JP2008096717A - 低温ドライエッチング用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物およびこれを用いたホトレジストパターン形成方法 - Google Patents

低温ドライエッチング用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物およびこれを用いたホトレジストパターン形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】(1)0℃以下の低温下に曝露した場合にもサーマルショックに因るクラックを発生しないこと、(2)5μm以上の厚膜の形成が可能であること、(3)高感度であること、(4)一般的な溶剤で容易に剥離可能であること、という条件を満たす化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物。
【解決手段】(A)光酸発生剤、(B)樹脂成分、および(C)有機溶剤を含むことを特徴とする低温ドライエッチング用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、MEMS素子・貫通電極の製造における低温条件下でのドライエッチング加工プロセスに対して好適であるような低温ドライエッチング用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物、およびこれを用いたホトレジストパターン形成方法に関する。
微小電気機械システム(Micro-Electro-Mechanical Systems;MEMS)素子、およびMEMS素子を組み込んだ小型機械(マイクロマシン)、ならびに高密度実装を行うための貫通電極などの形成には、高アスペクト比(孔深さ/開口部直径)の加工が施されたシリコン基板を必要とし、このシリコン基板の加工には、ホトレジスト組成物を用いたリソグラフィー法が使用される。
従来、リソグラフィー法に用いられてきた通常のホトレジスト組成物は、ホトレジスト組成物のドライエッチング耐性が低いために、リソグラフィー工程を繰り返し行うことによって高アスペクト比のシリコン基板の造形成を行ってきた。しかしながら、この工程を繰り返すという作業は当然ながら歩留まりが悪く、ホトレジストなどの薬液の使用量が多くなり、コストが嵩むことを避けられなかった。さらには、パターン側壁に凹凸が生じる、または加工した基板の底部に残渣物が溜まるなどの問題があった。
また、最近ではシリコン基板の高エッチングレート特性を得るために、0℃以下の低温でドライエッチングプロセスを行うという手法が検討されているが、このような低温でのプロセスではホトレジストパターンに対する負荷が大きくなり、ホトレジストパターンの温度変化(サーマルショック)に起因して、ホトレジストパターンの剥離が困難となる、ホトレジストパターンにクラックが入る、ホトレジストパターンの寸法精度が悪化する、といった問題が起こっている。
このような低温条件下でシリコン基板の造形成を好適に行うためには、ホトレジスト組成物に以下のような特性が要求される。即ち、(1)0℃以下の低温下に曝露した場合にもサーマルショックに因るクラックを発生しない(クラック耐性を有する)こと、(2)シリコン基板への50μm以上の深いエッチング処理を施すため、5μm以上の厚膜形成が可能であること、(3)厚膜レジストであるがゆえに感度不足が起こらないように高感度であること、(4)一般的な溶剤で容易に剥離可能であること、などが要求される。
また、これまでの厚膜形成用のホトレジストについては、パンプ形成用や配線形成用として用いられるキノンジアジド基含有化合物を有するポジ型感光性樹脂組成物が開示されている(特許文献1)。
さらに、種々のメッキ用厚膜用ポジ型化学増幅型ホトレジスト組成物が開示されている(特許文献2〜6)。
特開2002−258479号公報 特開2001−281862号公報 特開2004−309775号公報 特開2004−309776号公報 特開2004−309777号公報 特開2004−309778号公報
上述したような問題を解決するために、本発明では、(1)0℃以下の低温下に曝露した場合にもサーマルショックに因るクラックを発生しないこと、(2)5μm以上の厚膜の形成が可能であること、(3)高感度であること、(4)一般的な溶剤で容易に剥離可能であること、という条件を満たす化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物、ならびにこのホトレジスト組成物を用いたホトレジストパターンの形成方法を課題とする。
本発明によって提供されるホトレジスト組成物は、(A)光酸発生剤、(B)樹脂成分、および(C)有機溶剤を含有することを特徴とする低温ドライエッチング用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物である。
また、本発明は、前記(B)成分として、酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大するノボラック樹脂、ポリヒドロキシスチレン樹脂、およびアクリル樹脂の中から選ばれる少なくとも一種、およびアルカリ可溶性のノボラック樹脂、ポリヒドロキシスチレン樹脂、およびアクリル樹脂の中から選ばれる少なくとも一種の混合樹脂であることを特徴とする低温ドライエッチング用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物も提供する。
また、本発明は、前記(B)成分として、アルカリ可溶性のノボラック樹脂およびポリヒドロキシスチレン樹脂の中から選ばれる少なくとも一種、および酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大するアクリル樹脂の中から選ばれる少なくとも一種の混合樹脂であることを特徴とする低温ドライエッチング用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物も提供する。
本発明によって提供されるこのような低温ドライエッチング用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物によって、上述した課題を解決する。
本発明によれば、(1)0℃以下の低温下に曝露した場合にもサーマルショックに因るクラックを発生しないこと、(2)5μm以上の厚膜の形成が可能であること、(3)高感度であること、(4)一般的な溶剤で容易に剥離可能であること、という条件を満たす低温ドライエッチング用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物、ならびにこの低温ドライエッチング用化学増幅型ホトレジスト組成物を用いたホトレジストパターンの形成方法が提供される。
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、これは本発明を何ら限定するものではない。
[(A)光酸発生剤]
本発明に係る低温ドライエッチング用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物に用いられる(A)光酸発生剤は、光(放射線を含む)の照射により直接にもしくは間接に酸を発生する物質である。
このような光酸発生剤の第一の態様としては、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−ピペロニル−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(2−フリル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(5−メチル−2−フリル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(5−エチル−2−フリル)エテニル]−s−トリアジン、2,
