JP2008112337A - 工具参照面データの作成装置と作成方法 - Google Patents

工具参照面データの作成装置と作成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 工具参照面を精度よく作成するための技術を提供する。
【解決手段】 xyz空間に、格子点群と各格子点を中心とする球領域を設定する。製品形状と工具形状を、その境界面が球領域を通過する格子点群と各格子点に対する境界面上の最寄点によって表現する。先ずは、製品形状と工具形状との干渉を、格子点レベルで判定する。次いで、製品形状と工具形状との干渉を、境界面上の最寄点によって判別する。それにより、計算負荷を増大させることなく、工具参照面を精度よく作成することができる。
【選択図】図12

Description

本発明は、NC加工技術(数値制御加工技術)等で用いられる工具参照面を作成する技術に関する。特に、製品形状を記述するデータに基づいて、素材を製品形状に加工するための工具参照面を記述する工具参照面データを作成する技術に関する。
NC加工技術は、工具と素材を予め教示された移動経路に沿って相対移動させることによって、素材を所定の製品形状に加工する。製品形状は、三次元CAD(Computer Aided Design)装置等を用いて作成されたデータで表現される。NC工作機械を用いて素材を製品形状に加工するためには、製品形状を記述するデータに基づいて、工具の移動経路を定める必要がある。
NC加工技術では、工具の位置を座標で記述するために、工具に基準点が定められている。それにより、工具の移動経路は、工具の基準点の移動経路によって定められる。工具の移動経路は、工具の刃先面を製品形状の境界面に接触させながら移動させたときに、工具基準点が移動する経路に等しい。即ち、工具の移動経路は、製品形状の境界面から工具形状分だけオフセットさせた面上に位置することとなる。工具の移動経路を定めるためには、製品形状を記述するデータに基づいて、製品形状の境界面から工具形状分だけオフセットさせた工具参照面を求める必要がある。
特許文献1には、逆オフセット法を利用して、工具参照面を求める技術が記載されている。逆オフセット法は、製品形状の境界面を点群あるいは微小平面群(STL: Stereo lithography)等の近似要素で近似し、加工時の姿勢に対して反転させた仮想反転工具を工具基準点が各近似要素に位置するように配置する。そして、配置した仮想反転工具形状群の包絡面を求めることによって、製品形状の境界面から工具形状分だけオフセットさせたオフセット面モデルを作成する。
特開平4−133103号公報
特許文献1の技術では、曲面を直接取り扱うことができず、製品形状の境界面を近似要素群で近似した近似モデルを作成した上で、工具参照面を作成する。そのことから、作成した工具参照面には、近似処理に起因する誤差が生じてしまう。この誤差を低減するためには、製品形状の境界面を細かに近似することが必要となるが、細かな近似処理を行うほど、計算負荷は増大してしまう。計算負荷を過剰に増大させることなく、工具参照面を精度よく作成する技術が必要とされている。
本発明は、上記の課題を解決する。本発明は、計算負荷を増大させることなく、工具参照面を精度よく作成する技術を提供する。
本発明の技術は、製品形状を記述している製品形状データに基づいて、素材を製品形状に加工するための工具参照面を記述する工具参照面データを作成する装置に具現化される。本発明によって具現化される装置は、xyz空間に配置された製品形状を記述する製品形状データの記憶手段と、工具基準点を原点とするxyz空間に配置された工具形状を記述する工具形状データの記憶手段を備えている。それにより、外部の三次元CAD装置等で作成された製品形状データや工具形状データを記憶することができる。
本発明に係る装置は、製品形状データが製品形状を記述しているxyz空間に、所定間隔でxyz方向に並ぶ格子点群を設定するとともに、設定した各格子点を中心とする所定半径の球領域を区画する手段と、製品形状の境界面が通過する球領域の中心格子点である製品境界近傍格子点と、その製品境界近傍格子点から最寄りに位置する製品形状の境界面上の点である製品境界最寄点を特定し、製品境界近傍格子点の座標と製品境界最寄点の座標との対のデータ群を記述する製品形状格子点データを作成する手段を備えている。それにより、製品形状データが記述している製品形状を、製品形状の境界面に近接している製品境界近傍格子点群の集合で表現する製品形状格子点データを得ることができる。
本発明に係る装置は、工具形状データが工具形状を記述しているxyz空間に、前記所定間隔でxyz方向に並ぶ格子点群を設定するとともに、設定した各格子点を中心とする前記所定半径の球領域を区画する手段と、工具形状の境界面が通過する球領域の中心格子点である工具境界近傍格子点と、その工具境界近傍格子点から最寄りに位置する工具形状の境界面上の点である工具境界最寄点を特定し、工具境界近傍格子点の座標と工具境界最寄点の座標との対のデータ群を記述する工具形状格子点データを作成する手段を備えている。それにより、工具形状データが記述している工具形状を、工具形状の境界面に近接している工具境界近傍格子点群の集合で表現する工具形状格子点データを得ることができる。
本発明に係る装置は、製品形状格子点データに記述されている製品境界近傍格子点の少なくとも一つについて、その製品境界近傍格子点のz方向上方に位置する格子点のなかから、工具基準点を配置すると工具形状の境界面が少なくとも一つの製品境界近傍格子点の球領域を通過するとともにz座標が最も大きい格子点を仮参照面近傍格子点として特定し、特定した仮参照面近傍格子点の座標を記述する仮参照面格子点データを作成する手段を備えている。この手段によって特定される仮参照面近傍格子点は、工具参照面の近傍に位置する参照面近傍格子点の候補となる。なお、xyz空間の任意点に工具基準点を配置したときに工具形状の境界面が近傍を通過する格子点群は、工具形状格子点データに記述されている工具境界近傍格子点群を、工具基準点を配置した格子点の座標だけ平行移動させることによって得ることができる。
