JP2008112652A - 非水電解液電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】フッ化炭素を正極とした非水電解質電池において、低温大電流放電を行った際の放電初期の電圧降下が大きいという課題を有していた。
【解決手段】リチウムイオンを放出可能な材料を用いる正、負極を備え、前記正極はフッ化炭素材料(A)と、繊維状炭素材料をフッ化処理した材料(B)と導電剤、および結着剤を含み、かつ前記繊維状炭素をフッ化処理した材料(B)はその一部が、前記フッ化炭素材料(A)の表面に接触した状態で存在する非水電解質電池。
【選択図】図1

Description

本発明は非水電解液電池用正極および非水電解液電池に関するもので、特にフッ化炭素を正極活物質に用いた非水電解液電池に関するものである。
非水電解液電池の代表例であるリチウム一次電池は、エネルギー密度が高く、保存性、耐漏液特性などの信頼性に優れ、また、小形化、軽量化が可能なことから、各種電子機器の主電源やメモリバックアップ用電源として、その需要は年々増加している。
近年、この電池の使用量が増加している用途としては、自動車への搭載用途があげられる。中でも、最近、タイヤ内部の圧力と温度を測定するセンサーの電源としての用途が注目されている。このような用途では、使用温度範囲は下限が−40℃から上限は100℃以上となり、電池には非常に過酷な環境温度条件での信頼性が求められている。
リチウム一次電池の代表的な電池系には、二酸化マンガンを正極活物質に用いたCR系、あるいは、フッ化炭素を正極活物質に用いたBR系に大別できる。一般的にCR系は低温での負荷特性は優れているが、耐高温信頼性が低く、60℃以上の高温になると電池内の微量水分の存在下で二酸化マンガンの触媒作用により電解液が分解してガスを発生するため、電池の膨れによる電池内部の緊迫性の低下等による内部抵抗の上昇が起こる場合がある。
他方、BR系では、フッ化炭素のフッ素と炭素の結合が安定な状態であるために、100℃以上の高温下においても、フッ化炭素と電解液等との副反応の反応性も低いため、高温保存後においても、電池の特性劣化は小さく、耐高温信頼性に優れている(例えば、特許文献1)という特徴がある。
そのため、前記の用途等で、100℃以上での高い信頼性が求められる場合では、基本的にBR系が優位にあると言える。しかし、フッ化炭素は電解液などとの副反応が起こりにくいと同時に、電気電導度が極めて小さい材料のために、電気化学的な反応性も低いという欠点がある。これは、低温環境下で一層、反応性が低い状態となる。この低温での反応性の低さ、言い替えると出力特性の低さは、メモリのバックアップのような微弱電流では、電圧の低下が小さいため、比較的課題ではないが、上記のような信号電波を発信するような主電源用途機器において、しかも−40℃といった低温環境では、電圧の落ち込みが大きくなり、場合によっては、機器を動作できないという課題があった。
このようなBR系の出力特性が低いという課題に対し、(特許文献2)のように、正極活物質として、カ−ボンナノチュ−ブをフッ化処理したフッ化炭素を用いる提案や、上記材料を正極のフッ化炭素全量の1重量%以上含む出願がなされている。
特開平8−31429号公報 特開2005−285440号公報
上記の先行例は、カ−ボンナノチュ−ブの形状を活かして、高出力時にリチウムイオンの拡散が良好な状態となることによって、出力特性を改良しようとするものであり、−20℃程度の高出力用途には一定の効果がある。しかしながら、上記のように近年、市場拡大しつつある自動車用途などへの応用のためには、特に、低温での一層の高出力性能の改良が要求されている。このように、従来の用途よりも一層、作動温度条件の厳しい自動車への搭載で必要な−40℃といった極低温での高出力化には、従来の技術では充分ではないことが分かった。
すなわち、従来技術のように、フッ化炭素やフッ化カ−ボンナノチュ−ブの電極内での存在状態に鑑みることなく、これらを単に混合した状態では、−40℃での高出力化は必ずしも充分ではないことがわかった。
BR系の出力特性が低い原因は、前記のようにフッ化炭素の反応性や電気伝導性が低いために、その正極電極体内における活物質と導電剤との分散性や均一性に関係することが大きい。これは、フッ化炭素の放電反応が、フッ化炭素と導電剤と電解液の3者の接点あるいはその近傍で行われると考えられ、フッ化炭素と導電剤との混合が不均一や分散が充分でない状況では、放電反応の場である上記の接点が減少するためである。
