JP2008095667A - タービン動翼の組込方法、タービン動翼、及び該タービン動翼を有するタービン - Google Patents

タービン動翼の組込方法、タービン動翼、及び該タービン動翼を有するタービン Download PDF

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Abstract

【課題】タービン動翼体を狭いピッチで組み込む。
【解決手段】タービンディスクの円周方向に設けられた複数の溝部に挿入され係合する翼根部と、前記タービンディスクに回転運動のエネルギーを与える翼部と、前記翼根部及び前記翼部を支持するプラットホームとを含むタービン動翼体が前記タービンディスクに組み込まれてなるタービン動翼の組込方法において、前記プラットホームの形状が異なる複数種類のタービン動翼体を有し、前記タービンディスクに対して所定の順序で所定のプラットホーム形状を有するタービン動翼体の翼根部を前記溝部に挿入して組み込みを行うことにより上記課題を解決する。
【選択図】図4

Description

本発明は、タービン動翼の組込方法、タービン動翼、及び該タービン動翼を有するタービンに係り、特にタービン動翼体を狭いピッチで組み込むためのタービン動翼の組込方法、タービン動翼、及び該タービン動翼を有するタービンに関する。
従来より、原子力や火力等により得られる熱エネルギーや、流体の圧力によるエネルギーを回転運動のエネルギーに変え、機械的エネルギーに変換するための手法としてタービンが用いられている。タービンは、タービン動翼体がタービンロータ(軸)の円周方向に円弧状に組み合わされ、例えば上述の流体の圧力等を利用してタービン動翼を回転させることで、機械的エネルギーに変換している。
このタービン動翼は、例えばタービンディスクに設けられた組み込み溝部に動翼体の根元に設けられた組み込み部を挿入することにより組み込まれ固定されている。なお、上述のタービン動翼体のタービンディスクへの組み込み手法は、一般にアクシャルエントリー方式と呼ばれている。
なお、従来では、タービン動翼の設置に関し、出力効率や運転中に発生する振動に対応できるように動翼組込部に改良を加えた技術が提案されている(例えば、特許文献1、2等参照。)。
ここで、従来のタービン動翼体の構造例について、図を用いて説明する。図1は、従来のタービン動翼体の構造を説明するための一例の図である。図1(a)に示すようにタービン動翼体10は、翼部11と、プラットホーム12と、翼根部13とを有するよう構成されている。タービン動翼体10は、プラットホーム12により翼部11と翼根部13とを支持している。なお、図1に示すプラットホームは、具体的には矩形形状のプラットホーム12−aであり、また図1に示す翼根部は矩形形状のプラットホーム12−aに対応させた形状からなる翼根部13−aである。
タービンディスクの円周方向に組み込まれるタービン動翼体10には、上述したような流体の圧力等から得られるエネルギーを効率的に回転運動のエネルギーに変えるため、例えば円弧(湾曲)を有する所定形状の翼部11を有している。また、翼根部13−aには、円弧状のタービンディスク(ディスク)14に設けられる図1(b)に示すような溝部15に対応したツリー形状の段部(凹凸部)を有する。
また、タービン動翼体10をタービンディスク14に組み込む際には、例えば図1(c)に示すようにタービンの軸方向に平行にタービン動翼体10−1〜10−3等を1枚毎にスライドさせて溝部15に翼根部13を嵌め込まれるように挿入することで、タービンディスク14の外周上にタービン動翼体10を組み込んでいる。
特開昭55−78103号公報 特開2000−274201号公報
ところで、タービンの出力効率を向上させるために、少ない面積に多くのタービン動翼体を設置させる必要がある場合がある。その場合、狭いピッチでタービン動翼体を組み込まなければならず、特に翼部の形状に対応させた組み込み方法が必要となる。
ここで、図2は、従来のタービン動翼の課題を説明するための図である。しかしながら、図2(a)に示すように、例えばタービン動翼体10の翼部11−2の両端を結んだ直線16が、隣接する翼部11−3の背面を通るような構造を性能上の要求等から取らざるを得ない場合には対応することができず、上述した図1(a)に示す矩形形状のプラットホーム12−aは翼部11に対応させ、ある程度の面積を有する必要が生じてしまう。
また、図2(b)に示すように、例えばプラットホーム12、及び翼根部13の形状を翼部11の形状に対応させて円弧状にし(図2(b)に示すプラットホーム12−b、翼根部13−b)、またディスクの溝部も翼根部13−bの形状に係合する円弧状の溝部にする構造にすることが考えられる。しかしながら、この構造ではプラットホーム12−bが溝部に沿って円弧状の軌跡を描くため、直線状のアクシャルエントリー方式に比べ隣接するプラットホーム間の干渉や隙間(クリアランス)を生じる危険性が高く、また組み込み位置に対応したプラットホームの形状の選定が困難となる。
なお、流路内に存在する隙間は、流れを乱す要因となるため、タービン効率の低下を引き起こす等の問題を生じ、また、タービン動翼体を強固に固定して安定させることができない。
ここで、上述した特許文献1に示される手法では、あえて組み込み部分を円弧状にすることを避けているが、それでも嵌め込むために若干の隙間を必要としており、更に動翼体のディスクへの組み込みに際して保持具を必要とする等の欠点を有している。
