JP2008110635A - 報知装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 電動機を動力源として走行する車両周囲に居る人に威圧感や違和感を与えることなく、その存在や接近についての認知性を向上させる。
【解決手段】電動機を動力源として自走する車両に搭載され前記車両の周囲に居る人との距離を計測する計測手段と、
前記電動機の駆動電力の発電を行う燃料電池部、前記電動機を冷却するための冷却部、および前記車両の乗車スペースの空調を行う空調部を少なくとも含む補助機構の駆動制御を行う制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記計測手段により計測された距離が予め定められた第1の閾値以下である場合には、前記補助機構のうちの複数を作動させ、前記距離が前記第1の閾値よりも大きく、かつ、前記第1の閾値よりも大きい第2の閾値以下である場合には、前記補助機構のうちの予め定められた1つを作動させることを特徴とする報知装置を提供する。
【選択図】図1
Description
本発明は、歩行者など車両の周囲に居る人にその車両の存在を認知させる技術に関する。
近年、環境保護に対する関心の高まりに伴って、いわゆるハイブリッド車や電気自動車、燃料電池自動車など電動機を動力源とする車両(以下、「低公害車」とも呼ぶ)が普及し始めている。この種の車両は、従来のガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの内燃機関を動力源とする車両に比較して、排気ガスによる環境への影響が少ないか、或いは、全くないといった特徴を有している。
ところで、電動機は、内燃機関とは異なり、燃料の気化圧縮および爆発を行わないため、作動音が極めて小さいといった特徴を有している。このため、上記低公害車には、走行音が極めて小さく、歩行者など車両の周囲にいる人がその接近に気づきにくいといった問題がある。そこで、このような問題を解消するための技術が従来より種々提案されており、その一例としては特許文献1や特許文献2に開示された技術が挙げられる。
特許文献1には、車両の走行状態を加速度センサにより検出し、その検出結果に応じてクラクションや擬似エンジン音などの警告音を出力することによって、その車両の存在を周囲の人に気づかせる技術が開示されている。また、特許文献2には、車速が一定値以下になったときに空調コンプレッサの回転数に応じて決定される音圧レベルで擬似エンジン音などを再生し、車両が停止しつつあることを周囲の人に気づかせる技術が開示されている。
特開平11−27810号公報
特開2005−74994号公報
ところで、電動機は、内燃機関とは異なり、燃料の気化圧縮および爆発を行わないため、作動音が極めて小さいといった特徴を有している。このため、上記低公害車には、走行音が極めて小さく、歩行者など車両の周囲にいる人がその接近に気づきにくいといった問題がある。そこで、このような問題を解消するための技術が従来より種々提案されており、その一例としては特許文献1や特許文献2に開示された技術が挙げられる。
特許文献1には、車両の走行状態を加速度センサにより検出し、その検出結果に応じてクラクションや擬似エンジン音などの警告音を出力することによって、その車両の存在を周囲の人に気づかせる技術が開示されている。また、特許文献2には、車速が一定値以下になったときに空調コンプレッサの回転数に応じて決定される音圧レベルで擬似エンジン音などを再生し、車両が停止しつつあることを周囲の人に気づかせる技術が開示されている。
しかしながら、特許文献1や特許文献2に開示された技術には、以下のような問題点がある。すなわち、擬似エンジン音により周囲の人に車両の存在を気づかせる態様では、本来、エンジン音が全くしないはずの電気自動車や燃料電池自動者からエンジン音が聞こえることになり、不自然な印象を与えてしまう場合がある。
一方、クラクション音を用いる態様では、周囲の人に必要以上に威圧感を与えてしまったり、周囲の人を驚かせてしまったりする場合がある。また、周囲の人に必要以上に威圧感を与えることや周囲の人を驚かせることを避けるため、音圧を下げたクラクション音を用いてしまうと、それらの人に車両との距離を誤認させてしまう場合があり、かえって危険を招いてしまう場合がある。また、車両毎に多様な音を発生させてしまうと、例えば市街地など交通量が多い場所では、騒音公害の原因となりかねないという問題がある。
