JP2008115354A - ポリエステルの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
重合時に使用した触媒に起因する熱分解反応を抑制し、従来品に比べてポリマーの色調が良好で、かつ高温溶融時における経時色調変化が飛躍的に小さいポリエステル組成物およびポリエステルの製造方法を提供する。
【解決手段】
ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と、ジオールまたはそのエステル形成性誘導体を重縮合触媒の存在下で重縮合して得られるポリエステル組成物を製造する方法において、重縮合触媒の添加後に重合反応器内の減圧を開始してからポリエステルの重縮合が実質的に完了する前に3価のリン化合物を1回以上添加する。
【選択図】なし

Description

本発明は色調、熱安定性に優れたポリエステルの製造方法に関するものである。更に詳しくは、重合時に使用した触媒に起因する熱分解反応を抑制し、従来品に比べてポリマーの色調が良好で、かつ高温溶融時における経時色調変化量が飛躍的に小さいポリエステルの製造方法に関するものである。
ポリエステルはその機能性の有用さから多目的に用いられており、例えば、衣料用、資材用、医療用に用いられている。その中でも、汎用性、実用性の点でポリエチレンテレフタレートが優れ、好適に使用されている。
一般にポリエチレンテレフタレートは、テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体とエチレングリコールから製造されるが、高分子量のポリマーを製造する商業的なプロセスでは、重縮合触媒としてアンチモン化合物、ゲルマニウム触媒、チタン触媒などが広く用いられている。これら重縮合触媒は、もちろんポリエチレンテレフタレートの重縮合反応を促進するが、熱分解反応や酸化分解反応などの副反応も促進する。特にチタン触媒を用いる場合では、触媒活性が高いために副反応も大きく促進するため、ポリマーが黄色く着色するといった問題が生じる。ポリマーが黄色味を帯びるということは、例えばポリエステルを繊維として用いる場合、特に衣料用繊維では商品価値を損なうので、好ましくない。
かかる問題に対して、重縮合触媒とともにリン化合物を添加することでポリマーの色調や耐熱性を向上させる検討が広くなされている。この方法は、リン化合物により重縮合触媒の活性を抑制して、ポリマーの色調や耐熱性を向上させるというものである。例えば、特許文献1には、チタン化合物を触媒として用いるポリエステルの製造方法において、リン化合物としてリン酸や亜リン酸を添加する方法、また特許文献2、3には、リン化合物としてホスフィン酸系化合物、ホスフィンオキサイド系化合物、亜ホスホン酸系化合物、亜ホスフィン酸系化合物、ホスフィン系化合物を添加する方法について明示されている。しかしながら、これらの方法を用いると、確かに副反応の抑制に一定の効果が見られるものの、一定量以上のリン化合物を加えると重縮合触媒の重合活性が抑えられ過ぎて、目標の重合度まで到達しなかったり、重合反応時間が遅延するので結果としてポリマーの色調が悪化するといった問題が発生した。
それに対して、特許文献4では、チタン化合物とリン化合物のモル比(Ti/P)をある一定の範囲としている。この方法によれば、確かにチタン化合物の触媒の失活は防げるものの、ある一定レベル以上の色調や耐熱性のポリエステルを得ることはできない。
この問題を解決すべく、リン化合物を重縮合反応終了後に添加する方法が提案されている。特許文献5では、溶融状態で重縮合反応を行う重合機から排出される溶融状態のポリエチレンテレフタレートと、リン化合物が溶融状態もしくは溶融状態で混合機に導入した後、撹拌混合して添加剤含有ポリエチレンテレフタレートとする方法が開示されている。確かにこの方法を採用するとリン化合物による重縮合触媒の失活は防げるが、重縮合反応が終了した後にポリエステルとリン化合物を混合するため、重縮合反応終了直後におこる副反応は抑制できず、また混合工程におけるポリマーの劣化は避けられない。
また、特許文献6には、重縮合が終了した後の溶融状態のポリエステルに減圧条件下でリン化合物を添加しているが、この方法においても重縮合が終了したときの副反応は抑制できず、また添加するリン化合物の種類によってはリン化合物が飛散してしまい、ポリエステルに添加されないといった問題がある。
そこで、本発明では上記課題を解決のため鋭意検討した結果、触媒の添加後に重合反応器の減圧を開始してからポリエステルが実質的に完了する前に3価のリン化合物を添加することを特徴とするポリエステルにより本発明の目的を達成できるという知見を得た。
特開平6−100680号公報(特許請求の範囲) 特開2004−217855号公報(特許請求の範囲) 特開2004−292657号公報(特許請求の範囲) 特開2000−256452号公報(特許請求の範囲) 特開2004−359907号公報(特許請求の範囲) 特開昭48−79896号公報(特許請求の範囲)
本発明の目的は上記従来の問題の解消、すなわち重合時に使用した触媒に起因する熱分解反応を抑制し、従来品に比べてポリマーの色調が良好で、かつ高温溶融時における経時色調変化量が飛躍的に小さいポリエステルの製造方法を提供することである。
