JP2008093241A - 係合部材を有する合成樹脂成型品の製造方法とピンセット - Google Patents
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Abstract
【課題】 金属製ピンセットのような剛性と、軽い操作性とを備え、物体を把持した状態に保持することのできる、熱可塑性合成樹脂による一体成型のピンセットの製造方法とそのピンセットを提供する。
【解決手段】 基端部(22c)を起点として松葉形に2本の狭持片(23,24)を開拡状態で延長した合成樹脂製ピンセット(20)において、前記基部(22)の近傍に開口間隔調節体(22b)を形成すると共に、該開口間隔調節体(22b)の近傍にストッパ(25)を設け、更に前記狭持片(23,24)の先端部の把持先(23a,23b)の近傍に、該把持先(23a,23b)の開口間隔を所定間隔に保持する横ズレ防止部(26)を設けた。
【選択図】 図1
【解決手段】 基端部(22c)を起点として松葉形に2本の狭持片(23,24)を開拡状態で延長した合成樹脂製ピンセット(20)において、前記基部(22)の近傍に開口間隔調節体(22b)を形成すると共に、該開口間隔調節体(22b)の近傍にストッパ(25)を設け、更に前記狭持片(23,24)の先端部の把持先(23a,23b)の近傍に、該把持先(23a,23b)の開口間隔を所定間隔に保持する横ズレ防止部(26)を設けた。
【選択図】 図1
Description
本発明は、医療分野あるいは電子部品の組立てなどのような各種の用途に使用される軽量な合成樹脂製ピンセットに関する。
ピンセットは微細な物体や、直接に指先に触れることができないような物体を把持する用途などに使用されているが、例えば、半導体や電子部品の製造工程のように精密で微細な部品などを取扱う場合、あるいは医療分野では手術や治療の際の消毒綿の綿球を把持などの操作に欠かせないものである。
従来から医療関係で使用されているピンセットは金属製で精密なものが使用されている。しかし、合成樹脂製のものはほとんど使用されていない。このピンセットは医者看護師の手指のように扱われる必要があり、特に手術のように指先に摘む物を感ずるような繊細な作業を行う際のピンセットの場合は、その先端の幅が約1〜2mm程度の極細なものとなっている。
このように精密な先端部を持つピンセットは、二本の先端部が正確に噛合うように熟練した職人の手作業で仕上げられるのが普通である。この繊細なピンセットは、僅かな先端部の変形や本体部分の歪みによって先端部の横ズレが発生することが多い。
また、看護師が病棟にて処置に使用するピンセットは前記の用途の物よりもやや大ぶりのもので先端部の幅は2〜3mm、長さは230〜240mmのものが多い。
病院関係に使用されたピンセットの場合は、オートクレーブによる煮沸消毒が行われるのが普通であるが、この高温処理に耐えるためにピンセットの素材としては、耐熱性のあるステンレス鋼やクローム鋼、あるいは軽量化を意図してチタン鋼等で製作したものが使用されている。
周知のように、一般のピンセットは側面視で鋭角的なV形ないし松葉形の形状のものが多く使用されているが、これの製造方法は1枚の金属板材料から所定の形状にプレス加工した粗材を中央から折り曲げた折曲式のものが多い。また、2枚のプレス加工した金属片のアタマ(集合部)を溶接した溶接式のものがあり、これは精密用途に多く使用される。
この溶接式ピンセットは高価であり、その理由は高価な材料と、複雑な製造工程にあるといわれている。
その製造工程簡単に説明すると、材料のシャリング・矯正工程(材料のシャリングと、この工程で発生した材料のネジレを修正する修正工程)・バネ付け工程・ピンセットの大まかな形に抜型する抜型工程・マーク入れ工程・溶接工程・研削・整形工程(職人が1本1本研削砥石やヤスリを使用して仕上げる工程)・研磨工程などが必要であると報告されている。しかし、実際の詳細な工程を加えると57工程から73工程にも及ぶようである。
医療用途に使用されるピンセットの場合は、高温で殺菌処理される関係で金属製のものが多く使用されているが、消毒処理などの取扱いにおいて変形や歪みが発生するために、これを定期的にメーカーに返却して先端部の補正が必要であり、そのためにこのピンセットの消毒や保守のためにかなりの人員や費用が必要であり、それが経費が嵩む原因の一つとなっている。
(廃棄処分性)
従って、もし、この金属製のピンセットの代わりに合成樹脂成型品からなるピンセットを使用し、その使用後に廃棄処分できれば、前記金属性ピンセットのように殺菌処理や保守調整作業を省略することができるので、この処理に要する人員を削減でき、設備を省略ないし小型のものに変更でき、保守に使用した費用も節減できる。それよりも、衛生的に作業を行うことができる点で好ましい。
従って、もし、この金属製のピンセットの代わりに合成樹脂成型品からなるピンセットを使用し、その使用後に廃棄処分できれば、前記金属性ピンセットのように殺菌処理や保守調整作業を省略することができるので、この処理に要する人員を削減でき、設備を省略ないし小型のものに変更でき、保守に使用した費用も節減できる。それよりも、衛生的に作業を行うことができる点で好ましい。