本発明は、上記課題に鑑みて為されたものであり、電動機を動力源として走行する車両周囲に居る人に威圧感や違和感を与えることなく、その車両の存在や接近についての認知性を向上させることを可能にする技術を提供することを目的としている。
一方、クラクション音を用いる態様では、周囲の人に必要以上に威圧感を与えてしまったり、周囲の人を驚かせてしまったりする場合がある。また、周囲の人に必要以上に威圧感を与えることや周囲の人を驚かせることを避けるため、音圧を下げたクラクション音を用いてしまうと、それらの人に車両との距離を誤認させてしまう場合があり、かえって危険を招いてしまう場合がある。また、車両毎に多様な音を発生させてしまうと、例えば市街地など交通量が多い場所では、騒音公害の原因となりかねないという問題がある。
本発明は、上記課題に鑑みて為されたものであり、電動機を動力源として走行する車両周囲に居る人に威圧感や違和感を与えることなく、その車両の存在や接近についての認知性を向上させることを可能にする技術を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明は、電動機を動力源として自走する車両に搭載され前記車両の周囲に居る人との距離を計測する計測手段と、前記電動機の駆動電力の発電を行う燃料電池部、前記電動機を冷却するための冷却部、および前記車両の乗車スペースの空調を行う空調部を少なくとも含む補助機構の駆動制御を行う制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記計測手段により計測された距離が近いほど多数の前記補助機構を作動させることを特徴とする報知装置を提供する。
また、上記課題を解決するために、本発明は、電動機を動力源として自走する車両の走行速度、前記電動機の回転数、前記走行速度の増減を指示するための操作ペダルの踏み込み量であるアクセル開度の少なくとも1つを表す車両情報を前記電動機の駆動制御を行う駆動制御部から取得する車両情報取得手段と、前記電動機の駆動電力の発電を行う燃料電池部、前記電動機を冷却するための冷却部、および前記車両の乗車スペースの空調を行う空調部を少なくとも含む補助機構の駆動制御を行う制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記車両情報から前記車両の走行速度または走行速度の増減の度合いを特定し、特定された値が高いほど多数の補助機構を作動させることを特徴とする報知装置を提供する。
また、上記課題を解決するために、本発明は、電動機を動力源として自走する車両の走行速度、前記電動機の回転数、前記走行速度の増減を指示するための操作ペダルの踏み込み量であるアクセル開度の少なくとも1つを表す車両情報を前記電動機の駆動制御を行う駆動制御部から取得する車両情報取得手段と、前記電動機の駆動電力の発電を行う燃料電池部、前記電動機を冷却するための冷却部、および前記車両の乗車スペースの空調を行う空調部を少なくとも含む補助機構の駆動制御を行う制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記車両情報から前記車両の走行速度または走行速度の増減の度合いを特定し、特定された値が高いほど作動量を大きくして前記補助機構を作動させることを特徴とする報知装置を提供する。
本発明によれば、電動機を動力源として走行する車両周囲に居る人に威圧感や違和感を与えることなく、その車両の存在や接近についての認知性を向上させることが可能になる、といった効果を奏する。
以下、図面を参照しつつ、本発明を実施する際の最良の形態について説明する。
(A:構成)
図1は、本発明の一実施形態に係る報知装置10が搭載されている車両1の一例を示す図である。
車両1は、いわゆる燃料電池自動車であり、燃料電池(図示省略)とこの燃料電池から電力の供給を受けて駆動する電動機(図示省略)とを搭載している。上記燃料電池は、インバータ(図示省略)を介して上記電動機に接続されており、上記電動機の回転軸は、例えばディファレンシャルギヤなどを含む伝達機構を介して車軸に連結されている。
(A:構成)
図1は、本発明の一実施形態に係る報知装置10が搭載されている車両1の一例を示す図である。
車両1は、いわゆる燃料電池自動車であり、燃料電池(図示省略)とこの燃料電池から電力の供給を受けて駆動する電動機(図示省略)とを搭載している。上記燃料電池は、インバータ(図示省略)を介して上記電動機に接続されており、上記電動機の回転軸は、例えばディファレンシャルギヤなどを含む伝達機構を介して車軸に連結されている。