本発明の課題は、ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と、ジオールまたはそのエステル形成性誘導体を重縮合触媒の存在下で重縮合して得られるポリエステル組成物を製造する方法において、重縮合触媒の添加後に重合反応器内の減圧を開始してからポリエステルの重縮合が実質的に完了する前に3価のリン化合物を添加することを特徴とするポリエステルの製造方法により達成できる。
従来の製造方法で得られたポリエステルに比べてポリマーの色調が良好で、かつ高温溶融時における経時色調変化量が飛躍的に小さくすることができる。このポリエステルは、繊維用、フィルム用、ボトル用等の成形体への製造工程における、色調の低下等の問題を解消できる。
本発明のポリエステル組成物は、ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体及びジオールまたはそのエステル形成性誘導体とをエステル化またはエステル交換反応させた後、重縮合させ合成されるものである。このような方法により得られるポリエステルとして具体的には、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレ−ト、ポリエチレン−1,2−ビス(2−クロロフェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボキシレート等が挙げられる。なかでも最も汎用的に用いられているポリエチレンテレフタレートまたは主としてエチレンテレフタレート単位を含むポリエステル共重合体が好適である。
本発明のポリエステル組成物は、重縮合触媒を添加した後、反応器内を減圧にして重縮合反応を開始させてからポリエステルが実質的に完了する前に、リン化合物を添加することが必須である。このような方法でリン化合物を添加すると、重縮合触媒の失活を極めて効果的に抑制することができ、色調、かつ高温溶融時における経時色調変化量が飛躍的に小さいポリエステル組成物を得ることができる。ポリエステルの着色や耐熱性の悪化は、飽和ポリエステル樹脂ハンドブック(日刊工業新聞社、初版、P.178〜198)に明示されているように、ポリエステルの副反応によって起こる。このポリエステルの副反応は、金属触媒によってカルボニル酸素が活性化し、β水素が引き抜かれることにより、ビニル末端基成分およびアルデヒド成分が発生する。このビニル末端基によりポリエンが形成されることによってポリマーが黄色に着色し、また、アルデヒド成分が発生するために、主鎖エステル結合が切断されるため、耐熱性が劣ったポリマーとなる。
特にチタン化合物を重合触媒として用いると、熱による副反応の活性化が強いために、ビニル末端基成分やアルデヒド成分が多く発生し、黄色に着色した耐熱性が劣ったポリマーとなる。リン化合物は、重縮合触媒と適度に相互作用することにより、重縮合触媒の活性を調節する役割を果たす。
しかし従来の、リン化合物を重縮合反応を開始する前に添加を行う方法では、重縮合触媒の副反応の活性とともに重縮合活性をも低下させることは避けられなかった。ところが、本発明によると、重縮合触媒の重合活性を十分に保持したままに、副反応活性のみを極めて小さく抑えることができる。
また、本発明者らは上記ポリエステルの着色メカニズムを詳細に検討したところ、ポリエステルのβ水素の引き抜きと、ビニル末端基成分およびアルデヒド成分の発生する反応はポリエステルの重縮合反応が実質的に完了した直後に多量に起こり、その後はビニル末端基成分がポリエンに形成される反応が進行し、リン化合物の添加によっても抑制しがたいことを見出した。
そのため、リン化合物をポリエステルの重縮合反応が実質的に終了した後ではなく、実質的に重縮合反応が終了する前に添加することにより、重縮合完了直後に起こるβ水素の引き抜きとビニル末端基成分およびアルデヒド成分の生成を特異的に抑制出来ることを見出したものである。これは、従来のリン化合物やリン化合物の添加方法では達成し得なかったものである。
通常ポリエステルは、ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体とジオールまたはそのエステル形成性誘導体に、重縮合触媒の添加をおこなった後、反応器内を減圧にして、重縮合反応を進行させることにより製造される。ポリエステルは、用途・目的によって様々な重合度が求められるため、所望の重合度に達した時点で、反応機内に不活性ガスを流入させて、反応機内を常圧または加圧にして重縮合反応を停止し、反応器外に吐出する。本発明では、この反応器内を減圧にして重縮合反応を開始させてからポリエステルの重合が実質的に完了する前に、3価のリン化合物を添加することが必須である。
本発明においては、ポリエステルの重合が実質的に完了する前にリン化合物を添加するが、重合が実質的に完了する時点とは、回分式重縮合プロセスにおいては重縮合反応装置において、に不活性ガスを流入させて系内を常圧に戻す操作を行う時点のほか、系内を真空のまま保った場合でも排気系のバルブを閉止したりする操作おこなうこと、連続重縮合プロセスにおいては、重合反応器からポリエステルを排出する時点など、その後、ポリエステルの存在する雰囲気の圧力を、さらに低下させない状態になる時点を言う。
