JP2008083228A - カラーフィルタ用感光性組成物、カラーフィルタ、及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
さらに、本発明の他の目的は、本発明の感光性組成物を用いてなる、高色再現性を有し、形状が良好な着色パターンを有するカラーフィルタ、及び該カラーフィルタを高い生産性で製造しうる製造方法を提供することにある。
また本発明の目的は、該カラーフィルタを有する液晶表示素子を提供することにある。
【解決手段】(A)着色剤、(B)アルカリ可溶性樹脂、(C)親水性基及びエチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物、(D)チオール化合物、(E)ロフィンダイマー、(F)増感色素、及び(G)溶剤、を含有するカラーフィルタ用感光性組成物。
【選択図】なし
Description
液晶ディスプレイは、表示装置としてCRTと比較すると、コンパクトであり、且つ、性能面では同等以上であることから、テレビ画面、パソコン画面、その他の表示装置としてCRTに置き換わりつつある。また、近年では、液晶ディスプレイの開発の動向は、画面が比較的小面積であった従来のモニター用途から、画面が大型で高度な画質が求められるTV用途に向かいつつある。
また、カラーフィルタの如く着色剤を高濃度に含有する場合は、さらに露光が支持体界面まで到達しにくいことから、更なる高感度化が望まれている。
また基板サイズの大型化にともない、現像工程において現像液中でも長時間パターン形状を維持し、パターンに欠けや剥がれのない、高感度な感光性組成物が求められている。
また、アルカリ溶解性向上のために、特定の(メタ)アクリレートモノマーを含有する感光性組成物も提案されている(特許文献2参照)。
しかしいずれも、露光重合度の向上とアルカリ溶解性の向上の両立ができていないのが現状である。
すなわち、本発明の目的は、着色剤を高濃度に含有する場合であっても、高感度で硬化し、かつ未硬化部分の除去性に優れ、良好なパターン形成性を有するカラーフィルタ用感光性組成物を提供することにある。
さらに、本発明の他の目的は、本発明の感光性組成物を用いてなる、高色再現性を有し、形状が良好な着色パターンを有するカラーフィルタ、及び該カラーフィルタを高い生産性で製造しうる製造方法を提供することにある。
また本発明の目的は、該カラーフィルタを有する液晶表示素子を提供することにある。
<2> 前記(C)光重合性化合物のエチレン性不飽和結合数が2以上であることを特徴とする前記<1>に記載のカラーフィルタ用感光性組成物。
<3>前記(C)光重合性化合物の親水性基数が4以上であることを特徴とする前記<1>または<2>に記載のカラーフィルタ用感光性組成物。
<5>前記チオール化合物が下記一般式(I)で表される構造を有することを特徴とする前記<1>乃至<4>のいずれかに記載のカラーフィルタ用感光性組成物。
<8>支持体上に、前記<1>乃至<6>のいずれかに記載のカラーフィルタ用感光性組成物を塗布して着色硬化性組成物層を形成する工程と、前記着色硬化性組成物層をマスクを介して露光する工程と、露光後の前記着色硬化性組成物層を現像して着色パターンを形成する工程と、を含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
<9>前記<7>に記載のカラーフィルタを有する液晶表示素子。
さらに、本発明の感光性組成物を用いてなる、高色再現性を有し、形状が良好な着色パターンを有するカラーフィルタ、及び該カラーフィルタを高い生産性で製造しうる製造方法を提供することができる。また、該カラーフィルタを有する液晶表示素子を提供することができる。
本発明のカラーフィルタ用感光性組成物は、(A)着色剤、(B)アルカリ可溶性樹脂、(C)親水性基及びエチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物(以下、特定光重合性化合物と称する場合がある。)、(D)チオール化合物、(E)ロフィンダイマー、(F)増感色素、及び(G)溶剤、を含有することを特徴とする。
以下、本発明のカラーフィルタ用感光性組成物(以下、単に「感光性組成物」と称する場合がある。)に含有される各成分について順次説明する。
本発明に用いることができる(C)特定光重合性化合物は、少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物であり、かつ分子内に親水性基を有する化合物である。
本発明の特定光重合性化合物は上記のごとく多官能であることから、該特定光重合性化合物と、後述する特定の光重合開始剤と併用することで、露光部では高感度で硬化し高い重合度が得られ、未露光部では、アルカリ水溶液による除去性に優れる。
感度の点では1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合、2官能以上が好ましい。また、硬化膜の強度を高くするためには、3官能以上のものがよく、更に、異なる官能数・異なる重合性基(例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、ビニルエーテル系化合物)のものを併用することで、感度と強度の両方を調節する方法も有効である。
