JP2008094957A - 粘着剤及び粘着シート、並びにワークの剥離方法 - Google Patents

粘着剤及び粘着シート、並びにワークの剥離方法 Download PDF

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Abstract

【課題】初期粘着力及び保持力に優れ、剥離時には被着体からの剥離を容易且つ所望の片側の面から被着体に残渣を残すことなく剥離可能な粘着剤及びこれを用いた粘着シート、並びにこの粘着剤を用いて貼付されたワークの剥離方法を提供する。
【解決手段】
被着体上にワークを剥離可能に接着するための粘着剤40であって、粘着材料14と、粘着材料14中に分散され、熱により溶融するマイクロカプセル18と、マイクロカプセル18中に内包され、粘着材料14の粘着力を低下させる離型剤16とを有する粘着剤層12と、粘着剤層12上に形成され、粘着材料22と、粘着材料22中に分散され、熱により膨張する熱膨張性粒子24とを有する粘着剤層20とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、粘着剤及び粘着シート、並びにワークの剥離方法に係り、特に、加熱処理により被着体からの剥離を容易とする粘着剤及びこれを用いた粘着シート、並びにこの粘着剤を用いて貼付されたワークの剥離方法に関する。
粘着剤やこれを支持体である基材上に設けた粘着シートは、ラベルの貼付等の広い用途で使用されている。接着剤や粘着シートの利用分野として、製造ライン上での電子部品の仮固定やリサイクルラベルの貼付などがある。このような分野では、電子部品やラベル等を粘着剤又は粘着シートを用いて被着体に貼り付けた後、これを容易に剥離できることも要求される。このような観点から、従来より、所定の処理によって接着力が低下或いは喪失するようにした粘着剤や粘着シートが提案されている。
例えば、特許文献1には、基材上に熱膨張性樹脂粒子を含有した粘着層を設けた加熱剥離型の粘着シートが開示されている。これは、粘着層中の熱膨張性樹脂粒子を膨張させることにより接着力を低下し、被着体より容易に剥離できるようにしたものである。
また、例えば特許文献2には、離型剤を内包したマイクロカプセルを含有した粘着剤が開示されている。これは、剥離の際に加圧によってマイクロカプセルを破壊し、マイクロカプセルからしみ出した離型剤によって粘着剤の粘着力を低下させるものである。
特開昭60−252681号公報 特開平09−095650号公報
しかしながら、特許文献1に記載の粘着シートでは、粘着剤の粘着力を弱まらせるのではなく、熱膨張性樹脂粒子の膨張力で被着体と粘着体とを剥離するものであり、十分な剥離性が得られるものではなく、被着体に粘着剤の残渣が残ることがあった。
一方、特許文献2に記載の粘着シートは、離型剤の作用により粘着剤の粘着力を弱めるものであるため、粘着剤の粘着力を大幅に低減することができ、被着体に粘着剤の残渣が残る可能性は低くなる。しかしながら、このような作用効果を得るためには、粘着シート全体にわたって加圧する必要があり、大きな粘着シートや加圧することができないような狭い筐体内に貼付された粘着シートなどの場合、容易に剥離させることが困難であった。
また、粘着剤は2つの部材を接着するために用いているが、廃棄時に2つの部材のうち片方の部材のみを再利用したい場合、再利用しない部材には粘着剤の残渣は残っても構わないが、再利用したい部材には粘着剤の残渣を残さないことが求められる。このように、剥離時に粘着剤を所望の片側の面だけには残渣を残さずに剥離するといった異方剥離性が望まれるようになってきたが、これを解決できる粘着剤は存在しなかった。
本発明の目的は、初期粘着力及び保持力に優れ、剥離時には被着体からの剥離を容易且つ所望の片側の面から被着体に残渣を残すことなく剥離可能な粘着剤及びこれを用いた粘着シート、並びにこの粘着剤を用いて貼付されたワークの剥離方法を提供することにある。
本発明の一観点によれば、第1の粘着材料と、前記第1の粘着材料中に分散され、熱により溶融するマイクロカプセルと、前記マイクロカプセル中に内包され、前記粘着材料の粘着力を低下させる離型剤とを有する第1の粘着剤層と、前記第1の粘着剤層上に形成され、第2の粘着材料と、前記第2の粘着材料中に分散され、熱により膨張する第1の熱膨張性粒子とを有する第2の粘着剤層とを有する粘着剤が提供される。
また、本発明の他の観点によれば、基材上に粘着剤が形成された粘着シートであって、前記粘着剤は、第1の粘着材料と、前記第1の粘着材料中に分散され、熱により溶融するマイクロカプセルと、前記マイクロカプセル中に内包され、前記粘着材料の粘着力を低下させる離型剤とを有する第1の粘着剤層と、前記第1の粘着剤層上に形成され、第2の粘着材料と、前記第2の粘着材料中に分散され、熱により膨張する第1の熱膨張性粒子とを有する第2の粘着剤層とを有する粘着シートが提供される。
また、本発明の更に他の観点によれば、被着体上に、第1の粘着材料と、前記第1の粘着材料中に分散され、熱により溶融するマイクロカプセルと、前記マイクロカプセル中に内包され、前記粘着材料の粘着力を低下させる離型剤とを有する第1の粘着剤層と、前記第1の粘着剤層上に形成され、第2の粘着材料と、前記第2の粘着材料中に分散され、熱により膨張する熱膨張性粒子とを有する第2の粘着剤層とを有する粘着剤を用いて貼付されたワークの剥離方法であって、加熱処理を行うことにより、前記マイクロカプセルを溶融するとともに前記熱膨張性粒子を膨張させ、前記離型剤を前記第1の粘着材料内に拡散して粘着力を低下させるワークの剥離方法が提供される。
本発明によれば、第1の粘着材料中に分散され、熱により溶融するマイクロカプセルと、マイクロカプセル中に内包され、第1の粘着材料の粘着力を低下させる離型剤とを有する第1の粘着剤層と、第1の粘着剤層上に形成され、第2の粘着材料中に分散され、熱により膨張する熱膨張性粒子とを有する第2の粘着剤層とを有する粘着剤及びこれを用いた粘着シートを構成するので、加熱処理をするだけで、容易に、しかも所望の片側の被着面にほとんど残渣を残さずに粘着剤を剥離することができる。
また、第2の粘着剤層上に、マイクロカプセルや熱膨張性粒子を含まない第3の粘着剤層を設けることにより、粘着剤の接着力を向上することができる。
また、第1の粘着材料中に、熱により膨張する熱膨張性粒子を分散させることにより、マイクロカプセルから放出される離型剤の拡散性を向上することができる。これにより、剥離性を高めるとともに残渣の発生を更に抑えることができる。
また、第1の粘着剤層中のマイクロカプセル内に、熱により膨張する熱膨張性粒子を内包させることにより、マイクロカプセルの破壊を促進し、マイクロカプセルから放出される離型剤の拡散性を向上することができる。これにより、剥離性を高めるとともに残渣の発生を更に抑えることができる。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態による粘着剤及び粘着シートについて図1乃至図3を用いて説明する。
図1は本実施形態による粘着剤及び粘着シートの構造を示す概略断面図、図2及び図3は本実施形態によるワークの剥離方法を説明する図である。
はじめに、本実施形態による粘着剤及び粘着シートについて図1を用いて説明する。
セパレータ(或いは基材)10上には、粘着剤層12が形成されている。粘着剤層12は、離型剤16を内包する熱溶融性のマイクロカプセル18が粘着材料14中に分散されたものである。粘着剤層12上には、粘着剤層20が形成されている。粘着剤層20は、加熱により体積膨張する熱膨張性粒子24が粘着材料22中に分散されたものである。粘着剤層20上には、セパレータ26が形成されている。こうして、2つの粘着剤層12,20が積層されてなる粘着剤40がセパレータ10,26に挟持されてなる粘着シートが構成されている。