本発明においてはリン化合物の添加が重縮合反応が完了する時点の2分前以上、好ましくは5分前以上、さらに好ましくは7分前以上であると、より副反応を抑制できるために好ましい。リン化合物の添加が重縮合反応が完了する時点の0.5分前以降であると、リン化合物の分散時間などからポリエステルの重合が実質的に完了した後に添加するのと同じとなり、好ましくない。なお、リン化合物を添加する最初の時期は、重合反応器内の減圧開始時点であるが、ポリエステルの固有粘度が目的とする固有粘度の75%以上の時期に添加すると、重縮合触媒の失活が極めて少ないまま副反応を抑制できるために好ましい。好ましくは、75%以上、98%以下の間である。リン化合物を添加する時期におけるポリエステルの固有粘度は、直接サンプリングを行い後述する方法で粘度測定を行っても良いが、反応器の攪拌翼にかかるトルク負荷から算出しても良い。
本発明のリン化合物は、数回に分割して添加してもよく、フィーダーなどで継続的に添加を行っても良いが、回分式重縮合の場合においては、リン化合物を添加する場合、リン化合物を単独で添加してもよく、エチレングリコール等のジオール成分に溶解させた状態または分散させて添加してもよい。ただし、エチレングリコール等のジオール成分を多量に持ち込んで添加を行うと、ポリエステルの解重合(ポリエステル主鎖の切断反応)が進行してしまうため、リン化合物を単独で添加するのが好ましい。
本発明のリン化合物は、重合系に溶解又は溶融可能であり、本発明で得られる重合体と実質的に同一成分の重合体から成るカプセルに充填して添加することが好ましい。上記のようなカプセルにリン化合物を入れて添加を行うと、減圧条件下での重合反応器に添加を行うことで、リン化合物が飛散して、減圧ラインにリン化合物が流出するのを防止することができるとともに、リン化合物をポリマー中に所望量添加することができる。本発明でいうカプセルとは、リン化合物がまとめられるものであればよく、例えば、ふたや栓を有する射出成形容器、あるいはシートやフィルムをシールあるいは縫製などで袋状にしたものなどが含まれる。上記のカプセルは、孔などの空気抜きを作ることがさらに好ましい。空気抜きを作ったカプセルにリン化合物を入れて添加すると、真空条件下で重合反応器に添加しても、空気膨張によりカプセルが破裂してリン化合物が減圧ラインに流出したり、重合反応器の上部や壁面に付着することがなく、ポリマー中にリン化合物を所望量添加することができる。このカプセルの厚さは、厚すぎると溶解、溶融時間が長くかかるため厚さは薄いほうがよいが、リン化合物の封入・添加作業の際に破裂しない程度の厚さを確保する。そのためには10〜500μmの厚さで均一で偏肉のないものが好ましい。
本発明のポリエステル製造方法は、回分的に重合する方法または連続的に重合する方法のいずれでも良いが、連続的に製造する方法が、品質とくに色調が安定するので、好ましい。
連続的に重合する方法においては、最終重縮合反応機中にリン化合物を添加することが好ましく、リン化合物を添加後の最終重縮合反応機中のポリエステル組成物の平均滞留時間が30分以下であると得られるポリマーの色調が黄味傾向にならず、または5分以上であると得られるポリマーの色調が黄味にならないので、さらに好ましい。
また、本発明のポリエステル製造方法を連続的に行うに際してのリン化合物の添加方法は、連続的または断続的のいずれでも良い。
断続的に添加する方法としては、カプセルに入れたリン化合物を一定時間毎に添加する方法、錠剤に成型したリン化合物を一定時間毎に添加する方法など、製品のポリエステル組成物中のリン量の濃度が、実質的にバラツキがなければ、任意の方法を採用しうる。断続的に添加する方法は、図1のように、簡単な装置で実現できるので好ましい。連続的に添加する方法としては、連続的に粉体を供給する方法、エチレングリコールなどの媒体とともに懸濁状体で添加する方法等、任意の方法を採用しうるが、粉体のまま添加する方法が、最終重合機の真空度負荷が少ない観点から望ましい。
本発明において添加するリン化合物は、3価のリン化合物であることが必須である。3価のリン化合物とは、ホスファイト系化合物、ホスホナイト系化合物、ホスフィナイト系化合物、ホスフィン系化合物およびそれらのアルキルエステルまたはアリールエステルのことを指す。これら3価のリン化合物は、副反応により発生する過酸化物(R−O−OH:副反応をさらに促進する)をアルコール(R−OH)に変換し、自らは5価のリン化合物に変わることでポリエステルの副反応を特に抑制する。
本発明において重縮合触媒の添加後に重合反応器内の減圧を開始してからポリエステルの重縮合が実質的に完了する前までの間に添加するリン化合物は、融点が100〜400℃の範囲であることが好ましい。融点が100℃以下であると、減圧条件下でリン化合物を添加する際にリン化合物が飛散してしまい、ポリエステル中に所望量のリン化合物が添加されない。また、融点が400℃以上であると、リン化合物がポリエステル中に均一に分散されなかったり、均一に分散されるまでに時間がかかってしまう。115℃〜350℃の範囲が好ましく、175℃〜300℃の範囲がさらに好ましい。
