板が反っている場合でも、チップを同一面内に配置することができる。それ故、蒸着マスクのチップと被処理基板を重ねた際の密着性が高いので、成膜精度を向上することができる。
本発明において、前記複数のチップ搭載領域の各高さ位置を測定するにあたっては、例えば、前記チップを保持する吸着ヘッドに対して、前記チップ搭載領域の高さ位置を測定するための高さ位置測定装置を搭載しておく構成を採用することができる。
本発明の別の形態では、被処理基板上に成膜するパターンに対応する開口部が形成された複数のチップと、該複数のチップが一方面側の複数のチップ搭載領域の各々に固定された支持基板とを有する蒸着マスクの製造方法において、前記支持基板に前記複数のチップを接着剤により固定するにあたっては、前記チップを前記接着剤を介して前記チップ搭載領域に押付ける際の圧力を測定し、当該圧力の測定結果が同一となる高さ位置で前記複数のチップを各々、前記支持基板に接着して前記複数のチップを同一面内に配置することを特徴とする。
本発明では、チップを接着剤を介してチップ搭載領域に押付ける際の圧力を測定し、この圧力の測定結果が同一となる高さ位置に複数のチップを配置し、支持基板に接着する。このため、接着剤の厚さを監視しなくても、チップと支持基板との間に位置する接着剤の厚さを同一とすることができるので、チップを同一面内に配置することができる。それ故、蒸着マスクのチップと被処理基板を重ねた際の密着性が高いので、成膜精度を向上することができる。
本発明において、前記チップを前記接着剤を介して前記チップ搭載領域に押付ける際の圧力を測定するにあたっては、例えば、圧力センサを介して前記チップを吸着ヘッドにより吸着する構成を採用することができる。
本発明を適用して得た蒸着マスクでは、各チップが同一の面内に配置されているので、蒸着マスクと被処理基板との密着性が高いが、さらに、蒸着マスクを被処理基板の成膜面に重ねた状態でマスク蒸着を行う際、複数の押圧ヘッドにより前記被処理基板の複数箇所を各々、前記蒸着マスクに向けて押圧するとともに、前記複数の押圧ヘッドが各々、前記被処理基板を押圧する圧力が一定になるように前記複数の押圧ヘッドの各高さ位置を調整することが好ましい。このように構成すると、蒸着マスクと被処理基板との密着性をさらに高めることができるので、成膜精度を向上することができる。
以下に、図面を参照して本発明を適用した蒸着マスクの製造方法および製造装置について説明する。なお、以下の説明では、各実施の形態で共通の構成を説明した後、各実施の形態の特徴部分を説明する。説明に用いる各図においては、各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各部材毎に縮尺を異ならせてある。また、以下の実施の形態では、本発明が適用される対象として有機EL装置を例示する。
[共通の構成]
(有機EL装置の構成例)
図1は、本発明が適用される有機EL装置の要部断面図である。図1に示す有機EL装置1は、表示装置や、電子写真方式を利用したプリンタに使用されるラインヘッドとして用いられるものであり、複数の有機EL素子3を配列してなる発光素子群3Aを備えている。有機EL装置1が、発光層7で発光した光を画素電極4側から出射するボトムエミッション方式の場合には、素子基板2側から発光光を取り出す。このため、素子基板2としては透明あるいは半透明のものが採用される。例えば、ガラス、石英、樹脂(プラスチック、プラスチックフィルム)等が挙げられ、特にガラス基板が好適に用いられる。また、素子基板2上には、画素電極4に電気的に接続された駆動用トランジスタ5a(薄膜トランジスタ)などを含む回路部5が、発光素子群3Aの下層側に形成されており、その上層側に有機EL素子3が形成されている。有機EL素子3は、陽極として機能する画素電極4と、この画素電極4からの正孔を注入/輸送する正孔輸送層6と、有機EL物質からなる発光層7(有機機能層)と、電子を注入/輸送する電子注入層8と、陰極9とがこの順に積層された構造になっている。
(有機EL装置の構成例)
