JP2008101027A - 経皮吸収型製剤 - Google Patents

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Takamitsu Muraoka
崇光 村岡
Hitoshi Akemi
仁 明見
Keigo Inosaka
敬悟 井ノ阪
Hiroko Kawaguchi
博子 川口
Saburo Otsuka
三郎 大塚
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Abstract

【解決手段】 官能性単量体を必須成分とし、重合開始剤として有機過酸化物系化合物を用いたアクリル系共重合体粘着剤中に、2−メルカプトベンズイミダゾールおよび/または没食子酸プロピルと、ベラパミルなどの経皮吸収性薬物とを含有させる。この薬物含有粘着層を支持体の少なくとも片面に形成して経皮吸収型製剤を得る。
【効果】 経皮吸収性薬物をアクリル系共重合体粘着剤中に配合した際に生じる着色現象を防止する。したがって、経皮吸収性薬物とアクリル系共重合体粘着剤中の各種微量成分との相互作用などによる着色現象または保存期間中での着色増強現象を抑制し、製剤の外観上認容しうる安定した経皮吸収型製剤となる。
【選択図】なし

Description

本発明は、経皮吸収型製剤に関し、詳しくは経皮吸収性薬物を含有する製剤の着色を抑制した経皮吸収型製剤に関する。
近年、薬物を皮膚面を通して生体内へ投与するための経皮吸収型製剤として、パップ剤やテープ剤などの皮膚面貼付型の外用剤が種々開発されており、これらの中で特に全身性の薬理作用を発揮する薬物を含有したテープ剤が注目されている。例えば、ニトログリセリンや硝酸イソソルビド、各種ステロイド薬、非ステロイド薬、麻酔薬、抗高血圧薬などを有効成分として粘着剤中に含有させたテープ状の経皮吸収型製剤が提案、開発され、一部は上市に至っている。これらの経皮吸収型製剤はアクリル系や合成ゴム系の粘着剤に各種経皮吸収性薬物を混合したものであって、皮膚面に貼付するだけで薬物が皮膚面を通して持続的に体内に吸収され、優れた薬理作用を発揮するものである。
しかしながら、これらの製剤は、経皮吸収性薬物を粘着剤中に混合しているため、粘着剤中の各種微量成分と薬物との相互作用などにより生じた分解生成物によって、経皮吸収型製剤が着色を起こし、また製剤の保存期間中にその着色が増強される傾向がある。そこで、薬物と粘着剤中成分との反応による分解物の生成を防ぐため、該分解物の構造を明らかにして、分解抑制剤(抗酸化剤、安定化剤)などを添加する方法などが実施されている。しかし、超微量の分解生成物が生じても、認容限界を越える着色を引き起こし、この点において未だ十分な製剤は得られていない。
本発明の目的は、経皮吸収性薬物を粘着剤中に配合した際に生じる着色を抑制した経皮吸収型製剤を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、経皮吸収性薬物を含み、官能性単量体を必須成分とし、かつ重合開始剤として有機過酸化物系化合物を用いて合成されたアクリル系共重合体粘着剤中に、2−メルカプトベンズイミダゾールおよび/または没食子酸プロピルを含有させることにより、経皮吸収性薬物と該粘着剤層中の各種微量成分との相互作用などによる着色現象または保存期間中での着色増強現象が抑制され、安定な経皮吸収型製剤が得られることを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、官能性単量体を必須成分とし、かつ重合開始剤として有機過酸化物系化合物を用いて合成されたアクリル系共重合体粘着剤と、経皮吸収性薬物と、2−メルカプトベンズイミダゾールおよび/または没食子酸プロピルとを含有してなる粘着剤層が、支持体の少なくとも片面に形成されてなる経皮吸収型製剤である。
本発明の経皮吸収型製剤は、官能性単量体を必須成分とし、かつ重合開始剤として有機過酸化物系化合物を用いて合成されたアクリル系共重合体粘着剤と、経皮吸収性薬物と、2−メルカプトベンズイミダゾールおよび/または没食子酸プロピルとを含有してなる粘着剤層が支持体の少なくとも片面に形成されてなるものであって、経皮吸収性薬物をアクリル系共重合体粘着剤中に配合した際に生じる着色現象を防止する。したがって、本発明の製剤は、経皮吸収性薬物とアクリル系共重合体粘着剤中の各種微量成分との相互作用などによる着色現象または保存期間中での着色増強現象を抑制し、製剤の外観上認容しうる安定した経皮吸収型製剤となる。