粘着材料12,20は、例えば、ゴム系、アクリル系、ビニルアルキルエーテル系、シリコーン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ウレタン系、スチレン・ジエンブロック共重合体系の融点が200℃以下の熱溶融性樹脂を配合してクリープ特性を改良したものなど、公知の粘着材料の1種類又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。また、架橋剤、粘着性付与剤、可塑剤、充填剤、老化防止剤など、添加剤を適宜配合してもよい。一般には、天然ゴムや各種の合成ゴムをベースポリマーとするゴム系粘着剤や、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、アミル基、ヘキシル基、ヘプチル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、イソオクチル基、イソデシル基、ドデシル基、ウラリル基、トリデシル基、ペンタンデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基のような炭素数が20以下のアルキル基を有するアクリル酸やメタクリル酸などのエステルからなるアクリル酸系アルキルエステルの1種類又は2種類以上を用いたアクリル系重合体をベースポリマーとするアクリル系粘着剤などを用いることができる。また、加熱後の接着力の大きな低下を達成する観点等から、常温から150℃における動的弾性率が5万〜1000万dyn/cmのポリマーをベースポリマーとすることが好適である。
なお、粘着剤層20を構成する粘着材料22としては、加熱時に熱膨張性粒子24の発泡及び/又は膨張を許容する材料を適用し、加熱時に熱膨張性粒子の発泡及び/又は膨張を可及的に拘束しないことが望ましい。また、粘着材料14,22としては、後述する熱膨張性粒子24の膨張による押圧力によって隙間のできるものを用いるとより好適である。
マイクロカプセル18は、粘着剤層12に接触すると粘着剤層12の接着力を低下させる働きを有する離型剤16を内包するとともに、熱溶融性の材料で構成される。
マイクロカプセル18の殻材としては、例えば、塩化ビニリデン・アクリロニトリル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスルホンなどの熱溶融性物質を適用することができる。特に、マイクロカプセル18として、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、イソシアネート樹脂などの合成樹脂を使用すると、耐水性・耐溶剤性に優れ、より好適である。
マイクロカプセル18の融点は、60〜150℃であることが望ましい。融点が60℃未満では、加熱処理をしなくても、例えば室温においても、一部のマイクロカプセル18が自然に溶融してしまう虞があるからである。また、融点が150℃より高いと、マイクロカプセル18を熱溶融させるために200℃以上の加熱が必要となり、一般的な被着体を熱劣化させる可能性があるからである。なお、ここで「融点」とは、熱示差走査熱量計(DSC)を用い、JIS K7121に準じて10±1℃/分の昇温速度で測定したときの溶解ピーク温度を意味する。
マイクロカプセル18の平均粒径は、1〜50μmであることが望ましい。平均粒径が1μm未満では、一つのマイクロカプセル18に内包される離型剤の含有量が少なくなってしまい、粘着剤層12の接着力を充分に低下させることができないからである。また、平均粒径が50μmより大きいと、それ自身で接着力のないマイクロカプセル18が粘着剤層12の大半を占めてしまい、粘着剤層12が充分な接着力を得られなくなるからである。
マイクロカプセル18に内包されている離型剤16は、粘着材料14と接することにより、粘着剤層12の接着力を低下させる働きを有するものである。このような離型剤16としては、高級脂肪酸、高級脂肪酸誘導体、オルガノポリシロキサン化合物、ワックス、高級アルコール、鉱油、動物油、植物油、シリコーン油等を適用することができる。また、これらの材料に限定されるものではなく、2種類以上の離型剤を併用してもよい。また、必要に応じて酸化防止剤や紫外線吸収剤等の助剤を含有させるようにしてもよい。
離型剤16の粘性は、低い方が望ましい。これは、離型剤16の粘性が高すぎると、粘着材料14中に放出されたときに充分に拡散することができず、それによって粘着材料14との接触面積が少なくなり、粘着材料14の接着力を充分に低下させることができなくなるからである。
離型剤16は、粘着材料14に対して1〜20wt%の範囲で含有させることが望ましい。離型剤16の含有割合が粘着材料14に対して重量割合で1wt%未満の場合には充分な離型効果を得ることができず、離型剤16が粘着材料14に対して重量割合で20wt%より多い場合には充分な接着性を得ることができず、剥離の際に被着体を汚染する虞もあるからである。
離型剤16を内包するマイクロカプセル18は、コアセルベーション法、界面重合法、in−situ重合法などの公知の方法を用いて作製することができる。この際、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂やイソシアネート樹脂のような合成樹脂を壁膜剤として使用するのが、耐水性、耐溶剤性の観点から好ましい。
マイクロカプセル18を含有する粘着剤層12の厚さは、マイクロカプセル18から放出された離型剤16が粘着剤層12と被着体30との界面に容易に達する観点から、マイクロカプセル18の平均粒子径の1.3〜1.8倍の範囲に設定することが望ましい。粘着剤層12の厚さをマイクロカプセル18の平均粒子径の1.3倍以上にすることが望ましいのは、マイクロカプセル18の平均粒子径の1.3倍未満では、被着体30に直接接するマイクロカプセル18の量が多くなり、被着体30に対する接着力が低下するからである。また、粘着剤層12の厚さをマイクロカプセル18の平均粒子径の1.8倍以下にすることが望ましいのは、マイクロカプセル18の平均粒子径の2.0倍を超えると、粘着剤層12と被着体30との界面とマイクロカプセル18との距離が増加して、マイクロカプセル18から放出された離型剤16が粘着剤層12と被着体30との界面に十分に到達しないことがあるからである。
熱膨張性粒子24は、加熱により体積が膨張する微小球であり、剥離効果を高めるための助剤として機能する。熱膨張性粒子24としては、例えばイソブタン、プロパン、ペンタンの如く容易にガス化して熱膨張性を示す適宜な物質を、コアセルベーション法や界面重合法等で殻形成物質内に内包させたものを適用することができる。その殻としては、例えば塩化ビニリデン・アクリロニトリル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスルホンなどの熱溶融性物質や熱膨張で破壊する適宜な物質を適用することができる。なお、熱膨張性粒子24には、例えば松本油脂社製のマイクロスフェア(商品名)などの市販品もある。
熱膨張性粒子24の発泡温度は、80〜200℃の範囲であることが望ましい。発泡温度が80℃未満では、加熱処理をしなくても、例えば室温においても、熱膨張性粒子24が破裂する虞があり、接着性を低下する虞があるからである。また、発泡温度が200℃より高いと、発泡させるために200℃以上の加熱が必要となり、一般的な被着体を熱劣化させる可能性があるからである。なお、ここで「発泡温度」とは、熱膨張性粒子が膨張を開始する温度を意味する。
また、熱膨張性粒子24の発泡温度は、マイクロカプセル18の融点よりも(例えば、10℃以上)高いことが望ましい。熱膨張性粒子24の発泡温度をマイクロカプセル18の融点よりも高く設定することにより、マイクロカプセル18内から離型剤16が染み出した後に、熱膨張性粒子24の膨張によって粘着剤層12,20中に亀裂が生じるため、離型剤16を効果的に粘着剤層12,20中に拡散させることができる。