4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(5−プロピル−2−フリル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(3,5−ジメトキシフェニル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(3,5−ジエトキシフェニル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(3,5−ジプロポキシフェニル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(3−メトキシ−5−エトキシフェニル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(3−メトキシ−5−プロポキシフェニル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(3,4−メチレンジオキシフェニル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(3−ブロモ−4−メトキシ)フェニル−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(2−ブロモ−4−メトキシ)フェニル−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(2−ブロモ−4−メトキシ)スチリルフェニル−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(3−ブロモ−4−メトキシ)スチリルフェニル−s−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(2−フリル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(5−メチル−2−フリル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(3,5−ジメトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、トリス(1,3−ジブロモプロピル)−1,3,5−トリアジン、トリス(2,3−ジブロモプロピル)−1,3,5−トリアジン等のハロゲン含有トリアジン化合物、ならびにトリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレ−ト等の下記の一般式(a1)で表されるハロゲン含有トリアジン化合物が挙げられる。
Figure 2008096717
上記一般式(a1)中、R1a、R2a、およびR3aは、それぞれ独立なハロゲン化アルキル基である。
また、光酸発生剤の第二の態様としては、α−(p−トルエンスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2,4−ジクロロフェニルアセトニトリル、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2,6−ジクロロフェニルアセトニトリル、α−(2−クロロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、ならびに、オキシムスルホナート基を含有する下記の一般式(a2)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2008096717
上記一般式(a2)中、R4aは、一価、二価、もしくは三価の有機基であり、また、R5aは、置換、未置換の飽和炭化水素基、不飽和炭化水素基または芳香族性化合物基であり、nは繰り返し単位である。
前記一般式(a2)中、芳香族性化合物基とは、芳香族化合物に特有な物理的・化学的性質を示す化合物の基を指し、例えばフェニル基、ナフチル基などの芳香族炭化水素基や、フリル基、チエニル基などの複素環基が挙げられる。これらは環上に適当な置換基、例えばハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基などを1個以上有していてもよ
い。また、R5aは炭素原子数1〜6のアルキル基が特に好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が挙げられる。特にR4aが芳香族性化合物基、R5aが低級アルキル基の化合物が好ましい。
上記一般式(a2)で表わされる光酸発生剤としては、n=1の時、R4aがフェニル基、メチルフェニル基、メトキシフェニル基のいずれかであって、R5aがメチル基の化合物、具体的にはα−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−フェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−(p−メチルフェニル)アセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−(p−メトキシフェニル)アセトニトリル、〔2−(プロピルスルホニルオキシイミノ)−2,3−ジヒドロキシチオフェン−3−イリデン〕(o−トリル)アセトニトリル等が挙げられる。n=2の時、上記一般式で表わされる酸発生剤としては、具体的には下記化学式で表される酸発生剤が挙げられる。
Figure 2008096717
さらに、光酸発生剤の第三の態様としては、カチオン部にナフタレン環を有するオニウム塩を用いることができる。この「ナフタレン環を有する」とは、ナフタレンに由来する構造を有することを意味し、少なくとも2つの環の構造と、それらの芳香族性が維持されていることを意味する。このナフタレン環は炭素原子数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基、水酸基、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖状のアルコキシ基等の置換基を有しいてもよい。ナフタレン環に由来する構造は、1価基(遊離原子価が1つ)であっても、2価基(遊離原子価が2つ)以上であってもよいが、1価基であることが望ましい(ただし、このとき、上記置換基と結合する部分を除いて遊離原子価を数えるものとする)。ナフタレン環の数は1〜3が好ましい。
このようなカチオン部にナフタレン環を有するオニウム塩のカチオン部としては、下記一般式(a3)で示される構造が好ましい。
Figure 2008096717
上記一般式(a3)中、R6a、R7a、R8aのうち少なくとも1つは下記一般式(a4)で示される基であり、残りは炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、水酸基、または炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖状のアルコキシ基である。あるいは、R6a、R7a、R8aのうちの一つが下記一般式(a4)で示される基であり、残りの2つは、それぞれ独立して、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖状アルキレン基であり、これらの末端が結合して環状になっていてもよい。
Figure 2008096717
上記一般式(a4)中、R9a、R10aは、それぞれ独立して、水酸基、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖状のアルコキシ基、または炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基であり、R11aは単結合または置換基を有していてもよい炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖状のアルキレン基であり、p及びqはそれぞれ独立して0または1〜2の整数であり、p+qは3以下である。ただし、R10aが複数存在する場合、それらは相互に同じであっても異なっていてもよい。また、R9aが複数存在する場合、それらは相互に同じであっても異なっていてもよい。
上記R6a、R7a、R8aのうち、前記一般式(a4)で示される基の数は、化合物の安定性の点から、好ましくは1つであり、残りは、炭素原子数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基であり、これらの末端が結合して環状になっていてもよい。この場合、前記2つのアルキレン基は、硫黄原子を含めて3〜9員環を構成する。環を構成する原子(硫黄原子を含む)の数は、好ましくは5〜6
である。
また、前記アルキレン基が有してもよい置換基としては、酸素原子(この場合、アルキレン基を構成する炭素原子とともにカルボニル基を形成する)、水酸基等が挙げられる。
また、フェニル基が有していてもよい置換基としては、水酸基、炭素原子数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖状のアルコキシ基、または炭素原子数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基などが挙げられる。
これらのカチオン部として好適なものとしては、以下の化学式(a5)、(a6)で示すもの等を挙げることができ、特に化学式(a6)で示す構造が好ましい。
Figure 2008096717
このようなカチオン部としては、ヨ−ドニウム塩であってもスルホニウム塩であってもよいが、酸発生効率等の点からスルホニウム塩が望ましい。
したがって、カチオン部にナフタレン環を有するオニウム塩のアニオン部として好適なものとしては、スルホニウム塩を形成可能なアニオンが望ましい。
このような光酸発生剤のアニオン部としては、水素原子の一部又は全部がフッ素化されたフルオロアルキルスルホン酸イオン又はアリールスルホン酸イオンである。
フルオロアルキルスルホン酸イオンにおけるアルキル基は、炭素原子数1〜20の直鎖状でも分岐状でも環状でもよく、発生する酸の嵩高さとその拡散距離から、炭素原子数1〜10であることが好ましい。特に、分岐状や環状のものは拡散距離が短く、好ましい。具体的には安価に合成可能なことから好ましいものとして、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基等を挙げることができる。