本発明の経皮吸収型製剤は、支持体の少なくとも片面に、粘着剤層が形成されてなり、該粘着剤層は、経皮吸収性薬物と、2−メルカプトベンズイミダゾールおよび/または没食子酸プロピルと、アクリル系共重合体粘着剤とを含有する。アクリル系共重合体粘着剤は、官能性単量体を必須成分とし、重合開始剤として有機過酸化物系化合物を用いて調製される。以下、本発明の経皮吸収型製剤の構成要素について説明する。
(1)支持体
本発明の経皮吸収型製剤に用いる支持体は、特に限定されないが、粘着剤層に含有される経皮吸収性薬物、2−メルカプトベンズイミダゾールおよび/または没食子酸プロピル、その他可塑剤、吸収促進剤などの添加剤が支持体中を通って背面から失われて含量低下を起こさないもの、即ちこれらの成分が透過しない材質からなるものが好ましい。
具体的にはポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ナイロンなどのポリアミド、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、可塑化ポリ塩化ビニル、可塑化酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸セルロース、エチルセルロース、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリウレタン、アイオノマー樹脂、アルミニウム箔などの金属箔などの単独フィルムまたはこれらのラミネートフィルムなどが挙げられる。該支持体の厚みは、経皮吸収型製剤のソフト感を損なわない程度の厚み、通常1〜25μm、好ましくは1〜15μm程度である。
該支持体は、支持体と粘着剤層との間の投錨性(接着性)を向上させるため、特に可塑剤、吸収促進剤などの添加剤を含有した経皮吸収型製剤において、前記支持体に多孔性フィルムをラミネートした構成とし、多孔性フィルム側に粘着剤層を形成させることが好ましい。
この多孔性フィルムとしては、具体的には紙、織布、不織布、機械的に穿孔処理したフィルムやシートなどが挙げられる。多孔性フィルムの厚みは、投錨性の向上や経皮吸収型製剤全体の柔軟性を考慮すると10〜500μm、またプラスタータイプや粘着テープタイプのような薄手の製剤の場合は、10〜200μmの範囲が好ましい。多孔性フィルムとして織布や不織布を用いる場合、粘着剤層の目付量を5〜30g/m、好ましくは8〜20g/mとすることが投錨性の向上の点から好ましい。また、経皮吸収型製剤の薬物放出性を制御するために、前記支持体を比較的通気性のあるものにすることも可能である。
(2)アクリル系共重合体粘着剤
本発明において用いるアクリル系共重合体粘着剤は、皮膚面に経皮吸収型製剤を密着固定して、含有する経皮吸収性薬物を皮膚面に放出する機能を有するものである。このような粘着剤としては、経皮吸収性薬物の安定性、放出性さらには粘着剤を架橋処理する際の反応性などの点から、官能性単量体を必須成分とし、かつ重合開始剤として有機過酸化物系化合物を用いて合成されたアクリル系共重合体粘着剤を用いることが好ましい。官能性単量体は、薬物放出性や架橋処理時の反応性の点で有利であり、アクリル系共重合体粘着剤は、重合反応にて調製されるので、特性の安定、修飾容易性などの点で有利である。
アクリル系共重合体粘着剤は、通常のアクリル系粘着剤に用いられる(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分単量体として、これに官能性単量体を共重合させることによって得ることができる。
i)主成分単量体
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、具体的にはアルキル基がブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシルなどの炭素数4〜13の直鎖アルキル基や分岐アルキル基などを有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを用いることができ、これらは一種もしくは二種以上用いることができる。
また、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、上記例示のものに限定されるものではなく、本発明の特性を変化させない範囲であれば、炭素数1〜3のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルや炭素数14以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを併用してもよい。