アルカリ溶解性の点では1分子あたりの親水性基含量が多い構造が好ましく、4官能以上が好ましい。また親水性基としてアルキレンオキシド基を含有する重合性化合物が最も好ましい。
また、感光性組成物に含有される他の成分(例えば、光重合開始剤、着色剤(顔料、染料)等、バインダーポリマー等)との相溶性、分散性に対しても、付加重合化合物の選択・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や、2種以上の併用により相溶性を向上させうることがある。また、基板等との密着性を向上させる目的で特定の構造を選択することもあり得る。
本発明の感光性組成物は着色剤を含有する。
本発明の感光性組成物に含有される着色剤には特に制限はなく、従来公知の種々の染料や顔料を1種又は2種以上混合して用いることができる。該着色剤としては、耐光性の観点から、顔料であることが好ましい。
C.I.ピグメント イエロー 11, 24, 31, 53, 83, 93, 99, 108, 109, 110, 138, 139, 147, 150, 151, 154, 155, 167, 180, 185, 199, ;
C.I.ピグメント オレンジ36, 38, 43, 71;
C.I.ピグメント レッド81, 105, 122, 149, 150, 155, 171, 175, 176, 177,209, 220, 224, 242, 254, 255, 264, 270;
C.I.ピグメント バイオレット 19, 23, 32, 39;
C.I.ピグメント ブルー 1, 2, 15, 15:1, 15:3, 15:6, 16, 22, 60, 66;
C.I.ピグメント グリーン 7, 36, 37;
C.I.ピグメント ブラウン 25, 28;
C.I.ピグメント ブラック 1, 7;
カーボンブラック等を挙げることができる。
C.I.ピグメント オレンジ36, 71,
C.I.ピグメント レッド 122, 150, 171, 175, 177, 209, 224, 242, 254, 255, 264,
C.I.ピグメント バイオレット 19, 23, 32,
C.I.ピグメント ブルー 15:1, 15:3, 15:6, 16, 22, 60, 66,
C.I.ピグメント ブラック 1
本発明の感光性組成物に含有される着色剤として使用できる染料は、特に制限はなく、従来カラーフィルタ用として公知の染料が使用できる。例えば、特開昭64−90403号公報、特開昭64−91102号公報、特開平1−94301号公報、特開平6−11614号公報、特登2592207号、米国特許第4,808,501号明細書、米国特許第5,667,920号明細書、米国特許第5,059,500号明細書、特開平5−333207号公報、特開平6−35183号公報、特開平6−51115号公報、特開平6−194828号公報、特開平8−211599号公報、特開平4−249549号公報、特開平10−123316号公報、特開平11−302283号公報、特開平7−286107号公報、特開2001−4823号公報、特開平8−15522号公報、特開平8−29771号公報、特開平8−146215号公報、特開平11−343437号公報、特開平8−62416号公報、特開2002−14220号公報、特開2002−14221号公報、特開2002−14222号公報、特開2002−14223号公報、特開平8−302224号公報、特開平8−73758号公報、特開平8−179120号公報、特開平8−151531号公報等に開示されている色素が使用できる。
その他、直接染料、塩基性染料、媒染染料、酸性媒染染料、アゾイック染料、分散染料、油溶染料、食品染料、および/または、これらの誘導体等も有用に使用することができる。
以下に酸性染料の具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。例えば、
acid alizarin violet N;acid black 1,2,24,48;acid blue 1,7,9,15,18,23,25,27,29,40,45,62,70,74,80,83,86,87,90,92,103,112,113,120,129,138,147,158,171,182,192,243,324:1;acid chrome violet K;acid Fuchsin;acid green 1,3,5,9,16,25,27,50;acid orange 6,7,8,10,12,50,51,52,56,63,74,95;acid red 1,4,8,14,17,18,26,27,29,31,34,35,37,42,44,50,51,52,57,66,73,80,87,88,91,92,94,97,103,111,114,129,133,134,138,143,145,150,151,158,176,183,198,211,215,216,217,249,252,257,260,266,274;acid violet 6B,7,9,17,19;acid yellow 1,3,7,9,11,17,23,25,29,34,36,42,54,72,73,76,79,98,99,111,112,114,116,184,243;Food Yellow 3;およびこれらの染料の誘導体が挙げられる。