本発明において添加するリン化合物の具体的な化合物としては、下記式1で表されるビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト(融点:234〜240℃)や、式2で表されるトリス[2−{(2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンズ[d,f][1,3,2]−ジオキサホスフェピン−6−イル)オキシ}エチル]アミン(融点:190〜210℃)、式3で表される6−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンズ[d,f][1,3,2]−ジオキサホスフェピン(融点:115℃〜125℃)、式4で表されるテトラキス(2,4−ジ−t−ブチル−5−メチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジイルビスホスホナイト(融点:234〜240℃)が好ましい。これらの化合物はそれぞれ、式1はアデカスタブPEP−36(株式会社ADEKA製)、式2はIRGAFOS12(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ製)、式3はSumilizerGP(住友化学株式会社製)、式4は(大崎工業化学株式会社製GSY−P101)として入手可能である。これらの化合物は単独で用いてもまたは併用してもよい。
Figure 2008115354
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Figure 2008115354
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本発明の製造方法により得られるポリエステルは、反応器内を減圧にして重縮合反応を開始させてから重縮合反応が実質的に終了するまでの間に添加するリン化合物が、得られるポリエステルに対してリン原子換算で1〜1000ppmとなるように添加することが、ポリエステルの色調や、繊維、フィルム、ボトル等への成形体の製造工程における着色を少なくするため好ましい。上記範囲より添加量が少ないと所望の目的効果を発揮するに至らず、上記範囲より添加量が多いと重縮合触媒が失活し重合遅延が発生したり、目標の重合度まで反応が進行しないといった問題が起こる。リン添加量は、10〜500ppmが好ましく、さらに好ましくは20〜150ppmである。
本発明のポリエステルは、重縮合触媒として、チタン化合物、アンチモン化合物、ゲルマニウム化合物、アルミニウム化合物などが用いられる。これらの重縮合触媒は単独、あるいは併用して、あるいはこれらにさらに、ナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、コバルト、マンガン等の化合物を併用しても良い。これらの重縮合触媒は、得られるポリエステルに対して金属原子換算で1〜1000ppm添加することが好ましい。中でもチタン化合物を重縮合触媒として用いると、異物の発生が抑制されるため好ましい。
なお、本発明の重縮合触媒とは、一般にジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体及びジオールまたはそのエステル形成性誘導体からポリエステルを合成する反応において、(1)ジカルボン酸成分とジオール成分との反応であるエステル化反応、(2)ジカルボン酸のエステル形成性誘導体成分とジオール成分との反応であるエステル交換反応、(3)実質的にエステル反応またはエステル交換反応が終了し、得られたポリエチレンテレフタレート低重合体を脱ジオール反応にて高重合度化せしめる重縮合反応の反応、の少なくとも(3)の反応促進に寄与する効果を持っているものを指す。従って、繊維の艶消し剤等に一般的に用いられている酸化チタン粒子は上記の反応に対して実質的に触媒作用を有しておらず、本発明の重縮合触媒として用いることができるチタン化合物とは異なる。
重縮合触媒がチタン化合物の場合は、得られるポリエステルに対して、チタン原子換算で1〜30ppmとなるように添加することが好ましい。3〜15ppmであるとポリマーの熱安定性や色調がより良好となり好ましく、更に好ましくは5〜10ppmである。
上記重合用触媒として用いるチタン化合物は、多価カルボン酸および/またはヒドロキシカルボン酸および/または含窒素カルボン酸がキレート剤とするチタン錯体であると、ポリマーの熱安定性及び色調の観点から好ましい。チタン化合物のキレート剤としては、多価カルボン酸として、フタル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ヘミリット酸、ピロメリット酸等が挙げられ、ヒドロキシカルボン酸として、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等が挙げられ、含窒素カルボン酸として、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三プロピオン酸、カルボキシイミノ二酢酸、カルボキシメチルイミノ二プロピオン酸、ジエチレントリアミノ五酢酸、トリエチレンテトラミノ六酢酸、イミノ二酢酸、イミノ二プロピオン酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二プロピオン酸、メトキシエチルイミノ二酢酸等が挙げられる。これらのチタン化合物は単独で用いても併用して用いてもよい。