上記の課題に対して、通常のフッ化炭素粒子と(フッ化)カ−ボンナノチュ−ブと導電剤と結着剤の存在状態について詳細に検討した結果、これらが高分散な状態で配置されていることが重要であることがわかった。
本発明においては、正極はフッ化炭素材料(A)と、繊維状炭素材料をフッ化処理した材料(B)と導電剤、および結着剤を含み、かつ前記繊維状炭素をフッ化処理した材料(B)はその一部が、前記フッ化炭素材料(A)の表面に接触した状態で存在することを特徴とするものである。
本発明によると、繊維状炭素をフッ化処理した材料がフッ化炭素材料の表面の少なくとも一部に存在し、且つ、導電剤と結着剤を含む複合粒子を正極に用いることにより、効果的に均一分散した状態となるため、正極活物質へのリチウムイオン供給サイトが増えることとなり正極の濃度過電圧を低減することが可能となり、低温での出力特性の優れた非水電解液電池を得ることができる。
本発明の非水電解質電池は、正極がフッ化炭素材料(A)と、繊維状炭素材料をフッ化処理した材料(B)と導電剤、および結着剤を含み、かつ前記繊維状炭素をフッ化処理した材料(B)はその一部が、前記フッ化炭素材料(A)の表面に接触した状態で存在することを特徴とし、これによってこの正極を用いた非水電解液電池においては、正極活物質へのリチウムイオン供給サイトが増えることとなり正極の濃度過電圧を低減することが可能となり、低温での出力特性の優れた非水電解液電池を得ることができる。
また、前記導電剤が繊維状、粒子状のいずれかであることが好ましく、さらには、前記フッ化炭素材料(A)の平均粒径(D50)が0.5〜30μmであることが好ましい。平均粒径が0.5μmより小さい場合には、必要以上に小粒径なため、フッ化炭素材料中のフッ化度が相対的に高く、その結果、粒子表面から比較的深い領域まで、フッ化されている。このため、放電の進行に伴う炭素化反応が迅速には行われず、その結果、容量が小さく、出力特性にが劣ると考えられる。一方、平均粒径が30μmより大きい場合には、過度に大きな粒径のため、導電剤や結着剤との混合状態が不均一になりやすく、導電剤との接点の少ないフッ化炭素表面が多い状態となり、容量が小さく、低温パルス時の最低電圧が低いと考えられる。
また、前記繊維状炭素をフッ化処理した材料(B)および繊維状導電剤の少なくとも一方の長さが0.1〜500μmであることが適している。長さが0.1μmより小さい場合には、非常に長さの短い繊維状炭素のフッ化物あるいは繊維状導電剤であって、粒子間の集電ネットワ−クを高める効果が不充分であると考えられる。一方、長さが500μmより大きい場合には、過度に長いために下粒子間あるいは結着剤などとの混合や分散が均一に制御することが難しい。このため、充分に均質分散した合剤とはならず、フッ化炭素が孤立した部分などが発生し、その結果、容量が小さく、低温パルス時の最低電圧が低いと考えられる。
また、前記の繊維状炭素がカ−ボンナノチュ−ブ、カ−ボンナノファイバ−、気相成長炭素繊維から選ばれる1種であると、フッ化炭素材料の表面の少なくとも一部を効率的に覆い、これの放電反応に進行に伴い、少量で導電性を維持するとともに表面に生成する皮膜を低減するために好ましい。しかも、活物質と導電剤の両方の役割を果たすために、導電剤の減量を図ることもができる。
本発明に用いる正極活物質のフッ化物としてはフッ化炭素やフッ化炭素層間化合物などが考えられるが、長期信頼性、安全性、高温安定性などの点から一般式(CFxn(0<x≦1)で表されるフッ化炭素(換言すれば、(CF)n、(C2F)nで示される単独物もしくは混在物および未反応炭素を含有するものを含む)が好ましい。フッ化炭素の出発原料としては、サーマルブラック、アセチレンブラック、ファーネスブラック、気相成長炭素繊維、熱分解炭素、天然黒鉛、人造黒鉛、メソフェーズマイクロビーズ、石油コークス、石炭コークス、石油系炭素繊維、石炭系炭素繊維、木炭、活性炭、ガラス状炭素、レーヨン系炭素繊維、PAN系炭素繊維、カーボンナノチューブ、フラーレンなどを用いることができるが、本発明はこれらを特に限定するものではない。