本発明に係る装置は、仮参照面格子点データに記述されている仮参照面近傍格子点が、工具参照面の近傍に位置する参照面近傍格子点であるのか否かについて、第1の判定を行う手段を備えている。この判定手段は、先ず、仮参照面近傍格子点に工具基準点を位置させて配置した工具形状の境界面が通過する球領域の中心格子点である配置工具境界近傍格子点群の各座標を特定する。次いで、配置工具境界近傍格子点群が製品形状格子点データに記述されている製品境界近傍格子点群に対して、
(1)すべてのxy座標において配置工具境界近傍格子点の最小z座標が製品境界近傍格子点の最小z座標以上であり、かつ、
(2)配置工具境界近傍格子点に一致する製品境界近傍格子点が少なくとも一つ存在する、
という第1条件を満たすのか否かを判定する。上記(1)の要件を満たさない場合、判定した仮参照面近傍格子点は、製品形状の境界面に対して近接しすぎていると判断することができる。上記(2)の要件を満たさない場合、判定した仮参照面近傍格子点は、製品形状の境界面に対して離反しすぎていると判断することができる。第1の判定では、製品形状と工具形状との干渉を、格子点群による近似レベルで判定する。
本発明に係る装置は、第1条件を満たした仮参照面近傍格子点が、工具参照面の近傍に位置する参照面近傍格子点であるのか否かについて、第2の判定する手段を備えている。この判定手段は、第1条件を満たした仮参照面近傍格子点について、配置工具境界近傍格子点に一致した製品境界近傍格子点に対する製品境界最寄点を製品形状格子点データから読み出し、その製品境界最寄点に工具基準点を位置させて反転配置した工具形状の境界面上の点であって仮参照面近傍格子点から最寄りに位置する点である反転工具境界最寄点を算出する。そして、仮参照面近傍格子点と算出した反転工具境界最寄点が、
(3)仮参照面近傍格子点が反転配置した工具形状の外側に位置する、又は、すべての反転工具境界最寄点が仮参照面近傍格子点の球領域に存在する、かつ、
(4)少なくとも一つの反転工具境界最寄点が仮参照面近傍格子点の球領域に存在する、
という第2条件を満たすのか否かを判定する。上記(3)の要件を満たさない場合、判定した仮参照面近傍格子点は、製品形状の境界面に対して近接しすぎていると判断することができる。上記(4)の要件を満たさない場合、判定した仮参照面近傍格子点は、製品形状の境界面に対して離反しすぎていると判断することができる。第2の判定では、製品形状と工具形状との干渉を、それぞれの境界面上の点を用いて正確に判定する。
本発明に係る装置は、第2条件を満たした仮参照面近傍格子点について、反転工具境界最寄点のなかから、その反転工具境界最寄点を算出するのに用いた製品境界最寄点が仮参照面近傍格子点に最も近い反転工具境界最寄点を特定し、特定した反転工具境界最寄点を記述する工具参照面データを作成する手段を備えている。第2条件を満たした仮参照面近傍格子点は、工具参照面の近傍に位置する正規の参照面近傍格子点と判断することができる。そして、一つ又は複数の反転工具境界最寄点のなかから上記のように特定される反転工具境界最寄点は、製品形状の境界面に対して最も近接している点であり、その点に工具基準点を配置させても工具形状が製品形状に干渉することがない。従って、工具参照面を規定する点に用いることができる。
本発明に係る装置は、第2条件を満たした仮参照面近傍格子点(即ち、正規の参照面近傍格子点)に隣接する格子点を、仮参照面格子点データに追加する手段を備えている。第2条件を満たした仮参照面近傍格子点は工具参照面の近傍に位置することから、第2条件を満たした仮参照面近傍格子点に隣接する格子点をそれに隣接する格子点群も工具参照面の近傍に位置する点となり得る。そのことから、正規の参照面近傍格子点に隣接する格子点群を仮参照面格子点データに追加することによって、工具参照面の近傍に位置する格子点と工具参照面を規定する点を漏れなく探索することができる。
この装置によると、製品形状に対する工具参照面を点群で表現する工具参照面データを得ることができる。製品形状や工具形状を、xyz空間に設定した格子点とその格子点に対する境界面上の最寄点によって表現することにより、計算負荷を増大させることなく、工具参照面を精度よく作成することができる。
本発明の技術はまた、製品形状を記述している製品形状データに基づいて、素材を製品形状に加工するための工具参照面を記述する工具参照面データを作成する方法に具現化することもできる。この方法では、電子計算機に以下の処理を実行させる。
先ず、xyz空間に配置された製品形状を記述する製品形状データを記憶する処理と、工具基準点を原点とするxyz空間に配置された工具形状を記述する工具形状データを前記電子計算機に記憶する処理を実行させる。
次いで、製品形状データが製品形状を記述しているxyz空間に、所定間隔でxyz方向に並ぶ格子点群を設定するとともに、設定した各格子点を中心とする所定半径の球領域を区画する処理と、製品形状の境界面が通過する球領域の中心格子点である製品境界近傍格子点と、その製品境界近傍格子点から最寄りに位置する製品形状の境界面上の点である製品境界最寄点を特定し、製品境界近傍格子点の座標と製品境界最寄点の座標との対のデータ群を記述する製品形状格子点データを作成する処理を実行させる。
次いで、工具形状データが工具形状を記述しているxyz空間に、前記所定間隔でxyz方向に並ぶ格子点群を設定するとともに、設定した各格子点を中心とする前記所定半径の球領域を区画する処理と、工具形状の境界面が通過する球領域の中心格子点である工具境界近傍格子点と、その工具境界近傍格子点から最寄りに位置する工具形状の境界面上の点である工具境界最寄点を特定し、工具境界近傍格子点の座標と工具境界最寄点の座標との対のデータ群を記述する工具形状格子点データを作成する処理を実行させる。