図1の報知装置10は、歩行者に車両1の存在やその接近を認知させるための報知を行うものであり、歩行者探知部110、制御部120、および操作パネル130を含んでいる。
歩行者探知部110は、例えば超音波センサであり、車両1の周囲に向けて所定周波数の超音波を発してその反射波を計測することによって、その探索エリア(充分な強度の反射波が得られる範囲:本実施形態では、車両1の重心位置を中心とする半径R1の円内)に歩行者が居るのか、居ないのかを判別し、居ると判別した場合にその歩行者と上記重心位置との距離(以下、単に「歩行者との距離」と呼ぶ)を示すデータを制御部120へ引き渡す。なお、上記探索エリア内に複数の歩行者がいることを検知した場合には、歩行者探知部110は、それら複数の歩行者のうち車両1との距離が最も近い歩行者についての距離を示すデータを制御部120へ引き渡す。何故ならば、車両1との距離が近い歩行者ほどその車両1の存在および接近についての認知性を高める必要があるからである。また、本実施形態では、歩行者探知部110を超音波センサで構成する場合について説明するが、ミリ波レーダで構成しても良く、要は、歩行者と車両との距離を計測することが可能な手段であれば、どのようなもので構成しても良い。
歩行者探知部110は、例えば超音波センサであり、車両1の周囲に向けて所定周波数の超音波を発してその反射波を計測することによって、その探索エリア(充分な強度の反射波が得られる範囲:本実施形態では、車両1の重心位置を中心とする半径R1の円内)に歩行者が居るのか、居ないのかを判別し、居ると判別した場合にその歩行者と上記重心位置との距離(以下、単に「歩行者との距離」と呼ぶ)を示すデータを制御部120へ引き渡す。なお、上記探索エリア内に複数の歩行者がいることを検知した場合には、歩行者探知部110は、それら複数の歩行者のうち車両1との距離が最も近い歩行者についての距離を示すデータを制御部120へ引き渡す。何故ならば、車両1との距離が近い歩行者ほどその車両1の存在および接近についての認知性を高める必要があるからである。また、本実施形態では、歩行者探知部110を超音波センサで構成する場合について説明するが、ミリ波レーダで構成しても良く、要は、歩行者と車両との距離を計測することが可能な手段であれば、どのようなもので構成しても良い。
制御部120は、例えばCPU(Central Processing Unit)であり、例えばフラッシュメモリなどデータを書き換え可能に記憶する不揮発性メモリ(図示省略)に記憶されている制御プログラムを例えばRAM(Random Access Memory)などの揮発性メモリ(図示省略)へ読み出して実行することによって、図2のフローチャートに示す報知処理を実行する。
より詳細に説明すると、上記制御プログラムにしたがって作動している制御部120は、歩行者探知部110から歩行者との距離を示すデータを引き渡された場合に、その距離が所定の閾値R2(ただし、R1>R2)以下であるか否かを判別し、その判別結果に応じて補助機構20の各構成要素の作動制御を行い、その作動音によって車両1の存在やその接近を上記歩行者へ報知する。
より詳細に説明すると、上記制御プログラムにしたがって作動している制御部120は、歩行者探知部110から歩行者との距離を示すデータを引き渡された場合に、その距離が所定の閾値R2(ただし、R1>R2)以下であるか否かを判別し、その判別結果に応じて補助機構20の各構成要素の作動制御を行い、その作動音によって車両1の存在やその接近を上記歩行者へ報知する。
操作パネル130は、例えば液晶ディスプレイなどで構成された表示部(図示省略)と例えばテンキーなどの複数の操作子を有する操作部(同じく図示省略)とを含んでいる。この操作パネル130は、例えば報知装置10による報知の実行の可否や、歩行者との距離についての閾値R2をユーザ(例えば、車両1の運転者)に適宜設定させるためのユーザインタフェースを提供する機能を担っている。
補助機構20は、車両1の走行に直接的には関与しない機構であり、本実施形態では、図1に示すように、ラジエータファンとその駆動機構からなり電動機を冷却するための冷却システム210や、空調コンプレッサ等からなり車両1の乗車スペースの空調(冷暖房)を行うための空調システム220、燃料ポンプ等からなり燃料電池へ水素などの燃料を供給し発電を実行させるための燃料電池システム230を含んでいる。
