JP2008084512A - 情報記録再生装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高記録密度及び低消費電力の不揮発の情報記録再生装置を提供する。
【解決手段】本発明の例に関わる情報記録再生装置は、記録層と、記録層に電圧を印加して記録層に抵抗変化を発生させてデータを記録する手段とを含む。記録層は、少なくとも2種類の陽イオン元素を有する複合化合物から構成され、陽イオン元素の少なくとも1種類は、電子が不完全に満たされたd軌道を有する遷移元素であり、隣接する陽イオン元素間の最短距離は、0.32nm以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、高記録密度の情報記録再生装置に関する。
近年、小型携帯機器が世界的に普及し、同時に、高速データ伝送網の大幅な進展に伴い、小型大容量不揮発性メモリの需要が急速に拡大してきている。その中でも、NAND型フラッシュメモリ及び小型HDD(hard disk drive)は、特に、急速な記録密度の進化を遂げ、大きな市場を形成するに至っている。
しかし、両者共に、既に記録密度の限界が指摘されている。即ち、NAND型フラッシュメモリでは、最小線幅の縮小に伴う加工コストの増大が著しく、また、小型HDDでは、トラッキング精度が十分に確保できない、という問題に直面している。
このような状況の下、記録密度の限界を大幅に超えることを目指した新規メモリのアイデアがいくつか提案されている。
例えば、PRAM(相変化メモリ)は、記録材料として、アモルファス状態(オフ)と結晶状態(オン)の2つの状態をとることができる材料を使用し、この2つの状態を2値データ“0”,“1”に対応させてデータを記録する、という原理を採用する。
書き込み/消去に関しては、例えば、大電力パルスを記録材料に印加することによりアモルファス状態を作り、小電力パルスを記録材料に印加することにより結晶状態を作る。
読み出しに関しては、記録材料に、書き込み/消去が起こらない程度の小さな読み出し電流を流し、記録材料の電気抵抗を測定することにより行う。アモルファス状態の記録材料の抵抗値は、結晶状態の記録材料の抵抗値よりも大きく、その差は、103程度である。
PRAMの最大の特長は、素子サイズを10nm程度にまで縮小しても動作できるという点にあり、この場合には、約10Tbpsi (tera bite par square inch)の記録密度を実現できるため、高記録密度化への候補の一つとされる(例えば、特許文献1を参照)。
また、PRAMとは異なるが、これと非常に似た動作原理を有する新規メモリが報告されている(例えば、特許文献2を参照)。
この報告によれば、データを記録する記録材料の代表例は、酸化ニッケルであり、PRAMと同様に、書き込み/消去には、大電力パルスと小電力パルスとを使用する。この場合、PRAMに比べて、書き込み/消去時の消費電力が小さくなる、という利点が報告されている。
現在までのところ、この新規メモリの動作メカニズムについては解明されていないが、再現性については確認されており、高記録密度化への候補の他の一つとされる。また、動作メカニズムについても、いくつかのグループが解明を試みている。
これらの他、MEMS(micro electro mechanical systems)技術を使ったMEMSメモリが提案されている(例えば、非特許文献1を参照)。
特に、ミリピード(Millipede)と呼ばれるMEMSメモリは、アレイ状の複数のカンチレバーと有機物質が塗布された記録媒体とが対向する構造を有し、カンチレバーの先端のプローブは、記録媒体に適度な圧力で接触している。
書き込みに関しては、選択的に、プローブに付加されるヒータの温度を制御することにより行う。即ち、ヒータの温度を上げると、記録媒体が軟化し、プローブが記録媒体にめり込んで、記録媒体に窪みを形成する。
読み出しに関しては、記録媒体が軟化しない程度の電流をプローブに流しながら、記録媒体の表面に対し、このプローブをスキャンさせることにより行う。プローブが記録媒体の窪みに落ち込むとプローブの温度が低下し、ヒータの抵抗値が上昇するため、この抵抗値の変化を読み取ることによりデータをセンスできる。
ミリピードのようなMEMSメモリの最大の特長は、ビットデータを記録する各記録部に配線を設ける必要がないため、記録密度を飛躍的に向上できる点にある。現状で、既に、1Tbpsi程度の記録密度を達成している(例えば、非特許文献2を参照)。
また、ミリピードの発表を受けて、最近、MEMS技術と新たな記録原理とを組み合わせ、消費電力、記録密度や、動作速度などに関して大きな改善を達成しようという試みがなされている。
例えば、記録媒体に強誘電体層を設け、記録媒体に電圧を印加することにより強誘電体層に誘電分極を引き起こしてデータの記録を行う方式が提案されている。この方式によれば、ビットデータを記録する記録部同士の間隔(記録最小単位)を結晶の単位胞レベルにまで近づけることができる、との理論的予測がある。
仮に、記録最小単位が強誘電体層の結晶の1単位胞になると、記録密度は、約4Pbpsi(pico bite par square inch)という巨大な値になる。
しかし、このような強誘電体記録のMEMSメモリは、従来から知られている原理でありながら現在においても実現されていない。
その最も大きな理由は、記録媒体からその外部に出る電場が空気中のイオンにより遮蔽されてしまうことにある。つまり、記録媒体からの電場を感知できないため、読み出しを行うことができない。
また、結晶中に格子欠陥が存在すると、格子欠陥による電荷が記録部に移動して電荷を遮蔽してしまう、という理由もある。
前者の空気中のイオンによる電場遮蔽の問題は、最近、SNDM(走査型非線形誘電率顕微鏡)を用いた読み出し方式の提案により解決され、この新規メモリは、実用化に向けてかなり進展してきている(例えば、非特許文献3を参照)。
特開2005−252068号公報 特開2004−234707号公報 P. Vettiger, G. Cross, M. Despont, U. Drechsler, U. Durig, B. Gotsmann, W. Haberle, M. A. Lants, H. E. Rothuizen, R. Stutz and G. K. Binnig, IEEE Trans. Nanotechnology 1, 39(2002) P. Vettiger, T. Albrecht, M. Despont, U. Drechsler, U. Durig, B. Gotsmann, D. Jubin, W. Haberle, M. A. Lants, H. E. Rothuizen, R. Stutz, D. Wiesmann and G. K. Binnig, P. Bachtold, G. Cherubini, C. Hagleitner, T. Loeliger, A. Pantazi, H. Pozidis and E. Eleftheriou, in Technical Digest, IEDM03 pp.763-766 A. Onoue, S. Hashimoto, Y. Chu, Mat. Sci. Eng. B120, 130(2005)
本発明の例では、高記録密度及び低消費電力の不揮発の情報記録再生装置を提案する。
本発明の例に係る情報記録再生装置は、記録層と、記録層に電圧を印加して記録層に抵抗変化を発生させてデータを記録する手段とを備え、記録層は、少なくとも2種類の陽イオン元素を有する複合化合物から構成され、陽イオン元素の少なくとも1種類は、電子が不完全に満たされたd軌道を有する遷移元素であり、隣接する陽イオン元素間の最短距離は、0.32nm以下である。
本発明の例に係る情報記録再生装置は、記録層と、記録層に電圧を印加して記録層に抵抗変化を発生させてデータを記録する手段とを備え、記録層は、 i. AxM1yX1zで表記される第1化合物(但し、A, M1は、陽イオン元素、X1は、O, S, Se, N, Cl, Br, Iから選ばれる少なくとも1種類の元素、0.1≦x≦2.2, 0.5≦y≦2.5, 1.5≦z≦4.5である。)、及び、ii. 少なくとも1種類の遷移元素を有し、かつ、前記陽イオン元素を収容できる空隙サイトを有する第2化合物から構成される。
本発明の例によれば、高記録密度及び低消費電力の不揮発の情報記録再生装置を実現できる。
以下、図面を参照しながら、本発明の例を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
1. 概要
(1) 本発明の第1例に係る情報記録再生装置は、記録層が、少なくとも2種類の陽イオン元素を有する複合化合物から構成される。また、陽イオン元素の少なくとも1種類は、電子が不完全に満たされたd軌道を有する遷移元素とし、かつ、隣接する陽イオン元素間の最短距離は、0.32nm以下とする。
具体的には、記録層は、以下の材料から構成される。
・ 化学式1:AxMyX4
Aは、Na, K, Rb, Be, Mg, Ca, Sr, Ba, Al, Ga, Mn, Fe, Co, Ni, Cu, Zn, Si, P, S, Se, Ge, Ag, Au, Cd, Sn, Sb, Pt, Pd, Hg, Tl, Pb, Bi のグループから選択される少なくとも1種類の元素である。
また、Aは、Mg, Al, Mn, Fe, Co, Ni, Zn, Cd, Hg のグループから選択される少なくとも1種類の元素とするのが好ましい。これらの元素を使用すると、結晶構造を維持するためのイオン半径が最適となり、イオン移動度についても十分に確保できるからである。
さらに、Aは、Zn, Cd, Hg から選択される少なくとも1つの元素とするのがさらに好ましい。これらの元素を使用すると、陽イオン間で位置の入れ替え(inversion)が生じにくく、安定にスイッチングを繰り返すことができるからである。
Mは、Al, Ga, Ti, Ge, Sn, V, Cr, Mn, Fe, Co, Ni, Nb, Ta, Mo, W, Tc, Re, Ru, Rh のグループから選択される少なくとも1種類の元素である。
また、Mは、V, Cr, Mo, W, Mn, Tc, Re, Fe, Co, Ni, Al, Ga のグループから選択される少なくとも1種類の元素とするのが好ましい。これらの元素を使用すると、結晶内の電子状態をコントロールし易くなるためである。
さらに、Mは、Cr, Mo, W, Mn, Tc, Re からなるグループ1から選択される少なくとも1種類の遷移元素とするのが好ましい。これらの元素を使用すると、母体構造が安定に保持されるため、安定にスイッチングを繰り返すことができるからである。
さらに、Mは、Fe, Co, Ni, Al, Ga のグループから選択される少なくとも1種類の元素を上記グループ1の遷移元素に加えて含むことが好ましい。グループ1の元素の一部の代わりにこれらの元素を使用すると、母体構造がより安定に保持されるため、より安定にスイッチングを繰り返すことができるからである。
AとMは、互いに異なる元素であり、少なくとも一方は電子が不完全に満たされたd軌道を有する遷移元素である。Xは、O, Nのグループから選択される少なくとも1種類の元素である。モル比x, yは、それぞれ、0.1≦x≦2.2、1.5≦y≦2を満たすものとする。
・ 化学式2:AxMyX3
Aは、Na, K, Rb, Be, Mg, Ca, Sr, Ba, Al, Ga, Mn, Fe, Co, Ni, Cu, Zn, Si, P, S, Se, Ge, Ag, Au, Cd, Sn, Sb, Pt, Pd, Hg, Tl, Pb, Bi のグループから選択される少なくとも1種類の元素である。
また、Aは、Mg, Al, Mn, Fe, Co, Ni, Zn のグループから選択される少なくとも1種類の元素とするのが好ましい。これらの元素を使用すると、結晶構造を維持するためのイオン半径が最適となり、イオン移動度についても十分に確保できるからである。
Mは、Al, Ga, Ti, Ge, Sn, V, Cr, Mn, Fe, Co, Ni, Nb, Ta, Mo, W, Tc, Re, Ru, Rh のグループから選択される少なくとも1種類の元素である。
また、Mは、V, Cr, Mn, Fe, Co, Ni のグループから選択される少なくとも1種類の元素とするのが好ましい。これらの元素を使用すると、結晶内の電子状態をコントロールし易くなるためである。
AとMは、互いに異なる元素であり、少なくとも一方は電子が不完全に満たされたd軌道を有する遷移元素である。Xは、O, Nのグループから選択される少なくとも1種類の元素である。モル比x, yは、それぞれ、0.5≦x≦1.1、0.9≦y≦1を満たすものとする。
・ 化学式3:AxMyX4
Aは、Na, K, Rb, Be, Mg, Ca, Sr, Ba, Al, Ga, Ti, V, Cr, Mn, Fe, Co, Ni, Cu, Zn, Si, P, S, Se, Ge, Ag, Au, Cd, Sn, Sb, Pt, Pd, Hg, Tl, Pb, Bi のグループから選択される少なくとも1種類の元素である。
