JP2008084470A - 磁気ディスクの評価方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 従来のスペクトラム解析の精度を維持しつつ、短時間で磁気ディスクの信号対ノイズ比を評価することが可能な評価方法を提供する。
【解決手段】 本発明における磁気ディスクの評価方法は、該磁気ディスクに特定周波数の試験信号を記録させる信号記録工程(S100)と、オントラック位置を探索するオントラック探索工程(S102)と、オントラック位置において、再生ヘッドで記録された信号を再生し、その再生信号を周波数軸に展開してスペクトラム解析を行い、信号とノイズとを分離して該信号とノイズとの比を導出するオントラック測定工程(S104)と、を含み、スペクトラム解析では、レベルが線形に推移する周波数帯域におけるサンプリングステップ幅を他の周波数帯域より広くとることを特徴としている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、円盤状に形成された磁気ディスクの信号対ノイズ比を評価する磁気ディスクの評価方法に関する。
近年、情報化技術の高度化に伴い、情報記録技術、特に磁気記録技術は著しく進歩している。このような磁気記録媒体のひとつであるハードディスクドライブ(HDD)等の磁気ディスク用基板としては、アルミニウム基板が広く用いられてきた。しかし、磁気ディスクの小型化、薄板化、および高記録密度化に伴い、アルミニウム基板に比べ基板表面の平坦性および基板強度に優れたガラス基板の需要が高まってきている。
最近では、記録密度をより一層向上させるために、磁気ディスク平面に対して垂直方向に記録層を磁化する垂直磁気記録方式も採用されつつある。このような状況下で磁気ディスクの記録密度をさらに高めるために、円周方向の線記録密度(BPI:Bit Per Inch)と、半径方向のトラック記録密度(TPI:Track Per Inch)のいずれも改善しなくてはならない。
ところで、このような磁気ディスクに信号を記録/再生する磁気記録再生ヘッドは、従来、図9に示すように1つのリングヘッド10にコイル12を巻回して記録/再生機能を併用していたが、磁気記録技術の高密度化に伴い記録と再生を別体のヘッドで行うようになってきた。これは、リングヘッド10のみの構造では、高記録密度化により減少した信号出力を確実に受信することができないからである。従って、近日では、図10に示すように、単磁極ヘッドやトレーリングシールドヘッド等の記録ヘッド20と、大型磁気抵抗型(GMR)ヘッドやトンネル磁気抵抗効果型(TuMR)ヘッド等の再生ヘッド22とが分離して配されている。
このように分離した記録ヘッド20と再生ヘッド22とはスライダーにおいて直線上に配置されるが、記録や再生を行うトラックは磁気ディスクに沿って円周状に形成されているため、同トラック上に記録ヘッド20と再生ヘッド22を配置するためには、再生ヘッド22が記録ヘッド20に対して半径方向内周側に、例えば最大160nm程度オフセットする必要がある。
図11を参照すると、スライダー24において、サスペンション26の長手方向延長直線上に載置された記録ヘッド20と再生ヘッド22は、オフセット移動がなされていない状態で、それぞれ磁気ディスク28上の別のトラック30,32上に存在する。従って、記録ヘッド20によってトラック30に記録された信号を再生するため、再生ヘッド22は、所定量40のオフセットを伴ってトラック32からトラック30に移動しなくてはならない。
上記再生ヘッド22のオフセットの値は、実際の信号の記録/再生を通じて求められる。例えば、磁気ディスクを回転させ、記録ヘッド20から所定のオントラック(On Track)位置に信号を記録し、次に、再生ヘッドを移動させ記録された信号の再生出力が最大となる位置を探索する。この探索のための再生ヘッド22の移動量がそのままオフセットの値となる。このオフセットは磁気ディスク装置内に記憶され、次回の再生時には記憶されたオフセット分だけ予め再生ヘッドを移動することで記録した信号が正確に再生される。
しかし、出力信号が最大となる位置の探索誤差や、磁気ディスク装置の温度変化および経時によるオフセットのドリフト等によって、設定されたオフセットと実際のオフセットとの間にずれが生じる場合がある。記録密度が小さかった従来の磁気ディスクでは、トラック間隔が広く半径方向の記録可能幅も広かったため、このようなオフセットの多少の誤差は許容されていた。