アリールスルホン酸イオンにおけるアリール基は、炭素原子数6〜20のアリール基であって、アルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもされていなくてもよいフェニル基、ナフチル基が挙げられ、安価に合成可能なことから、炭素原子数6〜10のアリール基が好ましい。具体的には好ましいものとして、フェニル基、トルエンスルホニル基、エチルフェニル基、ナフチル基、メチルナフチル基等を挙げることができる。
前記フルオロアルキルスルホン酸イオン又はアリールスルホン酸イオンにおいて、水素原子の一部又は全部がフッ素化されている場合のフッ素化率は、好ましくは10〜100%、さらに好ましくは50〜100%であり、特に水素原子をすべてフッ素原子で置換したものが、酸の強度が強くなるので好ましい。このようなものとしては、具体的には、トリフルオロメタンスルホナート、パ−フルオロブタンスルホナート、パーフルオロオクタンスルホナート、パーフルオロベンゼンスルホナートなどが挙げられる。
中でも、好ましいアニオン部として、以下の一般式(a7)で示すものが挙げられる。
Figure 2008096717
上記一般式(a7)において、R12aは、下記一般式(a8)、(a9)で示す構造や、化学式(a10)で示す構造が挙げられる。
Figure 2008096717
上記一般式(a8)中、lは1〜4の整数であり、一般式(a9)中、R13aは水素原子、水酸基、炭素原子数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基、または炭素原子数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖状のアルコキシ基を示し、mは1〜3の整数である。中でも、安全性の観点からトリフルオロメタンスルホナート、パーフルオロブタンスルホナー
トが好ましい。
また、アニオン部としては、以下の化学式(a11)および(a12)で表わされる窒素を含有するものを用いることもできる。
Figure 2008096717
上記式(a11)、(a12)中、Xは、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状または分岐状のアルキレン基であり、該アルキレン基の炭素原子数は2〜6であり、好ましくは3〜5、最も好ましくは炭素原子数3である。また、Y、Zは、それぞれ独立に、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状または分岐状のアルキル基であり、該アルキル基の炭素原子数は1〜10であり、好ましくは1〜7、より好ましくは1〜3である。
のアルキレン基の炭素原子数またはY、Zのアルキル基の炭素原子数が小さいほどレジスト溶媒への溶解性も良好であるため好ましい。
また、Xのアルキレン基またはY、Zのアルキル基において、フッ素原子で置換されている水素原子の数が多いほど、酸の強度が強くなり、好ましい。該アルキレン基またはアルキル基中のフッ素原子の割合、すなわちフッ素化率は、好ましくは70〜100%、さらに好ましくは90〜100%であり、最も好ましくは、全ての水素原子がフッ素原子で置換されたパーフルオロアルキレン基またはパーフルオロアルキル基である。
このようなカチオン部にナフタレン環を有するオニウム塩として好ましいものとしては、下記化学式(a13)、(a14)の化合物である。
Figure 2008096717
さらに、光酸発生剤の別の態様としては、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン等のビススルホニルジアゾメタン類;p−トルエンスルホン酸2−ニトロベンジル、p−トルエンスルホン酸2,6−ジニトロベンジル、ニトロベンジルトシラート、ジニトロベンジルトシラート、ニトロベンジルスルホナート、ニトロベンジルカルボナート、ジニトロベンジルカルボナート等のニトロベンジル誘導体;ピロガロールトリメシラート、ピロガロ−ルトリトシラ−ト、ベンジルトシラート、ベンジルスルホナート、N−メチルスルホニルオキシスクシンイミド、N−トリクロロメチルスルホニルオキシスクシンイミド、N−フェニルスルホニルオキシマレイミド、N−メチルスルホニルオキシフタルイミド等のスルホン酸エステル;N−ヒドロキシフタルイミド、N−ヒドロキシナフタルイミド等のトリフルオロメタンスルホン酸エステル類;ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスファート、(4−メトキシフェニル)フェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスファート、(4−メトキシフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、(p−tert−ブチルフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート等のオニウム塩;ベンゾイントシラート、α−メチルベンゾイントシラート等のベンゾイントシレート類;その他のジフェニルヨ−ドニウム塩、トリフェニルスルホニウム塩、フェニルジアゾニウム塩、ベンジルカルボナ−ト等が挙げられる。
上記(A)成分の光酸発生剤として、好ましくは一般式(a2)の化合物を用いるものであって、好ましいnの値は2であり、また、好ましいR4aは、二価の炭素数1〜8の置換もしくは非置換のアルキレン基、または置換もしくは非置換の芳香族基であり、また、好ましいR5aは、炭素数1〜8の置換もしくは非置換のアルキル基、または置換もし
くは非置換のアリ−ル基であるが、これらに限定はされない。
上述したような(A)成分は、単独で用いることも、2種類以上を組み合わせて用いることもできる。
また、(A)成分の配合量は、後述する(B)成分の合計質量100質量部に対して、0.1〜20質量部、好ましくは0.2〜10質量部とする。(A)成分の配合量を0.1質量部以上とすることによって充分な感度が得られるようになり、また、20質量部以下とすることによって溶剤に対する溶解性が向上して均一な溶液が得られ、保存安定性が向上する傾向がある。
[(B)樹脂成分]
本発明に係る低温ドライエッチング用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物に用いられる(B)成分は、ノボラック樹脂(B1)、ポリヒドロキシスチレン樹脂(B2)、およびアクリル樹脂(B3)のうちの少なくとも一種を含む樹脂であるか、または混合樹脂や共重合体であってもよい。
このような(B)成分は、アルカリ可溶性のノボラック樹脂(B1−1)、ポリヒドロキシスチレン樹脂(B2−1)、およびアクリル樹脂(B3−1)の中から選ばれる少なくとも一種と、酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大するノボラック樹脂(B1−2)、ポリヒドロキシスチレン樹脂(B2−2)、およびアクリル樹脂(B3−2)の中から選ばれる少なくとも1種との混合樹脂であることが好ましい。
[(B1−1)アルカリ可溶性のノボラック樹脂]
前記アルカリ可溶性のノボラック樹脂(B1−1)としては、ポリスチレン換算質量平均分子量(以下、質量平均分子量という)は、1,000〜50,000であることが好ましい。
ノボラック樹脂は、例えばフェノール性水酸基を持つ芳香族化合物(以下、単に「フェノール類」と称する)とアルデヒド類とを酸触媒下で付加縮合させることにより得られる。この際に使用されるフェノール類としては、例えばフェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、o−ブチルフェノール、m−ブチルフェノール、p−ブチルフェノール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、2,3,5−トリメチルフェノール、3,4,5−トリメチルフェノール、p−フェニルフェノール、レゾルシノール、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、ピロガロール、フロログリシノール、ヒドロキシジフェニル、ビスフェノールA、没食子酸、没食子酸エステル、α−ナフトール、β−ナフトール等が挙げられる。
また、アルデヒド類としては、例えばホルムアルデヒド、フルフラール、ベンズアルデヒド、ニトロベンズアルデヒド、アセトアルデヒド等が挙げられる。付加縮合反応時の触媒は、特に限定されるものではないが、例えば酸触媒では、塩酸、硝酸、硫酸、蟻酸、シュウ酸、酢酸等が使用される。
本発明においては、o−クレゾールを使用すること、樹脂中の水酸基の水素原子を他の置換基に置換すること、あるいは嵩高いアルデヒド類を使用することにより樹脂の柔軟性を一層向上させることが可能である。
[(B2−1)アルカリ可溶性のポリヒドロキシスチレン樹脂]
前記アルカリ可溶性のポリヒドロキシスチレン樹脂(B2−1)としては、質量平均分子量が1,000〜50,000であることが好ましい。