また、上記以外の、アゾ系、キサンテン系、フタロシアニン系の酸性染料も好ましく、C.I.Solvent Blue 44、38;C.I.Solvent orange 45;Rhodamine B、Rhodamine 110等の酸性染料およびこれらの染料の誘導体も好ましく用いられる。
また、本発明において使用しうる顔料の二次粒子の粒径分布(以下、単に「粒径分布」という。)は、(平均粒径±100)nmに入る二次粒子が全体の70質量%以上、好ましくは80質量%以上であることが望ましい。
着色剤が少なすぎると、本発明の感光性組成物によりカラーフィルタを作製した際に、適度な色度が得られなくなる傾向がある。一方、多すぎると光硬化が充分に進まず膜としての強度が低下したり、また、アルカリ現像の際の現像ラチチュードが狭くなる傾向がある。
本発明における感光性組成物は、アルカリ可溶性樹脂(以下、「本発明に係るバインダー」ともいう。)の少なくとも一種を含有する。本発明に係るバインダーとしては、アルカリ可溶性であれば特に限定されないが、耐熱性、現像性、入手性等の観点から選ばれることが好ましい。
このような「線状有機ポリマー」としては、公知のものを任意に使用できる。好ましくは水現像あるいは弱アルカリ水現像を可能とするために、水あるいは弱アルカリ水に可溶性又は膨潤性である線状有機ポリマーが選択される。線状有機ポリマーは、皮膜形成剤としてだけでなく、水、弱アルカリ水あるいは有機溶剤現像剤としての用途に応じて選択使用される。
例えば、水可溶性有機ポリマーを用いると水現像が可能になる。このような線状有機ポリマーとしては、側鎖にカルボン酸基を有するラジカル重合体、例えば特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭54−92723号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号に記載されているもの、すなわち、カルボキシル基を有するモノマーを単独あるいは共重合させた樹脂、酸無水物を有するモノマーを単独あるいは共重合させ酸無水物ユニットを加水分解もしくはハーフエステル化もしくはハーフアミド化させた樹脂、エポキシ樹脂を不飽和モノカルボン酸および酸無水物で変性させたエポキシアクリレート等が挙げられる。カルボキシル基を有するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、4-カルボキシルスチレン等があげられ、酸無水物を有するモノマーとしては、無水マレイン酸等が挙げられる。
また同様に側鎖にカルボン酸基を有する酸性セルロース誘導体がある。この他に水酸基を有する重合体に環状酸無水物を付加させたものなどが有用である。
(2)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸−2−クロロエチル、グリシジルアクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート、ビニルアクリレート、2−フェニルビニルアクリレート、1−プロペニルアクリレート、アリルアクリレート、2−アリロキシエチルアクリレート、プロパルギルアクリレート等のアルキルアクリレート。
(4)アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−ヘキシルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−ニトロフェニルアクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド、ビニルアクリルアミド、ビニルメタクリルアミド、N,N−ジアリルアクリルアミド、N,N−ジアリルメタクリルアミド、アリルアクリルアミド、アリルメタクリルアミド等のアクリルアミド若しくはメタクリルアミド。
(6)ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルブチレート、安息香酸ビニル等のビニルエステル類。
(7)スチレン、α−メチルスチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレン、p−アセトキシスチレン等のスチレン類。
(8)メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトン等のビニルケトン類。
(9)エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン類。
(11)マレイミド、N−アクリロイルアクリルアミド、N−アセチルメタクリルアミド、N−プロピオニルメタクリルアミド、N−(p−クロロベンゾイル)メタクリルアミド等の不飽和イミド。
(12)α位にヘテロ原子が結合したメタクリル酸系モノマー。例えば、特願2001−115595号明細書、特願2001−115598号明細書等に記載されている化合物を挙げる事ができる。
また、欧州特許993966、欧州特許1204000、特開2001−318463等に記載の酸基を有するアセタール変性ポリビニルアルコール系バインダーポリマーは、膜強度、現像性のバランスに優れており、好適である。