また、Aは、Mg, Al, Ga, Sb, Ti, Mn, Fe, Co のグループから選択される少なくとも1種類の元素とするのが好ましい。これらの元素を使用すると、結晶構造を維持するためのイオン半径が最適となり、イオン移動度についても十分に確保できるからである。
Mは、Al, Ga, Ti, Ge, Sn, V, Nb, Ta, Cr, Mn, Mo, W, Ir, Os のグループから選択される少なくとも1種類の元素である。
また、Mは、Cr, Mn, Mo, W のグループから選択される少なくとも1種類の元素とするのが好ましい。これらの元素を使用すると、結晶内の電子状態をコントロールし易くなるためである。
AとMは、互いに異なる元素であり、少なくとも一方は電子が不完全に満たされたd軌道を有する遷移元素である。Xは、O, Nのグループから選択される少なくとも1種類の元素である。モル比x, yは、それぞれ、0.5≦x≦1.1、0.9≦y≦1を満たすものとする。
尚、上記3つの材料(AxMyX4, AxMyX3, AxMyX4)のモル比 x,y に関し、数値範囲の下限は、結晶構造を維持するために設定され、その上限は、結晶内の電子状態をコントロールするために設定される。
また、記録層は、以下の結晶構造のうちの1つを採用する。
・ スピネル構造
・ クリプトメレン構造
・ イルメナイト構造
・ マロカイト構造
・ ホランダイト構造
・ ヘテロライト構造
・ ラムスデライト構造
・ デラフォサイト構造
・ オリビン構造
・ α-NaFeO2構造
・ LiMoN2構造
これらの結晶構造を採用することにより、隣接する陽イオン元素間の最短距離は0.32nm以下となり、記録層の電子伝導度を向上させることができる。
以上のような記録層を使用することで、記録密度に関しては、原理的にはPbpsi級を実現でき、さらに、低消費電力化も達成できる。
(2) 本発明の第2例に係る情報記録再生装置では、記録層が、 i. AxM1yX1zで表記される第1化合物(但し、A, M1は、陽イオン元素、X1は、O, S, Se, N, Cl, Br, Iから選ばれる少なくとも1種類の元素、0.1≦x≦2.2, 0.5≦y≦2.5, 1.5≦z≦4.5である)、及び、ii. 少なくとも1種類の遷移元素を有し、かつ、第1化合物の陽イオン元素を収容できる空隙サイトを有する第2化合物から構成される。
第2化合物は、
化学式4:□xM2X22
但し、□は、陽イオン元素が収容される空隙サイト、M2は、Ti, Ge, Sn, V, Cr, Mn, Fe, Co, Ni, Nb, Ta, Mo, W, Re, Ru, Rhから選ばれる少なくとも1種類の元素、X2は、O, S, Se, N, Cl, Br, Iから選ばれる少なくとも1種類の元素、0.3≦x≦1である。
化学式5:□xM2X23
但し、□は、陽イオン元素が収容される空隙サイト、M2は、Ti, Ge, Sn, V, Cr, Mn, Fe, Co, Ni, Nb, Ta, Mo, W, Re, Ru, Rhから選ばれる少なくとも1種類の元素、X2は、O, S, Se, N, Cl, Br, Iから選ばれる少なくとも1種類の元素、1≦x≦2である。
化学式6:□xM2X34
但し、□は、陽イオン元素が収容される空隙サイト、M2は、Ti, Ge, Sn, V, Cr, Mn, Fe, Co, Ni, Nb, Ta, Mo, W, Re, Ru, Rhから選ばれる少なくとも1種類の元素、X3は、O, S, Se, N, Cl, Br, Iから選ばれる少なくとも1種類の元素、1≦x≦2である。
化学式7:□xM2POz
但し、□は、陽イオン元素が収容される空隙サイト、M2は、Ti, Ge, Sn, V, Cr, Mn, Fe, Co, Ni, Nb, Ta, Mo, W, Re, Ru, Rhから選ばれる少なくとも1種類の元素、Pは、リン元素、Oは、酸素元素、0.3≦x≦3、4≦z≦6である。
のうちの1つから構成される。
また、第2化合物は、以下の結晶構造のうちの1つを採用する。
・ ホランダイト構造
・ ラムスデライト構造
・ アナターゼ構造
・ ブルッカイト構造
・ パイロルース構造
・ ReO3構造
・ MoO1.5PO4構造
・ TiO0.5PO4構造
・ FePO4構造
・ βMnO2構造
・ γMnO2構造
・ λMnO2構造。
また、第1化合物の電子のフェルミ準位は、第2化合物の電子のフェルミ準位よりも低くする。これは、記録層の状態に可逆性を持たせるために必要な条件の一つである。ここで、フェルミ準位については、いずれも真空準位から測定した値とする。
以上のような記録層を使用することで、記録密度に関しては、原理的にはPbpsi級を実現でき、さらに、低消費電力化も達成できる。
2. 記録/消去/再生の基本原理
(1) 本発明の第1例に係る情報記録再生装置におけるデータの記録/消去/再生の基本原理について説明する。
図1は、記録部の構造を示している。
11は、電極層、12は、記録層、13Aは、電極層(又は保護層)である。
記録層12内の小さな白丸は、拡散イオンを表し、大きな白丸は、陰イオン(Xイオン)を表す。また、小さな黒丸は、遷移元素イオンを表す。典型的には拡散イオンがAイオンに、遷移元素イオンがMイオンに対応する。
記録層12に電圧を印加し、記録層12内に電位勾配を発生させると、拡散イオンの一部が結晶中を移動する。そこで、本発明の例では、記録層12の初期状態を絶縁体(高抵抗状態)とし、記録に関しては、電位勾配により記録層12を相変化させ、記録層12に伝導性を持たせる(低抵抗状態)ことにより行う。
まず、例えば、電極層13Aの電位が電極層11の電位よりも相対的に低い状態を作る。電極層11を固定電位(例えば、接地電位)とすれば、電極層13Aに負の電位を与えればよい。
この時、記録層12内の拡散イオンの一部が電極層(陰極)13A側に移動し、記録層(結晶)12内の拡散イオンが陰イオンに対して相対的に減少する。電極層13A側に移動した拡散イオンは、電極層13Aから電子を受け取り、メタルとして析出するため、メタル層14を形成する。
あるいは、例えばスピネル構造のように記録層12の結晶構造において拡散イオンが占めうる空のサイトがある場合には、電極層13A側に移動した拡散イオンは電極層13A側の空のサイトを埋めても良い。この場合にも、局所的な電荷の中性条件を満たすために、拡散イオンは電極層13Aから電子を受け取り、メタル的に振舞う。
記録層12の内部では、陰イオンが過剰となり、結果的に、記録層12内の遷移元素イオンの価数を上昇させる。つまり、記録層12は、キャリアの注入により電子伝導性を有するようになるため、記録(セット動作)が完了する。
再生に関しては、電流パルスを記録層12に流し、記録層12の抵抗値を検出することにより容易に行える。但し、電流パルスは、記録層12を構成する材料が抵抗変化を起こさない程度の微小な値であることが必要である。
以上の過程は、一種の電気分解であり、電極層(陽極)11側では、電気化学的酸化により酸化剤が生じ、電極層(陰極)13A側では、電気化学的還元により還元剤が生じた、と考えることができる。
このため、記録状態(低抵抗状態)を初期状態(高抵抗状態)に戻すには、例えば、記録層12を大電流パルスによりジュール加熱して、記録層12の酸化還元反応を促進させればよい。即ち、大電流パルスの遮断後の残留熱により記録層12は、絶縁体に戻る(リセット動作)。
あるいは、セット時とは逆向きの電場を印加することによってもリセット動作は可能である。つまり、セット時と同様に電極層11を固定電位とすれば、電極層13Aに正の電位を与えればよい。すると、ジュール熱による酸化還元反応に加えて、電極層13A近傍のメタル層が酸化されて陽イオンとなり、記録層12内の電位勾配により、母体構造の中に戻っていく。これにより価数が上昇していた遷移元素イオンはその価数がセット前と同じ値に減少するので、初期の絶縁体へと戻る。
但し、この動作原理を実用化するには、室温でリセット動作が生じないこと(十分に長いリテンション時間の確保)と、リセット動作の消費電力が十分に小さいこととを確認しなければならない。
前者に対しては、拡散イオンの価数を2価以上にすることで対応できる。
仮に、拡散イオンがLiイオンのような1価であると、セット状態において十分なイオンの移動抵抗が得られず、即座に、拡散イオン元素は、メタル層14から記録層12内に戻ってしまう。言い換えれば、十分に長いリテンション時間が得られないということになる。
また、拡散イオンが3価以上であると、セット動作に必要とされる電圧が大きくなるため、最悪の場合には、結晶の崩壊を引き起こし兼ねない。
従って、拡散イオン(Aイオン)の価数を2価にすることが、情報記録再生装置としては好ましいことになる。
また、後者に対しては、結晶破壊を引き起こすことなく、記録層(結晶)12内を拡散イオンが移動できるように、拡散イオンのイオン半径を最適化し、移動パスが存在する構造を用いることにより対応できる。そのような記録層12としては、既に述べたような元素及び結晶構造を採用すればよい。
特にスピネル構造では、陽イオンの移動が容易であることが知られており、記録層12として好ましく用いられる。しかしながら、このようなスピネル構造においても、繰り返し安定にスイッチング(イオンの移動)を生ぜしめるためには、AイオンとMイオンとの組み合わせを最適化する必要がある。
化学式AMで表されるスピネル構造で、Aイオンを図1の拡散イオンに、Mイオンを図1の遷移元素イオンに対応させた例について説明する。
スピネル構造では、図26に示すように、AイオンとMイオンが存在するサイトが入れ替わる現象(インバージョン)が報告されており、この度合いをインバージョンパラメータと呼ぶ。
インバージョンパラメータが大きいことは、結晶全体としてみたときには、MイオンがAイオンの移動パスに存在する確率が高くなるということであるが、局所的に見た場合には、ある特定のサイトでAイオンとMイオンとの入れ替えが生じやすくなるわけである。
このようなインバージョンは、結晶が高温にさらされた場合に生じやすくなるため、製膜時のみならず、セット・リセット動作時に記録層がジュール熱で加熱された場合にも生じやすい。
AイオンとMイオンではイオン半径や、陰イオン(Xイオン)との結合強度などが異なるので、このようなイオンの入れ替えが生じるたびに格子にひずみが生じ、結晶構造が崩れる可能性が高くなる。
従って、繰り返し安定に相変化を生ぜしめるためには、インバージョンパラメータが0になるように、AイオンとMイオンとの組み合わせを選択することが好ましい。
また、インバージョンパラメータが0でないと、高抵抗状態相あるいは低抵抗状態相に記録層を長時間保持したときに、AイオンとMイオンとで位置の入れ替えが生じうる。
スピネルの導電率は、MイオンとXイオンとがつくる混成軌道に大きく依存するので、このようなインバージョンが生じると、各相での抵抗が変化する。つまり、インバージョンが大きいと、記録層の抵抗の熱安定性が低いという問題が生じる。
さらに、一般に結晶中でのイオンの拡散係数(移動しやすさ)はイオン種によって異なり、また、酸化・還元反応に要するエネルギーもイオン種によって異なる。従って、インバージョンが生じると、Aイオンが移動する度合いが局所的にばらつき、その結果、各抵抗状態相における抵抗がばらつくことという問題も生じる。
つまり、繰り返し安定に抵抗変化を生じさせるには、インバージョンパラメータが0になるようにAイオンとMイオンとの組み合わせを選択するのがよい。
Xとして酸素Oを用いた場合には、インバージョンを小さくするためには、AイオンとしてIIb族を用いるとよいことが知られている。したがって、AイオンとしてはZn、Cd、Hgを用いることが好ましい。
一方、Aイオンが移動するための母体構造をXイオンとともに形成するMイオンとしては、Va族、VIa族、VIIa族を用いることが好ましい。
これらの組み合わせではインバージョンパラメータはほぼ0であるが、これ以外のZnFe2O4、MgCr2O4などではインバージョンパラメータが0にならないことが報告されている。
さらに、イオンの移動度を十分に確保するためには、イオン半径の小さいZnをAイオンとして用いるのが好ましい。インバージョンによる影響は、素子サイズが小さいほど、記録層の膜厚が小さいほど顕著である。
一方、Mイオンとして用いる原子種に好適な条件としては、さらに、次のものが挙げられる。
即ち、Aイオンが引き抜かれた状態において低抵抗状態である、また、Aイオンが引き抜かれた後の構造を安定に保持する、の2点である。
Aイオンが移動した後の構造が安定に保持されないと、Aイオンが戻るサイトがなくなってしまうので、セット・リセットを安定に繰り返すことができなくなってしまうからである。
Aイオンが引き抜かれた構造が安定であり、セット・リセット時に生じるジュール熱によって母体構造に大きな影響を与えないためには、化学式M(MXに等しい)で示される化合物が安定に存在していることが、局所的な電荷の中性条件を満たしうるため好ましい。
Xとして酸素Oを用いた場合には、VIa族、VIIa族をMイオンとして用いると、化学式MOで表される導電性の結晶が存在するため好ましい。Va族の原子を用いたVOは、室温付近で金属絶縁体遷移を示し、動作温度によって特性がばらつく可能性がある。