本発明は、上述した問題点に鑑みなされたものであり、タービン動翼体を狭いピッチで組み込むためのタービン動翼の組込方法、タービン動翼、及び該タービン動翼を有するタービンを提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、本発明は、タービンディスクの円周方向に設けられた複数の溝部に挿入され係合する翼根部と、前記タービンディスクに回転運動のエネルギーを与える翼部と、前記翼根部及び前記翼部を支持するプラットホームとを含むタービン動翼体が前記タービンディスクに組み込まれてなるタービン動翼の組込方法において、前記プラットホームの形状が異なる複数種類のタービン動翼体を有し、前記タービンディスクに対して所定の順序で所定のプラットホーム形状を有するタービン動翼体の翼根部を前記溝部に挿入して組み込みを行うことを特徴とする。これにより、タービン動翼体を狭いピッチで組み込むことができ、更に強固に固定して安定性を向上させることができる。
更に、前記プラットホームは、前記複数の溝部に対して、最初に挿入するタービン動翼体と、最後に挿入するタービン動翼体と、最初と最後に挿入される溝部以外の溝部に挿入するタービン動翼体とで、前記プラットホーム形状を異ならせることが好ましい。これにより、3種類の異なるプラットホーム形状を組み合わせることで、タービン動翼体を狭いピッチで組み込むことができ、更に強固に固定して安定性を向上させることができる。
更に、前記タービンディスクに前記タービン動翼体を組み込む際、前記タービン動翼体を隣接させて順次組み込みを行うことが好ましい。これにより、挿入漏れなくタービン動翼体を組み込むことができ、また強固に固定して安定性を向上させることができる。
更に、前記タービン動翼体は、形状の異なる2種類のプラットホームを有し、前記複数の溝部に対して1つ分の間隔を空けて一方のプラットホーム形状を有するタービン動翼体を挿入し、その後、残りの溝部にもう一方のプラットホーム形状を有するタービン動翼体を挿入して組み立てを行うことが好ましい。これにより、タービン動翼体を狭いピッチで組み込むことができ、更に強固に固定して安定性を向上させることができる。
更に、前記溝部に挿入されるタービン動翼体の各プラットホーム間の接触面に段差形状を有することが好ましい。これにより、段差によりプラットホーム間の接触面積を増やすことで、回転による遠心力等の動翼にかかる荷重に対して剛性の向上や振動を低減させることができ、更に強固に固定して安定性を向上させることができる。
また本発明は、タービンディスクの円周方向に設けられた複数の溝部に挿入され係合する翼根部と、前記タービンディスクに回転運動のエネルギーを与える翼部と、前記翼根部及び前記翼部を支持するプラットホームとを含むタービン動翼体が前記タービンディスクに組み込まれてなるタービン動翼において、前記プラットホームの形状が異なる複数種類のタービン動翼体を有し、前記タービンディスクに対して所定の順序で所定のプラットホーム形状を有するタービン動翼体の翼根部が前記溝部に挿入されて組み込まれていることを特徴とする。これにより、タービン動翼体を狭いピッチで組み込むことができ、更に強固に固定して安定性を向上させることができる。
更に、前記溝部に対して、最初に挿入するタービン動翼体と、最後に挿入するタービン動翼体と、最初と最後に挿入される溝部以外の溝部に挿入するタービン動翼体とで、前記プラットホーム形状が異なっていることが好ましい。これにより、3種類の異なるプラットホーム形状を組み合わせることで、タービン動翼体を狭いピッチで組み込むことができ、更に強固に固定して安定性を向上させることができる。
更に、前記タービン動翼体は、前記タービンディスクに隣接させながら順次組み込まれていることが好ましい。これにより、組み込み時に挿入漏れなくタービン動翼体を組み込むことができ、また強固に固定して安定性を向上させることができる。
更に、前記タービン動翼体は、形状の異なる2種類のプラットホームを有し、前記複数の溝部に対して1つ分の間隔を空けて一方のプラットホーム形状を有するタービン動翼体を挿入し、その後、残りの溝部にもう一方のプラットホーム形状を有するタービン動翼体を挿入して組み立てられていることが好ましい。これにより、タービン動翼体を狭いピッチで組み込むことができ、更に強固に固定して安定性を向上させることができる。
更に、前記溝部に挿入されるタービン動翼体の各プラットホーム間の接触面に段差形状を有することが好ましい。これにより、段差によりプラットホーム間の接触面積を増やすことで、回転による遠心力等の動翼にかかる荷重に対して剛性の向上や振動を低減させることができ、更に強固に固定して安定性を向上させることができる。
更に、前記段差形状は、半径の異なる複数の円弧形状からなることが好ましい。これにより、ディスクへのタービン動翼体の挿入をスムーズに行うことができる。
また本発明は、前記請求項6乃至11の何れか1項の記載のタービン動翼を具備するタービンを提供する。これにより、タービン動翼体を狭いピッチで組み込むことができ、更に強固に固定して安定性を向上させることができるため、タービンの出力効率を向上させることができる。
本発明によれば、タービン動翼体を狭いピッチで組み込むことができる。また、タービンディスクにタービン動翼体を強固に固定して安定性を向上させることができる。
<本発明の概要>
例えば、湾曲を有する翼を狭いピッチで組み込むタービン動翼設計に対し、タービンディスクの円周方向に円弧状に設けられた複数の溝部に沿ってタービン動翼体をスライドさせて挿入するような場合、問題となるのが隣接するプラットホーム間の干渉と隙間の発生である。
特に、タービン動翼体の最後の1ピースを挿入する際、その前後に既に挿入されているタービン動翼体の存在によりディスクに設けられた円弧状の溝部への挿入時に干渉したり、干渉をなくすために干渉部分の形状を削りとることでディスクへの挿入後に隙間が生じてしまう。
そこで本発明では、プラットホームの形状変更だけでは不可能であるため、形状の設計と併せてタービン動翼体の組み込み方法についても検討し、動翼体の組み込み順序を予め設定すると共に、複数種類の異なるプラットホーム形状を有し、ディスクへの組み込み位置に応じて選択的に使用する。
また、タービン動翼の組立において、プラットホーム間の接触面に段差形状を設けた場合、この段差により、回転による遠心力等の動翼にかかる荷重に対して剛性の向上や振動を低減させることができ、更に強固に固定して安定性を向上させることができる。