熱膨張性粒子24は、粘着材料22に対して1〜20wt%の範囲で含有させることが望ましい。熱膨張性粒子24の含有割合が粘着材料22に対して重量割合で1wt%未満の場合には充分な効果を得ることができず、熱膨張性粒子24が粘着材料22に対して重量割合で20wt%より多い場合には充分な接着性を得られないからである。
熱膨張性粒子24の平均粒径は、1〜50μmであることが望ましい。平均粒径が1μm未満では、熱膨張しても粘着剤層12,20の拡大効果が少ないため充分な効果を得ることができないからである。また、平均粒径が50μmより大きいと、それ自身で接着力のない熱膨張性粒子24が粘着剤層20の大半を占めてしまい、粘着剤層20が充分な接着力を得られなくなるからである。
加熱処理による粘着剤層12,20の接着力の低下性などの観点から、好ましく用いうる熱膨張性粒子24は、5倍以上、特に10倍以上の体積膨張率となるまで発泡によって破裂しないものである。
以上の材料から構成される粘着剤層12,20の接着力は、25℃におけるステンレス板に対する180°剥離接着力(剥離速度300mm/min)が、800g/25mm以上であることが好ましく、1000g/25mm以上であることがさらに好ましい。常温での接着力が800g/25mm未満であると、被着体を十分に保持し得ず、実用的でないからである。また、剥離を生起させようとする温度、すなわち剥離設計温度まで加熱した後の接着力は、80g/25mm以下になることが好ましく、30g/25mm以下であることがさらに好ましい。加熱処理後の接着力が80g/25mmを超えるようでは,被着体の剥離を良好に行うことが困難となるからである。
セパレータ10,26は、粘着剤層12,20に対して剥離可能に貼着された剥離紙であり、粘着シートを被着体に貼付する際に取り除かれるものである。セパレータ10,26としては、上記粘着材料14,22に対して用いられる一般的な剥離紙材料を適用することができる。セパレータ10,26は、プラスチックフィルム、紙、布、不織布、金属泊又はそれらのラミネート体など、主に薄葉体によって構成することができる。セパレータ10,26の厚さは、500μm以下、特に5〜250μmが一般的であるが、これに限定されるものではない。セパレータ10,26は、必ずしも両方必要ではなく、一方だけでもよい。
図1に示す粘着シートは、セパレータ10上に、必要に応じ溶媒を用いてマイクロカプセル18を混合した粘着材料14を塗布することにより粘着剤層12を形成し、この粘着剤層12上に、必要に応じて溶媒を用いて熱膨張性粒子24を混合した粘着材料22を塗布することにより粘着剤層20を形成し、この粘着剤層20上にセパレータ26を貼付することにより、形成することができる。この逆に、セパレータ26側から順次形成してもよい。
次に、本実施形態によるワークの剥離方法について図2及び図3を用いて説明する。
ここでは、図2(a)に示すように、ラベル等の貼付物であるワーク50が粘着剤40によって被着体30上に貼着されている場合を例にして説明する。被着体30へのワーク50の貼付は、上述の粘着シートを用いてもよいし、被着体30上へ粘着剤層12及び粘着剤層20を順次形成後にワーク50を貼付するようにしてもよい。貼付の際には、剥離後に残渣を残したくない対象物(被着体30)の側に粘着剤層12を位置させるようにする。
図2(a)に示す状態において、離型剤16はマイクロカプセル18に内包されており、熱膨張粒子24は膨張していないため、粘着剤40はその粘着力を充分に発揮することができる。これにより、ワーク50は、粘着剤層12及び粘着剤層20によって被着体30に対して充分な粘着力で接着されている。このときの接着力は、例えば800g/25mm以上である。
次いで、加熱手段60を用いて粘着剤40を加熱する。加熱処理条件は、基本的にはマイクロカプセル18の殻材の融点及び熱膨張性粒子24の発泡温度によって定められ、マイクロカプセル18及び熱膨張性粒子の含有量、被着体30の表面状態やマイクロカプセル18及び熱膨張性粒子24の種類等による接着面積の減少性、被着体30やワーク50の耐熱性等の条件に応じて変更することが望ましい。通常の加熱処理条件は、60〜250℃、1〜90秒間(ホットプレート等)又は5〜15分間(熱風乾燥器等)である。加熱手段60は、粘着剤40を加熱できるものであれば特に限定されず、ホットプレート、オーブン、熱風乾燥機等を適宜適用することができる。
粘着剤の温度がマイクロカプセル18の融点を超えると、マイクロカプセル18が溶融する(図2(b))。これにより、マイクロカプセル18に内包された離型剤16が粘着剤層12内に放出される(図2(c))。
粘着剤の温度が熱膨張性粒子24の発泡温度を超えると、熱膨張性粒子24が膨張し、熱膨張性粒子24の膨張による押圧力によって粘着剤層12,20内に亀裂が発生する。熱膨張性粒子24の膨張は、それによる押圧力によってマイクロカプセル18の破壊を助ける作用もある。これにより、粘着剤層12中に放出された離型剤16が亀裂に沿って拡散し、粘着剤層12と被着体30との界面に達し、粘着剤層12と被着体30との間の粘着力を低下させる(図3(a))。加熱処理後の接着剤40の接着力は、例えば80g/25mm以下となる。
また、熱膨張性粒子24の発泡温度は、マイクロカプセル18の融点よりも(例えば、10℃以上)高いことが望ましい。こうすることで、マイクロカプセル18から離型剤16が粘着剤層12中に十分に染み出した後に、熱膨張性粒子24を膨張させることができる。これにより、粘着剤層12中に染み出した離型剤16を効果的に拡散させることができる。
この状態でワーク50を引き剥がすと、粘着力が最も低下した被着体30と粘着剤40との間で剥離が行われ、被着体30に残渣を殆ど残すことなくワーク50を剥離することができる(図3(b))。
このように、本実施形態によれば、粘着材料中に分散され、熱により溶融するマイクロカプセルと、マイクロカプセル中に内包され、粘着材料の粘着力を低下させる離型剤とを有する第1の粘着剤層と、第1の粘着剤層上に形成され、粘着材料中に分散され、熱により膨張する熱膨張性粒子とを有する第2の粘着剤層とを有する粘着剤及びこれを用いた粘着シートを構成するので、加熱処理をするだけで、容易に、しかも所望の片側の被着面にほとんど残渣を残さずに粘着剤を剥離することができる。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態による粘着剤及び粘着シートについて図4を用いて説明する。なお、図1乃至図3に示す第1実施形態による粘着剤及び粘着シートと同様の構成には同一の符号を付し説明を省略し或いは簡潔にする。
図4は本実施形態による粘着剤及び粘着シートの構造を示す概略断面図である。
セパレータ10上には、粘着剤層12が形成されている。粘着剤層12は、離型剤16を内包する熱溶融性のマイクロカプセル18が粘着材料14中に分散されたものである。粘着剤層12上には、粘着剤層20が形成されている。粘着剤層20は、熱膨張性粒子24が粘着材料22中に分散されたものである。粘着剤層20上には、粘着材料44よりなる粘着剤層42が形成されている。粘着剤層42上には、セパレータ26が形成されている。こうして、3つの粘着剤層12,20,42が積層されてなる粘着剤40がセパレータ10,26に挟持されてなる粘着シートが構成されている。
本実施形態による粘着シートの主たる特徴は、第1実施形態による粘着シートにおいて、粘着剤40が、粘着剤層20上に、離型剤を内包するマイクロカプセルや熱膨張性粒子等を含有しない粘着材料44よりなる粘着層42を更に有する点にある。