しかし、近日における高記録密度の磁気ディスクでは、このようなオフセット誤差の影響も無視できない。例えば、記録品質が悪い磁気ディスクでは、オフセット誤差によってトラック中心より少しずれた位置に記録されてしまい、信号がノイズに埋もれて再生ヘッドが信号を識別できないといったことが起こりうる。従って、トラック記録密度を高くする一方で記録領域の記録品質を確保する必要も生じてきた。
このような記録領域の記録品質を推定するため、特定の周波数で記録された信号を再生し、測定全範囲で均等に周波数スペクトラムを測定し、信号対ノイズ比を導出する評価方法が知られている。また、複数の周波数で再生出力の周波数スペクトラムを測定し、モデル化されたパーシャルレスポンスの伝達関数を用いて記録再生特性を評価する技術も公開されている(特許文献1)。
特開2005−174398号公報
しかし、上述した従来の技術では、測定全範囲において均等に周波数スペクトラムを導出しているので、記録される1つの特定周波数に対する測定ポイントが多く、一通りの周波数のスペクトラムを測定するのに多大な時間を費やしていた。特に、垂直磁気記録方式も採用されつつある近日の磁気ディスクでは、線記録密度を向上するため記録信号も高周波数化される傾向にあり、それに伴って、周波数スペクトラムの測定範囲も高周波方向に増大している。このような状況下においても従来通りの測定を行っていると、磁気ディスク評価の時間効率および生産効率の低下を招くことになる。
また、評価が長時間に渡ると、図12に示したような磁気ディスクや再生ヘッド、および測定計器内部の電子回路に時間経過による熱ドリフト40が生じ、位置決め精度の劣化によって測定精度も低下するといった二次的作用も起こりうる。従って、磁気ディスクの高記録密度化によってスペクトラム解析の周波数帯域が拡大する一方で測定時間の短縮化を図ることが急務となっている。
本発明者らは、上記問題について鋭意検討した結果、測定すべき周波数帯域全域において均一にスペクトラム解析を行わなくとも、均一に測定したときと等しいレベルで磁気ディスクを評価できることを見出し、従来では成し得なかった短時間での磁気ディスクの記録特性の抽出に成功し、本発明を完成するに至った。
本発明は、従来の評価方法が有する上記問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、従来のスペクトラム解析の精度を維持しつつ、短時間で磁気ディスクの信号対ノイズ比を評価することが可能な、新規かつ改良された磁気ディスクの評価方法を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、円盤状に形成された磁気ディスクの信号対ノイズ比を評価する磁気ディスクの評価方法であって、磁気ディスクを回転させ、記録ヘッドを該磁気ディスクの半径方向に移動し、任意の位置で該磁気ディスクに特定周波数の試験信号を記録させる信号記録工程と、再生ヘッドを磁気ディスクの半径方向に移動させつつ、記録された信号の再生出力が最大となる位置であるオントラック位置を探索するオントラック探索工程と、オントラック位置において、再生ヘッドで記録された信号を再生し、その再生信号を周波数軸に展開してスペクトラム解析を行い、信号とノイズとを分離して該信号とノイズとの比を導出するオントラック測定工程と、を含み、スペクトラム解析では、レベル(スペクトラル値:Spectral Magnitude)が線形に推移する周波数帯域におけるサンプリングステップ幅を他の周波数帯域より広くとることを特徴とする、磁気ディスクの評価方法が提供される。
本発明は、再生出力が最大となるオントラック位置に再生ヘッドを移動し、そこで、所定の周波数領域におけるスペクトラム解析を行い、信号対ノイズ比を導出している。かかるスペクトラム解析の特性は、レベルが複雑に変化する領域と、変化が単調な領域とに分けることができる。本発明では、変化が単調な領域のサンプリングステップ幅を広くとることによって、従来のスペクトラム解析の精度を維持しつつ、短時間で測定を完了させることを可能にした。
スペクトラム解析は、磁気ディスクへの最大記録周波数の1.2倍の周波数までの範囲で実行されるとしてもよい。かかる構成により、磁気ディスクの最大記録周波数を包含した十分な周波数帯域の特性を得ることができる。
