JP2008099494A - 誘導発電機の単独運転検出方式 - Google Patents
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Abstract
【課題】誘導発電機を用いて電力系統に接続されている負荷に電力を供する分散型電源で、誘導発電機等が電力系統から切り離されたことを簡単,確実に検出できるようにする。
【解決手段】電力系統1と誘導発電機19との間に並列に設けられた無効電力補償装置13により、誘導発電機19の無効電力を完全に補償するのではなく、若干過補償または不足補償とすることにより、単独運転状態となったときは、誘導発電機19の電圧が過電圧または不足電圧となるので、これを利用して、単独運転状態を検出できるようにする。
【選択図】図1
【解決手段】電力系統1と誘導発電機19との間に並列に設けられた無効電力補償装置13により、誘導発電機19の無効電力を完全に補償するのではなく、若干過補償または不足補償とすることにより、単独運転状態となったときは、誘導発電機19の電圧が過電圧または不足電圧となるので、これを利用して、単独運転状態を検出できるようにする。
【選択図】図1
Description
この発明は、風力や火力またはエンジン等により誘導発電機を駆動することで、電力系統に電力を供給する分散型電源において、誘導発電機の出力側が電力系統から切り離されたことを検出し、必要な保護動作を行なわせるようにした誘導発電機の単独運転検出方式に関する。
分散型電源を電力系統と連系運転させる場合には、分散型電源からの供給電力と負荷電力とがバランスした状態で、電力系統と切り離された状態、つまり単独運転状態となった場合に、これを速やかに検出し分散型電源を停止させる必要がある。これは、本来無電圧であるべき系統が充電され、作業員の感電などの危険を回避するためである。
図6は、このような単独運転検出方法の一例を示すブロック図で、例えば特許文献1に開示されている。
図6では、電力系統1に変圧器2,遮断器3および4を介して、同期発電機5が接続されている。同期発電機5の回転速度は調速機7およびタービン6で制御され、電力系統1と同一の周波数に保たれている。また、同期発電機5の電圧値は、図示されない電圧調節器(AVR)によって制御されている。このAVRの制御は一般的なので、その詳細は省略する。
図6では、電力系統1に変圧器2,遮断器3および4を介して、同期発電機5が接続されている。同期発電機5の回転速度は調速機7およびタービン6で制御され、電力系統1と同一の周波数に保たれている。また、同期発電機5の電圧値は、図示されない電圧調節器(AVR)によって制御されている。このAVRの制御は一般的なので、その詳細は省略する。
また、同期発電機5の出力側は、遮断器4を介して負荷8および無効電力補償装置13が接続されている。無効電力補償装置13は、設定器15で設定した無効電力設定値Q*と、周波数変化率演算器9および関数発生器10で演算された無効電力設定補正値を加算した値を指令とし、無効電力演算器11で演算される無効電力がその指令値通りになるような出力を、無効電力調節器12で求めて無効電力補償装置13に対して出力する。
ここで、同期発電機5の出力と負荷8の電力がバランスしている状態で遮断器3が解列すると、単独運転状態となる。単独運転状態となり、同期発電機5の周波数が変化し始めると、その変化率を周波数変化率演算器9で演算し、さらに周波数を変化させるように、関数発生器10によって無効電力設定補正値が演算され、多くの無効電力が出力されることになる。その結果、周波数の変化が大きくなっていき、周波数異常を検出する継電器等で同期発電機5を停止させることになる。
図6において、同期発電機の単独運転を検出するためには、同期発電機の出力電圧周波数を使って、無効電力補償装置の無効電力設定補正値を変えることから、この周波数を演算するために精度の高い周波数演算器が必要となるだけでなく、単独運転状態になった時に、同期発電機の周波数が変わらなかった場合には、負荷とバランスした状態を保ち続けることになり、単独運転状態を検出できないという問題が発生する。
したがって、この発明の課題は、単独運転状態を簡単,確実に検出できるようにすることにある。
したがって、この発明の課題は、単独運転状態を簡単,確実に検出できるようにすることにある。