以上の考察より、繰り返し安定にスイッチングを生ぜしめるためには、インバージョンパラメータが小さく、母体構造が熱安定であるように、Aイオン元素としてZn、Cd、Hgを、Mイオンはその主成分イオン(Mmイオン)元素としてCr、Mo、W、Mn、Tc、Reをそれぞれ用いるのが好ましい。
Mイオンとして用いられる原子種のさらに好適な例を示す。
MOで示される状態で安定に存在する場合にも、Mイオンの価数によってMイオンとOイオンとの間隔が異なるので、セット・リセット動作を行うと、記録層12の結晶格子は若干ゆがむことになる。
また、MOが、スピネル構造からAイオンが抜けたあとの構造であるλMnO構造をもつ結晶として存在する場合には、Aイオンの有無によらず結晶構造を一定に保ちやすい。
従って、価数の変化によるイオン半径の相対的な変化が小さく、かつλMnO構造の結晶を形成することで知られているVIIa族をMイオンとして用いることがより好ましい。
つまり、Mmイオン元素としては、Mn、Tc、Reを用いるのがより好ましい。さらに、結晶内の電子状態の制御しやすさを考慮すると、Mmイオン元素としては、イオン半径の小さなMnが最も好ましい。
さらに好ましい構成として、格子のゆがみを緩衝させるために、Mmイオン元素の一部を置換イオン(Msイオン)元素で置換するとよいことが知られている。
このような目的で好適に用いられるMsイオン元素の例としては、Zn、Fe、Co、Ni、Al、Gaなどが知られている。
この中で、遷移元素ではない元素であるAlをMsイオン元素として用いた場合には、Alに隣接するAイオンが移動してしまうと、Alの近辺で電荷の中性条件が満たされなくなってしまう。
従って、Alの近辺では、Aイオンの移動は生じにくく、その結果、Alの近辺では格子間隔の変化が生じにくい。このため、記録層全体がゆがむのを防ぐことができる。
このように記録層全体がゆがむのを防ぐことにより、相変化によって記録層の結晶構造が崩れるのを避けられるため、繰り返し耐性の更なる向上が期待できる。Mmイオン元素としてMnを用いた場合には、イオン半径が近いので、AlをMsイオン元素として用いることが最も好ましい。
最後に、各原子の混合比の最適値について説明する。
Aイオンが占めうる空のサイトがある場合や、また、本来Mイオンが占めるサイトをAイオンが占めることが可能な場合には、Aイオンの混合比には若干の任意性がある。
従って、Aイオンの混合比を0.1≦x≦2.2とした。実際には、各状態の抵抗、あるいはAイオンの拡散係数が最適値になるように、Aイオンの混合比を最適化することが可能である。
Aイオンの混合比が小さすぎると、構造を安定に製造および保持することが困難になり、Aイオンの混合比が大きすぎるとAイオンの拡散が困難になる。従って、0.5≦x≦1.5であることがより好ましい。
Mイオン(MmイオンとMsイオン)に関しては、混合比が2を超えると、本来Aイオンが占めるサイトに位置せざるを得なくなるため、Aイオンの拡散を困難にする。
一方で、Mイオンのサイトを占めるイオンの総量が少なすぎると、Aイオンが引き抜かれた後の構造を安定に保持するのが困難になる。
従って、Mイオンの混合比は1.5≦y≦2であることが好ましい。後述するように、AイオンがMイオンのサイトを占めることができる場合を除いては、1.8≦y≦2であることがより好ましい。
次に、Msイオンの置換量=(Msイオン)/(Mmイオン+Msイオン)について説明する。
まず、MsイオンがMmイオンの混合量を超えてしまうと、繰り返し安定にスイッチングできるようにMmイオンを選定した効果が弱まってしまうので、置換量が0.5より小さいことが好ましい。
さらに、MsイオンがMイオン中に均一に分散しないと、位置によってAイオンの移動しやすさに差が生じ、抵抗値の差が生じてしまうので、Msイオンは均一に分散されている必要がある。このためには、置換量は、概ね0.4より小さいことがより好ましい。
一方で、Msイオンの混合量を小さくしすぎてしまうと、Msイオンを添加する効果が十分に得られない。従って、Msイオンを意図的に用いるのであれば、置換量は0.1以上であることがより好ましい。
以上より、置換量≦0.5であることが好ましく、0.1≦置換量≦0.4であることがより好ましい。
二次電池として用いる場合と異なり、Aイオンをすべて移動させるわけではないので、好適な組み合わせのAイオンとMmイオンを用いた場合には、電圧パルスの条件などを最適化すれば、Msイオンを用いない場合でも繰り返し安定に抵抗変化する記録層を得ることも可能である。
例えば、Aイオン元素としてZnを用い、Mmイオン元素としてMnを用いた場合には、Mn比が2より若干小さくMイオンのサイトを埋めきれないような混合比では、ZnイオンがMイオンのサイトを占め、置換効果を得ることも可能である。
従って、Aイオン元素としてZn、Mmイオン元素としてMnを用いた場合には、その混合比を調整することによって、置換イオンを用いることなく、格子のゆがみを緩衝する効果をもたせることができる。
図1では、十分に大きな結晶が得られている場合について説明したが、図27に示したように結晶が膜厚方向に分断された配置となっている場合にも、本発明で説明したメカニズムでAイオンの移動とそれに伴う抵抗変化が生じうる。
つまり、電極層11を接地した状態で電極層13に負の電圧を加えると、記録層12内に電位勾配が生じ、Aイオンは輸送される。Aイオンが結晶界面まで移動すると、電極層13Aに近い領域から徐々に電子を受け取り、メタル的に振舞う。その結果、結晶界面近傍にメタル層14が形成される。
また、記録層12内部では、遷移元素イオンの価数が上昇するため、その導電性が上昇する。このような場合、結晶界面に沿ったメタル層の導電パスが形成されるので、電極層11と電極層13の間の抵抗は減少し、素子は低抵抗状態相に変化する。
この場合にも、大電流パルスによるジュール加熱や、逆向き電圧パルス印加によって結晶界面のAイオンをスピネル構造内に引き戻すことにより、高抵抗状態相に変化させることが可能である。
しかしながら、図1に示したような拡散イオンの移動が印加電圧に対して効率的に生じるためには、拡散イオンが拡散する方向と電場が加えられている方向が一致していることが好ましい。
スピネル構造の場合には、図1に示したとおり、記録層が(011)方向に配向していると、移動パスがほぼ電場方向と平行に配置するので、記録層は(011)方向に配向していることが好ましい。
記録層の膜厚は、高抵抗状態相と低抵抗状態相の抵抗が所望の値になるように適宜設定することができるが、典型的には1nm以上500nm以下である。記録領域を小さくした場合には、記録層の面内方向への広がりを抑えるために、記録領域の10倍より小さいことがより好ましい。
ところで、セット動作後の電極層(陽極)11側には酸化剤が生じるため、電極層11としては、酸化され難い材料(例えば、電気伝導性窒化物、電気伝導性酸化物など)から構成することが好ましい。
また、このような材料としては、イオン伝導性を有しないものがよい。
そのような材料としては、以下に示されるものがあり、その中でも、電気伝導率の良さなどを加味した総合的性能の点から、LaNiO3は、最も好ましい材料ということができる。
・ MN
Mは、Ti, Zr, Hf, V, Nb, Ta のグループから選択される少なくとも1種類の元素である。Nは、窒素である。
・ MOx
Mは、Ti, V, Cr, Mn, Fe, Co, Ni, Cu, Zr, Nb, Mo, Ru, Rh, Pd, Ag, Hf, Ta, W, Re, Ir, Os, Pt のグループから選択される少なくとも1種類の元素である。モル比xは、1≦x≦4を満たすものとする。
・ AMO3
Aは、La, K, Ca, Sr, Ba, Ln(Lanthanide) のグループから選択される少なくとも1種類の元素である。
Mは、Ti, V, Cr, Mn, Fe, Co, Ni, Cu, Zr, Nb, Mo, Ru, Rh, Pd, Ag, Hf, Ta, W, Re, Ir, Os, Pt のグループから選択される少なくとも1種類の元素である。
Oは、酸素である。
・ A2MO4
Aは、K, Ca, Sr, Ba, Ln(Lanthanide) のグループから選択される少なくとも1種類の元素である。
Mは、Ti, V, Cr, Mn, Fe, Co, Ni, Cu, Zr, Nb, Mo, Ru, Rh, Pd, Ag, Hf, Ta, W, Re, Ir, Os, Pt のグループから選択される少なくとも1種類の元素である。
Oは、酸素である。
また、セット動作後の保護層(陰極)13側には還元剤が生じるため、保護層13としては、記録層12が大気と反応することを防止する機能を持っていることが好ましい。
そのような材料としては、例えば、アモルファスカーボン、ダイヤモンドライクカーボン、SnO2などの半導体がある。
電極層13Aは、記録層12を保護する保護層として機能させてもよいし、電極層13Aの代わりに保護層を設けてもよい。この場合、保護層は、絶縁体でもよいし、導電体でもよい。
また、リセット動作において記録層12の加熱を効率よく行うために、陰極側、ここでは、電極層13A側に、ヒータ層(抵抗率が約10-5Ωcm以上の材料)を設けてもよい。
(2) 本発明の第2例に係る情報記録再生装置における情報の記録/消去/再生の基本原理について説明する。
図2は、記録部の構造を示している。
11は、電極層、12は、記録層、13Aは、電極層(又は保護層)である。
記録層12は、電極層11側に配置され、AxM1yX1zで表記される第1化合物12Aと、電極層13A側に配置され、少なくとも1種類の遷移元素を有し、第1化合物12Aの陽イオン元素を収容できる空隙サイトを有する第2化合物12Bとから構成される。
第1化合物12A内の太線で示した小さな白丸は遷移元素イオン(典型的にはM1イオン)を、第1化合物12A内の小さな白丸は拡散イオン(典型的にはAイオン)を、第2化合物12B内の黒丸は遷移元素イオン(M2イオン)を表す。また、大きな丸は、陰イオン(第1化合物12A内ではX1イオン、第2化合物12B内ではX2イオン)を表している。
尚、図3に示すように、記録部12を構成する第1及び第2化合物12A,12Bは、それぞれ、2層以上の複数層にスタックしてもよい。
このような記録部において、第1化合物12Aが陽極側、第2化合物12Bが陰極側になるように電極層11,13Aに電位を与え、記録層12内に電位勾配を発生させると、第1化合物12A内の拡散イオンの一部が結晶中を移動し、陰極側の第2化合物12B内に進入する。
第2化合物12Bの結晶中には、拡散イオンを収容できる空隙サイトがあるため、第1化合物12Aから移動してきた拡散イオンは、この空隙サイトに収まることになる。
従って、第1化合物12A内の遷移元素イオンの価数が上昇し、第2化合物12B内の遷移元素イオンの価数が減少する。
つまり、初期状態(リセット状態)において、第1及び第2化合物12A,12Bが高抵抗状態(絶縁体)であると仮定すれば、第1化合物12A内の拡散イオンの一部が第2化合物12B内に移動することにより、第1及び第2化合物12A,12Bの結晶中に電導キャリアが発生し、両者は、共に、電気伝導性を有するようになる。
このように、電流/電圧パルスを記録層12に与えることにより、記録層12の電気抵抗値が小さくなるため、セット動作(記録)が実現される。
この時、同時に、第1化合物12Aから第2化合物12Bに向かって電子も移動するが、第2化合物12Bの電子のフェルミ準位は、第1化合物12Aの電子のフェルミ準位よりも高いため、記録層12のトータルエネルギーとしては、上昇する。
また、セット動作が完了した後も、このような高いエネルギー状態が継続されるため、記録層12は、自然に、セット状態(低抵抗状態)からリセット状態(高抵抗状態)に戻ってしまう可能性がある。
しかし、本発明の例に係る記録層12を用いれば、このような懸念は回避される。即ち、セット状態を維持し続けることができる。
これは、いわゆるイオンの移動抵抗が働いているためである。
この働きを担っているのが第1化合物12A内の拡散イオンの価数である。この価数が2価であるということが非常に重要な意味を持っている。
仮に、拡散イオンがLiイオンのような1価の元素であると、セット状態において十分なイオンの移動抵抗が得られず、即座に、拡散イオンは、第2化合物12Bから第1化合物12Aに戻ってしまう。言い換えれば、十分に長いリテンション時間が得られないということになる。
また、拡散イオンが3価以上の元素であると、セット動作に必要とされる電圧が大きくなるため、最悪の場合には、結晶の崩壊を引き起こし兼ねない。
従って、拡散イオンの価数を2価にすることが、情報記録再生装置としては好ましいことになる。
ところで、セット動作が完了した後には、陽極側に酸化剤が生成されるため、この場合にも、電極層11としては、酸化され難く、イオン伝導性を有しない材料(例えば、電気伝導性酸化物)を用いることが好ましい。その好適な例は前述の通りである。
リセット動作(消去)は、記録層12を加熱して、上述の第2化合物12Bの空隙サイト内に収納された拡散イオンが第1化合物12A内に戻る、という現象を促進してやればよい。
具体的には、記録層12に大電流パルスを与えることにより発生するジュール熱とその残留熱とを利用すれば、容易に、記録層12を元の高抵抗状態(絶縁体)に戻すことができる。
