JP2008114330A - ビットジョイントの接続構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電動工具のプラスドライバービットの先端部に着脱自在に取り付けることができるビットジョイント10の取付構造である。筒状本体部11とその根元部外周に外嵌された操作筒体20とからなる。筒状本体部11の根元部には横断面6角形状の筒孔が設けられ、その先端部にはドリルビットが装着できる。操作筒体20は筒状本体部11の根元部外周でその長手方向に移動でき、その内周面には環状凹部26が形成されている。筒状本体部11には上記筒孔に少なくとも1つの貫通孔14が形成され、その内部にストッパー用球体が配置され、その半径方向に出没して、ビットの挿入、固定が可能である。操作筒体20内面の環状凹部26の根元部側壁面26wが傾斜面或は階段状に構成されている。
【選択図】図1
Description
このビット接続具は、インパクトドライバーや電動ドリルドライバー等の電動工具等に装着された横断面6角形状のプラスドライバービットの先端部に着脱自在に取付け出来るものであり、その内部に配備されたストッパー用球体を2個以上設け、その2個以上のストッパー用球体の位置関係を特定の位置関係とすることにより、上記プラスドライバービットがビット接続具の筒孔内でロックしてしまわないように工夫したものである。
図7では、プラスドライバービット50の先端部が球体63に衝突した状態で、ビット接続具60の操作筒体65が根元部側Rに移動し、操作筒体65の内面に形成されている環状凹部66内に球体63が移動して、球体63によるプラスドライバービット50の侵入阻止が解除され、ビット50は、更に筒孔62内に侵入する。
貫通孔64内から内側方向に球体63が突出した状態で、プラスドライバービット50の挿入が阻止され、貫通孔64と環状凹部66の位置が合致すると、球体63は貫通孔64から外側に突出してプラスドライバービット50の侵入が可能となる。そしてプラスドライバービット50に設けられた環状凹所53と貫通孔64との位置が合致すると、球体63は、貫通孔64から内側に突出して操作筒体65が元の位置に復帰し、ビットジョイント60がプラスドライバービット50の先端部に装着されるのである。
従って、プラスドライバービット50の先端部が球体63に当接して、この状態で操作筒体65が根元部側に移動することとなり、球体63は、プラスドライバービット50の頭部と操作筒体65の内面とに挟まれたままの状態で先端部側に横滑りし、その後環状凹部66内に移行する。
つまり、この滑らかさの不足は、ビット頭部と操作筒体の内面とによって球体が挟持されたままの状態で先端部方向に横滑りさせられる際の摩擦抵抗力が原因となっている。
そして、更に大きな問題点としては、上記のようにビット頭部と操作筒体内面とによる球体の挟持において、球体が1個の場合にしばしば球体が両者間に挟まってロック状態を生じるということがあった。
というのも、この間隔距離が短いと、インパクトドライバー等に装着されたプラスドライバービットにこのビットジョイントが接続されていた場合、その衝撃振動で操作筒体が長手方向に振動し、例えば、ビットジョイントにドリルを装着して下穴開け作業を行い、その引き抜き動作の作業中、プラスドライバービットからビットジョイントが抜けてしまうという問題が生じるからである。通常ではこの間隔距離は約2乃至3mm程度確保されているのである。
それ故、仮にこの間隔距離をより短くできれば、ビットジョイントのプラスドライバービットへの装着がより滑らかになるということになるのである。
即ち、その装着に際して、最初のビット先端の球体への衝突と挟持、及びその後の球体の横滑りによる摩擦抵抗をなくして、より完璧で極めてスムースな装着を実現することをその課題としている。
また、ストッパー用球体が1個の場合に、従来しばしば生じていたビットジョイントの接続時のロック状態を回避することも本発明の課題である。
更に、より具体的には、上記した通り、ストッパー用球体が操作筒体の内面に接している接点と操作筒体の環状凹部の根元部側壁面の開始部位との間隔距離をより短くできれば、その摩擦抵抗を減少させ、滑らかな装着を実現できることから、この間隔距離を短くすること、或は全く無くすることも本発明の課題となる。
本発明の第3のものは、上記第1又は第2の発明において、操作筒体の環状凹部の根元部側壁面の開始部位が、筒状本体部が操作筒体の根元部側に位置したときのストッパー用球体の操作筒体内面との接点と略同一位置、又は、根元部側若しくは先端部側の近傍に位置したことを特徴とするビットジョイントの接続構造である。