図1に示す第1実施形態による粘着シートにおいて、粘着剤40中において粘着力を発揮する素材は、粘着材料14,22である。粘着材料14,22にそれ自体は粘着力をもたないマイクロカプセル18や熱膨張性粒子24を添加すると、添加しない場合と比較して粘着力が低下する。例えば、図2(a)に示す第1実施形態による粘着剤40の例では、粘着剤層20中に熱膨張性粒子24が添加されているため、熱膨張性粒子24を添加しない場合と比較して粘着剤層20とワーク30との間の接着力が低下する。
そこで、本実施形態による粘着シートでは、粘着剤層20上に、マイクロカプセルや熱膨張性粒子等を含有しない粘着剤層42を更に設けている。これにより、粘着剤40上に接着する部材(例えば図2(a)におけるワーク50)に対する粘着剤40の接着力を向上することができる。
粘着剤層42を構成する粘着材料44としては、第1実施形態に示した粘着材料14,22と同様の材料を適用することができる。
本実施形態による粘着剤を用いて被着体に接着したワークの剥離方法は、図2及び図3に示す第1実施形態によるワークの剥離方法と同様に行うことができる。
このように、本実施形態によれば、粘着材料中に分散され、熱により溶融するマイクロカプセルと、マイクロカプセル中に内包され、粘着材料の粘着力を低下させる離型剤とを有する第1の粘着剤層と、第1の粘着剤層上に形成され、粘着材料中に分散され、熱により膨張する熱膨張性粒子とを有する第2の粘着剤層とを有する粘着剤及びこれを用いた粘着シートを構成するので、加熱処理をするだけで、容易に、しかも所望の片側の被着面にほとんど残渣を残さずに粘着剤を剥離することができる。
また、第2の粘着剤層上に、マイクロカプセルや熱膨張性粒子を含まない第3の粘着剤層を設けるので、粘着剤の接着力を向上することができる。
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態による粘着剤及び粘着シートについて図5を用いて説明する。なお、図1乃至図4に示す第1及び第2実施形態による粘着剤及び粘着シートと同様の構成には同一の符号を付し説明を省略し或いは簡潔にする。
図5は本実施形態による粘着剤及び粘着シートの構造を示す概略断面図である。
セパレータ10上には、粘着剤層12aが形成されている。粘着剤層12aは、離型剤16を内包する熱溶融性のマイクロカプセル18と、熱膨張性粒子46とが粘着材料14中に分散されたものである。粘着剤層12a上には、粘着剤層20が形成されている。粘着剤層20は、熱膨張性粒子24が粘着材料22中に分散されたものである。粘着剤層20上には、セパレータ26が形成されている。こうして、2つの粘着剤層12a,20が積層されてなる粘着剤40がセパレータ10,26に挟持されてなる粘着シートが構成されている。
本実施形態による粘着シートの主たる特徴は、第1実施形態による粘着シートにおいて、粘着剤層12a中に、マイクロカプセル18に加えて熱膨張性粒子46が更に分散されている点にある。
粘着剤層12a中にも熱膨張性粒子46を分散させることにより、加熱により膨張した熱膨張性粒子24,46によって粘着剤層12a中により多くの亀裂が発生するため、マイクロカプセル18から放出された離型剤がより拡散しやすくなる。これにより、多量の離型剤16が被着体面に接触することとなり、剥離性が向上し、剥離作業を効率的に行うことが可能となる。
熱膨張性粒子46としては、第1実施形態に示した熱膨張性粒子24と同様の材料を適用することができる。熱膨張性粒子46は、熱膨張性粒子24と同じであってもよいが、熱膨張性粒子46の熱膨張開始温度が熱膨張性粒子24の熱膨張開始温度よりも(例えば、5℃以上)低いと更に好ましい。熱膨張性粒子46が熱膨張性粒子24よりも先に膨張することにより、熱膨張性粒子46によって粘着剤層12内における離型剤16の拡散がある程度進行した段階で熱膨張性粒子24を膨張させることができ、離型剤16の拡散性を更に高めることができる。
また、熱膨張性粒子46はマイクロカプセル18から放出される離型剤16の拡散を初期段階で補助するものであり、熱膨張性粒子46の熱膨張開始温度はマイクロカプセル18の融点と同じか僅かに高い程度であることが望ましい。
本実施形態による粘着剤を用いて被着体に接着したワークの剥離方法は、図2及び図3に示す第1実施形態によるワークの剥離方法と同様に行うことができる。
このように、本実施形態によれば、粘着材料中に分散され、熱により溶融するマイクロカプセルと、マイクロカプセル中に内包され、粘着材料の粘着力を低下させる離型剤とを有する第1の粘着剤層と、第1の粘着剤層上に形成され、粘着材料中に分散され、熱により膨張する熱膨張性粒子とを有する第2の粘着剤層とを有する粘着剤及びこれを用いた粘着シートを構成するので、加熱処理をするだけで、容易に、しかも所望の片側の被着面にほとんど残渣を残さずに粘着剤を剥離することができる。
また、第1の粘着剤層中にも熱により膨張する熱膨張性粒子を含有させることにより、マイクロカプセルから放出される離型剤の拡散性を向上することができる。これにより、剥離性を高めるとともに残渣の発生を更に抑えることができる。
[第4実施形態]
本発明の第4実施形態による粘着剤及び粘着シートについて図6を用いて説明する。なお、図1乃至図5に示す第1乃至第3実施形態による粘着剤及び粘着シートと同様の構成には同一の符号を付し説明を省略し或いは簡潔にする。
図6は本実施形態による粘着剤及び粘着シートの構造を示す概略断面図である。
セパレータ10上には、粘着剤層12bが形成されている。粘着剤層12bは、離型剤16及び熱膨張性粒子48を内包する熱溶融性のマイクロカプセル18が粘着材料14中に分散されたものである。粘着剤層12b上には、粘着剤層20が形成されている。粘着剤層20は、熱膨張性粒子24が粘着材料22中に分散されたものである。粘着剤層20上には、セパレータ26が形成されている。こうして、2つの粘着剤層12b,20が積層されてなる粘着剤40がセパレータ10,26に挟持されてなる粘着シートが構成されている。
本実施形態による粘着シートの主たる特徴は、第1実施形態による粘着シートにおいて、マイクロカプセル18が、離型剤16に加えて熱膨張性粒子48を更に内包している点にある。
マイクロカプセル18中に熱膨張性粒子48を内包させることにより、加熱により膨張した熱膨張性粒子48によりマイクロカプセル18が物理的に破裂し、より多くの亀裂が発生するため、より離型剤16が染み出しやすくなる。これにより、多量の離型剤16が被着体面に接触することとなり、剥離性が向上し、剥離作業を効率的に行うことが可能となる。
熱膨張性粒子48としては、第1実施形態に示した熱膨張性粒子24と同様の材料を適用することができる。熱膨張性粒子48は、熱膨張性粒子24と同じであってもよいが、熱膨張性粒子48の熱膨張開始温度が熱膨張性粒子24の熱膨張開始温度よりも(例えば、5℃以上)低いと更に好ましい。熱膨張性粒子48が熱膨張性粒子24よりも先に膨張することにより、熱膨張性粒子48によって粘着剤層12内における離型剤16の拡散がある程度進行した段階で熱膨張性粒子24を膨張させることができ、離型剤16の拡散性を更に高めることができる。
また、熱膨張性粒子48の熱膨張開始温度は、マイクロカプセル18の融点と同じか僅かに高い程度であることが望ましい。熱膨張性粒子48は、マイクロカプセル18から放出される離型剤16の拡散を初期段階で補助するものであるとともに、マイクロカプセル18の破壊を内部から促進するものでもある。マイクロカプセル18の破壊を促進する観点からは、マイクロカプセル18の溶融が開始した後に熱膨張性粒子48が膨張することが望ましい。その意味で、熱膨張性粒子48の熱膨張開始温度をマイクロカプセル18の融点よりも数度高い温度に設定することは極めて有効である。
なお、熱膨張性粒子48は、総てのマイクロカプセル18に内包するようにしてもよいし、一部のマイクロカプセル18に内包するようにしてもよい。