このように、大電流パルスを記録層12に与えることにより、記録層12の電気抵抗値が大きくなるため、リセット動作(消去)が実現される。あるいは、セット時とは逆向きの電場を印加することによってもリセット動作は可能である。
ここで、低消費電力を実現するには、結晶破壊を引き起こすことなく、結晶内を拡散イオンが移動できるように、拡散イオンのイオン半径を最適化し、移動パスが存在する構造を用いることが重要になる。
概要の項目で述べた材料及び結晶構造を第2化合物12Bとして用いた場合には、このような条件を満たし、低消費電力を実現するのに有効である。
また、図1に示すような構造を有する化学式1から化学式3で表される化合物内では、陽イオンの移動が容易に生じるので、第1化合物として用いるのに好適である。
特に、スピネル構造では、陽イオンの移動が容易であることが知られており、第1化合物として好ましく用いられる。
また、酸化物スピネルを用いる場合には、拡散イオン元素としてZn、Cd、Hgのグループから選択される少なくとも1種類の材料を、遷移元素としてCr、Mo、W、Mn、Tc、Reのグループから選択される少なくとも1種類の材料を用いるのが好ましく、適宜、遷移元素の一部をFe、Co、Ni、Al、Gaのグループから選択される少なくとも1種類の元素で置換してもよい。これにより、前述のように繰り返し安定にスイッチングさせることが可能となる。
また、このようなスピネル材料と好適に組み合わせて用いられる第2化合物としては、陽イオンの移動のしやすさ、格子定数の一致度の点からλMnO2構造を有するM2X22を用いることが好ましく、特にM2としてTi、X2としてOを用いた場合がもっとも好ましい。
第2化合物の膜厚の好適な範囲について説明する。
空隙サイトによる拡散イオン収納の効果を得るためには、第2化合物の膜厚は、1nm以上の膜厚であることが好ましい。
一方、第2化合物の空隙サイトが第1化合物内の拡散イオン数よりも大きくなってしまうと、第2化合物の抵抗変化効果が小さくなってしまうので、第2化合物内の空隙サイト数は、同じ断面積内にある第1化合物内の拡散イオン数と同じかそれより少ないことが好ましい。
第1化合物内の拡散イオンの密度と第2化合物内の空隙サイトの密度は、概ね同じなので、第2化合物の膜厚は、第1化合物の膜厚と同程度か、それより小さいことが好ましい。
陰極側には、一般に、リセット動作をさらに促進するためのヒータ層(抵抗率約10-5Ωcm以上の材料)を設けてもよい。
プローブメモリでは、陰極側に還元性の材料が析出するため、大気との反応を防ぐために、表面保護層を設けることが好ましい。
ヒータ層と表面保護層を、両方の機能を持つ1つの材料で構成することも可能である。例えば、アモルファスカーボン、ダイヤモンドライクカーボン、SnO2などの半導体は、ヒータ機能と表面保護機能とを併せ持っている。
再生に関しては、電流パルスを記録層12に流し、記録層12の抵抗値を検出することにより容易に行える。
但し、電流パルスは、記録層12を構成する材料が抵抗変化を起こさない程度の微小な値であることが必要である。
3. 実施の形態
次に、最良と思われるいくつかの実施の形態について説明する。
以下では、本発明の例を、プローブメモリに適用した場合と半導体メモリに適用した場合の2つについて説明する。
(1) プローブメモリ
A. 構造
図4及び図5は、本発明の例に係るプローブメモリを示している。
XYスキャナー14上には、記録媒体が配置される。この記録媒体に対向する形でプローブアレイが配置される。
プローブアレイは、基板23と、基板23の一面側にアレイ状に配置される複数のプローブ(ヘッド)24とを有する。複数のプローブ24の各々は、例えば、カンチレバーから構成され、マルチプレクスドライバ25,26により駆動される。
複数のプローブ24は、それぞれ、基板23内のマイクロアクチュエータを用いて個別に動作可能であるが、ここでは、全てをまとめて同じ動作をさせて記録媒体のデータエリアに対するアクセスを行う例を説明する。
まず、マルチプレクスドライバ25,26を用いて、全てのプローブ24をX方向に一定周期で往復動作させ、記録媒体のサーボエリアからY方向の位置情報を読み出す。Y方向の位置情報は、ドライバ15に転送される。
ドライバ15は、この位置情報に基づいてXYスキャナー14を駆動し、記録媒体をY方向に移動させ、記録媒体とプローブとの位置決めを行う。
両者の位置決めが完了したら、データエリア上のプローブ24の全てに対して、同時、かつ、連続的に、データの読み出し又は書き込みを行う。
データの読み出し及び書き込みは、プローブ24がX方向に往復動作していることから連続的に行われる。また、データの読み出し及び書き込みは、記録媒体のY方向の位置を順次変えることにより、データエリアに対して、一行ずつ、実施される。
尚、記録媒体をX方向に一定周期で往復運動させて記録媒体から位置情報を読み出し、プローブ24をY方向に移動させるようにしてもよい。
記録媒体は、例えば、基板20と、基板20上の電極層21と、電極層21上の記録層22とから構成される。
記録層22は、複数のデータエリア、並びに、複数のデータエリアのX方向の両端にそれぞれ配置されるサーボエリアを有する。複数のデータエリアは、記録層22の主要部を占める。
サーボエリア内には、サーボバースト信号が記録される。サーボバースト信号は、データエリア内のY方向の位置情報を示している。
記録層22内には、これらの情報の他に、さらに、アドレスデータが記録されるアドレスエリア及び同期をとるためのプリアンブルエリアが配置される。
データ及びサーボバースト信号は、記録ビット(電気抵抗変動)として記録層22に記録される。記録ビットの“1”,“0”情報は、記録層22の電気抵抗を検出することにより読み出す。
本例では、1つのデータエリアに対応して1つのプローブ(ヘッド)が設けられ、1つのサーボエリアに対して1つのプローブが設けられる。
データエリアは、複数のトラックから構成される。アドレスエリアから読み出されるアドレス信号によりデータエリアのトラックが特定される。また、サーボエリアから読み出されるサーボバースト信号は、プローブ24をトラックの中心に移動させ、記録ビットの読み取り誤差をなくすためのものである。
ここで、X方向をダウントラック方向、Y方向をトラック方向に対応させることにより、HDDのヘッド位置制御技術を利用することが可能になる。
B. 記録/再生動作
図4及び図5のプローブメモリの記録/再生動作について説明する。
図6は、記録(セット動作)時の状態について示している。
記録媒体は、基板(例えば、半導体チップ)20上の電極層21と、電極層21上の記録層22と、記録層22上の保護層13Bとから構成されるものとする。保護層13Bは、例えば、薄い絶縁体から構成される。
記録動作は、記録層22の記録ビット27表面に電圧を印加し、記録ビット27の内部に電位勾配を発生させることにより行う。具体的には、電流/電圧パルスを記録ビット27に与えればよい。
・ 第1例
第1例は、記録層に図1の材料を用いた場合である。
まず、図7に示すように、プローブ24の電位が電極層21の電位よりも相対的に低い状態を作る。電極層21を固定電位(例えば、接地電位)とすれば、プローブ24に負の電位を与えればよい。
電流パルスは、例えば、電子発生源又はホットエレクトロン源を使用し、プローブ24から電極層21に向かって電子を放出することにより発生させる。あるいは、プローブ24を記録ビット27表面に接触させて電圧パルスを印加してもよい。
この時、例えば、記録層22の記録ビット27では、拡散イオンの一部がプローブ(陰極)24側に移動し、結晶内の陽イオンが陰イオンに対して相対的に減少する。また、プローブ24側に移動した拡散イオンは、プローブ24から電子を受け取ってメタルとして析出する。あるいは、拡散イオンが占めうる空のサイトがある場合には、そのサイトを占めてもよい。
記録ビット27では、陰イオンが過剰となり、結果的に、記録ビット27における遷移元素イオンの価数を上昇させる。つまり、記録ビット27は、相変化によるキャリアの注入により電子伝導性を有するようになるため、膜厚方向への抵抗が減少し、記録(セット動作)が完了する。
尚、記録のための電流パルスは、プローブ24の電位が電極層21の電位よりも相対的に高い状態を作ることにより発生させることもできる。
図8は、再生について示している。
再生に関しては、電流パルスを記録層22の記録ビット27に流し、記録ビット27の抵抗値を検出することにより行う。但し、電流パルスは、記録層22の記録ビット27を構成する材料が抵抗変化を起こさない程度の微小な値とする。
例えば、センスアンプS/Aにより発生した読み出し電流(電流パルス)をプローブ24から記録ビット27に流し、センスアンプS/Aにより記録ビット27の抵抗値を測定する。
本発明の例に係る材料を使用すれば、セット/リセット状態の抵抗値の差は、103以上を確保できる。
尚、再生では、記録媒体上をプローブ24により走査(スキャン)することで、連続再生が可能となる。
消去(リセット)動作に関しては、記録層22の記録ビット27を大電流パルスによりジュール加熱して、記録ビット27における酸化還元反応を促進させることにより行う。あるいは、セット動作時とは逆向きの電位差を与えるパルスを印加してもよい。
消去動作は、記録ビット27ごとに行うこともできるし、複数の記録ビット27又はブロック単位で行うこともできる。
・ 第2例
第2例は、記録層に図2の材料を用いた場合である。
まず、図9に示すように、プローブ24の電位が電極層21の電位よりも相対的に低い状態を作る。電極層21を固定電位(例えば、接地電位)とすれば、プローブ24に負の電位を与えればよい。
この時、記録層22の第1化合物(陽極側)12A内の拡散イオンの一部は、結晶中を移動し、第2化合物(陰極側)12Bの空隙サイトに収まる。これに伴い、第1化合物12A内の遷移元素イオンの価数が上昇し、第2化合物内12Bの遷移元素イオンの価数が減少する。その結果、第1及び第2化合物12A,12Bの結晶中に電導キャリアが発生し、両者は、共に、電気伝導性を有するようになる。
これにより、セット動作(記録)が完了する。
尚、記録動作に関して、第1及び第2化合物12A,12Bの位置関係を逆にすれば、プローブ24の電位を電極層21の電位よりも相対的に高い状態にしてセット動作を実行することもできる。
図10は、再生時の状態について示している。
再生動作は、電流パルスを記録ビット27に流し、記録ビット27の抵抗値を検出することにより行う。但し、電流パルスは、記録ビット27を構成する材料が抵抗変化を起こさない程度の微小な値とする。
例えば、センスアンプS/Aにより発生した読み出し電流(電流パルス)をプローブ24から記録層(記録ビット)22に流し、センスアンプS/Aにより記録ビットの抵抗値を測定する。既に説明した新材料を採用すると、セット/リセット状態の抵抗値の差は、103以上を確保できる。
尚、再生動作は、プローブ24を走査(スキャン)させることで、連続的に行うことができる。
リセット(消去)動作は、記録層(記録ビット)22に大電流パルスを流すことにより発生するジュール熱及びその残留熱を利用して、拡散イオンが第2化合物12B内の空隙サイトから第1化合物12A内に戻ろうとする作用を促進してやればよい。あるいは、セット動作時とは逆向きの電位差を与えるパルスを印加してもよい。
消去動作は、記録ビット27ごとに行うこともできるし、複数の記録ビット27又はブロック単位で行うこともできる。
C. まとめ
このようなプローブメモリによれば、現在のハードディスクやフラッシュメモリよりも高記録密度及び低消費電力を実現できる。
(2) 半導体メモリ
A. 構造
図11は、本発明の例に係るクロスポイント型半導体メモリを示している。
ワード線WLi−1,WLi,WLi+1は、X方向に延び、ビット線BLj−1,BLj,BLj+1は、Y方向に延びる。
ワード線WLi−1,WLi,WLi+1の一端は、選択スイッチとしてのMOSトランジスタRSWを経由してワード線ドライバ&デコーダ31に接続され、ビット線BLj−1,BLj,BLj+1の一端は、選択スイッチとしてのMOSトランジスタCSWを経由してビット線ドライバ&デコーダ&読み出し回路32に接続される。
MOSトランジスタRSWのゲートには、1本のワード線(ロウ)を選択するための選択信号Ri−1,Ri,Ri+1が入力され、MOSトランジスタCSWのゲートには、1本のビット線(カラム)を選択するための選択信号Ci−1,Ci,Ci+1が入力される。
メモリセル33は、ワード線WLi−1,WLi,WLi+1とビット線BLj−1,BLj,BLj+1との交差部に配置される。いわゆるクロスポイント型セルアレイ構造である。
メモリセル33には、記録/再生時における回り込み電流(sneak current)を防止するためのダイオード34が付加される。
図12は、図11の半導体メモリのメモリセルアレイ部の構造を示している。
半導体チップ30上には、ワード線WLi−1,WLi,WLi+1とビット線BLj−1,BLj,BLj+1が配置され、これら配線の交差部にメモリセル33及びダイオード34が配置される。
このようなクロスポイント型セルアレイ構造の特長は、メモリセル33に個別にMOSトランジスタを接続する必要がないため、高集積化に有利な点にある。例えば、図14及び図15に示すように、メモリセル33を積み重ねて、メモリセルアレイを3次元構造にすることも可能である。