図1は、本発明が適用される有機EL装置の要部断面図である。図1に示す有機EL装置1は、表示装置や、電子写真方式を利用したプリンタに使用されるラインヘッドとして用いられるものであり、複数の有機EL素子3を配列してなる発光素子群3Aを備えている。有機EL装置1が、発光層7で発光した光を画素電極4側から出射するボトムエミッション方式の場合には、素子基板2側から発光光を取り出す。このため、素子基板2としては透明あるいは半透明のものが採用される。例えば、ガラス、石英、樹脂(プラスチック、プラスチックフィルム)等が挙げられ、特にガラス基板が好適に用いられる。また、素子基板2上には、画素電極4に電気的に接続された駆動用トランジスタ5a(薄膜トランジスタ)などを含む回路部5が、発光素子群3Aの下層側に形成されており、その上層側に有機EL素子3が形成されている。有機EL素子3は、陽極として機能する画素電極4と、この画素電極4からの正孔を注入/輸送する正孔輸送層6と、有機EL物質からなる発光層7(有機機能層)と、電子を注入/輸送する電子注入層8と、陰極9とがこの順に積層された構造になっている。
(マスク蒸着方法/有機EL装置1の製造方法)
図2は、マスク蒸着を行う際、被処理基板に蒸着マスクを重ねた状態を示す説明図である。有機EL装置1を製造するには、素子基板2に対して成膜工程、レジストマスクを用いてのパターニング工程などといった半導体プロセスを利用して各層が形成されるが、正孔輸送層6、発光層7、電子注入層8などの有機機能層は、水分や酸素により劣化しやすい。このため、発光層7などの有機機能層を形成する際、さらには、陰極9を形成する際、レジストマスクを用いてのパターニング工程を行うと、レジストマスクをエッチング液や酸素プラズマなどで除去する際に有機機能層が水分や酸素により劣化してしまう。そこで、本形態では、発光層7などの有機機能層を形成する際、さらには陰極9を形成する際には、マスク蒸着法を利用して、素子基板2に所定形状の薄膜を形成し、レジストマスクを用いてのパターニング工程を行わない。
図2は、マスク蒸着を行う際、被処理基板に蒸着マスクを重ねた状態を示す説明図である。有機EL装置1を製造するには、素子基板2に対して成膜工程、レジストマスクを用いてのパターニング工程などといった半導体プロセスを利用して各層が形成されるが、正孔輸送層6、発光層7、電子注入層8などの有機機能層は、水分や酸素により劣化しやすい。このため、発光層7などの有機機能層を形成する際、さらには、陰極9を形成する際、レジストマスクを用いてのパターニング工程を行うと、レジストマスクをエッチング液や酸素プラズマなどで除去する際に有機機能層が水分や酸素により劣化してしまう。そこで、本形態では、発光層7などの有機機能層を形成する際、さらには陰極9を形成する際には、マスク蒸着法を利用して、素子基板2に所定形状の薄膜を形成し、レジストマスクを用いてのパターニング工程を行わない。
図2に示すように、マスク蒸着法では、単品サイズの素子基板2、あるいは複数の素子基板2を切り出すことができる大型基板(以下、被処理基板200)の下面側(被成膜面側/蒸着源側)に蒸着マスク10を重ねた状態で蒸着を行う。発光層7を形成する場合には、低分子有機EL材料を加熱、蒸発させ、マスクの開口部を介して大型基板の下面に発光層7をストライプ状に形成する。正孔輸送層6、電子注入層8、陰極9などの形成も略同様に行う。
ここで、被処理基板200が大きい場合には、蒸着マスク10も大きく形成しなければならないが、このような蒸着マスク10を1枚の薄板により高精度に製作することは非常に困難である。そこで、本形態では、以下に説明するように、開口部22が形成された複数のチップ20を支持基板30に接着剤40により固定した蒸着マスク10を用いる。
(蒸着マスクの構成例)
図3(a)、(b)は、本発明が適用される蒸着マスクの分解斜視図、および蒸着マスクの斜視図である。図3(a)、(b)に示す蒸着マスク10は、ベース基板をなす矩形の支持基板30の各チップ搭載領域35に複数のチップ20を各々取り付けた構成を有している。本形態では、チップ20はシリコンからなるものとする。各チップ20は各々、アライメントされて支持基板30に接着剤(図3には図示せず)より接合されている。接着剤としては、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤、シリコン系接着剤、ゴム系接着剤などを用いることができ、本形態では、光硬化性接着剤が用いられている。