このような課題を解決するため、請求項1の発明では、電力系統に接続されている負荷に電力を供給する誘導発電機の無効電力を検出する検出手段と、誘導発電機の無効電力を補償する無効電力補償装置とを備え、前記検出手段にて検出した無効電力よりも不足または過剰の無効電力を、前記無効電力補償装置を介して出力することにより、誘導発電機の力率を改善するとともに、誘導発電機と無効電力補償装置の出力側が電力系統から解列されたことを検出することを特徴とする。
この請求項1の発明においては、前記検出手段から出力される無効電力の不足量または過剰量を、時間とともに変化させることができる(請求項2の発明)。
この請求項1の発明においては、前記検出手段から出力される無効電力の不足量または過剰量を、時間とともに変化させることができる(請求項2の発明)。
この発明によれば、無効電力補償装置により誘導発電機からの無効電力を完全に補償するのではなく、若干過補償または不足補償にしておくことで、単独運転状態となったとき誘導発電機の電圧が過電圧または不足電圧となるので、このことを利用することで簡単,確実に単独運転状態を検出することが可能となる。
図1はこの発明の実施の形態を示すブロック図である。図示のように、図6に示す従来例に対し、無効電力演算器17およびゲイン要素18を設けるとともに、発電機を同期発電機から誘導発電機19に変更した点が特徴で、その他は図6と同様である。以下、相違点について主として説明する。
誘導発電機19は、電圧を調整するAVRは持たず、電力系統1から励磁電流が供給されることで、電圧が確立し発電を行なうようになっている。この励磁電流は無効分であるため、誘導発電機19は力率が悪く、電力系統1の電圧低下が引き起こされることがある。このため、無効電力補償装置13は、誘導発電機19の無効電力と同一の無効電力を出力することで、誘導発電機19の力率を上げ、電圧低下が発生しないように制御するのが一般的である。
誘導発電機19は、電圧を調整するAVRは持たず、電力系統1から励磁電流が供給されることで、電圧が確立し発電を行なうようになっている。この励磁電流は無効分であるため、誘導発電機19は力率が悪く、電力系統1の電圧低下が引き起こされることがある。このため、無効電力補償装置13は、誘導発電機19の無効電力と同一の無効電力を出力することで、誘導発電機19の力率を上げ、電圧低下が発生しないように制御するのが一般的である。
無効電力補償装置13は、誘導発電機19の無効電力を補償するため、無効電力演算器17では誘導発電機19の無効電力を、系統電圧と検出器16より得られる電流とから演算し、これにゲイン要素18からのゲインを乗じた結果を無効電力指令値とする一方、無効電力演算器11で演算される無効電力検出値をその無効電力指令値に一致させるように調節演算をする無効電力調節器12を介して、無効電力補償装置13の制御を行なう。なお、ゲインを100%に設定しておけば、誘導発電機19の無効電力が完全に補償されることになる。
ここで、誘導発電機19の出力と負荷8の電力がバランスしている状態で遮断器3が解列すると、単独運転状態となる。単独運転状態になると、誘導発電機19を励磁する電流は、無効電力補償装置13から供給される無効電流であるが、その無効電流は誘導発電機19が必要とする電流より、ゲイン分だけ異なっている。このため、例えばゲインとして100%を超える設定(例えば102%)にすると過剰補償となり、反対にゲインを100%未満に設定(例えば98%)にすると不足補償となる。
誘導発電機19は、100%励磁電流を供給すると100%の電圧が出力されることになるが、過剰補償の場合は電圧が増加、不足補償の場合は電圧が低下することになる。さらに、電圧が増加した場合は励磁電流がさらに大きくなることで電圧が増加し、電圧が低下した場合は励磁電流がさらに小さくなることで、電圧が減少していく。つまり、ゲイン要素18で過剰補償に設定した場合は、単独運転状態となると電圧は上昇し続けるので、過電圧継電器等で検出停止することが可能となり、ゲイン要素18で不足補償に設定した場合は、単独運転状態となると電圧は低下し続けるので、不足電圧継電器等で検出停止することができる。
無効電力補償装置13を過剰補償にするか、不足補償にするかを決定する手段として、図1のようなゲイン要素18ではなく、図2のように設定器20と加減算器21を用い、設定器20で設定される一定量(例えば2%)を加減算器21で加算または減算して決定することができる。
