JP2008082712A - 圧力センサ素子 - Google Patents

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Seiji Motojima
栖二 元島
Toshikazu Sekine
敏和 関根
Kenji Kawabe
憲次 河邊
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Abstract

【課題】構成が簡単で、製造が容易な圧力センサ素子を提供する。
【解決手段】圧力センサ素子10は、絶縁基板11を備え、この絶縁基板11上には、銅等からなる線路導体12が敷設されている。線路導体12は、絶縁基板11の上面において蛇行するように敷設されている。絶縁基板11の下面には、銅等からなるグランド板14が接着固定されている。絶縁基板11の上面には、前記線路導体12に対する導体周辺媒質を形成する媒質16が接着固定されている。媒質16は、誘電性の弾性樹脂やエラストマーからなる母材17と、この母材17中に分散された微少なコイル状炭素と繊維18とにより構成されている。
【選択図】図2

Description

この発明は、例えば平面状の圧力検出面に外部から圧力が加えられた場合、その圧力が加えられた位置と、その圧力の強さとを検知するための圧力センサ素子に関するものである。
従来、前記のように圧力が加えられた位置とその強さとを同時に検出可能な面状の圧力センサ素子は、複数の圧力検出部を2次元的にアレイ化することによって構成されている(例えば、特許文献1,2,3等)。そして、各圧力検出部の出力信号は、その位置を特定するためにマトリックス状に形成された複数の配線を通じて外部に取り出される。
特開平8−327474号公報 特開平10−38720号公報 特開2001−287189号公報
しかしながら、上記従来の圧力センサ素子においては、圧力検出面積を広くしたり検出分解能を上げたりするためには圧力検出部の数を増やす必要があるが、このようにすれば、圧力検出部の数でけではなく、各圧力検出部の出力信号を外部に取り出すための配線の本数も増えて構成が複雑になるとともに、製造が困難となる問題があった。
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、構成が簡単で、製造が容易な圧力センサ素子を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、線路導体と、この線路導体とともに導電路を形成するように線路導体の周囲に設けられた周辺媒質とを備え、前記線路導体の入力端に駆動信号が印可された状態において、外部圧力によって線路導体及び周辺媒質の少なくともいずれか一方が変形された場合に、線路導体の入力端及び出力端において変形された位置と変形度合いに応じた波形の信号が出力されるように構成されたことを特徴とする。
この発明においては、線路導体及び周辺媒質の少なくともいずれか一方が変形するように、センサ素子の任意の位置に外部から圧力が加えられると、線路導体及び周辺媒質の少なくともいずれか一方の変形により、その変形位置における1次分布定数(単位長当たりのインダクタンス、キャパシタンス、抵抗及びコンダクタンス)のうちの少なくとも1つが変形度合いに応じて変化する。この変化は、線路導体の入力端に印可された駆動波形に対する入力端及び出力端の各信号に反映する。そして、入力端及び出力端の各信号の測定値から、圧力が加えられた位置と、その強さとが求められる。従って、圧力が加えられた位置とその圧力の強さとを、線路導体と、周辺媒質とを組み合わせただけの簡単な構成の圧力センサ素子により検出することができる。ゆえに、構成が簡単で、製造が容易な圧力センサが実現される。
請求項2に記載の発明は、線路導体と、該線路導体の周辺媒質とにより構成される分布定数線路を有し、線路導体及び周辺媒質の少なくともいずれか一方に加えられた圧力による線路導体及び周辺媒質の少なくともいずれか一方の変形により同圧力が加えられた位置において同線路導体上における1次分布定数のうち少なくとも1つを変化させるように構成されたことを特徴とする。ここで、1次分布定数とは、単位長当たりのインダクタンスL、キャパシタンスC、抵抗R、コンダクタンスGを意味する。