いうまでもなく金属製ピンセットは強度が高く、耐熱性・耐久性があり、更に使い慣れている点において便利なものであるが、前記のような高温の消毒などの不可避的な問題点がある。そこでこの欠点を改良するために廃棄処分可能な合成樹脂製ピンセットがいろいろと開発されている。しかし、このピンセットは精度が悪く、その上に把持力が格段に低いことから未だに普及の段階になっていない。
しかし、合成樹脂製ピンセットの特徴は、射出成型によって一挙に製造できるので、金型の精度に問題がなければ大量生産により安価に提供が可能であり、しかも廃棄処分も容易であるので衛生的に使用することができる。
(把持力の弱点)
前記のように合成樹脂製ピンセットは、金属製ピンセットに比較して剛性が格段に弱く、従って把持力が小さい。特に大型のものはピンセットとして把持機能を実質的に有していない場合がある。ピンセットの把持試験の一つに先端部で新聞紙を挟み、その状態で引張った場合、その新聞紙が破れる程度の狭持力を持っているかどうか、あるいは簡単に滑って抜けるかどうかの把持力試験があるが、金属製のものはこれに簡単に合格する。これに対して従来の形状の合成樹脂製ピンセットは、このような把持力を持たせることは到底困難である。
前記のように合成樹脂製ピンセットは、金属製ピンセットに比較して剛性が格段に弱く、従って把持力が小さい。特に大型のものはピンセットとして把持機能を実質的に有していない場合がある。ピンセットの把持試験の一つに先端部で新聞紙を挟み、その状態で引張った場合、その新聞紙が破れる程度の狭持力を持っているかどうか、あるいは簡単に滑って抜けるかどうかの把持力試験があるが、金属製のものはこれに簡単に合格する。これに対して従来の形状の合成樹脂製ピンセットは、このような把持力を持たせることは到底困難である。
また、金属製ピンセットを使用する場合はピンセット自体の重みを負担する力と、開口弾性力を打ち消しながら目的物を所定の強さ、ないし柔らかさで把持する力を総合的、かつ敏感に感じながら、指先などで押圧する必要がある。従って、このような厄介な操作を長時間使用することは、指先や腕などに疲れが感ずることが多い。
ピンセットを使用する際は本体が元の拡開状態から把持する相殺力が必要であり、更に目的物を把持する把持力を負荷しなければならないので、これが疲れを増大させる原因となる。特に、柔らかく把持する精密作業には不向きである。
これに対して合成樹脂製ピンセットは軽量である上に開口状態を保持する反力が弱いので物体の把持力を手操作で正確に調節することができる点で有利である。
(特許文献に記載されたピンセット)
合成樹脂製ピンセットの構造に関して多数の提案がなされている。
合成樹脂製ピンセットの構造に関して多数の提案がなされている。
例えば、特許文献1に記載された合成樹脂製ピンセットは、強く狭持しても、狭持状態を確実に維持できることを目的とし、狭持片のうち一方の内面適所に突起を設け、対向面にガイド穴を設け、強く狭持したときに両狭持片の対向状態を不変に維持できるようにしたものである。
また、特許文献2に記載された合成樹脂製の医療用ピンセットは、一方の狭持片に断面が十字形のガイド片を、他方の狭持片に前記ガイド片に係合する2個のガイド部を設け、両者の係合によって狭持片が正確に把持操作ができるようい構成したものである。
更に、特許文献3には、合成樹脂製のピンセットでありながら剛性を高めたものが提案されている。このピンセットにおいては、腰部から延長された2本の脚部の対向面に長手方向の一方に骨状部を、他方に雌ガイド部をそれぞれ形成して互いに係合するように構成したものである。
この構造のピンセットは、例示した他のピンセットに比較すると金属製並の剛性を持たせることができる。しかし、2本の脚部を合わせるために骨状部と雌ガイド部をそれぞれ設けてはいるが、先端部(把持先)の開いている距離が一定しておらず、成型品ごとにバラツキが発生する。また、前記骨状部と雌ガイド部との間にかなりの距離があると、嵌合状態に円滑性を欠き、操作感覚に劣る欠点がある。
特開平5−146447号
特開平6−25806号
特開2004−261494号
1)前記特許文献1記載の発明は、構造的に剛性が極めて弱くて実用化に問題がある上に、突起とガイド穴とが離れた状態から瞬時に嵌合させなければならないので、円滑な嵌合ができないという問題がある。
2)特許文献2に記載の発明は、2本のアームの中間部に断面十字のガイド片とこのガイド片に当接するガイド部を設けており、そのために構造が複雑になっており、そのために金型に設計上に問題がある上に高価な金型が必要であり、大量生産により安価に提供することができないという問題がある。また、デザイン的にもあまり好ましくない。
3)特許文献3に記載された発明は、脚部の内面に骨部と、この骨部を受入れる雌ガイド部を対向して開口状態で形成しているので、このガイド部材が係合すると骨部の先端部を正確に合致させて案内することができる。また、剛性が大きくなるようにデザインされているので、剛性も他の公知例のものに比較すると実用上は問題がない程度に高い。しかし、先端部の開口状態を安定して保持しにくいという問題がある。