更に、本発明においては、環状凹部の根元部側壁面を傾斜面或は階段状に形成したことにより、この根元部側壁面の開始位置が、球体の配置されている接点位置により近付くこととなり、その結果、ビット頭部と操作筒体内面によって球体が挟持され、球体が横滑りする距離と時間をより短くすることができることから装着時の抵抗が低減されると共に、ストッパー用球体が1個の場合でも、従来存在していた装着時のロック現象をほぼ完全に回避することができることとなるのである。
また、傾斜角度が小さいことから、環状凹部の根元部側壁面の開始部位と環状凹部の底面部までの長手方向の距離を一定の長さ分確保することができるため、例えば、本発明に係るビットジョイントの先端部にドリルビットを接続して、下穴開け作業後ドリルを引く抜く作業中でもビットジョイントが抜けてしまうという問題も回避できる。
特に、この第3の発明において、環状凹部の根元部側壁面の開始部位を、球体の操作筒体との接点と同一位置、又は、それよりも根元部側に配置させたときには、球体をプラスドライバービットの頭部と操作筒体内面とで挟持して操作筒体内周面を摺動させる距離はゼロとなり、その摩擦抵抗をほぼゼロにすることができるのである。
図1は、本発明のビットジョイントに係る実施形態の概略説明図であり、その(A)が一部切欠説明図、その(B)がプラスドライバービットとの接続可能状態の一部切欠説明図である。
図1(A)中、50がプラスドライバービットを示し、その横断面は6角形状を有し、両端部に十文字突条を有するプラスドライバー頭部52、52が形成され、これらの内側部分に環状凹所53、53(横断面円形)が形成されたものである。このビット50は、その一方端部を電動工具に装着し、その他方端部に本発明に係るビットジョイント10が装着される。
操作筒体20と筒状本体部11との間には、弾撥部材としてのコイルバネ28が配備され、これにより操作筒体20は、筒状本体部11の根元部外側でその長手方向に摺動可能で、筒状本体部11は常に根元部側Rに付勢されている。
筒状本体部11の根元部側Rには、上記プラスドライバービット50の先端部を挿入できる横断面6角形状の筒孔が形成されており、その先端部側Tには、ドリルビット70が小ネジ71、71により固定されている。
筒孔の適宜位置には、半径方向に少なくとも1個の貫通孔14が形成されており、この貫通孔14内に、図示は省略しているが、ストッパー用の球体が配備されている。
操作筒体20の内周面の適宜位置には、環状凹部26が形成されており、筒状本体部11の貫通孔14がその環状凹部26の位置に合致すると、ストッパー用球体が貫通孔14から半径方向外側に移行し、環状凹部26内に突出することができる。
電動工具に装着されたプラスドライバービット50の先端部に本発明に係るビットジョイント10の根元部の筒孔を嵌合させる。
すると、プラスドライバービット50の頭部52が、ビットジョイント10の筒状本体部11の筒孔から内側に突出している球体(図示省略)に衝突して、その侵入が阻止される。これは球体の外側面が操作筒体20の内周壁面に当接しているためである。
操作筒体20が根元部側Rに移行すると、操作筒体20内面に設けられた環状凹部26が筒状本体部11の貫通孔14の位置に合致する。これにより、球体が前記環状凹部26内に移行することにより、球体によるプラスドライバービット50の侵入阻止が解除されて、ビット50は筒孔内に更に侵入することが出来る。
上記の動作は、図6乃至図8において説明した従来のビットジョイントの装着手順と同じである。しかしながら、上記実施形態においては、操作筒体20の内面に形成された環状凹部26の根元部側壁面26wが傾斜面にて形成されている点で相違している。
即ち、上記実施形態では、この環状凹部の根元部側の構成に特徴が存しているのである。
以下の図により、その構成について更に詳細に説明する。
この図から見て取れるように、本実施形態においては、操作筒体20の環状凹部26の形状に特徴がある。
即ち、中心側に開口を有する横断面コ字形状の環状凹部26の根元部側壁面26wが、操作筒体20の長手方向と直交する面に対して傾斜する傾斜面から形成されている。
そして、その根元部側壁面26wが環状凹部26の底面部26bに接続する部位が最も大きい内径を有し、この部位から根元部側Rに向かって徐々にその内径が小さくなるように形成されたものである。
そして、この傾斜面の開始部位(始点)26sは、筒状本体部が操作筒体の一番根元側に位置しているとき、即ち、内部のコイルバネが伸張した状態で、ストッパー用球体23が操作筒体20の内面に接している接点部位の近傍が最も相応しいのである。