これら補助機構は、本来、ECU(Engine Control Unit)など運転制御部(図示省略)による制御下で作動し、その各々が担っている役割(例えば、冷却システム210については、電動機を冷却する役割)を果たすものであるが、本実施形態では、各々の作動音によって車両1の存在やその接近を周囲の歩行者へ報知する報知手段としての役割も担っている。なお、本実施形態では、上記運転制御部とは個別に報知装置10の制御部120を設ける場合について説明したが、上記運転制御部に制御部120の機能を担わせるようにしても勿論良い。
これら補助機構は、本来、ECU(Engine Control Unit)など運転制御部(図示省略)による制御下で作動し、その各々が担っている役割(例えば、冷却システム210については、電動機を冷却する役割)を果たすものであるが、本実施形態では、各々の作動音によって車両1の存在やその接近を周囲の歩行者へ報知する報知手段としての役割も担っている。なお、本実施形態では、上記運転制御部とは個別に報知装置10の制御部120を設ける場合について説明したが、上記運転制御部に制御部120の機能を担わせるようにしても勿論良い。
そして、本実施形態では、歩行者探知部110により計測された歩行者との距離Rが閾値R2以下である場合には空調システム220と燃料電池システム230の2つを作動させて歩行者へ報知を行うこと、および、歩行者との距離Rが閾値R2を越えている場合(すなわち、R2<R≦R1である場合)には冷却システム210のみを作動させて歩行者への報知を行うことが予め定められており、その旨を示すデータが上記不揮発性メモリに格納されている。具体的には、上記不揮発性メモリには、冷却システム210を示す識別子(ハードウェアアドレスなど)と閾値R1とが互いに対応付けられて記憶されているとともに、空調システム220および燃料電池システム230の各々を示す識別子と閾値R2とが互いに対応付けられて記憶されている。
以上が報知装置10の構成例である。
以上が報知装置10の構成例である。
(B:動作)
次いで報知装置10が行う動作について図面を参照しつつ説明する。
以下に説明する動作の開始時点では、図3に示すように、車道RW上を速度V1で車両1が走行しており、車道RW沿いの歩道SW上を歩行者Wが速度V2(ただし、V2<V1)で車両1の進行方向と同一の方向に歩行しているものとする。なお、図3に示す状態においては、車両1と歩行者Wとは充分に距離を隔てており、歩行者Wは、歩行者探知部110の探索エリアに入っていないものとする。また、車両1においては、冷却システム210、空調システム220および燃料電池システム230の何れも作動していないものとする。
次いで報知装置10が行う動作について図面を参照しつつ説明する。
以下に説明する動作の開始時点では、図3に示すように、車道RW上を速度V1で車両1が走行しており、車道RW沿いの歩道SW上を歩行者Wが速度V2(ただし、V2<V1)で車両1の進行方向と同一の方向に歩行しているものとする。なお、図3に示す状態においては、車両1と歩行者Wとは充分に距離を隔てており、歩行者Wは、歩行者探知部110の探索エリアに入っていないものとする。また、車両1においては、冷却システム210、空調システム220および燃料電池システム230の何れも作動していないものとする。
図2は、制御プログラムにしたがって作動している制御部120が実行する報知処理の流れを示す図である。図2に示すように、制御部120は、まず、歩行者Wとの距離がR1以下であるか否かを判定し(ステップSA100)、その判定結果が“No”である間は、ステップSA100の処理を繰り返し実行し、その判定結果が“Yes”になるとステップSA110以降の処理を実行する。前述したように、本実施形態では、歩行者探知部110は、歩行者との距離がR1以下になるまで、その歩行者との距離を示すデータを制御部120へ引き渡さないため、制御部120は、歩行者探知部110から上記データを受け取ったか否かによって上記ステップA100の判定を行う。
本動作例では、図3に示す状態から図4に示す状態に至るまでは、歩行者Wは歩行者探知部110の探知エリア外にいるため、その存在が探知されず、ステップSA100の判定結果は“No”になり、図2に示すようにステップSA100の処理が繰り返し実行される。そして、図4に示す状態に至ると、この図4に示す状態では歩行者Wは上記探知エリア内にいるのであるから、歩行者Wとの距離が歩行者探知部110によって計測され、その計測結果を示すデータが制御部120へ引き渡される。その結果、ステップSA100の判定結果は“Yes”になり、ステップSA110以降の処理が実行される。