上記重縮合触媒のほかに、触媒活性を調整する目的で、少量のリン化合物を触媒とともに添加しても良い。ここで添加するリン化合物は、特に制限は無く、ホスファイト系化合物、ホスホナイト系化合物、ホスフィナイト系化合物、ホスフィン系化合物、ホスフェイト系化合物、ホスホネート系化合物、ホスフィネート系化合物、ホスフィンオキサイド系の中から選ばれる。中でも3価のリン化合物を添加することが色調、耐熱性の観点から好ましい。3価のリン化合物とは、ホスファイト系化合物、ホスホナイト系化合物、ホスフィナイト系化合物、ホスフィン系化合物のことを指す。ここで添加するリン化合物は、反応器内を減圧にして重縮合反応を開始させてからポリエステルが目標とする重合度に到達するまでの間に添加するリン化合物とは異なり、多量に添加すると重縮合触媒を失活させて重合遅延を引き起こしたり、目標の重合度まで重縮合反応が進行しないといった問題が発生することがあるため、得られるポリエステルに対してリン原子換算で50ppm以下となるように添加することが好ましい。
本発明のポリエステル組成物は、固有粘度が0.66dlg−1のポリエステル組成物を150℃で12時間減圧乾燥させた後、窒素雰囲気下290℃で30分間溶融させた前後の色調b値の変化幅(以下Δb値290というが0〜3.5の範囲であることが好ましい。この値が小さいほど、熱劣化による分解・着色が少なく熱安定性に優れている。この値が3.5を超える場合には、繊維用、フィルム用、ボトル用等の成形体への製造工程において色調が悪化するといった問題が発生する。好ましくは2.5以下、特に好ましくは1.5以下である。
本発明のポリエステルは、チップ形状での色調がハンター値でそれぞれL値が60〜95、a値が−6〜2、b値が−5〜5の範囲にあることが、繊維やフィルムなどの成型品の色調の点から好ましい。さらに好ましいのは、L値が70〜90、a値が−5〜1、b値が−3〜3の範囲である。
本発明のポリエステルは、溶融押出成形等によってフィラメント状に成形した後、延伸、或いは紡糸等を施すことにより繊維として有用なものとなる。
また本発明のポリエステルは、酸化チタン、カーボンブラック等の顔料のほか従来公知の抗酸化剤、着色防止剤、耐光剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤等が添加されても勿論良い。
以下に本発明のポリエステルの製造方法を説明する。具体例としてポリエチレンテレフタレートの例を記載するがこれに限定されるものではない。
ポリエチレンテレフタレートは通常、次のいずれかのプロセスで製造される。
すなわち、(A)テレフタル酸とエチレングリコールを原料とし、直接エステル化反応によって低重合体を得、さらにその後の重縮合反応によって高分子量ポリマーを得るプロセス、(B)ジメチルテレフタレートとエチレングリコールを原料とし、エステル交換反応によって低重合体を得、さらにその後の重縮合反応によって高分子量ポリマーを得るプロセスである。ここでエステル化反応は無触媒でも反応は進行するが、前述のチタン化合物を触媒として添加してもよい。また、エステル交換反応においては、マグネシウム、マンガン、カルシウム、コバルト、亜鉛、リチウム等の化合物や前述のチタン化合物を触媒として用いて進行させ、またエステル交換反応が実質的に完結した後に、反応に用いた触媒を不活性化する目的で、リン化合物を添加してもよい。なお、この時点で添加するリン化合物は、本発明において添加するリン化合物とは全く異なるものである。
本発明のポリエステルは、(A)または(B)の一連の反応の任意の段階、好ましくは(A)または(B)の一連の反応の前半で得られた低重合体に、重縮合触媒として前述のチタン化合物やアンチモン化合物、ゲルマニウム化合物を添加した後、反応器内を減圧にして重縮合反応を開始して得られる。この時、反応器内を減圧にしてから、ポリエステルが実質的に完了する前に3価のリン化合物をすくなくとも1回添加して、目的のポリエチレンテレフタレートを得るものである。この反応は回分式、半回分式あるいは連続式等の形式に適応し得る。
以下実施例により本発明をさらに詳細に説明する。なお、実施例中の物性値は以下の方法で測定した。
(1)ポリマーの固有粘度IV
オルソクロロフェノールを溶媒として25℃で測定した。
(2)ポリマーの色調
色差計(スガ試験機社製、SMカラーコンピュータ型式SM−T45)を用いて、ハンター値(L、a、b値)として測定した。
(3)Δb値290
固有粘度が0.66dl/gのポリエステルを、150℃で12時間減圧乾燥させた後、窒素雰囲気下290℃で30分間加熱溶融させた後、(2)の方法にて色調を測定し、加熱溶融前後の差をΔb値290として測定した。
(4)口金の堆積物の観察
溶融紡糸開始から72時間後の口金孔周辺の堆積物量を、長焦点顕微鏡を用いて観察した。堆積物がほとんど認められない状態を○、堆積物は認められるものの操業可能な状態を△、堆積物が認められ頻繁に糸切れが発生する状態を×として判定した。
実施例1