更には、上記のビット頭部と操作筒体内面との挟持が一定距離又は一定時間維持されることによって、従来重大な問題が生じていたことを回避できるからである。
このような問題を解決するための一つの提案として、前記特許文献1に開示した発明が創案されたのである。
本発明においては、この問題を解決するために、球体の配置されている位置(接点)のすぐ近傍(根元側でも先端側でもよい)に環状凹部の根元部側壁面の開始位置を設けることにより、別の局面からこの問題を解決できるようにしたのである。
尚、本発明においては、この環状凹部の傾斜面からなる根元部側壁面の開始位置を、この球体の操作筒体内面の接点位置と同一位置又はそれよりも根元部側に位置させるのが最もスムースな装着を実現することが出来るものである。というのも、球体をビット頭部と操作筒体内面で挟持して、横滑りさせる距離をゼロとし、摩擦抵抗をほぼゼロとすることが可能だからである。
この実施形態においては、操作筒体30の環状凹部36の根元部側壁面36wが階段状に形成されている。この実施形態では、その段部は、根元部側壁面36wの開始点の段部を含めて3段に形成されている。段部は、勿論3段でなくとも実施可能であり、2段でもよいし、4段以上であってもよい。
そして、その根元部側壁面36wの始点36sは、筒状本体部が操作筒体30の一番根元側に位置しているとき、即ち、内部のコイルバネが伸張した状態で、ストッパー用球体33が操作筒体30の内面に接している接点部位の先端側近傍に位置させている。
この理由は、上記傾斜面にて構成した上記実施形態の場合と同様である。
図4(A)においては、プラスドライバービットの頭部52がビットジョイント20の筒孔内に侵入すると、球体23に衝突することにより、そのビット頭部52の侵入が阻止される。その侵入が阻止されると今度は操作筒体20がコイルバネの付勢力に抗して、根元部側Rに移行する。すると、頭部52の傾斜面と環状凹部26の根元部側壁面26wの傾斜面に挟まれた球体23は、両傾斜面の動きに伴って回転する。つまり、球体23は、ころがり運動を行うのである。
これにより、プラスドライバービットは、極めて滑らかにビットジョイントの筒孔内に侵入して、装着されることとなるのである。
プラスドライバービットの頭部52が、ビットジョイント30の筒孔内に侵入し、球体33に衝突すると、その侵入が阻止される。侵入が阻止されると、今度は操作筒体30がコイルバネの付勢力に抗して、根元部側Rに移行する。操作筒体30の内面とプラスドライバービットの頭部52とで挟持された球体33は、ここでは斜面とは異なり、ころがることなく(段部ではころがる)、段面ではそのまま滑る状態で、先端部方向に移動を行うのである。つまり、球体33は、段面36wにある時少しの距離だけ横方向にそのままの状態で、押し出されるように移行する。
従って、上記実施形態の傾斜面からなる環状凹部に比較すると、その装着時の滑らかさはやや落ちるものとなる。つまり、装着の滑らかさは、上記実施形態に係る傾斜面を利用した方がよりよいものと言える。
しかしながら、実際の装着においては、その装着時の感触においては、殆ど相違は感じられず、何れの実施形態においても極めて良好な装着感触を得ることができた。
このビットジョイント45は、その根元部側Rには、上記図2で示した実施形態に係る操作筒体20とほぼ同様の操作筒体40を有し、その他の構成も上記実施形態と同様に構成しているものである。またその先端部側Tには、上記実施形態のようなドリルビットが装着されるものではなく、その先端部に横断面6角形状の軸部を有する他のドライバービットやドリルビットを着脱自在に接続できる構造のものを採用している。
換言すると、この根元部側壁面46wは、その壁面46wの根元部側の始点から斜めに緩やかな傾斜面をなし、その傾斜面が環状凹部46の底面部と接続する部分が垂直面に形成され、段部が形成されているのである。
この構成を採用することにより、傾斜面の操作筒体の軸芯線に対する角度をより緩やかなものとすることができるのである。
勿論、先端部側Tをも本発明の取付構造のような環状凹部と同一の構成として実施することも出来るが、コスト高を考慮すれば、根元部側の構成のみ本発明の接続構造を採用すれば十分である。
本発明においては、操作筒体の環状凹部の根元部側壁面を傾斜面に又は階段状に形成した点が特徴であるが、その傾斜面は、上記した通り、操作筒体の軸芯線に対して緩やかな傾斜角度をもって形成されており、その傾斜角度も一定でなくともよく、根元部側で小さく、先端部側で大きくすることも可能である。