図2に戻って、ステップSA100の判定結果が“Yes”である場合に実行されるステップSA110においては、制御部120は、歩行者Wとの距離が閾値R2以下であるか否かを判定する。そして、ステップSA110の判定結果が“No”である場合には、制御部120は、補助機構20のうちの予め定められた1つ(本実施形態では、冷却システム210)を作動させ(ステップSA120)、逆に、ステップSA110の判定結果が“Yes”である場合、制御部120は、補助機構20のうちの予め定められた2つ(本実施形態では、空調システム220および燃料電池システム230)を作動させる(ステップSA130)。
以降、制御部120は、ステップSA120またはステップSA130に後続するステップSA140において、車両1の動力源である電動機が停止しているか否か(すなわち、車両1が停止しているか否か)を判定し、その判定結果が“No”である場合には、ステップSA100以降の処理を繰り返し、その判定結果が“Yes”である場合には、本報知処理を終了する。
以降、制御部120は、ステップSA120またはステップSA130に後続するステップSA140において、車両1の動力源である電動機が停止しているか否か(すなわち、車両1が停止しているか否か)を判定し、その判定結果が“No”である場合には、ステップSA100以降の処理を繰り返し、その判定結果が“Yes”である場合には、本報知処理を終了する。
本動作例では、図4に示す状態から図5に示す状態に至るまでは、車両1と歩行者Wとの距離は閾値R2を越えているため、ステップSA110の判定結果は“No”になり、制御部120は、冷却システム210のみを作動させる。その結果、図4に示す状態から図5に示す状態に至るまでは、歩行者Wは冷却システム210の作動音を聴くことになる。
これに対して、図5に示す状態以降は、車両1と歩行者Wとの距離は閾値R2以下になるため、ステップSA110の判定結果は“Yes”になり、制御部120は、空調システム220と燃料電池システム230とを作動させる。その結果、図5に示す状態以降、歩行者Wは空調システム220および燃料電池システム230の作動音を聴くことになる。
これに対して、図5に示す状態以降は、車両1と歩行者Wとの距離は閾値R2以下になるため、ステップSA110の判定結果は“Yes”になり、制御部120は、空調システム220と燃料電池システム230とを作動させる。その結果、図5に示す状態以降、歩行者Wは空調システム220および燃料電池システム230の作動音を聴くことになる。
このように、本動作例では、車両1の接近に伴って歩行者Wが聴く音は、「冷却システム210の作動音」から「空調システム220および燃料電池システム230の作動音」へと変化するため、歩行者Wはその受聴音の変化によって車両1の存在および接近を認知することになる。なお、図5に示す状態以降、時間の経過とともに車両1は歩行者Wから遠ざかってゆくのであるから、制御部120は、両者の距離がR2を超えた時点で冷却システム210のみの作動に再度切り替え、さらに時間が経過して両者の距離がR1を超えると、冷却システム210の作動を停止させる。このため、歩行者Wは、その受聴音の変化によって車両1が次第に遠ざかって行くことも認知することができる。
以上説明したように、本実施形態においては、燃料電池自動車である車両1の存在および接近を、車両1が本来備えている補助機構の作動音によって歩行者に認知させているため、擬似エンジン音を用いる場合のような違和感を上記歩行者に抱かせることや、クラクション音を用いる場合のような威圧感を上記歩行者に与えることが回避されるとともに、その認知性を向上させることができる、といった効果を奏する。
また、燃料電池システム230を報知手段として用いることによって、その報知動作によって発電された電力をバッテリへ充電することも可能であり、無駄が少ないといった付随効果も期待される。なお、本実施形態では、報知装置10による車両1の存在および接近の報知対象が車両1の周囲に居る歩行者である場合について説明したが、係る報知対象は、車両1と並行あるいは対向している他の自動車や自動二輪車、自転車などの運転者であっても良いことは勿論である。
また、燃料電池システム230を報知手段として用いることによって、その報知動作によって発電された電力をバッテリへ充電することも可能であり、無駄が少ないといった付随効果も期待される。なお、本実施形態では、報知装置10による車両1の存在および接近の報知対象が車両1の周囲に居る歩行者である場合について説明したが、係る報知対象は、車両1と並行あるいは対向している他の自動車や自動二輪車、自転車などの運転者であっても良いことは勿論である。
(C:変形)