図3(a)、(b)は、本発明が適用される蒸着マスクの分解斜視図、および蒸着マスクの斜視図である。図3(a)、(b)に示す蒸着マスク10は、ベース基板をなす矩形の支持基板30の各チップ搭載領域35に複数のチップ20を各々取り付けた構成を有している。本形態では、チップ20はシリコンからなるものとする。各チップ20は各々、アライメントされて支持基板30に接着剤(図3には図示せず)より接合されている。接着剤としては、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤、シリコン系接着剤、ゴム系接着剤などを用いることができ、本形態では、光硬化性接着剤が用いられている。
チップ20には、蒸着パターンに対応する長孔形状の開口部22が複数一定間隔で平行に設けられており、開口部22の形成領域の周りに外枠部25が形成されている。支持基板30には、長方形の貫通穴からなる複数の開口領域32が平行、かつ一定間隔で設けられており、複数のチップ20は、支持基板30の開口領域32を塞ぐように支持基板30上に固定されている。支持基板30には、アライメントマーク39を備えた基板28も接合されている。アライメントマーク39は、蒸着マスク10を使用して蒸着などを行うときに、蒸着マスク10の位置合わせを行うためのものである。なお、チップ20の外枠部25にアライメントマーク39を形成してもよい。
なお、蒸着マスク10は、被処理基板に対する被成膜領域と同一サイズを有している構成、および被成膜領域よりも小さなサイズを有している構成のいずれであってもよい。後者の場合には、蒸着マスク10を用いて被成膜領域の所定領域に成膜を行った後、蒸着マスク10をずらしながら複数回、成膜することにより、被成膜領域全体への成膜を行う。また、後者の場合、複数の蒸着マスク10を用いて、被成膜領域全体への成膜を行ってもよい。
本形態において、チップ20は、面方位(100)を有する単結晶シリコンや、面方位(110)を有する単結晶シリコン等をフォトリソグラフィ技術、ウエットエッチング、ドライエッチングなどを用いて、貫通溝からなる開口部22を形成することにより、製造される。また、複数のチップ20の各々において、外枠部25にはアライメントマーク24が少なくとも2ヶ所形成されている。これらのアライメントマーク24は、支持基板30にチップ20を固定する際の位置合わせに使用される。アライメントマーク24は、フォトリソグラフィ技術または結晶異方性エッチングなどにより形成される。
支持基板30の構成材料は、チップ20の構成材料の熱膨張係数と同一または近い熱膨張係数を有するものが好ましい。チップ20はシリコンであるので、シリコンの熱膨張係数と同一または近い熱膨張係数をもつ材料で支持基板30を構成する。このようにすることにより、支持基板30とチップ20との熱膨張量の違いによる「歪み」または「撓み」の発生を抑えることができる。本形態では、支持基板30としては、無アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、ソーダガラス、石英などからなる透明基板が用いられている。
支持基板30には、支持基板30にチップ20を貼り合わせる際、チップ20側のアライメントマーク24と位置合わせされるアライメントマーク34が開口領域32の周りに形成されている。また、支持基板30には、基板40側のアライメントマーク39と位置合わせされるアライメントマーク33も形成されている。アライメントマーク33、34は、クロム(Cr膜)などの金属膜(薄膜)で形成することができる。また、アライメントマーク33、34は、支持基板30に対して、レーザ照射や、ドライエッチングあるいはウエットエッングにより、凹部として形成することもできる。
[実施の形態1]
図4は、本発明の実施の形態1に係る蒸着マスク製造装置、および蒸着マスクの製造方法を示す説明図であり、図4には、ステージおよび支持基板が反っている状態や、接着剤の厚さ(チップと支持基板との距離)などを誇張して示してある。
図4は、本発明の実施の形態1に係る蒸着マスク製造装置、および蒸着マスクの製造方法を示す説明図であり、図4には、ステージおよび支持基板が反っている状態や、接着剤の厚さ(チップと支持基板との距離)などを誇張して示してある。