更には、その傾斜面は、完全な平面である必要もなく、外部に又は内部に湾曲する湾曲面に形成することも自由である。
環状凹部の根元部側壁面の開始部位は、上記いずれの場合であっても、筒状本体部が操作筒体の根元部側に位置した際の球体の操作筒体内面との接点と同一位置、又は、その根元部側若しくは先端側の近傍が相応しいものである。
本発明に係るビットジョイントの外形形状及びサイズは、適宜必要に応じて設定することができる。
操作筒体の外周面には、図示した通り、環状の突条を形成して、使用上指が滑らないように形成している。
但し、本発明においては、操作筒体に設けた環状凹部の構成により、ビット先端部のロックの問題は解消されているために、上記のような位置関係にしなくとも問題はない。
以上、本発明においては、そのビットジョイントの特殊な接続構造により、極めてスムースで、滑らかなプラスドライバービットへの装着を実現し得たものである。
11 筒状本体部
14 貫通孔
20、30、40 操作筒体
23、33 球体
26、36、46 環状凹部
26w、36w、46w 根元部側壁面
26s、36s 開始部位(始点)
26b、36b 底面部
28 コイルバネ
29 Oリング
Claims (3)
- インパクトドライバーや電動ドリルドライバー等の電動工具又は手動工具に装着された横断面6角形状のプラスドライバービット(50)の先端部に着脱自在に取り付けることができるビットジョイントであって、
このビットジョイントは、筒状本体部(11)とその根元部外周に外嵌された操作筒体(20, 30)とからなり、
筒状本体部(11)の根元部には前記プラスドライバービット(50)を挿入できる横断面6角形状の筒孔が設けられ、その先端部にはドリルビットやドライバービット等の所望のビットを装着することができ、
筒状本体部(11)と操作筒体(20, 30)との間にはコイルバネ(28)等の弾撥部材が配備され、筒状本体部(11)を操作筒体(20, 30)の根元部側に常に付勢することができ、
操作筒体(20, 30)は、前記筒状本体部(11)の根元部外周でその長手方向に移動でき、その内周面には環状凹部(26, 36)が形成され、
筒状本体部(11)にはその半径方向で上記筒孔に通じる少なくとも1つの貫通孔(14)が形成され、
この貫通孔(14)内にはストッパー用球体(23, 33)が配備され、その半径方向に出没することができ、
筒状本体部(11)の根元部の筒孔に前記プラスドライバービット(50)の先端部を挿入させると共に、操作筒体(20, 30)を根元部側に移動させることによって、筒状本体部(11)の貫通孔(14)内に配備された球体(23, 33)が操作筒体(20, 30)内面の環状凹部(26, 36)内に移動することにより、前記プラスドライバービット(50)の侵入阻止が解除されて、当該ビット(50)を筒孔内に挿入させることができ、
挿入後は操作筒体(20, 30)が元の位置に復帰することにより球体(23, 33)が貫通孔(14)内で筒孔中心側に移動して筒孔壁面から突出することにより、前記プラスドライバービット(50)に設けられている環状凹所(53)に適合して、当該ビット(50)に固定されるビットジョイントの接続構造において、
操作筒体(20, 30)の前記環状凹部(26, 36)の根元部側壁面(26w, 36w)の全部又は一部が傾斜面にて形成され、当該傾斜面の内径が根元部側に向かって徐々に小さくなるように形成され、
又は、操作筒体(20, 30)の前記環状凹部(26, 36)の根元部側壁面(26w, 36w)が階段状に1又は2以上の段部を持って形成され、それぞれの段面の内径が根元部側に向かって順次小さくなるように形成されたことを特徴とするビットジョイントの接続構造。 - 操作筒体(20, 30)の環状凹部(26, 36)の根元部側壁面(26w, 36w)の傾斜面の傾斜角度が、操作筒体(20, 30)の軸芯線に対して略5度乃至略35度の範囲内となるように形成されたことを特徴とする請求項1に記載のビットジョイントの接続構造。
- 操作筒体(20, 30)の環状凹部(26, 36)の根元部側壁面(26w, 36w)の開始部位(26s, 36s)が、筒状本体部(11)が操作筒体(20, 30)の根元部側に位置したときのストッパー用球体(23, 33)の操作筒体(20, 30)内面との接点と略同一位置、又は、根元部側若しくは先端部側の近傍に位置したことを特徴とする請求項1又は2に記載のビットジョイントの接続構造。
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