予めビス(ヒドロキシエチル)テレフタレート約100kgが仕込まれ、温度250℃、圧力1.2×10Paに保持されたエステル化反応槽に高純度テレフタル酸(三井化学社製)82.5kgとエチレングリコール(日本触媒社製)35.4kgのスラリーを4時間かけて順次供給し、供給終了後もさらに1時間かけてエステル化反応を行い、得られたエステル化反応生成物101.5kgを重縮合槽に移送した。
エステル化反応生成物に、チタン原子換算で10ppm相当のクエン酸キレートチタン化合物を添加し、さらに5分後に、酸化チタン粒子のエチレングリコールスラリーを、ポリマーに対して酸化チタン粒子換算で0.3重量%添加した。さらに5分後に、反応系を減圧にして反応を開始した。反応器内を、250℃から290℃まで徐々に昇温するとともに、圧力を40Paまで下げた。最終温度、最終圧力到達までの時間はともに60分とした。反応物の固有粘度が目標とするポリエステル組成物の固有粘度の85%となった時点(攪拌機のトルクにより算出)で、反応缶上部よりポリマーに対して1000ppm(リン原子換算で100ppm)相当のビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト(株式会社ADEKA製、アデカスタブPEP−36、融点236℃、予め、ポリエチレンテレフタレートを射出成形により厚さ0.2mm、内容積500cmの容器およびその蓋に成形し、蓋に空気抜きを設けた容器(容器とふたを合わせた重量は30g)に詰めたもの)を添加した。その後反応を継続し、所定の攪拌トルクに到達したら反応系を窒素パージして常圧に戻して重縮合反応を停止させ、ストランド状に吐出して冷却後、直ちにカッティングしてポリマーのペレットを得た。なお、減圧開始から所定の撹拌トルク到達までの時間は2時間45分であった。
得られたポリマーは、色調、高温溶融時における耐経時色調変化に優れたポリエステルであった。
また、このポリエステルを150℃12時間真空乾燥した後、紡糸機に供しメルターにて溶融した後、紡糸パック部から吐出し、1000m/分の速度で引取った。溶融紡糸工程においては、紡糸時の口金孔周辺の堆積物はほとんど認められなかった。
実施例2
実施例1と同様に、但し、クエン酸キレートチタン化合物を添加する5分前にエステル化反応生成物に、ポリマーに対してビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト(株式会社ADEKA製、アデカスタブPEP−36)を100ppm(リン原子換算で10ppm)添加した他は、実施例1と同様にポリエステルを重合、溶融紡糸した。得られたポリマーは色調、高温融解時における耐経時色調変化に優れたポリエステルであった。
実施例3〜4
反応を開始した後にリン化合物を添加する時期を変更した以外は実施例2と同様にポリエステルを重合、溶融紡糸した。実施例3,4では、得られたポリマーのΔb値290は僅かに大きかったが、色調が優れていた。いずれのポリマーも品質は問題ない範囲であり、また全ての水準において、紡糸時の口金孔周辺の堆積物はほとんど認められなかった。
実施例5〜10
反応を開始した後に添加するリン化合物の添加量を変更した以外は実施例2と同様にポリエステルを重合、溶融紡糸した。実施例5、6では、わずかにΔb値290が大きかったが品質にはまったく問題のない程度であった。また、実施例7は若干Δb値が大きかったが問題ないレベルであった。実施例8では、わずかに重合時間が遅延し、b値が高かったが、Δb値290は小さく優れていた。実施例9は、Δb値290が若干大きかったが使用可能なレベルであった。実施例10はb値は優れていたが、Δb値290が若干大きかったが使用可能なレベルであった。また全ての水準において、紡糸時の口金孔周辺の堆積物はほとんど認められなかった。
実施例11〜14
反応を開始した後に添加するリン化合物の添加種を、トリス[2−{(2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンズ[d,f][1,3,2]−ジオキサホスフェピン−6−イル)オキシ}エチル]アミン(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ株式会社製、IRGAFOS12、融点200℃、実施例11)、6−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンズ[d,f][1,3,2]−ジオキサホスフェピン(住友化学株式会社製、SumilizerGP、融点120℃、実施例12)、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジイルビスホスフォナイト](クラリアント株式会社社製、サンドスタブP−EPQ、融点85℃、実施例13)、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチル−5−メチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジイルビスホスホナイト(大崎工業化学株式会社製GSY−P101、実施例14)に変更した以外は実施例2と同様にポリエステルを重合、溶融紡糸した。実施例11、14とも色調、Δb値290とも極めて良好であった。また実施例12、13では、わずかに色調が黄色味を帯びていたが、品質にはまったく問題のない程度であった。また全ての水準において、紡糸時の口金孔周辺の堆積物はほとんど認められなかった。