レベルが線形に推移する周波数帯域は、最大記録周波数の1/6の周波数から14/15の周波数までであってもよい。スペクトラム解析では、1/6〜14/15の間でレベルが線形に推移する。従って、この間のサンプリングステップ幅を広くすることで、評価時間の短縮を図ることが可能となる。
当該磁気ディスクの評価方法は、磁気ディスクに記録される試験信号の特定周波数を変化させて、複数回実行されてもよい。かかる構成により様々な特定周波数に対する記録品質を保証することが可能となる。
上述したような評価方法では、測定時間が短縮されるため、従来問題となっていた熱ドリフトも回避することができ、相乗的に高い精度で磁気ディスクを評価することができる。
以上説明したように本発明によれば、従来のスペクトラム解析の精度を維持しつつ、短時間で磁気ディスクの信号対ノイズ比を評価することができる。また、このような評価方法によって抽出された磁気ディスクは、高記録密度かつ低エラー率が要求される用途にも適用することが可能である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
上述したように、HDD等の磁気記録媒体用の磁気ディスクは、小型化、薄板化の一途を辿り、最近では、記録密度をより一層向上させるために、膜平面に対して垂直方向に記録膜を磁化する垂直磁気記録方式も採用され、記録信号も高周波数化される傾向にある。高記録密度化に対応できるように形成された磁気ディスクは、当然、そのような高記録密度化された磁気ディスクに適した、生産効率の高い評価方法で評価する必要がでてくる。ここでは、本発明の理解を容易にするため、垂直磁気記録方式による磁気ディスク自体を簡単に説明し、その後で、本発明の実施形態における優れた評価方法を説明する。
(磁気ディスク)
図1は、垂直磁気記録方式による磁気ディスク50の構造を示した断面図である。かかる垂直磁気記録方式の磁気ディスク50は、ディスク基体52、付着層54、軟磁性裏打ち層56、下地層58a、下地層58b、磁気記録層60、カップリング制御層62、交換エネルギー制御層(Continuous層)64、保護層66、潤滑層68で構成されている。
まず、アモルファスのアルミノシリケートガラスをダイレクトプレスで円盤状に成型し、ガラスディスクを作成する。このガラスディスクに研削、研磨、化学強化を順次施し、化学強化ガラスディスクからなる平滑な非磁性のディスク基体52を得る。得られたディスク基体52上に、真空引きを行った成膜装置を用い、Ar雰囲気中でDCマグネトロンスパッタリング法にて、付着層54から交換エネルギー制御層64まで順次成膜を行い、保護層66はCVD法により成膜する。その後、潤滑層68をディップコート法により形成する。以下、各層の構成について説明する。
上記付着層54は、Ti含有材料を用いて形成され、ディスク基体52と軟磁性裏打ち層56との間の付着性を向上させる。上記軟磁性裏打ち層56は、アモルファスCoTaZrで形成され、記録ヘッド主磁極との相互作用により垂直方向に磁界を生じさせる。上記下地層58a、58bは、Ruからなる2層構造となっており、上層側のRuを形成する際に、下層側のRuを形成するときよりもArのガス圧を高くすることで、結晶配向性を改善することができる。
上記磁気記録層60は、磁性粒子を磁気的に孤立させたグラニュラー構造の磁性記録層で形成される。具体的には、非磁性物質の例としてのSiOを含有するCoCrPtからなる硬磁性体のターゲットを用いて、hcp結晶構造を形成している。磁気記録層60を形成するためのターゲットの組成は、例えば、CoCr10Ptが90(mol%)、SiOが10(mol%)である(付記数字は原子%)。上記カップリング制御層62は、Pd(パラジウム)層やPt層で形成される。上記交換エネルギー制御層64は、CoBとPdとの交互積層膜からなり、低Arガスで形成される。
上記保護層66は、Arに水素を30%含有させた混合ガス中のプラズマCVD法により、水素化カーボンで形成される。水素化カーボンとすることで膜硬度が向上し、磁気ヘッドからの衝撃に対してより有効に垂直磁気記録層を防護することができる。上記潤滑層68は、PFPE(パーフロロポリエーテル)をディップコート法により成膜する。