次いで、製品形状格子点データに記述されている製品境界近傍格子点の少なくとも一つについて、その製品境界近傍格子点のz方向上方に位置する格子点のなかから、工具基準点を配置すると工具形状の境界面が少なくとも一つの製品境界近傍格子点の球領域を通過するとともにz座標が最も大きい格子点を仮参照面近傍格子点として特定し、特定した仮参照面近傍格子点の座標を記述する仮参照面格子点データを作成する処理を実行させる。また、仮参照面格子点データに記述されている仮参照面近傍格子点毎に、仮参照面近傍格子点に工具基準点を位置させて配置した工具形状の境界面が通過する球領域の中心格子点である配置工具境界近傍格子点群の各座標を特定し、配置工具境界近傍格子点群が製品形状格子点データに記述されている製品境界近傍格子点群に対して、
(1)すべてのxy座標において配置工具境界近傍格子点の最小z座標が製品境界近傍格子点の最小z座標以上であり、かつ、
(2)配置工具境界近傍格子点に一致する製品境界近傍格子点が少なくとも一つ存在する、
という第1条件を満たすのか否かを判定する処理を実行させる。
次いで、第1条件を満たした仮参照面近傍格子点について、配置工具境界近傍格子点に一致した製品境界近傍格子点に対する製品境界最寄点を製品形状格子点データから読み出し、その製品境界最寄点に工具基準点を位置させて反転配置した工具形状の境界面上の点であって仮参照面近傍格子点から最寄りに位置する点である反転工具境界最寄点を算出し、仮参照面近傍格子点と算出した反転工具境界最寄点が、
(3)仮参照面近傍格子点が反転配置した工具形状の外側に位置する、又は、すべての反転工具境界最寄点が仮参照面近傍格子点の球領域に存在する、かつ、
(4)少なくとも一つの反転工具境界最寄点が仮参照面近傍格子点の球領域に存在する、
という第2条件を満たすのか否かを判定する処理を実行させる。
そして、第2条件を満たした仮参照面近傍格子点について、反転工具境界最寄点のなかから、その反転工具境界最寄点を算出するのに用いた製品境界最寄点が仮参照面近傍格子点に最も近いものを特定し、特定した反転工具境界最寄点を記述する工具参照面データを作成する処理と、第2条件を満たした仮参照面近傍格子点に隣接する格子点を、仮参照面格子点データに追加する処理を実行させる。
この方法によると、製品形状に対する工具参照面を点群で表現する工具参照面データを得ることができる。
本発明によって、工具参照面を精度よく作成することができる。作成した工具参照面を用いて工具の移動経路を作成することによって、NC工作機械による製品加工の精度を向上させることが可能となる。
以下に説明する実施例の主要な特徴を列記する。
(特徴1) 製品形状データは、3次元CAD装置を用いて作成される。
(特徴2) xyz空間に配置する格子点群は、xyz方向に関して等間隔に配置する。
(特徴3) 格子点群の間隔に対して、格子点の球領域の直径は、31/2倍に設定する。
図1は、本発明を実施した工具参照面データの作成装置10(以下、単に作成装置と略す)の機能的な構成を示している。作成装置10は、製品形状を記述している製品形状データ22に基づいて、素材を製品形状に加工するための工具参照面を記述する工具参照面データを作成する装置である。作成装置10が作成した工具参照面データは、数値制御(NC)工作機械に教示する工具の移動経路を作成するために用いることができる。
図1に示すように、作成装置10は、機能的に、データ記憶部20と、データ作成部50と、入出力部70を備えている。作成装置10はコンピュータ装置を用いて構成されており、コンピュータ装置のハードウエアやコンピュータ装置が記憶しているプログラム等によってデータ記憶部20やデータ作成部50や入出力部70が構成されている。
データ記憶部20は、製品形状データ22と、工具形状データ24と、製品形状格子点データ26と、工具形状格子点データ28と、仮参照面格子点データ30と、参照面格子点データ32と、工具参照面データ34を記憶することができる。製品形状データ22は、製品形状を記述するCADデータであり、xyz直交座標が定義されているxyz空間に配置された製品形状を記述している。工具形状データ24は、工具形状を記述するCADデータであり、xyz直交座標が定義されているxyz空間に配置された工具形状を記述している。製品形状データ22と工具形状データ24は、入出力部70を介して外部から作成装置10に教示される。一方、製品形状格子点データ26と工具形状格子点データ28と仮参照面格子点データ30と参照面格子点データ32と工具参照面データ34は、データ作成部50によって作成されるデータである。
データ作成部50は、格子点設定部52と、格子点データ作成部54と、仮参照面格子点データ作成部56と、第1格子点判定部58と、第2項視点判定部60と、参照面上点決定部62を備えている。データ作成部50は、製品形状データ22と工具形状データ24に基づいて各種の演算処理を行い、最終的に工具参照面データ34を作成する。工具参照面データ34は、製品形状データ22に記述されている製品形状を、工具形状データ24に記述されている工具によって加工するための工具参照面を記述するデータである。工具参照面は、製品形状の境界面から工具形状(工具半径)だけオフセットされたオフセット面である。データ作成部50は、工具参照面データを作成する過程で、製品形状格子点データ26と工具形状格子点データ28と仮参照面格子点データ30と参照面格子点データ32等を作成する。
図2は、作成装置10が、工具参照面データ34を作成する処理の流れを示すフローチャートである。図2に示すフローに沿って、作成装置10が、外部から教示された製品形状データ22と工具形状データ24に基づいて、工具参照面データ34を作成する処理手順について説明する。