本発明に用いられる正極用導電剤は、電子伝導性材料であれば何でもよい。例えば、天然黒鉛(鱗片状黒鉛など)、人造黒鉛、膨張黒鉛などのグラファイト類、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック等のカ−ボンブラック類、炭素繊維、金属繊維などの導電性繊維類、銅、ニッケル等の金属粉末類およびポリフェニレン誘導体などの有機導電性材料などを単独又はこれらの混合物として含ませることができる。
また、前記の導電剤は粒子状あるいは繊維状のいずれかであることが好ましい。また、前記カ−ボンナノチュ−ブをフッ化処理した材料あるいは繊維状導電剤の長さが0.01〜500μmであることが好ましい。長さが0.01μm未満の場合には、導電剤としてのサイズが小さすぎるため、活物質粒子間の接触が充分でなく、また、直径が500μmより大きい場合には、過度に大きい導電剤のために活物質粒子との混合や分散が不充分な状態になりやすく、良好な出力特性を得ることが難しい。
また、前記の繊維状炭素がカ−ボンナノチュ−ブ、カ−ボンナノファイバ−、気相成長炭素繊維から選ばれる1種であると、フッ化炭素材料の表面の少なくとも一部を効率的に覆い、これの放電反応に進行に伴い、少量で導電性を維持するとともに表面に生成する皮膜を低減するため好ましい。しかも、活物質と導電剤の両方の役割を果たすために、導電剤の減量を図ることもができる。
また、前記の繊維状導電剤がカ−ボンナノチュ−ブ、カ−ボンナノファイバ−、気相成長炭素繊維から選ばれる1種であると活物質表面や活物質粒子間の接触が良好な状態となりやすいために好ましい。
本発明に用いられる正極用結着剤としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれであってもよい。本発明において好ましい結着剤は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンブタジエンゴム、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE樹脂)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、フッ化ビニリデン−ペンタフルオロプロピレン共重合体、プロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体または前記材料の(Na+)イオン架橋体、エチレン−メタクリル酸共重合体または前記材料の(Na+)イオン架橋体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体または前記材料の(Na+)イオン架橋体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体または前記材料の(Na+)イオン架橋体を挙げる事ができ、これらの材料を単独又は混合物として用いることができるが、本発明はこれらを限定するものではない。また、添加量は特に限定されない。
正極材料の混合法については、公知の方法を用いることが出来るが、特にメカノケミカル処理を行う場合は、フッ化物母粒子(A)と金属酸化物(B)に圧縮力と剪断力を同時に加える処理を言う。メカノケミカル処理を行う装置は、複合化を行う材料の表面に介在する複合物前駆体に圧縮力と剪断力とを同時に掛けることができる装置であればよく、構造、種類は特に限定されない。例えば、加圧ニーダー、二本ロールなどの混練機、回転ボールミル、ハイブリダイゼーションシステム((株)奈良機械製作所製)、メカノマイクロス((株)奈良機械製作所製)、メカノフュージョンシステム(ホソカワミクロン(株)製)などを使用することができる。
正極合剤の作製方法は特に限定されないが、例えば同装置内で混合から造粒までできるスプレードライ法や、転動造粒機、ハイスピードミキサーなどを使用しても良い。また、正極活物質間にまたがって接触した繊維状の導電剤の存在を確認する為にはSEM写真により確認することが好ましい。合剤を混合後に粉砕の工程を含むと、混合時に少なくとも2つの負極活物質間にまたがって接触した繊維状の第二の導電剤が、粉砕によってバラバラになる可能性があるため好ましくない。