この発明においては、任意の位置に圧力が加えられると、その位置における線路導体の1次分布定数のうち少なくとも1つが変化する。1次分布定数のうち少なくとも1つが変化した線路導体上の位置は、所定の駆動信号に対する線路導体の入力端信号及び出力端信号に基づいて求めることができる。従って、この1次分布定数の変化位置から、圧力が加えられた位置を把握することが可能となる。さらに、その圧力の強さ、すなわち変形度合いに対する1次分布定数のうち少なくとも1つの変化量との関係を予め把握しておくことにより、実際に加えられた圧力の強さが把握される。なお、線路導体に沿った1次分布定数は、損失としての抵抗及びコンダクタンスを含まない無損失線路でもよく、また、損失としての抵抗及びコンダクタンスのうちの少なくとも1つ少なくとも1つを含む損失線路でもよい。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明に加えて、前記線路導体を絶縁基板と前記周辺媒質との間に挟持したことを特徴とする。
この発明においては、絶縁基板と周辺媒質とにより線路導体を挟持すればよいだけであり、簡単な構成となって圧力センサ素子の製造が容易となる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の発明に加えて、前記周辺媒質は、コイル形状に基づくインダクタンス(L)成分、キャパシタンス(C)成分及び抵抗(R)成分を有してLCR共振回路として機能するコイル状炭素繊維を誘電性の母材中に分散させて構成されたことを特徴とする。
この発明においては、圧力によって媒質が圧縮されることにより、媒質及び媒質中のコイル状炭素繊維が変形する。このため、媒質における電気定数(透磁率μ、誘電率ε、導電率σ)が変化し、この結果、1次分布定数(単位長当たりのインダクタンスL、キャパシタンスC、抵抗R及びコンダクタンスG)のうち少なくとも一つが変化する。従って、線路導体上における1次分布定数の変化を検出することにより、圧力が加えられた位置とその強さとが検出される。
この発明は、圧力センサ素子として、構成が簡単で、製造が容易であるという効果を有する。
(第1実施形態)
次に、この発明を具体化した第1実施形態について図1〜図6に従って説明する。
図1及び図2に示すように、この第1実施形態の圧力センサ素子10は、全体として平板状をなしている。セラミックや合成樹脂からなる平板状の絶縁基板11の上には、銅やアルミニウムの裸線よりなる一本の線路導体12が蛇行状に敷設されている。線路導体12の両端は、絶縁基板11の外部へ引き出されてそれぞれ第1入力端子13a及び第1出力端子13bに接続されている。
絶縁基板11の下面には、銅やアルミニウム等の導体からなるグランド板14が接着固定されている。グランド板14の側面には、それぞれ第2入力端子15a及び第2出力端子15bが接続されている。
絶縁基板11の上面には、線路導体12とともに導電路及び分布定数線路を構成する周辺媒質(以下、単に媒質という)16が接着固定されている。媒質16は、誘電性の弾性樹脂やエラストマーからなる母材17と、この母材17中に分散された微少なコイル状炭素繊維18とにより構成されている。
前記母材17を形成する弾性樹脂としては、例えばシリコーン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、スチレンと熱可塑性エラストマーとの共重合樹脂等を用いることができる。前記コイル状炭素繊維18としては、一重巻きコイル、二重巻きコイル及び超弾性コイルのうちの少なくとも1つ以上が用いられる。母材17中におけるコイル状炭素繊維18の含有量は、1〜20質量%とされている。
前記一重巻きのコイル状炭素繊維18は、例えば線径が1nm〜1μm、コイルの直径が1nm〜100μm、コイルの螺旋ピッチが1nm〜100μm及びコイルの長さが100μm〜10mmとなるように構成されている。製造の容易性等の観点から、コイルの直径は1nm〜10μmであることが好ましく、螺旋ピッチは10nm〜10μmであることが好ましい。さらに、コイルの長さは、母材17中における分散性を確保するために、150μm以下であることが好ましい。また、前記二重巻きのコイル状炭素繊維18は、例えば線径が0.1〜1μm、コイル直径が0.1〜50μm、螺旋ピッチがほぼ0及びコイルの長さが0.1〜10mmとなるように構成されている。