この構造のピンセットは例示した他のピンセットに比較すると金属製なみの剛性を有している。しかし、2本脚部を合わせるために骨状部と雌ガイド部をそれぞれ設けてはいるが、先端部の開いている距離が一定しておらず、成型品ごとにバラツキが発生する。また、前記骨状部と雌ガイド部との間にかなりの距離があると、嵌合状態に円滑性を欠き、操作感覚がやや劣る欠点がある。
(繊細な操作の問題)
金属製ピンセットのような従来のピンセットで物体を狭持する場合は、強く挟んでも破壊の心配がない堅い物体、あるいは病院で使用される綿球のように柔らかくても単に狭持すればよい物体においては先端部の圧力の大小はさほど問題ではなかった。従来のピンセットにおいては、ピンセットの先端部がズレることなく、正確に合致し、正確に接近・離反すればよかった。
金属製ピンセットのような従来のピンセットで物体を狭持する場合は、強く挟んでも破壊の心配がない堅い物体、あるいは病院で使用される綿球のように柔らかくても単に狭持すればよい物体においては先端部の圧力の大小はさほど問題ではなかった。従来のピンセットにおいては、ピンセットの先端部がズレることなく、正確に合致し、正確に接近・離反すればよかった。
しかし、料理に使用される食品、例えば、イクラやキャビアのように弱い力を受けても簡単に潰れてしまうような物体の狭持に金属製ピンセット等従来のピンセットを用いることができない。
その理由は、金属製等の従来のピンセットは、把持先で物体を把持するようにピンセットの基部K近傍のバネを固くしている。従って、このバネ力に打ち勝つだけの力を加えて狭持片を操作するので、把持先に挟まれた物体に加わる微細な圧力を作業者の指先で感ずることは困難となる。
よって、ピンセットの使用者には、その先端部の微妙な押圧力、つまり、料理人が会席料理のように繊細な食材を箸で挟んで所定の場所に配置するような、食材そのものを挟んだ感覚を手先で感ずることができないのである。
従って、繊細で柔らかい食品の把持のように微妙な感覚を必要とする用途には従来のピンセットは使用することができず、精密作業用金属製ピンセットでも使用することは困難であった。
(合成樹脂製ピンセット共通の課題)
前記特許文献には問題として提起されていないが、合成樹脂成型品には合成樹脂が溶融状態の体積膨張と、この樹脂が冷却されて固体となる場合の収縮(ヒケ)の問題がある。この成型時の収縮は、材料にもよるが、例えばPBTの場合は、1mmの厚さの板を成型する場合は14〜16/1000、また、2.5mmの厚さの板を成型する場合は18〜22程度であり、成型品の大きさによってはかなりのものとなる。
前記特許文献には問題として提起されていないが、合成樹脂成型品には合成樹脂が溶融状態の体積膨張と、この樹脂が冷却されて固体となる場合の収縮(ヒケ)の問題がある。この成型時の収縮は、材料にもよるが、例えばPBTの場合は、1mmの厚さの板を成型する場合は14〜16/1000、また、2.5mmの厚さの板を成型する場合は18〜22程度であり、成型品の大きさによってはかなりのものとなる。
図26は特許文献1に記載されたピンセットの構造を示しているが、これを参照して前記成型品に発生する成型収縮について説明すると、合成樹脂製のピンセット本体1は、基部K(アタマ)より狭持片2,3(ウデ)が分岐して松葉形に延長され、先端の把持先2a,3aの内面に狭持域Tが形成され、前記狭持片2,3の中央部内面に突起4と、この突起4を嵌入するガイド穴5が設けられている。
そして前記二つの把持先2a,3aの内面の狭持域Tが距離を挟めるときに、前記突起4とガイド穴5が嵌合して図示しない物体を前記狭持域Tで把持するようになっている。
(合成樹脂の成型時における収縮について)
さて、前記ピンセット本体1をナイロンやポリプロピレンなどの工業用熱可塑性樹脂を使用して成型した場合、狭持片2,3の先端の把持先2a,3aが金型内に収容されている状態での間隔が「A」であったとする。そしてこのピンセット本体1を金型より取出すと同時に前記間隔「A」から間隔「B」へと殆ど瞬時に狭く変化する。
さて、前記ピンセット本体1をナイロンやポリプロピレンなどの工業用熱可塑性樹脂を使用して成型した場合、狭持片2,3の先端の把持先2a,3aが金型内に収容されている状態での間隔が「A」であったとする。そしてこのピンセット本体1を金型より取出すと同時に前記間隔「A」から間隔「B」へと殆ど瞬時に狭く変化する。
この成型品が金型内で溶融樹脂が凝固する際に、金型の制約により成型品内に発生した収縮エネルギーが、金型の制約が解除されて放出される結果であると推定できるが、この成型収縮に伴って把持先2a,3aの間隔「A」が殆ど瞬時に「B」へと狭く変化する。このような把持先2a,3aの間隔が狭くなると、物体を狭持しようとしても、把持が困難となることが発生する。
また、殆どのピンセット本体1は、金型より取出すと同時に把持先2a,3aが狭まったが、把持先2a,3aが拡がってしまうこともあった。従って、ピンセット本体1の開口を安定的に生産することができなかった。
なお、前記のように金型から成型品を取出したときに殆ど瞬時に成型品が変形する「成型収縮」と、成型直後の成型品を暫く保管している間に、緩やかに変形していく「経時収縮」とがあるが、前記の方が成型品の形状変化に大きな影響を与える。