本実施形態による粘着剤を用いて被着体に接着したワークの剥離方法は、図2及び図3に示す第1実施形態によるワークの剥離方法と同様に行うことができる。
このように、本実施形態によれば、粘着材料中に分散され、熱により溶融するマイクロカプセルと、マイクロカプセル中に内包され、粘着材料の粘着力を低下させる離型剤とを有する第1の粘着剤層と、第1の粘着剤層上に形成され、粘着材料中に分散され、熱により膨張する熱膨張性粒子とを有する第2の粘着剤層とを有する粘着剤及びこれを用いた粘着シートを構成するので、加熱処理をするだけで、容易に、しかも所望の片側の被着面にほとんど残渣を残さずに粘着剤を剥離することができる。
また、第1の粘着剤層中のマイクロカプセル内にも熱により膨張する熱膨張性粒子を内包させることにより、マイクロカプセルの破壊を促進し、マイクロカプセルから放出される離型剤の拡散性を向上することができる。これにより、剥離性を高めるとともに残渣の発生を更に抑えることができる。
[変形実施形態]
本発明は上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
例えば、上記第3及び第4実施形態では、2層の粘着剤層よりなる粘着剤において、マイクロカプセル18を含有する粘着剤層12a,12b中に、熱膨張性粒子46,48を添加したが、第2実施形態に示すような3層の粘着剤層よりなる粘着剤において、マイクロカプセル18を含有する粘着材料層12中に、熱膨張性粒子46,48を添加するようにしてもよい。
また、第1、第3及び第4実施形態では2層の粘着剤層よりなる粘着剤を、第2実施形態では3層の粘着剤層よりなる粘着剤を示したが、4層以上の粘着剤層よりなる粘着剤を構成してもよい。
また、上記第3実施形態では熱膨張性粒子46を粘着材料14中に分散し、上記第4実施形態では熱膨張性粒子48をマイクロカプセル18中に内包したが、熱膨張性粒子46を粘着材料14中に分散するとともに、熱膨張性粒子48をマイクロカプセル18中に内包するようにしてもよい。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、勿論これらに限定されるものではない。
[実施例1]
フッ素変性シリコーンオイル(繁和産業株式会社製、FS 1265 1000 CS)80重量部を、pHを6.0に調製したエチレン−無水マレイン酸共重合体の4%水溶液180重量部に添加し、ホモジナイザを用いて乳化した後、この乳化液を60℃に昇温した。
次に、40%ホルムアルデヒド水溶液40重量部にメラミン20重量部を加え、60℃で15分間反応させて得たプレポリマー水溶液を前記乳化液中に滴下し、更に攪拌しながら0.1Nの塩酸を滴下してpHを5.3に調整した。そして、80℃まで昇温して1時間、10000rpmの攪拌速度で攪拌した。続いて、0.2Nの塩酸を滴下してpHを3.5まで下げ、更に3時間攪拌をした後に冷却し、平均粒子径が10μmの離型剤を内包するマイクロカプセル分散液を得た。このマイクロカプセルの殻材の融点は、DSCにより測定したところ、約100℃であった。
次に、この分散液をフィルタープレスし、風乾して粉状マイクロカプセルを製造した。
次に、粉状マイクロカプセル30重量部をアクリル系粘着剤100重量部に混合し、厚さ100μmのポリエステルフィルムの片面に塗布し、厚さ15μmのマイクロカプセルを含有する粘着剤層を形成した。
なお、粘着剤層に対する離型剤の重量割合は、8wt%であった。
これとは別に、イオン交換水600g、塩化ナトリウム150g、アジピン酸−ジエタノールアミン縮合物1.5g、コロイダルシリカ20%水溶液40gを混合し、硫酸でpHを3.7〜4.1に調整し、これを水相とした。
次に、アクリロニトリル180g、メタクリロニトリル105g、メタクリル酸メチル15g、ジメタクリル酸エチレングリコール1.5g、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルアクリレート2.0g、イソペンタン75g、アゾビスイソブチロニトリル1gを混合、攪拌、溶解し、これを油相とした。
次に、前述のように作製した水相と油相とを混合し、TKホモミキサーにより攪拌速度20000rpmで5分間攪拌し、懸濁液とした。
次に、この懸濁液を1.5L加圧反応機に移して窒素置換をしてから、攪拌しつつ70℃で15時間反応させた。
次に、得られた反応生成物を濾過・乾燥し、平均粒径が10μmである熱膨張性粒子を得た。このように形成した熱膨張性粒子の熱膨張開始温度は、110℃であった。
次いで、マイクロカプセルを含有する前記粘着剤層上に、上記熱膨張性粒子30重量部をアクリル系粘着剤100重量部に混合した粘着剤層を厚さ15μmで塗布し、熱膨張性粒子を含有する粘着剤層を形成した。
なお、粘着剤層に対する熱膨張性粒子の重量割合は、8wt%であった。
こうして、2層の粘着剤層からなる粘着剤を有する粘着シートを作製した。
[実施例2]
実施例1の粘着シートの製造方法と同様にして、厚さ100μmのポリエステルフィルム上に、厚さ15μmのマイクロカプセルを含有する粘着剤層と、厚さ15μmの熱膨張性粒子を含有する粘着剤層とを形成した。
次に、このように形成した熱膨張性粒子を含有する粘着剤層上に、アクリル系粘着剤を塗布し、厚さ10μmの粘着剤層を形成した。
こうして、3層の粘着剤層からなる粘着剤を有する粘着シートを作製した。
[実施例3]
実施例1の粘着シートにおいて、熱膨張性粒子の熱膨張開始温度を115℃に調整したこと以外は、実施例1と同様の方法によって粘着シートを作製した。
[実施例4]
実施例1の粘着シートの製造方法と同様にして、離型剤を内包する平均粒子径10μmの粉状マクロカプセルと、熱膨張開始温度が100℃の平均粒径10μmの熱膨張性粒子とを形成した。
次に、粉状マイクロカプセル30重量部と熱膨張性粒子10重量部とをアクリル系粘着剤90重量部に混合し、厚さ100μmのポリエステルフィルムの片面に塗布し、厚さ15μmのマイクロカプセルを含有する粘着剤層を形成した。
なお、粘着剤層に対するマイクロカプセルの重量割合は8wt%、熱膨張性粒子の重量割合は4wt%であった。
次に、このように形成したマイクロカプセル及び熱膨張性粒子を含有する粘着剤層上に、実施例1の場合と同様にして、熱膨張性粒子を含有する粘着剤層を形成した。
こうして、2層の粘着剤層からなる粘着剤を有する粘着シートを作製した。
[実施例5]
フッ素変性シリコーンオイル(繁和産業株式会社製、FS 1265 1000 CS)80重量部を、pHを6.0に調製したエチレン−無水マレイン酸共重合体の4%水溶液180重量部に添加し、ホモジナイザを用いて乳化した後、実施例1の攪拌速度を10000rpmから50000rpmに変更した以外は実施例1と同様の方法で作成した熱膨張性粒子(熱膨張開始温度:100℃、平均粒子径:2μm)100重量部を混合して分散させ、この乳化液を60℃に昇温した。
次に、40%ホルムアルデヒド水溶液40重量部にメラミン20重量部を加え、60℃で15分間反応させて得たプレポリマー水溶液を前記乳化液中に滴下し、更に攪拌しながら0.1Nの塩酸を滴下してpHを5.3に調整した。そして、80℃まで昇温して1時間攪拌した。続いて、0.2Nの塩酸を滴下してpHを3.5まで下げ、更に3時間攪拌をした後に冷却し、熱膨張粒子と離型剤とを内包する平均粒子径が10μmのマイクロカプセル分散液を得た。このマイクロカプセルの殻材の融点は、DSCにより測定したところ、約100℃であった。
次に、この分散液をフィルタープレスし、風乾して、熱膨張性粒子と離型剤とを含有する粉状マイクロカプセルを製造した。
次に、粉状マイクロカプセル30重量部をアクリル系粘着剤100重量部に混合し、厚さ100μmのポリエステルフィルムの片面に塗布し、厚さ15μmのマイクロカプセルを含有する粘着剤層を形成した。
なお、粘着剤層に対する離型剤の重量割合は、8wt%であった。