ステップS2では、作成装置10が、製品形状データ22と工具形状データ24をデータ記憶部20に記憶する。製品形状データ22と工具形状データ24は、入出力部70を介して作成装置10に入力される。
図3は、製品形状データ22が記述する製品形状22aの一例を示している。図3に例示するように、製品形状データ22は、xyz空間に配置された製品形状22aの境界面22bを、基本形状の集合によって記述している。基本形状には、例えば頂点Vや稜線Cや面S等が用いられている。稜線Cには、例えば直線や曲線等が用いられており、面Sには、平面、円柱面、球面、自由曲面等が用いられている。稜線Cは、パラメータtを用いた曲線表現式C(t)で記述されている。面Sは、パラメータu,vを用いた面表現式S(u,v)で記述されている。製品形状22aを記述している基本形状V、C、Sには、それぞれを識別可能な識別子IDが割り当てられている。
図4は、工具形状データ24が記述する工具形状24aの一例を示している。図4に例示するように、工具形状データ24は、工具基準点24cを原点とするxyz空間に工具形状24を配置して記述している。図4に示すように、工具形状データ24は、半径rの先端球形工具(いわゆるボールエンドミル)の形状を記述している。工具形状データ24は、製品形状データ22と同様に、工具形状24aの境界面24bを基本形状(頂点Vや稜線Cや面S)の集合によって記述している。
なお、製品形状データ22や工具形状データ24は、xyz空間に配置された点群や、xyz空間に配置された微小平面群(STL: Stereo lithography)によって、製品形状22aや工具形状24aを近似表現するデータであってもよい。
図2のステップS4では、格子点設定部52と格子点データ作成部54が、製品形状データ22に基づいて、製品形状格子点データ26を作成する。図5は、製品形状格子点データ26を模式的に示している。図5を参照して製品形状格子点データ26について説明する。製品形状格子点データ26の作成にあたり、先ず、格子点設定部52が、製品形状データ22が記述しているxyz空間、即ち、製品形状22aの境界面22bが配置されているxyz空間に、所定間隔bでxyz方向に並ぶ格子点g群を設定する。また、格子点設定部52は、設定した各格子点gを中心とする所定半径aの球領域Rを区画する。格子点設定部52が各格子点gを中心とする球領域Rを区画すると、次いで格子点データ作成部54が、製品形状境界面22bが通過する球領域R群を特定する。また、特定した球領域R毎に、その中心格子点(以下、製品境界近傍格子点という)gmから最寄りに位置する製品形状境界面22b上の最寄点pを算出する。そして、特定した製品境界近傍格子点gmの座標(i,j、k)と算出した製品形状境界面22b上の最寄点pの座標(x,y,z)との対のデータ群を記述する製品形状格子点データ26を作成する。格子点gの位置は、格子点群中の配列位置を示す整数座標(i,j,k)によって表現することもできるし、xyz系座標(x,y,z)によって表現することもできる。この場合、x=b×i,y=b×j,z=b×kを満たす。ここで、製品形状格子点データ26には、各最寄点pが属する基本形状(頂点V,稜線C,面S)の識別子IDと、製品境界近傍格子点gmが製品形状境界面22bの内側に位置するのか外側に位置するのかを示す内外フラグを併せて記録しておく。内外フラグは、製品境界近傍格子点gmが製品形状境界面22bの内側に位置すれば「−1」とし、製品境界近傍格子点gmが製品形状境界面22bの外側に位置すれば「+1」とする。
ここで、格子点データ作成部54が、製品形状データ22から製品形状格子点データ26を作成する手順について説明する。先に説明したように、製品形状データ22では、xyz空間に配置された頂点Vや稜線Cや面S等の基本形状群によって、製品形状22aの境界面22bが記述されている。そこで、図6(a)〜(c)に例示するように、格子点データ作成部54は、先ず製品形状境界面22bを構成する頂点Vに関して製品境界近傍格子点gmを特定し、次いで製品形状境界面22bを構成する稜線Cに関して製品境界近傍格子点gmを特定し、最後に製品形状境界面22bを構成する面Sに関して製品境界近傍格子点gmを特定する。
図7は、その球領域R内に頂点Vが存在する格子点gを示している。図7に示すように、その球領域R内に頂点Vが存在する格子点gは、頂点Vからの距離が球領域Rの半径a以下となる。従って、すべての格子点gについて頂点Vからの距離をそれぞれ計算し、計算した距離が球領域Rの半径a以下となる格子点gを特定することによって、その球領域R内に頂点Vが存在する格子点gを特定することができる。
図8は、その球領域R内に稜線Cが存在する格子点gを示している。図8に示すように、その球領域R内に稜線Cが存在(通過)する格子点gは、その稜線C上の最寄点Caからの距離が球領域Rの半径a以下となる。格子点gに対する稜線C上の最寄点Caは、格子点gと最寄点Caを結ぶベクトルと最寄点Caにおける接線ベクトルC’とが垂直であることを拘束条件とし、ニュートン・ラプソン法の解析演算を実行することによって求めることができる。ただし、最寄点Caを求める解析演算においては、与える初期点が不適切であると、正しい最寄点Caが算出されない場合がある。また、すべての格子点gに対して解析演算を行うことは、計算負荷が著しく増大してしまい現実的でない。そこで、格子点データ作成部54は、先ず稜線C上に少なくとも一つの初期点を任意に定めるとともに、その初期点が球領域R内に位置する格子点gを特定する。そして、特定した格子点gに関して、先に定めた稜線C上の初期点を用いて解析演算を行い、最寄点Caを算出する。それにより、一の格子点gと、それに対する稜線C上の最寄点Caを正しく特定することができる。そして、特定した格子点gと最寄点Caとの距離が球領域Rの半径a以下であれば、その格子点gの球領域Rを稜線Cが通過すると判断することができる。その球領域R内を稜線Cが通過する格子点gを一つでも特定できると、その格子点gに隣接する26の格子点gに関して、先に特定した最寄点Caを初期点に用いて解析演算を行うことができる。以下同様に、その球領域R内を稜線Cが通過する格子点gを特定する度に、その格子点gに隣接する格子点gを解析演算処理の対象としていくことで、その球領域R内を稜線Cが通過する格子点g群を、稜線Cに沿って探索していくことができる。それにより、その球領域R内に稜線Cが存在(通過)する格子点g群を漏れなく特定することができる。