以下に、本発明におけるタービン動翼の組込方法、タービン動翼、及び該タービン動翼を有するタービンを好適に実施した形態について、図面を用いて説明する。なお、以下の説明では、タービン動翼の翼根部は省略しているが、翼根部については、上述した図2に示すような形状を有するアクシャルエントリー方式の翼固定方式を用いている。なお、本発明における翼固定方式は、これに限定されるものではなく他の翼固定方式に用いられてもよい。
<実施例1>
図3は、タービン動翼の断面を示す一例の図である。また、図4は、実施例1におけるタービン動翼体の配列の一例を示す図である。なお、図4に示すタービン動翼体の配列例は、隣接するプラットホームの配列における2次元図を示している。また、図4では、タービン動翼の翼根部は省略している。
まず、図3に示すように、タービン動翼20は、中心にあるタービンシャフト(軸)21と、タービンシャフト21と一体に形成されたタービンディスク(ディスク)22とを有するよう構成されている。また、タービンディスク22には、複数のタービン動翼体30がディスクの周方向に取り付けられている。ここで、タービン動翼体30は、翼部31と、プラットホーム32と、動翼根部33とを有するよう構成されている。また、タービン動翼体30は、プラットホーム32により翼部31と翼根部33とを支持している。このとき、プラットホーム32及び翼根部33は、上述した図2(b)に示すように円弧状に形成されている。
つまり、タービン動翼体30は、図4に示すタービンロータの挿入方向(軸方向)からタービンディスクの周方向Aに設けられた円弧状の溝部に沿ってスライドさせ、翼根部と係合することによりタービンディスク22にタービン動翼体30が組み込まれる。なお、本発明における円弧形状は、タービン動翼の反りが大きい場合にも対応できる形状選択(円弧選択)の自由度がある。
ここで、タービン動翼体を狭いピッチで組み込むことができ、更に強固に固定して安定性を向上させるために、プラットホームの形状が異なる複数種類のタービン動翼体を有し、それらを所定の順序で溝部に挿入して組み込みを行う。
具体的には、プラットホームが3種類の異なる形状を有している。例えば、図4に示すように、最初にタービンディスク22に挿入するタービン動翼体30−1(F(First)ピース)と、最後に挿入するタービン動翼体30−6(L(Last)ピース)と、タービン動翼体30−1と、タービン動翼体30−6との間に連続して配列される中間のタービン動翼体30−2〜30−5(M(Middle)ピース)とを有する。
また、第1実施例では、予め設定された順序でタービン動翼を隣接させて組み込みを行う。具体的には、図3,4に示すようにタービンディスク22の周方向Aに対して、まずFピース(タービン動翼体30−1)を溝部に挿入し、その後、最後の1ピースになるまでMピース(タービン動翼体30−2〜30−5)を挿入し、最後にLピース(タービン動翼体30−6)を挿入してタービン動翼体の組み込みを行う。
ここで、Mピース間では、ディスクの周方向A側に隣接するプラットホームが既に存在する場合には、挿入時に干渉を引き起こしてしまう。したがって、連続するMピースの組み込み工程では、タービンディスク22の周方向Aに沿って順次挿入していく。また、組み込み工程で最後の1ピースの組み込みの際には、既に周方向A側にプラットホームが存在している。このとき、上述したようにMピース間では干渉してしまうため、埋込み工程における最初と最後の1ピースのみ、その干渉部分を除去あるいは付加したピース(F、Lピース)を用いる。これにより、最後の1ピースを他のピースと干渉させることなく、また隙間を発生させずに組み込むことができる。
なお、上述したようなプラットホーム形状の差異は、タービン動翼体の組み込み方法に起因する。組み込み工程時に中間のMピースを挿入する際には、周方向上方(A側)に動翼体がないことが前提となる。これは、タービン動翼体の挿入時に動翼前縁側(後にタービン動翼体が挿入される側)の上端部分が溝部に沿ってスライドさせたときに干渉するからである。したがって、最後に組み込むLピースは、周方向Aの上方にすでにFピースが存在するため、Fピースの干渉部位を除去し、それに対応して隙間が生じないようにLピースに対応部位を付加したプラットホーム形状となっている。
次に、上述したFピース、Lピース、Mピースのそれぞれのタービン動翼形状の実施例について説明するが、それぞれのピースの形状の相違部分と、各ピースの挿入順序による効果を明確にするため、Mピース、Fピース、Lピースの順に説明する。
<実施例1:Mピース>
図5は、実施例1におけるタービン動翼体(Mピース)の形状の一例を示す図である。なお、図5(a)は、Mピースの平面図を示し、図5(b)は、Mピースの斜視図を示している。
ここで、図5において、(1)は、腹面47Mの形状に沿ったタービン動翼体40Mのプラットホーム41Mの端部42M−2におけるディスク挿入時の軌跡を示し、(2)は、背面43の形状に沿った上述した(1)の軌跡をプラットホーム41Mの端部42M−3の位置に合わせたときの軌跡を示し、(3)は、ディスクに形成された円弧状の溝部の中心線を示し、(4)は、プラットホーム41Mの端部42M−3におけるディスク挿入時の軌跡を示し、(5)は、プラットホーム41Mの背面43Mの頂点44Mにおけるディスク挿入時の軌跡を示している。
つまり、図5に示す(1)、(2)の軌跡は、隣接するタービン動翼体40Mの間隔(翼ピッチ)がl分ずれた同一半径rの円弧となる。また、(5)の軌跡の半径は、中心がディスクの周方向Aに平行な直線45を基準としてr+lの距離となる。
なお、図5に示される凹点46Mは、頂点44Mと交わるディスクの周方向Aと平行な直線45が腹面47Mと交わったときの交点を示している。