次に、このように形成したマイクロカプセルを含有する粘着剤層上に、実施例1の場合と同様にして、熱膨張性粒子を含有する粘着剤層を形成した。
こうして、2層の粘着剤層からなる粘着剤を有する粘着シートを作製した。
[実施例6]
実施例5の粘着シートにおいて、マイクロカプセルに内包される熱膨張性粒子の熱膨張開始温度を103℃に変更したこと以外は、実施例5と同様の方法によって粘着シートを作製した。
[実施例7]
実施例1の粘着シートにおいて、マイクロカプセルを含有した粘着剤層の厚さを13μm(マイクロカプセルの平均粒径の1.3倍)に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法によって粘着シートを作製した。
[実施例8]
実施例1の粘着シートにおいて、マイクロカプセルを含有した粘着剤層の厚さを18μm(マイクロカプセルの平均粒径の1.8倍)に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法によって粘着シートを作製した。
[比較例1]
フッ素変性シリコーンオイル(繁和産業株式会社製、FS 1265 1000 CS)80重量部を、pHを6.0に調製したエチレン−無水マレイン酸共重合体の4%水溶液180重量部に添加し、ホモジナイザを用いて乳化した後、この乳化液を50℃に昇温した。
次に、40%ホルムアルデヒド水溶液40重量部にメラミン20重量部を加え、50℃で10分間反応させて得たプレポリマー水溶液を前記乳化液中に滴下し、更に攪拌しながら0.1Nの塩酸を滴下してpHを5.3に調整した。そして、70℃まで昇温して0.5時間、10000rpmの攪拌速度で攪拌した。続いて、0.2Nの塩酸を滴下してpHを3.5まで下げ、更に3時間攪拌をした後に冷却し、平均粒子径が10μmの離型剤を内包するマイクロカプセル分散液を得た。このマイクロカプセルの殻材の融点は、DSCにより測定したところ、約55℃であった。
次に、この分散液をフィルタープレスし、風乾して粉状マイクロカプセルを製造した。
次に、粉状マイクロカプセル30重量部をアクリル系粘着剤100重量部に混合し、厚さ100μmのポリエステルフィルムの片面に塗布し、厚さ15μmのマイクロカプセルを含有する粘着剤層を形成した。
なお、粘着剤層に対する離型剤の重量割合は、8wt%であった。
次に、このように形成したマイクロカプセルを含有する粘着剤層上に、実施例1の場合と同様にして、熱膨張性粒子を含有する粘着剤層を形成した。
こうして、2層の粘着剤層からなる粘着剤を有する粘着シートを作製した。
[比較例2]
フッ素変性シリコーンオイル(繁和産業株式会社製、FS 1265 1000 CS)80重量部を、pHを6.0に調製したエチレン−無水マレイン酸共重合体の4%水溶液180重量部に添加し、ホモジナイザを用いて乳化した後、この乳化液を60℃に昇温した。
次に、40%ホルムアルデヒド水溶液40重量部にメラミン20重量部を加え、60℃で10分間反応させて得たプレポリマー水溶液を前記乳化液中に滴下し、更に攪拌しながら0.1Nの塩酸を滴下してpHを5.3に調整した。そして、85℃まで昇温して1.5時間、10000rpmの攪拌速度で攪拌した。続いて、0.2Nの塩酸を滴下してpHを3.5まで下げ、更に3時間攪拌をした後に冷却し、平均粒子径が10μmの離型剤を内包するマイクロカプセル分散液を得た。このマイクロカプセルの殻材の融点は、DSCにより測定したところ、約155℃であった。
次に、この分散液をフィルタープレスし、風乾して粉状マイクロカプセルを製造した。
次に、粉状マイクロカプセル30重量部をアクリル系粘着剤100重量部に混合し、厚さ100μmのポリエステルフィルムの片面に塗布し、厚さ15μmのマイクロカプセルを含有する粘着剤層を形成した。
なお、粘着剤層に対する離型剤の重量割合は、8wt%であった。
次に、このように形成したマイクロカプセルを含有する粘着剤層上に、実施例1の場合と同様にして、熱膨張性粒子を含有する粘着剤層を形成した。
こうして、2層の粘着剤層からなる粘着剤を有する粘着シートを作製した。
[比較例3]
実施例1の粘着シートの製造方法において、紛状マイクロカプセルとアクリル系粘着剤との混合比率を操作し、粘着剤層に対する離型剤の重量割合が0.5wt%である粘着剤層を形成した。
次に、このように形成したマイクロカプセルを含有する粘着剤層上に、実施例1の場合と同様にして、熱膨張性粒子を含有する粘着剤層を形成した。
こうして、2層の粘着剤層からなる粘着剤を有する粘着シートを作製した。
[比較例4]
実施例1の粘着シートの製造方法において、紛状マイクロカプセルとアクリル系粘着剤との混合比率を操作し、粘着剤層に対する離型剤の重量割合が21wt%である粘着剤層を形成した。
次に、このように形成したマイクロカプセルを含有する粘着剤層上に、実施例1の場合と同様にして、熱膨張性粒子を含有する粘着剤層を形成した。
こうして、2層の粘着剤層からなる粘着剤を有する粘着シートを作製した。
[比較例5]
実施例1の粘着シートの製造方法において、プレポリマー水溶液を滴下した乳化液の攪拌条件を、30000rpm、1時間に変更することで、平均粒子径が0.5μmの離型剤を内包するマイクロカプセル分散液を得た。
次に、この分散液をフィルタープレスし、風乾して粉状マイクロカプセルを製造した。
次に、粉状マイクロカプセル30重量部をアクリル系粘着剤100重量部に混合し、厚さ100μmのポリエステルフィルムの片面に塗布し、厚さ0.75μmのマイクロカプセルを含有する粘着剤層を形成した。
なお、粘着剤層に対する離型剤の重量割合は、8wt%であった。
次に、このように形成したマイクロカプセルを含有する粘着剤層上に、実施例1の場合と同様にして、熱膨張性粒子を含有する粘着剤層を形成した。
こうして、2層の粘着剤層からなる粘着剤を有する粘着シートを作製した。
[比較例6]
実施例1の粘着シートの製造方法において、プレポリマー水溶液を滴下した乳化液の攪拌条件を、2000rpm、1時間に変更することで、平均粒子径が55μmの離型剤を内包するマイクロカプセル分散液を得た。
次に、この分散液をフィルタープレスし、風乾して粉状マイクロカプセルを製造した。
次に、粉状マイクロカプセル30重量部をアクリル系粘着剤100重量部に混合し、厚さ100μmのポリエステルフィルムの片面に塗布し、厚さ85μmのマイクロカプセルを含有する粘着剤層を形成した。
なお、粘着剤層に対する離型剤の重量割合は、8wt%であった。
次に、このように形成したマイクロカプセルを含有する粘着剤層上に、実施例1の場合と同様にして、熱膨張性粒子を含有する粘着剤層を形成した。
こうして、2層の粘着剤層からなる粘着剤を有する粘着シートを作製した。
[比較例7]
実施例1で用いた熱膨張性粒子の熱膨張開始温度を75℃に調整したこと以外は、実施例1と同様の方法によって粘着シートを作製した。
[比較例8]
実施例1で用いた熱膨張性粒子の熱膨張開始温度を210℃に調整したこと以外は、実施例1と同様の方法によって粘着シートを作製した。
[比較例9]
実施例1で用いた熱膨張性粒子を、粘着剤層に対して0.5wt%含有するように調整したこと以外は、実施例1と同様の方法によって粘着シートを作製した。
[比較例10]
実施例1で用いた熱膨張性粒子を、粘着剤層に対して21wt%含有するように調整したこと以外は、実施例1と同様の方法によって粘着シートを作製した。
[比較例11]
実施例1で用いた熱膨張性粒子の平均粒径を0.5μmに調整したこと以外は、実施例1と同様の方法によって粘着シートを作製した。
[比較例12]
実施例1で用いた熱膨張性粒子の平均粒径を55μm、熱膨張性粒子を含有する粘着剤層の厚さを85μmに調整したこと以外は、実施例1と同様の方法によって粘着シートを作製した。
[比較例13]