図9は、その球領域R内に面Sが存在(通過)する格子点gを示している。図9に示すように、その球領域R内に面Sが存在(通過)する格子点gは、その面S上の最寄点Saからの距離が球領域Rの半径a以下となる。格子点gに対する面S上の最寄点Saは、格子点gと最寄点Saとを結ぶベクトルが最寄点Saにおけるs方向の接線ベクトルSuおよびu方向の接線ベクトルSuに対して垂直であることを拘束条件とし、ニュートン・ラプソン法の解析演算を実行することによって求めることができる。格子点データ作成部54は、稜線Cの場合と同様に、先ず面S上に少なくとも一つの初期点を定めるとともに、その初期点が球領域R内に位置する格子点gを特定する。そして、特定した格子点gに関して、先に定めた面S上の初期点を用いて解析演算を行い、最寄点Saを算出する。それにより、一の格子点gと、それに対する面S上の最寄点Saを正しく特定することができる。そして、特定した格子点gと最寄点Saとの距離が球領域Rの半径a以下であれば、その格子点gの球領域Rを面Sが通過すると判断することができる。その球領域R内を面Sが通過する格子点gを一つでも特定できると、その格子点gに隣接する26の格子点gに関して、先に特定した最寄点Saを初期点に用いて解析演算を行うことができる。以下同様に、その球領域R内を面Sが通過する格子点gを特定する度に、その格子点gに隣接する格子点gを解析演算処理の対象としていくことで、その球領域R内を面Sが通過する格子点g群を、面Sに沿って探索していくことができる。それにより、その球領域R内に面Sが存在(通過)する格子点g群を漏れなく特定することができる。
図2のステップS6では、格子点設定部52と格子点データ作成部54が、工具形状データ24に基づいて、工具形状格子点データ28を作成する。図10は、工具形状格子点データ28を模式的に示している。図10を参照して工具形状格子点データ28について説明する。工具形状格子点データ28の作成にあたり、先ず、格子点設定部52が、工具形状データ24が記述しているxyz空間、即ち、工具形状24aの境界面24bが配置されているxyz空間に、所定間隔bでxyz方向に並ぶ格子点g群を設定する。また、格子点設定部52は、設定した各格子点gを中心とする所定半径aの球領域Rを区画する。格子点設定部52が各格子点gを中心とする球領域Rを区画すると、次いで格子点データ作成部54が、工具形状境界面24bが通過する球領域R群を特定する。また、特定した球領域R毎に、その中心格子点(以下、工具境界近傍格子点という)gzから最寄りに位置する工具形状境界面24b上の最寄点qを算出する。そして、特定した工具境界近傍格子点gzの座標(i,j、k)と算出した工具形状境界面24b上の最寄点qの座標(x,y,z)との対のデータ群を記述する工具形状格子点データ28を作成する。ここで、工具形状格子点データ28には、各最寄点qが属する基本形状(頂点V,稜線C,面S)の識別子IDと、工具境界近傍格子点gzが工具形状境界面24bの内側に位置するのか外側に位置するのかを示す内外フラグを併せて記録しておく。なお、工具形状格子点データ28の具体的な作成手順は、製品形状格子点データ26の作成手順と同様である。
ステップS8では、仮参照面格子点データ作成部56が、製品形状格子点データ26と工具形状格子点データ28を用いて、仮参照面格子点データ30を作成する。図11は、仮参照面格子点データ30を模式的に示している。仮参照面格子点データ作成部56は、先ず、製品形状格子点データ26に記述されている製品境界近傍格子点gmを通る工具軸zhを設定する。次いで、工具軸zh上の各格子点、即ち、製品境界近傍格子点のz方向上方に位置する各格子点のなかから、工具基準点24cを配置すると工具形状の境界面24bが少なくとも一つの製品境界近傍格子点gmの球領域Rを通過するとともにz座標が最も大きい格子点を特定する。具体的には、先ず、工具軸zh上の格子点のなかから工具基準点を配置する格子点を定める。次いで、工具形状格子点データ28に記述されている工具境界近傍格子点群の座標を読み出し、読み出した工具境界近傍格子点群の座標を工具基準点の配置位置に設定した格子点の座標分だけ平行移動する。平行移動した座標群は、先に定めた格子点に工具基準点を配置した工具形状の境界面24bが球領域を通過する格子点群の各座標を示す。そして、平行移動した座標群と製品境界近傍格子点gm群の各座標を比較し、一致する格子点が存在するのか否かを判定する。この判定処理を工具軸zh上の十分に上方の格子点から順次行うことにより、仮参照面近傍格子点gfを特定することができる。仮参照面格子点データ作成部56は、製品形状格子点データ26に記述されている製品境界近傍格子点gm毎に、一つの仮参照面近傍格子点gfを特定していく。そして、特定した仮参照面近傍格子点gfの座標を記述する仮参照面格子点データ30を作成する。なお、仮参照面近傍格子点gfは、すべての製品境界近傍格子点gmについて特定する必要はなく、少なくとも一つの製品境界近傍格子点gmについて求めれば足りる。