ここで、Mピース間では、ディスクの周方向Aに隣接するタービン動翼体40Mのプラットホームが既に存在する場合には、挿入時に干渉を引き起こすため、連続するタービン動翼体40Mのディスクへの組み込み工程では、ディスクA方向に順次挿入していくことが条件となる。
また、タービン動翼体40Mの頂点44Mや凹点46Mの位置は、動翼体の形状やタービン中の設置位置等により所定の湾曲を設けた円弧状に形成される翼部48Mの形状により任意に設定される。
<実施例1:Fピース>
図6は、実施例1におけるタービン動翼体(Fピース)の形状の一例を示す図である。なお、図6(a)はFピースの平面図を示し、図F(b)はFピースの斜視図を示している。
ここで、図6において、(1)は、端部42F−2と凹点46Fとの間の形状に沿ったタービン動翼体40Fのプラットホーム41Fの端部42F−2におけるディスク挿入時の軌跡を示し、(2)は、背面43Fの形状に沿った上述した(1)の軌跡をプラットホーム41Fの端部42F−3の位置に合わせたときの軌跡を示し、(3)は、ディスクに形成された円弧状の溝部の中心線を示し、(4)は、プラットホーム41Fの端部42F−3におけるディスク挿入時の軌跡を示し、(5)は、凹点46Fと端部42F−1との間の形状に沿ったプラットホーム41Fの背面43Fの頂点44Fにおけるディスク挿入時の軌跡を示している。
また、図6において、(6)は、凹点46Fと端部42F−1との間の形状に沿った上述した(5)の軌跡をプラットホーム41Fの端部42F−1の位置に合わせた軌跡を示している。
ここで、タービン動翼体40Fは、最初に組み込まれ、その後ディスクの周方向Aに対して上述したタービン動翼体40Mが順次組み込まれる。したがって、タービン動翼体40Fの背面43Fの形状は、上述したタービン動翼体40Mの腹面47Mの形状と同一の形状に形成されている。これにより、ピース間で干渉することなく、また隙間の発生を防止することができる。
また、タービン動翼体40Fの下端部(図6(a)に示す42F−1〜46F〜42F−2)の形状は、後述するタービン動翼体40Lが最後のピースとして挿入される際に干渉されることがなく、更に隙間の発生を生じさせないようにしなければならない。
したがって、タービン動翼体40Fは、タービン動翼体40Mと比較とすると、プラットホーム41Fの端部42F−1が一部削除された形状となっている。具体的には、プラットホーム41Fの腹面47Fにおいて、先にディスクに挿入される端部42F−2から凹点46Fまでの円弧形状と、凹点46Fから端部42F−1までの円弧形状を異ならせる。また、凹点46Fから端部42F−1までの円弧形状は、ディスク挿入時に頂点44Fが描く軌跡に対応させた形状とし、これは後述のLピース挿入時の頂点44Lが描く軌跡に対応した形状となる。
<実施例1:Lピース>
図7は、実施例1におけるタービン動翼体(Lピース)の形状の一例を示す図である。なお、図7(a)はLピースの平面図を示し、図7(b)はLピースの斜視図を示している。
ここで、図7において、(1)は、腹面47Lの形状に沿ったタービン動翼体40Lのプラットホーム41Lの端部42L−2におけるディスク挿入時の軌跡を示し、(2)は、端部42L−3と頂点44Lとの間の形状に沿った上述した(1)の軌跡をプラットホーム41Lの端部42L−3の位置に合わせたときの軌跡を示し、(3)は、ディスクに形成された円弧状の溝部の中心線を示し、(4)は、プラットホーム41Lの端部42L−3におけるディスク挿入時の軌跡を示し、(5)は、頂点44Lと端部42L−4との間の形状に沿ったプラットホーム41Lの背面43Lの頂点44Lにおけるディスク挿入時の軌跡を示している。
図7において、タービン動翼体40Lは、ディスクに最後に組み込まれる。したがって、タービン動翼体40Lのプラットホーム41Lの形状は、上述した図4に示すように、タービン動翼体40Fのプラットホーム41Fの腹面47Fと、タービン動翼体40Mのプラットホーム41Mの背面43Mと接するように形成される。
具体的には、プラットホーム41Lの腹面47Lは、Mピースのプラットホーム41Mの背面43Mの形状に合わせる。つまり、上述した図5に示す(2)の軌跡に合わせて形成される。また、プラットホーム41Lの背面43Lは、図6に示す(1)、(6)に示すFピースのプラットホーム41Fの腹面47Fの形状に合わせて形成される。
したがって、プラットホーム41Lは、タービン動翼体40Mと比較とすると、プラットホーム41Lの背面43Lの端部42L−4が一部付加された形状となっている。具体的には、プラットホーム41Lの背面43Lにおいて、先にディスクに挿入される端部42L−3から頂点44Lまでの円弧形状と、頂点44Lから端部42L−4までの円弧形状を異ならせる。また、頂点44Lから端部42L−4までの円弧形状は、上述の(5)に示す頂点44Lにおけるディスク挿入時の軌跡に対応させた形状とし、これは上述のFピースの腹面47Fの端部42F−1と凹点46Fとの間の形状に対応した形状となる。
このように、上述した実施例1では、組み込み工程最後の1ピースの取り付けの際には、既にディスクの周方向Aにプラットホームが存在しているため、上述したMピースのみを用いた場合には干渉してしまうが、組み込み工程における最初と最後の1ピースのみ、その干渉部分を除去あるいは付加したピース(F、Lピース)を用いることで、最後の1ピースを他のピースと干渉することなく、また隙間を生じさせずに組み込むことができる。
なお、上述の実施例は、翼部がディスクの周方向に対して湾曲している場合、プラットホームの円弧状に形成された輪郭部の1側面が、1種類の円弧で形成された場合について説明したが、例えば2種類の円弧で形成された場合についても上述の実施例を適用し、上述したFピース、Lピース、Mピースの3種類のタービン動翼体を用いて組み込みを行うことができる。
<実施例2>