メモリセル33は、例えば、図13に示すように、記録層22、保護層13B及びヒータ層35のスタック構造から構成される。1つのメモリセル33により1ビットデータを記憶する。また、ダイオード34は、ワード線WLiとメモリセル33との間に配置される。
B. 記録/再生動作
図11乃至図13を用いて記録/再生動作を説明する。
ここでは、点線Aで囲んだメモリセル33を選択し、これについて記録/再生動作を実行するものとする。
・ 第1例
第1例は、記録層に図1の材料を用いた場合である。
記録(セット動作)は、選択されたメモリセル33に電圧を印加し、そのメモリセル33内に電位勾配を発生させて電流パルスを流せばよいため、例えば、ワード線WLiの電位がビット線BLjの電位よりも相対的に低い状態を作る。ビット線BLjを固定電位(例えば、接地電位)とすれば、ワード線WLiに負の電位を与えればよい。
この時、点線Aで囲まれた選択されたメモリセル33では、拡散イオンの一部がワード線(陰極)WLi側に移動し、結晶内の陽イオンが陰イオンに対して相対的に減少する。また、ワード線WLi側に移動した拡散イオンは、ワード線WLiから電子を受け取ってメタルとして析出する。
点線Aで囲まれた選択されたメモリセル33では、陰イオンが過剰となり、結果的に、結晶内における遷移元素イオンの価数を上昇させる。つまり、点線Aで囲まれた選択されたメモリセル33は、相変化によるキャリアの注入により電子伝導性を有するようになるため、記録(セット動作)が完了する。
尚、記録時には、非選択のワード線WLi−1,WLi+1及び非選択のビット線BLj−1,BLj+1については、全て同電位にバイアスしておくことが好ましい。
また、記録前のスタンバイ時には、全てのワード線WLi−1,WLi,WLi+1及び全てのビット線BLj−1,BLj,BLj+1をプリチャージしておくことが好ましい。
また、記録のための電流パルスは、ワード線WLiの電位がビット線BLjの電位よりも相対的に高い状態を作ることにより発生させてもよい。
再生に関しては、電流パルスを点線Aで囲まれた選択されたメモリセル33に流し、そのメモリセル33の抵抗値を検出することにより行う。但し、電流パルスは、メモリセル33を構成する材料が抵抗変化を起こさない程度の微小な値とすることが必要である。
例えば、読み出し回路により発生した読み出し電流(電流パルス)をビット線BLjから点線Aで囲まれたメモリセル33に流し、読み出し回路によりそのメモリセル33の抵抗値を測定する。既に説明した新材料を採用すれば、セット/リセット状態の抵抗値の差は、103以上を確保できる。
消去(リセット)動作に関しては、点線Aで囲まれた選択されたメモリセル33を大電流パルスによりジュール加熱して、そのメモリセル33における酸化還元反応を促進させることにより行う。
・ 第2例
第2例は、記録層に図2の材料を用いた場合である。
記録動作(セット動作)は、選択されたメモリセル33に電圧を印加し、そのメモリセル33内に電位勾配を発生させて電流パルスを流せばよいため、例えば、ワード線WLiの電位をビット線BLjの電位よりも相対的に低くする。ビット線BLjを固定電位(例えば、接地電位)とすれば、ワード線WLiに負の電位を与えればよい。
この時、点線Aで囲まれた選択されたメモリセル33では、第1化合物内の拡散イオンの一部が第2化合物の空隙サイトに移動する。このため、第1化合物内の遷移元素イオンの価数が上昇し、第2化合物内の遷移元素イオンの価数が減少する。その結果、第1及び第2化合物の結晶中に電導キャリアが発生し、両者は、共に、電気伝導性を有するようになる。
これにより、セット動作(記録)が完了する。
尚、記録時には、非選択のワード線WLi−1,WLi+1及び非選択のビット線BLj−1,BLj+1については、全て同電位にバイアスしておくことが好ましい。
また、記録前のスタンバイ時には、全てのワード線WLi−1,WLi,WLi+1及び全てのビット線BLj−1,BLj,BLj+1をプリチャージしておくことが好ましい。
電流パルスは、ワード線WLiの電位がビット線BLjの電位よりも相対的に高い状態を作ることにより発生させてもよい。
再生動作は、電流パルスを点線Aで囲まれた選択されたメモリセル33に流し、そのメモリセル33の抵抗値を検出することにより行う。但し、電流パルスは、メモリセル33を構成する材料が抵抗変化を起こさない程度の微小な値とすることが必要である。
例えば、読み出し回路により発生した読み出し電流(電流パルス)をビット線BLjから点線Aで囲まれたメモリセル33に流し、読み出し回路によりそのメモリセル33の抵抗値を測定する。既に説明した新材料を採用すれば、セット/リセット状態の抵抗値の差は、103以上を確保できる。
リセット(消去)動作は、点線Aで囲まれた選択されたメモリセル33に大電流パルスを流すことにより発生するジュール熱及びその残留熱を利用して、拡散イオン元素が第2化合物内の空隙サイトから第1化合物内に戻ろうとする作用を促進してやればよい。
C. まとめ
このような半導体メモリによれば、現在のハードディスクやフラッシュメモリよりも高記録密度及び低消費電力を実現できる。
(3) その他
本実施の形態では、プローブメモリと半導体メモリの2つについて説明したが、本発明の例で提案する材料及び原理を、現在のハードディスクなどの記録媒体に適用することも可能である。
4. 製造方法
本発明の例に係る記録媒体の製造方法を説明する。
ここでは、図6に示す記録媒体の構造を例にとる。
基板20は、ガラスから構成される直径約60mm、厚さ約1mmのディスクとする。このような基板20上に、Pt(プラチナ)を約500nmの厚さで蒸着して電極層21を形成する。
電極層21上には、まず、ZnMn2O4が堆積されるように組成が調整されたターゲットを用いて、温度300〜600℃、Ar(アルゴン)95%、O2(酸素)5%の雰囲気中で、RFマグネトロンスパッタを行い、記録層22の一部を構成する厚さ約10nmのZnMn2O4を形成する。
続けて、RFマグネトロンスパッタにより、ZnMn2O4上に、厚さ約3nmのTiO2を形成する。その結果、記録層22は、ZnMn2O4とTiO2との積層構造を有することになる。
最後に、記録層22上に、保護層13Bを形成すれば、図6に示すような記録媒体が完成する。
5. 実験例
いくつかのサンプルを作成し、リセット(消去)状態とセット(書き込み)状態との抵抗差について評価した実験例を説明する。
サンプルとしては、図6に示す構造を有する記録媒体を使用する。
評価は、先端の径が10nm以下に先鋭化されたプローブ対を使用する。
プローブ対を保護層13Bに接触させ、書き込み/消去は、そのうちの1つを用いて実行する。書き込みは、記録層22に、例えば、10nsec幅で、1Vの電圧パルスを印加することにより行う。消去は、記録層22に、例えば、100nsec幅で、0.2Vの電圧パルスを印加することにより行う。
また、書き込み/消去の合間に、プローブ対の他の1つを用いて読み出しを実行する。読み出しは、記録層22に、10nsec幅で、0.1Vの電圧パルスを印加し、記録層(記録ビット)22の抵抗値を測定することにより行う。
(1) 第1実験例
第1実験例のサンプルは、以下の通りである。
電極層21は、ディスク上に厚さ約500nmで形成されるPt膜とする。記録層22は、ZnV2O4とし、保護層13Bは、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)とする。
ZnV2O4は、例えば、ディスクの温度を300℃から600℃までの範囲内の値に維持し、Ar 95%, O2 5% の雰囲気中でRFマグネトロンスパッタを行うことにより、ディスク上に厚さ約10nmで形成される。また、ダイヤモンドライクカーボンは、例えば、CVD法により、ZnV2O4上に厚さ約3nmで形成される。
書き込み後の抵抗値は、103Ω台、消去後の抵抗値は、107Ω台となり、両者の抵抗差は、約104Ωで、読み出しに際して十分なマージンを確保できることが確認された。
(2) 第2実験例
第2実験例では、記録層をZnCr2O4とした点を除き、第1実験例のサンプルと同じものを使用する。
書き込み/消去後の抵抗値は、第1実験例と同様に、103Ω台/107Ω台となり、両者の抵抗差は、約104Ωで、読み出しに際して十分なマージンを確保できることが確認された。
(3) 第3実験例
第3実験例では、記録層をZnMn2O4とした点を除き、第1実験例のサンプルと同じものを使用する。
書き込み/消去後の抵抗値は、第1実験例と同様に、103Ω台/107Ω台となり、両者の抵抗差は、約104Ωで、読み出しに際して十分なマージンを確保できることが確認された。
(4) 第4実験例
第4実験例では、記録層をZnCo2O4とした点を除き、第1実験例のサンプルと同じものを使用する。
書き込み/消去後の抵抗値は、第1実験例と同様に、103Ω台/107Ω台となり、両者の抵抗差は、約104Ωで、読み出しに際して十分なマージンを確保できることが確認された。
(5) 第5実験例
第5実験例では、記録層をMgCr2O4とした点を除き、第1実験例のサンプルと同じものを使用する。
書き込み/消去後の抵抗値は、第1実験例と同様に、103Ω台/107Ω台となり、両者の抵抗差は、約104Ωで、読み出しに際して十分なマージンを確保できることが確認された。
(6) 第6実験例
第6実験例では、記録層をMgMn2O4とした点を除き、第1実験例のサンプルと同じものを使用する。
書き込み/消去後の抵抗値は、第1実験例と同様に、103Ω台/107Ω台となり、両者の抵抗差は、約104Ωで、読み出しに際して十分なマージンを確保できることが確認された。
(7) 第7実験例
第7実験例では、記録層をMgCo2O4とした点を除き、第1実験例のサンプルと同じものを使用する。
書き込み/消去後の抵抗値は、第1実験例と同様に、103Ω台/107Ω台となり、両者の抵抗差は、約104Ωで、読み出しに際して十分なマージンを確保できることが確認された。
(8) 第8実験例
第8実験例では、記録層をCoMn2O4とした点を除き、第1実験例のサンプルと同じものを使用する。
書き込み/消去後の抵抗値は、第1実験例と同様に、103Ω台/107Ω台となり、両者の抵抗差は、約104Ωで、読み出しに際して十分なマージンを確保できることが確認された。
(9) 第9実験例
第9実験例では、記録層をCaCr2O4とした点を除き、第1実験例のサンプルと同じものを使用する。
書き込み/消去後の抵抗値は、第1実験例と同様に、103Ω台/107Ω台となり、両者の抵抗差は、約104Ωで、読み出しに際して十分なマージンを確保できることが確認された。
(10) 第10実験例
第10実験例では、記録層をCaMn2O4とした点を除き、第1実験例のサンプルと同じものを使用する。
書き込み/消去後の抵抗値は、第1実験例と同様に、103Ω台/107Ω台となり、両者の抵抗差は、約104Ωで、読み出しに際して十分なマージンを確保できることが確認された。
(11) 第11実験例
第11実験例では、記録層をSrMn2O4とした点を除き、第1実験例のサンプルと同じものを使用する。
書き込み/消去後の抵抗値は、第1実験例と同様に、103Ω台/107Ω台となり、両者の抵抗差は、約104Ωで、読み出しに際して十分なマージンを確保できることが確認された。
(12) 第12実験例
第12実験例では、記録層を、Ba0.25Mn2O4とBaとの積層にした点を除き、第1実験例のサンプルと同じものを使用する。Ba0.25Mn2O4は、スパッタ法により形成し、Baは、約10nmの厚さで形成する。
書き込み/消去後の抵抗値は、第1実験例と同様に、103Ω台/107Ω台となり、両者の抵抗差は、約104Ωで、読み出しに際して十分なマージンを確保できることが確認された。
(13) 第13実験例
第13実験例では、記録層を、Zn0.25Mn2O4とZnとの積層にした点を除き、第1実験例のサンプルと同じものを使用する。Zn0.25Mn2O4は、スパッタ法により形成し、Znは、約10nmの厚さで形成する。
初期状態の抵抗値は、108Ω台であったのに対し、書き込み後の抵抗値は、103Ω台となり、さらに、消去後の抵抗値は、107Ω台となった。書き込み/消去の抵抗差は、104Ω〜105Ωで、読み出しに際して十分なマージンを確保できることが確認された。
(14) 第14実験例
第14実験例では、記録層を、CuAlO2とした点を除き、第1実験例のサンプルと同じものを使用する。
初期状態の抵抗値は、108Ω台であったのに対し、書き込み後の抵抗値は、103Ω台となり、さらに、消去後の抵抗値は、106Ω台となった。書き込み/消去の抵抗差は、103Ω〜105Ωで、読み出しに際して十分なマージンを確保できることが確認された。
(15) 第15実験例
第15実験例では、記録層を、MgCrO3とした点を除き、第1実験例のサンプルと同じものを使用する。
初期状態の抵抗値は、107Ω台であったのに対し、書き込み後の抵抗値は、103Ω台となり、さらに、消去後の抵抗値は、106Ω台となった。書き込み/消去の抵抗差は、103Ω〜104Ωで、読み出しに際して十分なマージンを確保できることが確認された。
(16) 第16実験例