実施例1の粘着シートにおいて、マイクロカプセルを含有した粘着剤層の厚さを10μm(マイクロカプセルの平均粒径の1.0倍)に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法によって粘着シートを作製した。
[比較例14]
実施例1の粘着シートにおいて、マイクロカプセルを含有した粘着剤層の厚さを20μm(マイクロカプセルの平均粒径の2.0倍)に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法によって粘着シートを作製した。
[比較例15]
実施例1と同様の熱膨張性粒子を含有する1層の粘着剤層からなる粘着シートを作製した。熱膨張性粒子の熱膨張開始温度は110℃、粒径は10μm、粘着剤層に対する含有割合は8wt%とした。
[比較例16]
実施例1と同様の離型剤を内包したマイクロカプセルを含有する1層の粘着剤層からなる粘着シートを作製した。マイクロカプセルの殻材の融点は100℃、粒径は10μm、粘着剤層に対する含有割合は8wt%とした。
表1に、上記実施例1〜4、比較例1〜12の試料の作成条件をまとめる。
Figure 2008094957
次に、実施例1〜8、比較例1〜16の試料について、接着力及び剥離後の残渣の評価を行った。
常温での接着力は、被着体としてステンレス板(SUS 304,BA仕上げ面)を用い、JlSZ0237の規定に準じて、室温(25℃)において180°剥離試験を行うことにより測定した。測定は、粘着直後及び粘着後30日経過後に行った。
また、加熱処理後の接着力は、オーブン温度を110℃及び160℃に設定し、該熱処理条件下に10分間放置した後、オーブンから出し、試験板を室温まで戻し、前記と同様にして180°剥離試験を行うことにより測定した。
剥離後の残渣の評価は、被着体であるステンレス板上の残渣の面積を、光学顕微鏡を用いて評価した。具体的には、顕微鏡で写真撮影を行った後、画像解析装置により残渣の面積を求め、残渣の面積(残渣率[%])を算出した。
表2に、接着力及び残渣の測定結果をまとめる。
Figure 2008094957
表2に示すように、実施例1〜8の粘着剤は、室温において高い接着力を示し、加熱後には高い剥離性と被着体にほとんど残渣が見られない良好な残渣率を有することが判った。粘着後30日経過後の接着力にも変化は見られなかった。
実施例2の粘着剤は、他の実施例の場合と比較して、高い接着力を有している。これは、熱膨張性粒子を含有する粘着剤層とワークとの間に、マイクロカプセルや熱膨張性粒子を含有しない粘着剤層が設けられているためである。
実施例3の粘着剤は、熱膨張粒子の発泡温度が高いために110℃の加熱では充分な剥離性を得られていないが、160℃の加熱によって実施例1,2,4の場合よりも高い剥離性を実現することができた。これは、マイクロカプセルの融点と熱膨張性粒子の発泡温度との温度差を、実施例1等の10℃から15℃に増加することで、剥離の際の加熱時に離型剤が充分染み出した後に熱膨張性粒子の膨張によって粘着剤層に亀裂が生じるため、離型剤の拡散性が向上し、より剥離しやすくなったためである。
実施例4の粘着剤は、実施例1,2の場合と比較して、低温(110℃)の加熱後の接着力を低くできた。これは、下層の粘着剤層中の熱膨張性粒子が膨張することによる押圧力によって亀裂が生じ、離型剤の拡散を促進するためである。
実施例5,6の粘着剤は、実施例1〜4の場合よりも剥離性が高い。これは、マイクロカプセル中の熱膨張性粒子がマイクロカプセルの破壊を促進し、ひいては離型剤の拡散を促進するためである。特に、熱膨張性粒子の発泡温度が高い実施例6の粘着剤では、離型剤が充分に染み出した後に熱膨張性粒子が膨張して亀裂が生じるため、離型剤の拡散性が更に向上し、より剥離しやすく、残渣も少なくできた。
一方、比較例1の粘着剤は、粘着後に室温で30日放置すると、接着力が低下する。これは、マイクロカプセルの融点が55℃と低いため、時間の経過とともにマイクロカプセルから離型剤が染み出すためである。
その逆に、比較例2の粘着剤は、室温において高い接着力を有しているが、加熱後も接着力が低下していない。これは、マイクロカプセルの融点が155℃と高いためであり、加熱温度を更に高めれば実施例1と同様の結果を示すものと考えられる。ただし、実際の使用形態を考慮すると、マイクロカプセルの融点は150℃程度以下に設定することが望ましいと考えられる。
比較例3の粘着剤では、加熱後においても接着力が低下していない。これは、粘着材料に対する離型剤の量が少なく、粘着剤層の接着力を充分に低下させることができなかったためである。
比較例4の粘着剤は、室温において高い接着力を有し、加熱により高い剥離性を有しているが、離型剤の含有割合が多すぎるため、離型剤によって被着体が汚染されていた。
比較例5の粘着剤は、加熱後も接着力が低下していない。これは、マイクロカプセルの粒径が小さいため、マイクロカプセルが溶融した後もマイクロカプセル内に残存する離型剤の量が多く、粘着剤層の接着力を十分に低下させることができなかったためと考えられる。
比較例6の粘着剤は、実施例1に比して加熱後に高い剥離性を有しているが、室温における接着力が十分ではなかった。これは、マイクロカプセルの粒径が大きく粘着剤層に占めるマイクロカプセルの割合が高いため、粘着剤層の接着力を低下しているものと考えられる。
比較例7の粘着剤では、粘着後に室温で30日放置すると、実施例1の場合と比して接着力が大幅に低下する。これは、熱膨張性粒子の発泡温度が75℃と低いため、時間の経過とともに熱膨張性粒子が自然に膨張し、接着力を低下するためと考えられる。
比較例8の粘着剤は、室温において高い接着力を有しているが、加熱後も接着力が低下していない。これは、熱膨張性粒子の発泡温度が210℃と高いためであり、加熱温度を更に高めれば実施例1と同様の結果を示すものと考えられる。ただし、実際の使用形態を考慮すると、熱膨張性粒子の発泡温度は200℃程度以下に設定することが望ましいと考えられる。
比較例9の粘着剤は、熱膨張性粒子の混合割合が低すぎるため、加熱後でも接着力が大きく、剥離後も残渣が多かった。
その逆に、比較例10の粘着剤は、熱膨張性粒子の混合割合が高すぎるため、室温における粘着剤層の接着力が低下した。
比較例11の粘着剤は、熱膨張性粒子の平均粒子径が小さすぎるため、加熱後の接着力はほとんど低下せず、剥離性が不良であり、残渣も多かった。
比較例12の粘着剤は、熱膨張性粒子の平均粒子径が大きすぎるため、室温における粘着剤層の接着力が低下した。
比較例13の粘着剤は、粘着剤層の層厚がマイクロカプセルの平均粒子径とほぼ等しいため、粘着材料と被着体との接触面積が十分ではなく、室温における粘着剤層の接着力が低下した。
その逆に、比較例14の粘着剤は、粘着剤層の層厚がマイクロカプセルの平均粒子径の2倍以上と大きいため、離型剤が粘着剤層中に十分に行き渡らず、加熱後の接着力を十分に低下できなかった。
比較例15の粘着剤は、離型剤を含まず熱膨張性粒子が膨張する際の押圧力のみによって接着力を弱めるものであり、加熱後の接着力を十分に低下できず、残渣も多かった。
比較例16の粘着剤は、離型剤を含むマイクロカプセルを含有しているが、熱膨張性粒子を含有していないため、剥離性が向上せず、残渣も多かった。
以上詳述した通り、本発明の特徴をまとめると以下の通りとなる。
(付記1) 第1の粘着材料と、前記第1の粘着材料中に分散され、熱により溶融するマイクロカプセルと、前記マイクロカプセル中に内包され、前記粘着材料の粘着力を低下させる離型剤とを有する第1の粘着剤層と、
前記第1の粘着剤層上に形成され、第2の粘着材料と、前記第2の粘着材料中に分散され、熱により膨張する第1の熱膨張性粒子とを有する第2の粘着剤層とを有する
ことを特徴とする粘着剤。
(付記2) 付記1記載の粘着剤において、
前記粘着剤は、前記第2の粘着剤層上に形成された第3の粘着材料よりなる第3の粘着剤層を更に有する