実施例15〜17
重縮合触媒の添加量、添加種を変更した以外は実施例2と同様にポリエステルを重合、溶融紡糸した。実施例15では、わずかに重合時間が遅延したが、得られたポリマーは色調に優れていた。実施例16、17では、わずかに色調が黄色味を帯びていたが、品質にはまったく問題のない程度であった。
実施例18〜21
重縮合触媒の添加種を変更した以外は実施例2と同様にポリエステルを重合、溶融紡糸したが、わずかに紡糸時の口金孔周辺の堆積物が見られ、濾圧上昇が発生したが問題ないレベルであった。チタンのエチレングリコール4付加物を用いた実施例19は若干ポリマーが黄味を帯びていたが、問題ないレベルであった。また、実施例20では三酸化アンチモンを重縮合触媒として用いた。色調は問題ないレベルであったが、紡糸時の口金孔周辺の堆積物が若干見られたが、問題ないレベルであった。実施例21では、アルミニウム化合物を用いた。若干ポリマーが黄味を帯びていたが、問題ないレベルであった。
実施例22
フローチャート(1)、(2)に示したポリエステルの連続重合装置を用いて、テレフタル酸4993Kg/hr、エチレングリコール2145Kg/hr、を混合したスラリーを平均反応時間4.8hr、反応温度258℃、反応圧力123kPaに制御されたエステル化槽1に連続的に供給し、エステル化反応によって副生する水と同伴して蒸発するエチレングリコールは精留塔によって還流させ、エステル化反応率90.6%のポリエステル低重合体とし、次いでこのポリエステル低重合体を平均滞留時間0.70hr、反応温度262℃、反応圧力101kPaに制御されたエステル化槽2へ移液、ポリマーに対してビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト(株式会社ADEKA製、アデカスタブPEP−36)を70ppm(リン原子換算で7ppm)および重合触媒としてチタン原子換算で10ppm相当のクエン酸キレートチタン化合物を添加し、さらに酸化チタン粒子のエチレングリコールスラリーを、ポリマーに対して酸化チタン粒子換算で0.3重量%添加し、ポリエステル低重合体を製造した。
次いでポリエステル低重合体を送液ポンプによってポリエステル低重合体のフィルターを経由して、重合槽1(平均滞留時間0.94時間、反応温度275℃、反応圧力11.9kPa)、重合槽2(平均滞留時間0.95時間、反応温度285℃、反応圧力2.27kPa)の順で高温・真空下で複製するエチレングリコールを除去しながら重縮合反応させた後、最終重縮合反応機(平均反応時間2.5時間、反応温度287℃、反応圧力0.199kPa)へ移し、重縮合反応を行いポリエステル組成物を得る。
この際、最終重縮合反応機中の平均滞留時間が2.33時間になるところ(最終重縮合反応機の平均滞留時間から比例計算で求めた)で、ポリマーのサンプリングを行ったところ、目標の固有粘度の97%であった、
この最終重縮合反応機中の平均滞留時間が2.33時間のところで、ポリマーに対して、平均リン添加量がリン濃度が100ppmになるように、1000ppm相当の3価のリン化合物:ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト(株式会社ADKA製、アデカスタブPEP−36、融点236℃、予め、ポリエチレンテレフタレートを射出成形により厚さ0.2mm、内容積500cmの容器およびその蓋に成形し、蓋に空気抜きを設けた容器(容器とふたを合わせた重量は30g)に詰めたもの)を0.5分ごとに最終重縮合反応機の上部から添加した。
上記3価のリン化合物の添加は、添加装置の上下のバルブを交互に開閉しておこない、また最終重縮合反応機の真空度に影響がないよう、均圧のためのバルブで内部の圧力を調整した。
得られたポリマーは、平均色調、高温溶融時における耐経時色調変化に優れたポリエステルであった。
また、このポリエステルを150℃12時間真空乾燥した後、紡糸機に供しメルターにて溶融した後、紡糸パック部から吐出し、1000m/分の速度で引取った。溶融紡糸工程においては、紡糸時の口金孔周辺の堆積物はほとんど認められなかった。
Figure 2008115354
Figure 2008115354
Figure 2008115354
比較例1
反応を開始した後にリン化合物の添加を行わなかった以外は実施例1と同様にポリエステルを重合、溶融紡糸した。得られたポリマーは色調に劣っており、また、Δb値290=3.6と高温溶融時における耐経時色調変化に劣っていた。
比較例2
実施例2において反応を開始した後に添加したリン化合物を、反応を開始する前に添加することに変更した以外は実施例2と同様にポリエステルを重合を行った。その結果、所定の攪拌トルクまで到達しなかった。
比較例3〜4
リン化合物の添加を重合が実質的に完了してから(所定の目標トルクに到達してから)行った以外は実施例2と同様にポリエステルを重合、溶融紡糸した。比較例3は、リン化合物を添加後、0.25分後に吐出を行った。比較例4では、所定の撹拌トルクにまで到達した後、溜出管のバルブを閉じ系内を機械的に減圧にはしないが、減圧下状態のまま(この際、jわずかに真空度が上昇することが認められた)、リン化合物の添加を行い5分攪拌混合を行った後、吐出を行った。比較例3では、得られたポリマーはΔb値290も劣っていた。また、ポリマー中にリンの凝集物と見られる異物が発生し、溶融紡糸時には口金孔周辺の堆積物が見られ、濾圧上昇および糸切れが頻繁に発生した。また、比較例4では、得られたポリマーは色調に劣っており、Δb値290も劣っていた。