図2のステップS10、S12、S14では、第1格子点判定部56と第2格子点判定部58が、仮参照面格子点データ30に記述されている各仮参照面近傍格子点gfについて、工具参照面の近傍に位置する格子点であるのか否かの判定を行う。先のステップS8で求めた仮参照面格子点gf群のそれぞれは、製品形状境界面22bに対する工具参照面の近傍に位置する格子点となり得る。その一方において、仮参照面近傍格子点gf群のそれぞれが、必ずしも工具参照面の近傍に位置する格子点とは限られない。ステップS10、S12、S14の処理では、仮参照面格子点データ30に記述されている仮参照面近傍格子点gf群のなかから、工具参照面の近傍に位置する正規の参照面近傍格子点を抽出する。
図2のステップS10では、第1格子点判定部58が、仮参照面格子点データ30から、一つの仮参照面近傍格子点gfを選択する。
ステップS12では、第1格子点判定部58が、選択した仮参照面近傍格子点gfに対して第1の判定処理を行う。図12を参照して、第1の判定処理について説明する。図12に示すように、第1格子点判定部58は、選択した仮参照面近傍格子点gfに工具基準点24cを配置したときに、工具形状境界面24bが通過する球領域R群の各中心格子点(以下、配置工具境界近傍格子点という)gzを特定する。配置工具境界近傍格子点gzは、工具形状格子点データ28に記述されている工具境界近傍格子点gzを、選択した仮参照面近傍格子点gfの座標だけ平行移動させることによって得ることができる。次いで、第1格子点判定部58は、特定した配置工具境界近傍格子点gz群が、製品形状格子点データ26に記述されている製品境界近傍格子点gm群に対して、
(1)すべてのxy座標において、配置工具境界近傍格子点gzの最小z座標が製品境界近傍格子点gmの最小z座標以上であり、かつ
(2)配置工具境界近傍格子点gmと製品境界近傍格子点gzが一致する仮加工点近傍格子点gmzが少なくとも一つ存在する、
という第1条件を満たすのか否かを判定する。そして、配置工具境界近傍格子点gzが上記の第1条件を満たす場合(OKの場合)、上記(2)の仮加工点近傍格子点gmzの座標を保持し、ステップS14の第2格子点判定部60による判定処理に進む。配置工具境界近傍格子点gzが上記の第2条件を満たさない場合(NGの場合)、選択した仮参照面近傍格子点gfは、工具参照面の近傍に位置する格子点でないものと判断し、ステップS10に戻る。ここで、配置工具境界近傍格子点gz群が上記(1)の要件を満たさない場合、選択した仮参照面近傍格子点gfは、製品形状境界面22bに近接しすぎていると判断できる。配置工具境界近傍格子点gz群が上記(2)の要件を満たさない場合、選択した仮参照面近傍格子点gfは、製品形状境界面22bから離反しすぎていると判断できる。
図2のステップS14では、第2格子点判定部60が、第1格子点判定部58による第1の判定処理を通過した仮参照面近傍格子点gfに対して、第2の判定処理を行う。図13を参照して、第1の判定処理について説明する。先ず、第2格子点判定部60は、製品形状格子点データ26から、先のステップS12で特定された仮加工点近傍格子点gmzに対する製品形状境界面22b上の最寄点pを読み出す。次いで、最寄点pに工具基準点24cを配置させて工具形状24aを反転配置したときに、仮参照面近傍格子点gfから最寄りに位置する反転工具形状の境界面24b上の最寄点hrを算出する。ここで、最寄点hrの算出は、以下の手順によって行われる。先ず、仮参照面近傍格子点gfと仮加工点近傍格子点gmzとの相対座標gf−gmzを算出する。次いで、工具形状格子点データ28から、相対座標gf−gmzを正負反転させた座標に一致する工具境界近傍格子点gzとそれに対応する最寄点qの各座標を読み出す。次いで、工具境界近傍格子点gzと最寄点qから、仮参照面近傍格子点gfの近傍に、反転工具形状の境界面24bに接する接平面Uを得る。ここで、接平面Uの法線ベクトルは、工具境界近傍格子点gzと最寄点qの相対座標gz−qによって得られる。最後に、仮参照面近傍格子点gfから最寄りに位置する接平面U上の最寄点hrを算出するとともに、仮参照面近傍格子点gfから最寄点hrまでの距離dを算出する。ここで、仮参照面近傍格子点gfから最寄点hrまでの距離dは、参照面近傍格子点gfが接平面Uの外側に位置する場合は正の値とし、参照面近傍格子点gfが接平面Uの内側に位置する場合は負の値とし、符号付きの距離値とする。第2格子点判定部60は、この最寄点hrと符号付き距離値dを、ステップS12で特定されたすべての仮加工点近傍格子点gmzについて算出する。次いで、第2格子点判定部60は、仮加工点近傍格子点gmzと最寄点hrとの対のデータ群が、
(3)仮加工点近傍格子点gmzが接平面Uの外側、又は、仮加工点近傍格子点gmzが仮参照面近傍格子点gfの球近傍Rの内部に位置し、かつ、
(4)すくなくとも一つの最寄点hrが、仮参照面近傍格子点gfの球近傍R内に位置する、
という第2条件を満たすのか否かを判定する。そして、仮加工点近傍格子点gmzと最寄点hrとの対のデータ群が上記の第2条件を満たす場合(OKの場合)、第2格子点判定部60は、仮参照面近傍格子点gfは正規の参照面近傍格子点であると判定する。そして、ステップS16の処理に進む。一方、仮加工点近傍格子点gmzと最寄点hrとの対のデータ群が上記の第2条件を満たさない場合(NGの場合)、仮参照面近傍格子点gfは工具参照面の近傍に位置する格子点でないものと判断し、ステップS10に戻る。ここで、仮加工点近傍格子点gmzと最寄点hrとの対のデータ群が上記(3)の要件を満たさない場合は、仮参照面近傍格子点gfは、製品形状境界面22bに近接しすぎていると判断できる。仮加工点近傍格子点gmzと最寄点hrとの対のデータ群が上記(4)の要件を満たさない場合、選択した仮参照面近傍格子点gfは、製品形状境界面22bから離反しすぎていると判断できる。
図2のステップS16では、第2格子点判定部60が、ステップS14で第2条件を満たした仮参照面近傍格子点gfを、工具参照面の近傍に位置する正規の参照面近傍格子点として、参照面格子点データ32に記録する。このとき、第2格子点判定部60は、仮加工点近傍格子点gmz毎に算出した最寄点hrと符号付き距離値dを参照面格子点データ32に併せて記録する。