以上、本発明の一実施形態について説明したが、係る実施形態に以下に述べるような変形を加えても良いことは勿論である。
(1)上述した実施形態では、歩行者との距離が第1の閾値(上記実施形態では、R1)以下であり、かつ、該第1の閾値よりも小さい第2の閾値を上回っている場合には、複数の補助機構のうちの予め定められた1つを作動させ、上記距離が第2の閾値以下である場合には、複数の補助機構のうちの予め定められた2つを作動させる場合について説明した。
しかしながら、歩行者との距離が第1の閾値以下であり、かつ、第2の閾値を上回っている場合には、複数の補助機構のうちの予め定められた2つを作動させ、上記距離が第2の閾値以下である場合には、複数の補助機構のうちの予め定められた3つを作動させるようにしても勿論良い。また、上述した実施形態では、車両と歩行者との距離を2種類の閾値で区分けする場合について説明したが、3種類以上の閾値で区分けするとしても勿論良い。要は、歩行者との距離が近いほど多数の補助機構を作動させる態様であれば良い。
また、歩行者との距離が第1の閾値以下であり、かつ、第2の閾値を上回っている状況下で全ての補助機構が作動している場合には、それら補助機構の幾つかを一時的に停止させるような制御を行わせるようにしても良い。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、係る実施形態に以下に述べるような変形を加えても良いことは勿論である。
(1)上述した実施形態では、歩行者との距離が第1の閾値(上記実施形態では、R1)以下であり、かつ、該第1の閾値よりも小さい第2の閾値を上回っている場合には、複数の補助機構のうちの予め定められた1つを作動させ、上記距離が第2の閾値以下である場合には、複数の補助機構のうちの予め定められた2つを作動させる場合について説明した。
しかしながら、歩行者との距離が第1の閾値以下であり、かつ、第2の閾値を上回っている場合には、複数の補助機構のうちの予め定められた2つを作動させ、上記距離が第2の閾値以下である場合には、複数の補助機構のうちの予め定められた3つを作動させるようにしても勿論良い。また、上述した実施形態では、車両と歩行者との距離を2種類の閾値で区分けする場合について説明したが、3種類以上の閾値で区分けするとしても勿論良い。要は、歩行者との距離が近いほど多数の補助機構を作動させる態様であれば良い。
また、歩行者との距離が第1の閾値以下であり、かつ、第2の閾値を上回っている状況下で全ての補助機構が作動している場合には、それら補助機構の幾つかを一時的に停止させるような制御を行わせるようにしても良い。
(2)上述した実施形態では、歩行者探知部110により探知された歩行者との距離に応じて補助機構のうちの1または複数を作動させ、その作動音によって上記歩行者に車両の接近を認知させる場合について説明した。しかしながら、車両の走行速度の増減の度合いを特定し、増減の度合いが大きいほど多数の補助機構を作動させて、その旨を周囲の人々に認知させるようにしても良い。
図6は、車両が加速中であるのか、それとも、減速中であるのかに応じて補助機構のうちの1または複数を作動させ、その旨を周囲の歩行者に認知させることを可能にする報知装置30の構成例を示すブロック図である。図6と図1とを比較すれば明らかなように、報知装置30は、歩行者探知部110に換えて車両情報取得部310を設けた点のみが報知装置10と異なっている。この車両情報取得部310は、車両の走行速度の増減を指示するためのアクセルペダルに対する踏み込み量(すなわち、アクセル開度)を検出するアクセル開度センサであり、その検出結果を示すデータを制御部120へ引き渡す。
そして、報知装置30の制御部120は、走行速度の増減の度合いが第1の閾値以上であり、かつ、該第1の閾値よりも大きい第2の閾値未満である場合には、複数の補助機構のうちの予め定められた1つを作動させ、その度合いが第2の閾値を上回っている場合には、上記複数の補助機構のうちの予め定められた2つを作動させる。このように、アクセル開度が大きいほど、作動させる補助機構の数を増やすことにより、車両が加速中であるのか、それとも、減速中であるのかを周囲の人に把握させるための指標となる音を提供することが可能になる。なお、本変形例では、車両が増速中であるのか、それとも、減速中であるのかを表す車両情報を取得するための車両情報取得部310をアクセル開度センサで構成する場合について説明したが、電動機の回転数を計測する回転数センサで構成するとしても良く、また、車両の走行速度を計測する車速センサで構成するとしても勿論良い。