また、前記超弾性コイルは、線径に対して直径が大きくされたものであり、コイルの直径が5〜100μm、コイルのピッチが0.1〜10μm及びコイルの長さが0.3〜5mmとなるように構成されている。すなわち、コイル状炭素繊維18とは、炭素繊維が螺旋状に巻回された構造のものに加え、炭素繊維が捻れただけの構造のものをも含む。なお、螺旋状に巻回されたコイル状炭素繊維18の巻き方向は、コイルの軸線を中心として時計方向(右巻き)又は反時計方向(左巻き)のいずれであってもよい。また、捻れただけの構造のコイル状炭素繊維18の捻れ方向は、線の軸線を中心として時計方向(右巻き)又は反時計方向(左巻き)のいずれであってもよい。
この媒質16の等価回路を図3に示す。各コイル状炭素繊維18は、そのコイル形状に基づくインピーダンスを有している。このインピーダンスは、インダクタンス(L)成分、キャパシタンス(C)成分及び抵抗(R)成分よりなる。従って、各コイル状炭素繊維18は、LCR共振回路を構成している。また、各コイル状炭素繊維18は、誘電性の母材17中において互いに容量結合されている。従って、媒質16は、多数のLCR共振回路同士が容量結合された複合的な共振回路となっている。
次に、上記圧力センサ素子10における圧力が加えられた位置及び圧力の強さの検出原理を、圧力センサ素子10を単純化した図4及び図5に示すモデルを用いて説明する。
図4及び図5は、帯状の前記絶縁基板11上に直線状の前記線路導体12が形成されるとともに、この線路導体12が帯状の前記媒質16により覆われた構成の圧力センサ素子10を示す。すなわち、この圧力センサ素子10において、媒質16の上面が圧力検出面19になっている。従って、この圧力センサ素子10は、線路導体12に沿った直線領域に対して圧力が加えられた場合、その位置と強さとを検出する構成である。すなわち、この圧力センサ素子10は、直線状の線路導体12上における1次分布定数(単位長当たりのインダクタンスL、キャパシタンスC、抵抗R、コンダクタンスG)が一定である損失均一線路によって構成されている。なお、線路導体12上における1次分布定数は、線路導体12の構造(幅、厚さ等)及び電気定数(導電率σ)と、媒質16の構造(断面形状、媒質16と線路導体12との位置関係等)と、同じく媒質16の電気定数(透磁率μ 、誘電率ε、導電率σ)とによって決定される。
そして、上記圧力センサ素子10には、図4に示すような電気的構成において、第1及び第2入力端子13a,15a間に駆動装置20から駆動信号(例えばステップ信号)S0が印可される。すると、圧力センサ素子10における第1及び第2入力端子13a,15a間には、その線路導体12における駆動信号とその反射とに基づく入力端信号S1が現れる。また、第1及び第2出力端子13b,15b間には、線路導体12を透過した出力端信号S2が現れる。この入力端信号S1は、第1及び第2入力端子13a,15a間に接続された測定器21により測定される。また、出力端信号S2は、第1及び第2出力端子13b,15b間に接続された測定器22により測定される。そして、圧力センサ素子10は、媒質16の上面の圧力検出面19(図5に図示)に圧力が加えられたときに、前記入力端信号S1及び出力端信号S2の波形パターンを示す測定値から、その圧力が加えられた位置及びその圧力の強さを検出できる。
前記圧力検出作用を詳述すると、図6に示すように、この圧力センサ素子10において、媒質16上の圧力検出面19における任意の位置xに圧力が加えられると、その位置xにおける線路導体12の1次分布定数のうちの少なくとも1つが変化する。この理由は、位置xにおいて媒質16が圧縮されることにより、その位置xにおける媒質16及びコイル状炭素繊維18が変形し、媒質16の電気定数(透磁率μ、誘電率ε、導電率σ)が変化するためである。上記媒質16においては、媒質16の変形度合い、つまり圧縮量に応じてコイル状炭素繊維18が変形する。この変形により電気定数が変化し、この結果、1次分布定数(単位長当たりのインダクタンスL、キャパシタンスC、抵抗R及びコンダクタンスG)が変化する。この圧力センサは、1次分布定数のうち少なくとも一つの変化を検出すればよいため、ここでは抵抗R(x)に着目する。電気定数のうちの導電率σが顕著に大きくなる。従って、上記圧力センサ素子10においては、加えられた圧力に対して1次分布定数のうちの抵抗R(x)が顕著に小さくなり、コンダクタンスG(x)が顕著に大きくなる。図6のグラフは、圧力センサ素子10の位置xに加えられた圧力により、その位置xにおける抵抗R(x)が変化した様子を示している。従って、前記入力端子13a,15a間の前記入力端信号S1、及び、出力端子13b,15b間の出力端信号S2から抵抗R(x)が変化した位置xを求めることにより、圧力が加えられた位置xが分かる。さらに、変形度合いを示す圧力の強弱と、抵抗R(x)の変化量との関係を予め求めておくことにより、加えられた圧力の強さを把握することができる。