このような垂直磁気記録方式の磁気ディスク50は、記録密度を高くするほど反磁界が減少することから高いTPIおよびBPIを得ることができる。本実施形態では、このように形成された垂直磁気記録方式の磁気ディスク50によって、例えば150kTPI以上の高記録密度を達成することを目的としている。このとき、問題となるのは、磁気ディスク上で記録対象のトラックに対する隣接するトラックからのノイズ(記録にじみ)である。
図2は、磁気ディスク半径方向の信号の再生出力を模式的に示した説明図である。図2に示すように、例えば、幅90が200nmの記録ヘッドで記録した記録信号92を、再生ヘッドで再生した場合の再生信号94は、記録信号92の中心96から半径方向に離れるにつれ漸減曲線に沿って減衰する。この減衰は、中心96から離れた位置では記録信号を保持する力が弱いことを表す。
半径方向の記録信号92内における再生信号94は、記録信号の中心96から離れるに従って磁気が弱くなる。一方、再生信号94は、記録信号92を超えた位置においても幅広く存在しており、この幅広く存在する再生信号が隣接するトラックのノイズとなっている。トラック間の距離が近接する近日の磁気ディスクでは、このようなノイズが再生信号94の障害となり、記録品質を低下させている。
従って、トラック記録密度が向上する一方で記録領域の記録品質を確保する必要も生じてくるのだが、従来からある評価方法では、その測定に多大な時間を費やし、磁気ディスク評価の時間効率および生産効率の低下を招いていた。本願発明者らは、測定すべき周波数帯域全域において均一にスペクトラム解析を行わなくとも、均一に測定したときと等しいレベルで、磁気ディスクの信号対ノイズ比(Signal Noise Ratio、以下「SNR」という。)を評価できることを見出した。
(評価方法)
図3は、本実施形態による評価方法の流れを示したフローチャートである。かかる磁気ディスクのSNRを評価する磁気ディスクの評価方法では、先ず、磁気ディスク装置として組み立てられた磁気ディスク50を回転させ、ACイレースによる初期化を行い、記録ヘッドを磁気ディスク50の半径方向に移動し、磁気ディスク上の任意の位置に停止させた後、磁気ディスク50に特定周波数の試験信号を記録させる(S100)。かかる信号記録工程(S100)により、磁気ディスク50の任意のトラックには特定周波数の試験信号が記録される。
次に、再生ヘッドを磁気ディスク50の半径方向に移動させつつ、記録ヘッドによって記録された信号の再生出力が最大となる位置(オントラック位置)を探索する(S102)。かかるオントラック位置は、図2における再生信号94の中心96にあたる。かかるオントラック測定工程(S104)により、記録ヘッドと再生ヘッドのオフセットに拘わらず、記録トラックの中心96を特定することが可能となる。
続いて、オントラック位置に再生ヘッドを位置させたまま、オントラック位置における再生信号を再生し、その再生した信号をスペクトラムアナライザ(例えば、電磁変換特性測定装置RH4160E:日立ハイテクノロジー製)を用いてスペクトラム解析し、信号とノイズとを分離して該信号とノイズとの比であるSNRを導出する(S104)。かかるオントラック測定工程(S104)において、スペクトラムアナライザを用いることにより、再生出力を信号とノイズに確実に分離することが可能となり、オントラック位置におけるSNRを容易に導き出すことができる。
ここで、上記スペクトラム解析(Spectrum SNR)による信号とノイズとの分離について詳細に説明する。信号記録工程(S100)で磁気ディスク50に記録された特定周波数の試験信号は、オントラック測定工程(S104)で再生され、周波数軸に展開される。
図4は、周波数軸に展開されたスペクトラム特性を説明するための説明図である。かかる図4を参照すると、再生された信号の周波数成分は、記録された特定周波数と同周波数の信号200のレベルが高く、その信号の複数次の高調波202も抽出される。また、その下側にはベースノイズとしてのノイズ成分204が全測定周波数(0〜最大記録周波数×1.2倍)に渡って測定される。そして、展開された周波数に基づいて、記録信号に関する信号(信号200および高調波202)と、ノイズ成分204とが分離される。分離された信号とノイズの面積比を対数[dB]で表し、その値をSNRとしている。