図2のステップS18では、参照面上点決定部62が、ステップS14の第2の判定処理で算出された反転工具形状の境界面24b上の最寄点hrのなかから、各最寄点hrの距離値dに基づいて、工具参照面を規定する工具参照面上の点を決定する。具体的には、その距離値dが最小である最寄点hrを工具参照面上の点に決定する。
ステップS20では、参照面上点決定部62が、ステップS18で決定された工具参照面上点hrを、工具参照面データ34に記録する。
以上のステップS10からステップS20の処理によって、工具参照面の近傍に位置する一つの工具参照面近傍格子点gfと、その工具参照面近傍格子点gfから最寄りに位置する工具参照面上の最寄点hrが決定される。工具参照面近傍格子点gfは参照面格子点データ32に記録され、工具参照面上の最寄点hrは工具参照面データ34に記録される。
図2のステップS22では、仮参照面格子点データ作成部56が、決定された工具参照面近傍格子点gfに隣接する26個の格子点g群を、新たな仮参照面近傍格子点gfとして、仮参照面格子点データ30に追加する。工具参照面は連続的に広がることから、工具参照面近傍格子点gfに隣接する格子点gもまた、工具参照面の近傍に位置する格子点であり得る。そのことから、工具参照面近傍格子点gfに隣接する26個の格子点gを仮参照面格子点データ30に記録し、それらの隣接格子点gにも上記した判定処理を実行することによって、工具参照面近傍格子点gfおよび工具参照面上の最寄点hrを漏れなく算出することができる。
ステップS24では、仮参照面格子点データ30に記述されているすべての仮参照面近傍格子点gfに対して、ステップS10からS22の処理が実行したのか否かを判定する。すべての参照面近傍格子点gfに対して処理が実行されていなければ、ステップS10の処理に戻り、ステップS10からS24の処理が繰り返し実行される。最終的に、その球近傍Rを工具参照面が通過するすべての参照面近傍格子点gfが特定されるとともに、各参照面近傍格子点gf毎に工具参照面上の最寄点hrが決定される。特定された参照面近傍格子点gf群は参照面格子点データ32に記録され、決定された工具参照面上の最寄点hr群は工具参照面データ34に記録される。それにより、製品形状22aの境界面22bに対する工具参照面を最寄点hr群で記述する工具参照面データ34が得られる。工具参照面データ34が記述する工具参照面に基づいて、素材を製品形状22aに加工するための工具経路を作成することができる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
工具参照面データの作成装置の構成を示すブロック図。 工具参照面データの作成装置が実行する処理フローを示す図。 製品形状データが記述する製品形状の一例を示す図。 工具形状データが記述する工具形状の一例を示す図。 製品形状格子点データを模式的に示す図。 製品形状格子点データを作成する手順を示す図。 球領域内に頂点が存在する格子点を示す図。 球領域内に稜線が存在する格子点を示す図。 球領域内に面が存在する格子点を示す図。 工具形状格子点データを模式的に示す図。 仮参照面近傍格子点データを模式的に示す図。 第1判定処理を説明するための図。 第2判定処理を説明するための図。
符号の説明
10・・工具参照面データの作成装置
20・・データ記憶部
22・・製品形状データ
24・・工具形状データ
26・・製品形状格子点データ
28・・工具形状格子点データ
30・・仮参照面格子点データ
32・・参照面格子点データ
34・・工具参照面データ
50・・データ作成部
52・・格子点設定部
54・・格子点データ作成部
56・・仮参照面格子点データ作成部
58・・第1格子点判定部
60・・第2格子点判定部
62・・参照面上点決定部
70・・入出力部

Claims (2)

  1. 製品形状を記述している製品形状データに基づいて、素材を製品形状に加工するための工具参照面を記述する工具参照面データを作成する装置であって、
    xyz空間に配置された製品形状を記述する製品形状データの記憶手段と、
    工具基準点を原点とするxyz空間に配置された工具形状を記述する工具形状データの記憶手段と、
    製品形状データが製品形状を記述しているxyz空間に、所定間隔でxyz方向に並ぶ格子点群を設定するとともに、設定した各格子点を中心とする所定半径の球領域を区画する手段と、
    製品形状の境界面が通過する球領域の中心格子点である製品境界近傍格子点と、その製品境界近傍格子点から最寄りに位置する製品形状の境界面上の点である製品境界最寄点を特定し、製品境界近傍格子点の座標と製品境界最寄点の座標との対のデータ群を記述する製品形状格子点データを作成する手段と、
    工具形状データが工具形状を記述しているxyz空間に、前記所定間隔でxyz方向に並ぶ格子点群を設定するとともに、設定した各格子点を中心とする前記所定半径の球領域を区画する手段と、
    工具形状の境界面が通過する球領域の中心格子点である工具境界近傍格子点と、その工具境界近傍格子点から最寄りに位置する工具形状の境界面上の点である工具境界最寄点を特定し、工具境界近傍格子点の座標と工具境界最寄点の座標との対のデータ群を記述する工具形状格子点データを作成する手段と、
    製品形状格子点データに記述されている製品境界近傍格子点の少なくとも一つについて、その製品境界近傍格子点のz方向上方に位置する格子点のなかから、工具基準点を配置すると工具形状の境界面が少なくとも一つの製品境界近傍格子点の球領域を通過するとともにz座標が最も大きい格子点を仮参照面近傍格子点として特定し、特定した仮参照面近傍格子点の座標を記述する仮参照面格子点データを作成する手段と、