このようなポリヒドロキシスチレン樹脂を構成するヒドロキシスチレン系化合物としては、p−ヒドロキシスチレン、α−メチルヒドロキシスチレン、α−エチルヒドロキシスチレン等が挙げられる。さらに前記ポリヒドロキシスチレン樹脂は、スチレン樹脂との共重合体とすることが好ましく、このようなスチレン樹脂を構成するスチレン系化合物としては、スチレン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等が挙げられる。
[(B3−1)アルカリ可溶性のアクリル樹脂]
前記アルカリ可溶性のアクリル樹脂(B3−1)としては、質量平均分子量が50,000〜800,000であることが好ましい。
このようなアクリル樹脂としては、エーテル結合を有する重合性化合物から誘導されたモノマー、およびカルボキシル基を有する重合性化合物から誘導されたモノマーを含有することが好ましい。
前記エーテル結合を有する重合性化合物としては、2−メトキシエチル(メタ)アクリラート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリラート、3−メトキシブチル(メタ)アクリラート、エチルカルビトール(メタ)アクリラート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリラート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリラート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリラート等のエーテル結合およびエステル結合を有する(メタ)アクリル酸誘導体等を例示することができ、好ましくは、2−メトキシエチルアクリラート、メトキシトリエチレングリコールアクリラートである。これらの化合物は、単独で使用することも、2種類以上を組み合わせて使用することもできる。
前記カルボキシル基を有する重合性化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などのモノカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのジカルボン酸、2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸、2−メタクリロイルオキシエチルマレイン酸、2−メタクリロイルオキシエチルフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸などのカルボキシル基およびエステル結合を有する化合物等を例示することができ、好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸である。これらの化合物は、単独で使用することも、2種類以上を組み合わせて使用することもできる。
[(B1−2)酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大するノボラック樹脂]
前記酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大するノボラック樹脂(B1−2)としては、質量平均分子量が1000〜50000であることが好ましい。
このようなアルカリに対する溶解性が増大するノボラック樹脂(B1−2)としては、下記の一般式(b1)で表される樹脂を使用することができる。
Figure 2008096717
上記一般式(b1)中、R1bは、酸解離性溶解抑制基であり、R2bおよびR3bは、それぞれ独立に水素原子もしくは炭素原子数1〜6のアルキル基であり、nは繰り返し単位を意味する。
さらに、上記R1bで示される酸解離性溶解抑制基としては、下記一般式(b2)又は(b3)で示される、炭素原子数1〜6の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、テトラヒドロピラニル基、テトラフラニル基、又はトリアルキルシリル基であることが好ましい。
Figure 2008096717
上記一般式(b2)および(b3)中、R4b、およびR5bは、それぞれ独立して水素原子又は炭素原子数1〜6の直鎖状又は分岐状のアルキル基であり、R6bは炭素原子数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、R7bは炭素原子数1〜6の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、oは0又は1である。
なお、炭素原子数1〜6の直鎖状又は分岐状のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられ、環状のアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
ここで、上記一般式(b2)で示される酸解離性溶解抑制基として、具体的には、メトキシエチル基、エトキシエチル基、n−プロポキシエチル基、iso−プロポキシエチル基、n−ブトキシエチル基、iso−ブトキシエチル基、tert−ブトキシエチル基、シクロヘキシロキシエチル基、メトキシプロピル基、エトキシプロピル基、1−メトキシ−1−メチル−エチル基、1−エトキシ−1−メチルエチル基等が挙げられ、上記式(b3)の酸解離性溶解抑制基として、例えばtert−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニルメチル基等が挙げられる。また、上記トリアルキルシリル基としては、トリメチルシリル基、トリ−tert−ブチルジメチルシリル基などの各アルキル基の炭素数が1〜6のものが挙げられる。
[(B2−2)酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大するポリヒドロキシスチレン樹脂]
前記酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大するポリヒドロキシスチレン樹脂(B2−2)としては、質量平均分子量が1000〜50000であることが好ましい。
このようなポリヒドロキシスチレン樹脂(B2−2)としては、下記の一般式(b4)で表される樹脂を使用することができる。
Figure 2008096717
上記一般式(b4)中、R8bは、水素原子もしくは炭素数1〜6のアルキル基であり、R9bは、酸解離性溶解抑制基であり、nは繰り返し単位を意味する。
なお、炭素原子数1〜6の直鎖状又は分岐状のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられ、環状のアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
前記R9bで示される酸解離性溶解抑制基としては、上記一般式(b2)および(b3)に例示したものと同様の酸解離性溶解抑制基を用いることができる。
さらに、前記酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大するポリヒドロキシスチレン樹脂(B2−2)には、物理的、化学的特性を適度にコントロールする目的で他の重合性化合物を構成単位として含むことができる。このような重合性化合物としては、公知のラジカル重合性化合物や、アニオン重合性化合物が挙げられる。例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などのモノカルボン酸類;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのジカルボン酸類;2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸、2−メタクリロイルオキシエチルマレイン酸、2−メタクリロイルオキシエチルフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸などのカルボキシル基およびエステル結合を有するメタクリル酸誘導体類;メチル(メタ)アクリラート、エチル(メタ)アクリラート、ブチル(メタ)アクリラートなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル類;2−ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリラート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラートなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル類;フェニル(メタ)アクリラート、ベンジル(メタ)アクリラートなどの(メタ)アクリル酸アリールエステル類;マレイン酸ジエチル、フマル酸ジブチルなどのジカルボン酸ジエステル類;スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン、ビニルトルエン、ヒドロキシスチレン、α−メチルヒドロキシスチレン、α−エチルヒドロキシスチレンなどのビニル基含有芳香族化合物類;酢酸ビニルなどのビニル基含有脂肪族化合物類;ブタジエン、イソプレンなどの共役ジオレフィン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのニトリル基含有重合性化合物類;塩化ビニル、塩化ビニリデンなどの塩素含有重合性化合物;アクリルアミド、メタクリルアミドなどのアミド結合含有重合性化合物類等を挙げることができる。