図4に示すように、本形態の蒸着マスク製造装置100は、支持基板30の複数のチップ搭載領域35に複数のチップ20を各々、接合させることにより蒸着マスク10を作製するための装置であり、支持基板30を載置するためのステージ50と、チップ20を保持する吸着ヘッド60とを有している。ステージ50は、その面内方向(z軸方向およびy軸方向)に移動可能であり、吸着ヘッド60は、z軸方向(ステージ50に対して垂直な方向)、およびθ軸(ステージ50に対する法線方向)周りに回転可能である。
このように構成した蒸着マスク製造装置100において、本形態では、吸着ヘッド60に対しては測距センサ65(高さ位置測定装置)が搭載されており、かかる測距センサ65は、吸着ヘッド60が所定の基準高さ位置にある状態で支持基板30のチップ搭載領域35との距離を測定し、複数のチップ搭載領域35の各高さ位置を計測する。かかる測距センサ65としては、キーエンス社製のLT−9000シリーズなどのレーザ変位計を用いることができる。
蒸着マスク製造装置100を用いて蒸着マスク10を作製する際は、まず、ステージ50上に支持基板30を載置した後、支持基板30上の所定位置に光硬化性の接着剤40を塗布する。
次に、吸着ヘッド60にチップ20を保持させた後、吸着ヘッド60を支持基板30のチップ搭載領域35の上方に移動させる。この状態で、測距センサ65は、所定の基準高さ位置にあるので、測距センサ65によってチップ搭載領域35との距離を測定すれば、チップ搭載領域35の高さ位置を計測することができる。次に、吸着ヘッド60は、チップ搭載領域35の高さ位置の測定結果に基づいて、チップ20を所定の高さ位置まで下降させ、この状態で、接着剤40に光照射してチップ20を仮固定する。
次に、吸着ヘッド60に次のチップ20を保持させた後、吸着ヘッド60を次のチップ搭載領域35の上方に移動させる。この状態で、測距センサ65は、新たなチップ搭載領域35の高さ位置を計測する。次に、吸着ヘッド60は、今回のチップ搭載領域35の高さ位置の測定結果に基づいて、チップ20を所定の高さ位置まで下降させ、この状態で、接着剤40に光照射してチップ20を仮固定する。
このような動作を繰り返すことにより、複数のチップ20を支持基板30上に仮固定した後、再度、接着剤40に光照射を行い、接着剤40を完全硬化させ、複数のチップ20を支持基板30上に固定する。
なお、接着剤40は、支持基板30の複数箇所に塗布した後、複数のチップ20を順次、実装してもよいし、1枚のチップ20を実装する度に接着剤40を支持基板30に塗布してもよい。また、接着剤40の粘度が高い場合には、チップ20を接着剤40の上に実装しただけでチップ20の沈み込みがないので、チップ20を1枚ずつ、仮固定する工程を省略して、複数のチップ20の各下方に位置する接着剤40を一括して硬化させてもよい。
以上説明したように、本形態では、吸着ヘッド60に搭載した測距センサ65によって、複数のチップ搭載領域35の各高さ位置を測定し、高さ位置の測定結果に基づいて、複数のチップ20を各々、チップ搭載領域35から所定の高さ位置に保持して支持基板30に接着する。このため、ステージ50表面の歪みに起因して支持基板30が反っている場合でも、複数のチップ20を同一面内に位置する状態で支持基板30に固定することができる。それ故、図2に示すように、蒸着マスク10のチップ20と被処理基板200とを重ねた際の密着性が高いので、成膜精度を向上することができる。また、ステージ50表面が平坦で支持基板30に歪みがある場合でも、複数のチップ20を同一面内に位置する状態で支持基板30に固定することができる。
[実施の形態2]
図5は、本発明の実施の形態2に係る蒸着マスク製造装置、および蒸着マスクの製造方法を示す説明図であり、図5には、接着剤の厚さ(チップと支持基板)との距離などを誇張して示してある。
図5は、本発明の実施の形態2に係る蒸着マスク製造装置、および蒸着マスクの製造方法を示す説明図であり、図5には、接着剤の厚さ(チップと支持基板)との距離などを誇張して示してある。
