JP2008091589A - 固体電解質、固体電解コンデンサ、及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】固体電解質に関し、特に高耐電圧特性を有する固体電解コンデンサ、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】ポリ−(3−カルボン酸チオフェンアルキルアンモニウム)からなる固体電解質を用いることで高耐電圧特性が達成できる。さらにこの固体電解質を固体電解質層として用いた固体電解コンデンサを形成することで高耐電圧特性のコンデンサを形成できる。
【選択図】なし
【解決手段】ポリ−(3−カルボン酸チオフェンアルキルアンモニウム)からなる固体電解質を用いることで高耐電圧特性が達成できる。さらにこの固体電解質を固体電解質層として用いた固体電解コンデンサを形成することで高耐電圧特性のコンデンサを形成できる。
【選択図】なし
Description
本発明は、固体電解質に関し、特に高耐電圧特性を有する固体電解コンデンサ、及びその製造方法に関する。
アルミニウム等のような弁作用を有する金属を利用した電解コンデンサは、陽極電極としての弁作用金属をエッチング箔等の形状にして誘電体を拡面化することにより、小型で大きな容量を得ることができることから、広く一般に用いられている。特に、電解質に固体電解質を用いた固体電解コンデンサは、小型、大容量、低等価直列抵抗であることに加えて、チップ化しやすく、表面実装に適している等の特質を備えていることから、電子機器の小型化、高機能化に欠かせないものとなっている。
固体電解コンデンサに用いられる固体電解質としては、電導度が高く、陽極電極の酸化皮膜層との密着性に優れた導電性ポリマーが固体電解質として用いられている。この導電性ポリマーとしては、例えば、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリエチレンジオキシチオフェン等が知られている。
なかでも、酸化皮膜の厚さに対して耐電圧を高くとることができるという理由から、高耐圧化が図れる導電性ポリマーとして、ポリエチレンジオキシチオフェン(以下、PEDOTと記す)が注目されている。このPEDOTを用いるコンデンサにおいては、化学酸化重合が用いられ、以下のようにして作製される。すなわち、陽極箔と陰極箔をセパレータを介して巻回してコンデンサ素子を形成し、このコンデンサ素子にPEDOT及び酸化剤溶液を含浸し、加熱して、両電極間にPEDOTポリマー層を形成し、固体電解コンデンサを形成する(特許文献1)。
このような固体電解コンデンサは、車載用途、インバータ用途に用いられるが、使用電圧は20WVから35WVへと上昇し、これらに対応すべくコンデンサ素子内にビニル基を有する化合物とホウ酸化合物とからなる結合体を含有させることによって耐電圧を上昇させることが開示されている(特許文献2)。
しかしながら、このような技術をもってしても、高耐電圧化は十分ではない。従って、本発明の目的はさらに高耐電圧特性を有する固体電解コンデンサ、及びその製造方法を提供することにある。
前記の課題を解決すべく、本発明に係る固体電解質は、ポリ−(3−カルボン酸チオフェンアルキルアンモニウム)からなる。
さらに、アルキルアンモニウムがモノアルキルアンモニウム、ジアルキルアンモニウム、トリアルキルアンモニウム、テトラアルキルアンモニウムであってもよい。
また、3−カルボン酸チオフェンが3−蟻酸チオフェン、3−酢酸チオフェン、3−プロピオン酸チオフェン、3−ブタン酸(=酪酸)チオフェンである固体電解質から構成されてもよい。
さらに、アルキルアンモニウムに替えて、アンモニウムとしてもよい。
一方、本発明に係る固体電解コンデンサは前記の固体電解質層を用いられる。
また。本発明に係る前記の固体電解コンデンサの製造方法では、陽極箔と陰極箔をセパレータを介して巻回してコンデンサ素子を形成し、このコンデンサ素子に3−カルボン酸チオフェンアルキルアンモニウム及び酸化剤溶液を含浸して加熱することで、両電極間に固体電解質層としてポリ−(3−カルボン酸チオフェンアルキルアンモニウム)を形成する。
本発明に係るさらに本発明に係る固体電解質を用いる高耐電圧特性を有する固体電解コンデンサ、及びその製造方法を提供することによって、さらに高耐電圧特性を有する。