ことを特徴とする粘着剤。
(付記3) 付記1又は2記載の粘着剤において、
前記第1の熱膨張性粒子の発泡温度は、前記マイクロカプセルの融点よりも高い
ことを特徴とする粘着剤。
(付記4) 付記1乃至3のいずれか1項に記載の粘着剤において、
前記第1の粘着剤層は、前記第1の粘着材料中に分散され、熱により膨張する第2の熱膨張性粒子を更に有する
ことを特徴とする粘着剤。
(付記5) 付記4記載の粘着剤において、
前記第2の熱膨張性粒子の発泡温度は、前記第1の熱膨張性粒子の発泡温度よりも低い
ことを特徴とする粘着剤。
(付記6) 付記4又は5記載の粘着剤において、
前記第2の熱膨張性粒子の発泡温度は、前記マイクロカプセルの融点以上である
ことを特徴とする粘着剤。
(付記7) 付記1乃至6のいずれか1項に記載の粘着剤において、
前記マイクロカプセル中に内包され、熱により膨張する第3の熱膨張性粒子を更に有する
ことを特徴とする粘着剤。
(付記8) 付記7記載の粘着剤において、
前記第3の熱膨張性粒子の発泡温度は、前記第1の熱膨張性粒子の発泡温度よりも低い
ことを特徴とする粘着剤。
(付記9) 付記7又は8記載の粘着剤において、
前記第3の熱膨張性粒子の発泡温度は、前記マイクロカプセルの融点以上である
ことを特徴とする粘着剤。
(付記10) 付記1乃至9のいずれか1項に記載の粘着剤において、
前記マイクロカプセルの融点は、60〜150℃である
ことを特徴とする粘着剤。
(付記11) 付記1乃至10のいずれか1項に記載の粘着剤において、
前記マイクロカプセルの平均粒径は、1〜50μmである
ことを特徴とする粘着剤。
(付記12) 付記1乃至11のいずれか1項に記載の粘着剤において、
前記離型剤は、前記第1の粘着材料に対して、1〜20wt%の割合で含有されている
ことを特徴とする粘着剤。
(付記13) 付記1乃至12のいずれか1項に記載の粘着剤において、
前記第1の熱膨張性粒子の発泡温度は、80〜200℃である
ことを特徴とする粘着剤。
(付記14) 付記1乃至13のいずれか1項に記載の粘着剤において、
前記第1の熱膨張性粒子は、前記第2の粘着材料に対して、1〜20wt%の割合で含有されている
ことを特徴とする粘着剤。
(付記15) 付記1乃至14のいずれか1項に記載の粘着剤において、
前記第1の粘着剤層は、前記被着体に接して設けられている
ことを特徴とする粘着剤。
(付記16) 基材上に粘着剤が形成された粘着シートであって、
前記粘着剤は、
第1の粘着材料と、前記第1の粘着材料中に分散され、熱により溶融するマイクロカプセルと、前記マイクロカプセル中に内包され、前記粘着材料の粘着力を低下させる離型剤とを有する第1の粘着剤層と、
前記第1の粘着剤層上に形成され、第2の粘着材料と、前記第2の粘着材料中に分散され、熱により膨張する第1の熱膨張性粒子とを有する第2の粘着剤層とを有する
ことを特徴とする粘着シート。
(付記17) 付記16記載の粘着シートにおいて、
前記粘着剤は、前記第2の粘着剤層上に形成された第3の粘着材料よりなる第3の粘着剤層を更に有する
ことを特徴とする粘着シート。
(付記18) 付記16又は17記載の粘着シートにおいて、
前記第1の粘着剤層は、前記第1の粘着材料中に分散され、熱により膨張する第2の熱膨張性粒子を更に有する
ことを特徴とする粘着シート。
(付記19) 付記16乃至18のいずれか1項に記載の粘着シートにおいて、
前記マイクロカプセル中に内包され、熱により膨張する第3の熱膨張性粒子を更に有する
ことを特徴とする粘着シート。
(付記20) 被着体上に、第1の粘着材料と、前記第1の粘着材料中に分散され、熱により溶融するマイクロカプセルと、前記マイクロカプセル中に内包され、前記粘着材料の粘着力を低下させる離型剤とを有する第1の粘着剤層と、前記第1の粘着剤層上に形成され、第2の粘着材料と、前記第2の粘着材料中に分散され、熱により膨張する熱膨張性粒子とを有する第2の粘着剤層とを有する粘着剤を用いて貼付されたワークの剥離方法であって、
加熱処理を行うことにより、前記マイクロカプセルを溶融するとともに前記熱膨張性粒子を膨張させ、前記離型剤を前記第1の粘着材料内に拡散して粘着力を低下させる
ことを特徴とするワークの剥離方法。
本発明の第1実施形態による粘着剤及び粘着シートの構造を示す概略断面図である。 本発明の第1実施形態によるワークの剥離方法を説明する図(その1)である。 本発明の第1実施形態によるワークの剥離方法を説明する図(その2)である。 本発明の第2実施形態による粘着剤及び粘着シートの構造を示す概略断面図である。 本発明の第3実施形態による粘着剤及び粘着シートの構造を示す概略断面図である。 本発明の第4実施形態による粘着剤及び粘着シートの構造を示す概略断面図である。
符号の説明
10,26…セパレータ
12,12a,12b,20,42…粘着剤層
14,22,44…粘着材料
16…離型剤
18…マイクロカプセル
24,46,48…熱膨張性粒子
30…被着体
40…粘着剤
50…ワーク
60…加熱手段

Claims (7)

  1. 第1の粘着材料と、前記第1の粘着材料中に分散され、熱により溶融するマイクロカプセルと、前記マイクロカプセル中に内包され、前記粘着材料の粘着力を低下させる離型剤とを有する第1の粘着剤層と、
    前記第1の粘着剤層上に形成され、第2の粘着材料と、前記第2の粘着材料中に分散され、熱により膨張する第1の熱膨張性粒子とを有する第2の粘着剤層とを有する
    ことを特徴とする粘着剤。
  2. 請求項1記載の粘着剤において、
    前記粘着剤は、前記第2の粘着剤層上に形成された第3の粘着材料よりなる第3の粘着剤層を更に有する
    ことを特徴とする粘着剤。
  3. 請求項1又は2記載の粘着剤において、
    前記第1の熱膨張性粒子の発泡温度は、前記マイクロカプセルの融点よりも高い
    ことを特徴とする粘着剤。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の粘着剤において、
    前記第1の粘着剤層は、前記第1の粘着材料中に分散され、熱により膨張する第2の熱膨張性粒子を更に有する
    ことを特徴とする粘着剤。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の粘着剤において、
    前記マイクロカプセル中に内包され、熱により膨張する第3の熱膨張性粒子を更に有する
    ことを特徴とする粘着剤。
  6. 基材上に粘着剤が形成された粘着シートであって、
    前記粘着剤は、
    第1の粘着材料と、前記第1の粘着材料中に分散され、熱により溶融するマイクロカプセルと、前記マイクロカプセル中に内包され、前記粘着材料の粘着力を低下させる離型剤とを有する第1の粘着剤層と、
    前記第1の粘着剤層上に形成され、第2の粘着材料と、前記第2の粘着材料中に分散され、熱により膨張する第1の熱膨張性粒子とを有する第2の粘着剤層とを有する
    ことを特徴とする粘着シート。
  7. 被着体上に、第1の粘着材料と、前記第1の粘着材料中に分散され、熱により溶融するマイクロカプセルと、前記マイクロカプセル中に内包され、前記粘着材料の粘着力を低下させる離型剤とを有する第1の粘着剤層と、前記第1の粘着剤層上に形成され、第2の粘着材料と、前記第2の粘着材料中に分散され、熱により膨張する熱膨張性粒子とを有する第2の粘着剤層とを有する粘着剤を用いて貼付されたワークの剥離方法であって、
    加熱処理を行うことにより、前記マイクロカプセルを溶融するとともに前記熱膨張性粒子を膨張させ、前記離型剤を前記第1の粘着材料内に拡散して粘着力を低下させる
    ことを特徴とするワークの剥離方法。
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