本実施形態の評価方法を遂行するための準備として、まず、均一なサンプリングステップ幅で上記スペクトラム解析を行う。その結果を用いて、スペクトラム特性の変化が単調な領域を抽出し、その領域のサンプリングステップ幅を他の周波数帯域より広く(粗く)設定して本実施形態を遂行する。このようなサンプリングの間引きが可能なのは、スペクトラム特性を、レベルが複雑に変化する領域と、変化が単調な領域とに分けることができるからであり、本実施形態では、この変化が単調な領域のサンプリングステップ幅を広くとることによって、従来のスペクトラム解析の精度を維持しつつ、短時間の測定を可能にする。
図5は、本実施形態によるスペクトラム解析を説明するための説明図である。ここでは、上述したように、変化が単調な周波数領域のサンプリングステップ幅を広くとって、測定を行っている。また、磁気ディスクに記録可能な最大記録周波数をa(MHz)とした場合、測定範囲を0(Hz)〜6/5×a(MHz)に設定する。このように最大記録周波数aの1.2倍(6/5倍)まで測定することで、十分な周波数帯域の特性を得ることができる。
上記測定範囲(0(Hz)〜6/5×a(MHz))内において、まず、周波数0Hz〜1/6×a(MHz)のLF(Low Frequency)では、2MHz以下の細かいサンプリングステップ幅でサンプリングを行い、1/6×a(MHz)〜14/15×a(MHz)のMF(Middle Frequency)では、2MHz以上の大きなサンプリングステップ幅でサンプリングを行う。最も高い14/15×a(MHz)〜6/5×a(MHz)のHF(High Frequency)では、LF同様、2MHz以下の細かいサンプリングステップ幅でサンプリングを行う。続いて、そのサンプリングステップ幅に基づく積分面積を計算し、それぞれの領域LF、MF、HFのノイズ成分を全て加算したノイズと、特定周波数成分に関する信号とからSNRを導出する。
本実施形態では、MF(1/6×a(MHz)〜14/15×a(MHz))の領域のみ、サンプリングステップ幅を広くすることで、その間の測定時間を大幅に短縮することができ、総合的な評価時間の高効率化を図ることが可能となる。このような測定簡略化の対象は、MF領域に見られるような、変化が単調な領域で行われるため測定精度が劣化することはない。
上記MFの周波数、1/6×a(MHz)および14/15×a(MHz)は、実験の結果から導き出された数値であり、スペクトラム解析のプロファイル形状において、線形推移と見なせる周波数帯域を抽出したものである。
このようにMFの領域においてサンプリングステップ幅を広くできる理由は、磁気記録層60の磁性粒子の粒径に関係している。粒径の大きい磁性粒子は、LFの領域のノイズ発生源となり、粒径の小さい磁性粒子は、HFの領域のノイズ発生源となる。磁気記録層60内での磁性粒子の粒径は、ほぼ正規分布に従って分布し、標準的な粒径の磁性粒子はその数も多く周波数特性も偏り難い。従って、MFの領域におけるレベルの変化が単調になる。一方、粒径が標準より大きいまたは小さい磁性粒子は、その数も少なく、均一な周波数特性にならず、レベルの変化が単調にならない。よって、レベルの変化が単調となるMFのサンプリングステップ幅を広くとることができる。
また、評価時間のさらなる短縮化を図るために、上述したLFやHFの領域も結果に影響が出ない程度、サンプリングステップ幅を広げるとしてもよい。この場合においてもMFのサンプリングステップ幅は、LFやHFのサンプリングステップ幅より広くとることが望ましい。
また、当該磁気ディスクの評価方法は、磁気ディスクに記録される試験信号の特定周波数を変化させて、複数回実行されてもよい。かかる構成により様々な特定周波数に対する記録品質を保証することが可能となる。
上述したような評価方法では、測定時間が短縮されるため、従来問題となっていた熱ドリフトも回避することができ、相乗的に高い精度で磁気ディスクを評価することができる。
<比較例>
次に、測定全範囲において均等に周波数スペクトラムを導出する従来の評価方法と、本実施形態の評価方法とを比較する。ここでは、記録する特定周波数を108MHz、最大記録周波数を216MHzとし、本実施形態による実施例のLFやHFのサンプリングステップ幅も比較例のサンプリングステップ幅より広げ、さらにMFのサンプリングステップ幅を広くとっている。従って、本実施形態による実施例と従来の比較例とのサンプリングステップ幅およびサンプリング数は図6のようになる。図6によると本実施形態の実施例では、サンプル数が58ポイントとなり、従来の比較例の261ポイントに比べ4.5倍の速度で評価可能なことが理解できる。