次に、第1及び第2入力端子13a,15a間の入力端信号S1、及び、第1及び第2出力端子13b,15b間の出力端信号S2から、媒質16の線路導体12上における1次分布定数を求める手法について説明する。
前記圧力センサ素子10は、前述のように、絶縁基板11上において線路導体12を蛇行させている。この結果、線路導体12がほぼ面状に配置されたことになり、媒質16の圧力検出面19においてどの位置に加えられた圧力であっても精度良くその位置及び強さを検知することができる。
図7に示すようにモデル化した損失不均一線路において、線路導体12の長さ方向における位置が異なることによって変化する1次分布定数L(x),C(x),R(x),G(x)は、線路導体12上における位置x、時刻tでの電圧V(x,t)と電流I(x,t)とを用いて関係式(1),(2)に組み込まれる。
Figure 2008082712
また、その境界条件は、関係式(3),(4)のように表される。
Figure 2008082712
ここで、e(t)は、第1及び第2入力端子13a,15a間に印可される駆動電圧である。また、rは、駆動電源の内部抵抗であり、rは、第1出力端子13bと第2出力端子15bとの間の出力端抵抗である。なお、駆動電圧e(t)は、前記駆動信号S0を表している。また、第1及び第2入力端子13a,15a間の電圧V(0,t)は、前記入力端信号S1の電圧を表し、第1及び第2出力端子13b,15b間の電圧V(l,t)は、前記出力端信号S2の電圧を表している。
ところで、上記関係式(1)〜(4)から各1次分布定数L(x),C(x),R(x),G(x)を求める式を導出することは、関係式(1)〜(4)が解析的に解けないために困難である。そこで、図8(a)〜図8(c)に示すように、実際に所定の駆動電圧e(t)を入力したときにおける、電圧V(0,t)及びV(l,t)の経時的(例えばδt毎)な測定値を用いて、線路導体12上における1次分布定数(L(x),C(x),R(x),G(x))の近似値を求める。すなわち、電圧V(0,t)及びV(l,t)の測定値を上記関係式(1),(2)に代入したときに、同関係式(1),(2)が成立しているものとして、前記近似値を各1次分布定数とする。
そして、上記方法により、圧力センサ素子10の圧力検出面19に圧力が加えられていない状態における線路導体12上の1次分布定数の近似値と、圧力が加えられている状態における同1次分布定数の近似値とを求める。次に、線路導体12上におけるこの2つの1次分布定数の近似値から、1次分布定数の値に変化があった位置xを判別する。また、この線路導体12上における位置xと、圧力検出面19上の2次元位置との対応関係を予め把握しておくことにより、圧力検出面19上において圧力が加えられた位置を求めることができる。さらに、圧力検出面19に加えられた圧力の強さと、この強さに対する1次分布定数の変化量との関係を予め求めておくことにより、実際の圧力の強さを求めることができる。
以上詳述したこの実施形態は、以下の各効果を有する。
(1) 圧力センサ素子10において、任意の位置xにおいて媒質16に圧力が加えられると、線路導体12上における1次分布定数のうちの少なくとも1つがその位置xにおいて変化する。そして、1次分布定数のうちの少なくとも1つが変化した線路導体12の位置x、つまり、線路導体12の長さ方向の位置は、所定の駆動信号の印可に対する入力端信号及び出力端信号の変化から求められる。この位置xから、圧力検出面19上において実際に圧力が加えられた位置が把握される。さらに、圧力の強弱に対する1次分布定数の変化量の関係を予め把握しておくことにより、1次分布定数の変化量から圧力の強さを把握することができる。従って、平面上において圧力が加えられた位置とその圧力の強さとを、銅等からなる一本の線路導体12と、誘電性材料からなる媒質16とを組み合わせただけの簡単な構成の圧力センサ素子10により検出することができる。ゆえに、構成が簡単で、製造が容易な圧力センサ素子10を実現することができる。なお、この圧力センとサ素子10は、例えば、コンピュータの入力装置に用いることができる。