本発明の固体電解質は、PEDOTを用いた固体電解コンデンサにおいて、PEDOTに替えて、本願の3−カルボン酸チオフェンアルキルアンモニウム(alkylammonium
thiophen-3-carboxylate:以下、ATC)(1)式により形成される。
thiophen-3-carboxylate:以下、ATC)(1)式により形成される。
ただし、カルボン酸チオフェンモノマーとアルキルアンモニウムと酸化剤によって、重合する。アルキルアンモニウムはモノマー、酸化剤のどちらに混合してもよく、3つを同時に混合して、その後に重合してもよい。
アルキルアンモニウムとしては、モノアルキルアンモニウム、ジアルキルアンモニウム、トリアルキルアンモニウム、テトラアルキルアンモニウムを挙げることができ、アルキルアンモニウムに替えて、アンモニウムを用いてもよい。
3−カルボン酸チオフェンとしては3−蟻酸チオフェン、3−酢酸チオフェン、3−プロピオン酸チオフェン、3−ブタン酸(=酪酸)チオフェンを挙げることができる。なかでも、導電度の点から、3−蟻酸チオフェン、3−酢酸チオフェンが好ましい。
3−酢酸カルボン酸チオフェンと溶媒とを混合したモノマー溶液を用いる。溶媒としては、ペンタン等の炭化水素類、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ギ酸エチル等のエステル類、アセトン等のケトン類、メタノール等のアルコール類、アセトニトリル等の窒素化合物、水等を用いることができるが、なかでも、メタノール、エタノール、アセトン等が好ましい。また、酸化剤としては、ブタノールに溶解したパラトルエンスルホン酸第二鉄、過ヨウ素酸もしくはヨウ素酸の水溶液を挙げることができる。
誘電体皮膜を形成した基材の上に、PATCを形成するが、1)3−カルボン酸チオフェンアルキルアンモニウム溶液(3−カルボン酸チオフェンとアルキルアンモニウムの混合溶液)を塗布した後に酸化剤溶液を加えて重合、2)3−カルボン酸チオフェン溶液を塗布した後に酸化剤とアルキルアンモニウムの混合溶液を加えて重合、3)酸化剤溶液を塗布した後に3−カルボン酸チオフェンアルキルアンモニウム溶液を加えて重合、4)酸化剤とアルキルアンモニウムの混合溶液を塗布した後に3−酢酸カルボン酸チオフェン溶液を加えて重合、5)3−酢酸チオフェンアルキルアンモニウムと酸化剤の混合溶液を塗布した後に重合することができる。加熱重合する場合は、重合温度は、20〜180℃、30分以上が好ましい。
本願のモノマーはアルキルアンモニウムイオンを有しているので、酸化剤による酸性度が緩衝されて、酸化皮膜の損傷が抑制されるので、耐電圧特性が向上する。
さらに、本願のモノマーはカルボン酸アンモニウム基を有しているので、皮膜の化成反応が生じ、耐電圧特性が向上する。
3−カルボン酸チオフェンアルキルアンモニウムを固体電解質とするコンデンサ素子は、陽極箔と陰極箔をセパレータを介して巻回してコンデンサ素子を形成し、このPEDOTを用いた固体電解コンデンサ素子に3−カルボン酸チオフェンアルキルアンモニウム及び酸化剤溶液を含浸して、加熱して、両電極間にPEDOTポリマー層を形成して、固体電解コンデンサを形成する。
(実施例1)
以下に実施例について説明する。
以下に実施例について説明する。
実施例1では、150V化成したアルミプレーン箔のうえに、エチレンジオキシチオフェンとp−トルエンスルホン酸鉄(III)のブタノール溶液(従来例)、3−酢酸チオフェンとジエチルアンモニウムとp−トルエンスルホン酸鉄(III)のブタノール溶液(実施例)をスピンコートし、60℃30分+150℃1h加熱して、重合して固体電解質層を形成した。この重合体の上に、カーボンペースト、銀ペースト、銅箔を設けて陰極取出し手段とし、平板コンデンサ素子を形成した。この平板コンデンサ素子を、20mVsec-1の掃引速度で電圧を印加し電圧−電流特性を測定した。結果を(表1)に示す。
表1に示されるように、従来例では50V印加で50μAの電流が流れ、100V印加する前にショートした。この従来例と比較して、実施例では、150V印加でも電流は低く抑えられており、従来例のような酸化剤の酸性度が原因と思われる皮膜の損傷が抑制されている。さらに、化成電圧を超える200Vを印加してもショートしなかった。これは、酢酸ジエチルアンモニウム基の存在により、新規な皮膜の化成反応が生じていることによるものと考えられる。