ii)官能性単量体
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合することができる官能性単量体としては、共重合反応に関与する不飽和二重結合を分子内に少なくとも一個有すると共に、官能基を側鎖に有するものが使用できる。かかる官能性単量体としては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸などのカルボキシル基含有単量体、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピルエステルなどのヒドロキシル基含有単量体、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸などのスルホキシル基含有単量体、(メタ)アクリル酸アミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸tert−ブチルアミノエチルエステルなどのアミノ基含有単量体、(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチロールプロパン(メタ)アクリルアミドなどのアミド基含有単量体、(メタ)アクリル酸メトキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸エトキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸メトキシエチレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸メトキシジエチレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸メトキシポリプロピレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステルなどのアルコキシル基含有単量体が挙げられる。
これら以外に共重合できる単量体としては、例えば(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、N−ビニル−2−ピロリドン、メチルビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルピペリドン、ビニルピリミジン、ビニルピペラジン、ビニルピラジン、ビニルピロール、ビニルイミダゾール、ビニルカプロラクタム、ビニルオキサゾール、ビニルモルホリンなどが挙げられる。
これらの単量体は一種もしくは二種以上共重合することができるが、粘着特性としての接着性や凝集性、粘着剤層中に含有する経皮吸収性薬物の放出性、粘着剤を架橋処理する際の反応性などの点から、カルボキシル基含有単量体やヒドロキシル基含有単量体の少なくとも一種を必須成分とし、必要に応じて上記にて例示の他の単量体を共重合することが特に好ましいものである。上記官能性単量体の共重合量は目的に応じて全単量体量中、2〜40重量%、好ましくは3〜35重量%の範囲となるように任意に設定することができる。
iii)重合開始剤
本発明において用いる上記アクリル系共重合体粘着剤を重合する際の重合開始剤としては、重合反応の容易さや、得られるアクリル系共重合体粘着剤の物性などの点から、有機過酸化物系化合物を用いることが好ましい。この有機過酸化物系化合物としては、具体的にはベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、ケトンパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイドなどが挙げられる。これら重合開始剤の配合量は、重合に供する全単量体100重量部に対して、0.01〜2重量部、好ましくは0.05〜2重量部の範囲となるように任意に設定することができる。
iv)重合
本発明において用いるアクリル系共重合体粘着剤は、上記主成分単量体および官能性単量体を用い、前記重合開始剤の存在下、自体既知の方法で合成することにより得ることができる。例えば、溶液重合法、乳化重合法、塊状重合法や懸濁重合法などの重合方法を採用することができる。また、当該粘着剤は必要に応じて、自体既知の方法により架橋処理を施されていてもよい。また、当該粘着剤は必要に応じて、自体既知の方法により架橋処理を施されていてもよい。