そして、報知装置30の制御部120は、走行速度の増減の度合いが第1の閾値以上であり、かつ、該第1の閾値よりも大きい第2の閾値未満である場合には、複数の補助機構のうちの予め定められた1つを作動させ、その度合いが第2の閾値を上回っている場合には、上記複数の補助機構のうちの予め定められた2つを作動させる。このように、アクセル開度が大きいほど、作動させる補助機構の数を増やすことにより、車両が加速中であるのか、それとも、減速中であるのかを周囲の人に把握させるための指標となる音を提供することが可能になる。なお、本変形例では、車両が増速中であるのか、それとも、減速中であるのかを表す車両情報を取得するための車両情報取得部310をアクセル開度センサで構成する場合について説明したが、電動機の回転数を計測する回転数センサで構成するとしても良く、また、車両の走行速度を計測する車速センサで構成するとしても勿論良い。
(3)上述した実施形態では、燃料電池自動車に本発明に係る報知装置を搭載する場合について説明したが、係る報知装置の提供対象は、燃料電池自動車に限定されるものではなく、電気自動車やハイブリッド車などであっても良い。これら電気自動車やハイブリッド車も電動機を用いて自走することに関しては燃料電池自動車と何ら変わるところはなく、その走行音が静かなために前述した各種問題を生じさせることは同一だからである。
また、上述した実施形態では、車両の存在または接近を報知するための報知手段として、冷却システム、空調システムおよび燃料電池システムを用いる場合について説明したが、例えば、ハイブリッド車や電気自動車は、燃料電池システムを備えているとは限らないから、本発明に係る報知装置が搭載される車両が有する補助機構を上記報知手段として適宜用いるようにすれば良い。
また、上述した実施形態では、車両の存在または接近を報知するための報知手段として、冷却システム、空調システムおよび燃料電池システムを用いる場合について説明したが、例えば、ハイブリッド車や電気自動車は、燃料電池システムを備えているとは限らないから、本発明に係る報知装置が搭載される車両が有する補助機構を上記報知手段として適宜用いるようにすれば良い。
(4)上述した実施形態では、歩行者探知部110により探知された歩行者との距離に応じた個数の補助機構を作動させることによって、その歩行者に車両の存在および接近を報知する場合について説明した。しかしながら、歩行者探知部110により探知された歩行者との距離に応じた作動量(例えば、距離が近いほど大きい作動量)で各補助機構を作動させることによって、その歩行者に車両の存在および接近を報知するようにしても良く、また、車両の走行速度またはその増減の度合いに応じた作動量(すなわち、走行速度または走行速度の増減の度合いが高いほど大きい作動量)で各補助機構を作動させるようにしても良い。
例えば、ラジエータファンを車両の走行速度に応じた回転数で作動させ、その作動音によってその車両の走行速度を周囲の人へ報知する態様においては、ラジエータファンの回転数Rを車両の走行速度Vに正比例させる(すなわち、R=a×V:aは、正の定数)ようにすれば良い。なお、車両の走行速度が所定の上限速度(例えば、40キロメートル毎時)を上回っている場合は、ラジエータファンの回転数をその上限速度に応じた値で頭打ちになるようにしても良く、また、車両の走行速度が所定の下限速度(例えば、5キロメートル毎時)を下回っている場合は、ラジエータファンの回転数がその下限速度に応じた値で底を打つようにしても良い。特に、ラジエータファンの回転数がその下限速度に応じた値で底を打つ態様にあっては、車両が停止している(すなわち、走行速度が「0」)場合であっても、ラジエータファンが上記下限速度に応じた回転数で作動しているため、周囲の人にその車両の存在をアピールすることが可能になる。
例えば、ラジエータファンを車両の走行速度に応じた回転数で作動させ、その作動音によってその車両の走行速度を周囲の人へ報知する態様においては、ラジエータファンの回転数Rを車両の走行速度Vに正比例させる(すなわち、R=a×V:aは、正の定数)ようにすれば良い。なお、車両の走行速度が所定の上限速度(例えば、40キロメートル毎時)を上回っている場合は、ラジエータファンの回転数をその上限速度に応じた値で頭打ちになるようにしても良く、また、車両の走行速度が所定の下限速度(例えば、5キロメートル毎時)を下回っている場合は、ラジエータファンの回転数がその下限速度に応じた値で底を打つようにしても良い。特に、ラジエータファンの回転数がその下限速度に応じた値で底を打つ態様にあっては、車両が停止している(すなわち、走行速度が「0」)場合であっても、ラジエータファンが上記下限速度に応じた回転数で作動しているため、周囲の人にその車両の存在をアピールすることが可能になる。