比較例5〜7
反応を開始した後に添加するリン化合物の添加種を、5価のリン化合物である、リン酸(和光純薬社製、融点42℃、比較例5)、リン酸トリフェニル(和光純薬社製、融点50℃、比較例6)、フェニルホスホン酸(日本化学工業社製、融点160℃、比較例7)に変更した以外は実施例1と同様にポリエステルを重合、溶融紡糸した。比較例5〜7では、得られたポリマーは色調に劣っており、また、高温溶融時における耐経時色調変化に劣っていた。
比較例8〜9
反応を開始した後に添加するリン化合物を、ポリエステル組成物の固有粘度が目的とする固有粘度の75%未満の時期に添加した。得られたポリマーは色調に劣っていた。
比較例10
実施例20と同様に、ただし、最終重縮合反応機で3価のリン化合物を添加しない他は同様に行った。反応を開始した後にリン化合物の添加を行わなかった以外は実施例1と同様にポリエステルを重合、溶融紡糸した。得られたポリマーは色調に劣っており、また、Δb値290=3.6と高温溶融時における耐経時色調変化に劣っていた。
Figure 2008115354

Claims (13)

  1. ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と、ジオールまたはそのエステル形成性誘導体を重縮合触媒の存在下で重縮合して得られるポリエステル組成物を製造する方法において、重縮合触媒の添加後に重合反応器内の減圧を開始してからポリエステルの重縮合が実質的に完了する前に、ポリエステル組成物が目標とする固有粘度の75%以上の時期に3価のリン化合物を添加することを特徴とするポリエステルの製造方法。
  2. 3価のリン化合物の添加量が、ポリエステルに対してリン原子換算で1〜1000ppmであることを特徴とする請求項1記載のポリエステルの製造方法。
  3. 3価のリン化合物の融点が100℃〜400℃であることを特徴とする請求項1または2記載のポリエステルの製造方法。
  4. 3価のリン化合物が、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリス[2−{(2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンズ[d,f][1,3,2]−ジオキサホスフェピン−6−イル)オキシ}エチル]アミン、6−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンズ[d,f][1,3,2]−ジオキサホスフェピン、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチル−5−メチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジイルビスホスホナイトから選らばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1または2記載のポリエステルの製造方法。
  5. 重縮合触媒としてチタン化合物を用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のポリエステルの製造方法。
  6. 3価のリン化合物をポリエステルを主体とするカプセルに入れて添加することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載のポリエステルの製造方法。
  7. ポリエステルを製造する方法が連続的であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載のポリエステルの製造方法。
  8. 最終重縮合反応機中にリン化合物を添加することを特徴とする請求項7記載のポリエステルの製造方法。
  9. リン化合物を添加後の最終重縮合反応機中のポリエステル組成物の滞留時間が、30分以内であることを特徴とする請求項7または8記載のポリエステルの製造方法。
  10. リン化合物を添加後の最終重縮合反応機中のポリエステル組成物の滞留時間が、5分以上であることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項記載のポリエステルの製造方法。
  11. 断続的にリン化合物を添加することを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項記載のポリエステルの製造方法。
  12. 150℃で12時間減圧乾燥させた後、窒素雰囲気下290℃で30分間溶融させた前後の色調b値の変化幅が0〜3.5であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項記載の方法により製造されたポリエステル。
  13. 請求項12のポリエステルからなる繊維またはフィルム。
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