(3)経皮吸収性薬物
本発明の経皮吸収型製剤では、上記アクリル系共重合体粘着剤に経皮吸収性薬物〔但し、6−アミノ−5−クロロ−1−イソプロピル−2−(4−メチル−1−ピペラジニル)ベンズイミダゾールおよびその薬理学的に許容される塩を除く〕を溶解状態もしくは分散状態にて含有させることによって、各種疾患の治療および/または予防を目的とした貼付剤とすることができる。
含有させる薬物は、経皮吸収性の薬物であれば特に制限されないが、例えば分子量400以下、融点300℃以下、水への溶解度4mg/ml以下の脂溶性薬物が挙げられる。該経皮吸収性薬物は、コルチコステロイド類、鎮痛消炎剤、催眠鎮静剤、精神安定剤、抗高血圧剤、降圧利尿剤、抗生物質、麻酔剤、抗菌剤、抗真菌剤、ビタミン剤、冠血管拡張剤、抗ヒスタミン剤、鎮咳剤、性ホルモン、抗鬱剤、脳循環改善剤、制吐剤、抗腫瘍剤、生体医薬などの種類の薬物である。
具体的には、カルボン酸誘導体、アミノ酸誘導体、アミン誘導体、アミド酸誘導体、ステロイド誘導体、アルコール誘導体、芳香族アミン誘導体、ナフタレン誘導体、酸素原子,硫黄原子および窒素原子から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含有する複素環誘導体などが挙げられる。好ましくは、酸素原子,硫黄原子および窒素原子から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含有する複素環誘導体である。
より具体的には、アゼラスチン、ベラパミル、メトプロロール、バルプロ酸ナトリウム、L−メチオニン、メプロバメート、エストラジオール、プロプラノロール、ピロカルピン、インドメタシン、ピンドロール、ニフェジピン、イフェンプロジル、ジアゼパム、クレミゾール、アロプリノールなどが挙げられる。これらの薬物は必要に応じて2種類以上併用することもできる。
これらの薬物の含有量は、薬物種や投与目的に応じて適宜設定することができるが、通常、アクリル系共重合体粘着剤中に1〜40重量%、好ましくは2〜30重量%程度含有させる。含有量が1重量%に満たない場合は、治療や予防に有効な量の薬物放出が期待できず、また、40重量%を越えると、治療や予防効果に限界が生じると共に経済的に不利である。
(4)2−メルカプトベンズイミダゾールおよび没食子酸プロピル
本発明の経皮吸収型製剤における粘着剤層中に上記経皮吸収性薬物と共に含有される2−メルカプトベンズイミダゾールおよび没食子酸プロピルは、経皮吸収性薬物との相互作用などにより着色現象を引き起こす上記アクリル系共重合体粘着剤中の微量成分に作用し、経皮吸収性薬物と粘着剤中の微量成分との反応を阻害する作用を呈する。本発明においては、経皮吸収性薬物と、上記アクリル系共重合体粘着剤中の微量成分との反応を阻害させることによって、経皮吸収性薬物を粘着剤中に配合した際に生じる着色現象または保存期間中での着色増強現象を抑制することができるのである。
このような作用を発揮するには、これら2−メルカプトベンズイミダゾールおよび没食子酸プロピルの含有量は、粘着剤種や薬物種さらには着色の強弱に応じて適宜設定することができるが、通常、総量として粘着剤中に0.01〜5重量%、好ましくは0.02〜3重量%、さらに好ましくは0.03〜2重量%程度の範囲に含有させることができ、これらは単独または併用して粘着剤中に配合することができる。
これら2−メルカプトベンズイミダゾールおよび没食子酸プロピルの含有量が少なすぎると充分な阻害作用を発揮できなくなり、着色現象の抑制効果はあまり望めなくなる。一方、これら2−メルカプトベンズイミダゾールおよび没食子酸プロピルの含有量が多すぎると、架橋剤など粘着剤中の他成分や経皮吸収性薬物との相互作用が起こる可能性があり、さらに別の反応生成物が生じて再び製剤の安定性を低下させる傾向を示す。
次に、本発明の経皮吸収型製剤の製造例を示す。本発明の経皮吸収型製剤は、上記アクリル系共重合体粘着剤、2−メルカプトベンズイミダゾールおよび/または没食子酸プロピル、経皮吸収性薬物の順で溶媒に溶解または分散させ、要すれば既知の粘着付与剤、可塑剤、吸収促進剤、界面活性剤、充填剤などを適宜添加し、得られた溶液または分散液を支持体の少なくとも片面に塗布し、乾燥して、通常、厚み10〜200μm、好ましくは15〜150μmの粘着剤層を支持体の少なくとも片面に形成させて製造することができる。
また、上記の溶液または分散液を保護用の剥離シート上に塗布し、乾燥し、剥離シート上に通常、厚み10〜200μm、好ましくは15〜150μmの粘着剤層を形成させ、そののちに支持体を粘着剤層に密着させて製造することもできる。