実施例2では、上述した実施例1と同様にFピース、Lピース、Mピースの3種類のタービン動翼体を用いるが、プラットホームにおける各接触面の一部に、切欠部・突起部等からなる複数の段差形状を有する。なお、段差形状は、隣接させるプラットホーム間で対応して形成される。つまり、段差形状を有することにより、隣接するプラットホーム間の接触面積を増加させることができ、また動翼の固定強化、振動低減を実現することができる。
次に、実施例2において、上述したFピース、Lピース、Mピースのそれぞれのタービン動翼形状の実施例について説明するが、実施例1と同様にMピース、Fピース、Lピースの順に説明する。
<実施例2:Mピース>
図8は、実施例2におけるタービン動翼体(Mピース)の形状の一例を示す図である。なお、図8(a)はMピースの平面図を示し、図8(b)は翼部設置方向からみたMピースの斜視図を示し、図8(c)はディスクの中心方向からみたMピースの斜視図を示している。
ここで、図8において、(1)は、タービン動翼体50Mのプラットホーム51Mの端部52M−2aにおけるディスク挿入時の軌跡を示し、(2)は、52M−4〜54M〜52M−3cの形状に沿った上述した(1)の軌跡をプラットホーム51Mの端部52M−3cの位置に合わせたときの軌跡を示し、(3)は、プラットホーム51Mの端部52M−3cにおけるディスク挿入時の軌跡を示し、(4)は、頂点54Mと端部52M−3dとの間の形状に沿ったプラットホーム51Mの背面53Mの頂点54Mにおけるディスク挿入時の軌跡を示し、(5)は、端部52M−2bと凹点56Mとの間の形状に沿った上述した(4)の軌跡をプラットホーム51Mの端部52M−3bの位置に合わせたときの軌跡を示している。なお、図8においては、ディスクに形成された円弧状の溝部の中心線は省略している。
つまり、図8の(1)、(2)の軌跡は、上述した実施例1と同様に、隣接するタービン動翼体50Mの間隔(翼ピッチ)がl分ずれた同一半径rの円弧となる。また、(4)の軌跡の半径は、中心がディスクの周方向Aに平行な直線55を基準としてr+lの距離となる。
なお、図8に示される凹点56Mは、頂点54Mと交わるディスクの周方向Aと平行な直線55が腹面57Mと交わったときの交点を示している。
ここで、Mピース間では、ディスクの周方向に隣接するタービン動翼体50Mのプラットホームが既に存在する場合には、挿入時に干渉を引き起こすため、連続するタービン動翼体50Mのディスクへの組み込み工程では、ディスクの周方向Aに順次挿入していくことが条件となる。
また、タービン動翼体50Mの頂点54Mや凹点56Mの位置は、動翼体の形状やタービン中の設置位置等により所定の湾曲を設けた円弧状に形成される翼部58Mの形状により任意に設定される。
また、実施例2では、プラットホーム51Mの背面53M及び腹面57Mに段差形状を有している。具体的には、腹面57Mでは、凹点56Mを起点として動翼後縁側(先にタービン動翼体50Mが挿入される側)に対して2つの半径の異なる円弧形状により端部52M−2a,52M−2bを有する。このような形状にすることで、図8(b)に示されるような接触領域60Mの部分が形成されるため、隣接するプラットホームとの接触面積を従来より増やすことができ、ディスクに対して動翼体の強固な固定を実現することができる。
また、背面53M側では、頂点54Mを起点として動翼後縁側(先にタービン動翼体50Mが挿入される側)に対して2つの半径の異なる円弧形状により端部52M−3c,52M−3dを有する。このような形状にすることで、図8(c)に示されるような接触領域61Mの部分が形成されるため、隣接するプラットホームとの接触面積を従来より増やすことができ、ディスクに対して動翼体の強固な固定を実現することができる。
<実施例2:Fピース>
図9は、実施例2におけるタービン動翼体(Fピース)の形状の一例を示す図である。なお、図9(a)はFピースの平面図を示し、図9(b)は翼部設置方向からみたFピースの斜視図を示し、図9(c)はディスクの中心方向からみたFピースの斜視図を示している。
ここで、図9において、(1)は、タービン動翼体50Fのプラットホーム51Fの端部52F−2aにおけるディスク挿入時の軌跡を示し、(2)は、52F−4〜54F〜52F−3cの形状に沿った上述した(1)の軌跡をプラットホーム51Fの端部52F−3cの位置に合わせたときの軌跡を示し、(3)は、プラットホーム51Fの端部52F−3cにおけるディスク挿入時の軌跡を示し、(4)は、頂点54Fと端部52F−3dとの間の形状に沿ったプラットホーム51Fの背面53Fの頂点54Fにおけるディスク挿入時の軌跡を示し、(5)は、52F−1〜56F〜52F−2bの形状に沿った上述した(5)の軌跡をプラットホーム51Fの端部52F−2bの位置に合わせたときの軌跡を示している。
更に、図9において、(6)は、上述した(4)の軌跡をプラットホーム51Fの端部52F−2の位置に合わせた軌跡を示している。なお、図9においては、ディスクに形成された円弧状の溝部の中心線は省略している。
ここで、タービン動翼体50Fは、最初に組み込まれ、その後ディスクの周方向Aに対して上述したタービン動翼体50Mが順次組み込まれる。したがって、タービン動翼体50Fの背面53Fの形状は、上述したタービン動翼体50Mの腹面57Mの形状と同一の円弧形状に形成されている。これにより、ピース間で干渉することなく、また隙間の発生を防止することができる。
また、タービン動翼体50Fの腹面57Fの形状は、後述するタービン動翼体50Lが最後のピースとして挿入される際に干渉されることがなく、更に隙間の発生を生じさせないようにしなければならない。
したがって、タービン動翼体50Fは、タービン動翼体50Mと比較とすると、プラットホーム51Fの端部52F−1が一部削除された形状となっている。具体的には、プラットホーム51Fの腹面57Fにおいて、先にディスクに挿入される端部52F−2a(52F−2b)から凹点56Fまでの円弧形状と、凹点56Fから端部52F−1までの円弧形状を異ならせる。