従来は、前記のような成型収縮の問題を解消するために、狭持片2,3の開き角を大きくして金型にキャビティを形成する方法が採用される。しかし、この方法ではピンセット1個分のキャビティを形成する金型の面積が大きくなり、金型が大型化するので製作上好ましくない。
そこで、この成型収縮の対策として、ピンセット本体1を成型し、直ちに狭持片2,3の間に当木などを狭持させて「開き角」が所定の形に癖がつくまで保持して矯正する「狭持片矯正作業」を行っている。しかし、この「狭持片矯正作業」は、ピンセット本体の大量生産には全く適さない方法であり、例え矯正ができたとしても、経時的に狭持片の先端部の間隔が次第に変化してくるので、究極的な矯正にはならない。
このように狭持片2,3の先端部の間隔が徐々に変化(縮小)することから、把持先の開口間隔が小さな合成樹脂製ピンセット本体1は、例えば半導体の製造工程などのような高級で精密な作業を行う工程に使用できなかったのである。
(狭持片の開角の変化の考察)
第1の実験例:図27の図(イ)は、合成樹脂で二つの板片10,11の間に小径の小柱12と大径の大柱13を一体的に成型した成型テスト品15(成型直後の形状あるいは金型内の成型品の形を示す)の側面図である。そして図(ロ)は前記図(イ)を金型から取出した直後に成型収縮した成型品15Aの形状を示す側面図である。
第1の実験例:図27の図(イ)は、合成樹脂で二つの板片10,11の間に小径の小柱12と大径の大柱13を一体的に成型した成型テスト品15(成型直後の形状あるいは金型内の成型品の形を示す)の側面図である。そして図(ロ)は前記図(イ)を金型から取出した直後に成型収縮した成型品15Aの形状を示す側面図である。
また、図(ハ)は、図(イ)におけるVI−VI線断面図であり、そして図(ニ)は、図(ロ)におけるVII−VII線断面図であり、大柱13が13aに外径Dからdへと縮小した状態を示している。
さて、図27の(イ)に示すように、金型内で成型された成型品15を構成している板片10,11は平行であり、また、これらの板片10,11の間を連結する小柱12と大柱13は図(ロ)の12a,13aに示すように直径を縮小すると共にその長さも同時に縮小する。その際、小柱12の長さの縮小に比較して大柱13の長さの縮小の割合が大きい。従って、2本の柱12a,13aの両端に連結されている板片10a,11aは図(ロ)のに示すように点線から実線で示すように「ハ字形」に変形することになる。
つまり、円柱のように直径、あるいは板材のように断面積の異なる部材を二つ並行に並べて成型したとすると、小径あるいは小断面積の部分は成型後に縮小する割合が小さい。しかし、大径ないし大断面積の部分は、前記より縮小する割合がかなり大きいのである。
第2の実験例:図28は、別のテスト成型品の例を示しており、図(イ)の成型テスト品17は大径の柱17aと2枚の板片17b、17cで構成されたもので、点線で示した形状は成型収縮したテスト成型品17Aを示している。このように柱17aの両端に板片17b、17cを一体成型した場合の収縮は板片17b,17cが矢印で示すように平行して接近して収縮する。
図28(ロ)は、板片18aをU字形に形成し、その板片18aの内部、開口端に向かって中間位置に柱状部18bを一体的に形成したものであり、この柱状部18bと板片18aとの間に窓18cを開口している。
前記柱状部18bは冷却により幅と厚さが点線で示すように減少すると共に、この柱状部18bと一体となっているU形の板片18aの前記窓18cから遠い側の端部18d,18eの距離が縮まり、そして矢印のように曲げられた板片18aの自由端側がハ字形に傾斜する。なお、前記のように板片18bを独立させることによって対向する板片18aの部分を明確に傾斜させるようにするためである。
前記図28(イ)及び(ロ)は、テスト成型品17,18における成型収縮の明確な現象を示すもので、この成型品の収縮に伴う変形の原理を利用して前記図26を参照して説明したピンセット本体1の狭持片2,3の基部Kの変形を利用して狭持片2,3の開口の駆動力を発生させることができるのである。
図28(ハ)は、テスト成型品19を示しており、このテスト成型品19は、板片19aをU字形に形成し、その板片19aの内部、開口端に向かって中間位置に2つの柱状部19bを一体的に形成したものである。前記2つの柱状部19bと板片19aとの間、及び板状部19b同士の間に窓19cが開口されている。更に、前記2つの柱状部19bは同じ厚みに形成されている。
そして、このテスト成型品19は、成型後の冷却によって前記テスト成型品18と同じように自由端側が略ハ字形に傾斜する。
第3実験例:図29の図(イ)は、略U字形に形成された板片32aの内部に、開口端(自由端)側から小柱32hと大柱32iとを配置して一体的に成型したテスト成型品32を示すものである。
このテスト成型品32は、金型内で成型されたときは板片32dと32eとが平行であるが、金型内から取り出されて冷却されると、大柱32iの長さ方向の縮小される割合が小柱32hよりも大きいので、これらの柱32h,32iの両端に連結されている板片32d,32eは実線から点線で示すように基端部32g側が狭まった「ハ字形」に変形する。