本発明に用いられる非水電解液については、γ−ブチロラクトン(γ−BL)、プロピレンカーボネイト(PC)、エチレンカーボネイト(EC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)、1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,2−ジエトキシエタン(DEE)、1,3−ジオキソラン、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジプロピルカーボネート(DPC)、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、アセトニトリル、プロピルニトリル、ニトロメタン、エチルモノグライム、リン酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導体、スルホラン、メチルスルホラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、プロピレンカーボネート誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、エチルエーテル、1,3−プロパンサルトン、アニソール、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドンなどのリチウム一次電池、リチウムイオン二次電池で用いられている溶媒を単独または複数の混合溶媒として用いることができる。特に、γ−ブチロラクトン(γ−BL)が幅広い温度範囲で安定であり、溶質を溶かしやすいため好ましいが、低温でのイオン伝導度を改良する為に低沸点溶媒であるDMEなどを混合して用いても良い。
溶質についても、6フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、テトラフルオロ硼酸リチウム(LiBF4)、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)、リチウム・ビスペンタフロロエチルスルホン酸イミド(LiN(SO2252)、過塩素酸リチウム(LiClO4)、LiAlCl4、LiSbF6、LiSCN、LiCl、LiCF3CO2、LiAsF6、低級脂肪族カルボン酸リチウム、LiCl、LiBr、LiI、クロロボランリチウム、四フェニルホウ酸リチウムなどの各種リチウム化合物を単独または組み合わせて用いることができる。特に主溶媒としてγ−BLを用いた場合にはLiBF4を組み合わせた電解液が好ましい。
また、電解液の他に次の様な固体電解質も用いることができる。固体電解質としては、無機固体電解質と有機固体電解質に分けられる。無機固体電解質には、Liの窒化物、ハロゲン化物、酸素酸塩などがよく知られている。なかでも、Li4SiO4、Li4SiO4−LiI−LiOH、xLi3PO4−(1−x)Li4SiO4、Li2SiS3、Li3PO4−Li2S−SiS2、硫化リン化合物などが有効である。有機固体電解質では、例えば、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポリフッ化ビニリデン、ポリホスファゼン、ポリエチレンスルフィド、ポリヘキサフルオロプロピレンなどやこれらの誘導体、混合物、複合体などのポリマー材料が有効である。
セパレータについては、リチウム電池の使用範囲に耐えうる組成であれば特に限定されないがポリプロピレン製不織布やポリフェニレンスルフィド製不織布、ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂の微多孔フィルムを、単一あるいは複合して用いるのが一般的でありまた好ましい。
電池の形状はコイン型、ボタン型、シート型、積層型、円筒型、偏平型、角型、電気自動車等に用いる大型のものなどいずれにも適用できる。
以下、本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。本発明の実施の形態をコイン型非水電解質電池を例として、図面を参照しながら説明する。ここで、本発明について実施例及び比較例に基づいて詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
(実施の形態)
図1は評価に用いたコイン型非水電解質電池の断面図を示す。1はステンレス鋼製正極ケース、2はステンレス鋼製負極ケースであり、3の樹脂製絶縁パッキングを介して発電要素を密封口してなる。正極4とリチウム負極5はセパレータ6を介して対向配置されている。電解液はγBLを溶媒とし、溶質のテトラフルオロ硼酸リチウム(LiBF4)を1モル/lの濃度で溶解させたものを用いている。