第16実験例では、記録層をNiWN2とし、保護層をSnO2とした点を除き、第1実験例のサンプルと同じものを使用する。NiWN2は、Ar 95%, NH 35% の雰囲気中でスパッタ法により形成する。
初期状態の抵抗値は、107Ω台であったのに対し、書き込み後の抵抗値は、103Ω台となり、さらに、消去後の抵抗値は、105Ω台となった。書き込み/消去の抵抗差は、102Ω〜105Ωで、読み出しに際して十分なマージンを確保できることが確認された。
(17) 第17実験例
第17実験例では、記録層をZn1.2V1.8O4とし、保護層をSnO2とした点を除き、第1実験例のサンプルと同じものを使用する。
初期状態の抵抗値は、106Ω台であったのに対し、書き込み後の抵抗値は、102Ω台となり、さらに、消去後の抵抗値は、106Ω台となった。書き込み/消去の抵抗差は、約104Ωで、読み出しに際して十分なマージンを確保できることが確認された。
(18) 第18実験例
第18実験例では、記録層をZn1.2Cr1.8O4とし、保護層をSnO2とした点を除き、第1実験例のサンプルと同じものを使用する。
初期状態の抵抗値は、106Ω台であったのに対し、書き込み後の抵抗値は、102Ω台となり、さらに、消去後の抵抗値は、106Ω台となった。書き込み/消去の抵抗差は、約104Ωで、読み出しに際して十分なマージンを確保できることが確認された。
(19) 第19実験例
第19実験例では、記録層をZnAl1.8Cr0.2O4とし、保護層をSnO2とした点を除き、第1実験例のサンプルと同じものを使用する。
初期状態の抵抗値は、108Ω台であったのに対し、書き込み後の抵抗値は、103Ω台となり、さらに、消去後の抵抗値は、108Ω台となった。書き込み/消去の抵抗差は、約105Ωで、読み出しに際して十分なマージンを確保できることが確認された。
(20) 第20実験例
第20実験例では、記録層をZnAl1.8Mn0.2O4とし、保護層をSnO2とした点を除き、第1実験例のサンプルと同じものを使用する。
初期状態の抵抗値は、108Ω台であったのに対し、書き込み後の抵抗値は、103Ω台となり、さらに、消去後の抵抗値は、108Ω台となった。書き込み/消去の抵抗差は、約105Ωで、読み出しに際して十分なマージンを確保できることが確認された。
(21) 第21実験例
第21実験例では、記録層をSiNi2O4とし、保護層をSnO2とした点を除き、第1実験例のサンプルと同じものを使用する。
初期状態の抵抗値は、108Ω台であったのに対し、書き込み後の抵抗値は、103Ω台となり、さらに、消去後の抵抗値は、108Ω台となった。書き込み/消去の抵抗差は、約105Ωで、読み出しに際して十分なマージンを確保できることが確認された。
(22) 第22実験例
第22実験例では、記録層をSeNi2O4とし、保護層をSnO2とした点を除き、第1実験例のサンプルと同じものを使用する。
初期状態の抵抗値は、108Ω台であったのに対し、書き込み後の抵抗値は、103Ω台となり、さらに、消去後の抵抗値は、108Ω台となった。書き込み/消去の抵抗差は、約105Ωで、読み出しに際して十分なマージンを確保できることが確認された。
(23) 第23実験例
第23実験例では、記録層をNiTiO3とし、保護層をSnO2とした点を除き、第1実験例のサンプルと同じものを使用する。
初期状態の抵抗値は、108Ω台であったのに対し、書き込み後の抵抗値は、103Ω台となり、さらに、消去後の抵抗値は、108Ω台となった。書き込み/消去の抵抗差は、約105Ωで、読み出しに際して十分なマージンを確保できることが確認された。
(24) 第24実験例
第24実験例のサンプルの仕様は、以下の通りである。
記録層22は、厚さ約10nmのZnMn2O4と厚さ約3nmのTiO2の積層構造から構成する。
この場合、リセット状態の抵抗値は、107Ω台、セット状態の抵抗値は、103Ω台という結果が得られた。また、サイクル寿命は、10万サイクル以上を実現できることを確認した。
(25) 第25実験例
第25実験例のサンプルの仕様は、以下の通りである。
記録層22は、厚さ約10nmのZnMn2O4と厚さ約3nmのZrO2の積層構造から構成する。
この場合、リセット状態の抵抗値は、107Ω台、セット状態の抵抗値は、103Ω台という結果が得られた。また、サイクル寿命は、10万サイクル以上を実現できることを確認した。
(26) 第26実験例
第26実験例のサンプルの仕様は、以下の通りである。
記録層22は、厚さ約10nmのMgMn2O4と厚さ約3nmのTiO2の積層構造から構成する。
この場合、リセット状態の抵抗値は、107Ω台、セット状態の抵抗値は、103Ω台という結果が得られた。また、サイクル寿命は、10万サイクル以上を実現できることを確認した。
(27) 第27実験例
第27実験例のサンプルの仕様は、以下の通りである。
記録層22は、厚さ約10nmのMgMn2O4と厚さ約3nmのZrO2の積層構造から構成する。
この場合、リセット状態の抵抗値は、107Ω台、セット状態の抵抗値は、103Ω台という結果が得られた。また、サイクル寿命は、10万サイクル以上を実現できることを確認した。
(28) 第28実験例
第28実験例のサンプルの仕様は、以下の通りである。
記録層22は、厚さ約10nmのSrMoO3と厚さ約3nmのReO3の積層構造から構成する。
この場合、リセット状態の抵抗値は、107Ω台、セット状態の抵抗値は、103Ω台という結果が得られた。また、サイクル寿命は、10万サイクル以上を実現できることを確認した。
(29) 第29実験例
第29実験例で用いるサンプルは図6に示す構造を有する記録媒体を使用する。本実験例では、記録層をZnMn2O4、保護層をSnO2とした点を除き、第1実験例のサンプルと同じものを使用する。
書き込み/消去後の抵抗値は、第1実験例と同様に、103Ω台/107Ω台となり、両者の抵抗比は、約104で、読み出しに際して十分なマージンを確保できることが確認された。このサンプルでは、1万サイクル後、書き込み/消去後の抵抗値は、104Ω台/106Ω台となり、1万サイクル以上を実現できた。
(30) 第30実験例
第30実験例では、記録層をZnCr1.7Al0.3O4とした点を除き、第29実験例のサンプルと同じものを使用する。
書き込み/消去後の抵抗値は、第29実験例と同様に、104Ω台/108Ω台となり、両者の抵抗比は、約104で、読み出しに際して十分なマージンを確保できることが確認された。このサンプルでは、1万サイクル後、書き込み/消去後の抵抗値は、104Ω台/107Ω台となり、1万サイクル以上を実現できた。
(31) 第31実験例
第31実験例では、記録層をZnMn1.8Al0.2O4とした点を除き、第29実験例のサンプルと同じものを使用する。
書き込み/消去後の抵抗値は、第29実験例と同様に、104Ω台/108Ω台となり、両者の抵抗比は、約104で、読み出しに際して十分なマージンを確保できることが確認された。このサンプルでは、1万サイクル後、書き込み/消去後の抵抗値は、104Ω台/108Ω台となり、1万サイクル以上を実現できた。
(32) 第32実験例
第32実験例では、記録層をZnMn1.6Ni0.4O4とした点を除き、第29実験例のサンプルと同じものを使用する。
書き込み/消去後の抵抗値は、第29実験例と同様に、104Ω台/108Ω台となり、両者の抵抗比は、約104で、読み出しに際して十分なマージンを確保できることが確認された。このサンプルでは、1万サイクル後、書き込み/消去後の抵抗値は、104Ω台/107Ω台となり、1万サイクル以上を実現できた。
(33) 第33実験例
第33実験例では、記録層をZn1.1Mn1.9O4とした点を除き、第29実験例のサンプルと同じものを使用する。
書き込み/消去後の抵抗値は、第29実験例と同様に、104Ω台/107Ω台となり、両者の抵抗比は、約103で、読み出しに際して十分なマージンを確保できることが確認された。このサンプルでは、1万サイクル後、書き込み/消去後の抵抗値は、104Ω台/107Ω台となり、1万サイクル以上を実現できた。
(34) 第34実験例
第34実験例では、下部電極としてRuO2を用い、記録層をZnMn2O4とした点を除き、第29実験例のサンプルと同じものを使用する。RuO2の製膜はRuO2が堆積されるように組成が調整されたターゲットを用いて、温度600℃、アルゴン80%、酸素20%の雰囲気中で、RFマグネトロンスパッタにより行い、その膜厚を200nmとする。下部電極としてPtの代わりにRuO2を用いると、格子定数の整合性のために、 (011)方向に配向したZnMn2O4膜を得ることができる。
書き込み/消去後の抵抗値は、第29実験例と同様に、102Ω台/107Ω台となり、両者の抵抗比は、約105で、読み出しに際して十分なマージンを確保できることが確認された。このサンプルでは、1万サイクル後、書き込み/消去後の抵抗値は、103Ω台/106Ω台となり、1万サイクル以上を実現できた。
(35) 第35実験例
第35実験例で用いるサンプルは図6に示す構造を有する記録媒体を使用する。本実験例では、記録層22は第1化合物として厚さ10nmのZnMn2O4とを用い、第2化合物として厚さ3nmのTiO2の積層構造を用いる。保護層はSnO2とする。
書き込み/消去後の抵抗値は、第29実験例と同様に、104Ω台/109Ω台となり、両者の抵抗比は、約105で、読み出しに際して十分なマージンを確保できることが確認された。このサンプルでは、1万サイクル後、書き込み/消去後の抵抗値は、104Ω台/108Ω台となり、1万サイクル以上を実現できた。
(36) 第36実験例
第36実験例では、第1化合物をZnCr1.7Al0.3O4とした点を除き、第35実験例のサンプルと同じものを使用する。
書き込み/消去後の抵抗値は、第29実験例と同様に、105Ω台/1010Ω台となり、両者の抵抗比は、約105で、読み出しに際して十分なマージンを確保できることが確認された。このサンプルでは、1万サイクル後、書き込み/消去後の抵抗値は、105Ω台/109Ω台となり、1万サイクル以上を実現できた。
(37) 第37実験例
第37実験例では、第1化合物をZnMn1.8Al0.2O4とした点を除き、第35実験例のサンプルと同じものを使用する。
書き込み/消去後の抵抗値は、第29実験例と同様に、105Ω台/1010Ω台となり、両者の抵抗比は、約105で、読み出しに際して十分なマージンを確保できることが確認された。このサンプルでは、1万サイクル後、書き込み/消去後の抵抗値は、105Ω台/1010Ω台となり、1万サイクル以上を実現できた。
(38) 第38実験例
第38実験例では、第1化合物をZnMn1.6Ni0.4O4とした点を除き、第35実験例のサンプルと同じものを使用する。
書き込み/消去後の抵抗値は、第29実験例と同様に、105Ω台/1010Ω台となり、両者の抵抗比は、約105で、読み出しに際して十分なマージンを確保できることが確認された。このサンプルでは、1万サイクル後、書き込み/消去後の抵抗値は、105Ω台/109Ω台となり、1万サイクル以上を実現できた。
(39) 第39実験例
第39実験例では、第1化合物をZn1.1Mn1.9O4とした点を除き、第35実験例のサンプルと同じものを使用する。
書き込み/消去後の抵抗値は、第29実験例と同様に、105Ω台/109Ω台となり、両者の抵抗比は、約104で、読み出しに際して十分なマージンを確保できることが確認された。このサンプルでは、1万サイクル後、書き込み/消去後の抵抗値は、105Ω台/109Ω台となり、1万サイクル以上を実現できた。
(40) 第40実験例
第40実験例では、下部電極としてRuO2を用い、第1化合物をZnMn2O4とした点を除き、第35実験例のサンプルと同じものを使用する。
書き込み/消去後の抵抗値は、第29実験例と同様に、103Ω台/109Ω台となり、両者の抵抗比は、約106で、読み出しに際して十分なマージンを確保できることが確認された。このサンプルでは、1万サイクル後、書き込み/消去後の抵抗値は、103Ω台/108Ω台となり、1万サイクル以上を実現できた。
(41) 比較例
比較例では、記録層をMgOとした点を除き、第29実験例のサンプルと同じものを使用する。
本比較例では、第29実験例と同様に10ns、3Vのパルスを印加した場合には書き込み/消去を行うことができなかったので、10ns幅、20Vのパルスを印加して書き込みを行い、1μs幅で-3Vのパルスを印加して消去を行った。書き込み/消去後の抵抗値は、105Ω台/1013Ω台であった。このサンプルでは、1万サイクル後は抵抗値が103Ω台のまま不変であった。
このように、記録層としてNaCl構造を有するMgOを用いた場合には、陽イオンの拡散が生じにくいため、書き込み/消去に大きな電圧を要し、拡散したイオンが元の位置に戻りにくいため、繰り返し耐性に劣るという欠点がある。
(42) まとめ
以上、説明したように、第1〜第40実験例のいずれのサンプルにおいても、書き込み、消去及び読み出しの基本動作が可能である。
尚、表1A〜表1Dに、第1〜第40実験例及び比較例の検証結果をまとめたものを示す。
Figure 2008084512
Figure 2008084512
Figure 2008084512
Figure 2008084512
Figure 2008084512
6. フラッシュメモリへの適用
(1) 構造