図7は、実施例のスペクトラム特性であり、図8は、比較例のスペクトラム特性である。図7および図8を参照すると、実施例と比較例のスペクトラム特性はほぼ同一の軌跡をとることが分かる。両者のノイズ成分の合致度を計算すると、その値は99.89%となった。総合的な評価時間も比較例における24秒に対して、実施例では17秒となった。実施例では、スペクトラムアナライザの設定切り換えの時間も含まれているが、それでも、時間効率の向上ならびに熱ドリフトの低減を十分に図れることが分かる。このような評価で良好な記録品質が保証された磁気ディスクは、高いTPIおよびBPIの記録密度にも適用することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は、円盤状に形成された磁気ディスクの信号対ノイズ比を評価する磁気ディスクの評価方法に適用可能である。
垂直磁気記録方式による磁気ディスクの構造を示した断面図である。 磁気ディスク半径方向の信号の再生出力を模式的に示した説明図である。 本実施形態による評価方法の流れを示したフローチャートである。 周波数軸に展開されたスペクトラム特性を説明するための説明図である。 本実施形態によるスペクトラム解析を説明するための説明図である。 実施例と比較例の測定条件を示した説明図である。 実施例のスペクトラム特性である。 比較例のスペクトラム特性である。 従来の磁気記録再生ヘッドを示した斜視図である。 分離した磁気記録再生ヘッドを示した斜視図である。 記録ヘッドと再生ヘッドの位置関係を示した説明図である。 熱ドリフトの推移を説明するための説明図である。
符号の説明
S100 信号記録工程
S102 オントラック探索工程
S104 オントラック測定工程

Claims (4)

  1. 円盤状に形成された磁気ディスクの信号対ノイズ比を評価する磁気ディスクの評価方法であって、
    前記磁気ディスクを回転させ、記録ヘッドを該磁気ディスクの半径方向に移動し、任意の位置で該磁気ディスクに特定周波数の試験信号を記録させる信号記録工程と、
    再生ヘッドを前記磁気ディスクの半径方向に移動させつつ、前記記録された信号の再生出力が最大となる位置であるオントラック位置を探索するオントラック探索工程と、
    前記オントラック位置において、前記再生ヘッドで前記記録された信号を再生し、その再生信号を周波数軸に展開してスペクトラム解析を行い、信号とノイズとを分離して該信号とノイズとの比を導出するオントラック測定工程と、
    を含み、
    前記スペクトラム解析では、レベルが線形に推移する周波数帯域におけるサンプリングステップ幅を他の周波数帯域より広くとることを特徴とする、磁気ディスクの評価方法。
  2. 前記スペクトラム解析は、前記磁気ディスクへの最大記録周波数の1.2倍の周波数までの範囲で実行されることを特徴とする、請求項1に記載の磁気ディスクの評価方法。
  3. 前記レベルが線形に推移する周波数帯域は、前記最大記録周波数の1/6の周波数から14/15の周波数までであることを特徴とする、請求項2に記載の磁気ディスクの評価方法。
  4. 当該磁気ディスクの評価方法は、前記磁気ディスクに記録される試験信号の特定周波数を変化させて、複数回実行されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の磁気ディスクの評価方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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DE112009000690T5 (de) 2008-03-27 2011-03-24 Nisshin Steel Co., Ltd. Tintenstrahldruckfarbenzusammensetzung für Ätzresists
JP2011163985A (ja) * 2010-02-10 2011-08-25 Amikku:Kk 非破壊診断方法

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