[(B3−2)酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大するアクリル樹脂]
前記酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大するアクリル樹脂(B3−2)としては、質量平均分子量が10000〜500000であることが好ましい。
このようなアクリル樹脂(B3−2)としては、下記一般式(b5)〜(b7)で表される樹脂を使用することができる。
Figure 2008096717
上記一般式(b5)〜(b7)中、R10b〜R17bは、それぞれ独立して水素原子又は炭素原子数1〜6の直鎖状又は分岐状のアルキル基、フッ素原子又は炭素原子数1〜6の直鎖状又は分岐状のフッ素化アルキル基であり(ただし、R11bが水素原子であることはない)、Xはそれが結合している炭素原子と共に炭素原子数5〜20の炭化水素環を形成し、Yは置換基を有していてもよい脂肪族環式基又はアルキル基であり、nは繰り返し単位を意味し、pは0〜4であり、qは0又は1である。
なお、炭素原子数1〜6の直鎖状又は分岐状のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられ、環状のアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。また、フッ素化アルキル基とは、前記アルキル基の水素原子の一部若しくは全部がフッ素原子により置換されたものである。
前記R11bとしては、高コントラストで、解像度、焦点深度幅などが良好な点から、炭素原子数2〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基であることが好ましく、前記R13b、R14b、R16b、およびR17bとしては、水素原子又はメチル基であることが好ましい。
前記Xは、それが結合している炭素原子と共に炭素原子数5〜20の脂肪族環式基を形成する。このような脂肪族環式基の具体例としては、モノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が挙げられる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が挙げられる。特に、シクロヘキサン、アダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基(さらに置換基を有していてもよい)が好ましい。
さらに、前記Xの脂肪族環式基が、その環骨格上に置換基を有する場合、該置換基の例としては、水酸基、カルボキシ基、シアノ基、酸素原子(=O)等の極性基や、炭素数1〜4の直鎖または分岐状の低級アルキル基が挙げられる。極性基としては特に酸素原子
(=O)が好ましい。
前記Yは、脂肪族環式基またはアルキル基であり、モノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。特に、アダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基(さらに置換基を有していてもよい)が好ましい。
さらに、前記Yの脂肪族環式基が、その環骨格上に置換基を有する場合、該置換基の例としては、水酸基、カルボキシ基、シアノ基、酸素原子(=O)等の極性基や、炭素数1〜4の直鎖または分岐状の低級アルキル基が挙げられる。極性基としては特に酸素原子(=O)が好ましい。
また、Yがアルキル基である場合、炭素原子数1〜20、好ましくは6〜15の直鎖または分岐状のアルキル基であることが好ましい。このようなアルキル基は、特にアルコキシアルキル基であることが好ましく、このようなアルコキシアルキル基としては、1−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基、1−n−プロポキシエチル基、1−iso−プロポキシエチル基、1−n−ブトキシエチル基、1−iso−ブトキシエチル基、1−tert−ブトキシエチル基、1−メトキシプロピル基、1−エトキシプロピル基、1−メトキシ−1−メチル-エチル基、1−エトキシ−1−メチルエチル基等が挙げられる。
上記一般式(b5)で表わされるアクリル樹脂の好ましい具体例としては、下記一般式(b5−1)〜(b5−3)で表されるのものを挙げることができる。
Figure 2008096717
上記一般式(b5−1)〜(b5−3)中のR18bは水素原子又はメチル基であり、nは繰り返し単位である。
上記一般式(b6)で表わされるアクリル樹脂の好ましい具体例としては、下記一般式(b6−1)〜(b6−28)で表されるのものを挙げることができる。
Figure 2008096717
Figure 2008096717
上記一般式(b7)で表わされるアクリル樹脂の好ましい具体例としては、下記一般式(b7−1)〜(b7−22)で表されるのものを挙げることができる。
Figure 2008096717
Figure 2008096717
Figure 2008096717
さらに、酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大するアクリル樹脂(B3−2)は、前記一般式(b5)〜(b7)の構成単位に対して、さらにエーテル結合を有する重合性化合物から誘導された構成単位を含む共重合体からなる樹脂であることが好ましい。
このような構成単位は、エーテル結合を有する重合性化合物から誘導された構成単位である。エーテル結合を有する重合性化合物としては、2−メトキシエチル(メタ)アクリ
ラート、2−エトキシエチル(メタ)アクリラート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリラート、3−メトキシブチル(メタ)アクリラート、エチルカルビトール(メタ)アクリラート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリラート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリラート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリラート等のエーテル結合およびエステル結合を有する(メタ)アクリル酸誘導体等のラジカル重合性化合物を例示することができ、好ましくは、2−メトキシエチル(メタ)アクリラート、2−エトキシエチル(メタ)アクリラート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリラートである。これらの化合物は単独もしくは2種以上組み合わせて使用できる。
さらに、前記酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大するアクリル樹脂(B3−2)には、物理的、化学的特性を適度にコントロールする目的で他の重合性化合物を構成単位として含むことができる。このような重合性化合物としては、公知のラジカル重合性化合物や、アニオン重合性化合物が挙げられる。例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などのモノカルボン酸類;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのジカルボン酸類;2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸、2−メタクリロイルオキシエチルマレイン酸、2−メタクリロイルオキシエチルフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸などのカルボキシル基およびエステル結合を有するメタクリル酸誘導体類;メチル(メタ)アクリラート、エチル(メタ)アクリラート、ブチル(メタ)アクリラートなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリラート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリラートなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル類;フェニル(メタ)アクリラート、ベンジル(メタ)アクリラートなどの(メタ)アクリル酸アリールエステル類;マレイン酸ジエチル、フマル酸ジブチルなどのジカルボン酸ジエステル類;スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン、ビニルトルエン、ヒドロキシスチレン、α−メチルヒドロキシスチレン、α−エチルヒドロキシスチレンなどのビニル基含有芳香族化合物類;酢酸ビニルなどのビニル基含有脂肪族化合物類;ブタジエン、イソプレンなどの共役ジオレフィン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのニトリル基含有重合性化合物類;塩化ビニル、塩化ビニリデンなどの塩素含有重合性化合物;アクリルアミド、メタクリルアミドなどのアミド結合含有重合性化合物類等を挙げることができる。