正極活物質として石油コークスをフッ素化した平均粒径15μmのフッ化炭素(A)を用い、平均長さが50μmのカ−ボンナノチュ−ブをフッ化処理した材料(B)と導電剤のアセチレンブラックと結着剤のSBRとエチルアルコ−ルをを固形分比100:10:15:6:10の比率となるように秤量した混合物30gを水500gに懸濁させた。この懸濁液をスプレ−ドライ装置(藤崎電機製。マイクロミストドライヤ。型番MD−050)を用いて、液流量20g/min、乾燥温度150℃で処理した。
上記の処理を施した本発明の正極材料では、電子顕微鏡による観察の結果、フッ化炭素材料(A)の表面には、必ずカ−ボンナノチュ−ブをフッ化処理した材料(B)の一部が接触して存在していることを確認した。ついで、150℃で乾燥したものを所定の成型金型を用いて油圧プレス機にて圧縮成型し正極板を作製した。
厚み200μmの金属リチウムフープを所定の金型で打ち抜いて負極板を作製した。次に、打ち抜いたリチウム負極を、絶縁パッキングを装着した負極ケースに圧着した。セパレータはポリプロピレン製不織布を金型で打ち抜いて作製した。負極リチウムを圧着した負極ケースにセパレータと正極板を載せ、LiBF4/γBL電解液を注液した後、正極ケースを取り付けたものをカシメ封口を行い、直径23mm、高さ20mmで容量110mAhの電池を作製した。この電池を10セル作製し、実施例1とした。
正極中のカ−ボンナノチュ−ブの代わりにカ−ボンナノファイバ−(長さ50μm)を用いたこと以外は実施例1と同様に作製した電池を実施例2とした。
正極中のカ−ボンナノチュ−ブの代わりに気相成長炭素繊維(長さ50μm)を用いたこと以外は実施例1と同様に作製した電池を実施例3とした。
実施例1の導電剤ABの代わりにカ−ボンナノチュ−ブ(長さ50μm)を用いたこと以外は実施例1と同様に作製した電池を実施例4とした。
実施例1の導電剤アセチレンブラックの代わりにカ−ボンナノファイバ−(長さ50μm)を用いたこと以外は実施例1と同様に作製した電池を実施例5とした。
実施例1の導電剤アセチレンブラックの代わりに気相成長炭素繊維(長さ50μm)用いたこと以外は実施例1と同様に作製した電池を実施例6とした。
実施例1〜実施例6におけるスプレ−ドライ装置を用いた代わりに乳鉢で混合したこと以外は実施例1〜実施例6と同様に作製した電池をそれぞれ比較例1〜比較例6とした。比較例1〜6の電池の正極は、電子顕微鏡による観察の結果、カ−ボンナノチュ−ブをフッ化処理した材料とフッ化炭素材料と導電剤とバインダ−からなる通常の混合物の状態であることを確認した。
実施例1〜6、比較例1〜6の電池を封口した後、5mA定電流で30分間の予備放電を行った。次に、60℃で1日のエージングを行ない、電池の開回路電圧(OCV)の安定を確認した。
次に、実施例、比較例の各3セルを25℃15kΩ定抵抗放電により2Vまで放電し、容量を確認した。また、別の各3セルを用いて、低温大電流放電特性評価を行なった。
評価方法としては、−40℃でのパルス放電によって行った。パルス条件は10mA定電流1秒間放電/59秒休止として、30サイクル行った。30サイクルまでの最小パルス電圧値を低温放電特性値とした。実施例1〜6、比較例1〜6の放電容量と低温パルスの最低値を3セルの平均値で(表1)に示す。
Figure 2008112652
続いて、高温保存安定性の評価として、90℃で5日間保存試験を行なった。保存後の2セルを、25℃15kΩ定抵抗放電を行い、高温保存による容量劣化を確認し、残りの2セルを上記と同様に、−40℃のパルス放電を行い、低温特性の変化を確認した。実施例1〜6、比較例1〜6の保存後の特性を平均値として(表1)に示す。
表1より明らかなように、本発明の実施例1〜6はいずれも−40℃のパルス放電の最低電圧が、比較例1〜6を上回っており、低温での大電流放電における放電初期特性を改良できることが分る。また、表1より実施例1〜6は、いずれも保存後の、−40℃のパルス放電の最低電圧が、比較例1〜6を上回っており、高温保存後の低温出力特性に優れていることがわかった。
比較例に比べて、実施例の電池では、正極においてカ−ボンナノチュ−ブをフッ化処理した材料の一部が、フッ化炭素材料の表面に接触して存在するので、正極活物質へのリチウムイオン供給サイトが増えることとなり正極の濃度過電圧を低減することが可能となると考えられ、低温での出力特性の優れた非水電解液電池を得ることができる。