(2) 一本の線路導体12を絶縁基板11上において蛇行させるとともに、圧力センサ素子10を全体として平面状に形成した。そして、線路導体12において圧力が加えられた位置xから、線路導体12が敷設された平面において圧力が加えられた位置を求めるようにした。従って、従来の面状の圧力センサとは異なり、多数の圧力検出部をアレイ化した構成を備えないため、圧力検出面積を広くしたり検出分解能を上げたりしても、構成が複雑になることはない。ゆえに、圧力センサ素子10の製造が容易となる。
(3) 線路導体12を、絶縁基板11と媒質16との間に挟持するだけの簡単な構成であるため、圧力センサ素子10の製造が容易となる。
(4) LCR共振回路として機能するコイル状炭素繊維18を誘電性の母材17に分散させて媒質16を構成した。このため、媒質16に加えられた圧力に基づく変形によって電気定数が変化し、この結果、1次分布定数(単位長当たりのインダクタンスL、キャパシタンスC、抵抗R及びコンダクタンスG)が変化する。電気定数のうちの導電率σに着目すると、導電率σが変化し、この結果、抵抗R及びコンダクタンスGが変化する。従って、線路導体12上における抵抗Rの変化を検出することにより、圧力が加えられた位置とその強さとを検出することができる。
(第2実施形態)
次に、この発明を具体化した第2実施形態について図9を用いて説明する。第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
図9に示すように、前記線路導体12は、絶縁基板11の上側平面において渦巻き状に敷設されている。線路導体12の第1端は、第1入力端子13aに接続され、その第2端は、渦巻き状の線路導体12の中心から絶縁基板11及びグランド板14を貫通してグランド板14の下側から第1出力端子13bに接続されている。なお、線路導体12とグランド板14との間は、例えばグランド板14の貫通孔の内周面に形成された絶縁膜により絶縁されている。
以上のように構成されたこの実施形態も、前記第1実施形態と同様の作用及び効果を発揮する。
(第3実施形態)
次に、この発明を具体化した第3実施形態について、第1実施形態と異なる点を中心に図10を用いて説明する。
図10に示すように、前記線路導体12は、第1実施形態と同様に、絶縁基板11の上側平面において蛇行するように敷設されている。また、絶縁基板11の上側平面には、線路導体12と平行な位置関係で蛇行するグランド線路30が敷設されている。このグランド線路30は、前記グランド板14に代わるものであり、前記グランド板14は廃止されている。
以上のように構成されたこの実施形態も、前記第1実施形態と同様に、圧力検出面19に加えられた圧力により媒質16が弾性変形し、この弾性変形によって電気定数が変化し、この結果、1次分布定数(単位長当たりのインダクタンスL、キャパシタンスC、抵抗R及びコンダクタンスG)が変化する。電気定数のうちの導電率σに着目すると、導電率σが顕著に変化し、この導電率σの変化に伴って抵抗R(x)及びコンダクタンスG(x)が顕著に変化する。従って、この抵抗R(x)またはコンダクタンスG(x)の変化を検出することにより、圧力が加えられた位置とその強さを求めることができる。
この実施形態は、前記第1実施形態の(1)〜(4)の各効果に加え、以下の効果を有する。
(5) 絶縁基板11の下側にグランド板14を設ける代わりに、絶縁基板11上に敷設した線路導体12に沿ってグランド線路30を同様に敷設した。このため、グランドとして用いる材料が少なくてすむ。
(他の実施形態)