さらにこの他に水溶性線状有機ポリマーとして、ポリビニルピロリドンやポリエチレンオキサイド等が有用である。また硬化皮膜の強度を上げるためにアルコール可溶性ナイロンや2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンとエピクロロヒドリンのポリエーテル等も有用である。
本発明において用いうるアルカリ可溶性樹脂を合成する際に用いられるラジカル重合開始剤としては、アゾ系開始剤、過酸化物開始剤等公知の化合物が挙げられる。
また、これらのアルカリ可溶性樹脂は、ランダムポリマー、ブロックポリマー、グラフトポリマー等いずれでもよい。
本発明の光重合開始剤は、光により分解し、前述の重合性化合物の重合を開始、促進する化合物であり、波長300〜500nmの領域に吸収を有するものであることが好ましい。また、光重合開始剤は、単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。
ヘキサアリールビイミダゾール化合物としては、例えば、特公平6−29285号公報、米国特許第3,479,185号、同第4,311,783号、同第4,622,286号、特公昭45−37377号、特公昭44−86516号記載のロフィンダイマー類、具体的には、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロモフェニル))4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(m−メトキシフェニル)ビイジダゾール、2,2’−ビス(o,o’−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ニトロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−メチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール等が挙げられる。
また、その他の好ましいスルホニウム塩としては、トリアリールスルホニウム塩の1つの置換基がクマリン、アントアキノン構造を有し、300nm以上に吸収を有するスルホニウム塩が挙げられる。別の好ましいスルホニウム塩としては、トリアリールスルホニウム塩が、アリロキシ基、アリールチオ基を置換基に有する300nm以上に吸収を有するスルホニウム塩が挙げられる。
本発明におけるチオール化合物は、共増感剤として作用することができるものである。共増感剤は、増感色素や開始剤の活性放射線に対する感度を一層向上させる、あるいは酸素による重合性化合物の重合阻害を抑制する等の作用を有する。
チオール化合物として具体的には、エチレングリコールビスチオプロピオネート(EGTP)、ブタンジオールビスチオプロピオネート(BDTP)、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート(TMTP)、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート(PETP)、下記式で表されるTHEIC−BMPA等のメルカプトプロピオン酸誘導体;エチレングリコールビスチオグリコレート(EGTG)、ブタンジオールビスチオグリコレート(BDTG)、ヘキサンジオールビスチオグリコレート(HDTG)、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート(TMTG)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート(PETG)等のチオグリコール酸誘導体;1,2−ベンゼンジチオール、1,3−ベンゼンジチオール、1,2−エタンジチオール、1,3−プロパンジチオール、1,6−ヘキサメチレンジチオール、2,2’−(エチレンジチオ)ジエタンチオール、meso−2,3−ジメルカプトコハク酸、p−キシレンジチオール、m−キシレンジチオール等のチオール類;ジ(メルカプトエチル)エーテル等のメルカプトエーテル類を例示することができる。これらは、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記アルキル基としては、炭素原子数が1から20までの直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を挙げることができ、炭素原子数1から12までの直鎖状、炭素原子数3から12までの分岐状、並びに炭素原子数5から10までの環状のアルキル基がより好ましい。
その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、2−ノルボルニル基等を挙げることができる。
この原子団を構成する原子としては、炭素原子、窒素原子、水素原子、硫黄原子、セレン原子等が挙げられる。
なお、AとN=C−Nとで形成されるヘテロ環は、更に置換基を有していてもよく、導入しうる置換基としては、上記アルキル基やアリール基に導入可能な置換基と同様のものが挙げられる。
また、一般式(II)及び(III)におけるアリール基は、一般式(I)のRで表されるアリール基と同義であり、その好ましい範囲も同様である。