図5に示すように、本形態の蒸着マスク製造装置100も、実施の形態1と同様、支持基板30の複数のチップ搭載領域35に複数のチップ20を各々、接合させることにより蒸着マスク10を作製するための装置であり、支持基板30を載置するためのステージ50と、チップ20を保持する吸着ヘッド60とを有している。ステージ50は、その面内方向(z軸方向およびy軸方向)に移動可能であり、吸着ヘッド60は、z軸方向(ステージ50に対して垂直な方向)、およびθ軸(ステージ50に対する法線方向)周りに回転可能である。
このように構成した蒸着マスク製造装置100において、本形態では、吸着ヘッド60の吸着面には圧力センサ67が搭載されており、吸着ヘッド60は、圧力センサ67を介してチップ20を吸着する。
蒸着マスク製造装置100を用いて蒸着マスク10を作製する際は、まず、ステージ50上に支持基板30を載置した後、支持基板30上の所定位置に接着剤40を塗布する。
次に、吸着ヘッド60にチップ20を保持させた後、吸着ヘッド60を支持基板30のチップ搭載領域35の上方に移動させる。次に、吸着ヘッド60は、圧力センサ67の出力を監視しながら、チップ20を所定の高さ位置まで下降させ、圧力センサ67からの出力が所定の値になった時点で下降を停止し、チップ20の高さ位置を決定する。次に、接着剤40に光照射してチップ20を仮固定する。
次に、吸着ヘッド60に次のチップ20を保持させた後、吸着ヘッド60を支持基板30の次のチップ搭載領域35の上方に移動させる。次に、吸着ヘッド60は、圧力センサ67の出力を監視しながら、チップ20を所定の高さ位置まで下降させ、圧力センサ67からの出力が所定の値になった時点で下降を停止し、チップ20の高さ位置を決定する。次に、接着剤40に光照射してチップ20を仮固定する。
このような動作を繰り返すことにより、複数のチップ20を支持基板30上に仮固定した後、再度、接着剤40に光照射を行い、接着剤40を完全硬化させ、複数のチップ20を支持基板30上に固定する。
なお、接着剤40は、支持基板30の複数箇所に塗布した後、複数のチップ20を順次、実装してもよいし、1枚のチップ20を実装する度に接着剤40を支持基板30に塗布してもよい。また、接着剤40の粘度が高い場合には、チップ20を接着剤40の上に実装しただけでチップ20の沈み込みがないので、チップ20を1枚ずつ、仮固定する工程を省略して、複数のチップ20の各下方に位置する接着剤40を一括して硬化させてもよい。
以上説明したように、本形態では、吸着ヘッド60の吸着面に搭載した圧力センサ67によって、チップ20を接着剤40を介してチップ搭載領域35に押付ける際の圧力を測定し、この圧力の測定結果が同一となる高さ位置に複数のチップ20を配置して支持基板30に接着する。このため、支持基板30が平坦であれば、接着剤40の厚さを監視しなくても、チップ20と支持基板30との間に位置する接着剤40の厚さを同一とすることができるので、複数のチップ20を同一面内に位置する状態に支持基板30に固定することができる。それ故、図2に示すように、蒸着マスク10のチップ20と被処理基板200とを重ねた際の密着性が高いので、成膜精度を向上することができる。
(マスク蒸着方法)
上記方法により得た蒸着マスク10では、各チップ20が同一の面内に位置するので、図2に示すように、蒸着マスク10のチップ20と被処理基板200とを重ねた際、チップ20と被処理基板200との密着性が高いが、さらに、蒸着の際、図6を参照して説明する方法を採用すれば、チップ20と被処理基板200との密着性をさらに高めることができる。
上記方法により得た蒸着マスク10では、各チップ20が同一の面内に位置するので、図2に示すように、蒸着マスク10のチップ20と被処理基板200とを重ねた際、チップ20と被処理基板200との密着性が高いが、さらに、蒸着の際、図6を参照して説明する方法を採用すれば、チップ20と被処理基板200との密着性をさらに高めることができる。
図6は、本発明を適用したマスク蒸着方法を示す説明図である。図6に示すように、マスク蒸着を行う際には、被処理基板200の下面側(被成膜面側/蒸着源側)に蒸着マスク10を重ねた状態で蒸着を行う。その際、本形態では、矢印Pで示すように、複数の押圧ヘッド70により被処理基板200の複数箇所を各々、蒸着マスク10に向けて押圧する。本形態において、押圧ヘッド70は、被処理基板200のうち、チップ20と重なる領域を押圧する。