図29の図(ロ)は、前記(イ)の大柱と小柱との配置を逆とするものであり、自由端側から大柱33i、小柱33hが配置され一体的に成型されたテスト成型品33である。このテスト成型品33の場合も、大柱33iは小柱33hよりも長さ方向の成型収縮が大きい。従って、板片33d,33eは、実線から点線で示すように自由端側が狭まる「ハ字形」に変形する。
上記第1〜3の実験例により、本発明者は、図29の(イ)のように柱部を配置すると、自由端側(ピンセットでいえば把持先)が拡開し、図29の(ロ)のように配置すると自由端側(ピンセットでいえば把持先)が狭まるという知見を得、さらに、基端部の近傍に大柱を設けると柱部の成型収縮による変形が大きくなるということを明らかにした。
本発明は、前記成型収縮の現象を巧みに利用し、金型からピンセットを取出したときに、把持先の間隔が縮小するように成型収縮力を発生させたピンセット及びその製造方法を提供するものである。
第1の発明は、一端に把持先(23a,23b)を有する2本の狭持片(23,24)の他端にコ字状の基部(22)を介して一体的に成型した合成樹脂製ピンセットにおいて、前記コ字状の基部(22)の基端部(22c)を、成型収縮によって前記把持先(23a,23b)の開口間隔に影響を与える厚肉としたことを特徴とする。
この発明に係るピンセットは、挟持片の先端が接近する成形収縮力を発生させ、更に挟持片をストッパに当接させて挟持片の位置ないし姿勢を積極的に規制することができ、それによってピンセットの開口間隔を保持し、合成樹脂製のピンセットでありながら挟持性を向上させることができる。
第2の発明は、前記コ字状の基部(22)の基端部(22c)の近傍に開口した窓(22a)を介して前記狭持片(23,24)同士を連結する開口間隔調節体(22b)を形成し、前記開口間隔調節体(22b)は、成型収縮によって前記把持先(23a,23b)の開口間隔に影響を与える厚肉としたことを特徴とする。
第3の発明は、前記開口間隔調節体(22b)と基端部(22c)との間に開口されている窓(22a)に、前記狭持片(23,24)同士を連結する柱(22n)を形成したことを特徴とする。
第4の発明は、前記把持先(23a,23b)の近傍に該把持先の横ズレ防止部(26)を設けており、前記横ズレ防止部は、一方の狭持片(23)に貫通孔(26e)を有する受入部(26a)と、該受入部から他方の狭持片(24)に前記受入部に向けて延長したガイド突起部(26b)で構成されていることを特徴とする。
第5の発明は、前記ガイド突起部(26b)に係止突起(26d)と、受入部(26a)に前記係止突起を固定する固定部(26c)が設けられていることを特徴とする。
第6の発明は、前記2本の狭持片(23,24)の対向面に先端が互いに当接するストッパ片(25,25)を突出させて形成したことを特徴とする。
第7の発明は、前記基部(22)の近傍に肉薄部(29)ないし幅狭部(28)を形成したことを特徴とする。
第8の発明は、前記開口間隔調節体(22b)の肉厚を基端部(22c)よりも肉厚としたことを特徴とする。
第9の発明は、金型内で前記基端部(22c)の近傍に前記2本の狭持片(23,24)に連結された前記把持先(23a,23b)の開口間隔調節体(22b)を一体的に形成したピンセットを成型し、前記金型内で成型されたピンセットを排出し、前記開口間隔調節体が内蔵している収縮力によって前記受入部(26a)にガイド突起部(26b)を嵌入させたことを特徴とする。
次に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(実施例1:操作性の向上)
図1〜7は、本発明に係るピンセットの第1の実施例を示している。図1はピンセット20の側面図で、このピンセット20の本体は基部22より2本の狭持片23,24を鋭角的な略V字形ないし松葉形に延長し、そして前記基部22は窓22aと開口間隔調節体22bと基端部22cとによって構成されている。また、前記狭持片23,24の先端には細い横溝などの滑り防止手段を設けた把持先23aと23bとが対面して形成されている。
(実施例1:操作性の向上)
図1〜7は、本発明に係るピンセットの第1の実施例を示している。図1はピンセット20の側面図で、このピンセット20の本体は基部22より2本の狭持片23,24を鋭角的な略V字形ないし松葉形に延長し、そして前記基部22は窓22aと開口間隔調節体22bと基端部22cとによって構成されている。また、前記狭持片23,24の先端には細い横溝などの滑り防止手段を設けた把持先23aと23bとが対面して形成されている。
また、前記狭持片23,24の対向面には、この狭持片23,24の拡開位置を規制するためのストッパ25,25が両狭持片23,24の内面より対向して設けられている。