一般式(II)中、R1は、フェニル基であることが、感度とPGMEA溶解性の観点で最も好ましい。
一般式(III)中、R2は、メチル基、エチル基、フェニル基、ベンジル基であることが、感度とPGMEA溶解性の観点でより好ましい。
本発明は、ラジカル開始剤のラジカル発生効率の向上、感光波長の長波長化の目的で、増感色素を含有する。
本発明に用いることができる増感色素としては、ラジカル開始剤に対し、電子移動機構又はエネルギー移動機構で増感させるものが好ましく、アミノベンゼン誘導体、アルコキシベンゼン誘導体、アルキルチオベンゼン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体から選択される少なくとも1つの化合物であるのが好ましい。
好ましい増感色素の例としては、以下の化合物類に属しており、かつ330nmから450nm域に吸収波長を有するものを挙げることができる。
例えば、多核芳香族類(例えば、フェナントレン、アントラセン、ピレン、ペリレン、トリフェニレン、9,10−ジアルコキシアントラセン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、チオキサントン類(イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、クロロチオキサントン)、シアニン類(例えばチアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、フタロシアニン類、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、アクリジンオレンジ、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン)、ケトクマリン、フェノチアジン類、フェナジン類、スチリルベンゼン類、アゾ化合物、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、ジスチリルベンゼン類、カルバゾール類、ポルフィリン、スピロ化合物、キナクリドン、インジゴ、スチリル、ピリリウム化合物、ピロメテン化合物、ピラゾロトリアゾール化合物、ベンゾチアゾール化合物、バルビツール酸誘導体、チオバルビツール酸誘導体、アセトフェノン、ベンゾフェノン、チオキサントン、ミヒラーズケトンなどの芳香族ケトン化合物、N−アリールオキサゾリジノンなどのヘテロ環化合物などが挙げられる。
より好ましい増感色素の例としては、下記一般式(D−1)〜(D−4)で表される化合物が挙げられる。
増感色素は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、本明細書においては、化学式は簡略構造式により記載することもあり、特に元素や置換基の明示がない実線等は、炭化水素基を表す。また、下記具体例において、Meはメチル基を、Etはエチル基を、Buはブチル基を、n−Buはn−ブチル基を、Phはフェニル基を表す。
例えば、当該増感色素と、付加重合性化合物構造(例えば、アクリロイル基やメタクリロイル基)とを、共有結合、イオン結合、水素結合等の方法により結合させることで、露光膜の高強度化や、露光後の膜からの増感色素の不要な析出抑制を行うことができる。
また、当該増感色素と前述する光重合開始剤におけるラジカル発生能を有する部分構造(例えば、ハロゲン化アルキル、オニウム、過酸化物、ビイミダゾール等の還元分解性部位や、ボレート、アミン、トリメチルシリルメチル、カルボキシメチル、カルボニル、イミン等の酸化解裂性部位)との結合により、特に開始系の濃度の低い状態での感光性を著しく高めることができる。
本発明の感光性組成物は、少なくとも1種類の(G)溶剤を含む。
具体的には、前記溶剤は、グリコールエーテル系溶剤、アルコール系溶剤、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、アミド系溶剤及び塩素含有溶剤から選ばれることが好ましい。
また、本発明の感光性組成物においては、上記溶剤を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の感光性組成物が(A)着色剤として顔料を含有する場合、該顔料の分散性を向上させる観点から、分散剤を添加することが好ましい。
高分子分散剤は、その構造からさらに直鎖状高分子、末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子に分類することができる。
具体的には、高分子分散剤を用いる場合であれば、その使用量としては、顔料に対して、5〜100質量%の範囲が好ましく、10〜80質量%の範囲がより好ましい。また、顔料誘導体を使用する場合であれば、その使用量としては、顔料に対し1〜30質量%の範囲にあることが好ましく、3〜20質量%の範囲にあることがより好ましく、5〜15質量%の範囲にあることが特に好ましい。
本発明においては、感光性組成物の製造中あるいは保存中において重合可能なエチレン性不飽和二重結合を有する化合物の不要な熱重合を阻止するために少量の熱重合防止剤を添加することが望ましい。