ただし、図9の例では、52F−2b〜56F〜52F−1まで同一円弧である。これは、直線55上に円弧の中心があり、56Fを頂点とする円弧において、52F−2b〜52F−2aにおいて円弧選択の自由があるので、図では限界域の2点を選択した。
また、凹点56Fから端部52F−1までの円弧形状は、ディスク挿入時に頂点54Fが描く軌跡に対応させた形状とし、後述のLピース挿入時の頂点54Lが描く軌跡に対応した形状となる。
更に、実施例2では、プラットホーム51Fの腹面57Fをタービン動翼体50Lの背面53Lの段差に対応させ、プラットホーム51Fの背面53Fをタービン動翼体50Mの腹面57Mの段差に対応させた段差形状を有する。
具体的には、腹面57Fでは、凹点56Fを起点として動翼後縁側(先にタービン動翼体50Fが挿入される側)に対して2つの半径の異なる円弧形状により端部52F−2a,52F−2bを有する。このような形状にすることで、図9(b)に示されるような接触領域60Fの部分が形成されるため、隣接するプラットホームとの接触面積を従来より増やすことができ、ディスクに対して動翼体の強固な固定を実現することができる。
また、背面53F側では、頂点54Fを起点として動翼後縁側(先にタービン動翼体50Fが挿入される側)に対して2つの半径の異なる円弧形状により端部52F−3c,52F−3dを有する。このような形状にすることで、図9(c)に示されるような接触領域61Fの部分が形成されるため、隣接するプラットホームとの接触面積を従来より増やすことができ、ディスクに対して動翼体の強固な固定を実現することができる。
<実施例2:Lピース>
図10は、実施例2におけるタービン動翼体(Lピース)の形状の一例を示す図である。なお、図10(a)はLピースの平面図を示し、図10(b)は翼部設置方向からみたFピースの斜視図を示し、図10(c)はディスクの中心方向からみたFピースの斜視図を示している。
ここで、図10において、(1)は、タービン動翼体50Lのプラットホーム51Lの端部52L−2aにおけるディスク挿入時の軌跡を示し、(2)は、凹点56Lと端部52L−2bとの間の形状に沿った上述した(1)の軌跡をプラットホーム51Lの端部52L−2bの位置に合わせたときの軌跡を示し、(3)は、プラットホーム51Lの端部52L−3cにおけるディスク挿入時の軌跡を示し、(4)は、52L−4〜54L〜52L−3dの形状に沿ったプラットホーム51Lの背面53Lの頂点54Lにおけるディスク挿入時の軌跡を示し、(5)は、上述した(1)の軌跡をプラットホーム51Lの端部52L−3cの位置に合わせたときの軌跡であり、頂点54Lと端部52L−3cとの間の形状に沿った軌跡を示している。なお、図10においては、ディスクに形成された円弧状の溝部の中心線は省略している。
図10において、タービン動翼体50Lは、ディスクに最後に組み込まれる。したがって、タービン動翼体50Lのプラットホーム51Lの形状は、タービン動翼体50Fのプラットホーム51Fの腹面57Fと、タービン動翼体50Mのプラットホーム51Mの背面53Mと接するように形成される。
具体的には、プラットホーム51Lの腹面57Lは、Mピースのプラットホーム51Mの背面53Mの形状に合わせる。つまり、上述した図8の(2)及び(4)の軌跡に合わせて形成される。また、プラットホーム51Lの背面53Lは、Fピースのプラットホーム57Fの腹面57Fの形状に合わせて形成される。
したがって、プラットホーム51Lは、タービン動翼体50Mと比較とすると、プラットホーム51Lの背面53Lの端部52L−4が一部付加された形状となっている。具体的には、プラットホーム51Lの背面53Lにおいて、先にディスクに挿入される端部52L−3c,52L−3dから頂点54Lまでの円弧形状と、頂点54Lから端部52L−4までの円弧形状を異ならせる。
ただし、図10の例では、52L−2b〜56L〜52L−1まで同一円弧である。これは、直線55上に円弧の中心があり、56Lを頂点とする円弧において、52L−2b〜52L−2aにおいて円弧選択の自由があるので、図では限界域の2点を選択した。
また、頂点54Lから端部52L−4までの円弧形状は、上述の(4)に示す頂点54Lにおけるディスク挿入時の軌跡に対応させた形状とし、これは上述したFピースの腹面57Fの端部52F−1と凹点56Fとの間の形状に対応した形状となる。
更に、実施例2では、プラットホーム51Lの腹面57Lをタービン動翼体50Mの背面53Mの段差に対応させ、プラットホーム51Lの背面53Lをタービン動翼体50Fの腹面57Fの段差に対応させた段差形状を有する。
具体的には、腹面57Lでは、凹点56Lを起点として動翼後縁側(先にタービン動翼体50Lが挿入される側)に対して2つの半径の異なる円弧形状により端部52L−2a,52L−2bを有する。このような形状にすることで、図10(b)に示されるような接触領域60Lの部分が形成されるため、隣接するプラットホームとの接触面積を従来より増やすことができ、ディスクに対して動翼体の強固な固定を実現することができる。
また、背面53L側では、頂点54Lを起点として動翼後縁側(先にタービン動翼体50Lが挿入される側)に対して2つの半径の異なる円弧形状により端部52L−3c,52L−3dを有する。このような形状にすることで、図10(c)に示されるような接触領域61Lの部分が形成されるため、隣接するプラットホームとの接触面積を従来より増やすことができ、ディスクに対して動翼体の強固な固定を実現することができる。
ここで、上述した段差形状は、プラットホーム51の背面53及び腹面57の厚さに応じて任意の位置に設けることができるが、例えば上述した実施例2に示すように2段の段差を設ける場合、強度の面から厚みの半分の位置を基準にすることが好ましい。また、実施例2では、段差を2段にしているが、本発明においてはこれに限定されるものではなく、例えば3段以上であってもよい。