上記(B)成分の中でも、(B1−1)、(B2−1)、及び(B3−1)で表わされるアルカリ可溶性樹脂成分に、(B1−2)、(B2−2)、及び(B3−2)で表わされる酸の作用によりアルカリ可溶性が増大する樹脂成分を組み合わせた混合樹脂とすることが好ましい。
より好ましくは、上記(B)成分が、(B1−1)、(B2−1)、及び(B3−1)で表わされるアルカリ可溶性樹脂成分に、(B2−2)及び(B3−2)表わされる酸の作用によりアルカリ可溶性が増大する樹脂成分を組み合わせた混合樹脂とすることが好ましい。
特には、アルカリ可溶性樹脂成分として、(B1−1)及び(B2−1)で表わされるアルカリ可溶性ノボラック樹脂およびアルカリ可溶性ポリヒドロキシスチレン樹脂と、(B3−2)で表わされる酸の作用によりアルカリ可溶性が増大するアクリル樹脂を組み合わせた混合樹脂とすることが好ましい。
前記アルカリ可溶性ノボラック樹脂(B1−1)の中でも、フェノール類としてm−クレゾールとp−クレゾールを組み合わせた組成とすることが好ましく、特に、m−クレゾールとp−クレゾールを質量比=50:50〜70:30で組み合わせたアルカリ可溶性ノボラック樹脂が好ましい。
前記アルカリ可溶性ポリヒドロキシスチレン樹脂(B2−1)の中でも、スチレンとヒドロキシスチレンの共重合体を用いることが好ましく、特に、スチレンとヒドロキシスチレンを質量比=100:0〜75:25で組み合わせたアルカリ可溶性ポリヒドロキシスチレン樹脂が好ましい。
前記酸の作用によりアルカリ可溶性が増大するアクリル樹脂(B3−2)の中でも、前記一般式(7)で表わされる構成単位と、エーテル結合を有する重合性化合物から誘導された構成単位と、(メタ)アクリル酸単位と、(メタ)アクリル酸アルキルエステル類からなる構成単位とを有する共重合体であることが好ましい。
このような共重合体としては、下記一般式(b8)で表わされる共重合体であることが好ましい。
Figure 2008096717
上記一般式(b8)中、R20bは、水素原子又はメチル基であり、R21bは、炭素原子数1〜6の直鎖状又は分岐状のアルキル基又はアルコキシアルキル基であり、R22bは、炭素原子数2〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基であり、Xは前述の定義と同様である。
さらに、上記一般式(b8)で表わされる共重合体において、s、t、およびuは、それぞれ質量比で、sは1〜30質量%であり、tは20〜70質量%であり、uは20〜70質量%である。
また、前記(B1−1)、(B2−1)、および(B3−2)を組み合わせた混合樹脂とする場合、(B)成分中、(B1−1)を30〜60質量%、(B2−1)を3〜20質量%、(B3−2)を20〜70質量%とすることが好ましい。
このような(B)成分を用いることにより、0℃〜−100℃の極低温条件下でのドライエッチング処理を行った場合であっても、ドライエッチング処理に対する耐性を確保することができ、さらには常温から極低温に冷却させた場合であってもクラック等を発生することがないという効果が得られる。
なお、(B)成分は、樹脂成分全体のガラス転移点を0℃以下とすることが好ましく、混合樹脂又は共重合体を用いる場合は、ガラス転移点は理論ガラス転移点に換算して算出する。理論ガラス転移点は、各樹脂又は構成単位のガラス転移点に対し、その各樹脂又は構成単位が占める質量部数を乗じたものを加算して、100で割ったものを理論ガラス転移点とする。
[(C)有機溶剤]
(C)有機溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソアミルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類;エチレングリコール、エチレングリコールモノアセタート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアセタート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセタート、ジプロピレングリコール、及びジプロピレングリコールモノアセタートのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル、又はモノフェニルエーテルなどの多価アルコール類及びその誘導体;ジオキサンのような環式エーテル類;蟻酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、ピルビン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−
ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシブチルアセタート、3−メチル−3−メトキシブチルアセタートなどのエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類を挙げることができる。
これらは単独で用いることもでき、また、2種以上混合して用いてもよい。
これらの有機溶剤の使用量は、本発明に係る低温ドライエッチング用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物を(例えばスピンコート法で)使用して得られるホトレジスト層の膜厚が5μm以上となるように、固形分濃度が30質量%以上となる範囲が好ましい。好ましくは、本発明に係る組成物を使用して得られるホトレジスト層の膜厚は、5μm〜200μmの範囲である。
本発明低温ドライエッチング用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物には、塗布性、消泡性、レベリング性等を向上させる目的に応じて、さらに界面活性剤を任意に配合することも可能である。界面活性剤の例としては、BM−1000、BM−1100(いずれも商品名;BMケミー社製)、メガファックF142D、メガファックF172、メガファックF173、メガファックF183(いずれも商品名;大日本インキ化学工業(株)製)、フロラードFC−135、フロラードFC−170C、フロラードFC−430、フロラードFC−431(いずれも商品名;住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−112、サーフロンS−113、サーフロンS−131、サーフロンS−141、サーフロンS−145(いずれも商品名;旭硝子(株)製)、SH−28PA、SH−190、SH−193、SZ−6032、SF−8428(いずれも商品名;東レシリコーン(株)製)といった、市販のフッ素系界面活性剤があるが、これらに限定はされない。
[(D)ポリビニル樹脂]
本発明に係る低温ドライエッチング用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物には、さらに必要に応じて、(D)ポリビニル樹脂を配合してもよい。このようなポリビニル樹脂は、ポリ(ビニル低級アルキルエーテル)であり、下記一般式(d1)で表されるビニル低級アルキルエーテルの単独または2種以上の混合物を重合することにより得られる(共)重合体からなる。
Figure 2008096717
上記一般式(d1)において、R1dは炭素原子数1〜6の直鎖状又は分岐状のアルキル基である。
このようなポリビニル樹脂は、ビニル系化合物から得られる重合体であり、このようなポリビニル樹脂としては、具体的には、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリヒドロキシスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニル安息香酸、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルエチルエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルフェノール、およびこれらの共重合体等が挙げられる。中でも、ガラス転移点の低さに鑑みてポリビニルメチルエーテルが好ましい。
このようなポリビニル樹脂の質量平均分子量は、10000〜200000であることが好ましく、より好ましくは50000〜100000である。このようなポリビニル樹脂を配合することにより、さらに0℃〜−100℃の極低温条件下でドライエッチング処理を行った場合であっても、ドライエッチング処理に対する耐性を付与することができる。
このようなポリビニル樹脂を配合する場合、前記(B)成分100質量部に対して5〜95質量部とすることが好ましい。
[(E)酸拡散制御剤]
本発明に係る低温ドライエッチング用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物には、さらに(E)成分として酸拡散制御剤を含むこともできる。