1…車両、10,30…報知装置、110…歩行者探知部,120…制御部、130…操作パネル、20…補助機構、210…冷却システム、220…空調システム、230…燃料電池システム。
Claims (3)
- 電動機を動力源として自走する車両に搭載され、前記車両の周囲に居る人との距離を計測する計測手段と、
前記電動機の駆動電力の発電を行う燃料電池部、前記電動機を冷却するための冷却部、および前記車両の乗車スペースの空調を行う空調部を少なくとも含む補助機構の駆動制御を行う制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記計測手段により計測された距離が近いほど多数の前記補助機構を作動させる
ことを特徴とする報知装置。 - 電動機を動力源として自走する車両の走行速度、前記電動機の回転数、前記走行速度の増減を指示するための操作ペダルの踏み込み量であるアクセル開度の少なくとも1つを表す車両情報を前記電動機の駆動制御を行う駆動制御部から取得する車両情報取得手段と、
前記電動機の駆動電力の発電を行う燃料電池部、前記電動機を冷却するための冷却部、および前記車両の乗車スペースの空調を行う空調部を少なくとも含む補助機構の駆動制御を行う制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記車両情報から前記車両の走行速度または走行速度の増減の度合いを特定し、特定された値が高いほど多数の補助機構を作動させる
ことを特徴とする報知装置。 - 電動機を動力源として自走する車両の走行速度、前記電動機の回転数、前記走行速度の増減を指示するための操作ペダルの踏み込み量であるアクセル開度の少なくとも1つを表す車両情報を前記電動機の駆動制御を行う駆動制御部から取得する車両情報取得手段と、
前記電動機の駆動電力の発電を行う燃料電池部、前記電動機を冷却するための冷却部、および前記車両の乗車スペースの空調を行う空調部を少なくとも含む補助機構の駆動制御を行う制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記車両情報から前記車両の走行速度または走行速度の増減の度合いを特定し、特定された値が高いほど作動量を大きくして前記補助機構を作動させる
ことを特徴とする報知装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006293683A JP2008110635A (ja) | 2006-10-30 | 2006-10-30 | 報知装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006293683A JP2008110635A (ja) | 2006-10-30 | 2006-10-30 | 報知装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008110635A true JP2008110635A (ja) | 2008-05-15 |
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ID=39443411
Family Applications (1)
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JP2006293683A Withdrawn JP2008110635A (ja) | 2006-10-30 | 2006-10-30 | 報知装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2008110635A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2233373A1 (en) | 2009-03-26 | 2010-09-29 | Yamaha Corporation | automobile equipped with speaker unit |
-
2006
- 2006-10-30 JP JP2006293683A patent/JP2008110635A/ja not_active Withdrawn
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