本発明に用いうる熱重合防止剤としては、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4'−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン第一セリウム塩等が挙げられる。
本発明においては、基材である硬質表面(基板)との密着性を向上させるために、密着向上剤を添加することもできる。密着向上剤としては、シラン系カップリング剤、チタンカップリング剤等が挙げられる。
中でもγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、が好ましく、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが最も好ましい。
次に、本発明のカラーフィルタ及びその製造方法について説明する。
本発明のカラーフィルタは、支持体上に、本発明のカラーフィルタ用感光性組成物を用いてなる着色パターンを有することを特徴とする。
以下、本発明のカラーフィルタについて、その製造方法(本発明のカラーフィルタの製造方法)を通じて詳述する。
以下、本発明の製造方法における各工程について説明する。
着色硬化性組成物層形成工程では、支持体上に、本発明の硬化性組成物を塗布して着色硬化性組成物層を形成する。
また、これらの支持体上には、必要により、上部の層との密着改良、物質の拡散防止或いは基板表面の平坦化のために下塗り層を設けてもよい。
露光工程では、前記着色硬化性組成物層形成工程において形成された着色硬化性組成物層をマスクを介して露光し、光照射された塗布膜部分だけを硬化させる。
露光は放射線の照射により行うことが好ましく、露光に際して用いることができる放射線としては、特に、g線、i線等の紫外線が好ましく用いられ、高圧水銀灯がより好まれる。照射強度は5mJ〜1500mJが好ましく10mJ〜800mJがより好ましく、10mJ〜500mJが最も好ましい。
露光工程に次いで、アルカリ現像処理(現像工程)を行い、露光工程における光未照射部分をアルカリ水溶液に溶出させる。これにより、光硬化した部分だけが残る。
現像温度としては通常20℃〜30℃であり、現像時間は20〜90秒である。
本発明におけるカラーフィルタは、液晶表示素子、電気泳動表示素子、エレクトロクロミック表示素子、PLZT等と組合せて表示素子として用いられる。カラーカメラやその他のカラーフィルタとして用いる用途にも使用できる。
本発明の表示装置は、既述の本発明のカラーフィルタを設けて構成されたものであり、このカラーフィルタは既述の本発明のカラーフィルタの製造方法により作製されるので、光漏れが抑えられており、色相が良好で表示ムラを防止した優れた表示品位の画像表示が可能である。
≪赤色分散液の調製≫
下記RED組成Aを3000rpmの条件でホモジナイザーを用いて1時間撹拌した。得られた混合溶液を、0.3mmジルコニアビーズを用いたビーズ分散機(商品名:ディスパーマット、GETZMANN社製)にて4時間微分散処理を施し、分散物を得た。
・Pigment Red 254 (SEM観察での平均粒子径20nm) 11部
・Pigment Red 177 (SEM観察での平均粒子径18nm) 4部
・分散剤(商品名:Disperbyk−161、ビックケミー社製) 8部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの30%溶液
・アルカリ可溶性樹脂:ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 4部
(=75/25[質量比]共重合体、重量平均分子量Mw:5000)の
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(固形分:50質量%)
・溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 73部
下記RED組成Bを混合撹拌し、感光性組成物の塗布液を得た。
−RED組成B−塗布液
・上記RED組成Aの分散液 100部
・エポキシ樹脂:(商品名 EHPE3150 ダイセル化学製) 2部
・重合性化合物:エトキシ化ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(EO数12)
8部・重合開始剤:2,2’-ビス(O-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニルビイミダゾール 1.5部
・ミヒラーズケトン 0.5部
・メルカプトベンゾチアゾール 0.5部
・重合禁止剤:p−メトキシフェノール 0.001部
・アルカリ可溶性樹脂:ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 8部
(=75/25[質量比]共重合体、重量平均分子量Mw:5000)の
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(固形分:50質量%)
・フッソ系界面活性剤:(商品名 Megafac R30 大日本インキ製)0.01部
・溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 80部