本発明の経皮吸収型製剤は製造、運搬または保存中に粘着剤層が徒に器具、容器などに接着することを防止するために、また製剤の劣化を防止するために、通常、その表面に剥離シートを積層しておく。そして、使用時にこれを剥離して、粘着剤層の面を露出させ、皮膚に貼付して投与する。剥離シートとしては、使用時に粘着剤層から容易に剥離されることが必要であるために、通常、粘着剤層との接触面にシリコーン処理が施されたポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレートなどのフィルム、または上質紙もしくはグラシン紙とポリオレフィンとのラミネートフィルムなどが用いられる。剥離シートの厚みは1000μm以下、好ましくは30〜200μmである。
本発明の経皮吸収型製剤の投与量は、使用する経皮吸収性薬物の種類、患者の年齢、体重、症状などにより異なるが、通常、成人に対して一回当たり経皮吸収性薬物1〜500mgを含有した当該製剤を、皮膚1〜100cmに1日に1回〜7日に1回程度貼付する。
以下、実施例、比較例および実験例をもって本発明を詳細に述べるが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。なお、以下の記載において、部および%はそれぞれ重量部および重量%を意味する。
〔粘着剤溶液Aの調製〕
不活性ガス雰囲気下でフラスコ内にアクリル酸2−エチルヘキシルエステル90部、アクリル酸2−ヒドロキシエチルエステル10部を仕込み、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド0.2部を添加し重合を開始させた。攪拌速度と外浴温度の調節、および酢酸エチルの滴下によって内浴温度を58〜62℃に制御し、重合反応を行い、粘着剤溶液Aを調製した。
〔粘着剤溶液Bの調製〕
不活性ガス雰囲気下でフラスコ内にアクリル酸2−エチルヘキシルエステル95部、アクリル酸5部を仕込み、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド0.2部を添加し重合を開始させた。攪拌速度と外浴温度の調節、および酢酸エチルの滴下によって内浴温度を58〜62℃に制御し、重合反応を行い、粘着剤溶液Bを調製した。
〔粘着剤溶液Cの調製〕
不活性ガス雰囲気下でフラスコ内にアクリル酸2−エチルヘキシルエステル70部、アクリル酸ブチル20部、アクリル酸10部を仕込み、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド0.2部を添加し重合を開始させた。攪拌速度と外浴温度の調節、および酢酸エチルの滴下によって内浴温度を58〜62℃に制御し、重合反応を行い、粘着剤溶液Cを調製した。
〔粘着剤溶液Dの調製〕
不活性ガス雰囲気下でフラスコ内にアクリル酸2−エチルヘキシルエステル70部、N−ビニル−2−ピロリドン25部、アクリル酸5部を仕込み、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド0.2部を添加し重合を開始させた。攪拌速度と外浴温度の調節、および酢酸エチルの滴下によって内浴温度を58〜62℃に制御し、重合反応を行い、粘着剤溶液Dを調製した。
〔粘着剤溶液Eの調製〕
不活性ガス雰囲気下でフラスコ内にアクリル酸2−エチルヘキシルエステル60部、アクリル酸2−ヒドロキシエチルエステル10部、酢酸ビニル30部を仕込み、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド0.2部を添加し重合を開始させた。攪拌速度と外浴温度の調節、および酢酸エチルの滴下によって内浴温度を58〜62℃に制御し、重合反応を行い、粘着剤溶液Eを調製した。
〔粘着剤溶液Fの調製〕
不活性ガス雰囲気下でフラスコ内にアクリル酸2−エチルヘキシルエステル85部、アクリル酸2−ヒドロキシエチルエステル15部を仕込み、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド0.2部を添加し重合を開始させた。攪拌速度と外浴温度の調節、および酢酸エチルの滴下によって内浴温度を58〜62℃に制御し、重合反応を行い、粘着剤溶液Fを調製した。
〔粘着剤溶液Gの調製〕