図6は、基部22の部分拡大断面図を示す。(A)は、開口間隔調節体22cにより構成される基部22を示している。この開口間隔調節体22bは、狭持片23,24の断面よりも大きい断面を有しており、ピンセット20を射出成型した後に、前述の「成型収縮力」によって把持先23a,23bの間隔が狭められるようになっている。そして、前記把持先23a,23bが接近すると、狭持片23,24の基部22側に設けたストッパ25,25同士が当接するので、把持先23a,23bの開口間隔が所定の間隔に保持される。
図6(B)は、基部22は、開口間隔調節体22bと基端部22cとを有しているものを示す。
図6の(C)は、基部22は、開口間隔調節体22bと小柱22nと基端部22cと窓22aとを有しているものを示す。この場合も開口間隔調節体22bは、狭持片23,24及び小柱22d、開口間隔調節体22cよりも大きい断面積を有している。図(B)及び(C)の場合も図(A)と同様に、成型収縮力により把持先23a,23bが狭まるようになっている。
図7は、前記基部22の平断面図を示している。図(A)は、開口間隔調節体22bと基端部22cとは分離されており、開口間隔調節体22bの断面積がかなり大きいものを示している。図(B)は、基端部22cから延長され、先端側が拡大されている開口間隔調節体22bを示している。図(C)は、基端部22cと開口間隔調節体22bとが橋状に連結されているものを示す。図(D)は、把持先23a,23b側に大径の柱状の開口間隔調節体22b、基端部22c側に小径の柱22nを有しているものを示している。図(E)は、図6の(B)の平断面を示している。
そして、成型収縮力は、基端部22cの厚みが薄い場合は大きく、厚みが大きい場合は小さくなる傾向があったので、例えば、基端部22cの肉厚を2mmとし、開口間隔調節体22bの肉厚を10mmとした場合と、基端部22cの肉厚を10mmとし、開口間隔調節体22bの肉厚を20mmとした場合では、前者の方が成型収縮力が大きくなった。
また、開口間隔調節体22bと基端部22cとの間の間隔(窓22a)は、前記基端部22cの肉厚と同等かそれ以上である場合に成型収縮力が大きくなった。
通常、基端部22cは、1〜8mmの厚みに形成され、開口間隔調節体22bは4〜15mmの厚みに形成されている。前記窓22aは、5〜15mm、通常は3〜10mmに形成されている。
本実施例においては、基端部22cは2mmの厚み、開口間隔調節体22bは8mmの厚み、窓22aの幅は5mmの開口に形成されている。また、前記開口間隔調節体22bは、基端部22cの肉厚よりも1.5から10倍の厚肉とすると、比較的大きな成型収縮力を発揮する。なお、開口間隔調節体22bは、図7に示される形状に限定されるものではない。
図1及び図5は、本実施例1のピンセット20の成型直後の状態を示す。射出成型時および成型直後は、図1に示すようにストッパ25,25同士は離れているが、金型からピンセット20を排出すると、成型収縮により直ぐに図3に示すようにストッパ25,25同士が当接するようになっている。
前記ストッパ25,25は、一方のストッパ25の先端に突起を設け、他方のストッパ25の先端に前記突起を受入れる嵌合凹部を設けた嵌合構造としてもよい。また、2枚のガイド板の間にガイドされる構造としたり、通常のピンチ構造や、細い金属棒を貫通させたヒンジとすることもできる。ストッパの当接部分に嵌合構造を設けると、ピンセット20の操作部Mを操作すると両ストッパ25,25同士が嵌合状態となり、該ストッパ25,25の横ズレと前後のズレとが同時に防止され、結果、把持先23a,23bの横ズレと前後のズレとが防止され、ピンセットの先端部の精度を向上させることができる。
(実施例2:把持先の横ズレ防止)
次に、本発明に係るピンセットの第2の実施例について説明する。
次に、本発明に係るピンセットの第2の実施例について説明する。
このピンセット20は、実施例1(図1)の構成を基本とし、図8及び図12に示すように把持先23a,23bの近傍に横ズレ防止部26が設けられている。この横ズレ防止部26は、両狭持片23,24の対面側に設けられており、一方の狭持片23に2枚の案内板30aを有し貫通孔26eが設けられた受入部26aと、他方の狭持片24から突出して延長されたガイド突起部26bが設けられている。
前記ガイド突起部26bが2枚の案内板30aの間に挿入されて横方向の動きを制限し、狭持片の先端に設けられている把持先23a,23b同士の横ズレを生じないようになっている。
このピンセット20により物体を把持すると、図11に示すように前記ガイド突起部26bが受入部26aの貫通孔26eを貫通し、把持先23a,23bの横ズレが確実に防止されており、物体の把持・移動・開放を繰り返して行っても把持先23a,23bがズレることなく連続して使用することができる。また、横ズレが生じないようになっているので、精密な電子部品を取扱う際の操作性が向上している。医療用分野においても、物体をピンセットの把持先で把持した際に該把持先がズレることがないので信頼性も向上している。
(実施例3:把持先の位置決め)
次に、本発明に係るピンセットの第3実施例について図面を参照して説明する。
次に、本発明に係るピンセットの第3実施例について図面を参照して説明する。
このピンセット20は、実施例1(図1)の構成を基本とし、図13及び図14に示すように前記把持先23a,23bの近傍には、この狭持片23,24の横ズレ防止部26が設けられている。