    仮参照面格子点データに記述されている仮参照面近傍格子点毎に、仮参照面近傍格子点に工具基準点を配置した工具形状の境界面が通過する球領域の中心格子点である配置工具境界近傍格子点群の各座標を特定し、配置工具境界近傍格子点群が製品形状格子点データに記述されている製品境界近傍格子点群に対して、
    (1)すべてのxy座標において配置工具境界近傍格子点の最小z座標が製品境界近傍格子点の最小z座標以上であり、かつ、
    (2)配置工具境界近傍格子点に一致する製品境界近傍格子点が少なくとも一つ存在する、
    という第1条件を満たすのか否かを判定する第1判定手段と、
    第1条件を満たした仮参照面近傍格子点について、配置工具境界近傍格子点に一致した製品境界近傍格子点に対する製品境界最寄点を製品形状格子点データから読み出し、その製品境界最寄点に工具基準点を位置させて反転配置した工具形状の境界面上の点であるとともに仮参照面近傍格子点から最寄りに位置する点である反転工具境界最寄点を算出し、仮参照面近傍格子点と算出した反転工具境界最寄点が、
    (3)仮参照面近傍格子点が反転配置した工具形状の外側に位置する、又は、すべての反転工具境界最寄点が仮参照面近傍格子点の球領域に存在する、かつ、
    (4)少なくとも一つの反転工具境界最寄点が仮参照面近傍格子点の球領域に存在する、
    という第2条件を満たすのか否かを判定する手段と、
    第2条件を満たした仮参照面近傍格子点について、反転工具境界最寄点のなかから、その反転工具境界最寄点を算出するのに用いた製品境界最寄点が仮参照面近傍格子点に最も近い反転工具境界最寄点を特定し、特定した反転工具境界最寄点を記述する工具参照面データを作成する手段と、
    第2条件を満たした仮参照面近傍格子点に隣接する格子点を、仮参照面格子点データに追加する手段と、
    を備える工具参照面データの作成装置。
  2. 製品形状を記述している製品形状データに基づいて、素材を製品形状に加工するための工具参照面を記述する工具参照面データを作成する方法であって、電子計算機に以下の処理、即ち、
    xyz空間に配置された製品形状を記述する製品形状データを記憶する処理と、
    工具基準点を原点とするxyz空間に配置された工具形状を記述する工具形状データを前記電子計算機に記憶する処理と、
    製品形状データが製品形状を記述しているxyz空間に、所定間隔でxyz方向に並ぶ格子点群を設定するとともに、設定した各格子点を中心とする所定半径の球領域を区画する処理と、
    製品形状の境界面が通過する球領域の中心格子点である製品境界近傍格子点と、その製品境界近傍格子点から最寄りに位置する製品形状の境界面上の点である製品境界最寄点を特定し、製品境界近傍格子点の座標と製品境界最寄点の座標との対のデータ群を記述する製品形状格子点データを作成する処理と、
    工具形状データが工具形状を記述しているxyz空間に、前記所定間隔でxyz方向に並ぶ格子点群を設定するとともに、設定した各格子点を中心とする前記所定半径の球領域を区画する処理と、
    工具形状の境界面が通過する球領域の中心格子点である工具境界近傍格子点と、その工具境界近傍格子点から最寄りに位置する工具形状の境界面上の点である工具境界最寄点を特定し、工具境界近傍格子点の座標と工具境界最寄点の座標との対のデータ群を記述する工具形状格子点データを作成する処理と、
    製品形状格子点データに記述されている製品境界近傍格子点の少なくとも一つについて、その製品境界近傍格子点のz方向上方に位置する格子点のなかから、工具基準点を配置すると工具形状の境界面が少なくとも一つの製品境界近傍格子点の球領域を通過するとともにz座標が最も大きい格子点を仮参照面近傍格子点として特定し、特定した仮参照面近傍格子点の座標を記述する仮参照面格子点データを作成する処理と、
    仮参照面格子点データに記述されている仮参照面近傍格子点毎に、仮参照面近傍格子点に工具基準点を位置させて配置した工具形状の境界面が通過する球領域の中心格子点である配置工具境界近傍格子点群の各座標を特定し、配置工具境界近傍格子点群が製品形状格子点データに記述されている製品境界近傍格子点群に対して、
    (1)すべてのxy座標において配置工具境界近傍格子点の最小z座標が製品境界近傍格子点の最小z座標以上であり、かつ、
    (2)配置工具境界近傍格子点に一致する製品境界近傍格子点が少なくとも一つ存在する、
    という第1条件を満たすのか否かを判定する処理と、
    第1条件を満たした仮参照面近傍格子点について、配置工具境界近傍格子点に一致した製品境界近傍格子点に対する製品境界最寄点を製品形状格子点データから読み出し、その製品境界最寄点に工具基準点を位置させて反転配置した工具形状の境界面上の点であるとともに仮参照面近傍格子点から最寄りに位置する点である反転工具境界最寄点を算出し、仮参照面近傍格子点と算出した反転工具境界最寄点が、
    (3)仮参照面近傍格子点が反転配置した工具形状の外側に位置する、又は、すべての反転工具境界最寄点が仮参照面近傍格子点の球領域に存在する、かつ、
    (4)少なくとも一つの反転工具境界最寄点が仮参照面近傍格子点の球領域に存在する、
    という第2条件を満たすのか否かを判定する処理と、
    第2条件を満たした仮参照面近傍格子点について、反転工具境界最寄点のなかから、その反転工具境界最寄点を算出するのに用いた製品境界最寄点が仮参照面近傍格子点に最も近いものを特定し、特定した反転工具境界最寄点を記述する工具参照面データを作成する処理と、
    第2条件を満たした仮参照面近傍格子点に隣接する格子点を、仮参照面格子点データに追加する処理と、
    を実行させる工具参照面データの作成方法。
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