なお、本実施例では、表1中の繊維状炭素のフッ化物と導電剤の組み合わせの場合を示したが、これ以外の組み合わせについても同様の結果を得ている。
次に、繊維状炭素のフッ化物と繊維状導電剤の長さについて詳細に検討した。実施例1において、カ−ボンナノチュ−ブの長さを0.05μm〜800μmの範囲で7種類を用い、導電剤にはカ−ボンナノチュ−ブ(長さ10μm)を用いた以外は実施例1と同様に作製した電池を実施例7〜13とし、(表2)に示した。
Figure 2008112652
また、実施例1において、カ−ボンナノチュ−ブの長さを10μmとし、繊維状導電剤としてカ−ボンナノチュ−ブの長さが0.05μm〜800μmの範囲で7種類を用いた以外は実施例1と同様に作製した電池を14〜20とし、(表2)に示した。
表2から明らかなように、繊維状炭素のフッ化物、繊維状導電剤のいずれにおいても長さが0.1μm〜500μmの範囲で高温保存前後において、容量が大きく、低温パルス時の最低電圧が高いことがわかった。
長さが0.1μmより小さい場合には、非常に長さの短い繊維状炭素のフッ化物あるいは繊維状導電剤であって、粒子間の集電ネットワ−クを高める効果が不充分であると考えられる。
一方、長さが500μmより大きい場合には、過度に長いために下粒子間あるいは結着剤などとの混合や分散が均一に制御することが難しい。このため、充分に均質分散した合剤とはならず、フッ化炭素が孤立した部分などが発生し、その結果、容量が小さく、低温パルス時の最低電圧が低いと考えられる。
次に、フッ化炭素材料の平均粒径について、詳細に検討した。
実施例1において、石油コークスをフッ素化した平均粒径0.1μm〜50μmの範囲で7種類の平均粒径のフッ化炭素を用いた以外は実施例1と同様に作製した電池を実施例21〜27とし、(表3)に示した。
Figure 2008112652
表3から明らかなように、平均粒径0.5μm〜30μmの範囲で、高温保存前後において、容量が大きく、低温パルス時の最低電圧が高いことがわかった。
平均粒径が0.5μmより小さい場合には、必要以上に小粒径なため、フッ化炭素材料中のフッ化度が相対的に高く、その結果、粒子表面から比較的深い領域まで、フッ化されている。このため、放電の進行に伴う炭素化反応が迅速には行われず、その結果、容量が小さく、出力特性にが劣ると考えられる。
また、平均粒径が30μmより大きい場合には、過度に大きな粒径のため、導電剤や結着剤との混合状態が不均一になりやすく、導電剤との接点の少ないフッ化炭素表面が多い状態となり、容量が小さく、低温パルス時の最低電圧が低いと考えられる。
本発明にかかる非水電解質電池は優れた低温大電流放電特性を有し、電子機器等の電源として有用である。
本発明のコイン型非水電解質電池の断面図
符号の説明
1 正極ケース
2 負極ケース
3 樹脂製絶縁パッキング
4 正極
5 リチウム負極
6 セパレータ

Claims (6)

  1. リチウムイオンを放出可能な材料を用いる正、負極を備え、前記正極はフッ化炭素材料(A)と、繊維状炭素材料をフッ化処理した材料(B)と導電剤、および結着剤を含み、かつ前記繊維状炭素をフッ化処理した材料(B)はその一部が、前記フッ化炭素材料(A)の表面に接触した状態で存在する非水電解質電池。
  2. 前記導電剤が繊維状、粒子状のいずれかである請求項1に記載の非水電解質電池。
  3. 前記フッ化炭素材料(A)の平均粒径(D50)が0.5〜30μmである請求項1記載の非水電解質電池。
  4. 前記導電剤は繊維状であり、前記繊維状炭素材料をフッ化処理した材料(B)および前記繊維状導電剤の少なくとも一方の長さが0.1〜500μmである請求項1あるいは2記載の非水電解質電池。
  5. 前記繊維状炭素材料がカ−ボンナノチュ−ブ、カ−ボンナノファイバ−、気相成長炭素繊維からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1あるいは2記載の非水電解質電池。
  6. 前記繊維状の導電剤がカ−ボンナノチュ−ブ、カ−ボンナノファイバ−、気相成長炭素繊維からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1あるいは2記載の非水電解質電池。
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