この横ズレ防止部26は、図14〜図17に示すように前記把持先23aと23bの開口間隔を段階的に位置決めし、この状態を保持するためのものである。この横ズレ防止部26の一方の部材は2枚の板30aを平行に植立させた受入部26aと、この受入部26a内に挿入されて位置決めされるガイド突起部26bで構成されている。
前記受入部26aの一方の板に窓26fが開口された固定部26cが形成されており、また、ガイド突起部26bの前記窓26fに対面する側には断面が三角状の係止突起26dが形成されている。そして前記受入部26aには前記ガイド突起部26bが貫通する孔26eが設けられている。
(成形したピンセット状態)
図14と図18(A)とが対応する横ズレ防止部26の側面図と断面図であり、また、図18(B)は図14におけるストッパ25の状態を示している。これらの図は、金型内のキャビティあるいは金型内で成形された直後のピンセット20を示している。この状態では受入部26aの固定部26cとガイド突起部26bとの対向する先端部の間に間隙(δ)が形成されており、また、2本のストッパ25の先端部の間にも間隙(α)が形成されている。
図14と図18(A)とが対応する横ズレ防止部26の側面図と断面図であり、また、図18(B)は図14におけるストッパ25の状態を示している。これらの図は、金型内のキャビティあるいは金型内で成形された直後のピンセット20を示している。この状態では受入部26aの固定部26cとガイド突起部26bとの対向する先端部の間に間隙(δ)が形成されており、また、2本のストッパ25の先端部の間にも間隙(α)が形成されている。
(金型より排出した直後のピンセットの状態)
図14は金型より排出された直後のピンセット20の状態を示し、図18(A)に横ズレ防止部26の断面を示している。ピンセット20が図示しない金型より排出されると、前記図23〜図29を参照して基部(図23のK、図1の22)の「成形収縮」による部材が変化する状態を説明したように、成形直後の基部22の成形された直後に発生する収縮によって挟持片23,24の間隔が狭まり、把持先23a,23bの間隔が(β)から縮小してくるが、この基部22の近傍にある2本のストッパ25の先端が当接することによって前記収縮に伴う変形が阻止されて前記把持先23a,23bの間隔は(γ)となる。
図14は金型より排出された直後のピンセット20の状態を示し、図18(A)に横ズレ防止部26の断面を示している。ピンセット20が図示しない金型より排出されると、前記図23〜図29を参照して基部(図23のK、図1の22)の「成形収縮」による部材が変化する状態を説明したように、成形直後の基部22の成形された直後に発生する収縮によって挟持片23,24の間隔が狭まり、把持先23a,23bの間隔が(β)から縮小してくるが、この基部22の近傍にある2本のストッパ25の先端が当接することによって前記収縮に伴う変形が阻止されて前記把持先23a,23bの間隔は(γ)となる。
この状態になると、横ズレ防止部26は図16及び図19に示すように2枚構成の受入部26aの間にガイド突起部26aの先端部が押入された状態となる。
本実施例により、綿球等の物体や半導体の部品等をピンセットの先端部に保持した状態を維持することができる。
このように構成されたピンセット20は、図17及び図20に示すように、把持先23a,23bに物体を保持した状態を維持することができ、綿球等を摘んだ状態での消毒や、半導体等の精密部品の長時間に亘る保持等を行うのに適している。
(実施例4:繊細な操作性の向上)
図23〜図25は本発明に係るピンセットの第4の実施例を示している。この実施例は、ストッパ25と開口間隔調節体22bとの間に弾性力発生部Fを形成したものである。この弾性力発生部Fは、図23に示す如く、狭持片23,24の幅を狭くする円弧状の幅狭部28が形成されている。
図23〜図25は本発明に係るピンセットの第4の実施例を示している。この実施例は、ストッパ25と開口間隔調節体22bとの間に弾性力発生部Fを形成したものである。この弾性力発生部Fは、図23に示す如く、狭持片23,24の幅を狭くする円弧状の幅狭部28が形成されている。
この弾性力発生部Fは、図25に示すように把持先23a,23bに物体を挟む操作を行った際に、略へ字形状に弾性変形する。そして、弾性変形によって生じた弾性力がこの弾性力発生部Fに蓄積され、使用者が操作部にかける力を緩めたときに把持先23a,23bが軽い力で離反するようになっている。
そして、このピンセット20は、物体を把持する際に、前記弾性力発生部Fが比較的容易に変形するようになっており、この弾性力発生部Fにより蓄えられた弾性変形力により前記把持先23a,23bの接近・離反が自在になっている。しかも、把持先23a,23bに把持された物体に加わる把持力が使用者の手指に敏感に伝わるようになっている。
なお、前記弾性力発生部Fは、前記のように狭持片の板の幅を狭めたり、厚みを薄くしたり、凹条を設けたり、あるいは筋や溝や力骨の有無などの変化を利用して、目的とする柔らかさや、指先で物体を摘んでいるような感覚を感ずることのできるように調整することができる。例えば、図24に示すように狭持片23,24の対向面側に凹部29を設けても良い。この場合はピンセット20の外観を変更することなく弾性応力発生部Fを設けることができる。