酸拡散制御剤としては、含窒素化合物が好ましく、さらに必要に応じて、有機カルボン酸、またはリンのオキソ酸もしくはその誘導体を含有させることができる。
[(e1)含窒素化合物]
前記(e1)含窒素化合物としては、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリベンジルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、エチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミド、ピロリドン、N−メチルピロリドン、メチルウレア、1,1−ジメチルウレア、1,3−ジメチルウレア、1,1,3,3−テトラメチルウレア、1,3−ジフェニルウレア、イミダゾール、ベンズイミダゾール、4−メチルイミダゾール、8−オキシキノリン、アクリジン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、2,4,6−トリ(2−ピリジル)−S−トリアジン、モルホリン、4−メチルモルホリン、ピペラジン、1,4−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン等を挙げることができる。これらのうち、特にトリエタノールアミンのようなアルカノールアミンが好ましい。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
このような含窒素化合物は、前述した(B)成分を100質量%とした場合、通常0〜5質量%の範囲で用いられ、より好ましくは0〜3質量%の範囲で用いられる。
[(e2)有機カルボン酸、またはリンのオキソ酸もしくはその誘導体]
(e2)有機カルボン酸としては、具体的には、マロン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、サリチル酸などが好適であり、特にサリチル酸が好ましい。
リンのオキソ酸もしくはその誘導体の例としては、リン酸、リン酸ジ−n−ブチルエステル、リン酸ジフェニルエステルなどのリン酸又はそれらのエステルのような誘導体、ホスホン酸、ホスホン酸ジメチルエステル、ホスホン酸ジ−n−ブチルエステル、フェニルホスホン酸、ホスホン酸ジフェニルエステル、ホスホン酸ジベンジルエステルなどのホスホン酸およびそれらのエステルのような誘導体、ホスフィン酸、フェニルホスフィン酸などのホスフィン酸及びそれらのエステルのような誘導体が挙げられ、これらの中で特にホスホン酸が好ましい。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの有機カルボン酸、またはリンのオキソ酸もしくはその誘導体は、前述した(B)成分を100質量%とした場合、通常0〜5質量%の範囲で用いられ、より好ましくは0〜3質量%の範囲で用いられる。
また、塩を形成させて安定させるために、有機カルボン酸、またはリンのオキソ酸もしくはその誘導体は、前述した含窒素化合物と同等量を用いることが好ましい。
また、本発明に係る低温ドライエッチング用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物には、基板との接着性を向上させるために接着助剤をさらに用いることもできる。使用される
接着助剤としては、官能性シランカップリング剤が好ましい。前述した官能性シランカップリング剤とは、カルボキシル基、メタクリロイル基、イソシアナート基、エポキシ基等の反応性置換基を有するシランカップリング剤を意味しており、具体例としては、トリメトキシシリル安息香酸、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等を挙げることができる。その配合量は、(B)成分100質量部に対して20質量部以下であることが好ましい。
また、本発明に係る低温ドライエッチング用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物には、アルカリ現像液に対する溶解性の微調整を行うために、酸、酸無水物、もしくは高沸点溶媒を添加することもできる。前述した酸および酸無水物の例としては、酢酸、プロピオン酸、n-酪酸、イソ酪酸、n−吉草酸、イソ吉草酸、安息香酸、桂皮酸等のモノカルボン酸、ならびに乳酸、2−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ酪酸、サリチル酸、m−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ桂皮酸、3−ヒドロキシ桂皮酸、4−ヒドロキシ桂皮酸、5−ヒドロキシイソフタル酸、シリンギン酸等のヒドロキシモノカルボン酸、ならびに、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、イタコン酸、ヘキサヒドロフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、1,2,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸等の多価カルボン酸、無水イタコン酸、無水コハク酸、無水シトラコン酸、無水ドデセニルコハク酸、無水トリカルバニル酸、無水マレイン酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルテトラヒドロフタル酸、無水ハイミック酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、エチレングリコールビス無水トリメリタート、グリセリントリス無水トリメリタート等の酸無水物、といったものを挙げることができる。また、前述した高沸点溶媒の例としては、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アセトニルアセトン、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、フェニルセロソルブアセタート等を挙げることができる。上述したようなアルカリ現像液に対する溶解性の微調整を行うための化合物の使用量は、用途・塗布方法に応じて調整することができ、組成物を均一に混合させることができれば特に限定されるものではないが、得られる組成物に対して60質量%以下、好ましくは40質量%以下とする。
また、本発明に係る低温ドライエッチング用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物には、必要に応じて特性を損なわない範囲において、充填剤、着色剤、粘度調整剤等を添加することもできる。
充填剤の例としては、シリカ、アルミナ、タルク、ベントナイト、ジルコニウムシリカート、粉末ガラス等を挙げることができる。着色剤としては、アルミナ白、クレー、炭酸バリウム、硫酸バリウム等の体質顔料、ならびに、亜鉛華、鉛白、黄鉛、鉛丹、群青、紺青、酸化チタン、クロム酸亜鉛、ベンガラ、カーボンブラック等の無機顔料、ならびに、ブリリアントカーミン6B、パーマネントレッド6B、パーマネントレッドR、ベンジジンイエロー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等の有機顔料、ならびに、マゼンタ、ローダミン等の塩基性染料、ならびに、ダイレクトスカーレット、ダイレクト
オレンジ等の直接染料、ならびにローセリン、メタニルイエロー等の酸性染料が挙げられる。また、粘度調整剤としては、ベントナイト、シリカゲル、アルミニウム粉末等を挙げることができる。好ましくは、これらの添加物の添加量は、得られる組成物に対して5質量%以下である。
[調製]
本発明に係る低温ドライエッチング用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物の調製は、充填剤、顔料を添加しない場合には、例えば、上記各成分を通常の方法で混合、攪拌するだけでよく、また、充填剤、顔料を添加しない場合には、必要に応じディゾルバー、ホモジナイザー、3本ロールミルなどの分散機を用い分散、混合させてもよい。また、混合した後で、さらにメッシュ、メンブレンフィルターなどを用いて濾過してもよい。
本発明に係る低温ドライエッチング用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物は、支持体上に、5〜1000μm、より好ましくは5〜200μmの膜厚のホトレジスト層を形成するのに適しており、さらに低温条件下での処理にも適応し得るものである。
[ホトレジストパターン形成]
上述したホトレジスト層は、例えば以下のようにして製造することができる。
(1)塗膜の形成:上述のように調製した低温ドライエッチング用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物の溶液を支持体上に塗布し、加熱により溶媒を除去することによって所望の塗膜を形成する。被処理支持体上への塗布方法としては、スピンコート法、スリットコート法、ロールコート法、スクリーン印刷法、アプリケーター法などの方法を採用することができる。本発明の組成物の塗膜のプレベーク条件は、組成物中の各成分の種類、配合割合、塗布膜厚などによって異なるが、通常は70〜150℃で、好ましくは80〜140℃で、20〜60分間程度である。