なお、この実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 第1又は第2実施形態において、圧力センサ素子10全体を凸形状又は凹形状となった湾曲状に形成する。このような構成によれば、曲面状の圧力検出面19を有する圧力センサ素子10とすることができる。従って、このような構成においては、曲面において圧力が加えられた位置とその強さを検出することができる。ゆえに、従来の平面状の圧力センサとは異なり、曲面上に加えられた圧力を検出する構成を容易に実現できるので、その利用範囲が拡大する。例えば、湾曲状のロボットアームの触覚センサや、車椅子の曲面状の背もたれ部等の介護用機器の人体検知センサに用いることができる。
・ 図5に示すように、線路導体12を直線状にした圧力センサ素子10に具体化する。
・ この発明を、コイル状炭素繊維18を設けず、圧力によって弾性変形することにより電気定数のうちの誘電率を主に大きく変化させる例えばポリテトラフルオロエチレンの発泡体のような材料を媒質16として用いた圧力センサ素子に具体化する。この場合には、圧力に対する媒質16の弾性変形により1次分布定数としてのキャパシタンスCが大きく変化する。
以下、上記実施形態から把握できる技術的思想を記載する。
(1) 請求項1または2に記載の圧力センサ素子において、前記線路導体を蛇行させたことを特徴とする。このような構成によれば、線路導体をほぼ面的に敷設したことになり、圧力センサ素子の検出面積を拡げることができる。
(2) 請求項1または2に記載の圧力センサ素子において、前記線路導体を渦巻き状に巻回させたことを特徴とする。このような構成によれば、線路導体をほぼ面的に敷設したことになり、圧力センサ素子の検出面積を拡げることができる。
(3) 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の圧力センサ素子において、全体として平板状に形成したことを特徴とする。このような構成によれば、このように構成した圧力センサ素子は、平面部に設置するセンサとして好適である。
(4) 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の圧力センサ素子において、全体として曲板状に形成したことを特徴とする。このような構成によれば、このように構成した圧力センサ素子は、曲面部に設置するセンサとして好適である。
第1実施形態の圧力センサ素子を示す斜視図。 同じく分解斜視図。 媒質の等価回路図。 圧力センサ素子の電気的構成を示す模式図。 圧力センサ素子を単純化したモデルを示す分解斜視図。 圧力が加えられたときの1次分布定数の変化状態を示すグラフ。 損失不均一線路を示すモデル。 (a)は、駆動信号の波形、(b)は、入力端波形、(c)は、出力端波形を示すグラフ。 第2実施形態の圧力センサ素子を示す分解斜視図。 第3実施形態の圧力センサ素子を示す分解斜視図。
符号の説明
10…圧力センサ素子、11…絶縁基板、12…線路導体、14…グランド板、16…周辺媒質、17…母材、18…コイル状炭素繊維、R(x)…1次分布定数としての抵抗。

Claims (4)

  1. 線路導体と、この線路導体とともに導電路を形成するように線路導体の周囲に設けられた周辺媒質とを備え、
    前記線路導体の入力端に駆動信号が印可された状態において、外部圧力によって線路導体及び周辺媒質の少なくともいずれか一方が変形された場合に、線路導体の入力端及び出力端において変形された位置と変形度合いに応じた波形の信号が出力されるように構成されたことを特徴とする圧力センサ素子。
  2. 線路導体と、該線路導体の周辺媒質とにより構成される分布定数線路を有し、
    線路導体及び周辺媒質の少なくともいずれか一方に加えられた圧力による線路導体及び周辺媒質の少なくともいずれか一方の変形により同圧力が加えられた位置において同線路導体上における1次分布定数のうち少なくとも1つを変化させるように構成されたことを特徴とする圧力センサ素子。
  3. 前記線路導体を絶縁基板と前記周辺媒質との間に挟持したことを特徴とする請求項1または2に記載の圧力センサ素子。
  4. 前記周辺媒質は、コイル形状に基づくインダクタンス(L)成分、キャパシタンス(C)成分及び抵抗(R)成分を有してLCR共振回路として機能するコイル状炭素繊維を誘電性の母材中に分散させて構成されたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の圧力センサ素子。
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