実施例1の重合性化合物、重合開始剤を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして、感光性組成物の塗布液を得た。
1.硬化性組成物層の形成
上記顔料を含有する硬化性組成物をレジスト溶液として、550mm×650mmのガラス基板に下記条件でスリット塗布した後、10分間そのままの状態で待機させ、真空乾燥とプレベーク(prebake)(100℃80秒)を施して感光性組成物膜を形成した。
(スリット塗布条件)
塗布ヘッド先端の開口部の間隙:50μm
塗布速度:100mm/秒
基板と塗布ヘッドとのクリアランス:150μm
塗布厚(乾燥厚):2μm
塗布温度:23℃
その後、感光性組成物膜を、5kwの超高圧水銀灯を用いて、フォトマスクを通してパターン状に露光し、露光後、塗布膜の全面を有機系現像液(商品名:CDK-1 富士フイルムアーチ(株)製)の1%水溶液で被い、90秒間静止した。
3.加熱処理
静止後、純水をシャワー状に噴射して現像液を洗い流し、かかる光硬化処理及び現像処理を施した塗布膜を220℃のオーブンにて1時間加熱した(ポストベーク)。
以上1〜3の工程を必要な色毎に繰り返して、カラーフィルターを形成した。
上記で形成した感光性組成物膜の露光感度、現像マージン、残渣、パターン断面形状を下記のようにして評価した。結果を表2に示す。
1.塗布膜(着色層)の露光感度、
露光量を10〜200mJ/cm2の種々の露光量に変更して露光し、ポストベイク後のパターン線幅がマスク寸法と同等となる露光量を露光感度として評価した。露光感度の値が小さいほど感度が高いことを示す。
2.現像マージン、残渣、パターン断面形状
現像時間を20〜120secの種々の時間に変更して現像し、パターンの形成状態から現像マージンを評価した。
また、ポストベイク後の基板表面および断面形状を光学顕微鏡およびSEMにより観察した。
露光工程において、光が照射されなかった領域(未露光部)のSEM観察による残渣の有無により、残渣を評価した。
○:現像時間40secまでにパターン形成が完了し、120secまでパターン欠陥が無い
△:現像時間60secまでにパターン形成が完了し、100secまでパターン欠陥が無い
×:良好なパターンが形成される領域が40sec以下
○:未露光部には、残渣がまったく確認されなかった。
△:未露光部に、残渣がわずかに確認されたが、実用上問題のない程度であった。
×:未露光部に、残渣が著しく確認された。
◎:テーパー角度が30〜70度範囲(順テーパー)
○:テーパー角度が70〜90度範囲(順テーパー)
△:テーパー角度が90度(矩形)
×:テーパー角度が90度を越える(逆テーパー)
これに対し、比較例の感光性組成物は、露光感度、現像マージン、パターン断面形状のいずれにおいても劣り、さらに未露光部における残渣がみられた。
Claims (9)
- (A)着色剤、(B)アルカリ可溶性樹脂、(C)親水性基及びエチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物、(D)チオール化合物、(E)ロフィンダイマー、(F)増感色素、及び(G)溶剤、を含有するカラーフィルタ用感光性組成物。
- 前記(C)光重合性化合物のエチレン性不飽和結合数が2以上であることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ用感光性組成物。
- 前記(C)光重合性化合物の親水性基数が4以上であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のカラーフィルタ用感光性組成物。
- 前記(C)光重合性化合物の親水性基がアルキレンオキシド基であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のカラーフィルタ用感光性組成物。
- 前記(F)増感色素がアミノベンゼン誘導体、アルコキシベンゼン誘導体、アルキルチオベンゼン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体から選択される少なくとも1つの化合物であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のカラーフィルタ用感光性組成物。
- 支持体上に、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のカラーフィルタ用感光性組成物を用いてなる着色パターンを有することを特徴とするカラーフィルタ。
- 支持体上に、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のカラーフィルタ用感光性組成物を塗布して着色硬化性組成物層を形成する工程と、前記着色硬化性組成物層をマスクを介して露光する工程と、露光後の前記着色硬化性組成物層を現像して着色パターンを形成する工程と、を含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
- 請求項7に記載のカラーフィルタを有する液晶表示素子。
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