本発明の例は、フラッシュメモリに適用することも可能である。
図16は、フラッシュメモリのメモリセルを示している。
フラッシュメモリのメモリセルは、MIS(metal-insulator-semiconductor)トランジスタから構成される。
半導体基板41の表面領域には、拡散層42が形成される。拡散層42の間のチャネル領域上には、ゲート絶縁層43が形成される。ゲート絶縁層43上には、本発明の例に係る記録層(RRAM: Resistive RAM)44が形成される。記録層44上には、コントロールゲート電極45が形成される。
半導体基板41は、ウェル領域でもよく、また、半導体基板41と拡散層42とは、互いに逆の導電型を有する。コントロールゲート電極45は、ワード線となり、例えば、導電性ポリシリコンから構成される。
記録層44は、図1、図2又は図3に示す材料から構成される。
(2) 基本動作
図16を用いて基本動作について説明する。
セット(書き込み)動作は、コントロールゲート電極45に電位V1を与え、半導体基板41に電位V2を与えることにより実行する。
電位V1,V2の差は、記録層44が相変化又は抵抗変化するのに十分な大きさであることが必要であるが、その向きについては、特に、限定されない。
即ち、V1>V2およびV1<V2のいずれでもよい。
例えば、初期状態(リセット状態)において、記録層44が絶縁体(抵抗大)であると仮定すると、実質的にゲート絶縁層43が厚くなったことになるため、メモリセル(MISトランジスタ)の閾値は、高くなる。
この状態から電位V1,V2を与えて記録層44を導電体(抵抗小)に変化させると、実質的にゲート絶縁層43が薄くなったことになるため、メモリセル(MISトランジスタ)の閾値は、低くなる。
尚、電位V2は、半導体基板41に与えたが、これに代えて、メモリセルのチャネル領域に拡散層42から電位V2を転送するようにしてもよい。
リセット(消去)動作は、コントロールゲート電極45に電位V1’を与え、拡散層42の一方に電位V3を与え、拡散層42の他方に電位V4(<V3)を与えることにより実行する。
電位V1’は、セット状態のメモリセルの閾値を越える値にする。
この時、メモリセルは、オンになり、電子が拡散層42の他方から一方に向かって流れると共に、ホットエレクトロンが発生する。このホットエレクトロンは、ゲート絶縁層43を介して記録層44に注入されるため、記録層44の温度が上昇する。
これにより、記録層44は、導電体(抵抗小)から絶縁体(抵抗大)に変化するため、実質的にゲート絶縁層43が厚くなったことになり、メモリセル(MISトランジスタ)の閾値は、高くなる。
このように、フラッシュメモリと類似した原理により、メモリセルの閾値を変えることができるため、フラッシュメモリの技術を利用して、本発明の例に係る情報記録再生装置を実用化できる。
(3) NAND型フラッシュメモリ
図17は、NANDセルユニットの回路図を示している。図18は、本発明の例に係るNANDセルユニットの構造を示している。
P型半導体基板41a内には、N型ウェル領域41b及びP型ウェル領域41cが形成される。P型ウェル領域41c内に、本発明の例に係るNANDセルユニットが形成される。
NANDセルユニットは、直列接続される複数のメモリセルMCからなるNANDストリングと、その両端に1つずつ接続される合計2つのセレクトゲートトランジスタSTとから構成される。
メモリセルMC及びセレクトゲートトランジスタSTは、同じ構造を有する。具体的には、これらは、N型拡散層42と、N型拡散層42の間のチャネル領域上のゲート絶縁層43と、ゲート絶縁層43上の記録層(RRAM)44と、記録層44上のコントロールゲート電極45とから構成される。
メモリセルMCの記録層44の状態(絶縁体/導電体)は、上述の基本動作により変化させることが可能である。これに対し、セレクトゲートトランジスタSTの記録層44は、セット状態、即ち、導電体(抵抗小)に固定される。
セレクトゲートトランジスタSTの1つは、ソース線SLに接続され、他の1つは、ビット線BLに接続される。
セット(書き込み)動作前には、NANDセルユニット内の全てのメモリセルは、リセット状態(抵抗大)になっているものとする。
セット(書き込み)動作は、ソース線SL側のメモリセルMCからビット線BL側のメモリセルに向かって1つずつ順番に行われる。
選択されたワード線(コントロールゲート電極)WLに書き込み電位としてV1(プラス電位)を与え、非選択のワード線WLに転送電位(メモリセルMCがオンになる電位)としてVpassを与える。
ソース線SL側のセレクトゲートトランジスタSTをオフ、ビット線BL側のセレクトゲートトランジスタSTをオンにし、ビット線BLから選択されたメモリセルMCのチャネル領域にプログラムデータを転送する。
例えば、プログラムデータが“1”のときは、選択されたメモリセルMCのチャネル領域に書き込み禁止電位(例えば、V1と同じ程度の電位)を転送し、選択されたメモリセルMCの記録層44の抵抗値が高い状態から低い状態に変化しないようにする。
また、プログラムデータが“0”のときは、選択されたメモリセルMCのチャネル領域にV2(<V1)を転送し、選択されたメモリセルMCの記録層44の抵抗値を高い状態から低い状態に変化させる。
リセット(消去)動作では、例えば、全てのワード線(コントロールゲート電極)WLにV1’を与え、NANDセルユニット内の全てのメモリセルMCをオンにする。また、2つのセレクトゲートトランジスタSTをオンにし、ビット線BLにV3を与え、ソース線SLにV4(<V3)を与える。
この時、ホットエレクトロンがNANDセルユニット内の全てのメモリセルMCの記録層44に注入されるため、NANDセルユニット内の全てのメモリセルMCに対して一括してリセット動作が実行される。
読み出し動作は、選択されたワード線(コントロールゲート電極)WLに読み出し電位(プラス電位)を与え、非選択のワード線(コントロールゲート電極)WLには、メモリセルMCがデータ“0”、“1”によらず必ずオンになる電位を与える。
また、2つのセレクトゲートトランジスタSTをオンにし、NANDストリングに読み出し電流を供給する。
選択されたメモリセルMCは、読み出し電位が印加されると、それに記憶されたデータの値に応じてオン又はオフになるため、例えば、読み出し電流の変化を検出することにより、データを読み出すことができる。
尚、図18の構造では、セレクトゲートトランジスタSTは、メモリセルMCと同じ構造を有しているが、例えば、図19に示すように、セレクトゲートトランジスタSTについては、記録層を形成せずに、通常のMISトランジスタとすることも可能である。
図20は、NAND型フラッシュメモリの変形例である。
この変形例は、NANDストリングを構成する複数のメモリセルMCのゲート絶縁層がP型半導体層47に置き換えられている点に特徴を有する。
高集積化が進み、メモリセルMCが微細化されると、電圧を与えていない状態で、P型半導体層47は、空乏層で満たされることになる。
セット(書き込み)時には、選択されたメモリセルMCのコントロールゲート電極45にプラスの書き込み電位(例えば、3.5V)を与え、かつ、非選択のメモリセルMCのコントロールゲート電極45にプラスの転送電位(例えば、1V)を与える。
この時、NANDストリング内の複数のメモリセルMCのP型ウェル領域41cの表面がP型からN型に反転し、チャネルが形成される。
そこで、上述したように、ビット線BL側のセレクトゲートトランジスタSTをオンにし、ビット線BLから選択されたメモリセルMCのチャネル領域にプログラムデータ“0”を転送すれば、セット動作を行うことができる。
リセット(消去)は、例えば、全てのコントロールゲート電極45にマイナスの消去電位(例えば、-3.5V)を与え、P型ウェル領域41c及びP型半導体層47に接地電位(0V)を与えれば、NANDストリングを構成する全てのメモリセルMCに対して一括して行うことができる。
読み出し時には、選択されたメモリセルMCのコントロールゲート電極45にプラスの読み出し電位(例えば、0.5V)を与え、かつ、非選択のメモリセルMCのコントロールゲート電極45に、メモリセルMCがデータ“0”、“1”によらず必ずオンになる転送電位(例えば、1V)を与える。
但し、“1”状態のメモリセルMCの閾値電圧Vth”1”は、0V < Vth”1” < 0.5Vの範囲内にあるものとし、“0”状態のメモリセルMCの閾値電圧Vth”0”は、0.5V < Vth”0” < 1Vの範囲内にあるものとする。
また、2つのセレクトゲートトランジスタSTをオンにし、NANDストリングに読み出し電流を供給する。
このような状態にすれば、選択されたメモリセルMCに記憶されたデータの値に応じてNANDストリングに流れる電流量が変わるため、この変化を検出することにより、データを読み出すことができる。
尚、この変形例においては、P型半導体層47のホールドープ量がP型ウェル領域41cのそれよりも多く、かつ、P型半導体層47のフェルミレベルがP型ウェル領域41cのそれよりも0.5V程度深くなっていることが望ましい。
これは、コントロールゲート電極45にプラスの電位を与えたときに、N型拡散層42間のP型ウェル領域41cの表面部分からP型からN型への反転が開始し、チャネルが形成されるようにするためである。
このようにすることで、例えば、書き込み時には、非選択のメモリセルMCのチャネルは、P型ウェル領域41cとP型半導体層47の界面のみに形成され、読み出し時には、NANDストリング内の複数のメモリセルMCのチャネルは、P型ウェル領域41cとP型半導体層47の界面のみに形成される。
つまり、メモリセルMCの記録層44が導電体(セット状態)であっても、拡散層42とコントロールゲート電極45とが短絡することはない。
(4) NOR型フラッシュメモリ
図21は、NORセルユニットの回路図を示している。図22は、本発明の例に係るNORセルユニットの構造を示している。
P型半導体基板41a内には、N型ウェル領域41b及びP型ウェル領域41cが形成される。P型ウェル領域41c内に、本発明の例に係るNORセルが形成される。
NORセルは、ビット線BLとソース線SLとの間に接続される1つのメモリセル(MISトランジスタ)MCから構成される。
メモリセルMCは、N型拡散層42と、N型拡散層42の間のチャネル領域上のゲート絶縁層43と、ゲート絶縁層43上の記録層(RRAM)44と、記録層44上のコントロールゲート電極45とから構成される。
メモリセルMCの記録層44の状態(絶縁体/導電体)は、上述の基本動作により変化させることが可能である。
(5) 2トラ型フラッシュメモリ
図23は、2トラセルユニットの回路図を示している。図24は、本発明の例に係る2トラセルユニットの構造を示している。
2トラセルユニットは、NANDセルユニットの特徴とNORセルの特徴とを併せ持った新たなセル構造として最近開発されたものである。
P型半導体基板41a内には、N型ウェル領域41b及びP型ウェル領域41cが形成される。P型ウェル領域41c内に、本発明の例に係る2トラセルユニットが形成される。
2トラセルユニットは、直列接続される1つのメモリセルMCと1つのセレクトゲートトランジスタSTとから構成される。
メモリセルMC及びセレクトゲートトランジスタSTは、同じ構造を有する。具体的には、これらは、N型拡散層42と、N型拡散層42の間のチャネル領域上のゲート絶縁層43と、ゲート絶縁層43上の記録層(RRAM)44と、記録層44上のコントロールゲート電極45とから構成される。
メモリセルMCの記録層44の状態(絶縁体/導電体)は、上述の基本動作により変化させることが可能である。これに対し、セレクトゲートトランジスタSTの記録層44は、セット状態、即ち、導電体(抵抗小)に固定される。
セレクトゲートトランジスタSTは、ソース線SLに接続され、メモリセルMCは、ビット線BLに接続される。
メモリセルMCの記録層44の状態(絶縁体/導電体)は、上述の基本動作により変化させることが可能である。
図24の構造では、セレクトゲートトランジスタSTは、メモリセルMCと同じ構造を有しているが、例えば、図25に示すように、セレクトゲートトランジスタSTについては、記録層を形成せずに、通常のMISトランジスタとすることも可能である。
7. その他
本発明の例によれば、記録(書き込み)は、遷移元素イオンの価数変化による導電性の変化を利用して、電場が印加された部位(記録単位)のみで行われるため、極めて微細な領域に、極めて小さな消費電力でデータを記録できる。
また、消去は、熱を印加することにより行うが、本発明の例で提案する材料を用いれば酸化物の構造変化がほとんど生じないため、小さな消費電力で消去が可能となる。
あるいは、消去は記録時とは逆向きの電場を印加することにより行うこともでき、本発明の例で提案する材料を用いれば、熱エネルギーを散逸させることなく消去することができるので、極めて小さな消費電力で消去が可能となる。
さらに、本発明の例によれば、書き込み後は、絶縁体内に導体部が形成された形となるため、読み出しの際には、電流が導体部に集中して流れることになり、感知効率が極めて高い記録原理を実現できる。
さらに、本発明の例によれば、移動しやすい陽イオンと母体構造を安定に保つ遷移元素イオンとを組みあわせることにより、繰り返し安定に記録消去することが可能となる。