また、段差形状を円弧形状にすることにより、ディスクへの挿入時に隣接するタービン動翼体のプラットホームの接触による干渉を減らすことができる。また、どの位置を基点に円弧形状を形成するかについては、頂点54、凹点56に限定されるものではなく、例えば頂点54、凹点56よりも動翼後縁側であってもよい。更に、動翼後縁側の円弧形状の自由度に関して、頂点54をとる最大円弧から凹点56をとる最小円弧まで許容される。
<実施例2:タービン動翼の配列例>
図11は、実施例2におけるタービン動翼体の配列の一例を示す図である。なお、図11に示すタービン動翼体の配列例は、ディスクの中心方向からみた隣接するプラットホームの配列におけるタービン動翼の斜視図を示している。また、図11では、タービン動翼の翼根部は省略している。
図11に示すように、タービン動翼体70は、図11に示すタービンロータの挿入方向(軸方向)からタービンディスクの周方向Aに設けられた円弧状の溝部に沿ってスライドさせ、翼根部を係合することによりタービンディスクにタービン動翼体70が組み込まれる。
ここで、タービン動翼体70を狭いピッチで組み込むことができ、更に強固に固定して安定性を向上させるために、最初にディスクに挿入するタービン動翼体70−1(Fピース)と、最後に挿入するタービン動翼体70−6(Lピース)と、タービン動翼体70−1と、タービン動翼体70−6との間に連続して配列される中間のタービン動翼体70−2〜70−5(Mピース)とを有する。
更に、実施例2では、FピースとMピースのプラットホームの接触面71−1、Mピース間の接触面71−2、MピースとLピースの接触面71−3、LピースとFピースとの接触面71−4とにおいて、それぞれ上述した接触領域60,61を対応させて接触させるようにすることで、強固に固定して安定性を向上させることができる。
また、実施例2においても実施例1と同様に、組み込み工程における最初と最後の1ピースのみ、プラットホームの干渉部分を除去あるいは付加したピース(F、Lピース)を用いる。これにより、最後の1ピースを他のピースと干渉させることなく、また隙間を発生させずに組み込むことができる。
更に実施例2では、タービン動翼体の組み込み方法において、各プラットホーム間の接触面に複数の段差形状を有することにより、プラットホーム間の接触面積を増やすことで、回転による遠心力等の動翼にかかる荷重に対して剛性の向上や振動を低減させ、強固に固定して安定性を向上させることができる。
<実施例3>
なお、上述した実施例では、3種類の形状が異なるプラットホームによる配列例を示したが、例えば上述したFピースとLピースの2種類の形状が異なるプラットホームを1組として用い、所定の順次ディスクに設けられた溝部に挿入して組み込みを行ってもよい。また、この場合の組み込み方法は、最初にFピースのみを1ピース分の間隔を空けてディスクに組み込み、その後、Lピースを挿入するようにする。
なお、FピースとLピースは、交互に組み込まれるため、最終的に組み込みが完了時には、FピースとLピースが同数からなり、偶数枚が設置されることになる。実施例3によれば、上述した実施例1,2と同様に、タービン動翼体を狭いピッチで組み込むことができ、更に強固に固定して安定性を向上させることができる。
<タービン例>
次に、上述したタービン動翼を具備するタービンについて図を用いて説明する。図12は、本発明におけるタービン動翼を具備するタービンの一構成例を示す図である。なお、図12は、タービンの一例をして蒸気タービンを示しているが、本発明におけるタービンの種類は、蒸気に限定されるものではなく、例えば、流体(空気等)を圧縮する圧縮機や、ジェットエンジン、流体(燃焼ガス、空気等)により駆動するタービンであってもよい。
図12に示すタービン80は、タービンロータの円周方向に設けられたタービンディスク(ディスク)81にタービン動翼82が組み込まれている。また、タービン80は、ケーシング83内にタービン動翼82を設置すると共に、タービン動翼82に対応してタービン静翼84も設置する。
このとき、タービン80に供給される蒸気は、主蒸気弁85を介して蒸気入口部86から翼列部87に供給され、タービン動翼82及びタービン静翼84間を流れて復水器88に出力される。上述した蒸気の流れによりタービン動翼82により駆動されたタービンロータは、例えばロータに接続された発電機89を駆動して電気を発生する。
ここで、図12に示すタービン80の構成において、タービン動翼82に上述した本発明のタービン動翼を適用することにより、隣接するプラットホーム間で組み込み時に干渉することなく、また組み込み後に隙間も生じないため、強固に固定して安定性を向上させることができ、またタービンの出力効率を向上させることができる。したがって、従来技術に比べて高速回転時の遠心力に対する強度に優れている等、剛性が高く、振動に対する減衰効果も大きくなる。
上述したように本発明によれば、タービン動翼体を狭いピッチで組み込むことができる。また、タービンディスクにタービン動翼体を強固に固定して安定性を向上させることができる。具体的には、プラットホームの形状をディスクへの組み込み位置に応じて変更すると共に、形状に応じて組み込み順序を設定し、設定された順序で所定のプラットホーム形状を有するタービン動翼体をディスクに組み込む。また、プラットホーム間の接触面に段差形状を設ける。これにより、隣接するプラットホーム間で挿入時に干渉せず、更に隙間が生じない。更にプラットホーム間の接触面を広くとることができ、隣接するタービン動翼体は切欠部・棚状突起部等で連接されているため、従来技術に比べて高速回転時の遠心力に対する強度に優れている等きわめて剛性が高く、振動に対する減衰効果も大きい構造となる。
また、本発明によるタービン動翼体の組み込み方法を適用することにより、タービン動翼体は挿入方向側からしか着脱することができず、更に隣接したプラットホームにより、軸方向を固定されるという関係が最後に取り付けた動翼を除いてディスク全周にわたって成立する。そのため、本発明によれば、タービン動翼体がディスクから抜け出るのを防止し、強固な固定を得ることができる。また、本発明によれば、タービン動翼体の止め具が最後の1ピースのみでよい。したがって、例えば上述した特許文献1と比較すると、保持具がいらず固定作業が容易となる。