図3に図1の別の変形例を示す。ここでは、発振器22と乗算器23とによりゲインを時間毎に変化させるようにしている。発振器22の出力としては、正弦波状または矩形波状もしくは三角波のように、任意の関数状に変化させることができる。
これは、図1,図2に示すものが、誘導発電機19の無効電力に対し、無効電力補償装置13により過剰補償または不足補償にした場合に、負荷8がその過剰分または不足分を取る負荷であった場合、誘導発電機19と負荷8、無効電力補償装置13で有効電力と無効電力がバランスした状態となることがあり、遮断器3が解列して単独運転状態となっても誘導発電機19の電圧が増加したり、減少したりすることがなく、その結果、単独運転状態を検出して停止させることができなくなる。
これは、図1,図2に示すものが、誘導発電機19の無効電力に対し、無効電力補償装置13により過剰補償または不足補償にした場合に、負荷8がその過剰分または不足分を取る負荷であった場合、誘導発電機19と負荷8、無効電力補償装置13で有効電力と無効電力がバランスした状態となることがあり、遮断器3が解列して単独運転状態となっても誘導発電機19の電圧が増加したり、減少したりすることがなく、その結果、単独運転状態を検出して停止させることができなくなる。
そこで、図3では発振器22から時間毎に異なるゲインを出力(98%〜96%または102〜104%等)し、無効電力演算器17の出力に乗算器23で乗算することにより、無効電力補償装置13からの無効電力を逐次変化させ、誘導発電機19と負荷8、無効電力補償装置13で無効電力がバランスすることのないようにしている。図5に発振器22の出力例を示す。ここでは、98%〜96%に変化させる場合の例を示す。
以上のようにすることで、誘導発電機19が単独運転状態となった場合でも、電圧の増加または減少を引き起こすことができるため、単独運転を検出し停止することが可能となる。ここで、発振器22の出力を無効電力演算器17の出力に乗算器23で乗算するではなく、図4のように、発振器22の出力(2%〜4%等)を無効電力演算器17の出力に加減算器21を用いて加算または減算するようにしても良い。
1…電力系統、2…変圧器、3,4…遮断器、5…同期発電機、6…タービン、7…調速機、8…負荷、9…周波数変化率演算器、10…関数発生器、11,17…無効電力演算器、12…無効電力調節器、13…無効電力補償装置、14,16…電流検出器、15,20…設定器、18…ゲイン要素、19…誘導発電機、21…加減算器、22…発振器、23…乗算器。
Claims (2)
- 電力系統に接続されている負荷に電力を供給する誘導発電機の無効電力を検出する検出手段と、誘導発電機の無効電力を補償する無効電力補償装置とを備え、前記検出手段にて
検出した無効電力よりも不足または過剰の無効電力を、前記無効電力補償装置を介して出力することにより、誘導発電機の力率を改善するとともに、誘導発電機と無効電力補償装置の出力側が電力系統から解列されたことを検出することを特徴とする誘導発電機の単独運転検出方式。 - 前記検出手段から出力される無効電力の不足量または過剰量を、時間とともに変化させることを特徴とする請求項1に記載の誘導発電機の単独運転検出方式。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006280835A JP2008099494A (ja) | 2006-10-16 | 2006-10-16 | 誘導発電機の単独運転検出方式 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017147875A (ja) * | 2016-02-18 | 2017-08-24 | 富士電機株式会社 | 無効電力出力装置、無効電力出力装置の制御方法及び電力システム |
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2006
- 2006-10-16 JP JP2006280835A patent/JP2008099494A/ja active Pending
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