不活性ガス雰囲気下でフラスコ内にアクリル酸2−エチルヘキシルエステル70部、N−ビニル−2−ピロリドン23部、アクリル酸7部を仕込み、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド0.2部を添加し重合を開始させた。攪拌速度と外浴温度の調節、および酢酸エチルの滴下によって内浴温度を58〜62℃に制御し、重合反応を行い、粘着剤溶液Gを調製した。
〔粘着剤溶液Hの調製〕
不活性ガス雰囲気下でフラスコ内にアクリル酸2−エチルヘキシルエステル97部、アクリル酸3部を仕込み、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド0.2部を添加し重合を開始させた。攪拌速度と外浴温度の調節、および酢酸エチルの滴下によって内浴温度を58〜62℃に制御し、重合反応を行い、粘着剤溶液Hを調製した。
〔粘着剤溶液Jの調製〕
不活性ガス雰囲気下でフラスコ内にアクリル酸2−エチルヘキシルエステル98部、アクリル酸2部を仕込み、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.3部を添加し重合を開始させた。攪拌速度と外浴温度の調節、および酢酸エチルの滴下によって内浴温度を58〜62℃に制御し、重合反応を行い、粘着剤溶液Jを調製した。
〔粘着剤溶液Kの調製〕
不活性ガス雰囲気下でフラスコ内にアクリル酸2−エチルヘキシルエステル75部、アクリル酸ブチル23部、アクリル酸2部を仕込み、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.3部を添加し重合を開始させた。攪拌速度と外浴温度の調節、および酢酸エチルの滴下によって内浴温度を58〜62℃に制御し、重合反応を行い、粘着剤溶液Kを調製した。
〔粘着剤溶液Lの調製〕
不活性ガス雰囲気下でフラスコ内にアクリル酸2−エチルヘキシルエステル80部、N−ビニル−2−ピロリドン19部、アクリル酸1部を仕込み、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.3部を添加し重合を開始させた。攪拌速度と外浴温度の調節、および酢酸エチルの滴下によって内浴温度を58〜62℃に制御し、重合反応を行い、粘着剤溶液Lを調製した。
〔実験例〕
表1に示す配合割合に従って各種の薬物を含有する粘着剤溶液を調製し、得られた溶液をポリエステル製セパレーター(75μm厚)上に乾燥後の厚みが約60μmとなるように塗布、乾燥して粘着剤層を形成した。
次いで、この粘着剤層をポリエステル製フィルム(12μm厚)に貼り合わせて、実施例品および比較例品を作製した。なお、表中、2−MBIは2−メルカプトベンズイミダゾールを、PGaは没食子酸プロピルを、IPMはミリスチン酸イソプロピルを示す。また、含量は乾燥後の粘着剤層中の含量として表す。
Figure 2008101027
上記の各実施例および比較例にて作製した経皮吸収型製剤について、各製剤の着色度を以下に示す方法で試験を行った。
〔製剤着色度試験〕
各経皮吸収型製剤について、製剤作製直後および50℃密閉状態にて2ヶ月間保存後での製剤の着色度を検討した。各製剤を適当な大きさに打ち抜き、色彩色差計CR−200(ミノルタ社製)を用いて、各製剤の着色度Δbを測定した。また、各製剤について、経皮吸収性薬物、2−メルカプトベンズイミダゾールおよび没食子酸プロピルを全く含んでいないテープの着色度Δbを測定し、これをブランク値として各製剤の着色度Δbから差し引いて製剤着色度(Δb−Δb)を算出した。さらに、50℃密閉状態にて2ヶ月間保存後の製剤着色度から、製剤作製直後の製剤着色度を差し引いて着色増強度とした。
〔製剤中の薬物含量安定性試験〕
各経皮吸収型製剤について、50℃密閉状態にて2ヶ月間保存後での各製剤中の薬物含量の安定性を検討した。各製剤を適当な大きさに打ち抜き、有機溶剤にて振盪抽出し、抽出溶液中の薬物量を高速液体クロマトグラフイーにて測定した。これらの結果を表2に示す。
Figure 2008101027

Claims (1)

  1. 官能性単量体を必須成分とし、かつ重合開始剤として有機過酸化物系化合物を用いて合成されたアクリル系共重合体粘着剤と、経皮吸収性薬物〔但し、6−アミノ−5−クロロ−1−イソプロピル−2−(4−メチル−1−ピペラジニル)ベンズイミダゾールおよびその薬理学的に許容される塩を除く〕と、2−メルカプトベンズイミダゾールおよび/または没食子酸プロピルとを含有してなる粘着剤層が、支持体の少なくとも片面に形成されてなる経皮吸収型製剤。
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