更に、本発明を適用することにより、例えば湾曲度の大きい隣接する動翼体同士が干渉するような場合においても、アクシャルエントリー方式を採用でき、更にその場合でも性能を低下させることなく、強固な固定の達成、容易な組み込み作業の実現も可能とする動翼構造を実現することができる。
以上、本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
従来のタービン動翼体の構造を説明するための一例の図である。 従来のタービン動翼の課題を説明するための図である。 タービン動翼の断面を示す一例の図である。 実施例1におけるタービン動翼体の配列の一例を示す図である。 実施例1におけるタービン動翼体(Mピース)の形状の一例を示す図である。 実施例1におけるタービン動翼体(Fピース)の形状の一例を示す図である。 実施例1におけるタービン動翼体(Lピース)の形状の一例を示す図である。 実施例2におけるタービン動翼体(Mピース)の形状の一例を示す図である。 実施例2におけるタービン動翼体(Fピース)の形状の一例を示す図である。 実施例2におけるタービン動翼体(Lピース)の形状の一例を示す図である。 実施例2におけるタービン動翼体の配列の一例を示す図である。 本発明におけるタービン動翼を具備するタービンの一構成例を示す図である。
符号の説明
10,30,40,50,70 タービン動翼体
11,31,48,58 翼部
12,32 プラットホーム
13,33 翼根部
14,22,81 タービンディスク
15 溝部
20,82 タービン動翼
21 タービンシャフト
41,51 プラットホーム
42,52 端部
43,53 背面
44,54 頂点
45,55 直線
46,56 凹点
47,57 腹面
60,61 接触領域
71 接触面
80 タービン
83 ケーシング
84 静翼
85 主蒸気弁
86 蒸気入口部
87 翼列部
88 復水器
89 発電機

Claims (12)

  1. タービンディスクの円周方向に設けられた複数の溝部に挿入され係合する翼根部と、前記タービンディスクに回転運動のエネルギーを与える翼部と、前記翼根部及び前記翼部を支持するプラットホームとを含むタービン動翼体が前記タービンディスクに組み込まれてなるタービン動翼の組込方法において、
    前記プラットホームの形状が異なる複数種類のタービン動翼体を有し、前記タービンディスクに対して所定の順序で所定のプラットホーム形状を有するタービン動翼体の翼根部を前記溝部に挿入して組み込みを行うことを特徴とする組込方法。
  2. 前記プラットホームは、
    前記複数の溝部に対して、最初に挿入するタービン動翼体と、最後に挿入するタービン動翼体と、最初と最後に挿入される溝部以外の溝部に挿入するタービン動翼体とで、前記プラットホーム形状を異ならせることを特徴とする請求項1に記載の組込方法。
  3. 前記タービンディスクに前記タービン動翼体を組み込む際、前記タービン動翼体を隣接させて順次組み込みを行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の組込方法。
  4. 前記タービン動翼体は、
    形状の異なる2種類のプラットホームを有し、前記複数の溝部に対して1つ分の間隔を空けて一方のプラットホーム形状を有するタービン動翼体を挿入し、その後、残りの溝部にもう一方のプラットホーム形状を有するタービン動翼体を挿入して組み立てを行うことを特徴とする請求項1に記載の組込方法。
  5. 前記溝部に挿入されるタービン動翼体の各プラットホーム間の接触面に段差形状を有することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の組込方法。
  6. タービンディスクの円周方向に設けられた複数の溝部に挿入され係合する翼根部と、前記タービンディスクに回転運動のエネルギーを与える翼部と、前記翼根部及び前記翼部を支持するプラットホームとを含むタービン動翼体が前記タービンディスクに組み込まれてなるタービン動翼において、
    前記プラットホームの形状が異なる複数種類のタービン動翼体を有し、前記タービンディスクに対して所定の順序で所定のプラットホーム形状を有するタービン動翼体の翼根部が前記溝部に挿入されて組み込まれていることを特徴とするタービン動翼。
  7. 前記溝部に対して、最初に挿入するタービン動翼体と、最後に挿入するタービン動翼体と、最初と最後に挿入される溝部以外の溝部に挿入するタービン動翼体とで、前記プラットホーム形状が異なっていることを特徴とする請求項6に記載のタービン動翼。
  8. 前記タービン動翼体は、
    前記タービンディスクに隣接させながら順次組み込まれていることを特徴とする請求項6又は7に記載のタービン動翼。
  9. 前記タービン動翼体は、
    形状の異なる2種類のプラットホームを有し、前記複数の溝部に対して1つ分の間隔を空けて一方のプラットホーム形状を有するタービン動翼体を挿入し、その後、残りの溝部にもう一方のプラットホーム形状を有するタービン動翼体を挿入して組み立てられていることを特徴とする請求項6に記載のタービン動翼。
  10. 前記溝部に挿入されるタービン動翼体の各プラットホーム間の接触面に段差形状を有することを特徴とする請求項6乃至9の何れか1項に記載のタービン動翼。
  11. 前記段差形状は、
    半径の異なる複数の円弧形状からなることを特徴とする請求項10に記載のタービン動翼。
  12. 前記請求項6乃至11の何れか1項に記載のタービン動翼を有するタービン。
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