(2)放射線照射:上述したように得られたホトレジスト層に対して、所定のパターンのマスクを介して、放射線(例えば波長が300〜500nmの紫外線もしくは可視光線)を選択的に照射することによって、露光させる。これらの放射線の線源としては、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、アルゴンガスレーザーなどを用いることができる。ここで放射線とは、紫外線、可視光線、遠紫外線、X線、電子線、イオン線などを意味する。放射線照射量は、組成物中の各成分の種類、配合量、塗膜の膜厚などによって異なるが、例えば超高圧水銀灯使用の場合、100〜10000mJ/cmであり、より好ましくは100〜2000mJ/cmである。
(3)現像:放射線照射後の現像方法としては、例えば、所定のアルカリ性水溶液を現像液として用いて、不要な部分を溶解、除去して所定のレジストパターンを得る。現像液としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ-n-プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ〔4,3,0〕−5−ノナン等のアルカリ類の水溶液を使用することができる。また上記アルカリ類の水溶液にメタノール、エタノールなどの水溶性有機溶媒や界面活性剤を適当量添加した水溶液を現像液として使用することもできる。
現像時間は、組成物各成分の種類、配合割合、組成物の乾燥膜厚によって異なるが、通常1〜30分間であり、また現像の方法は液盛り法、ディッピング法、パドル法、スプレ
ー現像法などのいずれでも良い。現像後は、流水洗浄を30〜90秒間行い、エアーガン、オーブン等を用いて乾燥させる。
下記一般式(z1)で示す40質量部、m−クレゾールとp−クレゾールとをホルムアルデヒドと酸触媒の存在下で付加縮合して得たノボラック樹脂48質量部、およびスチレン/ヒドロキシスチレンの共重合体12質量部を混合して(B)樹脂成分とした。
Figure 2008096717
前記(B)樹脂成分100質量部に対して、光酸発生剤である下記化学式(z2)で表わされる化合物を1.0質量部、サリチル酸を0.1質量部、トリエタノールアミンを0.1質量部、それぞれ配合し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタートに溶解して、固形分質量濃度を40質量%とした低温ドライエッチング用化学増幅型ポジ型レジスト組成物を調整した。
Figure 2008096717
次いで、シリコン基板上に、前記低温ドライエッチング用ポジ型ホトレジスト組成物を1000rpmにて25秒間塗布した後、110℃で6分間ホットプレート上でプレベークし、膜厚約20μmの塗膜を形成した。次に、パターンマスクを介して、超高圧水銀灯(ウシオ製USH−250D)を用いて、露光量1500mJ/cmで紫外線露光を行った。露光後、塗膜を現像液(商品名;P−7G、東京応化工業社製)で現像した。その後、流水洗浄し、窒素ブローしてパターン状硬化物を得た。
シリコン基板を−20℃まで冷却した状態で、CF、SF、OおよびNから構成される反応性ガスを用いて、上述の調製例1で製造したパターン状硬化物をマスクとして、前述のシリコン基板をエッチング処理して、180μmの深度までエッチング処理を施した。このとき、レジストパターンはクラック等を生じない状態であり、シリコン基板に対して180μm径のホール状の造形成ができた。
以上に説明したように、本発明によれば、(1)0℃以下の低温下に曝露した場合にもサーマルショックに因るクラックを発生しないこと、(2)5μm以上の厚膜の形成が可能であること、(3)高感度であること、(4)一般的な溶剤で容易に剥離可能であること、という条件を満たす低温ドライエッチング用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物、およびそのホトレジスト組成物を用いたホトレジストパターン形成方法が得られる。

Claims (11)

  1. (A)光酸発生剤、(B)樹脂成分、および(C)有機溶剤を含有することを特徴とする低温ドライエッチング用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物。
  2. 0℃以下で行われるドライエッチングプロセスに供する化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物であることを特徴とする請求項1記載の低温ドライエッチング用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物。
  3. 膜厚5〜200μmのホトレジスト膜を形成するプロセスに供する化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の低温ドライエッチング用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物。
  4. 前記(B)成分が、ノボラック樹脂、ポリヒドロキシスチレン樹脂、およびアクリル樹脂の中から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の低温ドライエッチング用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物。
  5. 前記(B)成分が、酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大するノボラック樹脂、ポリヒドロキシスチレン樹脂、およびアクリル樹脂の中から選ばれる少なくとも一種、およびアルカリ可溶性のノボラック樹脂、ポリヒドロキシスチレン樹脂、およびアクリル樹脂の中から選ばれる少なくとも1種の混合樹脂であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の低温ドライエッチング用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物。
  6. 前記(B)成分が、酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大するポリヒドロキシスチレン樹脂およびアクリル樹脂の中から選ばれる少なくとも一種、およびアルカリ可溶性のノボラック樹脂、ポリヒドロキシスチレン樹脂、およびアクリル樹脂の中から選ばれる少なくとも1種の混合樹脂であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の低温ドライエッチング用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物。
  7. 前記(B)成分が、酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大するアクリル樹脂、およびアルカリ可溶性のノボラック樹脂およびポリヒドロキシスチレン樹脂の中から選ばれる少なくとも1種の混合樹脂であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の低温ドライエッチング用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物。
  8. 前記(B)成分の中から選ばれる少なくとも一種の樹脂成分のガラス転移点(T)が0℃以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の低温ドライエッチング用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物。
  9. さらに、(D)ポリビニル樹脂を含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の低温ドライエッチング用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物。
  10. さらに(E)酸拡散制御剤を含むことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の低温ドライエッチング用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物。
  11. 基板上に、請求項1〜10のいずれか一項に記載の低温ドライエッチング用化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物を塗布して膜厚5〜200μmのホトレジスト膜を形成し、得られたホトレジスト膜に所定のパターンマスクを介して放射線照射し、現像処理することを特徴とするホトレジストパターン形成方法。
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