また、本形態では、複数の押圧ヘッド70の各押圧面に圧力センサ75が搭載されており、複数の押圧ヘッド70は各々、圧力センサ75を介して被処理基板200を蒸着マスク10に向けて押圧する。その際、圧力センサ75からの出力に基づいて、複数の押圧ヘッド70が各々、被処理基板200を押圧する圧力を監視し、その圧力の測定値が一定になるように複数の押圧ヘッド70の各高さ位置を調整する。
このため、被処理基板200は、複数のチップ20の各々に対して荷重がばらつくことなく押圧されるので、複数のチップ20はいずれも、被処理基板200と確実に密着する。それ故、本形態によれば、成膜精度を向上することができる。
1・・有機EL装置、2・・素子基板、3・・有機EL素子、7・・発光層、10・・蒸着マスク、20・・チップ、22・・開口部、30・・支持基板、35・・チップ搭載領域、40・・接着剤、50・・ステージ、60・・吸着ヘッド、65・・測距センサ(高さ位置測定装置)、67・・吸着ヘッドの圧力センサ、70・・押圧ヘッド、75・・押圧ヘッドの圧力センサ、100・・蒸着マスク製造装置、200・・被処理基板
Claims (6)
- 被処理基板上に成膜するパターンに対応する開口部が形成された複数のチップと、該複数のチップが一方面側の複数のチップ搭載領域の各々に固定された支持基板とを有する蒸着マスクの製造方法において、
前記支持基板に前記複数のチップを接着剤により固定するにあたっては、
前記複数のチップ搭載領域の各高さ位置を測定し、当該高さ位置の測定結果に基づいて、前記複数のチップを各々、前記チップ搭載領域から所定の高さ位置で前記支持基板に接着して前記複数のチップを同一面内に配置することを特徴とする蒸着マスクの製造方法。 - 前記複数のチップ搭載領域の各高さ位置を測定するにあたっては、前記チップを保持する吸着ヘッドに対して高さ位置測定装置を搭載しておくことを特徴とする請求項1に記載の蒸着マスクの製造方法。
- 被処理基板上に成膜するパターンに対応する開口部が形成された複数のチップと、該複数のチップが一方面側の複数のチップ搭載領域の各々に固定された支持基板とを有する蒸着マスクの製造方法において、
前記支持基板に前記複数のチップを接着剤により固定するにあたっては、
前記チップを前記接着剤を介して前記チップ搭載領域に押付ける際の圧力を測定し、当該圧力の測定結果が同一となる高さ位置で前記複数のチップを各々、前記支持基板に接着して前記複数のチップを同一面内に配置することを特徴とする蒸着マスクの製造方法。 - 前記チップを前記接着剤を介して前記チップ搭載領域に押付ける際の圧力を測定するにあたっては、当該圧力を測定するための圧力センサを介して前記チップを吸着ヘッドにより吸着することを特徴とする請求項3に記載の蒸着マスクの製造方法。
- 請求項1乃至4の何れか一項に規定する方法により製造されたことを特徴とする蒸着マスク。
- 請求項5に記載の蒸着マスクを被処理基板の成膜面に重ねた状態でマスク蒸着を行う際、複数の押圧ヘッドにより前記被処理基板の複数箇所を各々、前記蒸着マスクに向けて押圧するとともに、前記複数の押圧ヘッドが各々、前記被処理基板を押圧する圧力が一定になるように押圧時における前記複数の押圧ヘッドの各高さ位置を調整することを特徴とするマスク蒸着方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006297453A JP2008115411A (ja) | 2006-11-01 | 2006-11-01 | 蒸着マスクの製造方法、蒸着マスク、およびマスク蒸着方法 |
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Cited By (1)
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CN110385527A (zh) * | 2018-04-20 | 2019-10-29 | Tgo科技株式会社 | 框架一体型掩模的制造装置 |
-
2006
- 2006-11-01 JP JP2006297453A patent/JP2008115411A/ja not_active Withdrawn
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