(実施例2)
続いて実施例2について説明する。
続いて実施例2について説明する。
実施例2で作成したコンデンサ素子の静電容量を測定した後、ポリマーを除去して静電容量を測定し、変化率を測定した。
変化率は、実施例は100%、従来例は130%であった。この結果から、従来例では皮膜が損傷を受けて静電容量が増大しているが、実施例では損傷が抑制されており、静電容量の増大はない。従って、耐圧が向上していることがわかる。
(実施例3)
実施例3ではp−トルエンスルホン酸鉄(III)ブタノール溶液にpH電極を浸漬した後、酢酸チオフェン+ジエチルアンモニウムのブタノール溶液を投入し、常温でスタラーで攪拌しながらpHの変化を測定した。また、従来例として、酢酸チオフェン+ジエチルアンモニウムに替えて、エチレンジオキシチオフェンを用いて同様の測定を行った。結果は、実施例では、20分後にpH=5、120分後にpH=5.5、従来例では、20分後にpH=−0.5、120分後にpH=−0.5であった。結果から、実施例ではpHの緩衝作用によって酸性度が緩和されていることがわかる。
実施例3ではp−トルエンスルホン酸鉄(III)ブタノール溶液にpH電極を浸漬した後、酢酸チオフェン+ジエチルアンモニウムのブタノール溶液を投入し、常温でスタラーで攪拌しながらpHの変化を測定した。また、従来例として、酢酸チオフェン+ジエチルアンモニウムに替えて、エチレンジオキシチオフェンを用いて同様の測定を行った。結果は、実施例では、20分後にpH=5、120分後にpH=5.5、従来例では、20分後にpH=−0.5、120分後にpH=−0.5であった。結果から、実施例ではpHの緩衝作用によって酸性度が緩和されていることがわかる。
Claims (6)
- ポリ−(3−カルボン酸チオフェンアルキルアンモニウム)からなる固体電解質。
- アルキルアンモニウムがモノアルキルアンモニウム、ジアルキルアンモニウム、トリアルキルアンモニウム、テトラアルキルアンモニウムである請求項1に記載の固体電解質。
- 3−カルボン酸チオフェンが3−蟻酸チオフェン、3−酢酸チオフェン、3−プロピオン酸チオフェン、3−ブタン酸チオフェンである請求項1又は2に記載の固体電解質。
- アルキルアンモニウムに替えて、アンモニウムとした請求項1乃至3いずれかに記載の固体電解質。
- 請求項1乃至4いずれかに記載の固体電解質を固体電解質層として用いた固体電解コンデンサ。
- 陽極箔と陰極箔をセパレータを介して巻回してコンデンサ素子を形成し、このコンデンサ素子に3−カルボン酸チオフェンアルキルアンモニウム及び酸化剤溶液を含浸して加熱することで、両電極間に固体電解質層としてポリ−(3−カルボン酸チオフェンアルキルアンモニウム)を形成する固体電解コンデンサの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006270178A JP2008091589A (ja) | 2006-09-30 | 2006-09-30 | 固体電解質、固体電解コンデンサ、及びその製造方法 |
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JP (1) | JP2008091589A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104277206A (zh) * | 2013-07-02 | 2015-01-14 | 济南大学 | 一种聚噻吩类导电高分子纳米线的制备方法 |
CN104277206B (zh) * | 2013-07-02 | 2016-11-30 | 济南大学 | 一种聚噻吩类导电高分子纳米线的制备方法 |
US9627712B2 (en) | 2010-09-23 | 2017-04-18 | Uchicago Argonne, Llc | Heteroaromatic-based electrolytes for lithium and lithium-ion batteries |
-
2006
- 2006-09-30 JP JP2006270178A patent/JP2008091589A/ja active Pending
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