このように、本発明の例によれば、極めて単純な仕組みであるにもかかわらず、従来技術では到達することのできない記録密度によるデータの記録を可能とする。従って、本発明の例は、現在の不揮発性メモリの記録密度の壁を打ち破る次世代技術として産業上のメリットは多大である。
本発明の例は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、各構成要素を変形して具体化できる。また、上述の実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を構成できる。例えば、上述の実施の形態に開示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよいし、異なる実施の形態の構成要素を適宜組み合わせてもよい。
記録原理を示す図。 記録原理を示す図。 記録原理を示す図。 本発明の例に係るプローブメモリを示す図。 記録媒体を示す図。 プローブメモリの記録時の様子を示す図。 書き込み動作を示す図。 読み出し動作を示す図。 書き込み動作を示す図。 読み出し動作を示す図。 本発明の例に係る半導体メモリを示す図。 メモリセルアレイ構造の例を示す図。 メモリセル構造の例を示す図。 メモリセルアレイ構造の例を示す図。 メモリセルアレイ構造の例を示す図。 フラッシュメモリへの適用例を示す図。 NANDセルユニットを示す回路図。 NANDセルユニットの構造を示す図。 NANDセルユニットの構造を示す図。 NANDセルユニットの構造を示す図。 NORセルを示す回路図。 NORセルの構造を示す図。 2トラセルユニットを示す回路図。 2トラセルユニットの構造を示す図。 2トラセルユニットの構造を示す図。 スピネル構造におけるインバージョンを説明する図。 記録/再生の原理を示す図。
符号の説明
11,13A: 電極層、 12,22: 記録層、 13B: 保護層、 14: XYスキャナー、 15: ドライバ、 20,23,30: 基板、 21: 電極層、 24: プローブ、 25,26: マルチプレクスドライバ、 27: 記録ビット、 31: ワード線ドライバ&デコーダ、 32: ビット線ドライバ&デコーダ&読み出し回路、 33: メモリセル、 34: ダイオード、 35: ヒータ層、 WLi−1,WLi,WLi+1: ワード線、 BLj−1,BLj,BLj+1: ビット線。

Claims (18)

  1. 記録層と、前記記録層に電圧を印加して前記記録層に相変化を発生させて情報を記録する手段とを具備し、前記記録層は、少なくとも2種類の陽イオン元素を有する複合化合物から構成され、前記陽イオン元素の少なくとも1種類は、電子が不完全に満たされたd軌道を有する遷移元素であり、隣接する陽イオン元素間の最短距離は、0.32nm以下であることを特徴とする情報記録再生装置。
  2. 前記記録層は、化学式1:AxMyX4 (0.1≦x≦2.2、1.5≦y≦2)、化学式2:AxMyX3 (0.5≦x≦1.1、0.9≦y≦1)及び化学式3:AxMyX4 (0.5≦x≦1.1、0.9≦y≦1)のうちから選択される材料
    i. 但し、化学式1及び化学式2に関し、Aは、Na, K, Rb, Be, Mg, Ca, Sr, Ba, Al, Ga, Mn, Fe, Co, Ni, Cu, Zn, Si, P, S, Se, Ge, Ag, Au, Cd, Sn, Sb, Pt, Pd, Hg, Tl, Pb, Bi のグループから選択される少なくとも1種類の元素、Mは、Al, Ga, Ti, Ge, Sn, V, Cr, Mn, Fe, Co, Ni, Nb, Ta, Mo, W, Tc, Re, Ru, Rh のグループから選択される少なくとも1種類の元素である。
    ii. また、化学式3に関し、Aは、Na, K, Rb, Be, Mg, Ca, Sr, Ba, Al, Ga, Ti, V, Cr, Mn, Fe, Co, Ni, Cu, Zn, Si, P, S, Se, Ge, Ag, Au, Cd, Sn, Sb, Pt, Pd, Hg, Tl, Pb, Bi のグループから選択される少なくとも1種類の元素、Mは、Al, Ga, Ti, Ge, Sn, V, Nb, Ta, Cr, Mn, Mo, W, Ir, Os のグループから選択される少なくとも1種類の元素である。
    iii. また、化学式1、化学式2及び化学式3に関し、AとMは、互いに異なる元素であり、Xは、O, Nのグループから選択される少なくとも1種類の元素である。
    により構成されることを特徴とする請求項1に記載の情報記録再生装置。
  3. 前記記録層は、スピネル構造、クリプトメレン構造、イルメナイト構造、マロカイト構造、ホランダイト構造、ヘテロライト構造、ラムスデライト構造、デラフォサイト構造、α-NaFeO2構造及びLiMoN2構造のうちから選択される結晶構造を持つ材料により構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報記録再生装置。
  4. 前記記録層は、前記化学式1で表されるスピネル構造を有し、
    前記化学式1において、
    Aは、Zn, Cd, Hgのグループから選択される少なくとも1種類の元素であり、
    Mは、Cr, Mo, W, Mn, Tc, Reのグループから選択される少なくとも1種類の遷移元素であり、
    Xは、Oである
    ことを特徴とする請求項2に記載の情報記録再生装置。
  5. 前記化学式1において、
    Mは、前記遷移元素に加えて、Fe, Co, Ni, Al, Gaのグループから選択される少なくとも1種類の元素を含むことを特徴とする請求項4に記載の情報記録再生装置。
  6. 前記記録層は、(011)配向していることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の情報記録再生装置。
  7. 記録層と、前記記録層に電圧を印加して前記記録層に抵抗変化を発生させて情報を記録する手段とを具備し、前記記録層は、
    i. AxM1yX1zで表記される第1化合物
    但し、A, M1は、陽イオン元素、X1は、O, S, Se, N, Cl, Br, Iから選ばれる少なくとも1種類の元素、0.1≦x≦2.2, 0.5≦y≦2.5, 1.5≦z≦4.5である。
    ii. 少なくとも1種類の遷移元素を有し、かつ、前記陽イオン元素を収容できる空隙サイトを有する第2化合物
    から構成されることを特徴とする情報記録再生装置。
  8. 前記第2化合物は、
    化学式4:□xM2X22
    但し、□は、前記陽イオン元素が収容される空隙サイト、M2は、Ti, Ge, Sn, V, Cr, Mn, Fe, Co, Ni, Nb, Ta, Mo, W, Re, Ru, Rhから選ばれる少なくとも1種類の元素、X2は、O, S, Se, N, Cl, Br, Iから選ばれる少なくとも1種類の元素、0.3≦x≦1である。
    化学式5:□xM2X23
    但し、□は、前記陽イオン元素が収容される空隙サイト、M2は、Ti, Ge, Sn, V, Cr, Mn, Fe, Co, Ni, Nb, Ta, Mo, W, Re, Ru, Rhから選ばれる少なくとも1種類の元素、X2は、O, S, Se, N, Cl, Br, Iから選ばれる少なくとも1種類の元素、1≦x≦2である。
    化学式6:□xM2X24
    但し、□は、前記陽イオン元素が収容される空隙サイト、M2は、Ti, Ge, Sn, V, Cr, Mn, Fe, Co, Ni, Nb, Ta, Mo, W, Re, Ru, Rhから選ばれる少なくとも1種類の元素、X2は、O, S, Se, N, Cl, Br, Iから選ばれる少なくとも1種類の元素、1≦x≦2である。
    化学式7:□xM2POz
    但し、□は、前記陽イオン元素が収容される空隙サイト、M2は、Ti, Ge, Sn, V, Cr, Mn, Fe, Co, Ni, Nb, Ta, Mo, W, Re, Ru, Rhから選ばれる少なくとも1種類の元素、Pは、リン元素、Oは、酸素元素、0.3≦x≦3、4≦z≦6である。
    のうちの1つであることを特徴とする請求項7に記載の情報記録再生装置。
  9. 前記第2化合物は、ホランダイト構造、ラムスデライト構造、アナターゼ構造、ブルッカイト構造、パイロルース構造、ReO3構造、MoO1.5PO4構造、TiO0.5PO4構造及びFePO4構造、βMnO2構造、γMnO2構造、λMnO2構造のうちの1つを有していることを特徴とする請求項7又は8に記載の情報記録再生装置。
  10. 前記第1化合物の電子のフェルミ準位は、前記第2化合物の電子のフェルミ準位よりも低いことを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載の情報記録再生装置。
  11. 前記第1化合物は、化学式1:AxM1yX14 (0.1≦x≦2.2、1.5≦y≦2)、化学式2:AxM1yX13 (0.5≦x≦1.1、0.9≦y≦1)及び化学式3:AxM1yX14 (0.5≦x≦1.1、0.9≦y≦1)のうちから選択される材料であり、
    i. 但し、化学式1及び化学式2に関し、Aは、Na, K, Rb, Be, Mg, Ca, Sr, Ba, Al, Ga, Mn, Fe, Co, Ni, Cu, Zn, Si, P, S, Se, Ge, Ag, Au, Cd, Sn, Sb, Pt, Pd, Hg, Tl, Pb, Bi のグループから選択される少なくとも1種類の元素、M1は、Al, Ga, Ti, Ge, Sn, V, Cr, Mn, Fe, Co, Ni, Nb, Ta, Mo, W, Tc, Re, Ru, Rh のグループから選択される少なくとも1種類の元素である。
    ii. また、化学式3に関し、Aは、Na, K, Rb, Be, Mg, Ca, Sr, Ba, Al, Ga, Ti, V, Cr, Mn, Fe, Co, Ni, Cu, Zn, Si, P, S, Se, Ge, Ag, Au, Cd, Sn, Sb, Pt, Pd, Hg, Tl, Pb, Bi のグループから選択される少なくとも1種類の元素、M1は、Al, Ga, Ti, Ge, Sn, V, Nb, Ta, Cr, Mn, Mo, W, Ir, Os のグループから選択される少なくとも1種類の元素である。
    iii. また、化学式1、化学式2及び化学式3に関し、AとM1は、互いに異なる元素であり、X1は、O, Nのグループから選択される少なくとも1種類の元素である。
    かつ、前記第1化合物は、スピネル構造、クリプトメレン構造、イルメナイト構造、マロカイト構造、ホランダイト構造、ヘテロライト構造、ラムスデライト構造、デラフォサイト構造、α-NaFeO2構造及びLiMoN2構造のうちから選択される結晶構造を持つ
    ことを特徴とする請求項7乃至10のいずれか1項に記載の情報記録再生装置。
  12. 前記第1化合物は、前記化学式1で表されるスピネル構造を有し、
    前記化学式1において、
    Aは、Zn, Cd, Hgのグループから選択される少なくとも1種類の元素であり、
    M1は、Cr, Mo, W, Mn, Tc, Reのグループから選択される少なくとも1種類の遷移元素であり、
    X1は、Oである
    ことを特徴とする請求項11に記載の情報記録再生装置。
  13. 前記化学式1において、
    M1は、前記遷移元素に加えて、Fe, Co, Ni, Al, Gaのグループから選択される少なくとも1種類の元素を含むことを特徴とする請求項12に記載の情報記録再生装置。
  14. 前記第1化合物は、(011)配向していることを特徴とする請求項7乃至13のいずれか1項に記載の情報記録再生装置。
  15. 前記手段は、前記記録層に対して前記電圧を局所的に印加するヘッドを含むことを特徴とする請求項1乃至12のいずれかの1項に記載の情報記録再生装置。
  16. 前記手段は、前記記録層を挟み込むワード線及びビット線を含むことを特徴とする請求項1乃至12のいずれかの1項に記載の情報記録再生装置。
  17. 前記手段は、MISトランジスタを含み、前記記録層は、前記MISトランジスタのゲート電極とゲート絶縁層との間に配置されることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかの1項に記載の情報記録再生装置。
  18. 前記手段は、第1導電型半導体基板内の2つの第2導電型拡散層と、前記2つの第2導電型拡散層の間の前記第1導電型半導体基板上の第1導電型半導体層と、前記2つの第2導電型拡散層間における導通/非導通を制御するゲート電極とを含み、前記記録層は、前記ゲート電極と前記第1導電型半導体層との間に配置されることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかの1項に記載の情報記録再生装置。
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