(耐熱性・耐摩耗性)
このピンセットは熱可塑性合成樹脂により成形されているので、例えば、電子部品をピンセットで把持して基板上に保持し、半田付けや銀蝋付けを行うと、その熱により把持先が変形したり、融けたりすることがある。また、薬品等を取扱う場合に、ピンセットの合成樹脂中の有機物が溶出したり、場合によってはピンセットが薬品により溶けてしまうことがある。また、固い物体を把持すると、把持先が摩耗しやすいという問題もある。
このピンセットは熱可塑性合成樹脂により成形されているので、例えば、電子部品をピンセットで把持して基板上に保持し、半田付けや銀蝋付けを行うと、その熱により把持先が変形したり、融けたりすることがある。また、薬品等を取扱う場合に、ピンセットの合成樹脂中の有機物が溶出したり、場合によってはピンセットが薬品により溶けてしまうことがある。また、固い物体を把持すると、把持先が摩耗しやすいという問題もある。
そこで、ピンセットの把持先をアルミナやジルコニア等のセラミックス製とし、このセラミックス製の把持先23a,23bをネジ等の任意の固定手段によりピンセットに取付ければ、耐熱性や耐摩耗性、耐薬品性等を要求される分野で使用できるようにしてもよい。
1 ピンセット本体
2,3 狭持片
2a,3a 把持先
4 突起
5 穴
K 基部
T 把持域
20 ピンセット
22 基部
22a 窓
22b 開口間隔調節体
22c 基端部
23,24 狭持片
23a,23b 把持先
23d,24d 力骨
25 ストッパ
26 横ズレ防止部
26a 受入部
26b ガイド突起部
26c 固定部
26d 係止突起
26e 貫通孔
26f 窓
28 幅狭部
29 肉薄部
α,β,γ,δ 間隙
M 操作部
F 弾性力発生部
2,3 狭持片
2a,3a 把持先
4 突起
5 穴
K 基部
T 把持域
20 ピンセット
22 基部
22a 窓
22b 開口間隔調節体
22c 基端部
23,24 狭持片
23a,23b 把持先
23d,24d 力骨
25 ストッパ
26 横ズレ防止部
26a 受入部
26b ガイド突起部
26c 固定部
26d 係止突起
26e 貫通孔
26f 窓
28 幅狭部
29 肉薄部
α,β,γ,δ 間隙
M 操作部
F 弾性力発生部
Claims (9)
- 一端に把持先(23a,23b)を有する2本の狭持片(23,24)の他端にコ字状の基部(22)を介して一体的に成型した合成樹脂製ピンセットにおいて、
前記コ字状の基部(22)の基端部(22c)を、成型収縮によって前記把持先(23a,23b)の開口間隔に影響を与える厚肉としたことを特徴とする合成樹脂製ピンセット。 - 前記コ字状の基部(22)の基端部(22c)の近傍に開口した窓(22a)を介して前記狭持片(23,24)同士を連結する開口間隔調節体(22b)を形成し、
前記開口間隔調節体(22b)は、成型収縮によって前記把持先(23a,23b)の開口間隔に影響を与える厚肉としたことを特徴とする合成樹脂製ピンセット。 - 前記開口間隔調節体(22b)と基端部(22c)との間に開口されている窓(22a)に、前記狭持片(23,24)同士を連結する柱(22n)を形成したことを特徴とする合成樹脂製ピンセット。
- 前記把持先(23a,23b)の近傍に該把持先の横ズレ防止部(26)を設けており、前記横ズレ防止部は、一方の狭持片(23)に貫通孔(26e)を有する受入部(26a)と、該受入部から他方の狭持片(24)に前記受入部に向けて延長したガイド突起部(26b)で構成されていることを特徴とする請求項1,2又は3記載の合成樹脂製ピンセット。
- 前記ガイド突起部(26b)に係止突起(26d)と、受入部(26a)に前記係止突起を固定する固定部(26c)が設けられていることを特徴とする請求項4記載記載の合成樹脂製ピンセット。
- 前記2本の狭持片(23,24)の対向面に先端が互いに当接するストッパ片(25,25)を突出させて形成したことを特徴とする請求項1,2,3,4又は5記載の合成樹脂製ピンセット。
- 前記基部(22)の近傍に肉薄部(29)ないし幅狭部(28)を形成したことを特徴とする請求項1,2,3,4,5又は6記載の合成樹脂製ピンセット。
- 前記開口間隔調節体(22b)の肉厚を基端部(22c)よりも肉厚としたことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6又は7記載の合成樹脂製ピンセット。
- 金型内で前記基端部(22c)の近傍に前記2本の狭持片(23,24)に連結された前記把持先(23a,23b)の開口間隔調節体(22b)を一体的に形成したピンセットを成型し、前記金型内で成型されたピンセットを排出し、前記開口間隔調節体が内蔵している収縮力によって前記受入部(26a)にガイド突起部(26b)を嵌入させたことを特徴とする請求項4又は5記載の合成樹脂製ピンセット。
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